JP3072759B2 - 多孔質無機系複合体及びその製造方法 - Google Patents

多孔質無機系複合体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質無機系複合
体(MR)及びその製造方法に関し、更に詳しくは、熱
安定性の改良された多孔質無機系複合体及びその製造方
法に関する。本発明の新規な多孔質無機系複合体(M
R)は、触媒、医薬、微生物、抗菌剤、光触媒などの各
種担体、脱臭剤、除湿剤、徐放体、殺菌剤、防虫剤、紫
外線吸収剤、光拡散剤、重合用分散剤、濾過剤、成形助
剤、食品添加剤、乾燥剤、芳香剤、セラミックス原料、
歯科用歯磨剤、プラスチック、ゴム、製紙、感熱記録
紙、シーリング材、合成樹脂フィルム用ブロッキング防
止剤、インク用体質顔料、塗料用顔料、レーキ顔料、化
粧料、マイクロカプセルなど、耐酸性、多孔性、熱安定
性、樹脂との親和性、透明性、分散性などを必要とする
各種分野に有用である。また、上記各種の用途を複合す
ることにより、更に新規な用途展開も期待できる。
【0002】
【従来の技術】従来より多孔質無機系物質として、ゼオ
ライト、活性炭、ケイ酸カルシウム、炭化ケイ素、リン
酸カルシウム等が知られ、吸液、触媒などの担体、増粘
剤、成形助剤の他、粒子の均一性、分散性が良好なもの
は合成樹脂フィルム用ブロッキング防止剤等に使用され
ている。しかしながら、これら多孔質無機系物質は、粒
子の熱安定性(熱減量率)が必ずしも十分ではなく、特
に合成樹脂用途に、このような多孔質無機系物質を添加
した場合、樹脂の劣化による黄変が問題となり、従っ
て、熱減量率が抑制された、熱安定性の良好な多孔質無
機系物質が熱望されている。
【0003】従来の多孔質無機物質の一つで、例えば本
発明者らが、既に特開平9−25108号公報、WO9
7/03119号公報、WO98/29490号公報で
開示しているリン酸カルシウム系多孔質粒子は、粒子の
均一性、分散性に優れているが、熱減量率の面では必ず
しも十分とは言えず、従って熱減量率を抑制改善するこ
とにより、従来、支障をきたしていた特定分野での利用
が期待できるとして、その改善が待たれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような従来の多孔質無機物質の、粒子均一性、分散性を
保持したまま熱減量率を抑制し、熱安定性を改良した多
孔質無機系複合体(MR)を工業的に合成し、安価に提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述した
問題に鑑み、鋭意研究した結果、担体(M)に、リン酸
カルシウム系化合物(R)を担持させることにより、担
体粒子の均一性、分散性を保持したまま熱減量率が抑制
され、熱安定性に優れた複合体(MR)が得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明の第1は、担体(M)に、
リン酸カルシウム系化合物(R)を担持せしめてなり、
且つ下記の式(a)〜(h)を満足することを特徴とす
る複合体(MR)を内容とする。 (a)0.1≦Dmr≦30(μm) (b)1≦Dmr/Dm≦5 (c)3≦Smr≦300(m2/g) (d)0.01≦Smr/Sm≦1 (e)0.5≦Tmr1≦15(重量%) (f)0.01≦Tmr1/Tm1<1 (g)0.3≦Tmr2≦10(重量%) (h)0.01≦Tmr2/Tm2<1 但し、 Dmr :複合体(MR)を走査型電子顕微鏡(SE
M)写真により測定した粒子の平均粒子径(μm) Dm :担体(M)を走査型電子顕微鏡(SEM)写
真により測定した粒子の平均粒子径(μm) Smr :複合体(MR)の窒素吸着法によるBET比
表面積(m2/g) Sm :担体(M)の窒素吸着法によるBET比表面
積(m2/g) Tmr1:複合体(MR)の500℃における熱減量率
(重量%) Tm1 :担体(M)の500℃における熱減量率(重
量%) Tmr2:複合体(MR)の200℃における熱減量率
(重量%) Tm2 :担体(M)の200℃における熱減量率(重
量%)
【0007】本発明の第2は、担体(M)水懸濁液中に
おいて、水溶性リン酸塩とアルカリ性カルシウム化合物
とを反応させてリン酸カルシウム系化合物(R)を合成
することにより、担体(M)にリン酸カルシウム系化合
物(R)を担持せしめることを特徴とする上記複合体
(MR)の製造方法を内容とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明で用いる担体(M)は特に限定されない
が、粒度については、好ましくは分散係数(αm )、シ
ャープネス(βm )がそれぞれ1≦αm ≦5、0≦βm
≦2、さらに好ましくは1≦αm ≦2、0≦βm ≦1で
ある。このような条件を満足する好ましい担体(M)と
して、特開平9−25108号公報、WO97/031
19号公報、WO98/29490号公報に開示されて
いるような分散性に優れ、高比表面積の多孔質リン酸カ
ルシウム系粒子、市販のケイ酸カルシウム(商品名:フ
ローライトRN、株式会社トクヤマ製)、特開平6−1
71925号公報に記載の多孔質球状ケイ酸塩粒子、特
開平8−26716号公報に記載の多孔質球状シリカ等
が例示される。該粒度のαm が5を越えると、複合体
(MR)の分散性が低下するだけでなく、均一な担持が
困難となり、個々の粒子の物性に差異が生じやすくな
り、また、βm が2を越えると、複合体(MR)の粒度
分布幅がブロードになり、均一な担持が困難となり、個
々の粒子の物性に差異が生じやすくなる。
【0009】本発明で、担体(M)に担持せしめるリン
酸カルシウム系化合物(R)の結晶形態は、それ自身熱
安定性が高いものであれば特に限定されないが、針状、
柱状、板状などの形態をとるヒドロキシアパタイトが好
適である。また、リン酸源には水溶性リン酸塩、カルシ
ウム源にはアルカリ性カルシウム化合物が好ましい。
尚、本発明でいう担持とは、リン酸カルシウム系化合物
(R)の微粒子が担体(M)に物理的に吸着する場合、
又は、リン酸カルシウム系化合物(R)の微粒子が化学
的に吸着、つまり沈着析出化して結晶層を形成する場合
の両方を包含する。
【0010】上記担体(M)にリン酸カルシウム系化合
物を担持させてなる本発明の複合体(MR)の走査型電
子顕微鏡(SEM)写真により測定した粒子の平均粒子
径(Dmr)は、0.1〜30μmである。また、複合
体(MR)の平均粒子径(Dmr)と担体(M)の平均
粒子径(Dm)との比(Dmr/Dm)は、1〜5であ
る。該平均粒子径(Dmr)が0.1μm未満の場合、
1次粒子径の分散性が保持できず凝集して、リン酸カル
シウム系化合物が均一に、あるいは十分に担持されず、
満足し得る物性が付与されない。また、30μmを越え
る場合、物性面では別段問題ないが、特に合成樹脂組成
物での用途においては、成形品の表面が荒れてしまった
り、粒子が脱落し易いため用途が限定される。また、平
均粒子径の比(Dmr/Dm)が5を越える場合、例え
ば、脱臭剤、除湿剤、徐放体等の分野で基剤として用い
た場合に、十分な機能を発現できない。
【0011】本発明の複合体(MR)の窒素吸着法によ
るBET比表面積(Smr)は、3〜300m2/gであ
る。また、複合体(MR)の比表面積(Smr)と担体
(M)の比表面積(Sm)との比(Smr/Sm)は、
0.01〜1、好ましくは0.01以上1未満である。
比表面積(Smr)が3m2/g未満の場合あるいは比表面
積比(Smr/Sm)が0.01未満の場合、例えば、
脱臭剤、除湿剤、徐放体等の分野で基剤として用いた場
合に、十分な機能を発現できず、300m2/gを越える場
合あるいは比表面積比(Smr/Sm)が1を越える場
合、熱減量率の面で不十分となり、例えば合成樹脂フィ
ルム用ブロッキング防止剤として使用した場合に、樹脂
の劣化で黄変してしまい、本発明の目的を達成し得な
い。
【0012】本発明の複合体(MR)の500℃の熱減
量率(Tmr1)、200℃の熱減量率(Tmr2)
は、それぞれ0.5〜15重量%、0.3〜10重量%
である。また、複合体(MR)の500℃の熱減量率
(Tmr1)と担体(M)の500℃の熱減量率(Tm
1)との比(Tmr1/Tm1)、及び複合体(MR)
の200℃の熱減量率(Tmr2)と担体(M)の20
0℃の熱減量率(Tm2)との比(Tmr2/Tm2)
は、それぞれ0.01以上1未満である。500℃の熱
減量(Tm1)が、0.5重量%未満の場合、複合体
(MR)の多孔性が完全に消失してしまい、例えば、脱
臭剤、除湿剤、徐放体等の分野に基剤として使用した場
合に支障をきたし、15重量%を越えると、熱減量率が
大き過ぎるため、例えば、合成樹脂分野に使用した場
合、樹脂の劣化により黄変しやすく、本発明の目的を達
成し得ない。従って、好ましくは0.5〜10重量%、
さらに好ましくは0.5〜5重量%である。200℃の
熱減量率(Tmr2)も同様の理由により、好ましくは
0.3〜3重量%、さらに好ましくは0.3〜1重量%
である。また、熱減量率の比(Tmr1/Tm1)、
(Tmr2/Tm2)が、それぞれ0.01未満の場
合、分散性の保持に問題が生じ、例えば、合成樹脂フィ
ルム用ブロッキング防止剤の基剤に使用した場合、十分
な耐ブロッキング性が発現できない。
【0013】尚、本発明でいう熱減量率とは、試料を1
10℃で24時間乾燥後、熱天秤装置(商品名:TG8
110、リガク株式会社製)を用いて、15℃/分で昇
温して200℃あるいは500℃に到達したときの重量
減量率をいい、下記式により求められる。 (W−W′/W)×100 W :110℃で24時間乾燥したときの試料の重量 W′:200℃あるいは500℃に到達したときの試料
の重量
【0014】以上の条件を充足することにより本発明の
目的は十分達成されるが、例えば、合成樹脂フィルム用
ブロッキング防止剤などに使用する場合などにおいて、
より一層の効果を発現させるためには、マイクロトラッ
クFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒度が、
好ましくは1≦αmr≦5、0≦βmr≦2、さらに好まし
くは1≦αmr≦2、0≦βmr≦1である。すなわち、担
体(M)と複合体(MR)の分散係数、シャープネス
が、ともに近似した粒度であることが望ましい。αmrが
5を越える場合あるいはβmrが2を越える場合は、例え
ば、合成樹脂フィルム用ブロッキング防止剤に使用した
場合に十分な耐ブロッキング性が得られ難い。
【0015】また、本発明の複合体(MR)は、例え
ば、脱臭剤、除湿剤、徐放体等の分野や、合成樹脂用添
加剤用途における樹脂との親和性等において、比表面積
計(商品名:NOVA2000、ユアサアイオニクス株
式会社製)で測定した比表面積値(Smr)を、SEM
写真により測定した粒子を球換算で導いた理論比表面積
値(S1)で割った数値(Smr/S1)が3〜125
が好ましく、さらに好ましくは5〜100、最も好まし
くは30〜70の範囲である。従って、従来のコロイド
状ヒドロキシアパタイト(市販品)は3未満であり、本
発明の複合体(MR)とは区別される。
【0016】尚、理論比表面積値(S1)は、下記の計
算式から算出される。 理論比表面積=(1/w)/(4πr3 /3)×4πr
2 =3/wr(m2/g) 但し、 w:粒子の真比重(JIS K−5101に準ずる) r:走査型電子顕微鏡(SEM)写真で測定した平均粒
子半径(μm)
【0017】本発明の複合体(MR)は、担体(M)水
懸濁液中において、リン酸カルシウム系化合物(R)を
合成することにより、担体(M)にリン酸カルシウム系
化合物(R)を担持せしめることにより得られる。具体
的には、(a)担体(M)水懸濁液とアルカリ性カルシ
ウム化合物水懸濁液を混合し、水溶性リン酸塩水溶液を
滴下混合するか、もしくは、(b)担体(M)水懸濁液
中に、アルカリ性カルシウム化合物と水溶性リン酸塩水
溶液を別々に滴下混合することにより、合成されたリン
酸カルシウム系化合物(R)が担体(M)に担持され、
複合体(MR)が調製される。(a)の方法は作業性が
良く、一方、(b)の方法は合成状況を確認できる利点
がある。
【0018】複合体(MR)の好ましい調製条件、下記
のとおりである。 (反応材料の濃度) 担体(M)の水懸濁液固形分濃度(又はアルカリ性カル
シウム化合物が混在した系の濃度):50重量部以下
(水100重量部当り) リン酸塩水溶液の濃度 :400重量部以下(水
100重量部当り) アルカリ性カルシウム化合物水懸濁液濃度:50重量部
以下(水100重量部当り) (混合) Ca/Pの原子比 :1.5〜10 反応温度 :20〜97℃ 滴下時間 :1〜600分 リン酸カルシウム系化合物(R)の担持量:1〜10
000重量部〔担体(M)100重量部当り〕 撹拌羽根周速 :0.5〜50(m/秒) pH :8〜10 (熟成) 温度 :20〜97℃ pH :8〜10 熟成時間 :1〜6000分 攪拌羽根周速 :0.5〜50(m/秒)
【0019】反応材料の固形分濃度は特に限定されない
が、上記(a)の場合、担体(M)とアルカリ性カルシ
ウム化合物が混合懸濁化した系の濃度が、水100重量
部当たり50重量部以下が好ましく、またリン酸塩水溶
液の濃度は、水100重量部当たり400重量部以下が
好ましい。一方、上記(b)の場合、担体(M)の水懸
濁液濃度は、水100重量部当たり50重量部以下が好
ましく、アルカリ性カルシウム化合物水懸濁液の濃度
は、水100重量部当たり50重量部以下、リン酸塩水
溶液の濃度は、水100重量部当たり400重量部以下
が好ましい。固形分濃度が上記より大きくなると、調製
される複合体(MR)の分散性に支障をきたす場合があ
る。
【0020】また、リン酸カルシウム系化合物(R)の
Ca/Pの原子比は、用途によって異なるため一概に規
定されるものではないが、通常1.5〜10、好ましく
は1.6〜5、より好ましくは1.62〜2である。モ
ル比が1.5未満の場合、未反応のリン酸塩が増え、水
洗等に手間がかかり、コスト高になりやすく、一方、モ
ル比が10を越えると、炭酸カルシウムと複合体とが別
々に混在しやすく、粒子の均一性や分散性に悪影響を及
ぼしやすい。
【0021】水溶性リン酸塩としては、リン酸一アンモ
ニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウ
ム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸
三ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、
リン酸三カリウム等が例示でき、これらは単独で用いて
も、2種以上組み合わせて用いても何ら差し支えない。
【0022】アルカリ性カルシウム化合物としては、炭
酸カルシウムや(水)酸化カルシウムが挙げられ、特に
pHが8〜10の炭酸カルシウムが、リン酸カルシウム
系化合物(R)の生成速度、又は担体(M)へのリン酸
カルシウム系化合物(R)の沈着析出化による結晶層の
生成度合いが良好なため好ましい。さらにSEMによる
平均径が0.01〜5μm、好ましくは0.03〜1μ
m、さらに好ましくは、0.05〜0.5μmのコロイ
ド状炭酸カルシウムが汎用性があり好適に使用される。
【0023】具体的な反応条件としては、系の反応温
度、リン酸塩水溶液、又はアルカル性カルシウム化合
物及び水溶性リン酸塩の滴下時間、リン酸カルシウム
系化合物(R)の担持量、撹拌、が挙げられる。の
反応温度に関しては、通常20〜97℃、好ましくは4
0〜90℃、さらに好ましくは50〜80℃の範囲であ
る。20℃未満の場合、反応効率が低く工業的に不利に
なりやく、また反応が追いつかず凝集しやすい。97℃
を越えると、反応が速すぎ、担体(M)と別々に混在し
やすい。
【0024】の滴下時間とは、リン酸塩水溶液単独も
しくはアルカリ性カルシウム化合物水懸濁液と同時に滴
下する場合において、担体(M)100重量部に対し
て、100重量部のリン酸カルシウム系化合物(R)が
生成する濃度になるまでの滴下時間を意味し、特に限定
されないが、通常1〜600分、好ましくは10〜30
0分、さらに好ましくは15〜150分である。滴下時
間が1分未満の場合、担体(M)の分散性を保持できず
凝集しやすくなり、600分を越えると、工業的にコス
ト高になりやすい。
【0025】に関しては、担体(M)に対するリン酸
カルシウム系化合物(R)の担持量(R/M)は、調製
される複合体(MR)の熱減量率の抑制に不可欠であ
る。しかし、担体(M)の平均粒子径や所望の熱安定性
によっても異なるため、一概に規定されないが、通常、
担体(M)100重量部に対して1〜10000重量
部、好ましくは10〜1000重量部、より好ましくは
100〜500重量部である。1重量部未満では、熱減
量率の抑制が発現されにくく、10000重量部を越え
ると、物性面では別段問題は無いが、例えば、脱臭剤、
除湿剤、徐放体等の分野で基剤として用いた場合に、十
分な機能を発現しない恐れがある。
【0026】に関しては、リン酸カルシウム系化合物
(R)の合成には特に限定されないが、一定以上の撹拌
力で撹拌することが望ましい。一定以上の撹拌力とは、
懸濁液系全体が均一に撹拌できる程度の攪拌力で、撹拌
の機構はパドル、タービン、プロペラ、高速インペラー
分散機等が使用できる。また、容器に邪魔板を取り付け
た方が好ましい。撹拌力は、通常、撹拌羽根の周速が
0.5〜50m/秒、好ましくは1〜30m/秒であ
る。0.5m/秒未満の場合、均一な合成が困難とな
り、一方、50m/秒を越えると、反応装置を大型化す
るのに支障をきたすため、工業化において生産性が著し
く低下する傾向がある。以上の〜が、担体(M)の
分散性、均一性を保持したまま、リン酸カルシウム系化
合物を効率よく担体(M)に担持させるための条件であ
る。
【0027】反応終了後、リン酸カルシウム系化合物
(R)の合成及び担体(M)への担持を完結させるため
に、熟成を行うのが好ましい。熟成条件は特に制限され
ないが、通常、温度は20〜97℃、pHは8〜10、
熟成時間は0.1〜100時間、攪拌羽根周速は0.5
〜50(m/秒)程度が好ましい。熟成終了後、必要に応
じて、生成した複合体(MR)懸濁液中に含まれるアル
カリ金属イオンなどの夾雑イオンを濾過過水洗する。こ
れは、例えばコンデンサーフィルム用での絶縁性向上
等、所望の物性を得るのに好ましい。また、水洗の際、
濾液の電気伝導度は特に限定されないが、通常、10m
S/以下、好ましくは1mS/以下、さらに好ましくは
100μS/以下とするのがよい。水洗方法については
特に制限はなく、遠心脱水機、UF膜、MF膜、シック
ナー、ロータリーフィルター等を用い、濃縮、水希釈を
繰り返せばよい。
【0028】ここで、粒度分布の測定方法を説明する
と、合成した直後の水懸濁液に、1分間、超音波(US
−300、日本精機製作所製)をかけ、前述した粒度分
布計で測定する。尚、水懸濁液を例えば、エチレングリ
コール懸濁液にしても、または乾粉化したものを水懸濁
液化しても、ほぼ同様の測定結果が得られる。
【0029】本発明の複合体(MR)は、粒子の分散
性、安定性等をさらに高めるため、あるいは目的用途に
応じ、繊維素化合物、シロキサン化合物、脂肪酸、樹脂
酸酸、アクリル酸、メタクリル酸、シュウ酸、クエン酸
等の有機酸、酒石酸、燐酸、縮合燐酸、フッソ酸等の無
機酸、これら有機酸、無機酸のポリマー、それらの塩、
又はそれらのエステル類等の表面処理剤、界面活性剤等
の分散剤、チタネートカップリング剤、シランカッブリ
ング剤等のカップリング剤、界面活性剤等の分散剤等を
1種又は2種以上用い、常法に従い表面処理された後使
用されるのが好ましい。表面処理量は、一般に複合体
(MR)の粒子に対し5〜30重量%である。これらの
処理剤の中で、ステアリン酸等で代表される脂肪酸及び
脂肪酸塩や、カルボキシルメチルセルロース等で代表さ
れる繊維素化合物、或いはメチルハイドロジエンシリコ
ーンオイル等で代表されるシロキサン化合物、ポリオキ
シアルキレン化合物等がより好ましい。
【0030】本発明の複合体(MR)は、従来の多孔質
無機系物質と比較して、分散性、均一性を保持したま
ま、比表面積を任意に制御することにより、熱減量率を
抑制して熱安定性を向上させることが可能であり、かつ
製造コストも安価なため、医薬、微生物、抗菌剤、光触
媒などの各種担体、脱臭剤、除湿剤、徐放体、殺菌剤、
防虫剤、紫外線吸収剤、光拡散剤、重合用分散剤、濾過
剤、成形助剤、食品添加剤、乾燥剤、芳香剤、セラミッ
クス原料、歯科用歯磨剤、プラスチックス、ゴム、製
紙、感熱紙、シーリング材、合成樹脂フィルム用ブロッ
キング防止剤、インク用体質顔料、塗料用顔料、レーキ
顔料、化粧料の他、担体(M)に機能性材料を担持した
マイクロカプセル化などの用途に広く使用可能である。
【0031】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるもの
でなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更し
て実施することが可能である。
【0032】実施例1〜3 表1に記載の担体(M)の調製条件に従い、邪魔板付き
で、直径0.6mのタービン羽根1枚の撹拌機付きの
0.4m3 ステンレスタンクに濃度を調整し温調した炭
酸カルシウムの水懸濁液分散体を投入し、撹拌下に燐酸
の希釈水溶液を滴下混合し、熟成条件に従い攪拌を行い
ながら熟成し、多孔質リン酸カルシウム系物質からなる
担体(M)E1〜E3を調製した。次に、熟成終了後、
表1に記載の複合体(MR)の調製条件に従い、撹拌し
ながら炭酸カルシウム水懸濁液及び水溶性リン酸塩水溶
液を別々に滴下混合し、熟成条件に従い撹拌を行いなが
ら熟成し、担体(M)E1〜E3にリン酸カルシウム系
化合物(R)を担持させた複合体(MR)G1〜G3を
調製した。担体(M)E1〜E3及び複合体(MR)G
1〜G3の物性を表3に示す。表3より、複合体(M
R)G1〜G3は、粒子の均一性、分散性を保持したま
ま、熱減量率が抑制されていることが確認される。これ
は、水溶性リン酸塩と炭酸カルシウムのみが反応し、担
体(M)の多孔質リン酸カルシウム系物質とは反応しな
かったことに因るためと考えられる。特に、実施例1の
ように、担持量を調整することにより、担体(M)の平
均径も保持することが可能である。また、G1〜G3と
E1〜E3のXRD(X線回折)の結果、結晶形態は、
どちらもヒドロキシアパタイトを主成分とするピークで
あったが、担体(M)よりも複合体(MR)の方が、ま
たG1からG3と担持量が増えるほど、結晶化度が向上
していることが確認された。図1に担体(M)E1、図
2に複合体(MR)G1のSEM写真(1万倍)を示
す。
【0033】実施例4 表1に記載したように、担体(M)として市販のケイ酸
カルシウム(商品名:フローライトRN、株式会社トク
ヤマ製)E4を使用して、反応温度を80℃に、リン酸
カルシウム系化合物(R)の担持量を200重量部に変
更した他は実施例1と同様の方法でケイ酸カルシウム−
リン酸カルシウム系複合体(MR)G4を調製した。担
体(M)E4及び複合体(MR)G4の物性を表3に示
す。担体(M)の粒度を保持したまま、比表面積を低減
することができ、熱減量が抑制されていることが確認さ
れる。
【0034】比較例1 表2に示すように、水溶性リン酸塩をリン酸に置き換え
る他は、実施例1と同様の方法で、複合体(MR)N1
を調整した。担体(M)E1及び得られた複合体(M
R)N1の物性を表4に示す。表4より、比較例1の複
合体(MR)は、粒子径がバラバラで、凝集した粒度で
あり、また、熱減量率が十分に抑制されていないことが
確認される。これは、リン酸が炭酸カルシウムと反応す
るのみならず、担体(M)の多孔質リン酸カルシウム系
物質とも反応したためと考えられる。また、結晶形態
は、どちらもヒドロキシアパタイトを主成分とするピー
クであり、結晶化度は、実施例1のG1粒子より低いこ
とが確認された。
【0035】比較例2 表2に示すように、水溶性リン酸塩と炭酸カルシウム
を、それぞれリン酸と水酸化カルシウムに置き換える他
は、実施例1〜3と同様の方法で、複合体(MR)N2
を調製した。担体(M)E1及び得られた複合体(M
R)N2の物性を表4に示す。表4より、比較例2の複
合体(MR)は、粒子径がバラバラで、凝集した粒度で
あり、また、熱減量率の抑制効果は実施例1より低いこ
とが確認される。これは、比較例1と同様に、リン酸が
炭酸カルシウムと反応するのみならず、担体(M)の多
孔質リン酸カルシウム系物質とも反応したためと考えら
れる。また、結晶形態は、どちらもヒドロキシアパタイ
トを主成分とするピークであり、結晶化度は、実施例1
のG1より低いことが確認された。
【0036】比較例3 表2に示すように、リン酸カルシウム系化合物(R)と
して、市販のコロイド状ヒドロキシアパタイト(商品
名:第三リン酸三カルシウム、米山化学製)を用い、こ
れをE1に担持させて複合体(MR)N3を調製した。
担体(M)E1及び得られた複合体(MR)N3の物性
を表4に示す。表4より、比較例3の複合体(MR)
は、担体(M)であるE1と、コロイド状ヒドロキシア
パタイト(R)が別々に存在しており、粒子径がバラバ
ラで、凝集した粒度であった。また、熱減量率の抑制効
果や結晶化度は、実施例1のG1より低いことが確認さ
れた。尚、市販のヒドロキシアパタイトの平均粒子径等
各種特性の参考値を表5に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】応用例1〜4、比較応用例1〜7:光拡散
用プラスチックス試験 実施例1〜4の複合体(MR)G1〜G4と、それらの
担体(M)E1〜E4、及び比較例1〜3の複合体(M
R)N1〜N3の熱安定性や粒子の均一性、分散性を調
べるため、メタクリル系樹脂ビーズ(商品名:スミベッ
クスーEXA、住友化学工業株式会社製)100重量部
に、脂肪酸で処理(処理量:5重量%)した実施例1〜
4の複合体(MR)G1〜G4と、それらの担体(M)
E1〜E4、及び比較例1〜3の複合体(MR)N1〜
N3を2重量部配合し、ヘンシェルミキサーで高速60
秒混合攪拌し、十分に分散せしめた。次いで、65mmφ
ベント付き押し出し機及びダイス幅が600mmのコート
ハンガーダイスにより樹脂温度250℃にてシート状に
押出し、ポリッシング三本ロールより厚さ2mmに板状加
工し光拡散板を得た。得られたシートを用いて、下記の
方法で各種物性を測定した。結果を表6に示す。
【0043】<評価方法> 黄色度(Yellow Index) スガ試験機(株)SM−2を使用し、反射光と透過光の
黄色度を求めた。数値が高い程、黄色度が大きいことを
示す。
【0044】全光線透過率 ASTMD−1003−61Tに準じて、積分球式HT
Rメーターで測定した。
【0045】光拡散率 ゴニオホトメーター((株)村上色彩技術研究所製HR
−100型)で測定した角度20°および70°で透過
した光強度の平均を、角度5°で透過した光強度で除し
た値を百分率として求めた。
【0046】平滑性(表面の凹凸性) 光拡散用板を目視で観察し、下記の基準により5段階評
価を行った。 5点:表面の凹凸が全く認められず平滑である。 4点:表面の一部に微小な凹凸がほとんど認められな
い。 3点:表明全面に微小な凹凸が認められるが、実用上問
題ない。 2点:表面全体面微小な凹凸が認められ、且つ粗大凹凸
が一部存在し実用上問題がある。 1点:表面全面に粗大凹凸がある。
【0047】
【表6】
【0048】表6より、複合体(MR)G1〜G3は、
光拡散板の黄色度から、担体(M)E1〜E3より飛躍
的に熱安定性が向上し、且つ粒子の均一性や分散性も良
好で、優れた光拡散剤であることが確認された。また、
複合体(MR)G4(ケイ酸カルシウムーリン酸カルシ
ウム系複合体)は、光拡散剤には適していないが、E4
担体(M)より熱安定性が向上し、粒子の均一性や分散
性も保持していることが認められる。一方、複合体(M
R)N1〜N3は、担体(M)であるE1と比較して、
熱安定性の改善が悪く、粒子の均一性や分散性も劣って
いる。
【0049】応用例5〜8、比較応用例8〜14:徐放
性試験 実施例1〜4の複合体(MR)G1〜G4と、それらの
担体(M)E1〜E4、及び比較例1〜3の複合体(M
R)N1〜N3のそれぞれ5gを、ナフタリンの10%
四塩化炭素溶液に浸漬した後、四塩化炭素を揮発させ、
ナフタリン2gを担持させた徐放体組成物を得た。これ
らの徐放体組成物の徐放性を確認するために、温度30
℃の恒温槽に入れ、一定期間経過後の重量変化より、ナ
フタリンの残存率を測定した。ナフタリン残存率の測定
結果を表7に示す。
【0050】
【表7】
【0051】表7より、複合体(MR)G1〜G3は、
優れた徐放性があることが確認された。
【0052】応用例9〜12、比較応用例15〜21:
歯科用研磨・補修性試験 実施例1〜4の複合体(MR)G1〜G4と、それらの
担体(M)E1〜E4、及び比較例1〜3の複合体(M
R)N1〜N3について、下記の方法で歯科用研磨力、
歯垢除去能力、及び再石灰化性能の各評価を行った。結
果を表8に示しす。
【0053】<評価方法> 研磨力 市販のヒドロキシアパタイトを真空脱気を行いながら圧
縮成型した後、焼結して、直径1.5cm、厚さ1cm
の円柱状のヒドロキシアパタイト焼結体を作成した。そ
の表面を800番のサンドペーパーを用いて均一で平滑
な表面になるように研磨し、その後、蒸留水を流しなが
らブラッシングにより粉末を取り除き人工歯を得、この
人工歯を研磨試験に用いた。上記の人工歯をブラッシン
グ装置に固定して、粉体試料1.0gを用いてブラッシ
ング圧250g/cm2 、1500回ブラッシングして人
工歯の重量減少量(研磨量)を研磨力とする。
【0054】歯垢除去能力 上記研磨力評価で用いたのと同じ人工歯を用いた。人工
歯を24時間口腔内に含み、その後、純水で洗浄して、
ブラッシング装置に固定して、粉体試料1.0gでブラ
ッシング圧250g/cm2 、1500回ブラッシングし
て研磨液中に含まれている歯垢量と、人工歯に付着して
いる歯垢量を求めた。歯垢量は、タンパク量として求め
た。
【0055】再石灰化性能 上記研磨力評価で用いたのと同じ人工歯を再石灰化性能
試験に用いた長さ12cm、幅4cm、深さ2cmのアクリル
槽の底部に直径1.5cm、深さ0.2cmの人工歯固定用
孔5個を設け、この孔に5個の人工歯を固定した。次
に、粉体試料1gをpH9の0.1Mリン酸緩衝液中に
懸濁させ、この懸濁液5mlを加えて人工歯を浸し、ゴ
ム膜を介して、人工歯上面を1秒間に1回の速度で回転
研磨した。5分後と40分後に人工歯を取り出し、直ち
に大量の蒸留水を滴下しつつ洗浄し、PCSカクテル2
mlを加えて、液体シンチレーションカウンターで人工歯
に結合した放射能を測定した。但し、ヒドロキシアパタ
イトの結合量は、ヒドロキシアパタイトの比放射能5.
4×105CPM /mgとして計算した。
【0056】
【表8】
【0057】表8より、複合体(MR)G1〜G3は、
優れた研磨及び補修効果があることが確認された。
【0058】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明によれば、担体の
分散性や均一性を保持したまま、熱減量率が抑制され、
熱安定性に優れた複合体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた担体E1のSEM写真であ
る。
【図2】実施例1で得られた複合体G1のSEM写真で
ある。
フロントページの続き (72)発明者 柴田 洋志 兵庫県明石市魚住町西岡1455番地 丸尾 カルシウム株式会社内 (72)発明者 源吉 嗣郎 兵庫県明石市魚住町西岡1455番地 丸尾 カルシウム株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−195796(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 25/32 B01J 27/18 A61K 7/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質無機系物質からなる担体(以下、
    担体(M)と記す。)にリン酸カルシウム系化合物
    (R)を担持せしめてなり、且つ下記の式(a)〜
    (h)を満足することを特徴とする多孔質無機系複合体
    (以下、複合体(MR)と記す。): (a)0.1≦Dmr≦30(μm) (b)1≦Dmr/Dm≦5 (c)3≦Smr≦300(m2/g) (d)0.01≦Smr/Sm≦1 (e)0.5≦Tmr1≦15(重量%) (f)0.01≦Tmr1/Tm1<1 (g)0.3≦Tmr2≦10(重量%) (h)0.01≦Tmr2/Tm2<1 但し、 Dmr :複合体(MR)を走査型電子顕微鏡(SE
    M)写真により測定した粒子の平均粒子径(μm) Dm :担体(M)を走査型電子顕微鏡(SEM)写
    真により測定した粒子の平均粒子径(μm) Smr :複合体(MR)の窒素吸着法によるBET比
    表面積(m2/g) Sm :担体(M)の窒素吸着法によるBET比表面
    積(m2/g) Tmr1:複合体(MR)の500℃における熱減量率
    (重量%) Tm1 :担体(M)の500℃における熱減量率(重
    量%) Tmr2:複合体(MR)の200℃における熱減量率
    (重量%) Tm2 :担体(M)の200℃における熱減量率(重
    量%)
  2. 【請求項2】 担体(M)と複合体(MR)が、下記の
    式(i)〜(l)を満足することを特徴とする請求項1
    記載の複合体(MR): (i)1≦αm≦5 但し、α=dm50/Dm (j)1≦αmr≦5 但し、α=dmr50/Dmr (k)0≦βm≦2 但し、β=(dm90−dm1
    0)/dm50 (l)0≦βmr≦2 但し、β=(dmr90−dm
    r10)/dmr50 但し αm 、αmr :分散係数 dm50 、dmr50:マイクロトラックFRAレーザー式粒
    度分布計により測定した粒子の50%平均粒子径(μm
    ) βm 、βmr :シャープネス dm90 、dmr90:マイクロトラックFRAレーザー式粒
    度分布計により測定した粒子のふるい通過側累計90%
    粒子径(μm ) dm10 、dmr10:マイクロトラックFRAレーザー式粒
    度分布計により測定した粒子のふるい通過側累計10%
    粒子径(μm )
  3. 【請求項3】 複合体(MR)が、下記の式を満足する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の複合体(M
    R): (m)3≦Smr/S1≦125 但し、 S1:複合体(MR)の球換算における理論比表面積値
    (m2/g) ※理論比表面積値は、下記の計算式から算出される。 (1/w)/(4πr3 /3)×4πr2 =3/wr
    (m2/g) 但し、 w:粒子の真比重(JIS K5101に準ずる。) r:走査型電子顕微鏡(SEM)写真で測定した平均粒
    子半径 (μm)
  4. 【請求項4】 リン酸カルシウム系化合物(R)が、ヒ
    ドロキシアパタイトを主成分とすることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の複合体(MR)。
  5. 【請求項5】 担体(M)が、多孔質リン酸カルシウム
    系物質であることを特徴とする請求項1記載の複合体
    (MR)。
  6. 【請求項6】 担体(M)が、ヒドロキシアパタイトを
    主成分とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項に記載の複合体(MR)。
  7. 【請求項7】 担体(M)水懸濁液中において、水溶性
    リン酸塩とアルカリ性カルシウム化合物とを反応させて
    リン酸カルシウム系化合物(R)を合成することによ
    り、担体(M)にリン酸カルシウム系化合物(R)を担
    持せしめることを特徴とする請求項1〜6項のいずれか
    1項に記載の複合体(MR)の製造方法。
  8. 【請求項8】 アルカリ性カルシウム化合物が炭酸カル
    シウムであることを特徴とする請求項7記載の複合体
    (MR)の製造方法。
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