JP3749341B2 - 銅線の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオ機器やビジュアル機器などの音響関連機器の接続に用いられるケーブル線、リード線、コード部品、端子、コネクター等の銅線を製造する方法に関する。詳細には、音質の劣化を極力抑えた高音質の銅線を製造する方法に関するもので、銅荒引線を製造した後の冷間加工と熱処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オーディオ機器やビジュアル機器などの音響関連機器の接続に用いられるケーブル線、リード線、コード部品、端子、コネクター等の銅線が音質に影響を与える要因として、結晶粒径と銅純度が挙げられる。結晶粒径が大きいほど、あるいは銅純度が高いほど、音質を劣化させる不純物や結晶粒界が少なくなるので高音質が保たれる。
【0003】
これら銅線の製造においては、高純度の銅の荒引線を鋳造した後、所定サイズまで冷間加工がなされ、結晶粒を粗大化させるために、冷間加工を数回施し、所定のサイズまで加工した後に熱処理が施される。ここで高温・長時間の熱処理を行えば結晶粒をある程度粗大化させることは可能であるが、工業製品の製造において無限に長時間の熱処理を行うことは非現実的である。結晶粒成長は時間の対数にほぼ比例して進行するもので、工業的に可能な範囲の熱処理では結晶粒径にバラツキを生じ、均一でかつ粗大な結晶粒を得ることは難しい。結晶粒径にバラツキがあると、局部的に細かい結晶粒のドメインで結晶粒界の密度が高くなり、平均結晶粒径が大きくても高音質を得ることができない。
【0004】
また、鋳造された荒引線表面においては、酸化皮膜の生成やゴミ・ほこりなどの汚れの付着を皆無にすることは非常に困難であり、それらが付着したまま冷間加工を行うと内部に酸化皮膜や汚れが巻き込まれ銅純度を下げる要因となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、均一でかつ粗大な結晶粒を持ち、音質劣化の極めて小さい銅線を効率よく製造することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の銅線の製造方法は、純度が99.99%以上の高純度銅からなる荒引線に対して、加工率70〜95%で一次冷間加工した後に熱処理する一次工程、加工率40〜65%で二次冷間加工した後に熱処理する二次工程、加工率60〜85%で三次冷間加工した後に熱処理する三次工程を行うことを特徴とするものである。
【0007】
好ましくは一次、二次及び三次工程における熱処理が600〜900℃にて10分間〜50時間で行われ、また上記荒引線を冷間加工する際、表面の酸化皮膜や汚れを除去する目的で、荒引線表面の皮剥ぎを行った後、上記の冷間加工−熱処理の工程を三回繰り返す。
【0008】
〔高純度銅線〕
本発明で用いる荒引線は、純度が99.99%以上の高純度銅からなる銅荒引線である。銅中の不純物は伝送信号を劣化させ、熱処理時の粒成長を阻害するため、音質の低下をもたらす。よって純度の高い銅を用いる必要がある。具体的には、6N−Cu(純度99.9999%)や4N−Cu(純度99.99%)が好適に用いられる。荒引線の鋳造方法は特に限定されず、銅純度のみ上記基準を満たしていれば良く、上記4Nクラスよりも6Nクラスの銅を用いた方がより粗大な結晶粒を得ることができる。
【0009】
〔皮剥ぎ〕
皮剥ぎ量、即ち除去される荒引線の表面皮膜の厚さは、表面酸化皮膜が除去できる厚さであれば特に限定はしないが、通常は0.1mm程度、好ましくは0.2mm程度である。また、皮剥ぎを行う前に、真円度を増すためのダイス線引きを行うと良い。皮剥ぎ方法にもとらわれないが、ダイスによる加工が一般的である。
【0010】
〔冷間加工度〕
本発明においては、冷間加工が三回行われ、各冷間加工度は、一次冷間加工では加工率70〜95%、好ましくは85〜93%、二次冷間加工では加工率40〜65%、好ましくは45〜55%、三次冷間加工では60〜85%、好ましくは65〜75%である。
【0011】
粗大な結晶粒を得ることは、高温で非常に長い時間の熱処理を行えば、いかなる冷間加工度で熱処理を行っても可能である。しかしながら、工業製品の製造を考えると、熱処理にかけることができる時間には限度がある。
【0012】
冷間加工を行うと結晶粒は潰されて繊維状になる。この状態で熱処理を行うと、再結晶を起こし、結晶粒は成長していく。しかし、すべての結晶粒が等しく粗大化していくわけではなく、結晶粒径には大きなバラツキが生じる。この状態から均一な粗大粒を得るためには更に長時間の熱処理が必要になる。また、熱処理間の冷間加工度が大きすぎると、熱処理後の粒成長が不均一になり、反対に小さすぎると加工による粒径の均一化を図ることができない。
【0013】
本発明においては、一定の冷間加工度と熱処理とを組み合わせることにより、工業的に妥当な時間の熱処理で均一・粗大な結晶粒を得ることができる。即ち、適度の冷間加工を施した時点で熱処理を行うことにより、その都度結晶粒径の均一化を行い、最終的に均一で粗大な粒を得ることができる。
【0014】
冷間加工方法は特に限定されず、ダイスによる伸線加工が一般的であるが、他にロールよる圧延加工も可能である。
【0015】
〔熱処理温度・時間〕
熱処理温度が高いほど粒成長速度は速くなるので、一定温度以上で行う必要があるが、銅の融点(1083℃)に近づくと材料の一部で溶融が始まる危険性があるため、熱処理温度は好ましくは600〜900℃、より好ましくは700〜850℃である。
【0016】
熱処理時間は一定時間以上でなければ効果が現れないので、10分間以上、好ましくは30分間以上の熱処理を行う。更に長時間の熱処理を行えば、少しずつではあるが結晶粒の粗大化は起こるので、5時間以下の熱処理を行うことができる。しかし、冷間加工を挟んだ熱処理を三回行うことにより、30分間〜2時間程度の熱処理で十分に均一で粗大な結晶粒を得ることができる。
【0017】
熱処理は、銅線の表面の酸化を防止するために、真空中または不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましい。
【0018】
【実施例】
実施例1〜5及び比較例1〜4として表1に記載の条件下にて銅線を製造した。なお、荒引線として直径10mmのものを用い、表中の6Nは純度99.9999%、4Nは純度99.99%、3Nは99.95%の純度を表す。得られた銅線の結晶粒径の平均値、最大値及び最小値を同じく表1に記載した。
【0019】
【表1】
Figure 0003749341
【0020】
【発明の効果】
本発明の銅線の製造方法によれば、均一でかつ粗大な結晶粒を持つ銅線を得ることができる。従って、オーディオ機器などの音響関連機器の接続にこの銅線を用いることにより、音質の劣化を極力抑えることができる。また、熱処理時間を削減することが可能になり、製造効率の向上につながる。

Claims (3)

  1. 純度が99.99%以上の高純度銅からなる荒引線に対して、加工率70〜95%で一次冷間加工した後に熱処理する一次工程、加工率40〜65%で二次冷間加工した後に熱処理する二次工程、加工率60〜85%で三次冷間加工した後に熱処理する三次工程を行う銅線の製造方法。
  2. 一次、二次及び三次工程における熱処理が600〜900℃にて10分間〜50時間の熱処理を行うものである請求項1記載の製造方法。
  3. 荒引線の表面皮膜を除去した後、一次工程を行う請求項1又は2記載の製造方法。
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