JPH11140428A - 合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤及びその製造方法 - Google Patents
合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤及びその製造方法Info
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- JPH11140428A JPH11140428A JP31640697A JP31640697A JPH11140428A JP H11140428 A JPH11140428 A JP H11140428A JP 31640697 A JP31640697 A JP 31640697A JP 31640697 A JP31640697 A JP 31640697A JP H11140428 A JPH11140428 A JP H11140428A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 研磨剤、特に歯磨用基剤として有用な合成無
定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤を提供す
る。 【構成】 水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性チタニ
ウム塩と鉱酸とを主原料として反応させて得たチタニウ
ムがTiO2としてSiO2に対し0.5〜15重量%の
範囲で結合し、遊離のアルカリ金属(M)をM/SiO2
で3.0〜12.0モル/モル%含有した合成無定形チ
タニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤であって、このよ
うなケイ酸塩は、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性
チタニウム塩と鉱酸とを主原料として反応させることに
より得ることができる。このようなケイ酸塩は、殊に白
色度及びフッ素との相溶性が要求される歯磨用基剤とし
て有用である。
定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤を提供す
る。 【構成】 水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性チタニ
ウム塩と鉱酸とを主原料として反応させて得たチタニウ
ムがTiO2としてSiO2に対し0.5〜15重量%の
範囲で結合し、遊離のアルカリ金属(M)をM/SiO2
で3.0〜12.0モル/モル%含有した合成無定形チ
タニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤であって、このよ
うなケイ酸塩は、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性
チタニウム塩と鉱酸とを主原料として反応させることに
より得ることができる。このようなケイ酸塩は、殊に白
色度及びフッ素との相溶性が要求される歯磨用基剤とし
て有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成無定形チタニウム結
合ケイ酸塩からなる研磨剤及びその製造方法に関し、研
磨剤として、特に歯磨用基剤として有用な合成無定形チ
タニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤を提供することを
目的とする。
合ケイ酸塩からなる研磨剤及びその製造方法に関し、研
磨剤として、特に歯磨用基剤として有用な合成無定形チ
タニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤を提供することを
目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来、研磨剤、殊に歯磨用基剤としては
湿式法あるいは乾式法により製造した微粉末ケイ酸ある
いは炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウムが用いられ、多くの新製法の開発、品質改良、使
用法の改良が行われている。
湿式法あるいは乾式法により製造した微粉末ケイ酸ある
いは炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウムが用いられ、多くの新製法の開発、品質改良、使
用法の改良が行われている。
【0003】ところで、近年歯のう蝕を防ぐ目的でフッ
素入り歯磨きが主流になりつつあり、上記基剤の中でも
フッ素との相溶性に最も優れた微粉末ケイ酸が基剤の主
位を占めるようになっている。
素入り歯磨きが主流になりつつあり、上記基剤の中でも
フッ素との相溶性に最も優れた微粉末ケイ酸が基剤の主
位を占めるようになっている。
【0004】現在使用されている微粉末ケイ酸は、主に
湿式法により製造される微粉末ケイ酸であり、一般に沈
降微粉末ケイ酸と称され、乾式法により製造される微粉
末ケイ酸と区別されている。
湿式法により製造される微粉末ケイ酸であり、一般に沈
降微粉末ケイ酸と称され、乾式法により製造される微粉
末ケイ酸と区別されている。
【0005】このような沈降微粉末ケイ酸は通常水溶性
アルカリ金属ケイ酸塩と硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸を5
0〜100℃の範囲で反応させ沈降ケイ酸を濾過、乾燥
することにより製造される。この反応工程で沈降するケ
イ酸は、通常一次平均粒子径が0.01〜0.5μm
で、これらは凝集して二次粒子と称される凝集体を形成
するがその平均粒子径は大略1.5〜30μm程度で、
多数の微細孔を有する。
アルカリ金属ケイ酸塩と硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸を5
0〜100℃の範囲で反応させ沈降ケイ酸を濾過、乾燥
することにより製造される。この反応工程で沈降するケ
イ酸は、通常一次平均粒子径が0.01〜0.5μm
で、これらは凝集して二次粒子と称される凝集体を形成
するがその平均粒子径は大略1.5〜30μm程度で、
多数の微細孔を有する。
【0006】ところで、このような沈降微粉末ケイ酸は
一般に屈折率が1.44〜1.46の範囲にあり、透明
歯磨用基剤としても好適であり、多用されているが反面
これを白色度の要求される不透明練歯磨用基剤として使
用するときは不透明度を阻害するため好ましくない。
一般に屈折率が1.44〜1.46の範囲にあり、透明
歯磨用基剤としても好適であり、多用されているが反面
これを白色度の要求される不透明練歯磨用基剤として使
用するときは不透明度を阻害するため好ましくない。
【0007】そこで、白色度の要求される練歯磨におい
ては通常平均粒子径0.1〜0.4μmの隠蔽効果の高
い酸化チタニウムが併用されるが、この微粉末酸化チタ
ニウムは凝集性が強く練歯磨に分散させることが極めて
困難である。
ては通常平均粒子径0.1〜0.4μmの隠蔽効果の高
い酸化チタニウムが併用されるが、この微粉末酸化チタ
ニウムは凝集性が強く練歯磨に分散させることが極めて
困難である。
【0008】分散が不十分であるとツブを生じたり、白
色度効果が低下したり、歯磨の安定性が低下する等の問
題が生じる。
色度効果が低下したり、歯磨の安定性が低下する等の問
題が生じる。
【0009】そこで、本願出願人の一人は先に二酸化チ
タニウム使用時に脂肪酸エタノールアミドを併用するこ
とを提案(特開昭60−75420号)し、相当程度上
記問題が解決されることをつきとめたが、二物質の併用
であるため製造工程が繁雑となる問題が依然残ってい
た。また、本願出願人の1人は先にZrO2、TiO2又
はGeO2がSiO2に対して、0.1〜10重量%の割
合で結合した合成無定形ケイ酸塩からなる清掃研磨基材
(特公平5−14750号)を開発したが隠蔽効果が充
分でなく、また歯磨用基剤として使用した場合フッ素と
の相溶性が充分でないことが判明した。そこで本発明者
らは更に検討を重ねた結果、後述する物性を有するチタ
ニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤が、特に歯磨用基剤
として使用したときに適度の研磨性を有すること、更に
また優れた隠蔽力とフッ素相溶性を有することを発見
し、かかる知見に基づき本発明を完成したものである。
タニウム使用時に脂肪酸エタノールアミドを併用するこ
とを提案(特開昭60−75420号)し、相当程度上
記問題が解決されることをつきとめたが、二物質の併用
であるため製造工程が繁雑となる問題が依然残ってい
た。また、本願出願人の1人は先にZrO2、TiO2又
はGeO2がSiO2に対して、0.1〜10重量%の割
合で結合した合成無定形ケイ酸塩からなる清掃研磨基材
(特公平5−14750号)を開発したが隠蔽効果が充
分でなく、また歯磨用基剤として使用した場合フッ素と
の相溶性が充分でないことが判明した。そこで本発明者
らは更に検討を重ねた結果、後述する物性を有するチタ
ニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤が、特に歯磨用基剤
として使用したときに適度の研磨性を有すること、更に
また優れた隠蔽力とフッ素相溶性を有することを発見
し、かかる知見に基づき本発明を完成したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は水溶性ア
ルカリ金属ケイ酸塩と水溶性チタニウム塩と鉱酸とを主
原料として反応させて得たチタニウムがTiO2として
SiO2に対し0.5〜15重量%の範囲で結合し、遊
離のアルカリ金属(M)をM/SiO2で3.0〜1
2.0モル/モル%含有した合成無定形チタニウム結合
ケイ酸塩からなる研磨剤に関し、特に歯磨用基剤として
の適度の研磨性を有し高い隠蔽効果と優れたフッ素との
相容性を有する合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩から
なる研磨剤を提供することを目的とする。
ルカリ金属ケイ酸塩と水溶性チタニウム塩と鉱酸とを主
原料として反応させて得たチタニウムがTiO2として
SiO2に対し0.5〜15重量%の範囲で結合し、遊
離のアルカリ金属(M)をM/SiO2で3.0〜1
2.0モル/モル%含有した合成無定形チタニウム結合
ケイ酸塩からなる研磨剤に関し、特に歯磨用基剤として
の適度の研磨性を有し高い隠蔽効果と優れたフッ素との
相容性を有する合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩から
なる研磨剤を提供することを目的とする。
【0011】
【作用】ところで、前記の他にアルミニウム、マグネシ
ウム、銅、ジルコニウム、亜鉛の金属を結合した金属結
合ケイ酸塩は周知であり、例えば特開昭49−9199
4号公報には沈降微粉末ケイ酸製造時に水可溶性アルミ
ニウムあるいはマグネシウム塩を加えることによりシリ
カの屈折率を変えることができる旨が記載されている。
また特開平8−283013号公報には抗菌剤あるいは
防汚塗料として有用な非晶質ケイ酸銅が開示されてい
る。また特公平4−35402号公報には水溶性アルカ
リ金属ケイ酸塩と水溶性ジルコニウム塩と鉱酸とを反応
させて得た合成無定形ジルコニウム結合ケイ酸塩が開示
されている。特公平6−65605号公報には沈降微粉
末ケイ酸を製造した後、これに亜鉛を化学結合させたシ
リカが開示されている。
ウム、銅、ジルコニウム、亜鉛の金属を結合した金属結
合ケイ酸塩は周知であり、例えば特開昭49−9199
4号公報には沈降微粉末ケイ酸製造時に水可溶性アルミ
ニウムあるいはマグネシウム塩を加えることによりシリ
カの屈折率を変えることができる旨が記載されている。
また特開平8−283013号公報には抗菌剤あるいは
防汚塗料として有用な非晶質ケイ酸銅が開示されてい
る。また特公平4−35402号公報には水溶性アルカ
リ金属ケイ酸塩と水溶性ジルコニウム塩と鉱酸とを反応
させて得た合成無定形ジルコニウム結合ケイ酸塩が開示
されている。特公平6−65605号公報には沈降微粉
末ケイ酸を製造した後、これに亜鉛を化学結合させたシ
リカが開示されている。
【0012】またチタニウムを結合させたチタニウム結
合ケイ酸塩としては特開平8−12305号公報、特開
平8−253313号公報、特開平8−253314号
公報が知られており、特開平8−12305号公報には
テトラエチルシリケートとテトラブチルチタネートの混
合溶液を加水分解してシリカーチタニア粒子を製造する
方法が開示されている。
合ケイ酸塩としては特開平8−12305号公報、特開
平8−253313号公報、特開平8−253314号
公報が知られており、特開平8−12305号公報には
テトラエチルシリケートとテトラブチルチタネートの混
合溶液を加水分解してシリカーチタニア粒子を製造する
方法が開示されている。
【0013】特開平8−253313号公報にはテトラ
アルキルオルトシリケートとテトラアルキルオルトチタ
ネートを用いてMFI型構造を有する結晶性チタノシリ
ケートを製造する方法が開示されている。
アルキルオルトシリケートとテトラアルキルオルトチタ
ネートを用いてMFI型構造を有する結晶性チタノシリ
ケートを製造する方法が開示されている。
【0014】また特開平8−253314号公報にはテ
トラアルキルオルトシリケートとテトラアルキルオルト
チタネートをアルカリ金属を含む水酸化テトラアルキル
アンモニウム水溶液で加水分解し、次いで水熱合成して
高結晶性チタノシリケートを製造する方法が開示されて
いる。また、J.Phys.Chem.,1633−1
636,90,1986にはテトラエチルシリケートと
四塩化チタニウムの混合溶液にアンモニア水を加えてチ
タニウム−シリコン酸化物を製造する方法が開示されて
いる。
トラアルキルオルトシリケートとテトラアルキルオルト
チタネートをアルカリ金属を含む水酸化テトラアルキル
アンモニウム水溶液で加水分解し、次いで水熱合成して
高結晶性チタノシリケートを製造する方法が開示されて
いる。また、J.Phys.Chem.,1633−1
636,90,1986にはテトラエチルシリケートと
四塩化チタニウムの混合溶液にアンモニア水を加えてチ
タニウム−シリコン酸化物を製造する方法が開示されて
いる。
【0015】しかし、これらのアルキルシリケートとア
ルキルチタネートあるいはチタニウム塩との混合溶液を
加水分解して得られるチタノシリケートは極めて高価で
あり、到底歯磨用基剤として使用できるものではない。
ルキルチタネートあるいはチタニウム塩との混合溶液を
加水分解して得られるチタノシリケートは極めて高価で
あり、到底歯磨用基剤として使用できるものではない。
【0016】特開平7−2520号公報には金属アルコ
キシドの加水分解により製造したシリカとチタニアを主
な構成成分とし、全チタニア中のルチル型結晶チタニア
の割合が5%以上である複合酸化物粒子が記載され、こ
のような複合酸化物粒子は900〜1300℃で加熱し
て製造する旨が記載されている。
キシドの加水分解により製造したシリカとチタニアを主
な構成成分とし、全チタニア中のルチル型結晶チタニア
の割合が5%以上である複合酸化物粒子が記載され、こ
のような複合酸化物粒子は900〜1300℃で加熱し
て製造する旨が記載されている。
【0017】また、特開平6−45451号公報にはケ
イ酸アルカリ水溶液とチタンの酸性水溶液とを用いて製
造する一次粒子が10〜100nm、不透明度が0.5
〜30,吸油量が100ml/100g〜300ml/
100g及び比表面積が50〜400m2/gで且つチ
タニアがシリカに対して0.5〜30重量%含まれてい
る非晶質のチタニア/シリカ複合体が記載され、このよ
うな複合体は、紙用充填剤、塗料用充填剤、ゴム用補強
充填剤として有用な旨が記載されている。
イ酸アルカリ水溶液とチタンの酸性水溶液とを用いて製
造する一次粒子が10〜100nm、不透明度が0.5
〜30,吸油量が100ml/100g〜300ml/
100g及び比表面積が50〜400m2/gで且つチ
タニアがシリカに対して0.5〜30重量%含まれてい
る非晶質のチタニア/シリカ複合体が記載され、このよ
うな複合体は、紙用充填剤、塗料用充填剤、ゴム用補強
充填剤として有用な旨が記載されている。
【0018】更にまた、特開平4−77417号公報に
は吸油量100cc/100g以上のチタニア/シリカ
複合体粉末が浴用剤として有用な旨が記載されている。
は吸油量100cc/100g以上のチタニア/シリカ
複合体粉末が浴用剤として有用な旨が記載されている。
【0019】これらチタニア/シリカ粉末と本発明の合
成無定形チタニウム結合ケイ酸塩とは物性、用途を全く
異にするものである。
成無定形チタニウム結合ケイ酸塩とは物性、用途を全く
異にするものである。
【0020】そこで先ず、本発明の合成無定形チタニウ
ム結合ケイ酸塩からなる研磨剤(以下、合成無定形チタ
ニウム結合ケイ酸塩と云う)の製造方法について詳述す
る。
ム結合ケイ酸塩からなる研磨剤(以下、合成無定形チタ
ニウム結合ケイ酸塩と云う)の製造方法について詳述す
る。
【0021】本発明に用いられる水溶性アルカリ金属ケ
イ酸塩としてはナトリウム、カリウム及びリチウムのケ
イ酸塩を挙げることができるが、比較的安価な点からケ
イ酸ナトリウムが一般的である。
イ酸塩としてはナトリウム、カリウム及びリチウムのケ
イ酸塩を挙げることができるが、比較的安価な点からケ
イ酸ナトリウムが一般的である。
【0022】そのモル比、即ちSiO2/X2O(但し、
Xはアルカリ金属を示す)は2〜4の範囲の水溶性アル
カリ金属ケイ酸塩を用いることができる。また、本発明
において、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩の酸性化剤とし
て鉱酸、例えば塩酸、硫酸あるいは硝酸が用いられる
が、本発明において特に重要な点は、水溶性アルカリ金
属ケイ酸塩溶液と鉱酸とを反応させ、沈降微粉末ケイ酸
を得る工程においてチタニウムを添加することにあり、
また、反応をアルカリ側から開始することにある。本発
明に使用するチタニウム供与物質としては、後述の水溶
性チタニウム塩を用いることができ、その実施態様とし
ては、別個に水溶性チタニウム塩溶液として反応させて
もよいが、本発明者らが推奨する最良の方法は、あらか
じめ水溶性チタニウム塩を鉱酸に添加して、チタニウム
含有鉱酸とし、これを水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液
と反応せしめる方法である。この方法によるときは、他
の方法に比べてシリカ中に極めて均一にチタニウムを結
合した状態でこれを製造することができる。本発明に用
いられる水溶性チタニウム塩としては、塩化チタニウ
ム、オキシ塩化チタニウム、硫酸チタニウム、硝酸チタ
ニウム等を例示できるが、これらに限定されるものでは
ない。また、水溶性チタニウム塩の使用量はTiO2と
して水溶性アルカリ金属ケイ酸塩のSiO2に対して
0.5〜15重量%の範囲である。例えばチタニウムを
含有せしめた鉱酸を用いる場合、上記範囲内において適
宜調整して反応に供すればよい。下限を下廻る場合、チ
タニウムの添加効果が充分でなく、上限を越えると反応
条件如何によっては、水酸化チタニウムが生成すること
があり望ましくない。後述する如くチタニウム含有量が
多くなる程合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の研磨性
は小さくなる。従って硬度の小さい、あるいは鏡面研磨
を希望する場合はチタニウム含有量を多くすることが望
ましい。
Xはアルカリ金属を示す)は2〜4の範囲の水溶性アル
カリ金属ケイ酸塩を用いることができる。また、本発明
において、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩の酸性化剤とし
て鉱酸、例えば塩酸、硫酸あるいは硝酸が用いられる
が、本発明において特に重要な点は、水溶性アルカリ金
属ケイ酸塩溶液と鉱酸とを反応させ、沈降微粉末ケイ酸
を得る工程においてチタニウムを添加することにあり、
また、反応をアルカリ側から開始することにある。本発
明に使用するチタニウム供与物質としては、後述の水溶
性チタニウム塩を用いることができ、その実施態様とし
ては、別個に水溶性チタニウム塩溶液として反応させて
もよいが、本発明者らが推奨する最良の方法は、あらか
じめ水溶性チタニウム塩を鉱酸に添加して、チタニウム
含有鉱酸とし、これを水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液
と反応せしめる方法である。この方法によるときは、他
の方法に比べてシリカ中に極めて均一にチタニウムを結
合した状態でこれを製造することができる。本発明に用
いられる水溶性チタニウム塩としては、塩化チタニウ
ム、オキシ塩化チタニウム、硫酸チタニウム、硝酸チタ
ニウム等を例示できるが、これらに限定されるものでは
ない。また、水溶性チタニウム塩の使用量はTiO2と
して水溶性アルカリ金属ケイ酸塩のSiO2に対して
0.5〜15重量%の範囲である。例えばチタニウムを
含有せしめた鉱酸を用いる場合、上記範囲内において適
宜調整して反応に供すればよい。下限を下廻る場合、チ
タニウムの添加効果が充分でなく、上限を越えると反応
条件如何によっては、水酸化チタニウムが生成すること
があり望ましくない。後述する如くチタニウム含有量が
多くなる程合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の研磨性
は小さくなる。従って硬度の小さい、あるいは鏡面研磨
を希望する場合はチタニウム含有量を多くすることが望
ましい。
【0023】また、チタニウム含量が多くなる程隠蔽力
は大きくなる。
は大きくなる。
【0024】ところで、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と
水溶性チタニウム塩と鉱酸との反応は、前述の如く反応
をアルカリ側から開始することが重要である。反応をア
ルカリ側から開始することの必要性は、反応を酸性側か
ら開始した場合、単一粒子の凝集体、即ち二次粒子が形
成されずゲル状物質が生成することによる。
水溶性チタニウム塩と鉱酸との反応は、前述の如く反応
をアルカリ側から開始することが重要である。反応をア
ルカリ側から開始することの必要性は、反応を酸性側か
ら開始した場合、単一粒子の凝集体、即ち二次粒子が形
成されずゲル状物質が生成することによる。
【0025】尚、本発明で云う反応をアルカリ側から開
始するとは、核生成をアルカリ側で行わせることを云
い、具体的には、例えば、反応槽に予め水溶性アルカ
リ金属ケイ酸塩を仕込んでおき、これに水溶性チタニウ
ム塩及び鉱酸を添加反応せしめる方法。反応槽に水溶
性チタニウム塩含有鉱酸と水溶性アルカリ金属ケイ酸塩
とを同時添加する方法に於いて、水溶性アルカリ金属ケ
イ酸塩の添加量比を水溶性チタニウム含有鉱酸の当量以
上とする方法。反応槽に予め水溶性アルカリ金属ケイ
酸塩を仕込み、鉱酸と水溶性チタニウム塩を所望量、同
時若しくは別々に添加する方法等であり、要はシリカの
核生成をアルカリ側で行わせることを云う。
始するとは、核生成をアルカリ側で行わせることを云
い、具体的には、例えば、反応槽に予め水溶性アルカ
リ金属ケイ酸塩を仕込んでおき、これに水溶性チタニウ
ム塩及び鉱酸を添加反応せしめる方法。反応槽に水溶
性チタニウム塩含有鉱酸と水溶性アルカリ金属ケイ酸塩
とを同時添加する方法に於いて、水溶性アルカリ金属ケ
イ酸塩の添加量比を水溶性チタニウム含有鉱酸の当量以
上とする方法。反応槽に予め水溶性アルカリ金属ケイ
酸塩を仕込み、鉱酸と水溶性チタニウム塩を所望量、同
時若しくは別々に添加する方法等であり、要はシリカの
核生成をアルカリ側で行わせることを云う。
【0026】反応温度及びpHに関して云えば、温度は
50〜100℃で行い、反応終了pHは6〜9となるこ
とが重要である。
50〜100℃で行い、反応終了pHは6〜9となるこ
とが重要である。
【0027】すなわち、他の反応条件が同一である場
合、反応温度が50℃を下廻ると一次粒子の生成が起こ
り難く、しかも二次粒子の凝集力が弱くチタニウムの使
用効果が充分発揮されない。
合、反応温度が50℃を下廻ると一次粒子の生成が起こ
り難く、しかも二次粒子の凝集力が弱くチタニウムの使
用効果が充分発揮されない。
【0028】また、一方反応終了pHが9を越えると、
合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の析出が完全に行わ
れず、反応収率は悪くなり、pHが6以下になると本発
明の目的とする合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を製
造することが極めて困難となる。即ち、反応終了pHが
6以下になると研磨性が小さくなり、歯磨用基剤として
好ましくないものとなる。また隠蔽力は低下し、フッ素
との相溶性も極度に低下する。一般に反応終了pHが高
い程、研磨性は大きくなり隠蔽力は向上し、フッ素との
相溶性も大きくなる。
合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の析出が完全に行わ
れず、反応収率は悪くなり、pHが6以下になると本発
明の目的とする合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を製
造することが極めて困難となる。即ち、反応終了pHが
6以下になると研磨性が小さくなり、歯磨用基剤として
好ましくないものとなる。また隠蔽力は低下し、フッ素
との相溶性も極度に低下する。一般に反応終了pHが高
い程、研磨性は大きくなり隠蔽力は向上し、フッ素との
相溶性も大きくなる。
【0029】次に遊離のアルカリ金属について云えば合
成無定形チタニウム結合ケイ酸塩に含有される遊離のア
ルカリ金属(M)の量はM/SiO2で3.0〜12.
0モル/モル%含有されるべきである。この範囲以下で
あると研磨性は小さくなり、特に歯磨用基剤としては不
適なものとなる。また隠蔽力は低下し、フッ素との相溶
性も悪化する。また、この範囲以上にしても本発明の目
的とする効果は得られずアルカリ金属含量が多くなり、
研磨剤としては好ましくない。このような遊離のアルカ
リ金属は主に水溶性アルカリ金属ケイ酸塩に由来するも
のであるが、シリカ中への含有量の調整は主に反応終了
pHによって調整される。水溶性アルカリ金属ケイ酸塩
に由来するアルカリ金属で不足するときは別途水溶性ア
ルカリ金属塩を添加する。これに使用する水溶性アルカ
リ金属としてはナリウム、カリウム、リチウムの水酸化
物や炭酸塩、重炭酸塩が好例として挙げられるが、ケイ
酸塩中への遊離のアルカリ金属含量を支配する主要因は
上記の如く反応終了pHである。
成無定形チタニウム結合ケイ酸塩に含有される遊離のア
ルカリ金属(M)の量はM/SiO2で3.0〜12.
0モル/モル%含有されるべきである。この範囲以下で
あると研磨性は小さくなり、特に歯磨用基剤としては不
適なものとなる。また隠蔽力は低下し、フッ素との相溶
性も悪化する。また、この範囲以上にしても本発明の目
的とする効果は得られずアルカリ金属含量が多くなり、
研磨剤としては好ましくない。このような遊離のアルカ
リ金属は主に水溶性アルカリ金属ケイ酸塩に由来するも
のであるが、シリカ中への含有量の調整は主に反応終了
pHによって調整される。水溶性アルカリ金属ケイ酸塩
に由来するアルカリ金属で不足するときは別途水溶性ア
ルカリ金属塩を添加する。これに使用する水溶性アルカ
リ金属としてはナリウム、カリウム、リチウムの水酸化
物や炭酸塩、重炭酸塩が好例として挙げられるが、ケイ
酸塩中への遊離のアルカリ金属含量を支配する主要因は
上記の如く反応終了pHである。
【0030】次いで鉱酸を添加する際の水溶性アルカリ
金属ケイ酸塩溶液のSiO2濃度について云えば5〜1
5重量%程度であることが望ましく、更に酸濃度も5〜
25重量%程度が製造上好ましい。またチタニウム含有
鉱酸を使用する場合に於いても同様である。原料濃度は
他の条件を適宜選択することにより、この範囲内で目的
とする本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得
ることができる。
金属ケイ酸塩溶液のSiO2濃度について云えば5〜1
5重量%程度であることが望ましく、更に酸濃度も5〜
25重量%程度が製造上好ましい。またチタニウム含有
鉱酸を使用する場合に於いても同様である。原料濃度は
他の条件を適宜選択することにより、この範囲内で目的
とする本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得
ることができる。
【0031】このようにして製造した本発明の合成無定
形チタニウム結合ケイ酸塩は適度の研磨性を有すると共
に、後述するフッ素との相溶性に優れ歯磨用基剤として
極めて好適なものである。更にまたチタニウムがケイ酸
と結合しているため、歯磨組成物への分散性は頗る良好
であり、隠蔽力も秀抜したものである。
形チタニウム結合ケイ酸塩は適度の研磨性を有すると共
に、後述するフッ素との相溶性に優れ歯磨用基剤として
極めて好適なものである。更にまたチタニウムがケイ酸
と結合しているため、歯磨組成物への分散性は頗る良好
であり、隠蔽力も秀抜したものである。
【0032】先に述べた通りチタニウムに関して云えば
チタニウム量が多くなるに従って研磨性は小さくなり、
他方BET比表面積は大きくなる。
チタニウム量が多くなるに従って研磨性は小さくなり、
他方BET比表面積は大きくなる。
【0033】本発明においてその目的を更によく達成さ
せるためには、即ち所望する研磨性を得るためには、合
成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を析出させる工程にお
いて電解質物質を介在せしめることが有益である。即
ち、チタニウム量を多くして、隠蔽力を向上させたいと
きに、電解質物質を使用することは特に有効である。前
記の通り、チタニウム量が多くなると研磨性は小さくな
る。そこで、電解質物質を介在させると隠蔽力は向上
し、研磨性も大きくなる。
せるためには、即ち所望する研磨性を得るためには、合
成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を析出させる工程にお
いて電解質物質を介在せしめることが有益である。即
ち、チタニウム量を多くして、隠蔽力を向上させたいと
きに、電解質物質を使用することは特に有効である。前
記の通り、チタニウム量が多くなると研磨性は小さくな
る。そこで、電解質物質を介在させると隠蔽力は向上
し、研磨性も大きくなる。
【0034】電解質物質の存在下で水溶性アルカリ金属
ケイ酸塩溶液と水溶性チタニウム塩と鉱酸とを反応せし
めて得られる合成無定形チタニム結合ケイ酸塩は、電解
質物質の不存在下で得られる合成無定形チタニウム結合
ケイ酸塩に比べて研磨性が一層向上する。その傾向は電
解質物質のある一定の範囲内に於いては、略比例関係に
ある。即ち電解質物質の使用量増大とともに研磨性も増
大する。
ケイ酸塩溶液と水溶性チタニウム塩と鉱酸とを反応せし
めて得られる合成無定形チタニム結合ケイ酸塩は、電解
質物質の不存在下で得られる合成無定形チタニウム結合
ケイ酸塩に比べて研磨性が一層向上する。その傾向は電
解質物質のある一定の範囲内に於いては、略比例関係に
ある。即ち電解質物質の使用量増大とともに研磨性も増
大する。
【0035】本発明に用いられる電解質物質としては、
水溶性アルカリ金属の鉱酸塩が好ましく、例えばナトリ
ウム、カリウム等の鉱酸塩であり、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナト
リウム、硝酸カリウム等を例示することができる。ま
た、その使用量に関しては、SiO2に対して5〜50
重量%までの範囲内で適宜用いられる。5重量%以下で
はその効果が充分でなく、50重量%を超えても添加量
に見合う効果が得られない。その実施態様としては、電
解質物質を予め水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液に含有
させることが好ましいが、電解質物質量、反応温度、反
応時間等を適宜選択することにより、鉱酸に電解質物質
を添加し、反応させることを妨げるものではない。
水溶性アルカリ金属の鉱酸塩が好ましく、例えばナトリ
ウム、カリウム等の鉱酸塩であり、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナト
リウム、硝酸カリウム等を例示することができる。ま
た、その使用量に関しては、SiO2に対して5〜50
重量%までの範囲内で適宜用いられる。5重量%以下で
はその効果が充分でなく、50重量%を超えても添加量
に見合う効果が得られない。その実施態様としては、電
解質物質を予め水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液に含有
させることが好ましいが、電解質物質量、反応温度、反
応時間等を適宜選択することにより、鉱酸に電解質物質
を添加し、反応させることを妨げるものではない。
【0036】さて、本発明の合成無定形チタニウム結合
ケイ酸塩の製造上の留意点としては、前記の通り反応を
アルカリ側で開始することに加えて、水溶性アルカリ金
属ケイ酸塩溶液中のシリカ(SiO2)分が完全に析出
し終えるまでの工程で水溶性チタニウム塩を添加、反応
させることにあり、望ましくは水溶性チタニウム塩を予
め鉱酸中に含有せしめる方法が良い。即ち、全シリカが
析出し終わった時点から水溶性チタニウム塩を添加して
も本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得るこ
とができない。例えば、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶
液と鉱酸とを同時添加する方法においては、両者の添加
終了時までに水溶性チタニウム塩を添加すべきである。
水溶性チタニウム塩の添加終了後、用途により所望する
pHまで鉱酸を添加すればよい。しかしながら反応終了
pHが6以下では本発明の合成無定形チタニウム結合ケ
イ酸塩を得ることが極めて困難となる。
ケイ酸塩の製造上の留意点としては、前記の通り反応を
アルカリ側で開始することに加えて、水溶性アルカリ金
属ケイ酸塩溶液中のシリカ(SiO2)分が完全に析出
し終えるまでの工程で水溶性チタニウム塩を添加、反応
させることにあり、望ましくは水溶性チタニウム塩を予
め鉱酸中に含有せしめる方法が良い。即ち、全シリカが
析出し終わった時点から水溶性チタニウム塩を添加して
も本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得るこ
とができない。例えば、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶
液と鉱酸とを同時添加する方法においては、両者の添加
終了時までに水溶性チタニウム塩を添加すべきである。
水溶性チタニウム塩の添加終了後、用途により所望する
pHまで鉱酸を添加すればよい。しかしながら反応終了
pHが6以下では本発明の合成無定形チタニウム結合ケ
イ酸塩を得ることが極めて困難となる。
【0037】反応終了後は、通常の方法により濾過、水
洗を行い、得られた合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩
を液から分離し、乾燥、粉砕して製品とする。
洗を行い、得られた合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩
を液から分離し、乾燥、粉砕して製品とする。
【0038】このようにして得られた合成無定形チタニ
ウム結合ケイ酸塩はシリカとチタニウムが結合したもの
である。即ち、後述する如く上記の如くして製造したシ
リカは500℃焼成品が無定形であるに対し、水溶性ア
ルカリ金属ケイ酸塩と鉱酸とを反応させて得たシリカと
水酸化チタニウムの混合物焼成品はアナターゼ型の結晶
ピークを示し、本発明品はシリカとチタニウムが結合し
たものであることが判る。
ウム結合ケイ酸塩はシリカとチタニウムが結合したもの
である。即ち、後述する如く上記の如くして製造したシ
リカは500℃焼成品が無定形であるに対し、水溶性ア
ルカリ金属ケイ酸塩と鉱酸とを反応させて得たシリカと
水酸化チタニウムの混合物焼成品はアナターゼ型の結晶
ピークを示し、本発明品はシリカとチタニウムが結合し
たものであることが判る。
【0039】更にまた、後述するように、沈降微粉末ケ
イ酸と水酸化チタニウムとの混合物は硫酸に対するチタ
ニウムの溶出率が極めて大きいのに対し、本発明合成無
定形チタニウム結合ケイ酸塩のチタニウムの溶出率は混
合物の約1/2程度であり、明らかにシリカとチタニウ
ムが結合していることが判る。
イ酸と水酸化チタニウムとの混合物は硫酸に対するチタ
ニウムの溶出率が極めて大きいのに対し、本発明合成無
定形チタニウム結合ケイ酸塩のチタニウムの溶出率は混
合物の約1/2程度であり、明らかにシリカとチタニウ
ムが結合していることが判る。
【0040】さて上記のようにして得られた合成無定形
チタニウム結合ケイ酸塩はチタニウムがTiO2として
SiO2に対し、0.5〜15重量%の範囲でシリカと
結合したものであり、遊離のアルカリ金属(M)をM/
SiO2で3.0〜12.0モル/モル%含有したもの
である。またその一次粒子の平均粒子径は0.01〜
0.50μmであり、且つ凝集体の二次平均粒子径は3
〜25μm、BET法による比表面積は20〜200m
2/gである。殊に本発明においてはBET比表面積が
重要であって、BET比表面積が20m2/g以下であ
ると隠蔽力が低下し、200m2/g以上になるとフッ
素との相溶性が悪くなる。従ってBET比表面積の範囲
は厳守されるべきである。この合成無定形チタニウム結
合ケイ酸塩を殊に歯磨用基剤に用いた場合、極めて容易
に白色度を向上させることができ、またフッ素との相溶
性も極めて高いものであり、更にまたその研磨力も適正
な範囲において調整されているため、秀抜した歯磨用基
剤となる。
チタニウム結合ケイ酸塩はチタニウムがTiO2として
SiO2に対し、0.5〜15重量%の範囲でシリカと
結合したものであり、遊離のアルカリ金属(M)をM/
SiO2で3.0〜12.0モル/モル%含有したもの
である。またその一次粒子の平均粒子径は0.01〜
0.50μmであり、且つ凝集体の二次平均粒子径は3
〜25μm、BET法による比表面積は20〜200m
2/gである。殊に本発明においてはBET比表面積が
重要であって、BET比表面積が20m2/g以下であ
ると隠蔽力が低下し、200m2/g以上になるとフッ
素との相溶性が悪くなる。従ってBET比表面積の範囲
は厳守されるべきである。この合成無定形チタニウム結
合ケイ酸塩を殊に歯磨用基剤に用いた場合、極めて容易
に白色度を向上させることができ、またフッ素との相溶
性も極めて高いものであり、更にまたその研磨力も適正
な範囲において調整されているため、秀抜した歯磨用基
剤となる。
【0041】本発明を更に説明するに当たり、本発明に
用いる用語、遊離のアルカリ金属量、隠蔽力、フッ素相
溶性、X線解析、研磨減量、チタニウム溶出率、平均一
次粒子径、凝集体の二次平均粒子径、BET法による比
表面積について説明する。
用いる用語、遊離のアルカリ金属量、隠蔽力、フッ素相
溶性、X線解析、研磨減量、チタニウム溶出率、平均一
次粒子径、凝集体の二次平均粒子径、BET法による比
表面積について説明する。
【0042】1.遊離のアルカリ金属量 試料の組成分析は、蛍光X線分析法にて行った。蛍光X
線分析測定装置は、PHILIPS製PW2400を用
い、解析ソフトのユニクォントII(UQ−II)にて得ら
れた各成分の量から次式にて遊離のアルカリ金属の量を
求めた。遊離のアルカリ金属量(モル/モル%)=[ア
ルカリ金属のモル数−(酸根のモル数×酸根の価数)]
/シリカ(SiO2)のモル数×100
線分析測定装置は、PHILIPS製PW2400を用
い、解析ソフトのユニクォントII(UQ−II)にて得ら
れた各成分の量から次式にて遊離のアルカリ金属の量を
求めた。遊離のアルカリ金属量(モル/モル%)=[ア
ルカリ金属のモル数−(酸根のモル数×酸根の価数)]
/シリカ(SiO2)のモル数×100
【0043】2.隠蔽力 2枚のガラス板(5×100×100mm硬質ガラス)
の間にスラリー*をはさみ、25℃湿度75%の恒温室
内で、JIS Z8720(測色用の標準の光及び標準
光源)の6.2に規定される標準光源Cを用いたボック
ス型標準照明装置を用いて測定した。評価は、ガラス板
下の文字の見え方により、表1の通り5段階評価で行っ
た。 *スラリー:グリセリンに試料を5%配合し分散、脱泡
を行ったものを試験に使用した。
の間にスラリー*をはさみ、25℃湿度75%の恒温室
内で、JIS Z8720(測色用の標準の光及び標準
光源)の6.2に規定される標準光源Cを用いたボック
ス型標準照明装置を用いて測定した。評価は、ガラス板
下の文字の見え方により、表1の通り5段階評価で行っ
た。 *スラリー:グリセリンに試料を5%配合し分散、脱泡
を行ったものを試験に使用した。
【0044】
【表1】
【0045】3.フッ素相溶性 50ml容サンプル瓶にFとして1000ppm含有す
るNaF溶液25mlと試料5gを添加・混合し、50
℃の孵卵機で7日間保存した後、遠心分離器で固液分離
を行い、液層中のF量をイオンメーターにて測定し、残
存フッ素量を求めた。
るNaF溶液25mlと試料5gを添加・混合し、50
℃の孵卵機で7日間保存した後、遠心分離器で固液分離
を行い、液層中のF量をイオンメーターにて測定し、残
存フッ素量を求めた。
【0046】4.X線解析 X線回折装置は理学電気(株)製ガイガーフレックスR
AD−IA型を使用した。
AD−IA型を使用した。
【0047】5.研磨減量 水平往復ブラッシング式研磨機を使用し、試料25%を
含む60%グリセリン水溶液を表面平滑な銅板上に載
せ、荷重400gをかけて18,000回研磨した後、
銅板の減量を測定し、これを研磨減量とした。
含む60%グリセリン水溶液を表面平滑な銅板上に載
せ、荷重400gをかけて18,000回研磨した後、
銅板の減量を測定し、これを研磨減量とした。
【0048】6.チタニウム溶出率 試料1gを100ml容三角フラスコに取り、1N硫酸
80gを加え、80℃で1時間加熱・攪拌した。冷却
後、メンブランフィルター(ADVANTECCell
uose Nitrate 0.3μm)を用いてろ過
した濾液を100ml容メスフラスコに取り供試液とし
た。次いで、この供試液中のチタニウム量をJarre
ll−Ash製ICP−AESを用いて測定し、試料1
g当たりのチタニウム溶出量(ag)を求めた。一方、
試料1gを白金皿に取り、水10ml、50%硫酸0.
5ml、フッ化水素酸10mlを加え、砂浴上で加熱溶
解せしめ上述した方法に従って試料1g当たりのチタニ
ウム含有量(bg)を求め、次式によりチタニウム溶出
量を算出した。 チタニウム溶出率(%)=a/b×100
80gを加え、80℃で1時間加熱・攪拌した。冷却
後、メンブランフィルター(ADVANTECCell
uose Nitrate 0.3μm)を用いてろ過
した濾液を100ml容メスフラスコに取り供試液とし
た。次いで、この供試液中のチタニウム量をJarre
ll−Ash製ICP−AESを用いて測定し、試料1
g当たりのチタニウム溶出量(ag)を求めた。一方、
試料1gを白金皿に取り、水10ml、50%硫酸0.
5ml、フッ化水素酸10mlを加え、砂浴上で加熱溶
解せしめ上述した方法に従って試料1g当たりのチタニ
ウム含有量(bg)を求め、次式によりチタニウム溶出
量を算出した。 チタニウム溶出率(%)=a/b×100
【0049】7.平均一次粒子径 走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、電子プローブマイ
クロアナライザー、JXA−840A)観察により、単
位粒子径を測定し、その結果を基に算術平均値を求め
た。
クロアナライザー、JXA−840A)観察により、単
位粒子径を測定し、その結果を基に算術平均値を求め
た。
【0050】8.凝集体の二次平均粒子径 遠心沈降粒度分布測定装置((株)島津製作所製、SA−
CP2型)により、水を分散媒に使用し、粒度分布を測
定し、累積分布が50重量%における粒子径を二次平均
粒子径とした。
CP2型)により、水を分散媒に使用し、粒度分布を測
定し、累積分布が50重量%における粒子径を二次平均
粒子径とした。
【0051】9.BET法による比表面積 液体窒素を冷却剤に用い、−196℃における窒素ガス
吸着量から分子量面積を16.2(オンク゛ストローム)2として
BET法により無水物グラム当たりの比表面積を算出し
た。試料の脱ガスは140℃で60分間行った。さて、
本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩は以上説明し
た如き物性を有するものであり、歯磨用基剤、殊に白色
度及びフッ素との相溶性を要求される歯磨用基剤として
有用であるが、プラスチック研磨剤、金属研磨剤、ガラ
ス研磨剤、セラミック研磨剤等各種研磨に使用するとき
も極めて有益である。
吸着量から分子量面積を16.2(オンク゛ストローム)2として
BET法により無水物グラム当たりの比表面積を算出し
た。試料の脱ガスは140℃で60分間行った。さて、
本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩は以上説明し
た如き物性を有するものであり、歯磨用基剤、殊に白色
度及びフッ素との相溶性を要求される歯磨用基剤として
有用であるが、プラスチック研磨剤、金属研磨剤、ガラ
ス研磨剤、セラミック研磨剤等各種研磨に使用するとき
も極めて有益である。
【0052】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて更に説明する
が、特に断らない限り%は全て重量%を示す。
が、特に断らない限り%は全て重量%を示す。
【0053】(実施例1)150mmφタービン翼を有
する攪拌機を設けた20L容邪魔板付き反応容器にSi
O2100g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2
O・3.14SiO2)水溶液10Kgを入れ、反応温
度90℃に保持し、これに表2のような割合になるよう
にオキシ塩化チタニウム溶液(TiO227%)と10
%硫酸の混合溶液を添加し、次いで10%硫酸をpH
7.5になるまで添加し、更に20分間熟成しナトリウ
ム含有の異なる本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸
塩を製造した。これらケイ酸塩について研磨減量を測定
した。その結果を表2に示す。尚、(Na又はK)/S
iO2(モル/モル%)は遊離のアルカリ金属量を示す
(以下同じ)。
する攪拌機を設けた20L容邪魔板付き反応容器にSi
O2100g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(Na2
O・3.14SiO2)水溶液10Kgを入れ、反応温
度90℃に保持し、これに表2のような割合になるよう
にオキシ塩化チタニウム溶液(TiO227%)と10
%硫酸の混合溶液を添加し、次いで10%硫酸をpH
7.5になるまで添加し、更に20分間熟成しナトリウ
ム含有の異なる本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸
塩を製造した。これらケイ酸塩について研磨減量を測定
した。その結果を表2に示す。尚、(Na又はK)/S
iO2(モル/モル%)は遊離のアルカリ金属量を示す
(以下同じ)。
【0054】
【表2】
【0055】(実施例2)実施例1の装置を用いて反応
容器にSiO2100g/Kgを含有するケイ酸ナトリ
ウム(Na2O・3.14SiO2)水溶液8.92Kg
を入れ、反応温度95℃に保持し、これに表3のような
割合でオキシ塩化チタニウム溶液(TiO227%)を
添加するとともに、10%硫酸を、反応系のpHが表3
に示す所定pHになるまで添加し、添加終了後そのまま
20分間熟成した。このスラリーを濾過、水洗し、11
0℃に保った乾燥機中で乾燥後、粉砕し、本発明合成無
定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。こうして得られた
合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩について後記する隠
蔽力及びSiO2に対する遊離のNa量(モル/モル
%)並びにBET比表面積を測定した。その結果を表3
に示す。
容器にSiO2100g/Kgを含有するケイ酸ナトリ
ウム(Na2O・3.14SiO2)水溶液8.92Kg
を入れ、反応温度95℃に保持し、これに表3のような
割合でオキシ塩化チタニウム溶液(TiO227%)を
添加するとともに、10%硫酸を、反応系のpHが表3
に示す所定pHになるまで添加し、添加終了後そのまま
20分間熟成した。このスラリーを濾過、水洗し、11
0℃に保った乾燥機中で乾燥後、粉砕し、本発明合成無
定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。こうして得られた
合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩について後記する隠
蔽力及びSiO2に対する遊離のNa量(モル/モル
%)並びにBET比表面積を測定した。その結果を表3
に示す。
【0056】
【表3】
【0057】(実施例3)実施例1で用いた反応容器に
SiO2105g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム
(Na2O・3.17SiO2)水溶液10Kg及び塩化
ナトリウム105gを入れ反応温度90℃に保持し、こ
れに表4のような割合になるようにオキシ塩化チタニウ
ム溶液(TiO227%)と10%硫酸の混合溶液を添
加し、次いで、30分間熟成しナトリウム含量の異なる
本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を製造した。
これらケイ酸塩についてフッ素相溶性を測定した。その
結果を表4に示す。
SiO2105g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム
(Na2O・3.17SiO2)水溶液10Kg及び塩化
ナトリウム105gを入れ反応温度90℃に保持し、こ
れに表4のような割合になるようにオキシ塩化チタニウ
ム溶液(TiO227%)と10%硫酸の混合溶液を添
加し、次いで、30分間熟成しナトリウム含量の異なる
本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を製造した。
これらケイ酸塩についてフッ素相溶性を測定した。その
結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】表4から、本発明ケイ酸塩は優れたフッ素
相溶性を示すことが判る。また本発明例のケイ酸塩は全
て、一次粒子の平均粒子径は0.01〜0.50μmの
範囲にあり、二次平均粒子径も3〜25μmの範囲にあ
り、且つBET比表面積も20〜200m2/gの範囲
にあった。
相溶性を示すことが判る。また本発明例のケイ酸塩は全
て、一次粒子の平均粒子径は0.01〜0.50μmの
範囲にあり、二次平均粒子径も3〜25μmの範囲にあ
り、且つBET比表面積も20〜200m2/gの範囲
にあった。
【0060】(実施例4)実施例1で用いた反応容器に
実施例3で使用したと同一組成のケイ酸ナトリウム水溶
液10Kgと表5に示す割合で、電解質物質として塩化
ナトリウムを入れ、反応温度85℃に保持し、これに硫
酸チタニウム溶液(TiO217%)を5.2g/分の
速度で60分間、また10%硫酸を60g/分の速度で
60分間で同時添加し、次いで後者のみ引続いて添加
し、pHが6.7になった時点で添加終了し、15分間
熟成した。このスラリーを濾過、水洗後110℃に保っ
た乾燥器中で乾燥後粉砕し、本発明合成無定形チタニウ
ム結合ケイ酸塩を得た。このケイ酸塩について銅板研磨
減量を測定した。尚、電解質物質を添加しないものにつ
いても同様に測定した。その結果を併せ表5に示す。
実施例3で使用したと同一組成のケイ酸ナトリウム水溶
液10Kgと表5に示す割合で、電解質物質として塩化
ナトリウムを入れ、反応温度85℃に保持し、これに硫
酸チタニウム溶液(TiO217%)を5.2g/分の
速度で60分間、また10%硫酸を60g/分の速度で
60分間で同時添加し、次いで後者のみ引続いて添加
し、pHが6.7になった時点で添加終了し、15分間
熟成した。このスラリーを濾過、水洗後110℃に保っ
た乾燥器中で乾燥後粉砕し、本発明合成無定形チタニウ
ム結合ケイ酸塩を得た。このケイ酸塩について銅板研磨
減量を測定した。尚、電解質物質を添加しないものにつ
いても同様に測定した。その結果を併せ表5に示す。
【0061】
【表5】
【0062】(実施例5)実施例1で用いた反応容器に
SiO2100g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム
(Na2O・3.14SiO2)水溶液9.2Kgを入
れ、反応温度を95℃に保持し、これに塩化ナトリウム
138gを添加した後、チタニウム2.5%(TiO2
として)を含有する硫酸チタニウム含有10%硫酸を6
2.5g/分の速度で60分間添加し、次いで10%硫
酸を添加し、反応系のpHが7.5になったときに10
%硫酸の添加を止め、そのまま30分間熟成した。この
スラリーを濾過、水洗後110℃に保った乾燥機中で乾
燥後粉砕し、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩
を得た。このケイ酸塩の分析の結果、Na=3.04
%、SO4=0.96%、Cl=0.380%、SiO2
=81.38%であり、遊離のナトリウムNa/SiO
2=7.49モル/モル%であった。更に物性を測定し
たところ研磨減量は2.07mg、一次平均粒子径は
0.03μm、凝集体の二次平均粒子径は10.1μ
m、BET比表面積は148m2/gであった。
SiO2100g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム
(Na2O・3.14SiO2)水溶液9.2Kgを入
れ、反応温度を95℃に保持し、これに塩化ナトリウム
138gを添加した後、チタニウム2.5%(TiO2
として)を含有する硫酸チタニウム含有10%硫酸を6
2.5g/分の速度で60分間添加し、次いで10%硫
酸を添加し、反応系のpHが7.5になったときに10
%硫酸の添加を止め、そのまま30分間熟成した。この
スラリーを濾過、水洗後110℃に保った乾燥機中で乾
燥後粉砕し、本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩
を得た。このケイ酸塩の分析の結果、Na=3.04
%、SO4=0.96%、Cl=0.380%、SiO2
=81.38%であり、遊離のナトリウムNa/SiO
2=7.49モル/モル%であった。更に物性を測定し
たところ研磨減量は2.07mg、一次平均粒子径は
0.03μm、凝集体の二次平均粒子径は10.1μ
m、BET比表面積は148m2/gであった。
【0063】また、硫酸チタニウムを含有しないことを
除いては同様の方法によりチタニウムを結合しない沈降
微粉末ケイ酸(比較例)を製造した。これらの電子顕微
鏡写真を図1(本発明品)及び図2(比較品)を示す。
除いては同様の方法によりチタニウムを結合しない沈降
微粉末ケイ酸(比較例)を製造した。これらの電子顕微
鏡写真を図1(本発明品)及び図2(比較品)を示す。
【0064】一方上記反応容器にNa2O濃度3.66
%の水酸化ナトリウム溶液8.3Kgを入れ、反応温度
を95℃に保持し、これに塩化ナトリウム138gを添
加した後、チタニウム2.5%(TiO2として)を含
有する硫酸チタニウム含有10%硫酸を62.5g/分
の速度で60分間添加し、次いで10%硫酸を添加し反
応系のpHが7.5になったときに10%硫酸の添加を
止め、水酸化チタニウム含有スラリーを製造した。この
スラリーを濾過、水洗を繰り返し、110℃に保った乾
燥機中で乾燥後粉砕し水酸化チタニウムを得た。この水
酸化チタニウムを上記比較品とチタニウムがTiO2と
してSiO2に対し10%になるように混合した。上記
本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩(本発明未
焼成品)及びこれを500℃で3時間焼成したもの(本
発明焼成品)、上記比較品と水酸化チタニウムとの混合
品を500℃で3時間焼成したもの(比較例焼成品)に
ついてX線解析を行った。その結果を図3、図4及び図
5に示す。
%の水酸化ナトリウム溶液8.3Kgを入れ、反応温度
を95℃に保持し、これに塩化ナトリウム138gを添
加した後、チタニウム2.5%(TiO2として)を含
有する硫酸チタニウム含有10%硫酸を62.5g/分
の速度で60分間添加し、次いで10%硫酸を添加し反
応系のpHが7.5になったときに10%硫酸の添加を
止め、水酸化チタニウム含有スラリーを製造した。この
スラリーを濾過、水洗を繰り返し、110℃に保った乾
燥機中で乾燥後粉砕し水酸化チタニウムを得た。この水
酸化チタニウムを上記比較品とチタニウムがTiO2と
してSiO2に対し10%になるように混合した。上記
本発明の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩(本発明未
焼成品)及びこれを500℃で3時間焼成したもの(本
発明焼成品)、上記比較品と水酸化チタニウムとの混合
品を500℃で3時間焼成したもの(比較例焼成品)に
ついてX線解析を行った。その結果を図3、図4及び図
5に示す。
【0065】この結果より本発明品は無定形であり、シ
リカとチタニウムが結合していることが判る。
リカとチタニウムが結合していることが判る。
【0066】(実施例6)実施例1で用いた反応容器に
SiO2110g/Kgを含有するケイ酸カリウム(K2
O・3.0SiO2)水溶液を10Kg入れ、反応温度
を65℃に保持し、これに塩化ナトリウムをSiO2に
対して10%添加し、次いでTiO2を2.0%含有す
るオキシ塩化チタニウム含有10%硫酸を反応溶液pH
が6.5になるまで添加し、20分間熟成した。
SiO2110g/Kgを含有するケイ酸カリウム(K2
O・3.0SiO2)水溶液を10Kg入れ、反応温度
を65℃に保持し、これに塩化ナトリウムをSiO2に
対して10%添加し、次いでTiO2を2.0%含有す
るオキシ塩化チタニウム含有10%硫酸を反応溶液pH
が6.5になるまで添加し、20分間熟成した。
【0067】このスラリーを濾過、水洗し、110℃に
保った乾燥機中で乾燥後粉砕し、本発明合成無定形チタ
ニウム結合ケイ酸塩を得た。この研磨減量を測定した結
果、0.77mg、BET比表面積184m2/g、一
次平均粒子径0.03μm、二次平均粒子径9.3μ
m、遊離のカリウムK/SiO2=5.27モル/モル
%であった。
保った乾燥機中で乾燥後粉砕し、本発明合成無定形チタ
ニウム結合ケイ酸塩を得た。この研磨減量を測定した結
果、0.77mg、BET比表面積184m2/g、一
次平均粒子径0.03μm、二次平均粒子径9.3μ
m、遊離のカリウムK/SiO2=5.27モル/モル
%であった。
【0068】(実施例7)実施例1で用いた反応容器に
SiO2 83g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム
(Na2O・3.14SiO2)水溶液10Kg及び塩化
ナトリウム25gを入れ反応温度75℃に保持し、これ
にオキシ塩化チタニウム溶液(TiO2 23%)と8
%硫酸5Kgを同時に添加し、硫酸の添加速度及び攪拌
速度を変えることにより2種類の合成無定形チタニウム
結合ケイ酸塩を得た。
SiO2 83g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム
(Na2O・3.14SiO2)水溶液10Kg及び塩化
ナトリウム25gを入れ反応温度75℃に保持し、これ
にオキシ塩化チタニウム溶液(TiO2 23%)と8
%硫酸5Kgを同時に添加し、硫酸の添加速度及び攪拌
速度を変えることにより2種類の合成無定形チタニウム
結合ケイ酸塩を得た。
【0069】その物性はそれぞれ次の通りであった。 TiO2/SiO2=2.50%、遊離のナトリウム
Na/SiO2=4.21モル/モル% BET比表面積 175m2/g 一次平均粒子径 0.04μm、二次平均粒子径 15
μm TiO2/SiO2=2.46%、遊離のナトリウム
Na/SiO2=4.15モル/モル% BET比表面積 318m2/g 一次平均粒子径 0.02μm、二次平均粒子径 17
μm 上記及びの合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を用
い表6に示した溶液を調整した。
Na/SiO2=4.21モル/モル% BET比表面積 175m2/g 一次平均粒子径 0.04μm、二次平均粒子径 15
μm TiO2/SiO2=2.46%、遊離のナトリウム
Na/SiO2=4.15モル/モル% BET比表面積 318m2/g 一次平均粒子径 0.02μm、二次平均粒子径 17
μm 上記及びの合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を用
い表6に示した溶液を調整した。
【0070】
【表6】
【0071】この調整液の25℃、2ヶ月後の隠蔽力を
調べた結果、試料は評点3であるのに対し、試料は
評点2であった。即ち、BET比表面積は200m2/
g以下が好ましい。本発明の合成無定形チタニウム結合
ケイ酸塩は歯磨組成物としても長期間安定であることが
判る。また、及びの合成無定形チタニウム結合ケイ
酸塩についてフッ素との相溶性を調べた結果、は94
7ppmでありは710ppmであった。
調べた結果、試料は評点3であるのに対し、試料は
評点2であった。即ち、BET比表面積は200m2/
g以下が好ましい。本発明の合成無定形チタニウム結合
ケイ酸塩は歯磨組成物としても長期間安定であることが
判る。また、及びの合成無定形チタニウム結合ケイ
酸塩についてフッ素との相溶性を調べた結果、は94
7ppmでありは710ppmであった。
【0072】(実施例8)実施例5の本発明品及び比較
品をグリセリン:蒸留水を1:1(重量)で混合した溶
液に10%添加して、専門パネラー10名による官能試
験を実施した。その結果、両者に差異は認められなかっ
た。その結果を表7に示す。
品をグリセリン:蒸留水を1:1(重量)で混合した溶
液に10%添加して、専門パネラー10名による官能試
験を実施した。その結果、両者に差異は認められなかっ
た。その結果を表7に示す。
【0073】
【表7】 上表からシリカにチタンを結合させることにより、渋味
がとれ、本発明品は歯磨用基剤として極めて適切なもの
であることが判る。
がとれ、本発明品は歯磨用基剤として極めて適切なもの
であることが判る。
【0074】(実施例9)実施例1で用いた反応容器に
SiO290g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(N
a2O・3.17SiO2)水溶液10Kgを入れ、反応
温度を95℃に保持し、これにTiO2を3.0%含有
するオキシ塩化チタニウム含有10%硫酸を2.13K
g添加し、次いで反応pHが6.8になるまで10%硫
酸を添加し、15分間熟成した。このスラリーを濾過、
水洗し、110℃に保った乾燥機中で乾燥後粉砕し遊離
のナトリウムNa/SiO2=6.40モル/モル%の
本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。この
チタニウム溶出率を測定した結果29.6%であった。
SiO290g/Kgを含有するケイ酸ナトリウム(N
a2O・3.17SiO2)水溶液10Kgを入れ、反応
温度を95℃に保持し、これにTiO2を3.0%含有
するオキシ塩化チタニウム含有10%硫酸を2.13K
g添加し、次いで反応pHが6.8になるまで10%硫
酸を添加し、15分間熟成した。このスラリーを濾過、
水洗し、110℃に保った乾燥機中で乾燥後粉砕し遊離
のナトリウムNa/SiO2=6.40モル/モル%の
本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩を得た。この
チタニウム溶出率を測定した結果29.6%であった。
【0075】また、オキシ塩化チタニウムを含有しない
硫酸を用いて上記と同様の方法により沈降微粉末ケイ酸
を製造した。この沈降微粉末ケイ酸と実施例5の水酸化
チタニウムをチタニウムがTiO2としてSiO2に対し
7%になるように混合し、混合物のチタニウム溶出率を
測定した結果61.3%であった。
硫酸を用いて上記と同様の方法により沈降微粉末ケイ酸
を製造した。この沈降微粉末ケイ酸と実施例5の水酸化
チタニウムをチタニウムがTiO2としてSiO2に対し
7%になるように混合し、混合物のチタニウム溶出率を
測定した結果61.3%であった。
【図1】本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の電
子顕微鏡写真である。
子顕微鏡写真である。
【図2】チタニウムを含有しない沈降微粉末ケイ酸の電
子顕微鏡写真である。
子顕微鏡写真である。
【図3】本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩のX
線回折図である。
線回折図である。
【図4】本発明合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の5
00℃3時間焼成品のX線回折図である。
00℃3時間焼成品のX線回折図である。
【図5】チタニウムを含有しない沈降微粉末ケイ酸と水
酸化チタニウムの混合物の500℃3時間焼成品のX線
回折図である。
酸化チタニウムの混合物の500℃3時間焼成品のX線
回折図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 氏家 高志 神奈川県高座郡寒川町一之宮3−40−16 (72)発明者 三宅 幹雄 神奈川県中郡二宮町山西669−22 (72)発明者 小林 利彰 東京都調布市下石原2−39−4 マイルド 調布207
Claims (21)
- 【請求項1】 水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性チ
タニウム塩と鉱酸とを主原料として反応させて得たチタ
ニウムがTiO2としてSiO2に対し0.5〜15重量
%の範囲で結合し、遊離のアルカリ金属(M)をM/S
iO2で3.0〜12.0モル/モル%含有した合成無
定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤。 - 【請求項2】 合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩のB
ET比表面積が20〜200m2/gである請求項1記
載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨
剤。 - 【請求項3】 合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩の一
次粒子の平均粒子径が0.01〜0.50μmであり、
且つその凝集体の二次平均粒子径が3〜25μmである
請求項1または2記載の合成無定形チタニウム結合ケイ
酸塩からなる研磨剤。 - 【請求項4】 水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性チ
タニウム塩と鉱酸とを主原料として反応させることを特
徴とする、遊離のアルカリ金属(M)をM/SiO2で
3.0〜12.0モル/モル%含有した合成無定形チタ
ニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。 - 【請求項5】 反応をアルカリ側から開始することを特
徴とする請求項4記載の合成無定形チタニウム結合ケイ
酸塩からなる研磨剤の製造方法。 - 【請求項6】 反応温度が50〜100℃である請求項
4または5記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩か
らなる研磨剤の製造方法。 - 【請求項7】 水溶性アルカリ金属ケイ酸塩のSiO2
に対する水溶性チタニウム塩のTiO2としての使用割
合が0.5〜15重量%である請求項4〜6のいずれか
に記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研
磨剤の製造方法。 - 【請求項8】 反応終了pHが6〜9である請求項4〜
7のいずれかに記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸
塩からなる研磨剤の製造方法。 - 【請求項9】 水溶性チタニウム塩が塩化チタニウム、
オキシ塩化チタニウム、硫酸チタニウム、硝酸チタニウ
ムから選ばれたチタニウム塩である請求項4〜8のいず
れかに記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からな
る研磨剤の製造方法。 - 【請求項10】 水溶性アルカリ金属ケイ酸塩とチタニ
ウム含有鉱酸とを反応させることを特徴とする、遊離の
アルカリ金属(M)をM/SiO2で3.0〜12.0
モル/モル%含有した合成無定形チタニウム結合ケイ酸
塩からなる研磨剤の製造方法。 - 【請求項11】 反応をアルカリ側から開始することを
特徴とする請求項10記載の合成無定形チタニウム結合
ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。 - 【請求項12】 チタニウム含有鉱酸が水溶性チタニウ
ム塩と鉱酸との混合溶液である請求項10または11記
載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤
の製造方法。 - 【請求項13】 水溶性チタニウム塩が塩化チタニウ
ム、オキシ塩化チタニウム、硫酸チタニウム、硝酸チタ
ニウムから選ばれたチタニウム塩である請求項12記載
の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の
製造方法。 - 【請求項14】 反応温度が50〜100℃である請求
項10〜13のいずれかに記載の合成無定形チタニウム
結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。 - 【請求項15】 反応終了pHが6〜9である請求項1
0〜14のいずれかに記載の合成無形チタニウム結合ケ
イ酸塩からなる研磨剤の製造方法。 - 【請求項16】 チタニウム含有鉱酸の鉱酸濃度が5〜
25重量%である請求項10〜15のいずれかに記載の
合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製
造方法。 - 【請求項17】 電解質物質の存在下で水溶性アルカリ
金属ケイ酸塩と水溶性チタニウム塩と鉱酸とを反応させ
ることを特徴とする、遊離のアルカリ金属(M)をM/
SiO2で3.0〜12.0モル/モル%含有した合成
無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方
法。 - 【請求項18】 電解質物質の存在量が水溶性アルカリ
金属ケイ酸塩のSiO2に対し5〜50重量%である請
求項17記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩から
なる研磨剤の製造方法。 - 【請求項19】 電解質物質がアルカリ金属の鉱酸塩で
ある請求項17または18記載の合成無定形チタニウム
結合ケイ酸塩からなる研磨剤の製造方法。 - 【請求項20】 電解質物質が予めアルカリ金属ケイ酸
塩溶液中に含まれていることを特徴とする請求項17〜
19のいずれかに記載の合成無定形チタニウム結合ケイ
酸塩からなる研磨剤の製造方法。 - 【請求項21】 水溶性チタニウム塩が塩化チタニウ
ム、オキシ塩化チタニウム、硫酸チタニウム、硝酸チタ
ニウムから選ばれたチタニウム塩である請求項17〜2
0のいずれかに記載の合成無定形チタニウム結合ケイ酸
塩からなる研磨剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31640697A JP3746603B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31640697A JP3746603B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11140428A true JPH11140428A (ja) | 1999-05-25 |
JP3746603B2 JP3746603B2 (ja) | 2006-02-15 |
Family
ID=18076728
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31640697A Expired - Fee Related JP3746603B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる研磨剤及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3746603B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009279720A (ja) * | 2008-05-23 | 2009-12-03 | Jgc Catalysts & Chemicals Ltd | 研磨用粒子分散液およびその製造方法 |
-
1997
- 1997-10-31 JP JP31640697A patent/JP3746603B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009279720A (ja) * | 2008-05-23 | 2009-12-03 | Jgc Catalysts & Chemicals Ltd | 研磨用粒子分散液およびその製造方法 |
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---|---|
JP3746603B2 (ja) | 2006-02-15 |
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