JP4183052B2 - トリガー式液体噴出ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガー式液体噴出ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
トリガー式液体噴出ポンプとして、例えば、容器体口頚部に嵌合させる装着キャップと、該キャップ上方に嵌着固定するとともに、装着キャップ上端から起立した縦筒の中間部からシリンダを、その上部からは射出筒をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体と、射出筒前部位置から揺動可能に垂設するとともに、シリンダ内に前方付勢状態で嵌合させたプランジャの先端部を押し込み可能に連結させたトリガーとを備え、該トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて射出筒先端に嵌合させたノズルキャップの噴出孔より噴出する如く構成したものが知られている。
【0003】
従来のこの種ポンプに於ける吸い込み弁及び吐出弁は、縦筒内下部及び上部に設けた弁座上に金属製の玉状弁体を載置して構成されたものが一般に使用されている。また、最近では、縦筒内上端部に設けた弾性圧縮可能な弾性板下部に水平弁板を延設し、該弁板を縦筒内上部に設けた弁座上に圧接させた合成樹脂製の弁部材を設けて吐出弁を形成しているものもあるが、吸い込み弁に関しては、その縦筒内のスペースの問題等により金属製の玉状弁体を一般に使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の廃棄物処理事情では、金属と合成樹脂等との分別処理が要望され、従来のものでは、これら玉状弁体が微細であること、内部に密閉されていること等の理由によりこの分別が極めて困難であった。
この様な事情を考慮して金属製の玉状弁体に変えて合成樹脂製の玉状弁体を使用する試みも行われているが、合成樹脂製の玉状弁体は金属と比較して軽く、その軽さが影響して、液の噴出操作に支障来す虞があった。
特に、ポンプを初めて使用する場合、或いは容器体内の液を使い切った後容器体のみを交換して再び使用する場合等に、ポンプ内に液が充満するまでの初期作動の段階があり、その際、図3に示す如く、縦筒a内面に付着した液bに玉状弁体cが吸い付けられ、弁座dとに隙間が生じて吸い込み弁のシール性が不良となる虞があった。
【0005】
また、合成樹脂製の玉状弁体では収納液より比重が小さいものが多く、その場合、常時は縦筒内の弁座上方へ浮上係止されているため、玉状弁体が縦筒内の水平方向一方へ偏り、他方側に縦筒内面との間の比較的大きな隙間が生じる如く係止される場合があり、トリガーの引き込みによりシリンダ内に圧が掛かるとその隙間からパイプを介して容器体内に液が戻ってしまう等の不都合を生じる虞がある。また、比重が大きい場合でもせいぜい液と同程度であるため、ポンプを装着した容器を持って傾けただけで弁体が縦筒内の水平方向偏位位置に浮遊してしまい、それがなかなか弁座上に戻らずにトリガーを引いてしまう場合があり、その場合もシリンダ内の液が容器体内に戻ってしまう不都合を生じる場合がある。
【0006】
本発明は上記した点に鑑みなされたもので、金属を使用せずに、吐出弁、吸い込み弁を形成でき、しかも合成樹脂製の玉状弁体を使用しているにも拘わらず円滑な弁作用を発揮でき、また、収納液の特性に対応して材質を変化させることができるため汎用性にも富んだトリガー式液体噴出ポンプを提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明のポンプは上記課題を解決するため、容器体2の口頚部3に嵌合させる装着キャップ4と、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部からは射出筒7をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体8と、射出筒前部位置から前方付勢状態で揺動可能に垂設したトリガー9とを備え、トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて噴出孔より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプに於いて、縦筒5内上端部に吊設した弾性圧縮可能な弾性板10下部に水平弁板11を延設するとともに、該弁板周縁部を縦筒5内上部に設けた吐出弁座12上に圧接して吐出弁13を構成し、且つ、水平弁板11下面中央より棒状部14を垂設してなる合成樹脂製の弁部材Aと、縦筒5内下部に突設した吸い込み弁座16上から棒状部14下面までの間を上下動可能に設けるとともに、吸い込み弁座16とで吸い込み弁17を構成する合成樹脂製の玉状弁体Bとを備え、吸い込み弁座16上方の縦筒5内周面に、内側面を玉状弁体Bと近接して案内する縦突条18を少なくもと3条、周方向間隔をあけて突設したことを特徴とするトリガー式液体噴出ポンプとして構成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明のトリガー式液体噴出ポンプ1は、容器体2の口頚部3に嵌合させる装着キャップ4と、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部からは射出筒7をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体8と、射出筒前部位置から前方付勢状態で揺動可能に垂設したトリガー9とを備え、トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて噴出孔より噴出する如く構成した公知のポンプ機構を備えたものである。
【0009】
本発明では、上記したこの種ポンプに於いて、縦筒5内に合成樹脂製の弁部材Aと、合成樹脂製の玉状弁体Bとを設けている。
弁部材Aは、縦筒5内上端部に吊設した弾性圧縮可能な弾性板10下部に一体に水平弁板11を延設するとともに、該弁板周縁部を縦筒5内上部に設けた上向き段部状の吐出弁座12上に圧接して吐出弁13を形成している。また、水平弁板11下面中央より棒状部14を垂設している。この棒状部14は玉状弁体Bの上下動の上限を定めるもので、それ以上玉状弁体Bが上方へ移行しない様に設けたものである。また、縦筒5内の流路を狭めて円滑な液の流れを生じる如く設けたものである。
【0010】
図示例では、縦筒5内上端部に円板状で且つ上面に十字状突部を突設した取り付け基部15を嵌着固定し、該基部下面より側面視8の字状をなす弾性板10を一体に吊設し、また、弾性板10下面を円板状の水平弁板11上面中央に一体に連結し、その周縁部を弾性板10の弾発力に抗して吐出弁座12上に圧接している。更に、弾性板10下面中央から円柱状で、上端部がテーパ状に広がる棒状部14を垂設している。
【0011】
玉状弁体Bは、縦筒5内下部に突設した吸い込み弁座16上面から棒状部14下面までの間を上下動可能に設けるとともに、吸い込み弁座16とで吸い込み弁17を形成する。また、玉状弁体Bは合成樹脂で形成しているため、比重が1より小さいものが多く、一方、この種ポンプを使用した噴出器に収納される液は1或いはそれ以上の場合が多いため、玉状弁体Bの比重が収納液の比重より小さい場合が多く、その場合には縦筒5内の吸い込み弁座16上方に浮いた状態で、トリガー9の引き込みにより縦筒5内の内圧が高まった際に吸い込み弁孔を閉じる如く作用し、また、玉状弁体Bの比重が収納液の比重と同じや大きい場合には、常時は吸い込み弁座16上に載置された状態にある。
【0012】
また、本発明では吸い込み弁座16上方の縦筒5内周面に、内側面を玉状弁体Bと近接して案内する縦突条18を、周方向間隔をあけて複数突設している。
この縦突条18を設けることにより、合成樹脂製の玉状弁体Bが縦筒5の略中心部を上下動し、しかも各縦突条18間の隙間を介して充分な液の流通が可能な如く構成している。縦突条18の数は、玉状弁体Bを上下に案内するために最低3条は必要であり、4条以上でも良い。図示例では、半円柱状の縦突条18を等間隔に4条設けている。
以下、内蔵ポンプ機構に付いて一例を挙げると、縦筒5の下端に上端を嵌着したパイプ19を容器体内へ垂下させ、また、吸い込み弁17下流の縦筒5内とシリンダ6内とを連通させるとともに、吐出弁13下流の縦筒5内と射出筒7内とを連通させ、また、シリンダ内に前方付勢状態で嵌合させたプランジャ(図示せず)の先端をトリガー9上部に連係させるという構成が挙げられる。
【0013】
上記の如く構成したポンプ1使用する場合には、液の収納された容器体2にポンプを装着して使用する。最初はポンプ内に液が存在せず、その状態からトリガー9を何回か操作して液をシリンダ6及び縦筒5内に充満させる。この際、玉状弁体Bは各縦突条18の案内で縦筒5内略中心部を上下動し、縦筒内面に付着した液に吸い付けられることはない。シリンダ6及び縦筒5内に液が充満した状態では、収納液より軽い玉状弁体Bは浮いて棒状部14の下面に当接係止された状態にある。但し、玉状弁体Bが液よりも比重が重いか或いは同じ場合には吸い込み弁座16上にある。
この状態からトリガー9を引くと、シリンダ6及び縦筒5内が加圧されて玉状弁体Bが吸い込み弁座16上に圧接されるとともに、吐出弁13が開いて、液が射出筒7を通り、射出筒7先端に嵌着した噴出ノズル先端の噴出孔より噴出される。次いで、トリガー9の押圧を解除すると、前方付勢力によりプランジャが前進してシリンダ6内及び縦筒5内が負圧化するため、吸い込み弁17が開いて容器体内の液をパイプ19を介して縦筒5よりシリンダ6内に吸い上げる。
尚、上記各部材は合成樹脂により形成する。
【0014】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明ポンプは、既述構成としたことにより、特に、吸い込み弁座上方の縦筒内周面に、内側面を玉状弁体と近接して案内する縦突条を、周方向間隔をあけて複数突設しているため、合成樹脂製の玉状弁体が、ポンプの初期作動時に於ける縦筒内に付着した液により吸い付けられることもなく、また、縦筒内に液の充満した状態で縦筒内の略中心を円滑に上下動して吸い込み弁座の確実なシールを行えるとともに、周囲に於ける充分な液の流通を可能とし、円滑な弁作用を発揮できるものである。
また、吸い込み弁及び吐出弁ともに、金属製の弁体を使用していないため、廃棄時の面倒な分別処理の必要がないという利点を兼ね備えたものである。
また、金属製の玉状弁体を使用していないため、収納液が金属との接触が好ましくないものである場合に便利であり、また、収納液の物性に応じて、弁体の材質を選択することができる便利もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す一部切欠き側面図である。
【図2】同実施例の吸い込み弁部分の要部縦断面図である。
【図3】従来ポンプに於ける吸い込み弁部分の要部縦断面図である。
【符号の説明】
2…容器体,3…口頚部,4…装着キャップ,5…縦筒,6…シリンダ,
7…射出筒,8…ポンプ本体,9…トリガー,10…弾性板,11…水平弁板,
12…吐出弁座,13…吐出弁,14…棒状部,16…吸い込み弁座,
17…吸い込み弁,18…縦突条,A…弁部材,B…玉状弁体
Claims (1)
- 容器体2の口頚部3に嵌合させる装着キャップ4と、装着キャップ上端から起立した縦筒5の中間部からシリンダ6を、その上部からは射出筒7をそれぞれ前方へ突出してなるポンプ本体8と、射出筒前部位置から前方付勢状態で揺動可能に垂設したトリガー9とを備え、トリガーの操作により内蔵ポンプ機構の作用で容器体内の液を吸い上げて噴出孔より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプに於いて、縦筒5内上端部に吊設した弾性圧縮可能な弾性板10下部に水平弁板11を延設するとともに、該弁板周縁部を縦筒5内上部に設けた吐出弁座12上に圧接して吐出弁13を構成し、且つ、水平弁板11下面中央より棒状部14を垂設してなる合成樹脂製の弁部材Aと、縦筒5内下部に突設した吸い込み弁座16上から棒状部14下面までの間を上下動可能に設けるとともに、吸い込み弁座16とで吸い込み弁17を構成する合成樹脂製の玉状弁体Bとを備え、吸い込み弁座16上方の縦筒5内周面に、内側面を玉状弁体Bと近接して案内する縦突条18を少なくとも3条、周方向間隔をあけて突設したことを特徴とするトリガー式液体噴出ポンプ。
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---|---|---|---|
JP26248698A JP4183052B2 (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | トリガー式液体噴出ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000070789A JP2000070789A (ja) | 2000-03-07 |
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ID=17376471
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26248698A Expired - Lifetime JP4183052B2 (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | トリガー式液体噴出ポンプ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP4183052B2 (ja) |
-
1998
- 1998-08-31 JP JP26248698A patent/JP4183052B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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