WO2010032672A1

WO2010032672A1 - 眼鏡取り付け具及び眼鏡フレームセット

Info

Publication number: WO2010032672A1
Application number: PCT/JP2009/065820
Authority: WO
Inventors: 武彦吉田
Original assignee: 株式会社プラネット・ビジョン６０
Priority date: 2008-09-22
Filing date: 2009-09-10
Publication date: 2010-03-25
Also published as: JP2010072511A

Abstract

本発明は、眼鏡フレーム６に脱着可能な眼鏡取り付け具１であって、耳の裏側に沿うように湾曲する湾曲部材２と、湾曲部材２と揺動可能に取り付けられ、耳の裏側に当接可能な耳当接部３１を有する耳当て部材３と、湾曲部材２の耳当て部材３が取り付けられる部位２１より前方にある所定部２２と耳当接部３１の前端部３１ａとを連結する可撓性の絡み防止部材４と、湾曲部材２の上面又は側面に設けられ、テンプル６１が脱着可能に嵌合する取付部材５とを備える眼鏡取り付け具１を提供する。更に、本発明は、前記の眼鏡取り付け具１と眼鏡フレーム６Ａとを備える眼鏡フレームセット９Ａを提供する。

Description

眼鏡取り付け具及び眼鏡フレームセット

　本発明は、眼鏡フレームのずれ落ちを防止すると共に、眼鏡フレームに取り付けられた状態で、該眼鏡フレームを装着者から外すときに髪の毛が絡
まることが抑制された眼鏡取り付け具、及び、該眼鏡取り付け具と眼鏡フレームとを備える眼鏡フレームセットに関する。

　上述のような眼鏡取り付け具が日本国特許３５２６５７１号公報において開示されている。図８に示すように、前記公報に記載の眼鏡取り付け具１００は、クリップ部１０１と、耳当接部１０３と、絡み防止部材１０６とを備える。クリップ部１０１は、眼鏡フレーム２００のテンプル２０１後部に脱着可能に取り付けられる。耳当接部１０３は、軸部材１０２を介してクリップ部１０１に揺動可能に取り付けられている。また、耳当接部１０３は、装着者の耳の裏側に当接することが可能とされている。絡み防止部材１０６は、可撓性を有している。絡み防止部材１０６の一端は耳当接部１０３の前端部１０４に連結され、絡み防止部材１０６の他端はテンプル２０１のクリップ部１０１が取り付けられる部位２０２より前方にある所定部２０３にクリップ部１０５等によって脱着可能に取り付けられる。耳当接部１０３の前端部１０４をテンプル２０１側に押し付ける（耳当接部１０３の前端部１０４を図９の矢印Ａが示す状態にする）と、絡み防止部材１０６がテンプル２０１に沿い、耳当接部１０３が耳の裏側に当接可能な姿勢になる。

　眼鏡取り付け具１００が取り付けられた眼鏡フレーム２００は、眼鏡取り付け具１００の耳当接部１０３が耳に掛けられ、耳当接部１０３の前端部１０４が耳でテンプル２０１側に押し付けられることで装着される。耳当接部１０３の前端部１０４がテンプル２０１側に押し付けられると、絡み防止部材１０６がテンプル２０１に沿い、耳当接部１０３が耳の裏側に当接する姿勢になる。絡み防止部材１０６がテンプル２０１に沿うことで、眼鏡取り付け具１００を眼鏡フレーム２００に取り付けても眼鏡フレーム２００を違和感無く装着できる。また、耳当接部１０３が耳の裏側に当接する姿勢になることで、耳当接部１０３が耳にしっかり保持される。

　このような眼鏡取り付け具１００が眼鏡フレーム２００のずれ落ちを防止するのは以下の通りである。眼鏡取り付け具１００が取り付けられた眼鏡フレーム２００を装着した状態（図９の矢印Ａが示す状態）において、眼鏡フレーム２００の前枠２０４がずれ落ちようとすると、前枠２０４から延出されたテンプル２０１がずれ上がろうとする。テンプル２０１がずれ上がろうとすると、眼鏡取り付け具１００の耳当接部１０３が上方へ移動しようとする。耳当接部１０３が上方へ移動しようとすると、軸部材１０２を中心として耳当接部１０３は前回り方向（図９において左回り方向）に回転しようとする。このとき、耳当接部１０３の前端部１０４が耳の裏側を押圧する力が大きくなる。その結果、耳当接部１０３と耳の裏側との相対的な移動が阻止され、テンプル２０１のずれ上がりが阻止される。このように、眼鏡取り付け具１００は、眼鏡フレーム２００のずれ落ちを防止する。

　また、装着した状態（図９の矢印Ａが示す状態）の眼鏡フレーム２００を装着者から外すときに、眼鏡取り付け具１００に髪の毛が絡むことが抑制されるのは以下の通りである。眼鏡フレーム２００を装着者から外すとき、テンプル２０１が上方に持ち上げられる（テンプル２０１を図９の矢印Ｂが示す状態にする）。眼鏡取り付け具１００が取り付けられた眼鏡フレーム２００においては、テンプル２０１の所定部２０３と眼鏡取り付け具１００の耳当接部１０３の前端部１０４とが絡み防止部材１０６によって連結されている。このため、眼鏡フレーム２００を装着者から外すためにテンプル２０１が上方に持ち上げられても、テンプル２０１の所定部２０３と眼鏡取り付け具１００の耳当接部１０３の前端部１０４との間を通って矢印Ｘ方向から耳当接部１０３のテンプル２０１が取り付けられる部位に髪の毛が入り込み難い。このため、眼鏡フレーム２００を装着者から外すときに眼鏡取り付け具１００に髪の毛が絡まることが抑制される。

　眼鏡フレーム２００のテンプル２０１後部は下方に湾曲している。テンプル２０１として、図１０（ａ）に示すように後部の曲率が比較的大きいテンプルや、図１０（ｂ）に示すように後部の曲率が比較的小さいテンプルや、後部の曲率が０又は略０の不図示のストレートテンプルが挙げられる。上述のように、眼鏡取り付け具１００が取り付けられた眼鏡フレーム２００を装着すると、絡み防止部材１０６がテンプル２０１に沿う。このため、眼鏡フレーム２００を装着したときの耳当接部１０３の前端部１０４の位置は、テンプル２０１後部の曲率に影響される。また、軸部材１０２を介して耳当接部１０３が揺動可能に取り付けられるクリップ部１０１、即ち、耳当接部１０３の揺動の中心となる部位は、テンプル２０１後部に取り付けられる。従って、耳当接部１０３の揺動の中心となる部位の位置も、テンプル２０１後部の曲率に影響される。よって、テンプル２０１後部の曲率に応じて、耳当接部１０３の前端部１０４と耳当接部１０３の揺動の中心との位置関係（耳当接部１０３の姿勢）が変わる。

　耳当接部１０３の姿勢によっては、耳当接部１０３の全体が耳に当接せず、耳当接部１０３の前端部１０４が耳の裏側を押圧する力で眼鏡フレーム２００のずれ落ちを防止することが困難となる場合が生じる。このため、テンプル２０１後部の曲率によっては、眼鏡フレーム２００のずれ落ちを防止することが困難となる場合が生じる。よって、眼鏡取り付け具１００を、テンプル２０１後部の曲率が異なる種々の眼鏡フレーム２００に好適に用いることはできない。

　本発明は、眼鏡フレームのずれ落ちを防止する共に、眼鏡フレームに取り付けられた状態で、該眼鏡フレームを装着者から外すときに髪の毛が絡まることが抑制され、且つ、種々の眼鏡フレームに好適に用いることができる眼鏡取り付け具、及び、該眼鏡取り付け具と眼鏡フレームとを備える眼鏡フレームセットを提供することを課題とする。

　本発明は、第１の手段として、レンズを保持する前枠と、前記前枠の両端から後方に延出する一対のテンプルとを備える眼鏡フレームに脱着可能な眼鏡取り付け具であって、耳の裏側に沿うように湾曲する湾曲部材と、軸部材を介して前記湾曲部材と揺動可能に取り付けられ、耳の裏側に当接可能な耳当接部を有する耳当て部材と、前記湾曲部材の前記耳当て部材が取り付けられる部位より前方にある所定部と前記耳当接部の前端部とを連結する可撓性の絡み防止部材と、前記湾曲部材の上面又は側面に設けられ、前記テンプルが脱着可能に嵌合する取付部材とを備えることを特徴とする眼鏡取り付け具を提供する。

　第１の手段に係る眼鏡取り付け具は、眼鏡フレームのテンプルを取付部材に嵌合させて眼鏡フレームに取り付ける。第１の手段に係る眼鏡取り付け具が取り付けられた眼鏡フレームは、第１の手段に係る眼鏡取り付け具の耳当接部が耳の裏側に掛けられ、該耳当接部の前端部が耳で湾曲部材側に押し付けられることで装着される。

　第１の手段に係る眼鏡取り付け具において、耳当接部の前端部を湾曲部材側に押し付けた時に、絡み防止部材が湾曲部材に沿い、耳当接部が耳の裏側に当接する姿勢になるように、絡み防止部材が連結される湾曲部材の部位と、耳当て部材が取り付けられる湾曲部材の部位とを設定する。このように設定された部位に絡み防止部材が連結され、耳当て部材が取り付けられた眼鏡取り付け具が取り付けられた眼鏡フレームを装着すると、絡み防止部材が湾曲部材に沿い、耳当接部が耳の裏側にしっかり保持される。

　第１の手段に係る眼鏡取り付け具は、前述の公報に記載の眼鏡取り付け具と同様に、眼鏡フレームのずれ落ちを防止できる。第１の手段に係る眼鏡取り付け具が取り付けられた眼鏡フレームを装着した状態において、眼鏡フレームの前枠がずれ落ちようとすると、該眼鏡フレームのテンプルがずれ上がろうとする。テンプルがずれ上がろうとすると、第１の手段に係る眼鏡取り付け具の耳当接部が上方へ移動しようとする。耳当接部が上方へ移動しようとすると、耳当接部の前端部が耳の裏側を押圧する力が大きくなる。その結果、耳当接部と耳の裏側との相対的な移動が阻止され、テンプルのずれ上がりが阻止される。

　また、第１の手段に係る眼鏡取り付け具は、前述の公報に記載の眼鏡取り付け具と同様に、眼鏡フレームを装着者から外すときに髪の毛が絡まることが抑制されている。第１の手段に係る眼鏡取り付け具が取り付けられた眼鏡フレームを装着者から外すとき、テンプルが上方に持ち上げられる。第１の手段に係る眼鏡取り付け具の湾曲部材と耳当接部の前端部とは、絡み防止部材で連結されている。このため、装着者から外すために、眼鏡フレームのテンプルが上方に持ち上げられても、眼鏡取り付け具の湾曲部材と耳当接部の前端部との間から耳当て部材の湾曲部材が取り付けられる部位に髪の毛が入り込み難く、これらに髪の毛が絡まることが抑制される。

　第１の手段に係る眼鏡取り付け具は、種々の眼鏡フレームに好適に用いることができる。第１の手段に係る眼鏡取り付け具において、上述の位置に、絡み防止部材を連結し、耳当て部材を取り付ければ、当該眼鏡取り付け具が取り付けられた眼鏡フレームが装着されたときに、眼鏡フレームのテンプルでなく、湾曲部材に絡み防止部材が沿う。湾曲部材に絡み防止部材が沿うため、耳当接部の前端部の位置はテンプル後部の曲率に影響されない。

　また、上述のように、第１の手段に係る眼鏡取り付け具の耳当て部材は、軸部材を介して湾曲部材に揺動可能に取り付けられる。このため、耳当接部は、湾曲部材の軸部材が取り付けられた部位を中心として揺動する。耳当接部の揺動の中心は湾曲部材の部位であるので、耳当接部の揺動の中心の位置がテンプル後部の曲率に影響されない。

　耳当接部の前端部の位置と耳当接部の揺動の中心の位置とは、眼鏡フレームのテンプル後部の曲率に影響されない。よって、耳当接部の前端部と耳当接部の揺動の中心との位置関係（耳当接部の姿勢）は、眼鏡フレームのテンプル後部の曲率に影響されない。このため、第１の手段に係る眼鏡取り付け具は、テンプル後部の曲率に関わらず、眼鏡フレームのずれ落ちを防止できる。

　以上のように、第１の手段に係る眼鏡取り付け具は、眼鏡フレームのずれ落ちを防止する共に、該眼鏡フレームを装着者から外す際に髪の毛が絡まることが抑制され、且つ、種々の眼鏡フレームに好適に用いることができる。また、眼鏡フレームから第１の手段に係る眼鏡取り付け具を取り外せば、当該眼鏡フレームを通常の眼鏡フレームとして使用できる。

　好ましくは、第１の手段に係る眼鏡取り付け具は、前記取付部材は、前記湾曲部材の側面に設けられ、前記テンプルが脱着可能に嵌合するように下方に開口された凹溝を有する構成とされる。

　かかる好ましい構成の眼鏡取り付け具は、下方に開口された凹溝にテンプルを嵌合させることで、眼鏡フレームに取り付けることができる。テンプルが凹溝に嵌合した状態で、眼鏡取り付け具がテンプルから下方に脱落しようとすると、凹溝の底部がテンプルに受け止められる。このため、かかる好ましい構成によれば、眼鏡取り付け具がテンプルから下方に脱落することが確実に防止される。

　また、本発明は、第２の手段として、レンズを保持する前枠、及び、前記前枠の両端から後方に延出する一対のストレートテンプルを有する眼鏡フレームと、前記ストレートテンプルが脱着可能に嵌合する請求項１又は２に記載の眼鏡取り付け具とを備えたことを特徴とする眼鏡フレームセットを提供する。

　第２の手段に係る眼鏡フレームセットが備える眼鏡フレームのテンプルはストレートテンプルである。ストレートテンプルは、前述のように後部の曲率が０又は略０である。ストレートテンプルを有する眼鏡フレームは、ストレートテンプルを耳に掛け、ストレートテンプルで顔部側面を押圧することとで装着される。このため、第１の手段に係る眼鏡取り付け具を取り付けた第２の手段に係る眼鏡フレームセットは、眼鏡取り付け具の耳当接部を耳の裏側に掛けて該耳当接部の前端部を湾曲部材側に押し付ける共に、ストレートテンプルで顔部側面を押圧することによって装着する。このため、装着時においては、耳当接部が耳に保持されると共に、ストレートテンプルが顔部側面を押圧する。従って、第２の手段に係る眼鏡フレームセットは、眼鏡フレームがよりずれ落ち難く、装着時の安定性がより高い。また、第２の手段に係る眼鏡フレームセットの眼鏡フレームから眼鏡取り付け具を取り外せば、当該眼鏡フレームを通常の眼鏡フレームとして使用できる。

　また、本発明は、第３の手段として、レンズを保持する前枠、及び、前記前枠の両端から後方に延出する一対のテンプルを有する眼鏡フレームと、前記テンプルの内側面に設けられ、挿入孔を有する被挿入部材と、前記挿入孔に挿脱可能に挿入される挿入部材を有する眼鏡取り付け具とを備え、前記眼鏡取り付け具は、前記挿入部材に取り付けられ、耳の裏側に沿うように湾曲する湾曲部材と、軸部材を介して前記湾曲部材と揺動可能に取り付けられ、耳の裏側に当接可能な耳当接部を有する耳当て部材と、前記湾曲部材の前記耳当て部材が取り付けられる部位より前方にある所定部と前記耳当接部の前端部とを連結する可撓性の絡み防止部材とを有することを特徴とする眼鏡フレームセットを提供する。

　第３の手段に係る眼鏡フレームセットが備える眼鏡取り付け具は、眼鏡フレームのテンプルに設けられた被挿入部材の挿入孔に挿入部材を挿入させて眼鏡フレームに取り付ける。第３の手段に係る眼鏡フレームセットが備える眼鏡取り付け具は、眼鏡フレームへの取り付け構造、即ち、取付部材に代えて挿入部材を備えることを除いて、第１の手段に係る眼鏡取り付け具と同様の構成である。このため、第３の手段に係る眼鏡フレームセットが備える眼鏡取り付け具は、第１の手段に係る眼鏡取り付け具と同様の効果を奏する。

　また、被挿入部材は、該眼鏡フレームのテンプルの内側面に設けられている。このため、被挿入部材は眼鏡フレームの外観に現れ難い。よって、眼鏡フレームから眼鏡取り付け具を取り外すことで、第３の手段に係る眼鏡フレームセットが備える眼鏡フレームを、あたかも被挿入部材が設けられていない通常の眼鏡フレームとして使用できる。

　尚、本発明における「前方」、「後方」及び「下方」とは、眼鏡フレーム又は眼鏡フレームセットを装着した装着者から見て「前方」、「後方」及び「下方」を意味する。本発明における「上面」とは、眼鏡フレーム又は眼鏡フレームセットを装着した装着者から見て「上側の面」を意味する。本発明における「側面」とは、眼鏡フレーム又は眼鏡フレームセットを装着した装着者から見て「左右方向外側の面」又は「左右方向内側の面」を意味する。本発明における「内側面」とは、眼鏡フレーム又は眼鏡フレームセットを装着した装着者から見て「左右方向内側の面」を意味する。

　本発明は、眼鏡フレームのずれ落ちを防止する共に、該眼鏡フレームを装着者から外すときに髪の毛が絡まることが抑制され、且つ、種々の眼鏡フレームに好適に用いることができる眼鏡取り付け具、及び、該眼鏡取り付け具と眼鏡フレームとを備える眼鏡フレームセットを提供できる。

図１は実施形態１に係る眼鏡取り付け具の構成を示す図であり、図１（ａ）は眼鏡取り付け具の側面図を示し、図１（ｂ）は図１（ａ）の矢印Ｙ方向から見た眼鏡取り付け具の正面図を示し、図１（ｃ）は眼鏡取り付け具を構成する取付部材の拡大側面図を示す。図２は実施形態１に係る眼鏡取り付け具が取り付けられた眼鏡フレームを示す図であり、図２（ａ）は該眼鏡フレームの側面図を示し、図２（ｂ）は図２（ａ）のＣ－Ｃ断面図を示す。図３は、実施形態１に係る眼鏡取り付け具が取り付けられた眼鏡フレームの装着手順を説明する図である。図４はテンプル後部の下方への曲率が異なっても耳当接部の姿勢が変わらないことを示す図であり、図４（ａ）はテンプル後部の下方への曲率が比較的大きな眼鏡フレームに眼鏡取り付け具が取り付けられた場合の耳当接部の姿勢を示し、図４（ｂ）はテンプル後部の下方への曲率が比較的小さな眼鏡フレームに眼鏡取り付け具が取り付けられた場合の耳当接部の姿勢を示す。図５は、実施形態１に係る眼鏡取り付け具の正面図である図６は実施形態２に係る眼鏡フレームセットの構成を示す図であり、図６（ａ）は実施形態２に係る眼鏡フレームセットの平面図を示し、図６（ｂ）は実施形態２に係る眼鏡フレームセットの側面図を示す。図７は、実施形態２に係る眼鏡フレームセットの眼鏡取り付け具の側面図である。図８は、従来の眼鏡取り付け具が取り付けられた眼鏡フレームの側面図である。図９は、従来の眼鏡取り付け具が取り付けられた眼鏡フレームの装着手順を説明する図である。図１０は、従来の眼鏡取り付け具においてはテンプル後部の下方への曲率によって耳当接部の姿勢が変わることを示す図である。図１０（ａ）はテンプル後部の下方への曲率が比較的大きな眼鏡フレームに眼鏡取り付け具が取り付けられた場合の耳当接部の姿勢を示し、図１０（ｂ）はテンプル後部の下方への曲率が比較的小さな眼鏡フレームに眼鏡取り付け具が取り付けられた場合の耳当接部の姿勢を示す。

＜実施形態１＞
　図１は本実施形態に係る眼鏡取り付け具１の構成を示す図であり、図１（ａ）は眼鏡取り付け具１の側面図を示し、図１（ｂ）は図１（ａ）の矢印Ｙ方向から見た眼鏡取り付け具１の正面図を示し、図１（ｃ）は眼鏡取り付け具１を構成する取付部材５の拡大側面図を示す。

　図１（ａ）に示すように、眼鏡取り付け具１は、湾曲部材２と、耳当て部材３と、絡み防止部材４と、取付部材５とを備える。

　湾曲部材２は、耳の裏側に沿うように下方に湾曲している部材である。耳当て部材３は、耳の裏側に当接可能な耳当接部３１と、軸部材３２を介して湾曲部材２に揺動可能に取り付けられる揺動部３３とを有する部材である。絡み防止部材４は、湾曲部材２の耳当て部材３が取り付けられる部位２１より前方にある所定部２２と耳当接部３１の前端部３１ａとを連結する可撓性を有する部材である。

　本実施形態においては、耳当て部材３と絡み防止部材４とはエラストマ等の弾性部材で一体的に構成されている。図１（ａ）に示すように、絡み防止部材４は、耳当て部材３に比べて細く、耳当て部材３に比べて撓み易い。

　絡み防止部材４が連結される湾曲部材２の所定部２２及び耳当て部材３が取り付けられる湾曲部材２の部位２１は、耳当接部３１の前端部３１ａを湾曲部材２側に押し付けた時に、絡み防止部材４が湾曲部材２に沿い、耳当接部３１が耳の裏側に当接する姿勢（図１（ａ）に示す姿勢）になるように設定された部位である。絡み防止部材４は、耳当接部３１の前端部３１ａを湾曲部材２側に押し付ける弾性力ｆ_Ａが作用する姿勢と、耳当接部３１の前端部３１ａを湾曲部材２から離間させる弾性力ｆ_Ｂが作用する姿勢（図１（ａ）の破線で示す姿勢）とに切り替られるように構成されている。具体的には、絡み防止部材４は、所定位置を力の切り替え点として、当該力の切り替え点より耳当接部３１の前端部３１ａが湾曲部材２に近い位置にあるときは、弾性力ｆ_Ａが作用し、当該力の切り替え点より耳当接部３１の前端部３１ａが湾曲部材２から遠い位置にあるときは、弾性力ｆ_Bが作用するように構成されている。力の切り替え点より耳当接部３１の前端部３１ａが湾曲部材２に近い位置にあるときは、耳当接部３１の前端部３１ａが湾曲部材２側に押し付けられた状態に保持される。一方、力の切り替え点より耳当接部３１の前端部３１ａが湾曲部材２から遠い位置にあるときは、絡み防止部材４が撓むことによって、弾性力の作用する方向が反転し、弾性力ｆ_Ｂが作用して、耳当接部３１の前端部３１ａが湾曲部材２から離間した状態に保持される。

　図１（ａ）及び（ｂ）に示すように、取付部材５は、湾曲部材２の内側面に設けられ、眼鏡フレームのテンプルが脱着可能に嵌合する部材である。取付部材５は、テンプルが脱着可能に嵌合するように下方に開口された凹溝５１を有する。凹溝５１を区画する取付部材５の内側面５２には、凹溝５１の内側に突出する突起５３が形成されている。図１（ｃ）に示すように、この突起５３は、前後方向に延びている。

　図２は眼鏡取り付け具１が取り付けられた眼鏡フレーム６を示す図であり、図２（ａ）は眼鏡フレーム６の側面図を示し、図２（ｂ）は図２（ａ）のＣ－Ｃ断面図を示す。図２に示すように、眼鏡フレーム６は、レンズ６３を保持する前枠６２と、前枠６２の両端（左右方向両端）から後方に延出する一対のテンプル６１とを備える。眼鏡取り付け具１は、取付部材５が有する凹溝５１に眼鏡フレーム６のテンプル６１を嵌合させて、眼鏡フレーム６に取り付ける。

　図３は、眼鏡取り付け具１が取り付けられた眼鏡フレーム６を装着したときの眼鏡フレーム６の概略側面図である。眼鏡取り付け具１が取り付けられた眼鏡フレーム６は、次のようにして装着する。まず、耳当接部３の前端部３１ａを湾曲部材２から離間した状態（図１（ａ）の破線で示す状態）にする。続いて、耳当接部３１を上方から耳の裏側に掛ける（耳当接部３１を図３の矢印Ｅが示す状態にする）。そして、テンプル６１を下ろして、耳当接部３１の前端部３１ａを耳で湾曲部材２側に押し付ける。耳当接部３１の前端部３１ａを耳で湾曲部材２側に押し付ける際に、耳当接部３１の前端部３１ａが上述の力の切り替え点まで移動すると、弾性力ｆ_Ａによって、耳当接部３１の前端部３１ａが湾曲部材２側に押し付けられる。このように耳当接部３１の前端部３１ａが湾曲部材２側に押し付けられた状態では、絡み防止部材４は湾曲部材２に沿い、耳当接部３１は耳の裏側に当接する姿勢（図３の矢印Ｄが示す姿勢）となる。湾曲部材２は、耳の裏側に沿うように湾曲している。従って、絡み防止部材４が湾曲部材２に沿うことで、眼鏡取り付け具１を眼鏡フレーム６に取り付けても、眼鏡フレーム６を違和感無く装着できる。また、耳当接部３１が耳の裏側に当接する姿勢となることで、耳当接部３１が耳にしっかり保持される。

　また、上述のように、眼鏡フレーム６を装着する際に耳当接部３１の前端部３１ａが力の切り替え点まで移動すると、弾性力ｆ_Ａにより、絡み防止部材４が湾曲部材２に沿い、耳当接部３１が耳の裏側に当接する姿勢になる。このため、眼鏡フレーム６を装着する際には、絡み防止部材４が湾曲部材２に沿うまで耳当接部３１の前端部３１ａを湾曲部材２側に耳で押し付けなくても、絡み防止部材４が湾曲部材２沿い、耳当接部３１が耳の裏側に当接する姿勢になる。このため、眼鏡フレーム６を装着する際においては、絡み防止部材４が湾曲部材２に容易に沿い、耳当接部３１を耳の裏側に当接する姿勢に容易になる。よって、眼鏡取り付け具１が取り付けられた眼鏡フレーム６は、容易に、違和感無く、且つ、しっかり装着できる。

　このように、装着された眼鏡フレーム６は、眼鏡取り付け具１によってずれ落ちが防止される。図３に示すように、眼鏡フレーム６の前枠６２がずれ落ちようとすると、前枠６２に延出されたテンプル６１がずれ上がろうとする。テンプル６１がずれ上がろうとすると、眼鏡取り付け具１の耳当て部材３の耳当接部３１が上方へ移動しようとする。耳当て部材３の耳当接部３１が上方へ移動しようとすると、耳当接部３１は軸部材３２を中心として前回り方向（図３において左回り方向）に回転しようとする（図３において矢印Ｅが示す状態になろうとする）。

　このとき、耳当接部３１の前端部３１ａが耳の裏側を押圧する力が大きくなる。その結果、耳当接部３１と耳の裏側との相対的な移動が阻止され（図３において矢印Ｄが示す状態に戻ろうとし）、テンプル６１のずれ上がりが阻止される。このようにして、眼鏡取り付け具１によって眼鏡フレーム６のずれ落ちが防止される。

　また、装着された眼鏡フレーム６を装着者から外すときには、テンプル６１を上方に持ち上げる（図３の矢印Ｅに示す状態にする）。眼鏡取り付け具１の湾曲部材２と耳当接部３１の前端部３１ａとは、絡み防止部材４で連結されている。このため、眼鏡フレーム６を外すために、該眼鏡フレーム６のテンプル６１を上方に持ち上げても、眼鏡取り付け具１の湾曲部材２と耳当接部３１の前端部３１ａとの間から耳当て部材３の湾曲部材２が取り付けられる部位（揺動部３３）に図３の矢印Ｗ方向から髪の毛が入り込み難く、揺動部３３に髪の毛が絡まることが抑制されている。

　また、上述のように、本実施形態に係る眼鏡取り付け具１が取り付けられた眼鏡フレーム６が装着された状態においては、絡み防止部材４が湾曲部材２に沿う。湾曲部材２に絡み防止部材４が沿うため、耳当接部３１の前端部３１ａの位置はテンプル６１後部の曲率に影響されない。また、耳当て部材３は、軸部材３２を介して湾曲部材２に揺動可能に取り付けられる。このため、耳当接部３１の揺動の中心は湾曲部材２の部位２１であり、耳当接部３１の揺動の中心の位置がテンプル２後部の曲率に影響されない。以上のことから、眼鏡フレーム６を装着したときにおける耳当接部３１の前端部３１ａと耳当て部材３の湾曲部材２に取り付けられる部位２１（耳当接部３１の揺動の中心）との位置関係（耳当接部３１の姿勢）は、眼鏡フレーム６のテンプル６１後部の曲率によって変わることがない。

　図４（ａ）は、後部の曲率が比較的大きいテンプル６１を備える眼鏡フレーム６に、図４（ｂ）は、後部の曲率が比較的小さいテンプル６１を備える眼鏡フレーム６に眼鏡取り付け具１を取り付けた場合の眼鏡取り付け具１及び眼鏡フレーム６を示す。図４（ａ）及び（ｂ）に示すように、耳当接部３１の前端部３１ａが湾曲部材２に押し付けられたときの各眼鏡取り付け具１の耳当接部３１の姿勢は、ストレートテンプルを有する眼鏡フレーム６に眼鏡取り付け具１を取り付けた場合（図３参照）と同じである。

　このように、テンプル６１後部の曲率によって耳当接部３１の姿勢が変わらない。このため、眼鏡取り付け具１は、テンプル６１後部の曲率によって耳当接部３１の前端部３１ａが耳に当接しないことで、眼鏡フレーム６がずれ落ちることが防止されている。従って、本実施形態に係る眼鏡取り付け具１は、種々の眼鏡フレームに好適に用いることができる。

　また、眼鏡フレーム６を装着したときには、上述のように、弾性力ｆ_Ａが働くことで、眼鏡フレーム６を装着したときは、耳当接部３１の姿勢が容易に耳の裏側に当接する姿勢になる。よって、眼鏡取り付け具１を用いることで、後部の曲率がどのようなテンプル６１を有する眼鏡フレーム６であっても、容易に且つしっかり装着できる。

　以上のように、眼鏡取り付け具１は、眼鏡フレーム６のずれ落ちを防止する共に、該眼鏡フレーム６を装着者から外す際に髪の毛が絡まることが抑制され、且つ、種々の眼鏡フレーム６に好適に用いることができる。

　また、図２（ｂ）に示すように、眼鏡取り付け具１は、下方に開口された凹溝５１にテンプル６１を嵌合させて、眼鏡フレーム６に取り付ける。テンプル６１が眼鏡フレーム６に取り付けられた状態では、凹溝５１の底部５４がテンプル６１に受け止められる。このため、眼鏡取り付け具１が、眼鏡フレーム６から下方に脱落することが確実に防止される。また、凹溝５１を区画する取付部材５の内側面５２には、前後方向に延びる突起５３が形成されている。突起５３により、凹溝５１の左右方向両側に位置する取付部材５の側面部全体を厚くすること無く、凹溝５１の左右方向の長さの最小距離（以下、「凹溝５１の幅」という）を短くできる。凹溝５１の幅が短ければ、幅の小さなテンプル６１であっても、凹溝５１に嵌合できる。また、取付部材５の側面部全体が厚くなければ、該側面部が曲げ易く、凹溝５１の幅を拡げ易い。このため、凹溝５１の幅に比べて幅が大きいテンプル６１であっても、凹溝５１の幅を拡げて、凹溝５１に容易に嵌合できる。

　図５は、眼鏡取り付け具１の正面図である。図５に示すように、取付部材５が設けられる湾曲部材２の部位は、図５（ａ）～（ｉ）に示すように、湾曲部材２の内側面、外側面及び上面の何れであってもよい。図１（ｂ）に示す取付部材５と同様に湾曲部材２の内側面に設けられる取付部材５においては、取付部材５が有する凹溝５１は、図５（ａ）に示すように、湾曲部材２から離間する側に開口されたものであっても、図５（ｂ）に示すように、上方に開口されたものであってもよい。また、湾曲部材２の外側面に設けられる取付部材５においては、取付部材５が有する凹溝５１は、図５（ｃ）に示すように、下方に開口されたものであっても、図５（ｄ）に示すように、湾曲部材２から離間する側に開口されたものであっても、図５（ｅ）に示すように、上方に開口されたものであってもよい。また、湾曲部材２の上面に設けられる取付部材５においては、取付部材５が有する凹溝５１は、図５（ｆ）に示すように、側方の一方側が開口されたものであっても、図５（ｇ）に示すように、側方の他方側が開口されたものであっても、図５（ｈ）に示すように、上方に開口されたものであってもよい。また、湾曲部材２の上面に設けられる取付部材５は、図５（ｊ）に示すように、下方に開口された凹溝５１を有する本体部５５１と、該本体部５５１を湾曲部材２の上面から離間させる支持部５５２とを備える構成であってもよい。

　また、眼鏡取り付け具１が取り付けられる眼鏡フレーム６が備えるテンプル６１の種類は特に限定されるものでなく、図２及び３に示すようなストレートテンプルであってもよい。眼鏡取り付け具１が取り付けられる眼鏡フレーム６がストレートテンプル６１を備える場合、眼鏡取り付け具１の耳当接部３１を耳の裏側に掛けて該耳当接部３１の前端部３１ａを湾曲部材２側に押し付けると共に、ストレートテンプル６１で顔部側面を押圧することによって、眼鏡フレーム６を装着できる。眼鏡フレーム６がストレートテンプル６１を備える場合、装着時において、耳当接部３１が耳に保持されると共に、ストレートテンプル６１で顔部側面が押圧される。このため、眼鏡フレーム６がより一層ずれ落ち難く、装着時の安定性がより一層高い。

＜実施形態２＞
　図６は本実施形態に係る眼鏡フレームセット９Ａの構成を示す図であり、図６（ａ）は本実施形態に係る眼鏡フレームセット９Ａの平面図を示し、図６（ｂ）は本実施形態に係る眼鏡フレームセット９Ａの側面図を示す。図６に示すように、本実施形態に係る眼鏡フレームセット９Ａは、眼鏡フレーム６Ａと、被挿入部材７Ａと、眼鏡取り付け具１Ａとを備える。

　眼鏡フレーム６Ａは、レンズ６３Ａを保持する前枠６２Ａ、及び、前枠６２Ａの両端（左右両端）から後方に延出する一対のテンプル６１Ａを備える。被挿入部材７Ａは、それぞれのテンプル６１Ａの内側面に設けられている。内側面とは、左側のテンプル６１Ａにおいては、右側面であり、右側のテンプル６１Ａにおいては、左側面である。図６（ａ）の領域Ｑは、図６（ａ）の領域Ｐに示される眼鏡フレームセット９Ａの一部を拡大したものを示す。領域Ｑに示すように、被挿入部材７Ａは、挿入孔７１Ａを有する。挿入孔７１Ａは、前後方向に延びており、後方が開口されている。

　図７は、眼鏡取り付け具１Ａの側面図である。図７に示すように、眼鏡取り付け具１Ａは、挿入孔７１Ａに挿脱可能に挿入される挿入部材８Ａを備える。眼鏡取り付け具１Ａは、挿入部材８Ａを挿入孔７１Ａに挿入して、眼鏡フレーム６Ａに取り付ける。本実施形態では、挿入部材８Ａは後述の湾曲部材２Ａの前端部から前方に延びる細長部材で形成されている。本実施形態では、挿入部材８Ａを挿入孔７１Ａに対して前後方向に移動させることで、眼鏡取り付け具１Ａを眼鏡フレーム６Ａに脱着できる。眼鏡取り付け具１Ａは、上述の挿入部材８Ａを備えること及び取付部材５を備えていないことを除いて実施形態１に係る眼鏡取り付け具１と同様の構成である。即ち、眼鏡取り付け具１Ａは、湾曲部材２Ａと、耳当て部材３Ａと、絡み防止部材４Ａとを有し、眼鏡フレーム６Ａへの取り付け構造を除いて、実施形態１に係る眼鏡取り付け具１と同様の構成である。

　本実施形態に係る眼鏡取り付け具１Ａは、眼鏡フレーム６Ａへの取り付け構造を除いて、実施形態１に係る眼鏡取り付け具１と同様の構成であるので、眼鏡フレーム６Ａのずれ落ちを防止する共に、該眼鏡フレーム６Ａを装着者から外す際に髪の毛が絡まることが抑制され、且つ、種々の眼鏡フレーム６Ａに好適に用いることができる。

　また、被挿入部材７Ａは、眼鏡フレーム６Ａのテンプル６１Ａの内側面に設けられる。このため、図６（ｂ）に示すように、被挿入部材７Ａは眼鏡フレーム６Ａの外観に現れ難い。よって、眼鏡取り付け具１Ａを取り外した状態では、眼鏡フレーム６Ａは、被挿入部材７Ａを備えない通常の眼鏡フレームとして使用できる。

Claims

　レンズを保持する前枠と、前記前枠の両端から後方に延出する一対のテンプルとを備える眼鏡フレームに脱着可能な眼鏡取り付け具であって、
　耳の裏側に沿うように湾曲する湾曲部材と、
　軸部材を介して前記湾曲部材に揺動可能に取り付けられ、耳の裏側に当接可能な耳当接部を有する耳当て部材と、
　前記湾曲部材の前記耳当て部材が取り付けられる部位より前方にある所定部と前記耳当接部の前端部とを連結する可撓性の絡み防止部材と、
　前記湾曲部材の上面又は側面に設けられ、前記テンプルが脱着可能に嵌合する取付部材とを備えることを特徴とする眼鏡取り付け具。
　前記取付部材は、前記湾曲部材の側面に設けられ、前記テンプルが脱着可能に嵌合するように下方に開口された凹溝を有することを特徴とする請求項１に記載の眼鏡取り付け具。
　レンズを保持する前枠、及び、前記前枠の両端から後方に延出する一対のストレートテンプルを有する眼鏡フレームと、
　前記ストレートテンプルが脱着可能に嵌合する請求項１又は２に記載の眼鏡取り付け具とを備えることを特徴とする眼鏡フレームセット。
　レンズを保持する前枠、及び、前記前枠の両端から後方に延出する一対のテンプルを有する眼鏡フレームと、
　前記テンプルの内側面に設けられ、挿入孔を有する被挿入部材と、
　前記挿入孔に挿脱可能に挿入される挿入部材を有する眼鏡取り付け具とを備え、
　前記眼鏡取り付け具は、
　前記挿入部材に取り付けられ、耳の裏側に沿うように湾曲する湾曲部材と、
　軸部材を介して前記湾曲部材に揺動可能に取り付けられ、耳の裏側に当接可能な耳当接部を有する耳当て部材と、
　前記湾曲部材の前記耳当て部材が取り付けられる部位より前方にある所定部と前記耳当接部の前端部とを連結する可撓性の絡み防止部材とを有することを特徴とする眼鏡フレームセット。