JP3173226B2 - 耐屈曲性ケーブル - Google Patents

耐屈曲性ケーブル

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正義 青山
貴朗 市川
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史朗 坂田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロボット用ケーブルや
車輌用ケーブルに好適な耐屈曲性ケーブルに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、ロボット用ケーブルや車輌用ケー
ブルなどにおいては、細径化の要請が強く、細径化して
も繰返し曲げや振動などに十分に耐えられる、耐屈曲性
ケーブルが要求されている。
【0003】そこで、従来、ケーブルの耐屈曲性を向上
させるために耐屈曲性ケーブル用導体として、Cu−F
e−P系の析出型高力合金が報告されている(藤尾他9
名:タツタ電線技報、平成4年7月、P1)。
【0004】また、通常の純銅を導体として用いた場
合、より線構造に対して密に導体を横巻きすることで、
屈曲特性を向上させた横巻き構造の横巻き導体が知られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ケーブルの耐屈曲性の
向上に、上記のCu−Fe−P系の析出型高力合金のよ
うな特殊な銅合金を用いれば、確かにケーブルの耐屈曲
疲労強度は増加するが、製造コストが高く経済性に問題
がある。また、横巻構造の純銅線を用いたケーブルで
は、横巻きにするための複雑な工程を必要とし、ケーブ
ルコストが高くなってしまう。
【0006】このことから、純銅線を用い、しかも横巻
構造など複雑な構造としなくても耐屈曲特性に優れたケ
ーブルの出現が望まれる。
【0007】本発明の目的は、前記した従来技術の欠点
を解消し、純銅にて屈曲特性を向上させることができる
安価な耐屈曲性ケーブルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐屈曲性ケ
ーブルは、焼なましにより結晶粒径を8μm以下に調整
した純銅線を用いたものである。この耐屈曲性ケーブル
は、その特性上、ロボット用または車輌用に用いること
が好ましい。
【0009】この結晶粒径8μm以下の純銅線に絶縁体
を被覆し、これらをより合わせてケーブルとする。ある
いは、純銅線をより線した後、絶縁体を被覆してより合
わせケーブルを作製する。また、より線構造ではなく、
上記純銅線を密に横巻きとした横巻き構造導体のケーブ
ルとしてもよい。
【0010】また、純銅線の材質としては、タフピッチ
銅、無酸素銅(OFC)いずれでも屈曲寿命が改善され
るが、酸化物粒子(Cu2 O)が一種の欠陥の役目をす
るので、OFCを用いたほうが望ましい。しかし、OF
Cでなくても、100ppm以下のO2 を含む銅線(タ
フピッチ銅では約350wtppmO2 )でも屈曲寿命
の改善効果は大である。
【0011】
【作用】ケーブル導体の素線となる純銅線の線径が0.
1mm程度となると、純銅の結晶粒径の大きさが機械的
特性に大きな影響を与えることを知見し、結晶粒系を8
μm以下に調整することによって、優れた耐屈曲特性の
ケーブルが得られることがわかった。これに対し、結晶
粒径が8μm以上の純銅線の場合には、耐屈曲特性の向
上が少なく、結晶粒径のばらつきも大きく機械的特定の
安定性も劣る。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例について述べる。
【0013】まず、無酸素銅(OFC)よりなるφ0.
12mmの純銅線を用い、この純銅線を焼鈍して結晶粒
径を調整し、下記の表1に示すように、結晶粒径が2μ
m以下の素線(実施例1)、2〜4μmの素線(実施例
2)、4〜6μmの素線(実施例3)、5〜8μmの素
線(実施例4)を作製した。結晶粒径の調整は、株式会
社アグネ発行、「初級金属学」P108〜109にも開
示されているように、高温で焼なますほど結晶粒径は大
きくなり、また、焼なます時間が長くなるに伴って結晶
粒径は大きくなり所定の時間以上になると結晶粒径の増
加は飽和するので、焼なます温度と時間の条件を適宜変
えることによって行えばよい。なお、表1の比較例は結
晶粒径が40μm以下で30μm程度の結晶粒径が多く
存在する通常の純銅線である。次に、上記の素線(純銅
線)112本をより線した後、絶縁体を被覆してより合
わせたロボット用のケーブルを作製した。
【0014】このようにして作製したケーブルの屈曲寿
命を図1の屈曲試験装置で評価した。この試験は、法令
上、耐震試験と呼ばれるものに準じたもので、試験方法
は次のとおりである。試料として、適当な長さのケーブ
ル3をとり、このケーブル3をU字形に曲げ、ケーブル
3の両端を図1の屈曲試験装置の上部クランプ1で固定
すると共に、ケーブル3の下端部側に下部クランプ1を
取り付ける。上部クランプ1と下部クランプ2との間に
は、屈曲案内支持具4がケーブル3を挟むように設置さ
れる。屈曲案内支持具4のケーブル3に対向する面の曲
率半径rは3mm、上下方向の厚さdは約6mmであ
り、下部クランプ2と屈曲案内支持具4との距離hは約
30mmである(図1(A))。試験は、下部クランプ
2を屈曲案内支持具4を支点として左右にそれぞれ45
°振動させて屈曲させる操作を毎分約200回の速さで
連続して行う。各ケーブルの屈曲寿命の結果は表1に示
す通りである。
【0015】
【表1】
【0016】表1に見られるように、結晶粒径40μm
以下で30μm程度の結晶粒径が多い通常銅線を用いた
比較例のケーブルに対し、結晶粒径8μm以下の実施例
1〜4のケーブルでは、いずれも屈曲寿命が約2倍に伸
び、顕著な屈曲寿命の改善効果が認められる。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば次のような効果を発揮する。 (1)屈曲特性向上に、高価な合金線を用いずに、焼な
ましにより結晶粒径を調整しただけの純銅線を用いるの
で、経済性に優れている。
【0018】(2)結晶粒径を8μm以下としたので、
結晶粒径がほぼ均一な純銅線で構成されたケーブルが得
られ、耐力強度などの機械的特性が安定している。
【0019】(3)屈曲特性改善のために複雑な工程で
ある横巻きをあえて行う必要はなく、より線構造のまま
でも従来品の2倍程度に屈曲寿命を伸ばせる。この場
合、従来の通常のケーブルと比較してもケーブルコスト
の上昇はほとんどなく、経済性のよい高性能の耐屈曲性
ケーブルを提供できる。
【0020】(4)特に、細径化の要請が強いロボット
用ケーブルや車輌用ケーブルに用いても、繰返し曲げや
振動などに十分に耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ケーブルの屈曲試験装置の概略を示すもので、
同図(A)は側断面図、同図(B)は正面図である。
【符号の説明】
1 上部クランプ 2 下部クランプ 3 ケーブル 4 屈曲案内支持具 d 厚さ r 曲率半径 h 距離
フロントページの続き (72)発明者 坂田 史朗 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社日高工場内 (56)参考文献 特開 昭62−290852(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 5/00 - 5/16 H01B 1/02 H01B 13/00 C22F 1/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼なましにより結晶粒径を8μm以下とし
    た純銅線を用いたことを特徴とする耐屈曲性ケーブル。
  2. 【請求項2】請求項1記載の耐屈曲性ケーブルをロボッ
    ト用または車輌用に用いたことを特徴とする耐屈曲性ケ
    ーブル。
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JPWO2013146762A1 (ja) * 2012-03-29 2015-12-14 大電株式会社 微結晶金属導体及びその製造方法
JP6706856B2 (ja) * 2016-03-08 2020-06-10 古河電気工業株式会社 ワイヤハーネス用電線接続構造体

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