JP4914153B2 - オーディオ・ビデオ信号用銅導体 - Google Patents

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Description

本発明は、オーディオ・ビデオ信号用銅導体、並びに、それを用いたオーディオ・ビデオ信号用電線及びオーディオ・ビデオ信号用ケーブルに関する。
オーディオ・ビデオ信号用銅導体として、結晶粒を粗大化させた後に伸線して(必要あれば熱処理も)一方向性線形結晶とした銅線や鋳型冷却法により一方向性線形結晶として凝固させたものそのままの、或いは、伸線した(必要あれば熱処理も)銅線が使用されている。
また、特許文献1には、面心立方格子型結晶構造となるべき金属又は合金の単結晶体又は結晶集合体であり、長手方向の方位が結晶の<100>方向から10度以内の範囲または<111>方向から10度以内の範囲となっている音響・画像機器用導体が開示されている。
特公平7−118216号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたオーディオ・ビデオ信号用銅導体は、製造の際の経済性が著しく低く、また、限られたサイズのものしか製造することができない。
例えば、面心立方格子型結晶構造の金属(以下、「FCC金属」という。)の単結晶体でオーディオ・ビデオ信号用銅導体を形成する場合について、金属単結晶体はブリッジマン法、チョクラルスキー法、EFG法等の方法でしか製造することができないが、これらの方法は、総じて製造速度が非常に遅く、従って、製造の際の経済性に大きな問題がある。また、これらの方法で製造した金属単結晶体を所定のサイズの銅導体に加工すると結晶方位にずれが生じ、加工度合によっては長手方向の方位が結晶の<100>方向又は<111>方向から10度以内という範囲から外れてしまうこととなる。仮に、長手方向の方位が結晶の<100>方向又は<111>方向から10度以内という範囲を維持できたとしても、音質や画質に悪影響を及ぼす歪みや欠陥等が内部に生じることを避けることはできない。なお、これらの歪みや欠陥等を除去するための熱処理を行うことが考えられるが、そうすると再結晶して単結晶体とは言えなくなってしまう。
FCC金属の結晶集合体でオーディオ・ビデオ信号用銅導体を形成する場合について、結晶の集合体であって、しかも、全ての結晶粒がほぼ同じ方位である銅導体を工業的に製造することは極めて困難である。結晶方位に異方性(集合組織)を持たせるための方法として、冷間加工による方法と再結晶による方法とが挙げられるが、如何に減免率の高い冷間加工を行っても、また、如何に長時間の焼鈍を行っても、全ての結晶粒をほぼ同じ方向に配向させることはほとんど不可能である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、工業的に製造可能な高性能のオーディオ・ビデオ信号用銅導体、並びに、それを用いたオーディオ・ビデオ信号用電線及びオーディオ・ビデオ信号用ケーブルを提供することである。
上記目的を達成する本発明のオーディオ・ビデオ信号用銅導体は、横断面にX線を照射したときの(111)面のX線回折強度I(111)と(200)面のX線回折強度I(200)とがI(111)≧16.5×I(200)の関係を満たすように形成された金属線状材からなることを特徴とする。
本発明のオーディオ・ビデオ信号用銅導体は、銅の純度が99.9999%以上であってもよい。
本発明のオーディオ・ビデオ信号用電線は、上記ビデオ信号用銅導体の単一線、複数本を集めて構成した集合線、複数本を集めて構成した撚線、又は、これらを組み合わせた複合線を絶縁体で被覆したものである。
本発明のオーディオ・ビデオ信号用ケーブルは、上記オーディオ・ビデオ信号用電線を含むものである。
本発明によれば、オーディオ・ビデオ信号用として高性能であり、しかも、冷間伸線したものに対して所定条件の焼鈍を施すことによって工業的に製造することができる。
以下、実施形態を詳細に説明する。
本実施形態のオーディオ・ビデオ信号用銅導体は、例えば、直径0.16〜2.6mmの横断面円形に形成された金属線状材である。なお、オーディオ・ビデオ信号用銅導体としては、その他にバイワイヤリング接続対応スピーカーのバスバー、オーディオ・ビデオ信号用コネクタの中心コンタクトピン等の形態も含まれる。
このオーディオ・ビデオ信号用銅導体は、横断面にX線を照射したときの(111)面のX線回折強度I(111)と(200)面のX線回折強度I(200)とがI(111)≧15×I(200)の関係を満たすように形成されている。
横断面にX線を照射したときの(111)面のX線回折強度I(111)と(200)面のX線回折強度I(200)とがI(111)≧15×I(200)の関係を満たすとの条件は、(111)面とは全く異なる方向を向いた結晶の存在を許容しつつも、オーディオ・ビデオ信号用として高性能を得ることができるという条件である。
(111)面のX線回折強度I(111)及び(200)面のX線回折強度I(200)は、X線回折装置が用いられ、例えば、管電圧20〜60kV及び管電流30〜300mAの条件で発生したCuKα線が使用されて測定される。
このオーディオ・ビデオ信号用銅導体を構成する金属は、銅が主成分であるが、その他にAg、P等を含有していてもよい。但し、銅の純度が99.9999%以上であれば、不純物による音質劣化が抑制され、より高音質を得ることができる。
次に、このオーディオ・ビデオ信号用銅導体の製造方法について説明する。
まず、直径6〜10mmの荒引銅線を中間焼鈍することなく直径0.16〜2.6mmまで連続冷間伸線する。
そして、得られた銅導体に所定条件の焼鈍を施す。
焼鈍の方法としては、例えば、内部に不活性ガスや窒素ガス等を充填したパイプ焼鈍炉に銅導体を連続して通過させる方法、銅導体をボビンに巻いた状態で不活性ガス雰囲気のバッチ炉内に所定時間保持する方法等が挙げられる。
処理温度は、600〜850℃であることが好ましく、700〜800℃であることがより好ましい。処理時間は、導体のサイズや純度に依存し、サイズが大きい程、また、純度が低い程、長時間の処理を必要とする。例えば、線の直径がD(mm)である純度99.9999%の丸線の処理時間をT(秒)とすると、60D1.6≦T≦600D1.6の範囲でTを設定することが好ましい。
上記の構成のオーディオ・ビデオ信号用銅導体によれば、オーディオ・ビデオ信号用として高性能であり、しかも、冷間伸線したものに対して所定条件の焼鈍を施すことによって工業的に製造することができる。
上記のオーディオ・ビデオ信号用銅導体は、単一線を絶縁体で被覆したオーディオ・ビデオ信号用電線、複数本を集めて構成した集合線を絶縁体で被覆したオーディオ・ビデオ信号用電線、複数本を集めて構成した撚線を絶縁体で被覆したオーディオ・ビデオ信号用電線、或いは、これらを組み合わせた複合線を絶縁体で被覆したオーディオ・ビデオ信号用電線を構成することができる。
絶縁体としては、例えば、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。そして、押出成形等により、オーディオ・ビデオ信号用銅導体の単一線、集合線、撚線、或いは、複合線を被覆することができる。
また、このようにして構成されるオーディオ・ビデオ信号用電線により、少なくともそれを1本含んだオーディオ・ビデオ信号用ケーブルを構成することができる。
(試験評価サンプル)
<サンプルA>
銅の純度が99.9999%である直径8mmの荒引銅線を中間焼鈍なしで直径2.0mmまで連続冷間伸線して銅導体を得た。
そして、この銅導体を窒素ガスを充填したパイプ焼鈍炉に連続的に通過させた。このとき、炉内温度を750℃に設定し、線速度を3m/minに設定して炉内滞在時間が60秒になるようにした。
以上のようにして作製した銅導体をサンプルAとした。
<サンプルB>
線速度を1.5m/minに設定して炉内滞在時間が120秒になるようにしたこと以外サンプルAと同一の条件で作製した銅導体をサンプルBとした。
<サンプルC>
線速度を0.6m/minに設定して炉内滞在時間が300秒になるようにしたこと以外サンプルAと同一の条件で作製した銅導体をサンプルCとした。
<サンプルD>
線速度を0.3m/minに設定して炉内滞在時間が600秒になるようにしたこと以外サンプルAと同一の条件で作製した銅導体をサンプルDとした。
<サンプルE>
チョクラルスキー法で作製した銅の純度が99.9999%である単結晶銅導体をサンプルEとした。なお、これは(111)面と異なる方向を向いた結晶が存在しないものである。
(試験評価方法)
<X線回折強度>
サンプルA〜Eのそれぞれについて、X線回折装置(リガク社製 品番:RINT2000システム)を用い、管電圧40kV及び管電流200mAの条件で発生したCuKα線を横断面に照射したときの(111)面のX線回折強度I(111)及び(200)面のX線回折強度I(200)を計測した。
そして、X線回折強度I(111)のX線回折強度I(200)に対する比を求めた。
<音質評価>
サンプルA〜Eのそれぞれの単一線を厚さ0.6mmの塩化ビニル樹脂で被覆してオーディオ・ビデオ信号用電線とし、そこから2mの長さのものを4本切り出した。
次いで、4本のオーディオ・ビデオ信号用電線を2本ずつの2組に分け、一方の組をL側の+線及び−線とし、他方の組をR側の+線及び−線として使用し、ステレオパワーアンプとスピーカーシステムとを接続した。
そして、音楽鑑賞を趣味とする30人に対し、先入観を無くすべく各サンプルの詳細内容を伏せたままでサンプルA〜のそれぞれを用いた場合について視聴テストを実施し、各サンプルについての被験者による「満足できる」、「概ね満足できる」、「満足できない」のいずれかの評価を得た。
(試験評価結果)
表1は試験評価の結果を示す。
Figure 0004914153
これによれば、X線回折強度I(111)のX線回折強度I(200)に対する比が1.2であるサンプルAでは、「満足できない」との音質評価が60%と最も多く、比が13.2であるサンプルBでは、「おおむね満足できる」との音質評価が63%と最も多く、比が16.5及び21.4であるサンプルC及びDでは、「満足できる」との音質評価が93%及び97%と最も多く、(111)面と異なる方向を向いた結晶が存在しないサンプルEと同程度の音質評価を得ていることが分かる。
以上のことから、サンプルBとサンプルCとの間、つまり、X線回折強度I(111)のX線回折強度I(200)に対する比が13.2と16.5との間に「満足できる」とと「おおむね満足できる」との音質評価の境界が存在し、その境界をほぼ中間の15と見積もることができる。
本発明は、オーディオ・ビデオ信号用銅導体、並びに、それを用いたオーディオ・ビデオ信号用電線及びオーディオ・ビデオ信号用ケーブルについて有用である。

Claims (4)

  1. 横断面にX線を照射したときの(111)面のX線回折強度I(111)と(200)面のX線回折強度I(200)とがI(111)≧16.5×I(200)の関係を満たすように形成された金属線状材からなることを特徴とするオーディオ・ビデオ信号用銅導体。
  2. 請求項1に記載されたオーディオ・ビデオ信号用銅導体において、
    銅の純度が99.9999%以上であることを特徴とするオーディオ・ビデオ信号用銅導体。
  3. 請求項1又は2に記載されたオーディオ・ビデオ信号用銅導体の単一線、複数本を集めて構成した集合線、複数本を集めて構成した撚線、又は、これらを組み合わせた複合線を絶縁体で被覆したことを特徴とするオーディオ・ビデオ信号用電線。
  4. 請求項3に記載されたオーディオ・ビデオ信号用電線を含むことを特徴とするオーディオ・ビデオ信号用ケーブル。
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