以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係る眼鏡フレーム用テンプルであって、図1(A)は所謂プラスチックテンプルタイプの如く構成した第1実施形態に係るテンプル2を備えた眼鏡フレーム10の概略構成を示す斜視図であり、図1(B)及び図1(C)はそれぞれ所謂メタルテンプルタイプの如く構成した第2及び第3実施形態に係るテンプル2’,2”を備えた眼鏡フレーム10’、10”の概略構成を示す斜視図である。なお、テンプル2,2’,2”において、以下に記述する「基端部」とは眼鏡フレーム10,10’,10”を構成した場合の前枠1側の端部をいい、「先端部」とは前記前枠1側とは反対側の端部をいう。
図1(A)乃至図1(C)に示すように、眼鏡フレーム10,10’,10”は、レンズを保持する前枠1と、該前枠1の両端からそれぞれ先端部側2bに延出する左右一対のテンプル2,2’,2”と、前枠1の両端部でテンプル2,2’,2”を開閉させるための蝶番3とを具備するものである。
(第1実施形態)
図1(A)及び図2から図6を参照しつつ第1実施形態に係る眼鏡フレーム用テンプル2について説明する。
図2は図1(A)に示す第1実施形態のテンプル2において芯金部材の一例120から耳掛部材の一例110を取り外した状態の該耳掛部材110及び該芯金部材120を示す概略構成図であり、図2(A)に該耳掛部材110及び該芯金部材120の平面図を、図2(B)に該耳掛部材110及び該芯金部材120を外側から視た側面図を示す。また、図3は、図2(A)に示す芯金部材120と耳掛部材110との取り付け部分の一部断面を含む拡大図を、図4は耳掛部材110が芯金部材120に取り付けられた状態の拡大図を示している。なお、図2から図4ではいずれも右テンプルを示している。この右テンプルは左テンプルとは左右対称になっているだけで、該左テンプルと実質的に同様の構成をしており、ここでは、左テンプルについては図示を省略し、右テンプルに代表させて示している。後述する図5から図13についても同様である。
テンプル2は、本例では、所謂プラスチックテンプルタイプの如く構成されており、耳掛部材110と芯金部材120とを備えている。このテンプル2において、耳掛部材110は芯金部材120に対して着脱可能となっている。
芯金部材120は、本例では、金属材料からなっており、断面視矩形状に形成された芯金部121を有している。
耳掛部材110は、本例では、樹脂材料(例えば、アセテート)からなっており、先端部側2bから蝶番3付近まで延びていて、芯金部121を挿通する挿通穴111を有している。挿通穴111は、基端部110aに設けられた開口111aから先端部側2bに向けて軸方向に沿って延びていて、本例では、芯金部121の形状に対応して、断面視矩形状に且つ後述する係合部130が挿通穴111及び芯金部121に設けられた状態で芯金部121全体が挿入できるように、全体の内径が該芯金部121の径より若干大きくなるように形成されている。なお、耳掛部材110を構成する樹脂材料は、前記のアセテートに限定されず、各種のものを用いることができる。また樹脂材料の他、金属材料や木などを用いてもよい。
この眼鏡フレーム用テンプル2は、前記した係合部130を少なくとも一対(本例では一対)備えている。この係合部130は、凸状係合部及び凹状係合部からなり、一方の係合部(本例では凸状係合部122)が芯金部材120における芯金部121に設けられ、他方の係合部(本例では凹状係合部112)が、芯金部121に設けられた一方の凸状係合部122に係合するように耳掛部材110における挿通穴111に設けられている。なお、本例では、一方の係合部122を凸状とし、他方の係合部112を凹状としているが、一方の係合部122を凹状とし、他方の係合部112を凸状としてもよい。
さらに説明すると、該眼鏡フレーム用テンプル2が眼鏡フレーム10を構成した場合の該眼鏡フレーム10の使用姿勢において(図1(A)参照)、一方の凸状係合部122は芯金部121の外側、内側、上側及び下側のうち少なくとも一つ(本例では内側)の側面P2における基端部近傍に設けられ、他方の凹状係合部112は、芯金部121に設けられた一方の凸状係合部122に係合するように耳掛部材110における挿通穴111の外側、内側、上側及び下側のうち少なくとも一つ(本例では内側)の側面P1に設けられている。
また、芯金部121に設けられた一方の凸状係合部122に係合するように耳掛部材110における挿通穴111に設けられる他方の凹状係合部112は、該耳掛部材110の基端部110aにおける開口111a近傍に設けられている。さらに言えば、耳掛部材110の基端部110aを、他方の凹状係合部112を形成すべき挿通穴111の係合部形成面P1が露出するようにカット(具体的には、斜めにカット)し、該露出した係合部形成露出面P1’に他方の凹状係合部112を形成してある。
なお、このように係合部形成露出面P1’に他方の凹状係合部112を形成してもよいが、例えば、図5に示すように、係合部形成面P1において径方向に沿って貫通する貫通孔114を設け、該貫通孔114を塞ぐ閉塞部材115を、該他方の係合部112が凹状である場合には該係合部形成面P1に対してくぼむようにように(図5(A)参照)、また凸状である場合には該係合部形成面P1に対して突出するように(図5(B)参照)設けることで、該他方の係合部112を形成してもよい。
また、本第1実施形態において、眼鏡フレーム用テンプル2は、凸状係合部122及び凹状係合部112からなる係合部130を一対備えているが、図6に示すように、軸方向に沿って複数対並設されていてもよい。なお、図示を省略したが、この構成は後述する第2及び第3実施形態についても同様に適用することができる。
(第2実施形態)
次に、図1(B)及び図7乃至図9を参照しつつ第2実施形態に係る眼鏡フレーム用テンプル2’について説明する。なお、図7乃至ら図9において、図2から図4に示すテンプル2と実質的に同様の構成作用を有する箇所については同じ参照符号を付してある。後述する図10から図12についても同様である。また、図7(A)において、耳掛部材110’は鎖線で示し、該耳掛部材110’に内設された後述する芯金延長部材113’は実線で示している。
図7は図1(B)に示す第2実施形態のテンプル2’において芯金部材の他の例120’から耳掛部材の他の例110’を取り外した状態の該耳掛部材110’及び該芯金部材120’を示す概略構成図であり、図7(A)に該耳掛部材110’及び該芯金部材120’の取り付け部分の斜視図を、図7(B)に該耳掛部材110’及び該芯金部材120’の平面図を、図7(C)に該耳掛部材110’及び該芯金部材120’を外側から視た側面図を示す。また、図8は図7(B)に示す芯金部材120’と耳掛部材110’との取り付け部分の一部断面を含む拡大図を、図9は該耳掛部材110’が該芯金部材120’に取り付けられた状態の拡大図を示している。
テンプル2’は、本例では、所謂メタルテンプルタイプの如く構成されており、先セルを構成する耳掛部材110’(以下先セル110’ということがある)と芯金部材120’とを備えている。このテンプル2’において、先セル110’は芯金部材120’に対して着脱可能となっている。
芯金部材120’は、本例では、金属材料からなっており、断面視矩形状に形成された芯金部121’を有している。
先セル110’は、本例では、樹脂材料(例えば、アセテート)からなっており、芯金部121’を挿通する挿通穴111を有していて、先端部側2bでユーザーの耳部や頭部の形状に沿うように湾曲した湾曲部Rを有している。さらに説明すると、先セル110’には、芯金延長部材113’が設けられており、この芯金延長部材113’は、第1芯金部111’と第2芯金部112’とからなっていて、いずれも金属材料からなっている。第1芯金部111’は、挿通穴111を構成するものであり、基端部に設けられた開口111aから先端部側2bに向けて軸方向に沿って筒状に延びる有底の中空部材とされていて、本例では、芯金部121’の形状に対応して、断面視矩形状に且つ後述する係合部130が挿通穴111及び芯金部121’に設けられた状態で芯金部121’全体が挿入できるように、全体の内径が該芯金部121’の径より若干大きくなるように形成されている。第2芯金部112’は、一端部が第1芯金部111’の先端部111a’に配設されており、他端部が先端部側2bに向けて軸方向に沿って(本例では、耳掛部材120’の先端部近傍にまで)延びている。なお、先セル110’を構成する樹脂材料は、前記のアセテートに限定されず、各種のものを用いることができる。また樹脂材料の他、木などを用いてもよい。
この眼鏡フレーム用テンプル2’は、係合部130を少なくとも一対(本例では一対)備えている。この係合部130は、凸状係合部及び凹状係合部からなり、一方の係合部(本例では凸状係合部122)が芯金部材120’における芯金部121’に設けられ、他方の係合部(本例では凹状係合部112)が、芯金部121’に設けられた一方の凸状係合部122に係合するように先セル110’における挿通穴111に設けられている。なお、本例では、一方の係合部122を凸状とし、他方の係合部112を凹状としているが、一方の係合部122を凹状とし、他方の係合部112を凸状としてもよい。
さらに説明すると、該眼鏡フレーム用テンプル2’が眼鏡フレーム10’を構成した場合の該眼鏡フレーム10’の使用姿勢において(図1(B)参照)、一方の凸状係合部122は芯金部121’の外側、内側、上側及び下側のうち少なくとも一つ(本例では外側)の側面Q2における先端部近傍に設けられ、他方の凹状係合部112は、芯金部121’に設けられた一方の凸状係合部122に係合するように先セル110’における挿通穴111の外側、内側、上側及び下側のうち少なくとも一つ(本例では外側)の側面Q1に設けられている。
(第3実施形態)
次に、図1(C)及び図10乃至図12を参照しつつ第3実施形態に係る眼鏡フレーム用テンプル2”について説明する。
図10は図1(C)に示す第3実施形態のテンプル2”において図1(B)に示す芯金部材120’から耳掛部材のさらに他の例110”を取り外した状態の該耳掛部材110”及び該芯金部材120’を示す概略構成図であり、図10(A)に該耳掛部材110”及び該芯金部材120’の取り付け部分の斜視図を、図10(B)に該耳掛部材110”及び該芯金部材120’の平面図を、図10(C)に該耳掛部材110”及び該芯金部材120’を外側から視た側面図を示す。また、図11は図10(B)に示す芯金部材120’と耳掛部材110”との取り付け部分の一部断面を含む拡大図を、図12は該耳掛部材110”が該芯金部材120’に取り付けられた状態の拡大図を示している。
テンプル2”は、本例では、所謂メタルテンプルタイプの如く構成されており、先セルを構成する耳掛部材110”(以下先セル110”ということがある)と芯金部材120’とを備えている。このテンプル2”において、先セル110”は芯金部材120’に対して着脱可能となっている。
先セル110”は、本例では、樹脂材料(例えば、アセテート)からなっており、芯金部121’を挿通する挿通穴111を有している。さらに説明すると、先セル110”には、基端部における開口111aから軸方向に沿って延びるように開放されたスリット状の開口111bが設けられている。なお、先セル110”を構成する樹脂材料は、前記のアセテートに限定されず、各種のものを用いることができる。また樹脂材料の他、金属材料や木などを用いてもよい。
この眼鏡フレーム用テンプル2”は、係合部130を少なくとも一対(本例では一対)備えている。この係合部130は、凸状係合部及び凹状係合部からなり、一方の係合部(本例では凸状係合部122)が芯金部材120’における芯金部121’に設けられ、他方の係合部(本例では凹状係合部112)が、芯金部121’に設けられた一方の凸状係合部122に係合するように先セル110”における挿通穴111に設けられている。なお、本例では、一方の係合部122を凸状とし、他方の係合部112を凹状としているが、一方の係合部122を凹状とし、他方の係合部112を凸状としてもよい。
さらに説明すると、該眼鏡フレーム用テンプル2”が眼鏡フレーム10”を構成した場合の該眼鏡フレーム10”の使用姿勢において(図1(C)参照)、一方の凸状係合部122は芯金部121’の外側、内側、上側及び下側のうち少なくとも一つ(本例では外側)の側面Q2における先端部近傍に設けられ、他方の凹状係合部112は、芯金部121’に設けられた一方の凸状係合部122に係合するように先セル110”における挿通穴111の外側、内側、上側及び下側のうち少なくとも一つ(本例では外側)の側面Q1に設けられている。本例では、該挿通穴111における他方の凹状係合部112は、スリット状開口111bの幅方向中央部を通り、該スリット状開口111bから軸方向に沿って先端部側2bに向かう延長線上に位置しており、該芯金部121’における一方の凸状係合部122は、該一方の凸状係合部122を先セル110”における他方の凹状係合部112に向けて案内可能に、スリット状開口111bに摺動自在に係入される凹凸係合部案内用凸状係合部を兼ねている。なお、凸状係合部122は、ここでは凹凸係合部案内用凸状係合部を兼ねているが、芯金部121’において、図10(A)で拡大して示すように、凸状係合部122とは別に、該芯金部121’における一方の凸状係合部122を先セル110”における他方の凹状係合部112に向けて案内可能に、スリット状開口111bに摺動自在に(さらに言えば、芯金部121’における一方の凸状係合部122と先セル110”における他方の凹状係合部112とが係合する係合位置に対応する位置を含む軌道上で摺動自在に)係入される凹凸係合部案内用凸状係合部122’が設けられていてもよい。また、挿通穴111における他方の凹状係合部112は、本例のように、スリット状開口111bから軸方向に沿って先端部側2bに向かう延長線上に位置していてもよいが、それ以外の部位、例えば、一方の凸状係合部122が芯金部121’の内側、上側又は下側の側面に設けられ、他方の凹状係合部112が、芯金部121’に設けられた一方の凸状係合部122に係合するように先セル110”における挿通穴111の内側、上側又は下側の側面に設けられていてもよい。別の言い方をすれば、凹凸係合部案内用凸状係合部122’が芯金部121’の内側、上側又は下側の側面に設けられ、スリット状開口111bが先セル110”の内側、上側又は下側に設けられていてもよい。また、スリット状開口111bは、前記凹凸係合部案内用凸状係合部を導入し易くするという観点から、図10(C)で拡大して示すように、基端部側2a端部で広く且つ先端部側2bに向けて次第に狭くなるように形成された導入部111b’を有していてもよい。
なお、前記第1から第3実施形態において、一方の凸状係合部122は、幅1.5mm程度で高さ0.5mm〜0.6mm程度の断面視半円形状(立体視半球状)のものとしている。他方の凹状係合部112は、耳掛部材110,110’,110”の芯金部材121,121’に対する着脱のし易さという観点から比較的なだらかに形成された断面視円弧形状(立体視クレーター状)のものとしている。
以上説明した眼鏡フレーム用テンプル2,2’,2”では、耳掛部材110,110’,110”が芯金部材120,120’に取り付けられる際に、芯金部材120,120’における芯金部121,121’が耳掛部材110,110’,110”における挿通穴111に開口111aから先端部側2bに向けて挿入される。このとき、芯金部121,121’の先端部が、耳掛部材110,110’,110”の基端部側2aから先端部側2bに向けて耳掛部材110,110’,110”の挿通穴111に沿って(さらに耳掛部材110”では凹凸係合部案内用凸状係合部を兼ねている凸状係合部122がスリット状開口111bに沿って案内されつつ)相対移動し、芯金部121,121’における一方の凸状係止部122が、耳掛部材110,110’,110”における他方の凹状係合部112に移行し、ここで該他方の凹状係合部112に係入されて係止される。これにより、耳掛部材110,110’,110”が芯金部材120,120’に保持され、こうして耳掛部材110,110’,110”が芯金部材120,120’に簡単に取り付けられ得る。また、耳掛部材110,110’,110”が芯金部材120,120’から取り外される際には、耳掛部材110,110’,110”の挿通穴111に挿通されている芯金部材120,120’の芯金部121,121’が開口111aを介して基端部側2aに向けて引き抜かれる。このとき、芯金部121,121’における一方の凸状係止部122と耳掛部材110,110’,110”における他方の凹状係合部112との係合が解除され、芯金部121,121’の先端部が、耳掛部材110,110’,110”の先端部側2bから基端部側2aに向けて耳掛部材110,110’,110”の挿通穴111に沿って相対移動し、耳掛部材110,110’,110”の基端部110aから離間する。こうして耳掛部材110,110’,110”が芯金部材120,120’から簡単に取り外され得る。
このように眼鏡フレーム用テンプル2,2’,2”によると、該テンプル2,2’,2”を構成する耳掛部材110,110’,110”が、同じく該テンプル2,2’,2”を構成する芯金部材120,120’に対して簡単に取り付け、取り外しできるので、ユーザー自らが耳掛部材110,110’,110”を取り替えることが可能となり、従って、テンプル全体を取り替える必要がないため、それだけコストを低く抑えることができる。これにより、取り替え作業に伴う眼鏡ユーザーの負担が少なく、ユーザー自らが手軽に且つ安価に取り替えを行うことができる。
また、凹凸係合部130が、図6に示すように、軸方向に沿って複数対並設されている場合には、芯金部材120,120’における芯金部121,121’が耳掛部材110,110’,110”における挿通穴111に挿入される際にユーザの鼻部と耳部との間の距離に合う位置に芯金部121,121’における一方の凸状係止部122を耳掛部材110,110’,110”における他方の凹状係合部112に係止することができ、これにより、ユーザの鼻部と耳部との間の距離に合わせて良好に調整することができる。
また、第1実施形態のテンプル2では、耳掛部材110の基端部110aは、他方の凹状係合部112を形成すべき挿通穴111の係合部形成面P1が露出するように斜めにカットされ、該露出した係合部形成露出面P1’に他方の凹状係合部112が形成されているので、該係合部形成露出面P1’に他方の凹状係合部112を比較的簡単、容易に形成することができる。
さらに、図5に示すように、係合部形成面P1に径方向に沿って貫通する貫通孔114を設け、該貫通孔114を塞ぐ閉塞部材115を、該他方の係合部112が凹状である場合には挿通穴111の係合部形成面に対してくぼむようにように、また凸状である場合には挿通穴111の係合部形成面に対して突出するように設けることで、該他方の係合部112を形成する場合には、耳掛部材110における挿通穴111の任意の位置に他方の係合部112を形成することができる。
また、第2実施形態のテンプル2’では、挿通穴111を構成し、芯金部材120’における芯金部121’を挿通する筒状の第1芯金部111’と、該第1芯金部111’の先端部に配設され、先端部側に向けて軸方向に沿って延びる第2芯金部112’とからなる芯金延長部材113’が先セル110’に設けられていて、該先セル110’に設けられている第1芯金部111’が金属材料で構成されているので、他方の凹状係合部112において、芯金部材120’における芯金部121’の一方の凸状係合部122との係合による耐磨耗性を向上させることができる上、先セル110’において、芯金部材120’における芯金部121’を挿通する第1芯金部111’の先端部に配設された第2芯金部112’が該先セル110’の先端部近傍にまで延びているので、先セル110’が先端部側2bでユーザーの耳部や頭部の形状に沿うように湾曲した湾曲部Rを有していて、芯金部材120’における芯金部121’が先セル110’の先端部近傍まで延びていなくても、該先セル110’に設けられた第2芯金部112’によって、該先セル110’を補強することができ且つユーザの耳部や頭部に違和感なくフィットさせ得るように該先セル110’を下方や内方に向けて曲げ調整し易くすることができる。
また、第3実施形態のテンプル3’では、先セル110”において、基端部における開口111aから軸方向に沿って延びるように開放されたスリット状の開口111bが設けられているので、芯金部材120’における芯金部121’が先セル110”における挿通穴111に挿入される際に該挿通穴111をスリット状開口111bにおいて径方向外方に拡開するように撓ませ易くすることができ、これにより芯金部121’を挿通穴111に挿入し易くすることができる。さらに芯金部121’において、該芯金部121’における一方の凸状係合部122を先セル110”における他方の凹状係合部112に向けて案内可能に、スリット状開口111bに摺動自在に係入される凹凸係合部案内用凸状係合部を兼ねる凸状係合部122が設けられているので、芯金部121’における一方の凸状係合部122を挿通穴111における他方の凹状係合部112に向けてうまく誘導することができ、これにより該一方の凸状係合部122を該他方の凹状係合部112にスムーズに係合させることができる。
なお、第1実施形態のテンプル2は、所謂プラスチックテンプルタイプの如く構成されており、耳掛部材110が芯金部材120に対して着脱可能となっているが、図1(B)及び図1(C)に示すような所謂メタルテンプルタイプの如く構成されていて、例えば、図13に示すように、先セルを構成する耳掛部材110と芯金部材120とを備え、該先セル110が該芯金部材120に対して着脱可能となっていてもよい。なお、図13において、図2から図4に示すテンプル2と実質的に同様の構成作用を有する箇所については同じ参照符号を付してある。
また、図1(B)に示す第2及び第3実施形態のテンプル2’,2”は、本例では、所謂メタルテンプルタイプの如く構成されていて、先セルを構成する耳掛部材110’,110”と芯金部材120’,120”とを備え、該先セル110’,110”が該芯金部材120’,120”に対して着脱可能となっているが、図1(A)に示すような所謂プラスチックテンプルタイプの如く構成されており、耳掛部材が芯金部材に対して着脱可能となっていてもよい。
第1実施形態のテンプル2では、ユーザが手軽に耳掛部材を取り替えることができるのであるが、図14(A)に示すように、耳掛部材の厚みを大きくしてユーザの開閉動作等による外力に対して耐久性を向上させた耳掛部材110xに取り替えたり、図14(B)に示すように、予め用意された各種の装飾されたテンプルの中からTPOに併せて選択された好みの耳掛部材110yに取り替えることも簡単にできる。
また、第1から第3実施形態のテンプル2,2’,2”における耳掛部材110,110’,110”には図15に示すような耳当て部材43が設けられていてもよい。図15は第1から第3実施形態のテンプル2,2’,2”における耳掛部材110,110’,110”の先端部側2b部分に耳当て部材43を設けるように構成した一例の該先端部側2b部分を拡大した概略側面図である。なお、図15に示すテンプル2,2’,2”は、図1から図6に示すテンプル2,2’,2”において、耳掛部材110,110’,110”に耳当て部材43を設けるように構成にした以外は第1から第3実施形態のテンプル2,2’,2”と同様のものである。
図15に示すように、耳掛部材110,110’,110”の先端部側2bには、耳の裏側に当接可能な耳当て部材43が着脱可能に設けられている。さらに説明すると、耳掛部材110,110’,110”には、耳当接側部分の幅方向両端部において耳当接側に延びる左右一対の支持部44が設けられており、該左右一対の支持部44には、耳当て部材43をビス8により固定するためのビス穴44aがそれぞれ形成されている。
耳当て部材43には、軸方向Zの略中央部において耳当接側とは反対側から延設される延設部43aが設けられている。この延設部43aには、前記ビス8が貫通する貫通孔が形成されている。これにより、ビス8を延設部43aの前記貫通孔を通して支持部44のビス穴44aに取り付けることで、耳当て部材43を耳掛部材110,110’,110”に着脱可能に固着することができる。
また、テンプル2,2’,2”では、スポーツ等の激しい運動を行う際に適用できる耳掛部材110,110’,110”として、例えば、図16に示すような耳掛部材及び図17に示すような耳掛部材にも容易に取り替えることができる。なお、図16に示すテンプル2,2’,2”は、第1から第3実施形態のテンプル2,2’,2”において、耳掛部材110,110’,110”に耳当て部材23を設けるように構成にした以外は第1から第3実施形態のテンプル2,2’,2”と同様のものであり、また、図17(B)に示すテンプル2,2’,2”は、第1から第3実施形態のテンプル2,2’,2”において、耳掛部材110,110’,110”に眼鏡取り付け具30を設けるように構成にした以外は第1から第3実施形態のテンプル2,2’,2”と同様のものである。
図16に示すテンプル2,2’,2”は、耳の裏側に当接可能な耳当接部23a及びテンプル本体の後部と該耳当接部23aとを揺動可能に取り付けるためのピン又はネジ等の軸部材7が取り付けられた揺動部23bを有する耳当て部材23と、テンプル本体の耳当て部材23が取り付けられた部位22aより基端部側2aにある所定部22bと耳当接部23aの基端部側2a端部領域23cとを連結する可撓性の絡み防止部材4とを具備している。なお、図示例では、耳当接部23a、所定部22b及び絡み防止部材4は一体的に形成されている。
このテンプル2,2’,2”が取り付けられた眼鏡フレームでは、前枠1に取り付けられた鼻当て用のパッド6(図1参照)を鼻に掛けるとともに、湾曲した耳当て部材23の耳当接部23aを耳の裏側(耳と頭との間)の湾曲部に掛けることによって着用される。
この眼鏡フレームにおいては、眼鏡を掛けた状態で、前枠1がずれ落ちようとすると、前枠1から延出されたテンプル,2’,2”2の後部はずれ上がろうとし、テンプル本体の後部に取り付けられた耳当て部材23の耳当接部23aを上方へ移動させようとする。そして、耳当て部材23の耳当接部23aが上方へ移動しようとすると、耳当て部材23のテンプル本体に取り付けられる部位である揺動部23b(テンプル本体の耳当て部材23が取り付けられる部位22a)に挿通された軸部材7を中心として耳当接部23aは、図16において左回りへ回転しようとする。このとき、耳当接部23aの基端部側2a端部領域23cが耳の裏側を押圧する力が大きくなり、その結果、耳当接部23aと耳の裏側との相対的な移動が阻止され、テンプル2,2’,2”の後部のずれ上がりが阻止される。このようにして、眼鏡のずれ落ちを防止することができる。
また、耳当接部23aの長手方向の略中間部に揺動部23bが設けられるように構成されており、耳当て部材23のテンプル本体に取り付けられる部位である揺動部23b及びテンプル本体の耳当て部材23が取り付けられる部位22aには、揺動部23bの揺動範囲を規制する規制機構18が設けられるように構成されるとともに、テンプル本体と耳当て部材23の揺動部23bとの取り付けには、ピン又はねじ等の軸部材7が用いられるように構成される。規制機構18は、テンプル本体の耳当て部材が取り付けられる部位22aに設けられた当接面28に耳当て部材23の支持片38が当接することにより揺動を規制する構成となっている。
このような規制機構18を設けることにより、耳当て部材23の揺動範囲が規制されるため、使用者が眼鏡を掛ける際に、耳の裏側の適所に耳当て部材23の耳当接部23aを容易に当接させることができ、使用者の眼鏡の着用をより容易にすることができる。また、軸部材7を介して耳当て部材23がテンプル本体の取り付け部位22aに取り付けられる構成であるため、力の損失が少なく、スムーズな揺動を容易かつ安価に達成することができる。また、軸部材7の軸回りに規制機構18を設けることにより、規制機構18を容易に構成することができる。なお、耳当て部材23に取り付けられた揺動部23bが軸部材7に揺動可能に取り付けられているが、耳当て部材23自体(耳当接部23a)に孔を開けて軸部材7を介して耳当て部材23がテンプル本体に対して揺動可能に取り付けてもよい。また、テンプル本体の耳当て部材23が取り付けられた部位22aは、テンプル2,2’,2”の先端部であるように構成される。この場合、眼鏡フレームのテンプル2,2’,2”と耳当て部材23とが一体ではない構造を有しているにも関わらず、一般的な形状の眼鏡フレームを用いてきた使用者であっても違和感なく着用することができる。
また、図16に示すように、可撓性の絡み防止部材4がテンプル本体の耳当て部材23が取り付けられた部位22aより基端部側2aにある所定部22bと耳当て部材23の耳当接部23aの基端部側2a端部領域23cとを連結するように取り付けられている。こうすることで、眼鏡を外す際に、テンプル2,2’,2”を上方へ持ち上げた場合であっても、テンプル本体と耳当接部23aの基端部側2a端部領域23cとの間が絡み防止部材4で塞がれているため、髪の毛がQ方向からテンプル本体と耳当接部23aとの取り付け部分(揺動部23b)に入り込みにくく、これに絡まることが抑制される。また、絡み防止部材4は、可撓性を有しているため、眼鏡フレームのずれ落ち抑制の機能を阻害することもない。このように、可撓性の絡み防止部材4によってテンプル本体の耳当て部材23が取り付けられた部位22aより基端部側2aにある所定部22bと耳当接部23aの基端部側2a端部領域23cとを連結することにより、鼻に掛かる負担を大きくすることなく眼鏡のずれ落ちを防止できるとともに、眼鏡を外す際に髪の毛の眼鏡への絡みを抑制することができる。
図17に示すテンプル2,2’,2”は、眼鏡取り付け具30を具備しているものである。この眼鏡取り付け具30は、眼鏡フレームに着脱可能な眼鏡取り付け具であって、図1に示すようなテンプル2,2’,2”の先端部側2b所定部位20aに着脱可能なクリップ部30dと、耳の裏側に当接可能な耳当接部30aと、クリップ部30dと耳当接部30aとを揺動可能に取り付けるためのピン又はねじ等の軸部材7が取り付けられた揺動部30bとを具備するものである。また、クリップ部30dと耳当接部30aとは、揺動部30bにより、ピン又はねじ等の軸部材7を用いて揺動可能に取り付けられる。これにより、テンプル2,2’,2”と眼鏡取り付け具30の耳当接部30aとは、揺動可能に取り付けられる。また、テンプル2,2’,2”が先端部に向けて次第に分厚くなるような形状の場合は、クリップ部30dの内径に所定の余裕を持たせてもクリップ部30dがテンプル2,2’,2”の先端部側2bから抜け落ちることを防止することができる。
また、図17に示すように、一端が耳当接部30aの基端部側2a端部30cに連結され、他端がテンプル2,2’,2”のクリップ部30dが取り付けられた部位20aより基端部側2aにある所定部20bに着脱可能な可撓性の絡み防止部材4をさらに具備するように構成されている。この可撓性の絡み防止部材4によってテンプル2,2’,2”のクリップ部30dが取り付けられた部位20aより基端部側2aにある所定部20bと眼鏡取り付け具30の耳当接部30aの基端部側2a端部30cとを連結することにより、鼻に掛かる負担を大きくすることなく眼鏡のずれ落ちを防止できるとともに、眼鏡を外す際に髪の毛の眼鏡への絡みを抑制することができる。さらに、絡み防止部材4の他端をテンプル2,2’,2”に着脱可能に取り付けるための構成として、図17(A)に示すような、可撓性部材で形成されたクリップ部4aを用いている。
なお、図18に示すように、耳掛部材110zを第1実施形態の芯金部121に単に指し込むような形態も使用することが可能である。なお、図18に示すテンプル2は、第1実施形態のテンプル2において、図16に示す第2及び第3実施形態の耳掛部材110’、110”を先セル態様の耳掛部材110zとして用い、該先セル態様の耳掛部材110zを第1実施形態の芯金部121に単に指し込むような構成とした以外は第1実施形態のテンプル2と同様のものである。