JP4027631B2 - 酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化チタンと炭酸カルシウムの各々の優れた特性を低減することなく保持する酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子、及びその製造方法に関する。より具体的には、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子の酸化チタン粒子と炭酸カルシウムの各々の優れた特性を併せ有し、かつ固着力に一段と優れ、一体性をより強固なものとした複合体を形成し、過酷な使用環境下においても形態を保持することにより、該複合粒子の有する優れた特性を過酷な条件を含む種々の環境下において有効に発揮できる酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙や塗料、ゴム、プラスチック等のシートや成形体に配合される填料や顔料は、求められる特性、機能によって、様々な無機素材が用いられている。填料や顔料として用いられている素材としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、タルク、カオリンなどが挙げられる。
その中の炭酸カルシウムには、天然白色石灰石の粉砕品である重質炭酸カルシウムと、化学的沈殿反応によって合成される合成炭酸カルシウムとがある。
【0003】
前者の重質炭酸カルシウムは、粉砕、分級といった比較的簡易な操作によって得られるという利点をもつ一方、粒度分布が広く、また物理的破砕独特の不規則な粒子形状をもつため、特定の粒子径や粒子形状により発現する効果を引き出すことは難しい。他方、後者の合成炭酸カルシウムは、化学的な沈殿反応によって得られ、その反応条件を調節することによって、粒子径や粒子形状をコントロールすることが可能である。
【0004】
その合成炭酸カルシウムの一般的に知られている形状としては、長径1〜5μm、短径0.2〜2μmの紡錘状、長径1〜5μm、短径0.1〜0.5μmの柱状、0.1〜1μmの立方体状、0.02〜0.08μmのコロイド状などがあり、それぞれ独特の粒子径および粒子形状によって発現する特有の機能を有しており、その機能や特性を活かして、製紙や塗料、種々の高分子材料などの分野で広く使用されている。
【0005】
また、填料や顔料として用いられる酸化チタンは、イルメナイト鉱石を原料とする硫酸法又はルチル鉱石などを原料とする塩素法によって製造される。工業用酸化チタンの結晶構造には、アナターゼ型とルチル型とがあり、それらの粒子径は0.1〜0.5μmが一般的である。酸化チタンは、白色顔料の中で最も屈折率が大きく、塗料や樹脂、繊維、製紙等の填料や顔料として使用した場合、製品の不透明性や隠蔽性、着色性等の向上には最も優れた素材であるといえる。
【0006】
工業用に用いられるシリカは、珪酸化合物を分解することによって得られ、その種類にはシリカゲル、ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、無水シリカなどがある。シリカは多孔性物質であり、他の素材と比較して比表面積が大きいことから、吸油性や吸水性、接着性などの向上に効果的である。
また、カオリンやタルクは、天然に産出するカオリン原石やタルク原石を粉砕したもので、その粒子形状は平板状という独特のものであり、その形状によって発現する特性などを活かした分野で用いられている。
【0007】
上記した通り、填料や顔料として用いられる素材は、それぞれ特有の機能や特性を有している。しかし、その一方で、それぞれ機能や特性において不足な面や、短所も併せもっているのが一般的である。
例えば、合成炭酸カルシウムは、粒子形状や粒子径などを最適化することによって、不透明度や白色度などの光学特性や吸油特性などを改善させることが可能ではあるものの、酸化チタンの不透明性や隠蔽性と同等の光学特性や、シリカと同じような高吸油性を発現させることはできない。
【0008】
それに対して、酸化チタンは不透明性や隠蔽性などの光学特性には最も優れるものの、使用工程における粒子の凝集によって不透明度の発現効率が低下したり、粒子の微細性に起因する粘度の上昇や、製紙における歩留の悪さなどの問題点もある。また、カオリンやタルクは、白色度が炭酸カルシウムや酸化チタンと比較して低いのが一般的であるほか、シリカについても化学的安定性が低いことや配合した組成物の粘度上昇を引き起こすなどの欠点も指摘されている。
【0009】
このような中不十分な性能や短所を補完するべく、配合する填料や顔料として、単独の素材を用いるのではなく、複数の素材を併用して、より高い機能をもつ製品を得る手法が一般的に用いられている。しかしながら、複数の素材を併用した場合でも、それらが単純な混合物では、ある程度の機能性向上は望めるものの、その向上にも限界があるのが現状である。
【0010】
そのようなことで、特に近年、複数の素材を複合化することによって、互いの短所を補ったり、機能性をさらに向上させるための検討がなされ、そのための提案も行われている。例えば、特開平9−286609号公報で提案されているようなケイ酸アルカリ溶液に鉱酸を添加してシリカを生成させる際にチタニアを添加することによって得られるチタニアとシリカとの複合粒子や、特開平2−242998号公報で提案されているような酸化チタンとカオリン、タルク、炭酸カルシウムなどとを固着材によって複合化した粒子などが挙げられる。また、特開平11−107189号公報では、カオリンやタルク、炭酸カルシウム粒子表面にシリカ系物質を析出させた複合粒子を製造する技術等の提案もある。
【0011】
本発明者らは、最近二酸化チタン粒子と炭酸カルシウムの複合粒子について開発に成功し、既に特許出願した(特願2000−202813)。その複合粒子は、平均粒子径が0.1〜0.5μmの二酸化チタン粒子を炭酸カルシウム表面に直接担持させたものである。なお、それは以下の方法により製造される。すなわち、合成炭酸カルシウムを生成する工程の炭酸化反応過程において、二酸化チタン粒子を添加することにより、炭酸カルシウム表面に二酸化チタン粒子を直接、担持固定させることにより製造される。
【0012】
このように製造された二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子は、二酸化チタンと炭酸カルシウムの単純な混合物と比較して、種々の優れた特性を有することとを、本発明者らは既に確認している。例えば、微細な二酸化チタン粒子が相対的に大きな炭酸カルシウム粒子表面に固定されているため、二酸化チタンの微細性に起因する配合組成物の粘度上昇や、製紙における二酸化チタンの歩留などを改善することができる。さらに、二酸化チタン粒子を分散させた状態で炭酸カルシウム粒子表面に担持、固定させているため、従来の二酸化チタンの問題点であった凝集による不透明性や隠蔽性の低減をも改善することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者が開発し、前記特性を有する二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子は、使用される用途、使用条件あるいは製品形態によっては、他の成分と均一分散することが求められ、そのために高い剪断力の下での攪拌、混合等の過酷な条件下における使用が予測でき、そのよう場合には二酸化チタン粒子が炭酸カルシウム表面から脱離することが懸念された。そこで、その固着性能を評価すべく、過酷な条件下で実験したところ、一部の二酸化チタン粒子が脱離することが確認された。
【0014】
すなわち、担持させる二酸化チタン量が多い場合、高い剪断応力を与えるような強制撹拌を行う場合あるいは強力な超音波照射を行う場合には、一部の二酸化チタン粒子が脱離することが確認されている。なお、前述のことからわかるように、この複合粒子の用途としては、填料や顔料が想定されており、このような用途に使用される素材については、均一分散のための強制混合や混練、ポンプによる輸送等の工程があり、それらの工程において、一般的に高い剪断応力が負荷されるケースが多々ある。
【0015】
そのため、前記のような工程において、二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子の二酸化チタン粒子が脱離してしまうと、二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子のもつ種々の特性を発揮あるいは活用する技術や用途等が制限され、結果的に該複合粒子の有する効果が、低減あるいは喪失してしまうことになる。このような事情に鑑み、本発明者は担持された酸化チタン粒子の固着性が一層優れた酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を開発すべく、鋭意検討を重ねた結果、開発に成功したのが本発明である。すなわち、本発明の課題は、酸化チタン粒子の固着力に特に優れた、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子及びその製造方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決させるための手段】
本発明は、前記課題を解決するためのものであり、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子及びその製造方法を提供する。そのうち前者の酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子は、アルミニウム、ケイ素及びジルコニウムの中から選択される元素の含水酸化物の1種又は2種以上によって表面処理された、一次粒子の平均径が0.1〜0.5μmの酸化チタン粒子が、合成炭酸カルシウム表面に直接担持固定されていることを特徴とするものである。
【0017】
また、後者の酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法は、合成炭酸カルシウムの生成過程である炭酸化反応過程において、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウムの中から選択される元素の含水酸化物の1種又は2種以上によって表面処理された、一次粒子の平均径が0.1〜0.5μmの酸化チタン粒子を共存させ、合成炭酸カルシウム表面に、該酸化チタン粒子を直接担持固定させることを特徴とするものである。
【0018】
そして、本発明においては、合成炭酸カルシウムの生成過程である炭酸化反応過程において、酸化チタン粒子を共存させ、合成炭酸カルシウム表面に、該酸化チタン粒子を直接担持固定させる際に、酸化チタンとして、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウムの中から選択される元素の含水酸化物の1種又は2種以上によって表面処理された、一次粒子の平均径が0.1〜0.5μmの酸化チタン粒子を使用することにより、一体性をより強固なものとした複合体を形成することができる。その結果均一分散のための強制混合や混練、あるいはポンプによる輸送等の高剪断応力が負荷される過酷な使用環境下においても一体化された形態を保持することができる優れた特性を有する酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を提供できる。
【0019】
そして、本発明においては、合成炭酸カルシウムの生成過程である炭酸化反応過程において、酸化チタン粒子を共存させ、合成炭酸カルシウム表面に、該酸化チタン粒子を直接担持固定させる際に、酸化チタンとして、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウムの中から選択される元素の含水酸化物の1種又は2種以上によって表面処理された、一次粒子の平均径が0.1〜0.5μmの酸化チタン粒子を使用することにより、一体性をより強固なものとした複合体を形成することができる。
【0020】
その結果、均一分散のための強制混合や混練、あるいはポンプによる輸送等の高剪断応力が負荷される過酷な使用環境下においても一体化された形態を保持することができる優れた特性を有する酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を提供できる。そのため過酷な使用環境下においても、酸化チタンと炭酸カルシウムの各々の優れた特性を併せ有することができ、その特性の低減あるいは喪失を抑制することができる。
【0021】
【本発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に述べるが、本発明はそれによって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることは言うまでもない。
本発明の酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子は、前記したとおりアルミニウム、ケイ素及びジルコニウムの中から選択される元素の含水酸化物の1種又は2種以上によって表面処理された、一次粒子の平均径が0.1〜0.5μmの酸化チタン粒子が、合成炭酸カルシウム表面に直接担持固定されているものである。
【0022】
本発明の酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を構成する第1の成分である酸化チタンについては、硫酸法あるいは塩素法などによって製造されるアナターゼ型酸化チタンあるいはルチル型酸化チタンなどが使用可能であり、それらをアルミニウム、ケイ素及びジルコニウムの中から選択される元素の含水酸化物の1種又は2種以上によって表面処理された、一次粒子の平均径が0.1〜0.5μmのものである。
【0023】
前記した本発明でいうアルミニウム、ケイ素及びジルコニウムの含水酸化物とは、それぞれ化学式Al2O3・xH2O、SiO2・xH2O、ZrO2・xH2O(x≧0)で表されるものであり、前記元素の水酸化物あるいは水酸化物の一部の水が脱水された状態のものなどを指す。また、酸化チタンの表面処理方法に関しては、特段の制約はなく、所定量の前記含水酸化物が、酸化チタン粒子表面に被覆できればよい。
【0024】
その被覆方法としては、例えば、酸化チタンスラリーに、表面処理する元素の塩類水溶液を添加し、そこに酸またはアルカリを加えて中和することによって、酸化チタン粒子表面に含水酸化物を沈着させ被覆する方法、酸化チタンスラリーに前記元素のアルコキシドやカップリング剤などの有機化合物を添加し、その有機化合物を加水分解あるいは加熱分解することによって、酸化チタン粒子表面に該元素の含水酸化物を被覆する方法、さらには予め調製した該元素の含水酸化物のゾルと、酸化チタンスラリーとを混合し、酸化チタン粒子表面に含水酸化物を付着させ被覆する方法等の常法が使用可能である。
【0025】
これら被覆方法の中では、酸化チタンの表面処理として一般的に行われている、塩類水溶液を中和することによって、含水酸化物を、酸化チタン粒子表面に被覆させる方法が、最も簡便で、経済性にも優れることから、特に好適である。例えば、アルミニウム含水酸化物による表面処理の場合、酸化チタンの水系スラリーに、アルミン酸ナトリウム等のアルカリ性アルミニウム塩を添加して溶解又はその水溶液を添加し、次いで硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸を添加し中和することによって、酸化チタン粒子表面にアルミニウム含水酸化物を被覆することができる。また、酸化チタンの水系スラリーに、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の酸性アルミニウム塩溶液を添加し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等のアルカリで中和しても同様の被覆が可能である。
【0026】
ケイ素含水酸化物による表面処理の場合は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどを、酸化チタンスラリーに添加し、そこに硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸を加えて中和することによって、酸化チタン粒子表面にケイ素含水酸化物を被覆することができる。ジルコニウムの場合には、硫酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム等の酸性ジルコニウム塩溶液を添加した後、アルカリで中和あるいはジルコン酸ナトリウムなどのアルカリ性ジルコニウム塩溶液を添加後、鉱酸などで中和することによって酸化チタン粒子表面にジルコニウム含水酸化物を被覆することができる。
【0027】
そして、2種以上の元素の含水酸化物によって、表面処理する場合には2通りの方法があり、形成された表面処理層の形態も異なることになる。すなわち、2種以上の元素の含水酸化物が別々に表面処理層を形成し、酸化チタン粒子が2重、3重に被覆されたものと、2種以上の元素の含水酸化物を共沈させることによって2種以上の元素の含水酸化物を含む1つの表面処理層を形成させたものである。
【0028】
前者の場合には、表面処理の方法としては、上記した具体的表面処理手法のいずれか2以上の元素の場合に関し順番に行うことによって、1種の元素の含水酸化物からなる表面処理層を2層以上形成させることができる。具体的には、例えばアルミン酸ナトリウムの硫酸による中和によってアルミニウム含水酸化物からなる表面処理層を形成させた後、ケイ酸ナトリウムの硫酸による中和によって、ケイ素含水酸化物の表面処理層を形成させることによって、アルミニウム及びケイ素の含水酸化物による積層被覆層を形成することになる。
【0029】
また、後者の場合としては、2種以上の金属の塩類水溶液を酸化チタンスラリーに添加し、そこに酸もしくはアルカリを加えて中和する方法、あるいは2種以上の金属の塩類を使用し、しかも少なくとも1種を酸性の塩類とし、かつ少なくとも1種をアルカリ性の塩類とすることによって添加する塩類同士で中和する方法が適用可能である。
【0030】
例えば、硫酸アルミニウム及び硫酸ジルコニウムを、酸化チタンスラリーに溶解した後、そこに水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加することによって、又は酸化チタンスラリーにアルミン酸ナトリウム及び硫酸ジルコニウムを順次添加することによって、アルミニウム及びジルコニウムの含水酸化物からなる1層の表面処理層を形成させることができる。
【0031】
酸化チタンへの含水酸化物の表面処理量は、酸化チタンのもつ不透明性、隠蔽性、着色性などの特性が著しく減少しなければよく、望ましくは表面処理された後酸化チタン中におけるTiO2含有量が80重量%以上であればより好適である。また、酸化チタン粒子の粒子径については、一次粒子の平均径が0.1〜0.5μmであることが必要であり、この粒子径範囲を選択することによって、酸化チタン粒子のもつ不透明性、隠蔽性、着色性などを効率よく発現させることができる。
【0032】
本発明の酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を構成する、第2の成分、すなわち残る成分である炭酸カルシウムは、該複合粒子成形過程である化学的沈殿反応によって生成する合成炭酸カルシウムであり、その形態については、特段の制約はなく、例えば0.02〜0.1μmのコロイド状、0.1〜1.0μmの立方体状、長径0.5〜3μm、短径0.1〜0.5μmの紡錘状、長径0.5〜5μm、短径0.1〜0.5μmの柱状などがある。中でも、酸化チタン粒子との固着性に特に優れ、かつ製造が比較的容易で、コスト的にも優れる紡錘状炭酸カルシウムを選択することがより好適である。
【0033】
次に、本発明における酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法について述べる。本発明の複合粒子の製造方法は、合成炭酸カルシウムの生成過程の炭酸化反応過程において、上記したような表面処理を施された酸化チタン粒子を共存させ、酸化チタン粒子を合成炭酸カルシウム表面に直接、担持固定させることを特徴とするものである。
【0034】
その炭酸カルシウムの生成に関しては、生石灰の消化によって得られる消石灰スラリーに炭酸ガスを吹き込むことにより炭酸カルシウムを沈殿させる炭酸ガス化合法、塩化カルシウムなどの可溶性カルシウム塩水溶液に炭酸ナトリウムなどの可溶性炭酸塩を添加して炭酸カルシウムを沈殿させる溶液法、炭酸水素カルシウムと水酸化カルシウムとの反応により炭酸カルシウムを沈殿させる水処理法などの常法が使用可能である。中でも、製造設備が比較的簡易で、製造コストなどの経済性にも優れ、かつ国内に豊富に産出する石灰石を原料に用いる炭酸ガス化合法を選択することがより望ましい。
【0035】
これらの合成炭酸カルシウムの生成方法では、消石灰スラリーや塩化カルシウム水溶液の濃度や温度、炭酸ガスや炭酸ナトリウム等の炭酸源を導入する速度(炭酸化反応速度)、撹拌や添加物の使用などの条件、すなわち炭酸化反応条件を調節することによって、生成物の粒子形状や粒子径などをコントロールすることができる。
【0036】
本発明においては、炭酸化反応条件には特段の制約はなく、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子に求められる性状、特に炭酸カルシウムの粒子形状や粒子径、によって適宜調節することができる。炭酸化反応条件の一例として、炭酸ガス化合法における炭酸化反応を開始する温度について述べると、低温域ではコロイド状が、高温域では柱状が、そして両者の中間的な温度では紡錘状が生成しやすくなる。
【0037】
本発明では、この合成炭酸カルシウムの生成過程である炭酸化反応過程において、上記した酸化チタン粒子を共存させることによって、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子が製造される。なお、本発明でいう炭酸化反応過程とは、カルシウムイオン、水酸化カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム源と、炭酸ガス、炭酸イオンなどの炭酸源とが反応し、炭酸カルシウム粒子が生成あるいは成長する過程のことを指す。
【0038】
酸化チタン粒子を共存させる方法としては、酸化チタン粒子を系外から添加する方法が、最も簡便で、かつ適量の酸化チタンを添加できるといった面で好ましい。また、添加による方法以外にも、予め原料中に含有されているものを用いるなどの方法であっても良い。酸化チタン粒子を添加する場合の添加時期については、炭酸化反応の途中であっても、炭酸化反応の開始前であってもよく、炭酸化反応によって炭酸カルシウムが生成する過程において、酸化チタンを共存させることのみが要求される。
【0039】
ただし、酸化チタンの添加量が多い場合、添加の時期が炭酸化反応の終了間際になると、炭酸カルシウム表面への固着が弱くなる傾向にあることから、より好ましくは、炭酸化率が95%に達する以前に添加を完了することが望ましい。なお、ここでいう炭酸化率とは下式によって表されるものである。
炭酸化率(%)=(炭酸化反応によって生成した炭酸カルシウム中のカルシウム重量)÷(反応系内に存在するカルシウムの総重量)×100
【0040】
炭酸化反応過程において共存させる酸化チタンの量に関しては、特段の制約はなく、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子に求められる性状、特に酸化チタン粒子に由来する不透明性、隠蔽性、着色性などによって適宜調節することが可能である。ただし、酸化チタンの量が少な過ぎると酸化チタンの特性が発現しないことがあるほか、多すぎると炭酸カルシウム表面に担持固定されない遊離状態の酸化チタン粒子が生成物中に混在し、生成物の性状に悪影響を及ぼすこともあるので、炭酸化反応によって生成する炭酸カルシウム100重量部に対して、0.1〜50重量部がよく、好ましくは0.5〜30重量部とするのがよい。
【0041】
酸化チタンの添加については、粉体のまま行っても、水等に分散させたスラリーの状態で行ってもよい。
酸化チタンを添加した後は、引き続き炭酸ガス等の炭酸源を導入して、炭酸化反応を継続させる。炭酸化反応の終了については、スラリーのpHを計測することによって、容易に確認することができる。炭酸ガス化合法を例に説明すると、炭酸化反応の終了前では、未反応の水酸化カルシウムが残留しているため、スラリーのpHは11〜13といったアルカリ性を示すのに対して、炭酸化反応の終了後は、スラリーpHは中性付近にまで低下する。
【0042】
炭酸化反応の終了後は、用途に応じてスラリー状態のまま、または脱水、乾燥させた乾燥粉の状態、さらには有機系または無機系の表面処理を施された状態として、各分野で使用される。以上の操作によって製造される酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子は、酸化チタン粒子の固着力に優れたものとなる。酸化チタン粒子の固着力については、ホモジナイザーによる強力撹拌によって脱離する酸化チタンの量によって評価される(以下、強制脱離試験と呼ぶ)。
【0043】
具体的な評価方法は以下の通りである。すなわち、乾燥粉の状態の試料(酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子)、ピロリン酸ナトリウム10水和物の0.2重量%水溶液及び容量500mLのコップ容器を備えたホモジナイザー(東洋精機AM−6)を用意する。ホモジナイザーのコップ容器に、ピロリン酸ナトリウム10水和物の0.2重量%水溶液200mLと試料1.0gとを投入する。ホモジナイザーの回転数を5000rpm又は10000rpmとし、5分間強力撹拌を行う。
【0044】
強力撹拌した後のスラリーを、レーザー回折式粒度分布計(日機装マイクロトラックX100)にて、粒度分布を測定する。対照試料として、供試試料と同じ炭酸カルシウム/酸化チタン比の単純混合物についても同様に粒度分布を測定する。供試試料及び対照試料の粒度分布において計測された酸化チタン粒子のピーク面積を算出し、次式によって酸化チタン粒子の脱離率を計算する。
脱離率(%)=(I/I0)×100
I:供試試料の粒度分布における酸化チタンのピーク面積
I0:対照試料の粒度分布における酸化チタンのピーク面積
【0045】
本発明の製造方法によって製造される酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子は、前記強制脱離試験において、ホモジナイザー回転数が5000rpmで脱離率5.0%未満がよく、かつホモジナイザー回転数が10000rpmで脱離率20.0%未満となるのが好ましい。
【0046】
そして、本発明の酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子では、上記した高い固着力が達成されたことによって、填料や顔料として使用した場合において、高い剪断応力が製造過程でかかるような環境下で使用されても、酸化チタンの脱離が抑制あるいは防止でき、酸化チタン−炭酸カルシウムが本来持つ不透明度向上効果や製紙における酸化チタンの歩留向上効果を好適に発揮できるものである。
【0047】
【実施例】
以下において、本発明の実施例及び比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではなく特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0048】
[実施例1]
70℃に加温した水道水1.0L中に工業用生石灰120gを投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加えて濃度74g/Lの水酸化カルシウムスラリー2.0Lを調製した。水酸化カルシウムスラリーの温度を30℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し、炭酸化反応を行った。炭酸ガス導入開始から5分が経過した時点(炭酸化率4.5%)で、平均粒子径0.21μmのルチル型酸化チタンのアルミニウム含水酸化物による表面処理品(チタン工業製KR−460)40gを添加した。
【0049】
添加後も引き続き炭酸化反応を継続させ、スラリーpHが7になった時点で炭酸化反応を終了させ、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子のスラリーを得た。一部のスラリーを吸引ろ過にて脱水し、乾燥機にて105℃で10時間乾燥させて、乾燥粉の状態とした後、走査型電子顕微鏡による粒子観察及び強制脱離試験を行った。走査型電子顕微鏡による粒子観察の結果、長径1.5〜2μm、短径0.3〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に、添加した酸化チタン粒子が担持固定されていることが確認された。
【0050】
[実施例2]
酸化チタンの添加量を20g、添加時期を炭酸ガス導入開始から30分が経過した時点(炭酸化率27.2%)とした以外は、実施例1と同様に酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子のスラリーを得た。一部のスラリーを吸引ろ過にて脱水し、乾燥機にて105℃で10時間乾燥させて、乾燥粉の状態とした後、走査型電子顕微鏡による粒子観察及び強制脱離試験を行った。走査型電子顕微鏡による粒子観察の結果、長径1.5〜2μm、短径0.3〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に、添加した酸化チタン粒子が担持固定されていることが確認された。
【0051】
[実施例3]
実施例1と同様に消石灰スラリーを調製し、炭酸化反応を開始した。炭酸ガス導入開始から5分が経過した時点(炭酸化率4.5%)で、平均粒子径0.25μmのルチル型酸化チタンのアルミニウム及びジルコニウム含水酸化物による表面処理品(石原産業製CR−97)40gを添加した。添加後も引き続き炭酸化反応を継続させ、スラリーpHが7になった時点で、炭酸化反応を終了させ、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子のスラリーを得た。
【0052】
一部のスラリーを吸引ろ過にて脱水し、乾燥機にて105℃で10時間乾燥させて、乾燥粉の状態とした後、走査型電子顕微鏡による粒子観察及び強制脱離試験を行った。走査型電子顕微鏡による粒子観察の結果、長径1.5〜2μm、短径0.3〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に、添加した酸化チタン粒子が担持固定されていることが確認された。
【0053】
[実施例4]
酸化チタンの添加量を20g、添加時期を炭酸ガス導入開始から30分が経過した時点(炭酸化率27.2%)とした以外は、実施例3と同様に酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子のスラリーを得た。一部のスラリーを吸引ろ過にて脱水し、乾燥機にて105℃で10時間乾燥させて、乾燥粉の状態とした後、走査型電子顕微鏡による粒子観察及び強制脱離試験を行った。走査型電子顕微鏡による粒子観察の結果、長径1.5〜2μm、短径0.3〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に、添加した酸化チタン粒子が担持固定されていることが確認された。
【0054】
[実施例5]
実施例1と同様に消石灰スラリーを調製し、炭酸化反応を開始した。炭酸ガス導入開始から5分が経過した時点(炭酸化率4.5%)で、平均粒子径0.25μmのルチル型酸化チタンのアルミニウム及びケイ素含水酸化物による表面処理品(石原産業製CR−90)40gを添加した。添加後も引き続き炭酸化反応を継続させ、スラリーpHが7になった時点で、炭酸化反応を終了させ、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子のスラリーを得た。
【0055】
一部のスラリーを吸引ろ過にて脱水し、乾燥機にて105℃で10時間乾燥させて、乾燥粉の状態とした後、走査型電子顕微鏡による粒子観察及び強制脱離試験を行った。走査型電子顕微鏡による粒子観察の結果、長径1.5〜2μm、短径0.3〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に、添加した酸化チタン粒子が担持固定されていることが確認された。
【0056】
[実施例6]
酸化チタンの添加量を20g、添加時期を炭酸ガス導入開始から30分が経過した時点(炭酸化率27.2%)とした以外は、実施例5と同様に酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子のスラリーを得た。一部のスラリーを吸引ろ過にて脱水し、乾燥機にて105℃で10時間乾燥させて、乾燥粉の状態とした後、走査型電子顕微鏡による粒子観察及び強制脱離試験を行った。走査型電子顕微鏡による粒子観察の結果、長径1.5〜2μm、短径0.3〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に、添加した酸化チタン粒子が担持固定されていることが確認された。
【0057】
[実施例7]
実施例1と同様に消石灰スラリーを調製し、炭酸化反応を開始した。炭酸ガス導入開始から5分が経過した時点(炭酸化率4.5%)で、平均粒子径0.16μmのアナターゼ型酸化チタンのアルミニウム含水酸化物による表面処理品(チタン工業製KA−20)40gを添加した。添加後も引き続き炭酸化反応を継続させ、スラリーpHが7になった時点で、炭酸化反応を終了させ、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子のスラリーを得た。
【0058】
一部のスラリーを吸引ろ過にて脱水し、乾燥機にて105℃で10時間乾燥させて、乾燥粉の状態とした後、走査型電子顕微鏡による粒子観察及び強制脱離試験を行った。走査型電子顕微鏡による粒子観察の結果、長径1.5〜2μm、短径0.3〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に、添加した酸化チタン粒子が担持固定されていることが確認された。
【0059】
[実施例8]
酸化チタンの添加量を20g、添加時期を炭酸ガス導入開始から30分が経過した時点(炭酸化率27.2%)とした以外は、実施例7と同様に酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子のスラリーを得た。一部のスラリーを吸引ろ過にて脱水し、乾燥機にて105℃で10時間乾燥させて、乾燥粉の状態とした後、走査型電子顕微鏡による粒子観察及び強制脱離試験を行った。走査型電子顕微鏡による粒子観察の結果、長径1.5〜2μm、短径0.3〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に、添加した酸化チタン粒子が担持固定されていることが確認された。
【0060】
[比較例1]
実施例1と同様に消石灰スラリーを調製し、炭酸化反応を開始した。炭酸ガス導入開始から5分が経過した時点(炭酸化率4.5%)で、平均粒子径0.21μmのルチル型酸化チタンの表面無処理品(チタン工業製KR−310)40gを添加した。添加後も引き続き炭酸化反応を継続させ、スラリーpHが7になった時点で、炭酸化反応を終了させ、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子のスラリーを得た。
【0061】
一部のスラリーを吸引ろ過にて脱水し、乾燥機にて105℃で10時間乾燥させて、乾燥粉の状態とした後、走査型電子顕微鏡による粒子観察及び強制脱離試験を行った。走査型電子顕微鏡による粒子観察の結果、長径1.5〜2μm、短径0.3〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に、添加した酸化チタン粒子が担持固定されていることが確認された。
【0062】
[比較例2]
酸化チタンの添加量を20g、添加時期を炭酸ガス導入開始から30分が経過した時点(炭酸化率27.2%)とした以外は、比較例1と同様に酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子のスラリーを得た。一部のスラリーを吸引ろ過にて脱水し、乾燥機にて105℃で10時間乾燥させて、乾燥粉の状態とした後、走査型電子顕微鏡による粒子観察及び強制脱離試験を行った。走査型電子顕微鏡による粒子観察の結果、長径1.5〜2μm、短径0.3〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に、添加した酸化チタン粒子が担持固定されていることが確認された。
【0063】
[比較例3]
実施例1と同様に消石灰スラリーを調製し、炭酸化反応を開始した。炭酸ガス導入開始から5分が経過した時点(炭酸化率4.5%)で、平均粒子径0.15μmのアナターゼ型酸化チタンの表面無処理品(堺化学工業製A−110P)40gを添加した。添加後も引き続き炭酸化反応を継続させ、スラリーpHが7になった時点で、炭酸化反応を終了させ、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子のスラリーを得た。
【0064】
一部のスラリーを吸引ろ過にて脱水し、乾燥機にて105℃で10時間乾燥させて、乾燥粉の状態とした後、走査型電子顕微鏡による粒子観察及び強制脱離試験を行った。走査型電子顕微鏡による粒子観察の結果、長径1.5〜2μm、短径0.3〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に、添加した酸化チタン粒子が担持固定されていることが確認された。
【0065】
[比較例4]
酸化チタンの添加量を20g、添加時期を炭酸ガス導入開始から30分が経過した時点(炭酸化率27.2%)とした以外は、比較例3と同様に酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子のスラリーを得た。一部のスラリーを吸引ろ過にて脱水し、乾燥機にて105℃で10時間乾燥させて、乾燥粉の状態とした後、走査型電子顕微鏡による粒子観察及び強制脱離試験を行った。走査型電子顕微鏡による粒子観察の結果、長径1.5〜2μm、短径0.3〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に、添加した酸化チタン粒子が担持固定されていることが確認された。
【0066】
前記した実施例及び比較例の強制脱離試験結果は、表1にまとめて示した。その表1からも明らかなように、実施例によって製造された酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子は、比較例によって製造された複合粒子と比較して、ホモジナイザーの回転数5000rpm及び10000rpmのいずれにおいても脱離率が低く、炭酸カルシウム粒子と酸化チタン粒子との固着力に優れることがわかる。また、アルミニウム及びケイ素含水酸化物による表面処理品は、10000rpmにおける脱離率が特に低く、該固着力が特に優れていることがわかる。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】
本発明により製造される酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子は、酸化チタン粒子と炭酸カルシウムとの固着力を一段と優れたものとすることができた。その結果、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を活用するために行われる均一分散のための強制混合や混練、あるいはポンプによる輸送等の高剪断応力が負荷される過酷な使用環境下においても、本発明の酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子は、一体化された形態を保持し、その粒子が有する本来の特性である不透明度向上効果や製紙における酸化チタンの歩留向上効果を好適に発揮することが可能となる。
Claims (4)
- アルミニウム、ケイ素及びジルコニウムの中から選択される元素の含水酸化物の1種又は2種以上によって被覆された、TiO 2 量が80重量%以上あり、かつ一次粒子の平均径が0.1〜0.5μmである、酸化チタン粒子が、長径0.5〜3μm、短径0.1〜0.5μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に炭酸カルシウム100重量部に対して0.1〜50重量部、直接担時固定されていることを特徴とする酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子。
- ホモジナイザーによる強制脱離試験において、酸化チタン粒子の脱離率が、その回転数5000rpmで5.0%未満である請求項1に記載の酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子。
- 紡錘状炭酸カルシウムの生成過程である炭酸化反応過程において、アルミニウム、ケイ素及びジルコニウムの中から選択される元素の含水酸化物1種又は2種以上によって表面処理され、該含水酸化物1種又は2種以上によって被覆されたTiO 2 量が80重量%以上あり、一次粒子の平均径が0.1〜0.5μmである酸化チタン粒子を共存させ、合成炭酸カルシウム表面に、該酸化チタン粒子を炭酸カルシウム100重量部に対して0.1〜50重量部、直接担時固定させることを特徴とする酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法。
- 紡錘状炭酸カルシウムの生成が、炭酸ガス化合法による請求項3に記載の酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法。
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