JP3746603B2 - 合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤及びその製造方法 - Google Patents
合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤及びその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤及びその製造方法に関し、研磨剤として、特に歯磨用基剤として有用な合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】
従来、研磨剤、殊に歯磨用基剤としては湿式法あるいは乾式法により製造した微粉末ケイ酸あるいは炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウムが用いられ、多くの新製法の開発、品質改良、使用法の改良が行われている。
【0003】
ところで、近年歯のう蝕を防ぐ目的でフッ素入り歯磨きが主流になりつつあり、上記基剤の中でもフッ素との相溶性に最も優れた微粉末ケイ酸が基剤の主位を占めるようになっている。
【0004】
現在使用されている微粉末ケイ酸は、主に湿式法により製造される微粉末ケイ酸であり、一般に沈降微粉末ケイ酸と称され、乾式法により製造される微粉末ケイ酸と区別されている。
【0005】
このような沈降微粉末ケイ酸は通常水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸を50〜100℃の範囲で反応させ沈降ケイ酸を濾過、乾燥することにより製造される。この反応工程で沈降するケイ酸は、通常一次平均粒子径が0.01〜0.5μmで、これらは凝集して二次粒子と称される凝集体を形成するがその平均粒子径は大略1.5〜30μm程度で、多数の微細孔を有する。
【0006】
ところで、このような沈降微粉末ケイ酸は一般に屈折率が1.44〜1.46の範囲にあり、透明歯磨用基剤としても好適であり、多用されているが反面これを白色度の要求される不透明練歯磨用基剤として使用するときは不透明度を阻害するため好ましくない。
【0007】
そこで、白色度の要求される練歯磨においては通常平均粒子径0.1〜0.4μmの隠蔽効果の高い酸化チタニウムが併用されるが、この微粉末酸化チタニウムは凝集性が強く練歯磨に分散させることが極めて困難である。
【0008】
分散が不十分であるとツブを生じたり、白色度効果が低下したり、歯磨の安定性が低下する等の問題が生じる。
【0009】
そこで、本願出願人の一人は先に二酸化チタニウム使用時に脂肪酸エタノールアミドを併用することを提案(特開昭60−75420号)し、相当程度上記問題が解決されることをつきとめたが、二物質の併用であるため製造工程が繁雑となる問題が依然残っていた。また、本願出願人の1人は先にZrO2、TiO2又はGeO2がSiO2に対して、0.1〜10重量%の割合で結合した合成無定形ケイ酸塩からなる清掃研磨基材(特公平5−14750号)を開発したが隠蔽効果が充分でなく、また歯磨用基剤として使用した場合フッ素との相溶性が充分でないことが判明した。そこで本発明者らは更に検討を重ねた結果、後述する物性を有するチタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤が、特に歯磨用基剤として使用したときに適度の研磨性を有すること、更にまた優れた隠蔽力とフッ素相溶性を有することを発見し、かかる知見に基づき本発明を完成したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性チタニウム塩と鉱酸とを主原料として反応させて得たチタニウムがTiO2としてSiO2に対し0.5〜15重量%の範囲で結合し、遊離のアルカリ金属(M)をM/SiO2で3.0〜12.0モル/モル%含有した合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤に関し、特に歯磨用基剤としての適度の研磨性を有し高い隠蔽効果と優れたフッ素との相容性を有する合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤を提供することを目的とする。
【0011】
【作用】
ところで、前記の他にアルミニウム、マグネシウム、銅、ジルコニウム、亜鉛の金属を結合した金属結合ケイ酸塩は周知であり、例えば特開昭49−91994号公報には沈降微粉末ケイ酸製造時に水可溶性アルミニウムあるいはマグネシウム塩を加えることによりシリカの屈折率を変えることができる旨が記載されている。また特開平8−283013号公報には抗菌剤あるいは防汚塗料として有用な非晶質ケイ酸銅が開示されている。また特公平4−35402号公報には水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性ジルコニウム塩と鉱酸とを反応させて得た合成無定形ジルコニウム結合ケイ酸塩が開示されている。特公平6−65605号公報には沈降微粉末ケイ酸を製造した後、これに亜鉛を化学結合させたシリカが開示されている。
【0012】
またチタニウムを結合させたチタニウム結合ケイ酸塩としては特開平8−12305号公報、特開平8−253313号公報、特開平8−253314号公報が知られており、特開平8−12305号公報にはテトラエチルシリケートとテトラブチルチタネートの混合溶液を加水分解してシリカーチタニア粒子を製造する方法が開示されている。
【0013】
特開平8−253313号公報にはテトラアルキルオルトシリケートとテトラアルキルオルトチタネートを用いてMFI型構造を有する結晶性チタノシリケートを製造する方法が開示されている。
【0014】
また特開平8−253314号公報にはテトラアルキルオルトシリケートとテトラアルキルオルトチタネートをアルカリ金属を含む水酸化テトラアルキルアンモニウム水溶液で加水分解し、次いで水熱合成して高結晶性チタノシリケートを製造する方法が開示されている。また、J.Phys.Chem.,1633−1636,90,1986にはテトラエチルシリケートと四塩化チタニウムの混合溶液にアンモニア水を加えてチタニウム−シリコン酸化物を製造する方法が開示されている。
【0015】
しかし、これらのアルキルシリケートとアルキルチタネートあるいはチタニウム塩との混合溶液を加水分解して得られるチタノシリケートは極めて高価であり、到底歯磨用基剤として使用できるものではない。
【0016】
特開平7−2520号公報には金属アルコキシドの加水分解により製造したシリカとチタニアを主な構成成分とし、全チタニア中のルチル型結晶チタニアの割合が5%以上である複合酸化物粒子が記載され、このような複合酸化物粒子は900〜1300℃で加熱して製造する旨が記載されている。
【0017】
また、特開平6−45451号公報にはケイ酸アルカリ水溶液とチタンの酸性水溶液とを用いて製造する一次粒子が10〜100nm、不透明度が0.5〜30,吸油量が100ml/100g〜300ml/100g及び比表面積が50〜400m2/gで且つチタニアがシリカに対して0.5〜30重量%含まれている非晶質のチタニア/シリカ複合体が記載され、このような複合体は、紙用充填剤、塗料用充填剤、ゴム用補強充填剤として有用な旨が記載されている。
【0018】
更にまた、特開平4−77417号公報には吸油量100cc/100g以上のチタニア/シリカ複合体粉末が浴用剤として有用な旨が記載されている。
【0019】
これらチタニア/シリカ粉末と本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩とは物性、用途を全く異にするものである。
【0020】
そこで先ず、本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤(以下、合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩と云う)の製造方法について詳述する。
【0021】
本発明に用いられる水溶性アルカリ金属ケイ酸塩としてはナトリウム、カリウム及びリチウムのケイ酸塩を挙げることができるが、比較的安価な点からケイ酸ナトリウムが一般的である。
【0022】
そのモル比、即ちSiO2/X2O(但し、Xはアルカリ金属を示す)は2〜4の範囲の水溶性アルカリ金属ケイ酸塩を用いることができる。また、本発明において、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩の酸性化剤として鉱酸、例えば塩酸、硫酸あるいは硝酸が用いられるが、本発明において特に重要な点は、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液と鉱酸とを反応させ、沈降微粉末ケイ酸を得る工程においてチタニウムを添加することにあり、また、反応をアルカリ側から開始することにある。本発明に使用するチタニウム供与物質としては、後述の水溶性チタニウム塩を用いることができ、その実施態様としては、別個に水溶性チタニウム塩溶液として反応させてもよいが、本発明者らが推奨する最良の方法は、あらかじめ水溶性チタニウム塩を鉱酸に添加して、チタニウム含有鉱酸とし、これを水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液と反応せしめる方法である。この方法によるときは、他の方法に比べてシリカ中に極めて均一にチタニウムを結合した状態でこれを製造することができる。本発明に用いられる水溶性チタニウム塩としては、塩化チタニウム、オキシ塩化チタニウム、硫酸チタニウム、硝酸チタニウム等を例示できるが、これらに限定されるものではない。また、水溶性チタニウム塩の使用量はTiO2として水溶性アルカリ金属ケイ酸塩のSiO2に対して0.5〜15重量%の範囲である。例えばチタニウムを含有せしめた鉱酸を用いる場合、上記範囲内において適宜調整して反応に供すればよい。下限を下廻る場合、チタニウムの添加効果が充分でなく、上限を越えると反応条件如何によっては、水酸化チタニウムが生成することがあり望ましくない。後述する如くチタニウム含有量が多くなる程合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の研磨性は小さくなる。従って硬度の小さい、あるいは鏡面研磨を希望する場合はチタニウム含有量を多くすることが望ましい。
【0023】
また、チタニウム含量が多くなる程隠蔽力は大きくなる。
【0024】
ところで、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性チタニウム塩と鉱酸との反応は、前述の如く反応をアルカリ側から開始することが重要である。反応をアルカリ側から開始することの必要性は、反応を酸性側から開始した場合、単一粒子の凝集体、即ち二次粒子が形成されずゲル状物質が生成することによる。
【0025】
尚、本発明で云う反応をアルカリ側から開始するとは、核生成をアルカリ側で行わせることを云い、具体的には、例えば、▲1▼反応槽に予め水溶性アルカリ金属ケイ酸塩を仕込んでおき、これに水溶性チタニウム塩及び鉱酸を添加反応せしめる方法。▲2▼反応槽に水溶性チタニウム塩含有鉱酸と水溶性アルカリ金属ケイ酸塩とを同時添加する方法に於いて、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩の添加量比を水溶性チタニウム含有鉱酸の当量以上とする方法。▲3▼反応槽に予め水溶性アルカリ金属ケイ酸塩を仕込み、鉱酸と水溶性チタニウム塩を所望量、同時若しくは別々に添加する方法等であり、要はシリカの核生成をアルカリ側で行わせることを云う。
【0026】
反応温度及びpHに関して云えば、温度は50〜100℃で行い、反応終了pHは6〜9となることが重要である。
【0027】
すなわち、他の反応条件が同一である場合、反応温度が50℃を下廻ると一次粒子の生成が起こり難く、しかも二次粒子の凝集力が弱くチタニウムの使用効果が充分発揮されない。
【0028】
また、一方反応終了pHが9を越えると、合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の析出が完全に行われず、反応収率は悪くなり、pHが6以下になると本発明の目的とする合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を製造することが極めて困難となる。即ち、反応終了pHが6以下になると研磨性が小さくなり、歯磨用基剤として好ましくないものとなる。また隠蔽力は低下し、フッ素との相溶性も極度に低下する。一般に反応終了pHが高い程、研磨性は大きくなり隠蔽力は向上し、フッ素との相溶性も大きくなる。
【0029】
次に遊離のアルカリ金属について云えば合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩に含有される遊離のアルカリ金属(M)の量はM/SiO2で3.0〜12.0モル/モル%含有されるべきである。この範囲以下であると研磨性は小さくなり、特に歯磨用基剤としては不適なものとなる。また隠蔽力は低下し、フッ素との相溶性も悪化する。また、この範囲以上にしても本発明の目的とする効果は得られずアルカリ金属含量が多くなり、研磨剤としては好ましくない。このような遊離のアルカリ金属は主に水溶性アルカリ金属ケイ酸塩に由来するものであるが、シリカ中への含有量の調整は主に反応終了pHによって調整される。水溶性アルカリ金属ケイ酸塩に由来するアルカリ金属で不足するときは別途水溶性アルカリ金属塩を添加する。これに使用する水溶性アルカリ金属としてはナリウム、カリウム、リチウムの水酸化物や炭酸塩、重炭酸塩が好例として挙げられるが、ケイ酸塩中への遊離のアルカリ金属含量を支配する主要因は上記の如く反応終了pHである。
【0030】
次いで鉱酸を添加する際の水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液のSiO2濃度について云えば5〜15重量%程度であることが望ましく、更に酸濃度も5〜25重量%程度が製造上好ましい。またチタニウム含有鉱酸を使用する場合に於いても同様である。原料濃度は他の条件を適宜選択することにより、この範囲内で目的とする本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得ることができる。
【0031】
このようにして製造した本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩は適度の研磨性を有すると共に、後述するフッ素との相溶性に優れ歯磨用基剤として極めて好適なものである。更にまたチタニウムがケイ酸と結合しているため、歯磨組成物への分散性は頗る良好であり、隠蔽力も秀抜したものである。
【0032】
先に述べた通りチタニウムに関して云えばチタニウム量が多くなるに従って研磨性は小さくなり、他方BET比表面積は大きくなる。
【0033】
本発明においてその目的を更によく達成させるためには、即ち所望する研磨性を得るためには、合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を析出させる工程において電解質物質を介在せしめることが有益である。即ち、チタニウム量を多くして、隠蔽力を向上させたいときに、電解質物質を使用することは特に有効である。前記の通り、チタニウム量が多くなると研磨性は小さくなる。そこで、電解質物質を介在させると隠蔽力は向上し、研磨性も大きくなる。
【0034】
電解質物質の存在下で水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液と水溶性チタニウム塩と鉱酸とを反応せしめて得られる合成無定形チタニム結合ケイ酸塩は、電解質物質の不存在下で得られる合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩に比べて研磨性が一層向上する。その傾向は電解質物質のある一定の範囲内に於いては、略比例関係にある。即ち電解質物質の使用量増大とともに研磨性も増大する。
【0035】
本発明に用いられる電解質物質としては、水溶性アルカリ金属の鉱酸塩が好ましく、例えばナトリウム、カリウム等の鉱酸塩であり、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等を例示することができる。また、その使用量に関しては、SiO2に対して5〜50重量%までの範囲内で適宜用いられる。5重量%以下ではその効果が充分でなく、50重量%を超えても添加量に見合う効果が得られない。その実施態様としては、電解質物質を予め水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液に含有させることが好ましいが、電解質物質量、反応温度、反応時間等を適宜選択することにより、鉱酸に電解質物質を添加し、反応させることを妨げるものではない。
【0036】
さて、本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の製造上の留意点としては、前記の通り反応をアルカリ側で開始することに加えて、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液中のシリカ(SiO2)分が完全に析出し終えるまでの工程で水溶性チタニウム塩を添加、反応させることにあり、望ましくは水溶性チタニウム塩を予め鉱酸中に含有せしめる方法が良い。即ち、全シリカが析出し終わった時点から水溶性チタニウム塩を添加しても本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得ることができない。例えば、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液と鉱酸とを同時添加する方法においては、両者の添加終了時までに水溶性チタニウム塩を添加すべきである。水溶性チタニウム塩の添加終了後、用途により所望するpHまで鉱酸を添加すればよい。しかしながら反応終了pHが6以下では本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得ることが極めて困難となる。
【0037】
反応終了後は、通常の方法により濾過、水洗を行い、得られた合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を液から分離し、乾燥、粉砕して製品とする。
【0038】
このようにして得られた合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩はシリカとチタニウムが結合したものである。即ち、後述する如く上記の如くして製造したシリカは500℃焼成品が無定形であるに対し、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と鉱酸とを反応させて得たシリカと水酸化チタニウムの混合物焼成品はアナターゼ型の結晶ピークを示し、本発明品はシリカとチタニウムが結合したものであることが判る。
【0039】
更にまた、後述するように、沈降微粉末ケイ酸と水酸化チタニウムとの混合物は硫酸に対するチタニウムの溶出率が極めて大きいのに対し、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩のチタニウムの溶出率は混合物の約1/2程度であり、明らかにシリカとチタニウムが結合していることが判る。
【0040】
さて上記のようにして得られた合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩はチタニウムがTiO2としてSiO2に対し、0.5〜15重量%の範囲でシリカと結合したものであり、遊離のアルカリ金属(M)をM/SiO2で3.0〜12.0モル/モル%含有したものである。またその一次粒子の平均粒子径は0.01〜0.50μmであり、且つ凝集体の二次平均粒子径は3〜25μm、BET法による比表面積は20〜200m2/gである。殊に本発明においてはBET比表面積が重要であって、BET比表面積が20m2/g以下であると隠蔽力が低下し、200m2/g以上になるとフッ素との相溶性が悪くなる。従ってBET比表面積の範囲は厳守されるべきである。この合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を殊に歯磨用基剤に用いた場合、極めて容易に白色度を向上させることができ、またフッ素との相溶性も極めて高いものであり、更にまたその研磨力も適正な範囲において調整されているため、秀抜した歯磨用基剤となる。
【0041】
本発明を更に説明するに当たり、本発明に用いる用語、遊離のアルカリ金属量、隠蔽力、フッ素相溶性、X線解析、研磨減量、チタニウム溶出率、平均一次粒子径、凝集体の二次平均粒子径、BET法による比表面積について説明する。
【0042】
1.遊離のアルカリ金属量
試料の組成分析は、蛍光X線分析法にて行った。蛍光X線分析測定装置は、PHILIPS製PW2400を用い、解析ソフトのユニクォントII(UQ−II)にて得られた各成分の量から次式にて遊離のアルカリ金属の量を求めた。
遊離のアルカリ金属量(モル/モル%)=[アルカリ金属のモル数−(酸根のモル数×酸根の価数)]/シリカ(SiO2)のモル数×100
【0043】
2.隠蔽力
2枚のガラス板(5×100×100mm硬質ガラス)の間にスラリー*をはさみ、25℃湿度75%の恒温室内で、JIS Z8720(測色用の標準の光及び標準光源)の6.2に規定される標準光源Cを用いたボックス型標準照明装置を用いて測定した。評価は、ガラス板下の文字の見え方により、表1の通り5段階評価で行った。
*スラリー:グリセリンに試料を5%配合し分散、脱泡を行ったものを試験に使用した。
【0044】
【表1】
【0045】
3.フッ素相溶性
50ml容サンプル瓶にFとして1000ppm含有するNaF溶液25mlと試料5gを添加・混合し、50℃の孵卵機で7日間保存した後、遠心分離器で固液分離を行い、液層中のF量をイオンメーターにて測定し、残存フッ素量を求めた。
【0046】
4.X線解析
X線回折装置は理学電気(株)製ガイガーフレックスRAD−IA型を使用した。
【0047】
5.研磨減量
水平往復ブラッシング式研磨機を使用し、試料25%を含む60%グリセリン水溶液を表面平滑な銅板上に載せ、荷重400gをかけて18,000回研磨した後、銅板の減量を測定し、これを研磨減量とした。
【0048】
6.チタニウム溶出率
試料1gを100ml容三角フラスコに取り、1N硫酸80gを加え、80℃で1時間加熱・攪拌した。冷却後、メンブランフィルター(ADVANTEC Celluose Nitrate 0.3μm)を用いてろ過した濾液を100ml容メスフラスコに取り供試液とした。次いで、この供試液中のチタニウム量をJarrell−Ash製ICP−AESを用いて測定し、試料1g当たりのチタニウム溶出量(ag)を求めた。
一方、試料1gを白金皿に取り、水10ml、50%硫酸0.5ml、フッ化水素酸10mlを加え、砂浴上で加熱溶解せしめ上述した方法に従って試料1g当たりのチタニウム含有量(bg)を求め、次式によりチタニウム溶出量を算出した。
チタニウム溶出率(%)=a/b×100
【0049】
7.平均一次粒子径
走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、電子プローブマイクロアナライザー、JXA−840A)観察により、単位粒子径を測定し、その結果を基に算術平均値を求めた。
【0050】
8.凝集体の二次平均粒子径
遠心沈降粒度分布測定装置((株)島津製作所製、SA−CP2型)により、水を分散媒に使用し、粒度分布を測定し、累積分布が50重量%における粒子径を二次平均粒子径とした。
【0051】
9.BET法による比表面積
液体窒素を冷却剤に用い、−196℃における窒素ガス吸着量から分子量面積を16.2(オングストローム)2としてBET法により無水物グラム当たりの比表面積を算出した。試料の脱ガスは140℃で60分間行った。
さて、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩は以上説明した如き物性を有するものであり、歯磨用基剤、殊に白色度及びフッ素との相溶性を要求される歯磨用基剤として有用であるが、プラスチック研磨剤、金属研磨剤、ガラス研磨剤、セラミック研磨剤等各種研磨に使用するときも極めて有益である。
【0052】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて更に説明するが、特に断らない限り%は全て重量%を示す。
【0053】
(実施例1)
150mmφタービン翼を有する攪拌機を設けた20L容邪魔板付き反応容器にSiO2100g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2O・3.14SiO2)水溶液10Kgを入れ、反応温度90℃に保持し、これに表2のような割合になるようにオキシ塩化チタニウム溶液(TiO227%)と10%硫酸の混合溶液を添加し、次いで10%硫酸をpH7.5になるまで添加し、更に20分間熟成しナトリウム含有の異なる本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を製造した。これらケイ酸塩について研磨減量を測定した。その結果を表2に示す。
尚、(Na又はK)/SiO2(モル/モル%)は遊離のアルカリ金属量を示す(以下同じ)。
【0054】
【表2】
【0055】
(実施例2)
実施例1の装置を用いて反応容器にSiO2100g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2O・3.14SiO2)水溶液8.92Kgを入れ、反応温度95℃に保持し、これに表3のような割合でオキシ塩化チタニウム溶液(TiO227%)を添加するとともに、10%硫酸を、反応系のpHが表3に示す所定pHになるまで添加し、添加終了後そのまま20分間熟成した。
このスラリーを濾過、水洗し、110℃に保った乾燥機中で乾燥後、粉砕し、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。こうして得られた合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩について後記する隠蔽力及びSiO2に対する遊離のNa量(モル/モル%)並びにBET比表面積を測定した。その結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
(実施例3)
実施例1で用いた反応容器にSiO2105g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2O・3.17SiO2)水溶液10Kg及び塩化ナトリウム105gを入れ反応温度90℃に保持し、これに表4のような割合になるようにオキシ塩化チタニウム溶液(TiO227%)と10%硫酸の混合溶液を添加し、次いで、30分間熟成しナトリウム含量の異なる本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を製造した。これらケイ酸塩についてフッ素相溶性を測定した。その結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】
表4から、本発明ケイ酸塩は優れたフッ素相溶性を示すことが判る。
また本発明例のケイ酸塩は全て、一次粒子の平均粒子径は0.01〜0.50μmの範囲にあり、二次平均粒子径も3〜25μmの範囲にあり、且つBET比表面積も20〜200m2/gの範囲にあった。
【0060】
(実施例4)
実施例1で用いた反応容器に実施例3で使用したと同一組成のケイ酸ナトリウム水溶液10Kgと表5に示す割合で、電解質物質として塩化ナトリウムを入れ、反応温度85℃に保持し、これに硫酸チタニウム溶液(TiO217%)を5.2g/分の速度で60分間、また10%硫酸を60g/分の速度で60分間で同時添加し、次いで後者のみ引続いて添加し、pHが6.7になった時点で添加終了し、15分間熟成した。このスラリーを濾過、水洗後110℃に保った乾燥器中で乾燥後粉砕し、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。このケイ酸塩について銅板研磨減量を測定した。尚、電解質物質を添加しないものについても同様に測定した。その結果を併せ表5に示す。
【0061】
【表5】
【0062】
(実施例5)
実施例1で用いた反応容器にSiO2100g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2O・3.14SiO2)水溶液9.2Kgを入れ、反応温度を95℃に保持し、これに塩化ナトリウム138gを添加した後、チタニウム2.5%(TiO2として)を含有する硫酸チタニウム含有10%硫酸を62.5g/分の速度で60分間添加し、次いで10%硫酸を添加し、反応系のpHが7.5になったときに10%硫酸の添加を止め、そのまま30分間熟成した。
このスラリーを濾過、水洗後110℃に保った乾燥機中で乾燥後粉砕し、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。このケイ酸塩の分析の結果、Na=3.04%、SO4=0.96%、Cl=0.380%、SiO2=81.38%であり、遊離のナトリウムNa/SiO2=7.49モル/モル%であった。更に物性を測定したところ研磨減量は2.07mg、一次平均粒子径は0.03μm、凝集体の二次平均粒子径は10.1μm、BET比表面積は148m2/gであった。
【0063】
また、硫酸チタニウムを含有しないことを除いては同様の方法によりチタニウムを結合しない沈降微粉末ケイ酸(比較例)を製造した。これらの電子顕微鏡写真を図1(本発明品)及び図2(比較品)を示す。
【0064】
一方上記反応容器にNa2O濃度3.66%の水酸化ナトリウム溶液8.3Kgを入れ、反応温度を95℃に保持し、これに塩化ナトリウム138gを添加した後、チタニウム2.5%(TiO2として)を含有する硫酸チタニウム含有10%硫酸を62.5g/分の速度で60分間添加し、次いで10%硫酸を添加し反応系のpHが7.5になったときに10%硫酸の添加を止め、水酸化チタニウム含有スラリーを製造した。このスラリーを濾過、水洗を繰り返し、110℃に保った乾燥機中で乾燥後粉砕し水酸化チタニウムを得た。この水酸化チタニウムを上記比較品とチタニウムがTiO2としてSiO2に対し10%になるように混合した。上記本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩(本発明未焼成品)及びこれを500℃で3時間焼成したもの(本発明焼成品)、上記比較品と水酸化チタニウムとの混合品を500℃で3時間焼成したもの(比較例焼成品)についてX線解析を行った。その結果を図3、図4及び図5に示す。
【0065】
この結果より本発明品は無定形であり、シリカとチタニウムが結合していることが判る。
【0066】
(実施例6)
実施例1で用いた反応容器にSiO2110g/Kgを含有するケイ酸カリウム(K2O・3.0SiO2)水溶液を10Kg入れ、反応温度を65℃に保持し、これに塩化ナトリウムをSiO2に対して10%添加し、次いでTiO2を2.0%含有するオキシ塩化チタニウム含有10%硫酸を反応溶液pHが6.5になるまで添加し、20分間熟成した。
【0067】
このスラリーを濾過、水洗し、110℃に保った乾燥機中で乾燥後粉砕し、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。この研磨減量を測定した結果、0.77mg、BET比表面積184m2/g、一次平均粒子径0.03μm、二次平均粒子径9.3μm、遊離のカリウムK/SiO2=5.27モル/モル%であった。
【0068】
(実施例7)
実施例1で用いた反応容器にSiO2 83g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2O・3.14SiO2)水溶液10Kg及び塩化ナトリウム25gを入れ反応温度75℃に保持し、これにオキシ塩化チタニウム溶液(TiO2 23%)と8%硫酸5Kgを同時に添加し、硫酸の添加速度及び攪拌速度を変えることにより2種類の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。
【0069】
その物性はそれぞれ次の通りであった。
▲1▼TiO2/SiO2=2.50%、遊離のナトリウム Na/SiO2=4.21モル/モル%
BET比表面積 175m2/g
一次平均粒子径 0.04μm、二次平均粒子径 15μm
▲2▼TiO2/SiO2=2.46%、遊離のナトリウム Na/SiO2=4.15モル/モル%
BET比表面積 318m2/g
一次平均粒子径 0.02μm、二次平均粒子径 17μm
上記▲1▼及び▲2▼の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を用い表6に示した溶液を調整した。
【0070】
【表6】
【0071】
この調整液の25℃、2ヶ月後の隠蔽力を調べた結果、試料▲1▼は評点3であるのに対し、試料▲2▼は評点2であった。即ち、BET比表面積は200m2/g以下が好ましい。本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩は歯磨組成物としても長期間安定であることが判る。また、▲1▼及び▲2▼の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩についてフッ素との相溶性を調べた結果、▲1▼は947ppmであり▲2▼は710ppmであった。
【0072】
(実施例8)
実施例5の本発明品及び比較品をグリセリン:蒸留水を1:1(重量)で混合した溶液に10%添加して、専門パネラー10名による官能試験を実施した。その結果、両者に差異は認められなかった。その結果を表7に示す。
【0073】
【表7】
上表からシリカにチタンを結合させることにより、渋味がとれ、本発明品は歯磨用基剤として極めて適切なものであることが判る。
【0074】
(実施例9)
実施例1で用いた反応容器にSiO290g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2O・3.17SiO2)水溶液10Kgを入れ、反応温度を95℃に保持し、これにTiO2を3.0%含有するオキシ塩化チタニウム含有10%硫酸を2.13Kg添加し、次いで反応pHが6.8になるまで10%硫酸を添加し、15分間熟成した。このスラリーを濾過、水洗し、110℃に保った乾燥機中で乾燥後粉砕し遊離のナトリウムNa/SiO2=6.40モル/モル%の本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。このチタニウム溶出率を測定した結果29.6%であった。
【0075】
また、オキシ塩化チタニウムを含有しない硫酸を用いて上記と同様の方法により沈降微粉末ケイ酸を製造した。この沈降微粉末ケイ酸と実施例5の水酸化チタニウムをチタニウムがTiO2としてSiO2に対し7%になるように混合し、混合物のチタニウム溶出率を測定した結果61.3%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の電子顕微鏡写真である。
【図2】チタニウムを含有しない沈降微粉末ケイ酸の電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩のX線回折図である。
【図4】本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の500℃3時間焼成品のX線回折図である。
【図5】チタニウムを含有しない沈降微粉末ケイ酸と水酸化チタニウムの混合物の500℃3時間焼成品のX線回折図である。
【産業上の利用分野】
本発明は合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤及びその製造方法に関し、研磨剤として、特に歯磨用基剤として有用な合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】
従来、研磨剤、殊に歯磨用基剤としては湿式法あるいは乾式法により製造した微粉末ケイ酸あるいは炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウムが用いられ、多くの新製法の開発、品質改良、使用法の改良が行われている。
【0003】
ところで、近年歯のう蝕を防ぐ目的でフッ素入り歯磨きが主流になりつつあり、上記基剤の中でもフッ素との相溶性に最も優れた微粉末ケイ酸が基剤の主位を占めるようになっている。
【0004】
現在使用されている微粉末ケイ酸は、主に湿式法により製造される微粉末ケイ酸であり、一般に沈降微粉末ケイ酸と称され、乾式法により製造される微粉末ケイ酸と区別されている。
【0005】
このような沈降微粉末ケイ酸は通常水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸を50〜100℃の範囲で反応させ沈降ケイ酸を濾過、乾燥することにより製造される。この反応工程で沈降するケイ酸は、通常一次平均粒子径が0.01〜0.5μmで、これらは凝集して二次粒子と称される凝集体を形成するがその平均粒子径は大略1.5〜30μm程度で、多数の微細孔を有する。
【0006】
ところで、このような沈降微粉末ケイ酸は一般に屈折率が1.44〜1.46の範囲にあり、透明歯磨用基剤としても好適であり、多用されているが反面これを白色度の要求される不透明練歯磨用基剤として使用するときは不透明度を阻害するため好ましくない。
【0007】
そこで、白色度の要求される練歯磨においては通常平均粒子径0.1〜0.4μmの隠蔽効果の高い酸化チタニウムが併用されるが、この微粉末酸化チタニウムは凝集性が強く練歯磨に分散させることが極めて困難である。
【0008】
分散が不十分であるとツブを生じたり、白色度効果が低下したり、歯磨の安定性が低下する等の問題が生じる。
【0009】
そこで、本願出願人の一人は先に二酸化チタニウム使用時に脂肪酸エタノールアミドを併用することを提案(特開昭60−75420号)し、相当程度上記問題が解決されることをつきとめたが、二物質の併用であるため製造工程が繁雑となる問題が依然残っていた。また、本願出願人の1人は先にZrO2、TiO2又はGeO2がSiO2に対して、0.1〜10重量%の割合で結合した合成無定形ケイ酸塩からなる清掃研磨基材(特公平5−14750号)を開発したが隠蔽効果が充分でなく、また歯磨用基剤として使用した場合フッ素との相溶性が充分でないことが判明した。そこで本発明者らは更に検討を重ねた結果、後述する物性を有するチタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤が、特に歯磨用基剤として使用したときに適度の研磨性を有すること、更にまた優れた隠蔽力とフッ素相溶性を有することを発見し、かかる知見に基づき本発明を完成したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性チタニウム塩と鉱酸とを主原料として反応させて得たチタニウムがTiO2としてSiO2に対し0.5〜15重量%の範囲で結合し、遊離のアルカリ金属(M)をM/SiO2で3.0〜12.0モル/モル%含有した合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤に関し、特に歯磨用基剤としての適度の研磨性を有し高い隠蔽効果と優れたフッ素との相容性を有する合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤を提供することを目的とする。
【0011】
【作用】
ところで、前記の他にアルミニウム、マグネシウム、銅、ジルコニウム、亜鉛の金属を結合した金属結合ケイ酸塩は周知であり、例えば特開昭49−91994号公報には沈降微粉末ケイ酸製造時に水可溶性アルミニウムあるいはマグネシウム塩を加えることによりシリカの屈折率を変えることができる旨が記載されている。また特開平8−283013号公報には抗菌剤あるいは防汚塗料として有用な非晶質ケイ酸銅が開示されている。また特公平4−35402号公報には水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性ジルコニウム塩と鉱酸とを反応させて得た合成無定形ジルコニウム結合ケイ酸塩が開示されている。特公平6−65605号公報には沈降微粉末ケイ酸を製造した後、これに亜鉛を化学結合させたシリカが開示されている。
【0012】
またチタニウムを結合させたチタニウム結合ケイ酸塩としては特開平8−12305号公報、特開平8−253313号公報、特開平8−253314号公報が知られており、特開平8−12305号公報にはテトラエチルシリケートとテトラブチルチタネートの混合溶液を加水分解してシリカーチタニア粒子を製造する方法が開示されている。
【0013】
特開平8−253313号公報にはテトラアルキルオルトシリケートとテトラアルキルオルトチタネートを用いてMFI型構造を有する結晶性チタノシリケートを製造する方法が開示されている。
【0014】
また特開平8−253314号公報にはテトラアルキルオルトシリケートとテトラアルキルオルトチタネートをアルカリ金属を含む水酸化テトラアルキルアンモニウム水溶液で加水分解し、次いで水熱合成して高結晶性チタノシリケートを製造する方法が開示されている。また、J.Phys.Chem.,1633−1636,90,1986にはテトラエチルシリケートと四塩化チタニウムの混合溶液にアンモニア水を加えてチタニウム−シリコン酸化物を製造する方法が開示されている。
【0015】
しかし、これらのアルキルシリケートとアルキルチタネートあるいはチタニウム塩との混合溶液を加水分解して得られるチタノシリケートは極めて高価であり、到底歯磨用基剤として使用できるものではない。
【0016】
特開平7−2520号公報には金属アルコキシドの加水分解により製造したシリカとチタニアを主な構成成分とし、全チタニア中のルチル型結晶チタニアの割合が5%以上である複合酸化物粒子が記載され、このような複合酸化物粒子は900〜1300℃で加熱して製造する旨が記載されている。
【0017】
また、特開平6−45451号公報にはケイ酸アルカリ水溶液とチタンの酸性水溶液とを用いて製造する一次粒子が10〜100nm、不透明度が0.5〜30,吸油量が100ml/100g〜300ml/100g及び比表面積が50〜400m2/gで且つチタニアがシリカに対して0.5〜30重量%含まれている非晶質のチタニア/シリカ複合体が記載され、このような複合体は、紙用充填剤、塗料用充填剤、ゴム用補強充填剤として有用な旨が記載されている。
【0018】
更にまた、特開平4−77417号公報には吸油量100cc/100g以上のチタニア/シリカ複合体粉末が浴用剤として有用な旨が記載されている。
【0019】
これらチタニア/シリカ粉末と本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩とは物性、用途を全く異にするものである。
【0020】
そこで先ず、本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤(以下、合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩と云う)の製造方法について詳述する。
【0021】
本発明に用いられる水溶性アルカリ金属ケイ酸塩としてはナトリウム、カリウム及びリチウムのケイ酸塩を挙げることができるが、比較的安価な点からケイ酸ナトリウムが一般的である。
【0022】
そのモル比、即ちSiO2/X2O(但し、Xはアルカリ金属を示す)は2〜4の範囲の水溶性アルカリ金属ケイ酸塩を用いることができる。また、本発明において、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩の酸性化剤として鉱酸、例えば塩酸、硫酸あるいは硝酸が用いられるが、本発明において特に重要な点は、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液と鉱酸とを反応させ、沈降微粉末ケイ酸を得る工程においてチタニウムを添加することにあり、また、反応をアルカリ側から開始することにある。本発明に使用するチタニウム供与物質としては、後述の水溶性チタニウム塩を用いることができ、その実施態様としては、別個に水溶性チタニウム塩溶液として反応させてもよいが、本発明者らが推奨する最良の方法は、あらかじめ水溶性チタニウム塩を鉱酸に添加して、チタニウム含有鉱酸とし、これを水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液と反応せしめる方法である。この方法によるときは、他の方法に比べてシリカ中に極めて均一にチタニウムを結合した状態でこれを製造することができる。本発明に用いられる水溶性チタニウム塩としては、塩化チタニウム、オキシ塩化チタニウム、硫酸チタニウム、硝酸チタニウム等を例示できるが、これらに限定されるものではない。また、水溶性チタニウム塩の使用量はTiO2として水溶性アルカリ金属ケイ酸塩のSiO2に対して0.5〜15重量%の範囲である。例えばチタニウムを含有せしめた鉱酸を用いる場合、上記範囲内において適宜調整して反応に供すればよい。下限を下廻る場合、チタニウムの添加効果が充分でなく、上限を越えると反応条件如何によっては、水酸化チタニウムが生成することがあり望ましくない。後述する如くチタニウム含有量が多くなる程合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の研磨性は小さくなる。従って硬度の小さい、あるいは鏡面研磨を希望する場合はチタニウム含有量を多くすることが望ましい。
【0023】
また、チタニウム含量が多くなる程隠蔽力は大きくなる。
【0024】
ところで、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性チタニウム塩と鉱酸との反応は、前述の如く反応をアルカリ側から開始することが重要である。反応をアルカリ側から開始することの必要性は、反応を酸性側から開始した場合、単一粒子の凝集体、即ち二次粒子が形成されずゲル状物質が生成することによる。
【0025】
尚、本発明で云う反応をアルカリ側から開始するとは、核生成をアルカリ側で行わせることを云い、具体的には、例えば、▲1▼反応槽に予め水溶性アルカリ金属ケイ酸塩を仕込んでおき、これに水溶性チタニウム塩及び鉱酸を添加反応せしめる方法。▲2▼反応槽に水溶性チタニウム塩含有鉱酸と水溶性アルカリ金属ケイ酸塩とを同時添加する方法に於いて、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩の添加量比を水溶性チタニウム含有鉱酸の当量以上とする方法。▲3▼反応槽に予め水溶性アルカリ金属ケイ酸塩を仕込み、鉱酸と水溶性チタニウム塩を所望量、同時若しくは別々に添加する方法等であり、要はシリカの核生成をアルカリ側で行わせることを云う。
【0026】
反応温度及びpHに関して云えば、温度は50〜100℃で行い、反応終了pHは6〜9となることが重要である。
【0027】
すなわち、他の反応条件が同一である場合、反応温度が50℃を下廻ると一次粒子の生成が起こり難く、しかも二次粒子の凝集力が弱くチタニウムの使用効果が充分発揮されない。
【0028】
また、一方反応終了pHが9を越えると、合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の析出が完全に行われず、反応収率は悪くなり、pHが6以下になると本発明の目的とする合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を製造することが極めて困難となる。即ち、反応終了pHが6以下になると研磨性が小さくなり、歯磨用基剤として好ましくないものとなる。また隠蔽力は低下し、フッ素との相溶性も極度に低下する。一般に反応終了pHが高い程、研磨性は大きくなり隠蔽力は向上し、フッ素との相溶性も大きくなる。
【0029】
次に遊離のアルカリ金属について云えば合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩に含有される遊離のアルカリ金属(M)の量はM/SiO2で3.0〜12.0モル/モル%含有されるべきである。この範囲以下であると研磨性は小さくなり、特に歯磨用基剤としては不適なものとなる。また隠蔽力は低下し、フッ素との相溶性も悪化する。また、この範囲以上にしても本発明の目的とする効果は得られずアルカリ金属含量が多くなり、研磨剤としては好ましくない。このような遊離のアルカリ金属は主に水溶性アルカリ金属ケイ酸塩に由来するものであるが、シリカ中への含有量の調整は主に反応終了pHによって調整される。水溶性アルカリ金属ケイ酸塩に由来するアルカリ金属で不足するときは別途水溶性アルカリ金属塩を添加する。これに使用する水溶性アルカリ金属としてはナリウム、カリウム、リチウムの水酸化物や炭酸塩、重炭酸塩が好例として挙げられるが、ケイ酸塩中への遊離のアルカリ金属含量を支配する主要因は上記の如く反応終了pHである。
【0030】
次いで鉱酸を添加する際の水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液のSiO2濃度について云えば5〜15重量%程度であることが望ましく、更に酸濃度も5〜25重量%程度が製造上好ましい。またチタニウム含有鉱酸を使用する場合に於いても同様である。原料濃度は他の条件を適宜選択することにより、この範囲内で目的とする本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得ることができる。
【0031】
このようにして製造した本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩は適度の研磨性を有すると共に、後述するフッ素との相溶性に優れ歯磨用基剤として極めて好適なものである。更にまたチタニウムがケイ酸と結合しているため、歯磨組成物への分散性は頗る良好であり、隠蔽力も秀抜したものである。
【0032】
先に述べた通りチタニウムに関して云えばチタニウム量が多くなるに従って研磨性は小さくなり、他方BET比表面積は大きくなる。
【0033】
本発明においてその目的を更によく達成させるためには、即ち所望する研磨性を得るためには、合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を析出させる工程において電解質物質を介在せしめることが有益である。即ち、チタニウム量を多くして、隠蔽力を向上させたいときに、電解質物質を使用することは特に有効である。前記の通り、チタニウム量が多くなると研磨性は小さくなる。そこで、電解質物質を介在させると隠蔽力は向上し、研磨性も大きくなる。
【0034】
電解質物質の存在下で水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液と水溶性チタニウム塩と鉱酸とを反応せしめて得られる合成無定形チタニム結合ケイ酸塩は、電解質物質の不存在下で得られる合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩に比べて研磨性が一層向上する。その傾向は電解質物質のある一定の範囲内に於いては、略比例関係にある。即ち電解質物質の使用量増大とともに研磨性も増大する。
【0035】
本発明に用いられる電解質物質としては、水溶性アルカリ金属の鉱酸塩が好ましく、例えばナトリウム、カリウム等の鉱酸塩であり、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等を例示することができる。また、その使用量に関しては、SiO2に対して5〜50重量%までの範囲内で適宜用いられる。5重量%以下ではその効果が充分でなく、50重量%を超えても添加量に見合う効果が得られない。その実施態様としては、電解質物質を予め水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液に含有させることが好ましいが、電解質物質量、反応温度、反応時間等を適宜選択することにより、鉱酸に電解質物質を添加し、反応させることを妨げるものではない。
【0036】
さて、本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の製造上の留意点としては、前記の通り反応をアルカリ側で開始することに加えて、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液中のシリカ(SiO2)分が完全に析出し終えるまでの工程で水溶性チタニウム塩を添加、反応させることにあり、望ましくは水溶性チタニウム塩を予め鉱酸中に含有せしめる方法が良い。即ち、全シリカが析出し終わった時点から水溶性チタニウム塩を添加しても本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得ることができない。例えば、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液と鉱酸とを同時添加する方法においては、両者の添加終了時までに水溶性チタニウム塩を添加すべきである。水溶性チタニウム塩の添加終了後、用途により所望するpHまで鉱酸を添加すればよい。しかしながら反応終了pHが6以下では本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得ることが極めて困難となる。
【0037】
反応終了後は、通常の方法により濾過、水洗を行い、得られた合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を液から分離し、乾燥、粉砕して製品とする。
【0038】
このようにして得られた合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩はシリカとチタニウムが結合したものである。即ち、後述する如く上記の如くして製造したシリカは500℃焼成品が無定形であるに対し、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と鉱酸とを反応させて得たシリカと水酸化チタニウムの混合物焼成品はアナターゼ型の結晶ピークを示し、本発明品はシリカとチタニウムが結合したものであることが判る。
【0039】
更にまた、後述するように、沈降微粉末ケイ酸と水酸化チタニウムとの混合物は硫酸に対するチタニウムの溶出率が極めて大きいのに対し、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩のチタニウムの溶出率は混合物の約1/2程度であり、明らかにシリカとチタニウムが結合していることが判る。
【0040】
さて上記のようにして得られた合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩はチタニウムがTiO2としてSiO2に対し、0.5〜15重量%の範囲でシリカと結合したものであり、遊離のアルカリ金属(M)をM/SiO2で3.0〜12.0モル/モル%含有したものである。またその一次粒子の平均粒子径は0.01〜0.50μmであり、且つ凝集体の二次平均粒子径は3〜25μm、BET法による比表面積は20〜200m2/gである。殊に本発明においてはBET比表面積が重要であって、BET比表面積が20m2/g以下であると隠蔽力が低下し、200m2/g以上になるとフッ素との相溶性が悪くなる。従ってBET比表面積の範囲は厳守されるべきである。この合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を殊に歯磨用基剤に用いた場合、極めて容易に白色度を向上させることができ、またフッ素との相溶性も極めて高いものであり、更にまたその研磨力も適正な範囲において調整されているため、秀抜した歯磨用基剤となる。
【0041】
本発明を更に説明するに当たり、本発明に用いる用語、遊離のアルカリ金属量、隠蔽力、フッ素相溶性、X線解析、研磨減量、チタニウム溶出率、平均一次粒子径、凝集体の二次平均粒子径、BET法による比表面積について説明する。
【0042】
1.遊離のアルカリ金属量
試料の組成分析は、蛍光X線分析法にて行った。蛍光X線分析測定装置は、PHILIPS製PW2400を用い、解析ソフトのユニクォントII(UQ−II)にて得られた各成分の量から次式にて遊離のアルカリ金属の量を求めた。
遊離のアルカリ金属量(モル/モル%)=[アルカリ金属のモル数−(酸根のモル数×酸根の価数)]/シリカ(SiO2)のモル数×100
【0043】
2.隠蔽力
2枚のガラス板(5×100×100mm硬質ガラス)の間にスラリー*をはさみ、25℃湿度75%の恒温室内で、JIS Z8720(測色用の標準の光及び標準光源)の6.2に規定される標準光源Cを用いたボックス型標準照明装置を用いて測定した。評価は、ガラス板下の文字の見え方により、表1の通り5段階評価で行った。
*スラリー:グリセリンに試料を5%配合し分散、脱泡を行ったものを試験に使用した。
【0044】
【表1】
【0045】
3.フッ素相溶性
50ml容サンプル瓶にFとして1000ppm含有するNaF溶液25mlと試料5gを添加・混合し、50℃の孵卵機で7日間保存した後、遠心分離器で固液分離を行い、液層中のF量をイオンメーターにて測定し、残存フッ素量を求めた。
【0046】
4.X線解析
X線回折装置は理学電気(株)製ガイガーフレックスRAD−IA型を使用した。
【0047】
5.研磨減量
水平往復ブラッシング式研磨機を使用し、試料25%を含む60%グリセリン水溶液を表面平滑な銅板上に載せ、荷重400gをかけて18,000回研磨した後、銅板の減量を測定し、これを研磨減量とした。
【0048】
6.チタニウム溶出率
試料1gを100ml容三角フラスコに取り、1N硫酸80gを加え、80℃で1時間加熱・攪拌した。冷却後、メンブランフィルター(ADVANTEC Celluose Nitrate 0.3μm)を用いてろ過した濾液を100ml容メスフラスコに取り供試液とした。次いで、この供試液中のチタニウム量をJarrell−Ash製ICP−AESを用いて測定し、試料1g当たりのチタニウム溶出量(ag)を求めた。
一方、試料1gを白金皿に取り、水10ml、50%硫酸0.5ml、フッ化水素酸10mlを加え、砂浴上で加熱溶解せしめ上述した方法に従って試料1g当たりのチタニウム含有量(bg)を求め、次式によりチタニウム溶出量を算出した。
チタニウム溶出率(%)=a/b×100
【0049】
7.平均一次粒子径
走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、電子プローブマイクロアナライザー、JXA−840A)観察により、単位粒子径を測定し、その結果を基に算術平均値を求めた。
【0050】
8.凝集体の二次平均粒子径
遠心沈降粒度分布測定装置((株)島津製作所製、SA−CP2型)により、水を分散媒に使用し、粒度分布を測定し、累積分布が50重量%における粒子径を二次平均粒子径とした。
【0051】
9.BET法による比表面積
液体窒素を冷却剤に用い、−196℃における窒素ガス吸着量から分子量面積を16.2(オングストローム)2としてBET法により無水物グラム当たりの比表面積を算出した。試料の脱ガスは140℃で60分間行った。
さて、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩は以上説明した如き物性を有するものであり、歯磨用基剤、殊に白色度及びフッ素との相溶性を要求される歯磨用基剤として有用であるが、プラスチック研磨剤、金属研磨剤、ガラス研磨剤、セラミック研磨剤等各種研磨に使用するときも極めて有益である。
【0052】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて更に説明するが、特に断らない限り%は全て重量%を示す。
【0053】
(実施例1)
150mmφタービン翼を有する攪拌機を設けた20L容邪魔板付き反応容器にSiO2100g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2O・3.14SiO2)水溶液10Kgを入れ、反応温度90℃に保持し、これに表2のような割合になるようにオキシ塩化チタニウム溶液(TiO227%)と10%硫酸の混合溶液を添加し、次いで10%硫酸をpH7.5になるまで添加し、更に20分間熟成しナトリウム含有の異なる本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を製造した。これらケイ酸塩について研磨減量を測定した。その結果を表2に示す。
尚、(Na又はK)/SiO2(モル/モル%)は遊離のアルカリ金属量を示す(以下同じ)。
【0054】
【表2】
【0055】
(実施例2)
実施例1の装置を用いて反応容器にSiO2100g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2O・3.14SiO2)水溶液8.92Kgを入れ、反応温度95℃に保持し、これに表3のような割合でオキシ塩化チタニウム溶液(TiO227%)を添加するとともに、10%硫酸を、反応系のpHが表3に示す所定pHになるまで添加し、添加終了後そのまま20分間熟成した。
このスラリーを濾過、水洗し、110℃に保った乾燥機中で乾燥後、粉砕し、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。こうして得られた合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩について後記する隠蔽力及びSiO2に対する遊離のNa量(モル/モル%)並びにBET比表面積を測定した。その結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
(実施例3)
実施例1で用いた反応容器にSiO2105g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2O・3.17SiO2)水溶液10Kg及び塩化ナトリウム105gを入れ反応温度90℃に保持し、これに表4のような割合になるようにオキシ塩化チタニウム溶液(TiO227%)と10%硫酸の混合溶液を添加し、次いで、30分間熟成しナトリウム含量の異なる本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を製造した。これらケイ酸塩についてフッ素相溶性を測定した。その結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】
表4から、本発明ケイ酸塩は優れたフッ素相溶性を示すことが判る。
また本発明例のケイ酸塩は全て、一次粒子の平均粒子径は0.01〜0.50μmの範囲にあり、二次平均粒子径も3〜25μmの範囲にあり、且つBET比表面積も20〜200m2/gの範囲にあった。
【0060】
(実施例4)
実施例1で用いた反応容器に実施例3で使用したと同一組成のケイ酸ナトリウム水溶液10Kgと表5に示す割合で、電解質物質として塩化ナトリウムを入れ、反応温度85℃に保持し、これに硫酸チタニウム溶液(TiO217%)を5.2g/分の速度で60分間、また10%硫酸を60g/分の速度で60分間で同時添加し、次いで後者のみ引続いて添加し、pHが6.7になった時点で添加終了し、15分間熟成した。このスラリーを濾過、水洗後110℃に保った乾燥器中で乾燥後粉砕し、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。このケイ酸塩について銅板研磨減量を測定した。尚、電解質物質を添加しないものについても同様に測定した。その結果を併せ表5に示す。
【0061】
【表5】
【0062】
(実施例5)
実施例1で用いた反応容器にSiO2100g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2O・3.14SiO2)水溶液9.2Kgを入れ、反応温度を95℃に保持し、これに塩化ナトリウム138gを添加した後、チタニウム2.5%(TiO2として)を含有する硫酸チタニウム含有10%硫酸を62.5g/分の速度で60分間添加し、次いで10%硫酸を添加し、反応系のpHが7.5になったときに10%硫酸の添加を止め、そのまま30分間熟成した。
このスラリーを濾過、水洗後110℃に保った乾燥機中で乾燥後粉砕し、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。このケイ酸塩の分析の結果、Na=3.04%、SO4=0.96%、Cl=0.380%、SiO2=81.38%であり、遊離のナトリウムNa/SiO2=7.49モル/モル%であった。更に物性を測定したところ研磨減量は2.07mg、一次平均粒子径は0.03μm、凝集体の二次平均粒子径は10.1μm、BET比表面積は148m2/gであった。
【0063】
また、硫酸チタニウムを含有しないことを除いては同様の方法によりチタニウムを結合しない沈降微粉末ケイ酸(比較例)を製造した。これらの電子顕微鏡写真を図1(本発明品)及び図2(比較品)を示す。
【0064】
一方上記反応容器にNa2O濃度3.66%の水酸化ナトリウム溶液8.3Kgを入れ、反応温度を95℃に保持し、これに塩化ナトリウム138gを添加した後、チタニウム2.5%(TiO2として)を含有する硫酸チタニウム含有10%硫酸を62.5g/分の速度で60分間添加し、次いで10%硫酸を添加し反応系のpHが7.5になったときに10%硫酸の添加を止め、水酸化チタニウム含有スラリーを製造した。このスラリーを濾過、水洗を繰り返し、110℃に保った乾燥機中で乾燥後粉砕し水酸化チタニウムを得た。この水酸化チタニウムを上記比較品とチタニウムがTiO2としてSiO2に対し10%になるように混合した。上記本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩(本発明未焼成品)及びこれを500℃で3時間焼成したもの(本発明焼成品)、上記比較品と水酸化チタニウムとの混合品を500℃で3時間焼成したもの(比較例焼成品)についてX線解析を行った。その結果を図3、図4及び図5に示す。
【0065】
この結果より本発明品は無定形であり、シリカとチタニウムが結合していることが判る。
【0066】
(実施例6)
実施例1で用いた反応容器にSiO2110g/Kgを含有するケイ酸カリウム(K2O・3.0SiO2)水溶液を10Kg入れ、反応温度を65℃に保持し、これに塩化ナトリウムをSiO2に対して10%添加し、次いでTiO2を2.0%含有するオキシ塩化チタニウム含有10%硫酸を反応溶液pHが6.5になるまで添加し、20分間熟成した。
【0067】
このスラリーを濾過、水洗し、110℃に保った乾燥機中で乾燥後粉砕し、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。この研磨減量を測定した結果、0.77mg、BET比表面積184m2/g、一次平均粒子径0.03μm、二次平均粒子径9.3μm、遊離のカリウムK/SiO2=5.27モル/モル%であった。
【0068】
(実施例7)
実施例1で用いた反応容器にSiO2 83g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2O・3.14SiO2)水溶液10Kg及び塩化ナトリウム25gを入れ反応温度75℃に保持し、これにオキシ塩化チタニウム溶液(TiO2 23%)と8%硫酸5Kgを同時に添加し、硫酸の添加速度及び攪拌速度を変えることにより2種類の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。
【0069】
その物性はそれぞれ次の通りであった。
▲1▼TiO2/SiO2=2.50%、遊離のナトリウム Na/SiO2=4.21モル/モル%
BET比表面積 175m2/g
一次平均粒子径 0.04μm、二次平均粒子径 15μm
▲2▼TiO2/SiO2=2.46%、遊離のナトリウム Na/SiO2=4.15モル/モル%
BET比表面積 318m2/g
一次平均粒子径 0.02μm、二次平均粒子径 17μm
上記▲1▼及び▲2▼の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を用い表6に示した溶液を調整した。
【0070】
【表6】
【0071】
この調整液の25℃、2ヶ月後の隠蔽力を調べた結果、試料▲1▼は評点3であるのに対し、試料▲2▼は評点2であった。即ち、BET比表面積は200m2/g以下が好ましい。本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩は歯磨組成物としても長期間安定であることが判る。また、▲1▼及び▲2▼の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩についてフッ素との相溶性を調べた結果、▲1▼は947ppmであり▲2▼は710ppmであった。
【0072】
(実施例8)
実施例5の本発明品及び比較品をグリセリン:蒸留水を1:1(重量)で混合した溶液に10%添加して、専門パネラー10名による官能試験を実施した。その結果、両者に差異は認められなかった。その結果を表7に示す。
【0073】
【表7】
上表からシリカにチタンを結合させることにより、渋味がとれ、本発明品は歯磨用基剤として極めて適切なものであることが判る。
【0074】
(実施例9)
実施例1で用いた反応容器にSiO290g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2O・3.17SiO2)水溶液10Kgを入れ、反応温度を95℃に保持し、これにTiO2を3.0%含有するオキシ塩化チタニウム含有10%硫酸を2.13Kg添加し、次いで反応pHが6.8になるまで10%硫酸を添加し、15分間熟成した。このスラリーを濾過、水洗し、110℃に保った乾燥機中で乾燥後粉砕し遊離のナトリウムNa/SiO2=6.40モル/モル%の本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。このチタニウム溶出率を測定した結果29.6%であった。
【0075】
また、オキシ塩化チタニウムを含有しない硫酸を用いて上記と同様の方法により沈降微粉末ケイ酸を製造した。この沈降微粉末ケイ酸と実施例5の水酸化チタニウムをチタニウムがTiO2としてSiO2に対し7%になるように混合し、混合物のチタニウム溶出率を測定した結果61.3%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の電子顕微鏡写真である。
【図2】チタニウムを含有しない沈降微粉末ケイ酸の電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩のX線回折図である。
【図4】本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の500℃3時間焼成品のX線回折図である。
【図5】チタニウムを含有しない沈降微粉末ケイ酸と水酸化チタニウムの混合物の500℃3時間焼成品のX線回折図である。
Claims (21)
- 水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性チタニウム塩と鉱酸とを主原料として反応させて得たチタニウムがTiO2としてSiO2に対し0.5〜15重量%の範囲で結合し、遊離のアルカリ金属(M)をM/SiO2で3.0〜12.0モル/モル%含有した合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤。
- 合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩のBET比表面積が20〜200m2/gである請求項1記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤。
- 合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.50μmであり、且つその凝集体の二次平均粒子径が3〜25μmである請求項1または2記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤。
- 水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性チタニウム塩と鉱酸とを主原料として反応させることを特徴とする、遊離のアルカリ金属(M)をM/SiO2で3.0〜12.0モル/モル%含有した合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 反応をアルカリ側から開始することを特徴とする請求項4記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 反応温度が50〜100℃である請求項4または5記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 水溶性アルカリ金属ケイ酸塩のSiO2に対する水溶性チタニウム塩のTiO2としての使用割合が0.5〜15重量%である請求項4〜6のいずれかに記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 反応終了pHが6〜9である請求項4〜7のいずれかに記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 水溶性チタニウム塩が塩化チタニウム、オキシ塩化チタニウム、硫酸チタニウム、硝酸チタニウムから選ばれたチタニウム塩である請求項4〜8のいずれかに記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 水溶性アルカリ金属ケイ酸塩とチタニウム含有鉱酸とを反応させることを特徴とする、遊離のアルカリ金属(M)をM/SiO2で3.0〜12.0モル/モル%含有した合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 反応をアルカリ側から開始することを特徴とする請求項10記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- チタニウム含有鉱酸が水溶性チタニウム塩と鉱酸との混合溶液である請求項10または11記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 水溶性チタニウム塩が塩化チタニウム、オキシ塩化チタニウム、硫酸チタニウム、硝酸チタニウムから選ばれたチタニウム塩である請求項12記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 反応温度が50〜100℃である請求項10〜13のいずれかに記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 反応終了pHが6〜9である請求項10〜14のいずれかに記載の合成無形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- チタニウム含有鉱酸の鉱酸濃度が5〜25重量%である請求項10〜15のいずれかに記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 電解質物質の存在下で水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性チタニウム塩と鉱酸とを反応させることを特徴とする、遊離のアルカリ金属(M)をM/SiO2で3.0〜12.0モル/モル%含有した合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 電解質物質の存在量が水溶性アルカリ金属ケイ酸塩のSiO2に対し5〜50重量%である請求項17記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 電解質物質がアルカリ金属の鉱酸塩である請求項17または18記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 電解質物質が予めアルカリ金属ケイ酸塩溶液中に含まれていることを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
- 水溶性チタニウム塩が塩化チタニウム、オキシ塩化チタニウム、硫酸チタニウム、硝酸チタニウムから選ばれたチタニウム塩である請求項17〜20のいずれかに記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。
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