JP3750239B2 - 画像表示装置 - Google Patents
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- G09G3/3648—Control of matrices with row and column drivers using an active matrix
- G09G3/3662—Control of matrices with row and column drivers using an active matrix using plasma-addressed liquid crystal displays
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマを利用して電気光学材料層を駆動し画像表示を行う画像表示装置(いわゆるプラズマアドレス表示装置)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば液晶方式のディスプレイを高解像度化及び高コントラスト化するための手法としては、各表示画素毎にトランジスタ等の能動素子を設け、これを駆動する方法、いわゆるアクティブマトリクスアドレス方式がある。
【0003】
しかしながら、この場合、薄膜トランジスタの如き半導体素子を多数設ける必要があることから、特にディスプレイを大面積化したときに歩留まりの問題が懸念され、どうしてもコスト高になるという問題が生じる。
【0004】
そこで、この問題を解決する手段として、能動素子としてMOSトランジスタや薄膜トランジスタ等の半導体素子ではなく放電プラズマを利用する方法が提案されている。
【0005】
この放電プラズマを利用して液晶を駆動する画像表示装置(以下、プラズマアドレス表示装置と称する。)は、電気光学材料層である液晶層と、プラズマの放電がなされるプラズマセルとが、ガラス等からなる誘電体薄板を介して隣接配置されてなるものである。
【0006】
上記プラズマアドレス表示装置においては、プラズマセルが隔壁によりライン状のプラズマ室に分割されており、プラズマ放電が行われるプラズマ室を順次切り替え走査するとともに、液晶層を挟んで対向する透明電極にこれと同期して信号電圧を印加することにより、液晶層が駆動される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のプラズマアドレス表示装置においては、通常のプラズマディスプレイと異なり、誘電体薄板をフリットシールしてプラズマセル(放電セル)を作製するという制約から、フリットシールと隔壁(リブ)の端部との間に若干距離を置く必要があり、この領域での不用意な放電を防止するために、その間の放電電極をカバーガラスで被覆するという構造を採る。
【0008】
この場合、カバーガラスの下の放電電極の電気抵抗は、カバーガラスで覆われていない部分、すなわち有効画面内の放電電極の電気抵抗よりも、高くなる傾向がある。
【0009】
そのため、カバーガラスの下では、発熱に起因する断線などの不具合が起こりやすい。特に、放電を安定させるためのエージング工程では、通常の駆動時と異なり、突発的な大電流が流れることがあり、こうしたときに上記の不具合が起こり易い。
【0010】
そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案されたものであって、カバーガラス下の放電電極の耐電流能力を有効画面内の放電電極と同等以上に確保し、断線のない信頼性の高い画像表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述のカバーガラスの下で放電電極の抵抗値が大きくなる理由は、熱膨張率の相違やカバーガラスの焼結による応力等が原因で、放電電極の最表層が破壊され、導通に寄与できなくなるためとわかった。
【0012】
これは、カバーガラス下の放電電極における抵抗値の膜厚依存性等を調べることによって明らかにしたものである。また、この検討の過程で、導通に寄与できなくなる部分の厚みは約10μmと算出された。
【0013】
したがって、有効画面内と同等以上の耐電流能力(抵抗値の増大による発熱が原因で断線を起こさないという意味での耐久性)を確保するためには、上述のように破壊された最表層分を、放電電極幅を増やして補うことが必要である。
【0014】
本発明は、このような観点から案出されたものであり、一主面上に互いに略平行な複数の放電電極が形成された第1の基板上に、所定の間隙をもって誘電体薄板が配置され、周囲をシール部で封止することでプラズマセルが形成されるとともに、上記誘電体薄板上に対向面に上記放電電極と略直交する電極が形成された第2の基板が電気光学材料層を介して重ね合わされてなる画像表示装置において、上記放電電極上にプラズマセルを仕切る隔壁が上記シール部から離間して形成され、少なくともこの隔壁とシール部の間の領域において、上記放電電極を覆ってカバーガラス層が形成されるとともに、上記放電電極の厚さをt、有効画面内における幅をW1、カバーガラス層下における幅をW2としたときに、下記数2を満足することを特徴とするものである。
【0015】
【数2】
【0016】
上記のように、放電電極の厚さに応じて幅を拡大すれば、たとえ表面部分が破壊されて電気抵抗が高くなったとしても、他の部分(有効画面内)の放電電極と同等以上に実効的な断面積が確保される。
【0017】
ただし、放電電極は、基板ガラスあるいは下地ガラス(放電電極の基板ガラスへの密着性強化のためのガラス層で、その熱膨張率は基板ガラスに合わせる。)との熱膨張率の相違が原因で、電極膜厚が小さすぎると、比抵抗が高く不安定になる虞れがある。逆に、放電電極の厚さが大きすぎると、基板ガラスにクラックが入る。
【0018】
そこで、上記放電電極の厚さtは、20〜50μmとすることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
本例のプラズマアドレス表示装置は、図1及び図2に示すように、電気光学表示セル1と、プラズマセル2と、それら両者の間に介在する誘電シート3とを積層した、いわゆるフラットパネル構造を有する。
【0021】
誘電シート3には、薄板ガラス等が使用され、それ自身、キャパシタとして機能する。したがって、電気光学表示セル1とプラズマセル2との電気的結合を十分に確保し、且つ電荷の二次元的な広がりを抑制するために、この誘電シート3は、なるべく薄い方がよい。具体的には、例えば50μm程度の厚さの薄板ガラスが使用される。
【0022】
上記電気光学表示セル1は、上記誘電シート3の上にスペーサ6によって所定の間隙を保持した状態でガラス基板(上側基板)4を接合することにより形成される。
【0023】
そして、この誘電シート3と上側基板4の間の間隙には、電気光学材料としての液晶材料が充填され、液晶層7が形成される。なお、電気光学材料としては、液晶以外のものを使用することもできる。
【0024】
ここで、上側基板4と誘電シート3の間の間隙の寸法は、例えば4〜10μmとされ、表示面全面に亘ってほぼ均一に保たれている。
【0025】
また、上記上側基板4の誘電シート3との対向面には、透明導電材料からなり、例えば行方向に延びる複数本のデータ電極5が所定の間隔を保持して列方向に並列に配列されている。
【0026】
一方、プラズマセル2は、上記誘電シート3と、この下方に配されるガラス基板(下側基板)8とで構成されている。
【0027】
下側基板8の誘電シート3との対向面には、上記データ電極5と直交する方向、すなわち列方向に延びる複数のアノード電極9A及びカソード電極9Kが、交互に所定の間隔を保持して並列に配列されており、放電電極群を構成している。
【0028】
また、各アノード電極9A、カソード電極9Kの上面中央部には、電極に沿って延在するように、所定幅の隔壁10が形成されている。そして、各隔壁10の頂部は、誘電シート3の下面に当接され、下側基板8と誘電シート3間の間隙がほぼ一定に保たれている。
【0029】
さらに、上記誘電シート3は、外周縁部において、低融点ガラス等を使用したフリットシール11により、上記下側基板8に対して気密的に接合されており、プラズマセル2が密閉空間として構成されている。この密閉空間には、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、あるいはこれらの混合気体等、イオン化可能なガスが封入されている。
【0030】
上述のプラズマアドレス表示装置においては、下側基板8と誘電シート3の間隙に、各隔壁10で分離された複数の放電チャンネル(空間)12が行方向に並列に形成される。この放電チャンネル12は、データ電極5と直交するものである。
【0031】
したがって、各データ電極5は列駆動単位となるとともに、各放電チャンネル12は行駆動単位となり、図3に示すように、両者の交差部がそれぞれ画素13に対応している。
【0032】
以上の構成のプラズマアドレス表示装置において、所定の放電チャンネル12に対応するアノード電極9Aとカソード電極9Kの間に駆動電圧が印加されると、この放電チャンネル12内において封入されたガスがイオン化されてプラズマ放電が起こり、アノード電位に維持される。
【0033】
この状態でデータ電極5にデータ電圧が印加されると、上記プラズマ放電が発生した放電チャンネル12に対応して、列方向に並ぶ複数の画素13に対応した液晶層7にデータ電圧が書き込まれる。
【0034】
プラズマ放電が終了すると、放電チャンネル12は浮遊電位となり、各画素13に対応した液晶層7に書き込まれたデータ電圧は、次の書き込み期間(例えば1フィールド後あるいは1フレーム後)まで保持される。この場合、放電チャンネル12はサンプリングスイッチとして機能し、各画素13の液晶層7はサンプリングキャパシタとして機能する。
【0035】
上記液晶層7に書き込まれたデータ電圧によって液晶が動作し、画素単位で表示が行われる。したがって、プラズマ放電を発生させる放電チャンネル12を順次走査するとともに、各データ電極5にこれに同期してデータ電圧を印加することで、アクティブマトリクスアドレッシング方式と同様に液晶層7が駆動され、二次元画像の表示を行うことができる。
【0036】
以上がプラズマアドレス表示装置の基本的な構成であるが、このプラズマアドレス表示装置においては、先にも述べたように、図4に示すように、周囲をフリットシール11によりシールして誘電シート(薄板ガラス)3を貼り合わせる必要がある。
【0037】
このとき、放電電極9上に形成される隔壁10は、フリットシール11から若干離して形成する必要があり、この領域においては、これら電極を覆ってカバーガラス14が形成されている。カバーガラス14の形成領域は、図4の斜線領域である。
【0038】
また、上記放電電極(アノード電極9A、カソード電極9K)を外部駆動回路と接続するために、端子電極15が外部引き出し用の電極として形成され、その一端が放電電極(アノード電極9A、カソード電極9K)と接続されるとともに、他端がフリットシール11の下を通ってプラズマセル2の外部へ引き出されている。
【0039】
上記端子電極15は、フリットシール11との密着性等を考慮して、金(Au)や銀(Ag)のペーストを塗布し焼成することにより形成されている。なお、このとき用いるペーストとしては、マイグレーションの虞れのない金ペーストが好ましい。
【0040】
一方、上記放電電極(アノード電極9Aまたはカソード電極9K)は、NiまたはAlを含むペーストを塗布し、焼成することにより、ストライプ状に形成される。この放電電極9は、いわゆる粗な膜である。
【0041】
これらアノード電極9A、カソード電極9Kは、下側基板8の上に直接形成してもよいが、下側基板8に対する密着性を高めるために、下地ガラス層を介して形成してもよい。
【0042】
上記アノード電極9Aやカソード電極9Kは、通常は、一定の幅で形成されている。しかしながら、先にも述べたように、カバーガラス14で覆われた部分では、これらアノード電極9Aやカソード電極9Kの最表層が破壊され、発熱による断線が生ずる虞れがある。
【0043】
そこで、本例では、これらアノード電極9Aやカソード電極9Kのカバーガラス14で覆われた部分の幅を、他の部分の幅よりも大きくし、このような不具合を解消している。
【0044】
すなわち、上記放電電極(アノード電極9A、カソード電極9K)の厚さをt、有効画面内における幅をW1、カバーガラス14下における幅をW2としたときに、下記数3を満足するようにカバーガラス14下のアノード電極9Aやカソード電極9Kの幅を設定している。
【0045】
【数3】
【0046】
このような設定とすれば、カバーガラス14下のアノード電極9Aやカソード電極9Kは、有効画面内のアノード電極9Aやカソード電極9Kと同等、あるいはそれ以下の抵抗値を有するようになる。この結果、この部分での発熱による断線等の不具合が解消される。
【0047】
具体的には、アノード電極9Aやカソード電極9Kの厚さtを30μm、有効画面内における幅W1を100μm、カバーガラス14下における幅W2を200μmに設定したところ、放電電極の発熱による断線は全く発生せず、信頼性の高いプラズマアドレス表示装置が得られた。
【0048】
以上、本発明を適用した具体的な実施形態について説明してきたが、本発明がこの例に限定されるものでなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、カバーガラス下の放電電極の耐電流能力を有効画面内の放電電極と同等以上に確保することができ、断線のない信頼性の高い画像表示装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマアドレス表示装置の構成例を一部切り欠いて示す概略斜視図である。
【図2】プラズマアドレス表示装置の構成例を示す概略断面図である。
【図3】データ電極、放電電極、放電チャンネルの配列を示す模式図である。
【図4】放電電極の平面配置を模式的に示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 電気光学表示セル、2 プラズマセル、3 誘電シート、4 上側基板、5データ電極、7 液晶層、8 下側電極、9A アノード電極、9K カソード電極、10 隔壁、11 フリットシール、14 カバーガラス
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマを利用して電気光学材料層を駆動し画像表示を行う画像表示装置(いわゆるプラズマアドレス表示装置)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば液晶方式のディスプレイを高解像度化及び高コントラスト化するための手法としては、各表示画素毎にトランジスタ等の能動素子を設け、これを駆動する方法、いわゆるアクティブマトリクスアドレス方式がある。
【0003】
しかしながら、この場合、薄膜トランジスタの如き半導体素子を多数設ける必要があることから、特にディスプレイを大面積化したときに歩留まりの問題が懸念され、どうしてもコスト高になるという問題が生じる。
【0004】
そこで、この問題を解決する手段として、能動素子としてMOSトランジスタや薄膜トランジスタ等の半導体素子ではなく放電プラズマを利用する方法が提案されている。
【0005】
この放電プラズマを利用して液晶を駆動する画像表示装置(以下、プラズマアドレス表示装置と称する。)は、電気光学材料層である液晶層と、プラズマの放電がなされるプラズマセルとが、ガラス等からなる誘電体薄板を介して隣接配置されてなるものである。
【0006】
上記プラズマアドレス表示装置においては、プラズマセルが隔壁によりライン状のプラズマ室に分割されており、プラズマ放電が行われるプラズマ室を順次切り替え走査するとともに、液晶層を挟んで対向する透明電極にこれと同期して信号電圧を印加することにより、液晶層が駆動される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のプラズマアドレス表示装置においては、通常のプラズマディスプレイと異なり、誘電体薄板をフリットシールしてプラズマセル(放電セル)を作製するという制約から、フリットシールと隔壁(リブ)の端部との間に若干距離を置く必要があり、この領域での不用意な放電を防止するために、その間の放電電極をカバーガラスで被覆するという構造を採る。
【0008】
この場合、カバーガラスの下の放電電極の電気抵抗は、カバーガラスで覆われていない部分、すなわち有効画面内の放電電極の電気抵抗よりも、高くなる傾向がある。
【0009】
そのため、カバーガラスの下では、発熱に起因する断線などの不具合が起こりやすい。特に、放電を安定させるためのエージング工程では、通常の駆動時と異なり、突発的な大電流が流れることがあり、こうしたときに上記の不具合が起こり易い。
【0010】
そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案されたものであって、カバーガラス下の放電電極の耐電流能力を有効画面内の放電電極と同等以上に確保し、断線のない信頼性の高い画像表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述のカバーガラスの下で放電電極の抵抗値が大きくなる理由は、熱膨張率の相違やカバーガラスの焼結による応力等が原因で、放電電極の最表層が破壊され、導通に寄与できなくなるためとわかった。
【0012】
これは、カバーガラス下の放電電極における抵抗値の膜厚依存性等を調べることによって明らかにしたものである。また、この検討の過程で、導通に寄与できなくなる部分の厚みは約10μmと算出された。
【0013】
したがって、有効画面内と同等以上の耐電流能力(抵抗値の増大による発熱が原因で断線を起こさないという意味での耐久性)を確保するためには、上述のように破壊された最表層分を、放電電極幅を増やして補うことが必要である。
【0014】
本発明は、このような観点から案出されたものであり、一主面上に互いに略平行な複数の放電電極が形成された第1の基板上に、所定の間隙をもって誘電体薄板が配置され、周囲をシール部で封止することでプラズマセルが形成されるとともに、上記誘電体薄板上に対向面に上記放電電極と略直交する電極が形成された第2の基板が電気光学材料層を介して重ね合わされてなる画像表示装置において、上記放電電極上にプラズマセルを仕切る隔壁が上記シール部から離間して形成され、少なくともこの隔壁とシール部の間の領域において、上記放電電極を覆ってカバーガラス層が形成されるとともに、上記放電電極の厚さをt、有効画面内における幅をW1、カバーガラス層下における幅をW2としたときに、下記数2を満足することを特徴とするものである。
【0015】
【数2】
【0016】
上記のように、放電電極の厚さに応じて幅を拡大すれば、たとえ表面部分が破壊されて電気抵抗が高くなったとしても、他の部分(有効画面内)の放電電極と同等以上に実効的な断面積が確保される。
【0017】
ただし、放電電極は、基板ガラスあるいは下地ガラス(放電電極の基板ガラスへの密着性強化のためのガラス層で、その熱膨張率は基板ガラスに合わせる。)との熱膨張率の相違が原因で、電極膜厚が小さすぎると、比抵抗が高く不安定になる虞れがある。逆に、放電電極の厚さが大きすぎると、基板ガラスにクラックが入る。
【0018】
そこで、上記放電電極の厚さtは、20〜50μmとすることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
本例のプラズマアドレス表示装置は、図1及び図2に示すように、電気光学表示セル1と、プラズマセル2と、それら両者の間に介在する誘電シート3とを積層した、いわゆるフラットパネル構造を有する。
【0021】
誘電シート3には、薄板ガラス等が使用され、それ自身、キャパシタとして機能する。したがって、電気光学表示セル1とプラズマセル2との電気的結合を十分に確保し、且つ電荷の二次元的な広がりを抑制するために、この誘電シート3は、なるべく薄い方がよい。具体的には、例えば50μm程度の厚さの薄板ガラスが使用される。
【0022】
上記電気光学表示セル1は、上記誘電シート3の上にスペーサ6によって所定の間隙を保持した状態でガラス基板(上側基板)4を接合することにより形成される。
【0023】
そして、この誘電シート3と上側基板4の間の間隙には、電気光学材料としての液晶材料が充填され、液晶層7が形成される。なお、電気光学材料としては、液晶以外のものを使用することもできる。
【0024】
ここで、上側基板4と誘電シート3の間の間隙の寸法は、例えば4〜10μmとされ、表示面全面に亘ってほぼ均一に保たれている。
【0025】
また、上記上側基板4の誘電シート3との対向面には、透明導電材料からなり、例えば行方向に延びる複数本のデータ電極5が所定の間隔を保持して列方向に並列に配列されている。
【0026】
一方、プラズマセル2は、上記誘電シート3と、この下方に配されるガラス基板(下側基板)8とで構成されている。
【0027】
下側基板8の誘電シート3との対向面には、上記データ電極5と直交する方向、すなわち列方向に延びる複数のアノード電極9A及びカソード電極9Kが、交互に所定の間隔を保持して並列に配列されており、放電電極群を構成している。
【0028】
また、各アノード電極9A、カソード電極9Kの上面中央部には、電極に沿って延在するように、所定幅の隔壁10が形成されている。そして、各隔壁10の頂部は、誘電シート3の下面に当接され、下側基板8と誘電シート3間の間隙がほぼ一定に保たれている。
【0029】
さらに、上記誘電シート3は、外周縁部において、低融点ガラス等を使用したフリットシール11により、上記下側基板8に対して気密的に接合されており、プラズマセル2が密閉空間として構成されている。この密閉空間には、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、あるいはこれらの混合気体等、イオン化可能なガスが封入されている。
【0030】
上述のプラズマアドレス表示装置においては、下側基板8と誘電シート3の間隙に、各隔壁10で分離された複数の放電チャンネル(空間)12が行方向に並列に形成される。この放電チャンネル12は、データ電極5と直交するものである。
【0031】
したがって、各データ電極5は列駆動単位となるとともに、各放電チャンネル12は行駆動単位となり、図3に示すように、両者の交差部がそれぞれ画素13に対応している。
【0032】
以上の構成のプラズマアドレス表示装置において、所定の放電チャンネル12に対応するアノード電極9Aとカソード電極9Kの間に駆動電圧が印加されると、この放電チャンネル12内において封入されたガスがイオン化されてプラズマ放電が起こり、アノード電位に維持される。
【0033】
この状態でデータ電極5にデータ電圧が印加されると、上記プラズマ放電が発生した放電チャンネル12に対応して、列方向に並ぶ複数の画素13に対応した液晶層7にデータ電圧が書き込まれる。
【0034】
プラズマ放電が終了すると、放電チャンネル12は浮遊電位となり、各画素13に対応した液晶層7に書き込まれたデータ電圧は、次の書き込み期間(例えば1フィールド後あるいは1フレーム後)まで保持される。この場合、放電チャンネル12はサンプリングスイッチとして機能し、各画素13の液晶層7はサンプリングキャパシタとして機能する。
【0035】
上記液晶層7に書き込まれたデータ電圧によって液晶が動作し、画素単位で表示が行われる。したがって、プラズマ放電を発生させる放電チャンネル12を順次走査するとともに、各データ電極5にこれに同期してデータ電圧を印加することで、アクティブマトリクスアドレッシング方式と同様に液晶層7が駆動され、二次元画像の表示を行うことができる。
【0036】
以上がプラズマアドレス表示装置の基本的な構成であるが、このプラズマアドレス表示装置においては、先にも述べたように、図4に示すように、周囲をフリットシール11によりシールして誘電シート(薄板ガラス)3を貼り合わせる必要がある。
【0037】
このとき、放電電極9上に形成される隔壁10は、フリットシール11から若干離して形成する必要があり、この領域においては、これら電極を覆ってカバーガラス14が形成されている。カバーガラス14の形成領域は、図4の斜線領域である。
【0038】
また、上記放電電極(アノード電極9A、カソード電極9K)を外部駆動回路と接続するために、端子電極15が外部引き出し用の電極として形成され、その一端が放電電極(アノード電極9A、カソード電極9K)と接続されるとともに、他端がフリットシール11の下を通ってプラズマセル2の外部へ引き出されている。
【0039】
上記端子電極15は、フリットシール11との密着性等を考慮して、金(Au)や銀(Ag)のペーストを塗布し焼成することにより形成されている。なお、このとき用いるペーストとしては、マイグレーションの虞れのない金ペーストが好ましい。
【0040】
一方、上記放電電極(アノード電極9Aまたはカソード電極9K)は、NiまたはAlを含むペーストを塗布し、焼成することにより、ストライプ状に形成される。この放電電極9は、いわゆる粗な膜である。
【0041】
これらアノード電極9A、カソード電極9Kは、下側基板8の上に直接形成してもよいが、下側基板8に対する密着性を高めるために、下地ガラス層を介して形成してもよい。
【0042】
上記アノード電極9Aやカソード電極9Kは、通常は、一定の幅で形成されている。しかしながら、先にも述べたように、カバーガラス14で覆われた部分では、これらアノード電極9Aやカソード電極9Kの最表層が破壊され、発熱による断線が生ずる虞れがある。
【0043】
そこで、本例では、これらアノード電極9Aやカソード電極9Kのカバーガラス14で覆われた部分の幅を、他の部分の幅よりも大きくし、このような不具合を解消している。
【0044】
すなわち、上記放電電極(アノード電極9A、カソード電極9K)の厚さをt、有効画面内における幅をW1、カバーガラス14下における幅をW2としたときに、下記数3を満足するようにカバーガラス14下のアノード電極9Aやカソード電極9Kの幅を設定している。
【0045】
【数3】
【0046】
このような設定とすれば、カバーガラス14下のアノード電極9Aやカソード電極9Kは、有効画面内のアノード電極9Aやカソード電極9Kと同等、あるいはそれ以下の抵抗値を有するようになる。この結果、この部分での発熱による断線等の不具合が解消される。
【0047】
具体的には、アノード電極9Aやカソード電極9Kの厚さtを30μm、有効画面内における幅W1を100μm、カバーガラス14下における幅W2を200μmに設定したところ、放電電極の発熱による断線は全く発生せず、信頼性の高いプラズマアドレス表示装置が得られた。
【0048】
以上、本発明を適用した具体的な実施形態について説明してきたが、本発明がこの例に限定されるものでなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、カバーガラス下の放電電極の耐電流能力を有効画面内の放電電極と同等以上に確保することができ、断線のない信頼性の高い画像表示装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマアドレス表示装置の構成例を一部切り欠いて示す概略斜視図である。
【図2】プラズマアドレス表示装置の構成例を示す概略断面図である。
【図3】データ電極、放電電極、放電チャンネルの配列を示す模式図である。
【図4】放電電極の平面配置を模式的に示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 電気光学表示セル、2 プラズマセル、3 誘電シート、4 上側基板、5データ電極、7 液晶層、8 下側電極、9A アノード電極、9K カソード電極、10 隔壁、11 フリットシール、14 カバーガラス
Claims (2)
- 一主面上に互いに略平行な複数の放電電極が形成された第1の基板上に、所定の間隙をもって誘電体薄板が配置され、周囲をシール部で封止することでプラズマセルが形成されるとともに、
上記誘電体薄板上に対向面に上記放電電極と略直交する電極が形成された第2の基板が電気光学材料層を介して重ね合わされてなる画像表示装置において、
上記放電電極上にプラズマセルを仕切る隔壁が上記シール部から離間して形成され、少なくともこの隔壁とシール部の間の領域において、上記放電電極を覆ってカバーガラス層が形成されるとともに、
上記放電電極の厚さをt、有効画面内における幅をW1、カバーガラス層下における幅をW2としたときに、下記数1を満足することを特徴とする画像表示装置。
- 放電電極の厚さtが、20μm≦t≦50μmであることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
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