JP3746618B2 - トリガー式液体噴出ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガー式液体噴出ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
トリガー式液体噴出ポンプとして、例えば、容器体口頚部に嵌合させる装着キャップと、該キャップ上方に嵌着固定するとともに、装着キャップ上端から起立した縦筒の中間部からシリンダを、その上部からは射出筒をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体と、射出筒前部位置から揺動可能に垂設するとともに、シリンダ内に前方付勢状態で嵌合させたプランジャの先端部を押し込み可能に連係させたトリガーとを備え、該トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて射出筒先端に嵌合させたノズルキャップの噴出孔より噴出する如く構成したものが知られている。
従来のこの種のポンプに於ける吸い込み弁及び吐出弁は、縦筒内下部及び上部に設けた弁座上に金属製の玉状弁体を載置して構成されたものが一般に使用されている。また、最近では、縦筒内上端部に設けた弾性圧縮可能な弾性板下部に水平弁板を延設し、該弁板を縦筒内上部に設けた弁座上に圧接させた合成樹脂製の弁部材を設けて吐出弁を形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記合成樹脂製の弁部材により構成された吐出弁は、その液の噴出操作に支障を来す虞があった。特に、ポンプを初めて使用する場合、或いは容器体内の液を使い切った後容器体のみを交換して再び使用する場合等に、ポンプ内に液が充満するまでの初期作動段階があり、その際、図4に示す如く、水平弁板aが水平方向一方へ偏り、弁板aと弁座bとに僅かな隙間,或いは空気圧により開口してしまう程度の重複シール部分が生じ、これら隙間或いは重複シール部分から外気を吸い込んでしまうという不都合を生じる虞があった。これらの縦筒内周面と弁板外周面との隙間は、ここを介して液が流出するため、あまり狭いものとすることは出来ず、その結果、上記した不都合を生じる場合が有った。
本発明は上記した点に鑑みなされたもので、吐出弁の円滑な弁作用を発揮でき、また、構造が簡単で製造が容易なトリガー式液体噴出ポンプを提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明ポンプは、上記課題を解決するため、容器体2の口頚部3に嵌合させる装着キャップ4と、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部からは射出筒7をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体8と、射出筒前部位置から前方付勢状態で揺動可能に垂設したトリガー9とを備え、トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて噴出孔より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプに於いて、縦筒5内上端部に吊設した弾性圧縮可能な弾性板13下部に水平弁板14を延設するとともに、該弁板周縁部を縦筒5内上部に設けた上向き段部状の吐出弁座15上に圧接して吐出弁11を形成し、且つ、水平弁板 14 下面から棒状部 17 を垂設してなる合成樹脂製の弁部材Aを備え、吐出弁座15上方の縦筒5内周面で水平弁板14を上下に案内する範囲に水平弁板 14 外周面と近接して案内する縦突条18を、周方向間隔をあけて少なくとも3条突設してなることを特徴とするトリガー式液体噴出ポンプとして構成した。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明のトリガー式液体噴出ポンプ1は、容器体2の口頚部3に嵌合させる装着キャップ4と、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部からは射出筒7をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体8と、射出筒前部位置から前方付勢状態で揺動可能に垂設したトリガー9とを備え、トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて噴出孔より噴出する如く構成した公知のポンプ機構を備えたものである。ポンプ機構の一例としては、縦筒内下部に吸い込み弁10を、上部に吐出弁11を備え、吸い込み弁10下流の縦筒5内とシリンダ6内とを連通させるとともに、吐出弁11下流の縦筒内と射出筒7内とを連通させ、また、シリンダ内に前方付勢状態で嵌合させたプランジャ(図示せず)の先端をトリガー9上部に連係させるという構成が挙げられる。尚、図中12は容器体内へ垂下させるパイプを示す。
【0006】
本発明では、上記したこの種のポンプに於いて、吐出弁を形成する合成樹脂製の弁部材Aを縦筒5内に設けている。
弁部材Aは、縦筒5内上端部に吊設した弾性圧縮可能な弾性板13下部に一体に水平弁板14を延設するとともに、該弁板周縁部を縦筒5内上部に設けた上向き段部状の吐出弁座15上に圧接して吐出弁11を形成している。
【0007】
図示例では、縦筒5内上端部に円板状で且つ上面に十字状突部を突設した取り付け基部16を嵌着固定し、該基部下面より側面視8の字状をなす弾性板13を一体に吊設し、また、弾性板13下面を円板状の水平弁板14上面中央に一体に連結し、その周縁部を弾性板13の弾発力に抗して吐出弁座15上に圧接している。更に、水平弁板 14下面中央から円柱状で、上端部がテーパ状に広がる棒状部17を垂設している。この棒状部17は吸い込み弁10を構成する玉状弁体の上下動の上限を定めるもので、それ以上玉状弁体が上方へ移行しない様に設けたものである。また、縦筒5内の流路を狭めて円滑な液の流れを生じる如く設けたものである。
【0008】
本発明では、吐出弁座15上方の縦筒5内周面と、水平弁板14外周面とのいずれかに、対向面と近接して案内する縦突条18を、周方向間隔をあけて複数突設しており、この様な縦突条18を設けることにより、水平弁板の横ズレをなくし円滑な弁機構を発揮させるとともに、液の流通に関しても円滑に行える如く構成している。
【0009】
図1及び図2に示す実施例では、吐出弁座15上方の縦筒5内周面に、周方向複数の縦突条18を突設した例を示す。縦突条18の数は、水平弁板14を上下に案内するために最低3条は必要であり、4条以上でも良い。
また、図3に示す実施例では、水平弁板14の外周面に、周方向複数の縦突条18を突設した例を示す。この場合の縦突条18の数も最低3条は必要であり、4条以上でも良い。
【0010】
吸い込み弁10は、従来のこの種のポンプに使用されている吸い込み弁10の形態を採用することができ、例えば、金属製の玉状弁体を使用したものを採用できるとともに、合成樹脂製の玉状弁体を使用したものを採用でき、その外にも合成樹脂製の弁板を開閉可能に設けたものを採用できる。
金属製の玉状弁体の場合には縦筒5内面下部に突設した弁座上に載置した形態をとり、吸い込み弁座上面から棒状部17下面までの間を上下動可能に設けることができる。また、玉状弁体を合成樹脂で形成した場合には、玉状弁体の比重が収納液の比重より小さい場合が多く、その場合には縦筒5内の吸い込み弁座20上方に浮いた状態で、トリガー9の引き込みにより縦筒5内の内圧が高まった際に吸い込み弁孔を閉じる如く作用する。
【0011】
図示例では、合成樹脂製の玉状弁体19を採用し、吸い込み弁座20上方の縦筒5内周面に、内側面を玉状弁体19と近接して案内する縦突条21を、周方向間隔をあけて複数突設している。この縦突条21を設けることにより、合成樹脂製の玉状弁体19が縦筒5の略中心部を上下動し、しかも各縦突条21間の隙間を介して充分な液の流通が可能な如く構成している。
【0012】
上記の如く構成したポンプ1使用する場合には、液の収納された容器体2にポンプを装着して使用する。最初はポンプ内に液が存在せず、その状態からトリガー9を何回か操作して液をシリンダ6及び縦筒5内に充満させる。この際、水平弁板14は、各縦突条18に案内されて縦筒内略中央部を上下動するため、下流からのエアーの吸い込み等の不都合を生じることなく初期作動を行える。
この状態からトリガー9を引くと、シリンダ6及び縦筒5内が加圧されて玉状弁体19が吸い込み弁座20上に圧接されるとともに、吐出弁11が開いて、液が射出筒7を通り、射出筒7先端に嵌着した噴出ノズル先端の噴出孔より噴出される。ついで、トリガー9の押圧を解除すると、前方付勢力によりプランジャが前進してシリンダ6内及び縦筒5内が負圧化するため、吸い込み弁10が開いて容器体内の液をパイプ12を介して縦筒5よりシリンダ6内に吸い上げる。
尚、上記各部材は主として合成樹脂により形成している。
【0013】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明ポンプは、既述構成としたことにより、特に、吐出弁座上方の縦筒内周面と、水平弁板外周面とのいずれかに、対向面と近接して案内する縦突条を、周方向間隔をあけて複数突設しているため、水平弁板が縦筒内中央部を常時確実に上下動し、ポンプの初期作動時に吐出弁下流からのエアーの吸い込み等の不都合を生じることがなく、しかも、水平弁板周囲に於ける充分な液の流通を可能とし、円滑な弁作用を発揮できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す一部切欠き側面図である。
【図2】同実施例の吐出弁部分の要部縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す吐出弁部分の要部縦断面図である。
【図4】従来ポンプに於ける吐出弁部分の要部縦断面図である。
【符号の説明】
2…容器体,3…口頚部,4…装着キャップ,5…縦筒,6…シリンダ,
7…射出筒,8…ポンプ本体,9…トリガー,11…吐出弁,13…弾性板,
14…水平弁板,15…吐出弁座,18…縦突条,A…弁部材
Claims (1)
- 容器体2の口頚部3に嵌合させる装着キャップ4と、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部からは射出筒7をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体8と、射出筒前部位置から前方付勢状態で揺動可能に垂設したトリガー9とを備え、トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて噴出孔より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプに於いて、縦筒5内上端部に吊設した弾性圧縮可能な弾性板13下部に水平弁板14を延設するとともに、該弁板周縁部を縦筒5内上部に設けた上向き段部状の吐出弁座15上に圧接して吐出弁11を形成し、且つ、水平弁板 14 下面から棒状部 17 を垂設してなる合成樹脂製の弁部材Aを備え、吐出弁座15上方の縦筒5内周面で水平弁板14を上下に案内する範囲に水平弁板 14 外周面と近接して案内する縦突条18を、周方向間隔をあけて少なくとも3条突設してなることを特徴とするトリガー式液体噴出ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26249198A JP3746618B2 (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | トリガー式液体噴出ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26249198A JP3746618B2 (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | トリガー式液体噴出ポンプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000070790A JP2000070790A (ja) | 2000-03-07 |
JP3746618B2 true JP3746618B2 (ja) | 2006-02-15 |
Family
ID=17376543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP26249198A Expired - Lifetime JP3746618B2 (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | トリガー式液体噴出ポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3746618B2 (ja) |
-
1998
- 1998-08-31 JP JP26249198A patent/JP3746618B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000070790A (ja) | 2000-03-07 |
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