ところが、前記したような従来の前掛眼鏡フレームでは、専ら眼鏡フレームの前面に重ね合わせて取り付けられるため、眼鏡フレームの前枠が前掛眼鏡フレームに隠蔽され易く、眼鏡フレーム自身のデザインが生かされ難いことから興趣性に欠けるという問題がある。
本発明は、斯かる従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、TPOに応じて外観を容易に変更可能で且つ興趣性に優れた内掛眼鏡フレーム及び眼鏡フレームセットを提供することを課題とする。
前記課題を解決するべく、本発明は、レンズを保持する前枠と、前記前枠の両端からそれぞれ後方に延出する左右一対のテンプルとを具備する眼鏡フレームに対して着脱自在に取り付けられる、テンプルを具備しない内掛眼鏡フレームであって、前記眼鏡フレームに対して取り付けられた状態において、前記前枠の後面に重ね合わされる左右一対のリムと、前記左右一対のリムを連結するブリッジ部であって、前記眼鏡フレームを構成する前枠と該前枠に設けられた鼻当て用のパッドとの間に介在するクリングスに支持されるブリッジ部とを備え、前記内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部は、前記眼鏡フレームを構成する前枠のブリッジ部後面の形状に対応する凹溝が前面に形成されたブリッジ部本体と、前記ブリッジ部本体の前記凹溝の上端から前方に向けて延設された延設部と、前記凹溝と前後方向に対向するように前記延設部の前端部から下方に延設され、前後方向に撓むことが可能な可撓性部材からなる係止部とを備え、前記係止部に付勢力が作用していない状態において、前記ブリッジ部本体と前記係止部の下端部との前後方向の最小の間隔が、前記眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みよりも小さく設定されている一方、前記凹溝の底部と前記係止部との前後方向の間隔は、前記眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みと略同等に設定されていることを特徴とする内掛眼鏡フレームを提供する。なお、本発明に係る内掛眼鏡フレームを構成する前記左右一対のリムとは、所謂、眼鏡フレームにおけるレンズを嵌め込むためのリムと同等の形態を有する部材を意味する。
本発明に係る内掛眼鏡フレームでは、前記眼鏡フレームに対して取り付けられるにあたり、前記左右一対のリムを連結するブリッジ部が、前記眼鏡フレームを構成する前枠と該前枠に設けられた鼻当て用のパッドとの間に介在するクリングスに支持されるので、TPOに応じて外観を容易に変更することができる。さらに、前記眼鏡フレームに対して取り付けられた状態において、前記左右一対のリムが前記眼鏡フレームを構成する前枠の後面に重ね合わされるので、該眼鏡フレームの前枠が該左右一対のリムに隠蔽されることがなく、眼鏡フレーム自身のデザインが生かされ易く、これにより興趣性を向上させることができる上、眼鏡フレーム自身のデザインに合わせたデザインにすることができる。なお、前記左右一対のリムは、枠だけの状態であってもよいし、透明部材やサングラスのような遮光部材等の光透過性部材が嵌め込まれていてもよい。
このように本発明に係る内掛眼鏡フレームによれば、TPOに応じて外観を容易に変更可能で且つ興趣性に優れた利点を有する。
また、本発明に係る内掛眼鏡フレームは、内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部が以下の第1態様の構成を有する。すなわち、前記内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部は、前記眼鏡フレームを構成する前枠のブリッジ部後面の形状に対応する凹溝が前面に形成されたブリッジ部本体と、前記ブリッジ部本体の前記凹溝の上端から前方に向けて延設された延設部と、前記凹溝と前後方向に対向するように前記延設部の前端部から下方に延設され、前後方向に撓むことが可能な可撓性部材からなる係止部とを備え、前記係止部に付勢力が作用していない状態において、前記ブリッジ部本体と前記係止部の下端部との前後方向の最小の間隔が、前記眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みよりも小さく設定されている一方、前記凹溝の底部と前記係止部との前後方向の間隔は、前記眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みと略同等に設定されている構成を有する。
この第1態様の構成では、内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部が、眼鏡フレームを構成する前枠のブリッジ部後面の形状に対応する凹溝が前面に形成されたブリッジ部本体と、ブリッジ部本体の凹溝の上端から前方に向けて延設された延設部と、凹溝と前後方向に対向するように延設部の前端部から下方に延設され、前後方向に撓むことが可能な可撓性部材からなる係止部とを備える構成とされている。そして、係止部に付勢力が作用していない状態において、凹溝の底部と係止部との前後方向の間隔が、眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みと略同等に設定されている。従って、内掛眼鏡フレームが眼鏡フレームに取り付けられた状態においては、眼鏡フレームのブリッジ部後面が内掛眼鏡フレームのブリッジ部本体の凹溝に嵌め込まれ、眼鏡フレームのブリッジ部前面が係止部の後面で係止される状態で、延設部が眼鏡フレームのブリッジ部に下方から支持されることになる。従って、内掛眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向及び下方向への動きが、眼鏡フレームのブリッジ部によって規制されることになり、内掛眼鏡フレームを眼鏡フレームに確実に取り付けることが可能である。
また、係止部に付勢力が作用していない状態において、ブリッジ部本体と係止部の下端部との前後方向の最小の間隔が、眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みよりも小さく設定されている。従って、内掛眼鏡フレームが眼鏡フレームに取り付けられる際には、内掛眼鏡フレームの延設部を眼鏡フレームのブリッジ部の上方に配設した後、内掛眼鏡フレームを下方へ移動させれば、眼鏡フレームのブリッジ部が内掛眼鏡フレームの係止部の下端部に当接し、係止部が前方に向けて付勢されて撓むため、ブリッジ部本体と係止部の下端部との前後方向の間隔が拡がり、当該間隔を有する隙間を眼鏡フレームのブリッジ部が容易に通過することになる。そして、眼鏡フレームのブリッジ部が前記隙間を通過した後には、係止部が元の状態(付勢力が作用していない状態)に戻り、ブリッジ部本体と係止部の下端部との前後方向の最小の間隔が眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みよりも小さくなるため、当該間隔を有する隙間から眼鏡フレームのブリッジ部が抜け難くなる。一方、内掛眼鏡フレームが眼鏡フレームから取り外される際には、内掛眼鏡フレームの前方が上方に移動するように回動しながら内掛眼鏡フレームの全体を上方へ移動させることにより、眼鏡フレームのブリッジ部後面が内掛眼鏡フレームのブリッジ部本体の凹溝から抜けると共に、眼鏡フレームのブリッジ部が内掛眼鏡フレームの係止部の下端部に当接し、係止部が前方に向けて付勢されて撓むため、ブリッジ部本体と係止部の下端部との前後方向の間隔が拡がり、当該間隔を有する隙間から眼鏡フレームのブリッジ部が容易に抜けることになる。
この構成において、好ましくは、前記係止部の下端部前面は、上方から下方に向けて前記ブリッジ部本体から離間する方向に湾曲した曲面形状とされる。斯かる構成によれば、眼鏡フレームのブリッジ部を内掛眼鏡フレームのブリッジ部本体と係止部の下端部との隙間に挿脱する際に、湾曲した曲面形状に沿って眼鏡フレームのブリッジ部を移動させることができるため、内掛眼鏡フレームの着脱動作をスムーズに行うことができるという利点を有する。
また、本発明に係る内掛眼鏡フレームは、内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部が以下の第2態様の構成を有するものとしても提供される。すなわち、前記内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部は、前記眼鏡フレームを構成する前枠のブリッジ部後面の形状に対応する凹溝が前面に形成されたブリッジ部本体と、前記ブリッジ部本体の前記凹溝の下端から前方に向けて延設された延設部と、前記凹溝と前後方向に対向するように前記延設部の前端部から上方に延設され、前後方向に撓むことが可能な可撓性部材からなる係止部とを備え、前記係止部に付勢力が作用していない状態において、前記ブリッジ部本体と前記係止部の上端部との前後方向の最小の間隔が、前記眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みよりも小さく設定されている一方、前記凹溝の底部と前記係止部との前後方向の間隔は、前記眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みと略同等に設定されている構成を有するものとしても提供される。
この第2態様の構成を有する内掛眼鏡フレームについても、着脱動作の方向が上下に反転する点を除き、前記第1態様の構成を有する内掛眼鏡フレームと略同等の作用効果を奏する。
また、本発明に係る内掛眼鏡フレームは、内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部が以下の第3態様の構成を有するものとしても提供される。すなわち、前記内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部は、ブリッジ部本体と、前記ブリッジ部本体の上端部から前方に向けて延設された延設部と、前記ブリッジ部本体と対向するように前記延設部の前端部から下方に延設され、前後方向に撓むことが可能な可撓性部材からなる係止部とを備え、前記係止部の上端部後面には、前記眼鏡フレームを構成する前枠のブリッジ部前面の形状に対応する凹溝が形成され、前記係止部に付勢力が作用していない状態において、前記ブリッジ部本体と前記係止部の下端部との前後方向の最小の間隔が、前記眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みよりも小さく設定されている一方、前記凹溝の底部と前記ブリッジ部本体との前後方向の間隔は、前記眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みと略同等に設定されている構成を有するものとしても提供される。
この第3態様の構成を有する内掛眼鏡フレームでは、前記第1態様の構成においてブリッジ部本体に形成された凹溝を、ブリッジ部本体ではなく係止部に形成する構成としている。斯かる第3態様の構成を有する内掛眼鏡フレームについても、前記第1態様の構成を有する内掛眼鏡フレームと略同等の作用効果を奏する。
また、本発明に係る内掛眼鏡フレームは、内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部が以下の第4態様の構成を有するものとしても提供される。すなわち、前記内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部は、ブリッジ部本体と、前記ブリッジ部本体の下端部から前方に向けて延設された延設部と、前記ブリッジ部本体と対向するように前記延設部の前端部から上方に延設され、前後方向に撓むことが可能な可撓性部材からなる係止部とを備え、前記係止部の下端部後面には、前記眼鏡フレームを構成する前枠のブリッジ部前面の形状に対応する凹溝が形成され、前記係止部に付勢力が作用していない状態において、前記ブリッジ部本体と前記係止部の上端部との前後方向の最小の間隔が、前記眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みよりも小さく設定されている一方、前記凹溝の底部と前記ブリッジ部本体との前後方向の間隔は、前記眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みと略同等に設定されている構成を有するものとしても提供される。
この第4態様の構成を有する内掛眼鏡フレームでは、前記第3態様の構成においてブリッジ部の上下を反転させた構成としている。斯かる第4態様の構成を有する内掛眼鏡フレームについても、着脱動作の方向が上下に反転する点を除き、前記第3態様の構成を有する内掛眼鏡フレームと略同等の作用効果を奏する。
さらに、本発明に係る内掛眼鏡フレームは、内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部が以下の第5態様の構成を有するものとしても提供される。すなわち、前記内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部は、前記眼鏡フレームを構成する前枠のブリッジ部後面の形状に対応する凹溝が前面に形成されたブリッジ部本体と、前記ブリッジ部本体の前記凹溝の上端から前方に向けて延設された第1の係止部と、前記第1の係止部と略同等の長さを有し、前記ブリッジ部本体の前記凹溝の下端から前方に向けて延設された第2の係止部とを備え、前記第1の係止部及び前記第2の係止部の少なくとも何れか一方は、上下方向に撓むことが可能な可撓性部材からなり、前記第1の係止部及び前記第2の係止部に付勢力が作用していない状態において、前記第1の係止部の前端部と前記第2の係止部の前端部との上下方向の最小の間隔が、前記眼鏡フレームのブリッジ部の上下方向の厚みよりも小さく設定されている一方、前記第1の係止部の後端部と前記第2の係止部の後端部との上下方向の間隔は、前記眼鏡フレームのブリッジ部の上下方向の厚みと略同等に設定されており、なお且つ、前記第1の係止部の後端部又は前記第2の係止部の後端部の長さと前記凹溝の深さとの和が、前記眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みと略同等に設定されている構成を有するものとしても提供される。
この第5態様の構成では、内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部が、眼鏡フレームのブリッジ部後面の形状に対応する凹溝が前面に形成されたブリッジ部本体と、ブリッジ部本体の凹溝の上端から前方に向けて延設された第1の係止部と、第1の係止部と略同等の長さを有し、ブリッジ部本体の凹溝の下端から前方に向けて延設された第2の係止部とを備え、第1の係止部及び第2の係止部の少なくとも何れか一方が、上下方向に撓むことが可能な可撓性部材から構成されている。そして、第1の係止部及び第2の係止部に付勢力が作用していない状態において、第1の係止部の前端部と第2の係止部の前端部との上下方向の間隔が、眼鏡フレームのブリッジ部の上下方向の厚みと略同等に設定されており、なお且つ、第1の係止部の後端部又は第2の係止部の後端部の長さ(即ち、第1の係止部と第2の係止部との上下方向の間隔が眼鏡フレームのブリッジ部の上下方向の厚みと略同等に設定されている第1の係止部又は第2の係止部の後端部の長さ)と凹溝の深さとの和が、眼鏡フレームのブリッジ部の前後方向の厚みと略同等に設定されている。従って、内掛眼鏡フレームが眼鏡フレームに取り付けられた状態においては、眼鏡フレームのブリッジ部前面が内掛眼鏡フレームのブリッジ部本体の凹溝に嵌め込まれ、眼鏡フレームのブリッジ部上下面が第1の係止部と第2の係止部との間で挟持されることになる。従って、内掛眼鏡フレームのブリッジ部の上下方向及び後方への動きが、眼鏡フレームのブリッジ部によって規制されることになり、内掛眼鏡フレームを眼鏡フレームに確実に取り付けることが可能である。
また、第1の係止部及び第2の係止部に付勢力が作用していない状態において、第1の係止部の前端部と第2の係止部の前端部との上下方向の最小の間隔が、眼鏡フレームのブリッジ部の上下方向の厚みよりも小さく設定されている。従って、内掛眼鏡フレームが眼鏡フレームに取り付けられる際には、内掛眼鏡フレームの第1の係止部と第2の係止部の隙間を眼鏡フレームのブリッジ部の後方に配設した後、内掛眼鏡フレームを前方へ移動させれば、眼鏡フレームのブリッジ部が内掛眼鏡フレームの第1の係止部の前端部の下端及び第2の係止部の前端部の上端に当接し、第1の係止部の前端部が上方に向けて付勢されて撓むか、若しくは第2の係止部の前端部が下方に向けて付勢されて撓むか、或いは第1の係止部及び第2の係止部の双方の前端部が撓むため、第1の係止部の前端部と第2の係止部の前端部との上下方向の間隔が拡がり、当該間隔を有する隙間を眼鏡フレームのブリッジ部が通過することになる。そして、眼鏡フレームのブリッジ部が前記隙間を通過した後には、第1の係止部若しくは第2の係止部或いはその双方が元の状態(付勢力が作用していない状態)に戻り、第1の係止部の前端部と第2の係止部の前端部との上下方向の最小の間隔が眼鏡フレームのブリッジ部の上下方向の厚みよりも小さくなるため、当該間隔を有する隙間から眼鏡フレームのブリッジ部が抜け難くなる。一方、内掛眼鏡フレームが眼鏡フレームから取り外される際には、内掛眼鏡フレームを後方へ移動させることにより、眼鏡フレームのブリッジ部後面が内掛眼鏡フレームのブリッジ部本体の凹溝から抜けると共に、眼鏡フレームのブリッジ部が内掛眼鏡フレームの第1の係止部の前端部及び第2の係止部の前端部に当接し、第1の係止部が上方に向けて付勢されて撓むか、若しくは第2の係止部が下方に向けて付勢されて撓むか、或いは第1の係止部及び第2の係止部の双方の前端部が撓むため、第1の係止部の前端部と第2の係止部の前端部との上下方向の間隔が拡がり、当該間隔を有する隙間から眼鏡フレームのブリッジ部が抜けることになる。
なお、前記第1から第5態様の構成を有する内掛眼鏡フレームにおいて、内掛眼鏡フレームの左右方向両端部の前面に、眼鏡フレームのフレームの左右方向両端部の後面の形状に対応する凹溝が設けられていてもよい。斯かる構成によれば、内掛眼鏡フレームの左右方向両端部の前面に、眼鏡フレームの左右方向両端部後面の形状に対応する凹溝が設けられているため、内掛眼鏡フレームを眼鏡フレームに取り付けた際に、前記凹溝に眼鏡フレームの左右方向両端部後面が係合することになり、より一層確実に内掛眼鏡フレームを眼鏡フレームに取り付けることが可能である。
本発明に係る内掛眼鏡フレームにおいて、前記左右一対のリム後方にそれぞれ配設された左右一対の筒状部材を更に備えていてもよい。斯かる構成によれば、該内掛眼鏡フレームの左右一対のリム後方にそれぞれ位置する左右一対の筒状部材を備えるため、内掛眼鏡フレームを取り付けた眼鏡を装着した場合、該眼鏡を構成するレンズと前記筒状部材とによって眼の周囲は覆われ、防塵機能を奏することになる。特に、内掛眼鏡フレームの左右一対のリムに前記光透過性部材が嵌め込まれている場合には、当該内掛眼鏡フレームの光透過性部材と前記筒状部材とによって眼の周囲は覆われ易く、それだけ防塵機能を高めることができる。この場合、内掛眼鏡フレームと左右一対の筒状部材とが一体的に形成されていてもよいし、左右一対の筒状部材が内掛眼鏡フレームに対して離間可能に取付られてもよい。後者のように、左右一対の筒状部材が内掛眼鏡フレームに対して離間可能に取付られる場合、左右一対の筒状部材が、少なくとも後方周縁部が弾性体から形成されており、硬質性の材料から形成された環状部材と、当該環状部材の周縁部から後方に延設された弾性部材とを有していてもよい。このように環状部材及び弾性部材を備えている場合には、筒状部材の少なくとも後方周縁部(顔部に当接する部分となる)が弾性体から形成されていて、筒状部材が、環状部材の周縁部から後方に延設された弾性部材を備え、当該弾性部材が顔部に当接することになるため、顔部への密着性が高まり、さらに防塵機能を向上させることができると共に、使用者が違和感を感じ難いという利点を有する。
また、前記課題を解決するべく、本発明は、レンズを保持する前枠と、前記前枠の両端からそれぞれ後方に延出する左右一対のテンプルとを具備する眼鏡フレームに対して着脱自在に取り付けられる、テンプルを具備しない内掛眼鏡フレームであって、前記眼鏡フレームに対して取り付けられた状態において、前記前枠の後面に重ね合わされる左右一対のリムと、前記左右一対のリムを連結するブリッジ部であって、前記眼鏡フレームを構成する前枠と該前枠に設けられた鼻当て用のパッドとの間に介在するクリングスに支持されるブリッジ部と、前記左右一対のリム後方にそれぞれ配設された左右一対の筒状部材とを備えることを特徴とする内掛眼鏡フレームとしても提供される。
なお、左右一対の筒状部材が内掛眼鏡フレームに対して離間可能に取付られる場合、好ましくは、透明な材料から形成され、前記筒状部材の前方開口部を閉塞する眼鏡部材を更に備えるように構成される。斯かる構成によれば、筒状部材の前方開口部を閉塞する眼鏡部材を備えるため、筒状部材の前方開口部から花粉や粉塵等が筒状部材内部に進入することがなく、防塵機能を更に向上させることが可能である。また、眼鏡部材が透明な材料から形成されるため、眼鏡の視認性を損なうこともない。
好ましくは、前記筒状部材は、後方周縁部から外方又は内方に向けて平面状に突設され、弾性体から形成された鍔部を備えるように構成される。斯かる構成によれば、内掛眼鏡フレームを取り付けた眼鏡を装着した場合、平面状に突設された鍔部に顔部が当接することになる。即ち、筒状部材と顔部とが鍔部で面接触することになるため、顔部への密着性が高まり防塵機能をより一層向上させることができると共に、使用者が違和感をより一層感じ難いという利点を有する。
また、左右一対の筒状部材が内掛眼鏡フレームに対して離間可能に取付られる場合、好ましくは、前記筒状部材の前方周縁部に取り付けられた粘着材を更に備えるように構成される。斯かる構成によれば、筒状部材の前方周縁部に粘着材が取り付けられているため、前記筒状部材を取り付ける際に粘着材を内掛眼鏡フレームの左右一対のリム及び/又は前記左右一対のリムに前記光透過性部材が嵌め込まれている場合には、該光透過性部材後面に対して押圧すれば、当該粘着材の粘着力によって筒状部材がリム後面や光透過性部材後面にしっかりと固定されるという利点を有する。なお、粘着材としては、例えば、再粘着性を有するポリウレタン樹脂等を好適に用いることができる。
前記内掛眼鏡フレームを構成するブリッジ部には、前記クリングスに係合する係合部が設けられていることが好ましい。こうすることで、該係合部の前記クリングスへの係合によって、前記内掛眼鏡フレームのブリッジ部が、該クリングスに対して確実に装着され得る。これにより、前記内掛眼鏡フレームが前記眼鏡フレームから脱落し難くすることができる。
前記内掛眼鏡フレームのブリッジ部に前記係合部が設けられる具体的態様としては、前記内掛眼鏡フレームの少なくともブリッジ部が可撓性を有する部材で形成されており、前記内掛眼鏡フレームの左右一対のリム間の左右方向の最小の距離が前記眼鏡フレームのクリングスにおける、前記内掛眼鏡フレームのブリッジ部を支持する左右方向の支持端部間の距離より小さく設定されている一方、前記内掛眼鏡フレームのブリッジ部の左右一対のリムとの付け根部分でそれぞれ前記眼鏡フレームのクリングスにおける前記支持端部をそれぞれ保持する左右一対の保持部が設けられており、該左右一対の保持部間の左右方向の最大の距離が前記眼鏡フレームのクリングスにおける前記支持端部間の距離と略同等に設定されている場合を例示できる。
この態様の内掛眼鏡フレームでは、該内掛眼鏡フレームが眼鏡フレームに取り付けられる際には、内掛眼鏡フレームの左右一対のリムがそれぞれ眼鏡フレームのクリングスの前記支持端部に配設される。このとき、内掛眼鏡フレームのブリッジ部に付勢力が作用していない状態となっており、一対のリム間の左右方向の最小距離が眼鏡フレームのクリングスにおける前記支持端部間の距離より小さく設定されている。この状態で、内掛眼鏡フレーム全体を上下方向の該内掛眼鏡フレームのブリッジ部がクリングスに近づく方向に向けて移動させれば、リムがクリングスの前記支持端部に沿って該方向に移動することで、内掛眼鏡フレームのブリッジ部が撓みつつ一対のリム間の左右方向の距離が拡がり、或いは/さらに、一対のリム間の左右方向の距離が拡がるように外力によって(例えば、両リムを両手で拡開することによって)内掛眼鏡フレームのブリッジ部を撓ませつつ内掛眼鏡フレーム全体を上下方向の該内掛眼鏡フレームのブリッジ部がクリングスに近づく方向に向けて移動させれば、当該リム間の左右方向の距離を有する隙間を眼鏡フレームのクリングスの前記支持端部間が通過可能となり、これによりクリングスの前記支持端部が内掛眼鏡フレームのブリッジ部の左右一対のリムとの付け根部分にそれぞれ設けられた左右一対の保持部に保持される。そして、当該クリングスが前記隙間を通過した後には、内掛眼鏡フレームのブリッジ部が元の状態(付勢力が作用していない状態)に戻る。この状態においては、一対のリム間の左右方向の最小距離がクリングスの前記支持端部間の距離より小さくなるため、当該リム間の左右方向の距離を有する隙間から眼鏡フレームのクリングスが抜け難くなり、こうして眼鏡フレームに内掛眼鏡フレームが簡単且つ安定した状態で確実に取り付けられ得る。一方、内掛眼鏡フレームが眼鏡フレームから取り外される際には、内掛眼鏡フレーム全体を上下方向の該内掛眼鏡フレームのブリッジ部がクリングスから離間する方向に向けて移動させることにより、リムがクリングスの前記支持端部に沿って該方向に移動することで、内掛眼鏡フレームのブリッジ部が撓みつつ一対のリム間の左右方向の距離が拡がり、或いは/さらに、一対のリム間の左右方向の距離が拡がるように外力によって(例えば、両リムを両手で拡開することによって)内掛眼鏡フレームのブリッジ部を撓ませつつ内掛眼鏡フレーム全体を上下方向の該内掛眼鏡フレームのブリッジ部がクリングスから離間する方向に向けて移動させることにより、当該リム間の左右方向の距離を有する隙間を眼鏡フレームのクリングスの前記支持端部間が通過可能となり、こうして眼鏡フレームから内掛眼鏡フレームが簡単に取り外され得る。
本発明はまた、次の第1及び第2の眼鏡フレームセットも提供する。即ち、
(1)第1の眼鏡フレームセット
前記本発明に係る内掛眼鏡フレームと、
レンズを保持する前枠と、前記前枠の両端からそれぞれ後方に延出する左右一対のテンプルとを具備する眼鏡フレームと
を備えることを特徴とする眼鏡フレームセット。
(2)第2の眼鏡フレームセット
前記本発明に係る内掛眼鏡フレームと、
レンズを保持する前枠と、前記前枠の両端からそれぞれ後方に延出する一対のテンプルと、軸部材を介して前記テンプルの後部と揺動可能に取り付けられ、耳の裏側に当接可能な耳当接部を有する耳当て部材と、前記テンプルの前記耳当て部材が取り付けられた部位より前方にある所定部と前記耳当接部の前端部とを連結する可撓性の絡み防止部材とを具備し、前記絡み防止部材は、弾性部材であって、前記耳当接部の前端部を前記テンプル側へ押し付ける弾性力を作用させる姿勢と、前記耳当接部の前端部を前記テンプルから離間させる弾性力を作用させる姿勢とに切り替わる眼鏡フレームと
を備えることを特徴とする眼鏡フレームセット。
本発明に係る第1の眼鏡フレームセットにおいて、前記テンプルの後部に着脱可能なクリップ部と、軸部材を介して前記クリップ部と揺動可能に取り付けられ、耳の裏側に当接可能な耳当接部と(耳の裏側に当接可能な耳当接部と、ピン又はねじ等の軸部材を備え、当該軸部材を用いて前記クリップ部と前記耳当接部とを揺動可能に取り付ける揺動部と)、一端が前記耳当接部の前端部に連結され、他端が前記テンプルの前記クリップ部が取り付けられた部位より前方にある所定部に着脱可能な可撓性の絡み防止部材とを具備する眼鏡取り付け具が前記眼鏡フレームに着脱可能に取り付けられている場合を例示できる。
この場合、前記眼鏡取り付け具が、前記クリップ部により、前記本発明に係る内掛眼鏡フレームが取り付けられる、一般的な眼鏡フレームのテンプルの後部に着脱可能に取り付けられる。また、クリップ部と耳当接部とは、ピン又はねじ等の軸部材を用いて揺動可能に取り付けられる。これにより、眼鏡フレームのテンプルと眼鏡取り付け具の耳当接部とが、揺動可能に取り付けられる。
斯かる構成によれば、眼鏡を掛けた状態で、眼鏡フレームの前枠がずれ落ちようとすると、前枠に延出されたテンプルの後部はずれ上がろうとし、テンプルに対して揺動可能に取り付けられた眼鏡取り付け具の耳当接部を上方へ移動させようとする。そして、耳当接部が上方へ移動しようとすると、軸部材を中心として耳当接部は前回り方向へ回転しようとする。この時、耳当接部の前端部が耳の裏側を押圧する力が大きくなり、その結果、耳当接部と耳の裏側との相対的な移動が阻止され、テンプルの後部のずれ上がりが阻止される。これにより、眼鏡のずれ落ちを防止することができる。
このように、前記本発明に係る内掛眼鏡フレームが取り付けられる、一般の眼鏡フレームのテンプルに着脱可能なクリップ部を有するとともに、当該クリップ部がテンプルに取り付けられた状態でテンプルに対して揺動可能な耳当接部を有することにより、特殊な眼鏡フレームを用いないで、眼鏡フレームについて鼻に掛かる負担を大きくすることなく眼鏡のずれ落ちを防止できる。また、眼鏡フレームを複数所有する場合であっても、様々なデザインの眼鏡フレームに対し、眼鏡取り付け具を着脱することにより、1つ(1対)の眼鏡取り付け具さえあれば、いずれの眼鏡フレームに対しても有効な眼鏡のずれ落ち防止効果を達成することができる。
さらに、一端が前記耳当接部の前端部に連結され、他端が前記テンプルの前記クリップ部が取り付けられた部位より前方にある所定部に着脱可能な可撓性の絡み防止部材をさらに具備するように構成されるので、可撓性の絡み防止部材が眼鏡フレームのテンプルのクリップ部が取り付けられた部位より前方にある所定部と眼鏡取り付け具の耳当接部の前端部とを連結するように取り付けられており、眼鏡を外す際に、テンプルを上方へ持ち上げてもテンプルと耳当接部の前端部との間が絡み防止部材で塞がれているため、髪の毛がテンプルと耳当接部との取り付け部に入り込みにくく、これに絡まることが抑制される。また、絡み防止部材は、可撓性を有しており、眼鏡取り付け具の耳当接部の揺動を阻害することがないため、上記眼鏡のずれ落ち抑制の機能を阻害することもない。
このように、可撓性の絡み防止部材によって眼鏡フレームのテンプルのクリップ部が取り付けられた部位より前方にある所定部と眼鏡取り付け具の耳当接部の前端部とを連結することにより、鼻に掛かる負担を大きくすることなく眼鏡のずれ落ちを防止できるとともに、眼鏡を外す際に髪の毛の眼鏡への絡みを抑制することができる。
好ましくは、前記絡み防止部材は、弾性部材であって、前記耳当接部の前端部を前記テンプル側へ押し付ける弾性力を作用させる姿勢と、前記耳当接部の前端部を前記テンプルから離間させる弾性力を作用させる姿勢とに切り替わるように構成される。
この場合、絡み防止部材が弾性部材で形成されており、耳当接部の前端部がテンプル側に押し付けられる姿勢と、耳当接部の前端部がテンプルから離間した位置で保持される姿勢とに切り替え可能となる。従って、耳当接部の前端部がテンプルから離間した位置で保持された状態にすることにより、前枠と絡み防止部材の後端部との距離が広げられた状態となるため、使用者が眼鏡を掛ける際、耳当接部が邪魔になることなく(耳当接部を手で押さえておくことなく)容易に装着することができる。そして、耳に当接することによって、絡み防止部材の姿勢が、耳当接部の前端部をテンプル側へ押し付ける弾性力を作用させる姿勢へと切り替わり、耳当接部の後端部がしっかりと耳の裏側に当接可能となる。
このように、絡み防止部材がその弾性力によって耳当接部の姿勢を切り替えることができるため、眼鏡をより容易に装着することができ、かつ、眼鏡のずれ落ちをより効果的に抑制することができる。
さらに、前記内掛眼鏡フレームにおいて、前記左右一対の筒状部材を更に備えている場合には、該内掛眼鏡フレームを取り付けた眼鏡を装着した状態において、前記眼鏡取り付け具を具備する眼鏡フレームによって、該筒状部材を安定させることができ、それだけ効果的に防塵機能を高めることができる。
また、本発明に係る第2の眼鏡フレームセットによれば、前記眼鏡フレームにおいて、眼鏡を掛けた状態で、前枠がずれ落ちようとすると、前枠に延出されたテンプルの後部はずれ上がろうとし、テンプルの後部に取り付けられた耳当て部材の耳当接部を上方へ移動させようとする。そして、耳当て部材の耳当接部が上方へ移動しようとすると、耳当て部材の耳当接部は軸部材を中心として前回り方向へ回転しようとする。この時、耳当接部の前端部が耳の裏側を押圧する力が大きくなり、その結果、耳当接部と耳の裏側との相対的な移動が阻止され、テンプルの後部のずれ上がりが阻止される。このようにして、眼鏡のずれ落ちを防止することができる。
一方、可撓性の絡み防止部材がテンプルの耳当て部材が取り付けられた部位より前方にある所定部と耳当接部の前端部とを連結するように取り付けられており、眼鏡を外す際に、テンプルを上方へ持ち上げてもテンプルと耳当接部の前端部との間が絡み防止部材で塞がれているため、髪の毛がテンプルと耳当て部材との取り付け部位に入り込みにくく、これに絡まることが抑制される。また、絡み防止部材は、可撓性を有しており、耳当て部材の揺動を阻害することがないため、上記眼鏡のずれ落ち抑制の機能を阻害することもない。
このように、可撓性の絡み防止部材によってテンプルの耳当て部材が取り付けられた部位より前方にある所定部と前記耳当て部材の耳当接部の前端部とを連結することにより、鼻に掛かる負担を大きくすることなく眼鏡のずれ落ちを防止できるとともに、眼鏡を外す際に髪の毛の眼鏡への絡みを抑制することができる。
また、絡み防止部材が弾性部材で形成されており、耳当接部の前端部がテンプル側に押し付けられる姿勢と、耳当接部の前端部がテンプルから離間した位置で保持される姿勢とに切り替え可能となる。従って、耳当接部の前端部がテンプルから離間した位置で保持された状態にすることにより、前枠と絡み防止部材の後端部との距離が広げられた状態となるため、使用者が眼鏡を掛ける際、耳当て部材が邪魔になることなく(耳当て部材を手で押さえておくことなく)容易に装着することができる。そして、耳に当接することによって、絡み防止部材の姿勢が、耳当接部の前端部をテンプル側へ押し付ける弾性力を作用させる姿勢へと切り替わり、耳当接部の後端部がしっかりと耳の裏側に当接可能となる。
このように、絡み防止部材がその弾性力によって耳当接部の姿勢を切り替えることができるため、眼鏡をより容易に装着することができ、かつ、眼鏡のずれ落ちをより効果的に抑制することができる。
さらに、前記内掛眼鏡フレームにおいて、前記左右一対の筒状部材を更に備えている場合には、該内掛眼鏡フレームを取り付けた眼鏡を装着した状態において、斯かる構成の眼鏡フレームによって、該筒状部材を安定させることができ、それだけ効果的に防塵機能を高めることができる。
本発明に係る第1及び第2の眼鏡フレームセットにおいて、前記内掛眼鏡フレームのブリッジ部及び前記眼鏡フレームのブリッジ部の互いに対向する所定部位に着磁手段(例えば、磁性体と磁石とからなる着磁手段や、一対の磁石からなる着磁手段)が設けられていてもよい。こうすることで、内掛眼鏡フレームを眼鏡フレームに簡単且つ確実に取り付けることが可能である。この場合、例えば、次の態様を例示できる。即ち、
(a)前記内掛眼鏡フレームのブリッジ部が前方に突設する突出部を有しており、該突出部下面に磁性体及び磁石のうち一方(好ましくは磁石)が設けられ、前記眼鏡フレームのブリッジ部上面の、前記突出部における磁性体及び磁石のうち一方(好ましくは磁石)が設けられている部位に対応する部位に他方(好ましくは磁性体)が設けられる態様、
(b)前記内掛眼鏡フレームのブリッジ部が前方に突設する突出部を有しており、該突出部上面に磁性体及び磁石のうち一方(好ましくは磁石)が設けられ、前記眼鏡フレームのブリッジ部下面の、前記突出部における磁性体及び磁石のうち一方(好ましくは磁石)が設けられている部位に対応する部位に他方(好ましくは磁性体)が設けられる態様、
(c)前記内掛眼鏡フレームのブリッジ部が前方に突設する突出部を有しており、該突出部下面に一対の磁石のうち一方の磁石が設けられ、前記眼鏡フレームのブリッジ部上面の、前記突出部における一対の磁石のうち一方の磁石が設けられている部位に対応する部位に他方の磁石が該一方の磁石と極性が異なるように設けられる態様、
(d)前記内掛眼鏡フレームのブリッジ部が前方に突設する突出部を有しており、該突出部上面に一対の磁石のうち一方の磁石が設けられ、前記眼鏡フレームのブリッジ部下面の、前記突出部における一対の磁石のうち一方の磁石が設けられている部位に対応する部位に他方の磁石が該一方の磁石と極性が異なるように設けられる態様である。
なお、前記眼鏡フレームのブリッジ部に磁性体又は磁石が設けられる場合、該眼鏡フレームのブリッジ部全体が磁性体又は磁石で形成されていてもよい。また、前記内掛眼鏡フレームのブリッジ部における前記突出部に磁石又は磁性体が設けられる場合、該突出部全体が磁石又は磁性体で形成されていてもよい。
以上説明したように本発明によると、TPOに応じて外観を容易に変更可能で且つ興趣性に優れた内掛眼鏡フレーム及び眼鏡フレームセットを提供することができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の第1から第3実施形態について説明する。
(第1実施形態について)
図1は本発明の第1実施形態に係る眼鏡フレームセット300を示す概略斜視図であって、図1(A)は本発明の第1実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200が眼鏡フレーム100から取り外された状態を示す図であり、図1(B)は該内掛眼鏡フレーム200が眼鏡フレーム100に取り付けられた状態を示す図である。また、図2は図1に示す内掛眼鏡フレーム200の眼鏡フレーム100への係合作用を説明するための図であって、図2(A)は該内掛眼鏡フレーム200の正面図であり、図2(B)は該眼鏡フレーム100の正面図であり、図2(C)は該眼鏡フレーム100の前枠110部分の平面図である。なお、図1及び図2並びに後述する各図において、左右一対の部材は互いに左右対称になっている以外は、実質的に同じ構成作用を有するものであることから、同じ参照符号を付してある。
図1に示す眼鏡フレームセット300は、眼鏡フレーム100と、内掛眼鏡フレーム200とを具備している。
眼鏡フレーム100は、図1、図2(B)及び図2(C)に示すように、左右一対のレンズL,Lを保持する前枠110と、該前枠110の両端からそれぞれ後方に延出する左右一対のテンプル120,120と、前枠110の両端部でテンプル120,120を開閉させるための左右一対の蝶番130,130とを具備するものである。
また、眼鏡フレーム100を構成する前枠110には、該前枠110と該前枠110に設けられた左右一対の鼻当て用のパッド140,140との間にそれぞれ介在する左右一対のクリングス150,150が設けられている。
内掛眼鏡フレーム200は、図1及び図2(A)に示すように、眼鏡フレーム100に対して着脱自在に取り付けられる、テンプルを具備しないものであり、眼鏡フレーム100に対して取り付けられた状態において(図1(B)参照)、前枠110の後面に重ね合わされる左右一対のリム210,210と、該左右一対のリム210,210を連結するブリッジ部220とを備えている。なお、内掛眼鏡フレーム200を構成する左右一対のリム210,210とは、所謂、眼鏡フレームにおけるレンズを嵌め込むためのリムと同等の形態を有する部材を意味する。後述する第2及び第3実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200A,200Xの左右一対のリム210A,210A及び210X,210Xについても同様である。
内掛眼鏡フレーム200を構成するブリッジ部220は、該内掛眼鏡フレーム200が眼鏡フレーム100に対して取り付けられた状態において、眼鏡フレーム100におけるクリングス150,150に支持されるものであり、本実施形態では、内掛眼鏡フレーム200を構成するブリッジ部220において、左右一対のクリングス150,150にそれぞれ係合する左右一対の係合部230,230が設けられている。
さらに具体的に説明すると、内掛眼鏡フレーム200の少なくともブリッジ部220(本実施形態では内掛眼鏡フレーム200全体)が可撓性を有する部材(可撓性を有する樹脂材料や金属材料の他、可撓性を有するものであれば、いずれの材料を採用してもよい)で形成されており、図2に示すように、内掛眼鏡フレーム200の左右一対のリム210,210間の左右方向の最小の距離d1(図2(A)参照)が眼鏡フレーム100のクリングス150,150における、内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220を支持する左右方向の支持端部151,151間の距離d2(図2(B)及び図2(C)参照)より小さく設定されている一方、内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220の左右一対のリム210,210との下方の付け根部分でそれぞれ眼鏡フレーム100のクリングス150,150における前記支持端部151,151をそれぞれ保持する左右一対の保持部231,231であって、該支持端部151,151の形状に対応する凹溝状に形成された保持部231,231が設けられており、該左右一対の保持部231,231間の左右方向の最大の距離d2’(図2(A)参照)が眼鏡フレーム100のクリングス150,150における前記支持端部151,151間の距離d2と略同等に設定されている。なお、左右一対のリム210,210は、本実施形態では、枠だけの状態であるが、透明部材やサングラスのような遮光部材等の光透過性部材が嵌め込まれていてもよい。
この内掛眼鏡フレーム200では、該内掛眼鏡フレーム200が眼鏡フレーム100に取り付けられる際には、内掛眼鏡フレーム200の左右一対のリム210,210がそれぞれ眼鏡フレーム100のクリングス150,150の前記支持端部151,151に上方から配設される。このとき、内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220に付勢力が作用していない状態となっており、一対のリム210,210間の左右方向の最小距離d1が眼鏡フレーム100のクリングス150,150における前記支持端部151,151間の距離d2より小さく設定されている。この状態で、内掛眼鏡フレーム200全体を上下方向(図1中矢印X方向)の該内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220がクリングス150,150に近づく方向(図1中矢印X1方向(下方))に向けて移動させれば、リム210,210がクリングス150,150の前記支持端部151,151に沿って該方向X1に移動することで、内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220が撓みつつ一対のリム210,210間の距離d1が拡がり、或いは/さらに、一対のリム210,210間の距離d1が拡がるように外力によって(例えば、両リム210,210を両手で(図1(A)中矢印A方向に)拡開することによって)内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220を撓ませつつ内掛眼鏡フレーム200全体を下方X1に向けて移動させれば、当該リム210,210間の左右方向の距離を有する隙間を眼鏡フレーム100のクリングス150,150の前記支持端部151,151間が通過可能となり、これによりクリングス150,150の前記支持端部151,151が内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220の左右一対のリム210,210との下方の付け根部分にそれぞれ設けられた左右一対の保持部231,231に保持される。そして、当該クリングス150,150が前記隙間を通過した後には、内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220が元の状態(付勢力が作用していない状態)に戻る。この状態においては、一対のリム210,210間の距離d1がクリングス150,150の前記支持端部151,151間の距離d2より小さくなるため、当該リム210,210間の距離d1を有する隙間から眼鏡フレーム100のクリングス150,150が抜け難くなり、こうして眼鏡フレーム100に内掛眼鏡フレーム200が簡単に且つ安定した状態を維持しつつ確実に取り付けられ得る。
一方、内掛眼鏡フレーム200が眼鏡フレーム100から取り外される際には、内掛眼鏡フレーム200全体を上下方向Xの該内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220がクリングス150,150から離間する方向(図1中矢印X2方向(上方))に向けて移動させることにより、リム210,210がクリングス150,150の前記支持端部151,151に沿って該方向X2に移動することで、内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220が撓みつつ一対のリム210,210間の距離d1が拡がり、或いは/さらに、一対のリム210,210間の距離d1が拡がるように外力によって(例えば、両リム210,210を両手で(図1中矢印A方向に)拡開することによって)内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220を撓ませつつ内掛眼鏡フレーム200全体を上方X2に向けて移動させることにより、当該リム210,210間の左右方向の距離を有する隙間を眼鏡フレーム100のクリングス150,150の前記支持端部151,151間が通過可能となり、こうして眼鏡フレーム100から内掛眼鏡フレーム200が簡単に取り外され得る。
このように第1実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200では、眼鏡フレーム100に対して取り付けられるにあたり、左右一対のリム210,210を連結するブリッジ部220が、眼鏡フレーム100を構成する前枠110と該前枠110に設けられた左右一対の鼻当て用のパッド140,140との間にそれぞれ介在する左右一対のクリングス150,150に支持されるので、TPOに応じて外観を容易に変更することができる。さらに、眼鏡フレーム100に対して取り付けられた状態において、左右一対のリム210,210が眼鏡フレーム100を構成する前枠110の後面に重ね合わされるので、該眼鏡フレーム100の前枠110が該左右一対のリム210,210に隠蔽されることがなく、眼鏡フレーム100自身のデザインが生かされ易く、これにより興趣性を向上させることができる上、眼鏡フレーム100自身のデザインに合わせたデザインにすることができる。
また、内掛眼鏡フレーム200を構成するブリッジ部220には、クリングス150,150に係合する係合部230,230が設けられているので、該係合部230,230のクリングス150,150への係合によって、該内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220が、該クリングス150,150に対して確実に装着され得る。これにより、内掛眼鏡フレーム200が眼鏡フレーム100から脱落し難くすることができる。
また、第1実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200において、図3及び図4に示す如く、左右一対の筒状部材240,240を備えていてもよい。なお、この筒状部材240,240は、第1実施形態のような内掛眼鏡フレームだけでなく、後述する第2及び第3実施形態のような内掛眼鏡フレームにおいて備えていてもよい。
図3は第1実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200に設けられる左右一対の筒状部材240,240を示す図であって、該内掛眼鏡フレーム200に取り付けられた状態の筒状部材240,240の平面図である。また、図4は左右一対の筒状部材240,240を具備する内掛眼鏡フレーム200が眼鏡フレーム100に取り付けられた状態を示す背面図である。なお、図3において、内掛眼鏡フレーム200及び筒状部材240,240は、前方が図中下方に向けられた状態を示している。
図3及び図4に示すように、左右一対の筒状部材240,240は、内掛眼鏡フレーム200を構成する左右一対のリム210,210後方(図3中リム210,210上方)にそれぞれ配設され、少なくとも後方周縁部が弾性体から形成されたものである。
さらに説明すると、本実施形態では、内掛眼鏡フレーム200と左右一対の筒状部材240,240とが一体的に形成されている。このように一体的に形成される内掛眼鏡フレーム200及び左右一対の筒状部材240,240は種々の材料から形成可能であるが、成形容易であることが好ましいため、例えば、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などから形成される。
以上のように、左右一対の筒状部材240,240を備えた内掛眼鏡フレーム200では、該内掛眼鏡フレーム200の左右一対のリム210,210後方にそれぞれ位置する左右一対の筒状部材240,240を備えるため、内掛眼鏡フレーム200を取り付けた眼鏡(レンズL,Lを具備する眼鏡フレーム100)を装着した場合、該眼鏡を構成するレンズL,Lと筒状部材240,240とによって眼の周囲は覆われ、防塵機能を奏することになる。特に、内掛眼鏡フレーム200の左右一対のリム210,210に透明部材やサングラスのような遮光部材等の光透過性部材が嵌め込まれている場合には、当該内掛眼鏡フレームの光透過性部材と筒状部材240,240とによって眼の周囲は覆われ易く、それだけ防塵機能を高めることができる。
なお、左右一対の筒状部材240,240を備えた内掛眼鏡フレーム200は、透明な材料から形成され、筒状部材240,240の前方開口部を閉塞する眼鏡部材を備えていてもよい。この眼鏡部材としては、透明である限りにおいて種々の材料から形成することが可能であり、例えば、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などから形成され得る。このように、筒状部材240,240の前方開口部を閉塞する眼鏡部材を備えていると、筒状部材240,240の前方開口部から花粉や粉塵等が筒状部材240,240内部に進入することがなく、防塵機能を更に向上させることが可能である。また、前記眼鏡部材が透明な材料から形成されることで、眼鏡の視認性を損なうこともない
さらに、筒状部材240,240は、図4に示すように、後方周縁部240a,240aから外方又は内方に向けて(本実施形態では内方且つ左右方向両端部において外方に向けて)平面状に突設され、弾性体から形成された鍔部243,243を備えている。従って、内掛眼鏡フレーム200を取り付けた眼鏡(レンズL,Lを具備する眼鏡フレーム100)を装着した場合、平面状に突設された鍔部243,243に顔部が当接することになる。即ち、筒状部材240,240と顔部とが鍔部243,243で面接触することになるため、顔部への密着性が高まり防塵機能をより一層向上させることができると共に、使用者が違和感をより一層感じ難いという利点を有する。
なお、本実施形態では、内掛眼鏡フレーム200と左右一対の筒状部材240,240とが一体的に形成されているが、左右一対の筒状部材240,240が内掛眼鏡フレーム200に対して離間可能に取付られてもよい。
また、第1実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200は、上半分のみリムが設けられたハーフリムタイプのフレームとしているが、下半分にのみリムが設けられたハーフリムタイプのフレームとしてもよいし、必ずしもハーフリムタイプのフレームに限るものではなく、フルリムタイプのフレームとすることも可能である。
(第2実施形態について)
図5及び図6は本発明の第2実施形態に係る眼鏡フレームセット300’の概略構成を示す図であって、図5(A)は本発明の第2実施形態に係る内掛眼鏡フレームの一例200Aが眼鏡フレーム100’から取り外された状態を示す平面図(眼鏡フレーム100’のテンプル120’,120’については一部図示を省略)であり、図5(B)は該内掛眼鏡フレーム200Aが眼鏡フレーム100’に取り付けられた状態を示す平面図であり、また、図6(A)は本発明の第2実施形態に係る内掛眼鏡フレームの一例200Aが眼鏡フレーム100’から取り外された状態を示す正面図であり、図6(B)は該内掛眼鏡フレーム200Aが眼鏡フレーム100’に取り付けられた状態を示す正面図である。さらに、図7は本発明の第2実施形態に係る内掛眼鏡フレームの一例200Aの一部断面を拡大して示す図であって、図7(A)は図5(B)のAA矢視断面拡大図であり、図7(B)は図5(A)のBB矢視断面拡大図であり、図7(C)は該内掛眼鏡フレーム200Aが眼鏡フレーム100’に取り付けられる際における図7(B)に示す状態から図7(A)に示す状態への遷移過程を示す断面拡大図であり、図7(D)は該内掛眼鏡フレーム200Aが眼鏡フレーム100’から取り外される際における図7(A)に示す状態から図7(B)に示す状態への遷移過程を示す断面拡大図であり、図7(E)は図5(B)のCC矢視断面拡大図である。なお、図5(A)及び図5(B)において、眼鏡フレーム100’及び内掛眼鏡フレーム200Aは、前方が図中上方に向けられた状態を示している。また、図7(A)から図7(D)において、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’及び内掛眼鏡フレーム200Aのブリッジ部220Aは、前方が図中右方に向けられた状態を示しており、図7(E)において、眼鏡フレーム100’の前枠110’及び内掛眼鏡フレーム200Aのリム210Aは、前方が図中右方に向けられた状態を示している。
図5及び図6に示す眼鏡フレームセット300’は、眼鏡フレーム100’と、内掛眼鏡フレーム200Aとを具備している。
眼鏡フレーム100’は、左右一対のレンズL’,L’を保持する前枠110’と、該前枠110’の両端からそれぞれ後方に延出する左右一対のテンプル120’,120’と、前枠110’の両端部でテンプル120’,120’を開閉させるための左右一対の蝶番130’,130’とを具備するものである。
また、眼鏡フレーム100’を構成する前枠110’には、該前枠110’と該前枠110’に設けられた左右一対の鼻当て用のパッド140’,140’との間にそれぞれ介在する左右一対のクリングス150’,150’が設けられている。
内掛眼鏡フレーム200Aは、眼鏡フレーム100’に対して着脱自在に取り付けられる、テンプルを具備しないものであり、眼鏡フレーム100’に対して取り付けられた状態において、前枠110’の後面に重ね合わされる左右一対のリム210A,210Aと、該左右一対のリム210A,210Aを連結するブリッジ部220Aとを備えている。
内掛眼鏡フレーム200Aを構成するブリッジ部220Aは、該内掛眼鏡フレーム200Aが眼鏡フレーム100’に対して取り付けられた状態において、眼鏡フレーム100’におけるクリングス150’,150’に支持されるように構成されており、図6(A)に示すように、該クリングス150’,150’にそれぞれ当接して支持される左右一対の支持部230A,230Aを有している。
また、内掛眼鏡フレーム200Aを構成するブリッジ部220Aは、図7(A)から図7(D)に示すように、眼鏡フレーム100’を構成する前枠110’のブリッジ部111’後面111a’の形状に対応する凹溝221Aaが前面に形成されたブリッジ部本体221Aと、ブリッジ部本体221Aの凹溝221Aaの上端から前方に向けて延設された延設部222Aと、凹溝221Aaと前後方向に対向するように延設部222Aの前端部から下方に延設され、前後方向に撓むことが可能な可撓性部材(可撓性を有する樹脂材料や金属材料の他、可撓性を有するものであれば、いずれの材料を採用してもよい)からなる係止部223Aとを備えている。
そして、係止部223Aに付勢力が作用していない状態(図7(B)の状態)において、ブリッジ部本体221Aと係止部223Aの下端部との前後方向の最小の間隔T1が、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の前後方向の厚みTよりも小さく設定されている一方、凹溝221Aaの底部と係止部223Aとの前後方向の間隔T2は、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の前後方向の厚みTと略同等に設定されている。
このように第2実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200Aでは、眼鏡フレーム100’に対して取り付けられるにあたり、左右一対のリム210A,210Aを連結するブリッジ部220Aが、眼鏡フレーム100’を構成する前枠110’と該前枠110’に設けられた左右一対の鼻当て用のパッド140’,140’との間にそれぞれ介在する左右一対のクリングス150’,150’に支持部230A,230Aで当接されて支持されるので、TPOに応じて外観を容易に変更することができる。さらに、眼鏡フレーム100’に対して取り付けられた状態において、左右一対のリム210A,210Aが眼鏡フレーム100’を構成する前枠110’の後面に重ね合わされるので、該眼鏡フレーム100’の前枠110’が該左右一対のリム210A,210Aに隠蔽されることがなく、眼鏡フレーム100’自身のデザインが生かされ易く、これにより興趣性を向上させることができる上、眼鏡フレーム100’自身のデザインに合わせたデザインにすることができる。
さらに、内掛眼鏡フレーム200Aが眼鏡フレーム100’に取り付けられた状態(図7(A)の状態)においては、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’後面111a’が内掛眼鏡フレーム200Aのブリッジ部本体221Aの凹溝221Aaに嵌め込まれ、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’前面111b’が係止部223Aの後面で係止される状態で、延設部222Aが眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’に下方から支持されることになる。従って、内掛眼鏡フレーム200Aのブリッジ部220Aの前後方向及び下方向への動きが、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’によって規制されることになり、内掛眼鏡フレーム200Aを眼鏡フレーム100’に確実に取り付けることが可能である。
また、内掛眼鏡フレーム200Aが眼鏡フレーム100’に取り付けられる際(図7(C)参照)には、内掛眼鏡フレーム200Aの延設部222Aを眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の上方に配設した後、内掛眼鏡フレーム200Aを下方(図7(C)の矢符の方向)へ移動させればよい。これにより、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’が内掛眼鏡フレーム200Aの係止部223Aの下端部に当接し、係止部223Aが前方(図7(C)の白抜き矢符の方向)に向けて付勢されて撓む(図7(C)の破線で示す状態から実線で示す状態に遷移する)ため、ブリッジ部本体221Aと係止部223Aの下端部との前後方向の間隔が拡がり、当該間隔を有する隙間を眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’が容易に通過することになる。そして、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’が前記隙間を通過した後には、係止部223Aが元の状態(付勢力が作用していない状態)に戻り、ブリッジ部本体221Aと係止部223Aの下端部との前後方向の最小の間隔が眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の前後方向の厚みTよりも小さくなるため、当該間隔を有する隙間から眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’が抜け難くなる。
一方、内掛眼鏡フレーム200Aが眼鏡フレーム100’から取り外される際(図7(D)参照)には、内掛眼鏡フレーム200Aの前方が上方に移動するように回動(図7(D)の矢符Xの方向に回動)しながら内掛眼鏡フレーム200Aの全体を上方(図7(D)の矢符Yの方向)へ移動させることにより、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’後面111a’が内掛眼鏡フレーム200Aのブリッジ部本体221Aの凹溝221Aaから抜けると共に、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’が内掛眼鏡フレーム200Aの係止部223Aの下端部に当接し、係止部223Aが前方(図7(D)の白抜き矢符の方向)に向けて付勢されて撓む(図7(D)の破線で示す状態から実線で示す状態に遷移する)ため、ブリッジ部本体221Aと係止部223Aの下端部との前後方向の間隔が拡がり、当該間隔を有する隙間から眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’が容易に抜けることになる。
なお、第2実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200Aは、好ましい構成として、係止部223Aの下端部前面223Aaが、上方から下方に向けてブリッジ部本体221Aから離間する方向に湾曲した曲面形状とされている。
斯かる好ましい構成により、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’を内掛眼鏡フレーム200Aのブリッジ部本体221Aと係止部223Aの下端部との隙間に挿脱する際(図7(C)及び図7(D)参照)に、湾曲した曲面形状に沿って眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’を移動させることができるため、内掛眼鏡フレーム200Aの着脱動作をスムーズに行うことができるという利点を有する。
また、第2実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200Aは、好ましい構成として、図6(A)に示すように、該内掛眼鏡フレーム200Aの左右方向両端部の前面に、眼鏡フレーム100’の左右方向両端部の後面の形状に対応する凹溝240A,240Aが設けられている。
斯かる好ましい構成により、内掛眼鏡フレーム200Aが眼鏡フレーム100’に取り付けられた際に、凹溝240A,240Aに眼鏡フレーム100’の左右方向両端部後面が係合(図7(E)参照)することになり、より一層確実に内掛眼鏡フレーム200Aを眼鏡フレーム100’に取り付けることが可能である。
なお、第2実施形態に係る内掛眼鏡フレームとしては、以上に説明した構成に限られるものではなく、例えば、図8に示すように、ブリッジ部について種々の変更した構成を採用することが可能である。
図8は、第2実施形態に係る内掛眼鏡フレームの他の例200B,200C,200D,200Eのブリッジ部断面を拡大して示す図である。なお、図8において、内掛眼鏡フレーム200B、200C,200D,200Eのブリッジ部220B,220C,220D,220Eは、図7と同様、前方が図中右方に向けられた状態を示している。
図8(A)に示すブリッジ部220Bは、図7を参照して説明したブリッジ部220Aの上下を反転させた構成である。より具体的に説明すれば、ブリッジ部220Bは、眼鏡フレーム100’を構成する前枠110’のブリッジ部111’後面111a’の形状に対応する凹溝221Baが前面に形成されたブリッジ部本体221Bと、ブリッジ部本体221Bの凹溝221Baの下端から前方に向けて延設された延設部222Bと、凹溝221Baと前後方向に対向するように延設部222Bの前端部から上方に延設され、前後方向に撓むことが可能な可撓性部材からなる係止部223Bとを備え、係止部223Bに付勢力が作用していない状態において、ブリッジ部本体221Bと係止部223Bの上端部との前後方向の最小の間隔T1が、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の前後方向の厚みT(図7参照)よりも小さく設定されている一方、凹溝221Baの底部と係止部223Bとの前後方向の間隔T2は、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の前後方向の厚みTと略同等に設定されている。
図8(A)に示すブリッジ部220Bを備えた第2実施形態に係る内掛眼鏡フレームの他の例200Bでは、着脱動作の方向が、図7に示すブリッジ部220Aを備えた内掛眼鏡フレーム200Aとは上下に反転する点を除き、略同等の作用効果を奏する。但し、図8(A)に示すブリッジ部220Bは上方が開口している構成であるため、図7に示すブリッジ部220Aに比べれば、内掛眼鏡フレームが自重によって下方向へ移動しようとする動きを阻止する機能が劣ることになる。従って、図8(A)に示すブリッジ部220Bは、比較的軽量の内掛眼鏡フレームに採用することが好ましい。
図8(B)に示すブリッジ部220Cは、図7を参照して説明したブリッジ部220Aのブリッジ部本体221Aに形成された凹溝221Aaを、ブリッジ部本体ではなく係止部に形成した構成である。より具体的に説明すれば、ブリッジ部220Cは、ブリッジ部本体221Cと、ブリッジ部本体221Cの上端部から前方に向けて延設された延設部222Cと、ブリッジ部本体221Cと対向するように延設部222Cの前端部から下方に延設され、前後方向に撓むことが可能な可撓性部材からなる係止部223Cとを備え、係止部223Cの上端部後面には、眼鏡フレーム100’を構成する前枠110’のブリッジ部111’前面111b’の形状に対応する凹溝223Caが形成され、係止部223Cに付勢力が作用していない状態において、ブリッジ部本体221Cと係止部223Cの下端部との前後方向の最小の間隔T1が、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の前後方向の厚みT(図7参照)よりも小さく設定されている一方、凹溝223Caの底部とブリッジ部本体221Cとの前後方向の間隔T2は、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の前後方向の厚みTと略同等に設定されている。
図8(B)に示すブリッジ部220Cを備えた第2実施形態に係る内掛眼鏡フレームのさらに他の例200Cについても、図7に示すブリッジ部220Aを備えた内掛眼鏡フレーム200Aと略同等の作用効果を奏する。
図8(C)に示すブリッジ部220Eは、図8(B)のブリッジ部220Cの上下を反転させた構成である。より具体的に説明すれば、ブリッジ部220Dは、ブリッジ部本体221Dと、ブリッジ部本体221Dの下端部から前方に向けて延設された延設部222Dと、ブリッジ部本体221Dと対向するように延設部222Dの前端部から上方に延設され、前後方向に撓むことが可能な可撓性部材からなる係止部223Dとを備え、係止部223Dの下端部後面には、眼鏡フレーム100’を構成する前枠110’のブリッジ部111’前面111b’の形状に対応する凹溝223Daが形成され、係止部223Dに付勢力が作用していない状態において、ブリッジ部本体221Dと係止部223Dの上端部との前後方向の最小の間隔T1が、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の前後方向の厚みT(図7参照)よりも小さく設定されている一方、凹溝223Daの底部とブリッジ部本体221Dとの前後方向の間隔T2は、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の前後方向の厚みTと略同等に設定されている。
図8(C)に示すブリッジ部220Dを備えた第2実施形態に係る内掛眼鏡フレームのさらに他の例200Dでは、着脱動作の方向が、図8(B)に示すブリッジ部220Cを備えた内掛眼鏡フレーム200Cとは上下に反転する点を除き、略同等の作用効果を奏する。但し、図8(C)に示すブリッジ部220Dは上方が開口している構成であるため、図7に示すブリッジ部220Aや図8(B)に示すブリッジ部220Cに比べれば、内掛眼鏡フレームが自重によって下方向へ移動しようとする動きを阻止する機能が劣ることになる。従って、図8(C)に示すブリッジ部220Dについても図8(A)に示すブリッジ部220Bと同様に、比較的軽量の前掛眼鏡フレームに採用することが好ましい。
図8(D)に示すブリッジ部220Eは、眼鏡フレーム100’を構成する前枠110’のブリッジ部111’後面111a’の形状に対応する凹溝221Eaが前面に形成されたブリッジ部本体221Eと、ブリッジ部本体221Eの凹溝221Eaの上端から前方に向けて延設された第1の係止部223Eaと、第1の係止部223Eaと略同等の長さを有し、ブリッジ部本体221Eの凹溝221Eaの下端から前方に向けて延設された第2の係止部223Ebとを備えている。そして、第1の係止部223Ea及び第2の係止部223Ebの少なくとも何れか一方は、上下方向に撓むことが可能な可撓性部材からなり、第1の係止部223Ea及び第2の係止部223Ebに付勢力が作用していない状態において、第1の係止部223Eaの前端部と第2の係止部223Ebの前端部との上下方向の最小の間隔H1が、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の上下方向の厚みH(図7参照)よりも小さく設定されている一方、第1の係止部223Eaの後端部と第2の係止部223Ebの後端部との上下方向の間隔H2は、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の上下方向の厚みHと略同等に設定されており、なお且つ、第1の係止部223Eaの後端部又は第2の係止部223Ebの後端部の長さと凹溝221Eaの深さとの和T3が、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の前後方向の厚みT(図7参照)と略同等に設定されている。
以上の構成により、図8(D)に示すブリッジ部220Eを備えた第2実施形態に係る内掛眼鏡フレームのさらに他の例200Eが眼鏡フレーム100’に取り付けられた状態においては、該眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’後面111a’が該内掛眼鏡フレーム200Eのブリッジ部本体221Eの凹溝221Eaに嵌め込まれ、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’上下面が第1の係止部223Eaと第2の係止部223Ebとの間で挟持されることになる。従って、該内掛眼鏡フレーム200Eのブリッジ部220Eの上下方向及び前方への動きが、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’によって規制されることになり、該内掛眼鏡フレーム200Eを眼鏡フレーム100’に確実に取り付けることが可能である。
図8(D)に示すブリッジ部220Eを備えた内掛眼鏡フレーム200Eが眼鏡フレーム100’に取り付けられる際には、該内掛眼鏡フレーム200Eの第1の係止部223Eaと第2の係止部223Ebの隙間を眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の後方に配設した後、該内掛眼鏡フレーム200Eを前方(図8の紙面右方向)へ移動させれば、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’が該内掛眼鏡フレーム200Eの第1の係止部223Eaの前端部の下端及び第2の係止部223Ebの前端部の上端に当接し、第1の係止部223Eaの前端部が上方に向けて付勢されて撓む(第1の係止部223Eaが可撓性材料からなる場合)か、若しくは第2の係止部223Ebの前端部が下方に向けて付勢されて撓む(第2の係止部223Ebが可撓性材料からなる場合)か、或いは第1の係止部223Ea及び第2の係止部223Ebの双方の前端部が撓む(第1の係止部223Ea及び第2の係止部223Ebの双方が可撓性材料からなる場合)ため、第1の係止部223Eaの前端部と第2の係止部223Ebの前端部との上下方向の間隔が拡がり、当該間隔を有する隙間を眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’が通過することになる。そして、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’が前記隙間を通過した後には、第1の係止部223Ea若しくは第2の係止部223Eb或いはその双方が元の状態(付勢力が作用していない状態)に戻り、第1の係止部223Eaの前端部と第2の係止部223Ebの前端部との上下方向の最小の間隔が眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’の上下方向の厚みHよりも小さくなるため、当該間隔を有する隙間から眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’が抜け難くなる。
一方、該内掛眼鏡フレーム200Eが眼鏡フレーム100’から取り外される際には、該内掛眼鏡フレーム200Eを後方へ移動させることにより、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’後面111a’が該内掛眼鏡フレーム200Eのブリッジ部本体221Eの凹溝221Eaから抜けると共に、眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’が該内掛眼鏡フレーム200Eの第1の係止部223Eaの前端部及び第2の係止部223Ebの前端部に当接し、第1の係止部223Eaが上方に向けて付勢されて撓むか、若しくは第2の係止部223Ebが下方に向けて付勢されて撓むか、或いは第1の係止部223Ea及び第2の係止部223Ebの双方の前端部が撓むため、第1の係止部223Eaの前端部と第2の係止部223Ebの前端部との上下方向の間隔が拡がり、当該間隔を有する隙間から眼鏡フレーム100’のブリッジ部111’が抜けることになる。
なお、図7及び図8(A)から図8(C)を参照して説明したブリッジ部220A〜220Dは、係止部のみが可撓性部材からなる構成について説明したが、それに限るものではなく、延設部も可撓性部材から構成し、当該延設部と係止部とを一体的に成形することも可能である。さらには、ブリッジ部本体をも可撓性部材から構成し、当該ブリッジ部本体、延設部及び係止部を一体的に成形してもよい。図8(D)を参照して説明したブリッジ部220Eについても同様に、ブリッジ部本体221Eをも可撓性部材から構成し、ブリッジ部本体221E、第1の係止部223Ea及び/又は第2の係止部223Ebを一体的に成形してもよい。
また、第2実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200A〜200Eは、ブリッジ部における支持部230A,230A(図6(A)参照)に代えて、第1実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220における係合部230,230(図2(A)参照)のような係合部が設けられていてもよい。
また、第2実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200A〜200Eは、フルリムタイプのフレームとしているが、必ずしもフルリムタイプのフレームに限るものではなく、上半分又は下半分にのみリムが設けられたハーフリムタイプのフレームとすることも可能である。
(第3実施形態について)
図9は本発明の第3実施形態に係る眼鏡フレームセット300”の概略構成を示す図であって、図9(A)は本発明の第3実施形態に係る内掛眼鏡フレームの一例200Xが眼鏡フレーム100”に取り外された状態を示す正面図であり、図9(B)は該内掛眼鏡フレーム200Xが眼鏡フレーム100”に取り付けられた状態を示す正面図であり、図9(C)は該内掛眼鏡フレーム200Xが眼鏡フレーム100”から取り付けられた状態を示す平面図である。また、図10は本発明の第3実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200Xのブリッジ部220X部分及び眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”部分の拡大図であって、図10(A)は該内掛眼鏡フレーム200X及び眼鏡フレーム100”の拡大平面図であり、図10(B)は該内掛眼鏡フレーム200Xの拡大正面図である。
図9に示す眼鏡フレームセット300”は、眼鏡フレーム100”と、内掛眼鏡フレーム200Xとを具備している。
眼鏡フレーム100Xは、図9及び図10に示すように、左右一対のレンズL”,L”を保持する前枠110”と、該前枠110”の両端からそれぞれ後方に延出する左右一対のテンプル120”,120”と、前枠110”の両端部でテンプル120”,120”を開閉させるための左右一対の蝶番130”,130”とを具備するものである。
また、眼鏡フレーム100”を構成する前枠110”には、該前枠110”と該前枠110”に設けられた左右一対の鼻当て用のパッド140”,140”との間にそれぞれ介在する左右一対のクリングス150”,150”が設けられている。
内掛眼鏡フレーム200Xは、眼鏡フレーム100”に対して着脱自在に取り付けられる、テンプルを具備しないものであり、眼鏡フレーム100”に対して取り付けられた状態において、前枠110”の後面に重ね合わされる左右一対のリム210X,210Xと、該左右一対のリム210X,210Xを連結するブリッジ部220Xとを備えている。
内掛眼鏡フレーム200Xを構成するブリッジ部220Xは、該内掛眼鏡フレーム200Xが眼鏡フレーム100”に対して取り付けられた状態において、眼鏡フレーム100”におけるクリングス150”,150”に支持されるように構成されており、図9(A)に示すように、該クリングス150”,150”にそれぞれ当接して支持される左右一対の支持部230X,230Xを有している。
また、内掛眼鏡フレーム200Xのブリッジ部220X及び眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”の互いに対向する所定部位に着磁手段が設けられている。
本実施形態では、着磁手段は、磁性体111”と磁石222Xとからなっている。さらに説明すると、内掛眼鏡フレーム200Xのブリッジ部220Xが、前方に突出する突出部221Xであって、左右一対の支持部230X,230Xがクリングス150”,150”に支持された際に、該突出部221X下面と眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”上面とが互いに対向するように設けられた突出部221Xを有していて、該突出部221X下面に磁石222Xが設けられている一方、眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”全体が磁性体で形成されている。なお、ここではブリッジ部220Xの突出部221X下面に磁石222Xが設けられているが、突出部221X上面に磁石222Xが設けられていてもよいし、突出部221X全体が磁石で形成されていてもよい。また、ここでは眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”全体が磁性体で形成されているが、眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”上面又は下面の、突出部221Xにおける磁石222Xが設けられている部位に対応する部位に磁性体が設けられていてもよい。また、内掛眼鏡フレーム200Xのブリッジ部220Xに磁性体が設けられ、眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”に磁石が設けられていてもよい。この場合、突出部221X下面に磁性体が設けられ、ブリッジ部111”上面に磁石が設けられていてもよいし、突出部221X上面に磁性体が設けられ、ブリッジ部111”下面に磁石が設けられていてもよい。また突出部221X全体が磁性体で形成されていて、ブリッジ部111”上面又は下面に磁石が設けられていてもよいし、突出部221X上面又は下面に磁性体が設けられていて、ブリッジ部111”全体が磁石で形成されていてもよく、突出部221X全体が磁性体で形成されていて、ブリッジ部111”全体が磁石で形成されていてもよい。ここで、突出部221X上面に磁石222Xや磁性体が設けられたり、眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”下面に磁性体や磁石222Xが設けられる場合、或いは突出部221X全体が磁性体で形成され、ブリッジ部111”全体が磁石で形成される場合であって、突出部221Xを眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”下方に配設する場合には、突出部221Xを、左右一対の支持部230X,230Xがクリングス150”,150”に支持された際に、該突出部221X上面と眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”下面とが互いに対向するように前方に突設させればよい。
さらに、ここでは着磁手段は、磁性体111”と磁石222Xとからなっているが、内掛眼鏡フレーム200Xのブリッジ部220Xに一対の磁石のうち一方が設けられ、眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”に他方が一方の磁石と極性が異なるように設けられてもよい。この場合、突出部221X下面及びブリッジ部111”上面に磁石が設けられていてもよいし、突出部221X上面及びブリッジ部111”下面に磁石が設けられていてもよい。また突出部221X全体が磁石で形成されていて、ブリッジ部111”上面又は下面に磁石が設けられていてもよいし、突出部221X上面又は下面に磁石が設けられていて、ブリッジ部111”全体が磁石で形成されていてもよく、突出部221X全体及びブリッジ部111”全体が磁石で形成されていてもよい。ここで、突出部221X上面に磁石が設けられたり、眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”下面に磁石が設けられる場合、或いは突出部221X全体及びブリッジ部111”全体が磁石で形成される場合であって、突出部221Xを眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”下方に配設する場合には、突出部221Xを、左右一対の支持部230X,230Xがクリングス150”,150”に支持された際に、該突出部221X上面と眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”下面とが互いに対向するように前方に突設させればよい。
このように第3実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200Xでは、眼鏡フレーム100”に対して取り付けられるにあたり、左右一対のリム210X,210Xを連結するブリッジ部220Xが、眼鏡フレーム100”を構成する前枠110”と該前枠110”に設けられた左右一対の鼻当て用のパッド140”,140”との間にそれぞれ介在する左右一対のクリングス150”,150”に支持部230X,230Xで当接されて支持されるので、TPOに応じて外観を容易に変更することができる。さらに、眼鏡フレーム100”に対して取り付けられた状態において、左右一対のリム210X,210Xが眼鏡フレーム100”を構成する前枠110”の後面に重ね合わされるので、該眼鏡フレーム100”の前枠110”が該左右一対のリム210X,210Xに隠蔽されることがなく、眼鏡フレーム100”自身のデザインが生かされ易く、これにより興趣性を向上させることができる上、眼鏡フレーム100”自身のデザインに合わせたデザインにすることができる。
さらに、内掛眼鏡フレーム200Xのブリッジ部220Xに磁石222Xが設けられており、眼鏡フレーム100”のブリッジ部111”が磁性体で形成されているので、内掛眼鏡フレーム200Xを眼鏡フレーム100”に確実に取り付けることが可能である。
なお、第3実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200Xは、ブリッジ部220Xにおける支持部230X,230X(図9(A)参照)に代えて、第1実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200のブリッジ部220における係合部230,230(図2(A)参照)のような係合部が設けられていてもよい。
また、第3実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200Xは、フルリムタイプのフレームとしているが、必ずしもフルリムタイプのフレームに限るものではなく、上半分又は下半分にのみリムが設けられたハーフリムタイプのフレームとすることも可能である。
以上説明したように、第1から第3に係る眼鏡フレームセット300,300’,300”並びに内掛眼鏡フレーム200,200A〜200E,200Xによれば、TPOに応じて外観を容易に変更可能で且つ興趣性に優れた利点を有する。
(第1から第3実施形態について)
また、第1から第3実施形態に係る眼鏡フレーム100,100’,100”では、テンプル120,120’,120”において、例えば、図11及び図12に示すような構成にすることができる。なお、図11に示すテンプル120,120’,120”は、第1から第3実施形態に係るテンプル120,120’,120”において、該テンプル120,120’,120”を構成する先セル121,121’,121”に耳当て部材23を設けるように構成にした以外は第1から第3実施形態に係るテンプル120,120’,120”と同様のものであり、また、図12(B)に示すテンプル120,120’,120”は、第1から第3実施形態に係るテンプル120,120’,120”において、該テンプル120,120’,120”を構成する先セル121,121’,121”に眼鏡取り付け具30を設けるように構成にした以外は第1から第3実施形態に係るテンプル120,120’,120”と同様のものである。図11及び図12において、実質的に同じ構成作用を有する部材には同じ参照符号を付してある。また、図11及び図12ではいずれも左右一対の部材のうち左側の部材を示している。この左側部材は右側の部材とは左右対称になっているだけで、該右側部材と実質的に同様の構成をしており、ここでは、右側部材については図示を省略し、左側部材に代表させて示している。
図11に示す眼鏡フレーム100,100’,100”は、耳の裏側に当接可能な耳当接部23a及びテンプル120,120’,120”の後部と該耳当接部23aとを揺動可能に取り付けるためのピン又はネジ等の軸部材27が取り付けられた揺動部23bを有する耳当て部材23と、テンプル120,120’,120”の耳当て部材23が取り付けられた部位22aより前方にある所定部22bと耳当接部23aの前端部23cとを連結する可撓性の絡み防止部材24とを具備している。なお、図示例では、耳当接部23a、所定部22b及び絡み防止部材24は一体的に形成されている。
この眼鏡フレーム100,100’,100”では、前枠110,110’,110”に取り付けられた鼻当て用のパッド140,140’,140”を鼻に掛けるとともに、湾曲した耳当て部材23の耳当接部23aを耳の裏側(耳と頭との間)の湾曲部に掛けることによって着用される。
眼鏡フレーム100,100’,100”においては、眼鏡を掛けた状態で、前枠110,110’,110”がずれ落ちようとすると、前枠110,110’,110”から延出されたテンプル120,120’,120”の後部はずれ上がろうとし、テンプル120,120’,120”の後部に取り付けられた耳当て部材23の耳当接部23aを上方へ移動させようとする。そして、耳当て部材23の耳当接部23aが上方へ移動しようとすると、耳当て部材23のテンプル120,120’,120”に取り付けられる部位である揺動部23b(テンプル120,120’,120”の耳当て部材23が取り付けられる部位22a)に挿通された軸部材27を中心として耳当接部23aは、図11(A)中矢印反時計方向Z1へ回転しようとする。このとき、耳当接部23aの前端部23cが耳の裏側を押圧する力が大きくなり、その結果、耳当接部23aと耳の裏側との相対的な移動が阻止され、テンプル120,120’,120”の後部のずれ上がりが阻止される。このようにして、眼鏡のずれ落ちを防止することができる。
また、耳当接部23aの長手方向の略中間部に揺動部23bが設けられるように構成されており、耳当て部材23のテンプル120,120’,120”に取り付けられる部位である揺動部23b及びテンプル120,120’,120”の耳当て部材23が取り付けられる部位22aには、揺動部23bの揺動範囲を規制する規制機構18が設けられるように構成されるとともに、テンプル120,120’,120”と耳当て部材23の揺動部23bとの取り付けには、ピン又はねじ等の軸部材27が用いられるように構成される。規制機構18は、テンプル120,120’,120”の耳当て部材が取り付けられる部位22aに設けられた当接面28に耳当て部材23の支持片38が当接することにより揺動を規制する構成となっている。
このような規制機構18を設けることにより、耳当て部材23の揺動範囲が規制されるため、使用者が眼鏡を掛ける際に、耳の裏側の適所に耳当て部材23の耳当接部23aを容易に当接させることができ、使用者の眼鏡の着用をより容易にすることができる。また、軸部材27を介して耳当て部材23がテンプル120,120’,120”の取り付け部位22aに取り付けられる構成であるため、力の損失が少なく、スムーズな揺動を容易かつ安価に達成することができる。また、軸部材27の軸回りに規制機構18を設けることにより、規制機構18を容易に構成することができる。なお、耳当て部材23に取り付けられた揺動部23bが軸部材27に揺動可能に取り付けられているが、耳当て部材23自体(耳当接部23a)に孔を開けて軸部材27を介して耳当て部材23がテンプル120,120’,120”に対して揺動可能に取り付けてもよい。また、テンプル120,120’,120”の耳当て部材23が取り付けられた部位22aは、テンプル120,120’,120”の後端部であるように構成される。この場合、眼鏡フレーム100,100’,100”のテンプル120,120’,120”と耳当て部材23とが一体ではない構造を有しているにも関わらず、一般的な形状の眼鏡フレームを用いてきた使用者であっても違和感なく着用することができる。
また、図11に示すように、可撓性の絡み防止部材24がテンプル120,120’,120”の耳当て部材23が取り付けられた部位22aより前方にある所定部22bと耳当て部材23の耳当接部23aの前端部23cとを連結するように取り付けられている。こうすることで、眼鏡を外す際に、テンプル120,120’,120”を上方へ持ち上げた場合であっても、テンプル120,120’,120”と耳当接部23aの前端部23cとの間が絡み防止部材24で塞がれているため、髪の毛がQ方向(図11(A)参照)からテンプル120,120’,120”と耳当接部23aとの取り付け部分(揺動部23b)に入り込みにくく、これに絡まることが抑制される。また、絡み防止部材24は、可撓性を有しているため、眼鏡のずれ落ち抑制の機能を阻害することもない。このように、可撓性の絡み防止部材24によってテンプル120,120’,120”の耳当て部材23が取り付けられた部位22aより前方にある所定部22bと耳当接部23aの前端部23cとを連結することにより、鼻に掛かる負担を大きくすることなく眼鏡のずれ落ちを防止できるとともに、眼鏡を外す際に髪の毛の眼鏡への絡みを抑制することができる。
さらに絡み防止部材24は、エラストマ等の弾性部材であって、耳当接部23aの前端部23cをテンプル120,120’,120”側へ押し付ける弾性力fAを作用させる姿勢(図11(A)に示す状態A)と、耳当接部23aの前端部23cをテンプル120,120’,120”から離間させる弾性力fBを作用させる姿勢(図11(B)に示す状態B)とに切り替わるように構成される。
絡み防止部材24がエラストマ等の弾性部材で形成されており、所定位置を切り替え点として当該切り替え点より耳当接部23aの前端部23cがテンプル120,120’,120”に近い側では、図11(A)に示す弾性力fAが作用し、状態Aのように耳当接部23aの前端部23cがテンプル120,120’,120”側に押し付けられた位置で保持される。一方、切り替え点より耳当接部23aの前端部23cがテンプル120,120’,120”から離間した位置にあると、絡み防止部材24が撓むことによって、弾性力の作用する方向が反転し、図11(B)に示す弾性力fBが作用して、状態Bのように耳当接部23aの前端部23cがテンプル120,120’,120”から離間した位置で保持される。
従って、耳当接部23aの前端部23cがテンプル120,120’,120”から離間した位置で保持された状態Bにすることにより、前枠110,110’,110”と絡み防止部材24の後端部との距離が状態Aにおける距離と比べて、広げられた状態となるため、使用者が眼鏡を掛ける際、耳当て部材23が邪魔になることなく(耳当て部材23を手で押さえておくことなく)容易に装着することができる。そして、耳に当接することによって(耳当接部23aの後端部を耳の裏側で押すことによって)、絡み防止部材24の姿勢が、耳当接部23aの前端部23cをテンプル120,120’,120”側へ押し付ける弾性力fAを作用させる姿勢(状態A)へと切り替わり、耳当接部23aの後端部がしっかりと耳の裏側に当接可能となる。
このように、絡み防止部材24がその弾性力によって耳当接部23aの姿勢を切り替えることができるため、眼鏡をより容易に装着することができ、かつ、眼鏡のずれ落ちをより効果的に抑制することができる。
さらに、第1から第3実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200,200A〜200E,200Xにおいて、左右一対の筒状部材240,240を更に備えている場合には、該内掛眼鏡フレーム200,200A〜200E,200Xを取り付けた眼鏡を装着した状態において、斯かる構成の眼鏡フレーム100,100’,100”によって、該筒状部材240,240を安定させることができ、それだけ効果的に防塵機能を高めることができる。
なお、絡み防止部材24は、該絡み防止部材24に用いられた弾性部材の弾性係数、厚み、長さの組み合わせを好適に選択することにより、弾性力の方向を好適に切り替えることができる。
また、絡み防止部材24は、弾性力を有する部材であれば、例えば、エラストマ(天然ゴム、合成ゴム等の弾性を有する高分子物質)や形状記憶合金等で形成された板ばね等、種々の弾性部材が採用可能である。また、弾性力の方向を耳当て部材23の揺動可能な方向に略平行にする(軸部材27の軸方向にぶれないようにする)ために前記軸方向に長い断面形状であることが好ましい。当該断面形状は、楕円形状、半円形状、板状等、種々適用可能である。中空でも無垢でもよく、繊維状に編み込んで形成されてもよい。
ここでは、絡み防止部材24として弾性部材を用いたが、絡み防止を達成するための素材(弾性力の切り替えを要しない場合)としては、ナイロン樹脂等、可撓性を有する材料であればいずれの材料でもよい(もちろん弾性部材でもよい)。絡み防止部材24がナイロン樹脂等で形成されることにより、強靭かつ柔軟で安価に構成することができる。また、一体(無垢でもよいし中空でもよい)に形成されてもよいし、繊維状に編み込んで形成されてもよい。また、弾性力の切り替えを要しない場合は、絡み防止部材24が取り付けられるテンプル120,120’,120”の所定部22bがテンプル120,120’,120”の所定箇所に固定されているものとしてもよいし、テンプル120,120’,120”に沿って摺動可能に取り付けられているものとしてもよい。
図12に示すテンプル120,120’,120”は、眼鏡取り付け具30を具備しているものである。この眼鏡取り付け具30は、眼鏡フレーム100,100’,100”に着脱可能な眼鏡取り付け具であって、テンプル120,120’,120”の後部所定部位20aに着脱可能なクリップ部30dと、耳の裏側に当接可能な耳当接部30aと、クリップ部30dと耳当接部30aとを揺動可能に取り付けるためのピン又はねじ等の軸部材27が取り付けられた揺動部30bとを具備するものである。
この眼鏡取り付け具30においては、クリップ部30dにより、内掛眼鏡フレーム200,200A〜200E,200Xが取り付けられる、一般的な眼鏡フレーム100,100’,100”のテンプル120,120’,120”の後部20aに着脱可能に取り付けられる。また、クリップ部30dと耳当接部30aとは、揺動部30bにより、ピン又はねじ等の軸部材27を用いて揺動可能に取り付けられる。これにより、眼鏡フレーム100,100’,100”のテンプル120,120’,120”と眼鏡取り付け具30の耳当接部30aとは、揺動可能に取り付けられる。
ここで、眼鏡取り付け具30におけるクリップ部30dは、ゴムや樹脂等の可撓性部材で形成されており、図12(A)に示されるように、略管状体、つまり横断面がテンプル120,120’,120”の断面形状と略相似形状とする略管状体に形成して構成され、その内径は、そこに嵌着されるテンプル120,120’,120”の外径よりわずかに小さく設定される。さらに、クリップ部30dには、その管状体の直径より幅の狭い開口部がその管状体の長さ方向に沿って形成され、テンプル120,120’,120”は管状体の開口部から嵌入することにより嵌着される。
また、テンプル120,120’,120”が後方へ向けて次第に分厚くなるような形状の場合は、クリップ部30dの内径に所定の余裕を持たせてもクリップ部30dがテンプル120,120’,120”の後端から抜け落ちることを防止することができる。なお、クリップ部30dの形状、材質等は、上記や添付図面に限られるものではなく、適宜変更が可能である。
眼鏡取り付け具30が取り付けられた眼鏡フレーム100,100’,100”(図12(B))のずれ落ち防止の態様については、図11に示す眼鏡フレームと同様である。即ち、眼鏡を掛けた状態で、眼鏡フレーム100,100’,100”の前枠110,110’,110”がずれ落ちようとすると、前枠110,110’,110”に延出されたテンプル120,120’,120”の後部はずれ上がろうとし、テンプル120,120’,120”に対して揺動可能に取り付けられた眼鏡取り付け具30の耳当接部30aを上方へ移動させようとする。そして、耳当接部30aが上方へ移動しようとすると、軸部材27を中心として耳当接部30aは、図12(B)中反時計方向Z1へ回転しようとする。この時、耳当接部30aの前端部30cが耳の裏側を押圧する力が大きくなり、その結果、耳当接部30aと耳の裏側との相対的な移動が阻止され、テンプル120,120’,120”の後部のずれ上がりが阻止される。これにより、眼鏡のずれ落ちを防止することができる。
このように、内掛眼鏡フレーム200,200A〜200E,200Xが取り付けられる、一般の眼鏡フレーム100,100’,100”のテンプル120,120’,120”に着脱可能なクリップ部30dを有するとともに、当該クリップ部30dがテンプル120,120’,120”に取り付けられた状態でテンプル120,120’,120”に対して揺動可能な耳当接部30aを有することにより、特殊な眼鏡フレームを用いないで、眼鏡フレームについて鼻に掛かる負担を大きくすることなく眼鏡のずれ落ちを防止できる。また、眼鏡フレームを複数所有する場合であっても、様々なデザインの眼鏡フレームに対し、眼鏡取り付け具30を着脱することにより,1つ(1対)の眼鏡取り付け具さえあれば、いずれの眼鏡フレームに対しても有効な眼鏡のずれ落ち防止効果を達成することができる。
なお、耳当接部30aに揺動部30bが取り付けられる位置や揺動部30bの規制機構等、種々の態様も図11に示す眼鏡フレームと同様に適用可能である。
また、図12に示すように、一端が前記耳当接部30aの前端部30cに連結され、他端がテンプル120,120’,120”のクリップ部30bが取り付けられた部位20aより前方にある所定部20bに着脱可能な可撓性の絡み防止部材24をさらに具備するように構成される。
この場合、可撓性の絡み防止部材24が眼鏡フレーム100,100’,100”のテンプル120,120’,120”のクリップ部30dが取り付けられた部位20aより前方にある所定部20bと眼鏡取り付け具30の耳当接部30aの前端部30cとを連結するように取り付けられており、眼鏡を外す際に、テンプル120,120’,120”を上方へ持ち上げてもテンプル120,120’,120”と耳当接部30aの前端部30cとの間が絡み防止部材24で塞がれているため、髪の毛がテンプル120,120’,120”と耳当接部30aとの取り付け部(揺動部30b)に入り込みにくく、これに絡まることが抑制される。また、絡み防止部材24は、可撓性を有しており、眼鏡取り付け具20の耳当接部30aの揺動を阻害することがないため、上記眼鏡のずれ落ち抑制の機能を阻害することもない。
このように、可撓性の絡み防止部材24によって眼鏡フレーム100,100’,100”のテンプル120,120’,120”のクリップ部30dが取り付けられた部位20aより前方にある所定部20bと眼鏡取り付け具30の耳当接部30aの前端部30cとを連結することにより、鼻に掛かる負担を大きくすることなく眼鏡のずれ落ちを防止できるとともに、眼鏡を外す際に髪の毛の眼鏡への絡みを抑制することができる。
ここで、この絡み防止部材24についてもエラストマやナイロン樹脂等で形成されるように構成される。この場合、絡み防止部材24がエラストマやナイロン樹脂等で形成されることにより、強靭かつ柔軟でさらに安価に構成することができる。なお、絡み防止部材24は、可撓性を有する材料であればいずれの材料でもよく、また、一体(無垢でもよいし中空でもよい)に形成されてもよいし、繊維状に編み込んで形成されてもよい。
また、絡み防止部材24の他端をテンプル120,120’,120”に着脱可能に取り付けるための構成として、図12(A)に示すような、前述のクリップ部30dと同様のエラストマや樹脂等の可撓性部材で形成されたクリップ部24aを用いている。
図12に示す眼鏡フレームにおいても、図11に示す眼鏡フレームと同様に、絡み防止部材24のクリップ部24aが取り付けられるテンプル120,120’,120”の所定部20bは、テンプル120,120’,120”の所定箇所にクリップ部24aが摺動することなく固定されているものとしてもよいし、テンプル120,120’,120”に沿って摺動可能に取り付けられているものとしてもよい。
クリップ部24aが摺動することなく固定されている場合は、図11に示す眼鏡フレームと同様に、前記絡み防止部材24が、エラストマ等の弾性部材であって、前記耳当接部30aの前端部30cを前記テンプル120,120’,120”側へ押し付ける弾性力fAを作用させる姿勢(状態A)と、前記耳当接部30aの前端部30cを前記テンプル120,120’,120”から離間させる弾性力fBを作用させる姿勢(状態B)とに切り替わるように構成されることとしてもよい。こうすることで、耳当接部30aの前端部30cがテンプル120,120’,120”から離間した位置で保持された状態Bにすることにより、前枠110,110’,110”と絡み防止部材24の後端部との距離が広げられた状態となるため、使用者が眼鏡を掛ける際、耳当接部30aが邪魔になることなく(耳当接部30aを手で押さえておくことなく)容易に装着することができる。そして、耳に当接することによって(耳当接部30aの後端部を耳の裏側で押すことによって)、絡み防止部材24の姿勢が、耳当接部30aの前端部30cをテンプル120,120’,120”側へ押し付ける弾性力fAを作用させる姿勢(状態A)へと切り替わり、耳当接部30aの後端部がしっかりと耳の裏側に当接可能となる。
このように、絡み防止部材24がその弾性力によって耳当接部30aの姿勢を切り替えることができるため、眼鏡をより容易に装着することができ、かつ、眼鏡のずれ落ちをより効果的に抑制することができる。
さらに、第1から第3実施形態に係る内掛眼鏡フレーム200,200A〜200E,200Xにおいて、左右一対の筒状部材240,240を更に備えている場合には、該内掛眼鏡フレーム200,200A〜200E,200Xを取り付けた眼鏡を装着した状態において、該眼鏡取り付け具30を具備する眼鏡フレーム100,100’,100”によって、該筒状部材240,240を安定させることができ、それだけ効果的に防塵機能を高めることができる。
なお、絡み防止部材24のテンプル120,120’,120”への取り付け態様として可撓性部材によるクリップ部24aを用いたが、絡み防止部材24のテンプル120,120’,120”が取り付けられる他端にテンプル120,120’,120”が貫通可能な穴を設け、この穴にテンプル120,120’,120”を貫通させることにより、取り付けることとしてもよい。この場合において、穴の径は、テンプル120,120’,120”の所定部20bよりわずかに小さく設定されてもよい。テンプル120,120’,120”の後端の外径が大きく穴に入らない場合は、前枠110,110’,110”とテンプル120,120’,120”とを一度分解して絡み防止部材24の穴にテンプル120,120’,120”を貫通させた後、再び前枠110,110’,110”とテンプル120,120’,120”とを組み立てることとしてもよい。