JP4217035B2 - 無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法、並びに該複合粒子を含有する複合組成物の製造方法及び複合体の製造方法 - Google Patents
無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法、並びに該複合粒子を含有する複合組成物の製造方法及び複合体の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法、並びに該複合粒子を含有する複合組成物の製造方法及び複合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、合成された炭酸カルシウムと各種無機又は金属の微粒子を固着させた無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法、並びにその複合粒子を含有する複合組成物の製造方法及び複合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭酸カルシウムには天然の白色石灰石を物理的に粉砕した重質炭酸カルシウムと化学的な沈殿反応による合成炭酸カルシウムとがある。前者の重質炭酸カルシウムは、天然の高白色度の石灰石を物理的に粉砕するという製造プロセスであるため、粒度分布幅が広く物理的粉砕独特の不規則な形態をしており、この手法で均一な粒子形状や粒子径のそろった粒子を製造することは困難である。
【0003】
これに対し、後者の合成炭酸カルシウムは、軽質炭酸カルシウムあるいは沈降製(性)炭酸カルシウムとも呼ばれ、化学的な沈殿反応により製造される。その製造法としては、水酸化カルシウムスラリー中に炭酸ガスを吹き込むことにより炭酸カルシウムを沈殿させる炭酸ガス化合法、塩化カルシウムと炭酸ナトリウムとの反応による塩化カルシウムソーダ法、あるいは炭酸水素カルシウムと水酸化カルシウムとの反応による水処理法等が工業的に採用されている。特に本邦では、豊富に産出する良質の石灰石から得られる生石灰を原料とする炭酸ガス化合法を用いるのが一般的であり、かつ経済的にも最も有利である。
【0004】
このように合成炭酸カルシウムは化学的な沈殿反応により生成するものであることから、原料中のカルシウム濃度、炭酸化の温度あるいは炭酸化反応の速度などの製造条件を調節することによって、粒子形状や粒子径を制御することが可能である。その粒子形状としては、紡錘状、立方体状、柱状、連鎖状等の粒子形状のものが良く知られており、粒度分布幅も比較的狭く粒子径は揃っている。
【0005】
例えば、紡錘状炭酸カルシウムは、通常、長径1.5〜6μm、短径0.3〜2μm(電子顕微鏡法による平均粒子径。以下に示される粒子径も同様)の紡錘形をなしており、比較的高い白色度を有しており経済性に優れることから、主として製紙用填料として大量に使用されている。
【0006】
また、立方体状炭酸カルシウムは、平均粒子径が0.02〜0.3μmの立方体状の形状をなしており、粒子径の比較的大きい0.08μm以上ものは製紙塗工用顔料や塗料の体質顔料として、逆に粒子径の小さいコロイド状炭酸カルシウムと呼ばれるものは表面処理され、プラスチックやゴムの填料として使用される。さらに、柱状炭酸カルシウムは短径0.1〜0.5μm、長径0.5〜2.0μmで、製紙用塗工顔料等として使用されている。
【0007】
このように合成炭酸カルシウムは、それぞれが有している粒子形状あるいは粒子径等の違いに由来する特有の機能や特性を生かして、製紙分野や、プラスチック、ゴム、塗料等の高分子材料分野で広く用いられ使い分けられている。
これらの合成炭酸カルシウムについては、前述のように単独のままで利用するのみでなく他の微粒子と複合化し、新たな機能や特性を有する微粒子を創製しようとする試みが多くなされている。
【0008】
例えば、特開平2−69317号公報で提案している炭酸カルシウム粒子のスラリーのpHを8〜11に維持した状態で70〜95℃の温度で亜鉛化合物の溶液およびシリカ含有物質の溶液と同時に混合することを特徴とする炭酸カルシウム粒子上の耐酸コーティングの製造方法、特許2990261号公報が提案している表面にアルミナ水和物又はチタニア水和物からなる被覆層を形成させた被覆炭酸カルシウム粒子の製造方法、あるいは特開平10−273316号公報で提案している沈殿剤含有水溶液に炭酸カルシウム粒子を懸濁させ、この中へ被覆形成剤水溶液を徐々に注入し、炭酸カルシウム表面に被覆層を形成させた被覆炭酸カルシウム粒子の製造方法がある。
【0009】
そして、前述した以外にもあり、それには特開平2−242998号公報で提案する炭酸カルシウム等の無機粉体表面に有機バインダーを用いて無機微粒子等の高隠蔽性顔料を固着することによって得られる複合粉体、あるいは3CaO・Al2O3・6H2Oの懸濁液に炭酸ガスを導入・沈殿させた水酸化アルミニウム微粒子で被覆された炭酸カルシウムファイバー(Journal of the Ceramic Society of Japan、 vol.105、347-376、1997)がある。
【0010】
しかしながら、これらの技術は、液々反応による沈殿形成反応であるため一定の条件に制御する必要がある、限られた条件下で被覆形成剤を徐々に添加する、有機バインダーを使用する、あるいは数段階の反応を必要とする等、工業的に実用化するには困難な問題も多く、製造効率や経済性においても満足できるほど優れたものとはいえない。
【0011】
このような中で、つい最近、各種素材からなる薄片状基質の懸濁液に撹拌下カルシム塩水溶液及び炭酸塩水溶液を添加し、炭酸カルシウムを微粒子として薄片状基質表面に被覆せしめ、その後、ろ過、洗浄、乾燥せしめて炭酸カルシウム被覆薄片状顔料を製造する方法が提案されている(特開2001−98185公報)ものの、この方法も液々反応であり、少量生産で高価格販売が可能な用途においては採用可能であっても、大量かつ各種分野において利用可能である技術とするには生産規模や経済性の点で大きな問題が残っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような理由により、炭酸カルシウムと、それとは異なる特性を有する無機又は金属微粒子とを簡便に複合化せしめることができる手法の開発が嘱望されていた。このような状況下において、本発明者らも、この課題を解決すべく、既に炭酸カルシウムの複合化技術の研究開発に鋭意取り組んでいる。
【0013】
その結果、炭酸カルシウムを生成する炭酸化過程でシリカ微粒子を添加することにより炭酸カルシウムとシリカの複合体を製造することに成功し、特許出願した(特開2001−247310)。その後も引き続き複合化技術の研究開発に取り組んでおり、二酸化チタンについても同様の方法にて複合体を製造することに成功し特許出願した(特開2002−29739)。
【0014】
そして、本発明者らは、前記以外の無機又は金属微粒子と、炭酸カルシウムとの複合粒子を製造すべく、その後も更に研究を継続して行い、その結果、開発に成功したのが本発明である。したがって、本発明は、シリカ又は二酸化チタン以外の無機又は金属微粒子と炭酸カルシウムとの複合粒子を製造する技術を提供することを解決課題とするものである。さらに、製造された複合粒子を用いて、それを含む複合組成物又は複合体を製造することも解決課題とするものである。
【0015】
また、本発明の解決課題は、炭酸カルシウムと他の無機又は金属微粒子との新たな複合化の簡便な手法を提案し、大量かつ経済性に優れた製造方法を提供することにあり、更にこれらの無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子を含有する複合組成物又は複合体を提供することにある。なお、本発明は、本発明者らが最近出願した前記2件の発明と同様に炭酸カルシウムの結晶が生成あるいは成長している系に、炭酸カルシウム以外の一定の条件を有する無機又は金属微粒子(シリカ及び二酸化チタンを除く)を共存させることにより、炭酸カルシウムと無機又は金属微粒子を直接接触した状態で固着させることができるという知見を得、完成するに至ったものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するものであり、そのうちの無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法は、炭酸ガス化合法により炭酸カルシウムを生成させる炭酸化反応過程において、シリカと二酸化チタンを除く、水に分散させた時のゼータ電位が負であり石灰水に分散させた時のゼータ電位が正である無機又は金属微粒子の少なくとも1種以上を共存させることにより、無機又は金属微粒子と合成された炭酸カルシウム粒子とを固着させることを特徴とするものである。
また、複合組成物又は複合体は、前記無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子を含有するものであり、それら複合組成物又は複合体の代表的なものは、中性紙を始めとする紙、塗料、プラスチック、又はゴムである。
【0017】
そして、本発明では、合成炭酸カルシウムが生成する炭酸化反応過程の少なくとも一時期において、生成する炭酸カルシウムと、上記の条件を満たす無機又は金属微粒子とを添加等により共存させるという簡便な手法で、無機又は金属微粒子(粉体)と炭酸カルシウムとが固着した複合粒子を製造できる。また、このようにして得られた無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子は、炭酸カルシウム自体の特質と複合化した無機又は金属微粒子が有する固有の特性、すなわち両者の性質を併せ持つばかりでなく、それら無機又は金属微粒子を適切に組み合わせることにより予期しない効果を発揮する可能性をも秘めており、様々な分野への利用が期待できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態及び詳細について説明するが、本発明は、それらによって限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0019】
本発明で製造される無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子は、炭酸ガス化合法により炭酸カルシウムを生成させる炭酸化反応過程において、水に分散させた時のゼータ電位が負であり石灰水に分散させた時のゼータ電位が正である無機又は金属微粒子を添加等で共存させることにより製造される。すなわち、核生成あるいは炭酸カルシウム粒子の成長過程に水に分散させた時のゼータ電位が負であり石灰水に分散させた時のゼータ電位が正である無機又は金属微粒子を共存させることによって複合化が可能になる。
【0020】
炭酸ガス化合法とは、酸化カルシウム(生石灰)や、水酸化カルシウム(消石灰)に水を加えて得られた水酸化カルシウムスラリーに、上述したように炭酸ガスを導入して合成炭酸カルシウムを生成させる方法であり、その酸化カルシウム原料としては、天然資源として豊富に産する石灰石をはじめ、貝殻や珊瑚などの生物源の炭酸カルシウム、製糖工場で発生するライムケーキ等の炭酸カルシウムや水酸化カルシウムであれば特に制限なく使用でき、これらを焼成することにより本発明で使用する酸化カルシウムを得ることができる。
【0021】
本発明に使用する無機または金属微粒子は、水に分散させた時のゼータ電位が負であり石灰水に分散させた時のゼータ電位が正であることが必要条件であり、その他の条件としては溶解度が高いものを除けば特に限定されないが、望ましくは不溶性あるいは難溶性であり、かつ親水性であって水中で分散すれば好適である。
【0022】
その微粒子素材としては、具体的には、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム等の金属単体や、ステンレス等の合金類等の金属、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等の酸化物、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の水酸化物、二水石膏等の硫酸塩、ホタル石等のフッ化物、アパタイト等のリン酸塩、又は珪酸塩があげられる。
【0023】
珪酸塩としては、ウォラストナイト(珪灰石)、トバモライト等の珪酸カルシウムもしくはその含水物、セピオライト、アスベスト等の柱状もしくは繊維状鉱物、板状の形態をなすカオリン、クレー、タルク、雲母、スメクタイト等の層状珪酸塩、ゼオライト等の含水珪酸塩等があげられる。なお、疎水性の性質を有する微粒子であっても、有機や無機の界面活性剤や分散剤等で親水化処理することにより水酸化カルシウムスラリー中に分散でき使用可能である。
【0024】
そして、無機又は金属微粒子のうち、水に分散させた時のゼータ電位が負であり石灰水に分散させた時のゼータ電位が正であるものはそのまま使用可能である。しかしながら、この条件に該当しない粒子、例えば水に分散させた時のゼータ電位が正であるもの(ホタル石等)、あるいは石灰水に分散させた時のゼータ電位が負である無機又は金属微粒子(タルク等)もある。また、微粒子によっては、天然の鉱石の粉砕物では産地により、人工的に合成した微粒子では製造方法や製造メーカーにより、同じ名称で呼ばれていてもゼータ電位の正負が異なることがある。
【0025】
このように条件に該当しない粒子の場合は、前記各微粒子の機能を損なわない範囲で、常法により無機又は金属微粒子の表面を金属酸化物等の適切な物質で被覆する、あるいは酸やアルカリ、界面活性剤等で表面処理を行うことにより表面を改質し、水に分散させた時のゼータ電位が負であり石灰水に分散させた時のゼータ電位が正になるようにすることにより、炭酸カルシウムとの複合化が可能になる。この手法は無機または金属微粒子の板状や繊維状等の独特の形態や磁性等の特性を利用しようとする場合において有効に使用できる。
【0026】
ここでいう水とは、無色無味無臭で特定のイオンや分子を含まないものをいい、例えば蒸留水、脱イオン水等があげられる。また石灰水とは、水酸化カルシウムを溶解した飽和水溶液であり、例えば水酸化カルシウムスラリー中に炭酸ガスを吹き込んで、炭酸カルシウムを沈殿させる炭酸ガス化合法における炭酸化前の原料である水酸化カルシウムスラリーにおいて懸濁する固相粒子を除いた溶液が該当する。
【0027】
ゼータ電位は、希薄系では電気泳動法で測定され、その泳動速度(距離)の測定原理の違いにより、顕微鏡法、回転回折格子法、回転プリズム法、レーザードップラー法がある。また濃厚系での測定方法としては、電気泳動輸送法、流動電位法、超音波振動電位法、ESA法がある。このようにゼータ電位の測定手法としては、種々の測定方式が知られており、同一試料を同一試料調製方法にて同一測定条件で測定しても、測定方式や機種によりその値に多少の差が生じることが一般的である。
【0028】
本発明者らがここでいうゼータ電位とは、これら種々の測定方法の中でも希薄系でのレーザードップラー法を基準とするが、本発明者らが知る限りにおいて、同一試料を同一試料調製方法にて同一測定条件で測定すれば、水中あるいは石灰水中において、測定した値の絶対値には多少の差が生じることがあっても、正負が逆転することはない。従って同一試料の水中あるいは石灰水中でのゼータ電位の正負は一義的に決まるといえる。
【0029】
複合化したい無機または金属微粒子のゼータ電位が本発明を実施する上で適切でない場合、すなわち水中に分散させた時にゼータ電位が正または石灰水中に分散させた時のゼータ電位が負の場合は、前記したところの被覆する方法では、例えば微粒子の表面をシリカや酸化チタン等の物質で被覆することができる。表面被覆を行うには気相法、沈澱法、アルコキシド法等の化学的手法や、メカノケミカルやメカノフュージョン等の物理的手法のいずれも使うことができる。また酸やアルカリ、あるいは界面活性剤等により表面処理を行ない、微粒子表面を改質することによって目的を達成してもよい。
【0030】
本発明の無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子のもう一方の構成成分である合成炭酸カルシウムには、カルサイト、アラゴナイト、バテライトの3種の結晶構造が知られている。これらのうち工業的に主として使用されているのは、カルサイトとアラゴナイトである。
【0031】
カルサイトの結晶構造を有するものとしては、生成後のものがプラスチックや製紙用に一般的に用いられる粒子径0.02〜0.3μmの立方体状炭酸カルシウム、長径0.3〜3μm、短径0.2〜0.6μmの紡錘状炭酸カルシウム、粒子径0.04μmの粒子が連鎖状に連なった連鎖状カルシウム等がある。またアラゴナイトの結晶構造を有するものとしては、長径1〜5μm、短径0.1〜0.5μmの柱状炭酸カルシウムがある。これらの炭酸カルシウムは、前述のとおり本発明の複合粒子製造過程で生成されるものであり、本発明においては、生成する結晶構造及び結晶形態については特に制限されるものではない。
【0032】
炭酸化反応過程で添加等により共存させる無機又は金属微粒子の量については特に制限はなく、無機又は金属微粒子の粒子径や形態、あるいは製造後の複合粒子において求められる特性や機能によって選択することができ、炭酸化反応後に得られた無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子に、0.01〜99.9重量%含有されるように添加することがよい。
【0033】
その理由は、0.01重量%未満であると無機又は金属微粒子のもつ特性や機能がほとんど発揮されないことがある。また99.9重量%を超えると、逆に炭酸カルシウムのもつ特性や機能がほとんど発揮されず、複合化の効果が得られない。従って複合化することにより得ようとする特性や機能にあわせて、必要とする比率で添加すれば良い。なお、無機又は金属微粒子の量は、その種類や目的により異なるが、好ましくは1〜99%がよく、より好ましくは10〜90%がよい。
【0034】
本発明における炭酸化反応とは、水酸化カルシウムスラリー中に炭酸ガスを導入することにより炭酸カルシウムが生成する反応を指す。また、無機又は金属微粒子を共存させる態様としては水酸化カルシウムスラリー中に該微粒子を添加するのがよいが、特に制限されることはなく、要は炭酸化反応により炭酸カルシウムが生成あるいは成長する過程において、スラリー中に該微粒子が存在すればよい。
【0035】
無機又は金属微粒子を添加する場合には、その時期は、炭酸化反応が終了する以前であれば、炭酸化反応を行う前でも、炭酸化反応を行っている途中であってもよい。つまり、炭酸化反応により炭酸カルシウムが生成あるいは成長する過程において、そのスラリー中に無機又は金属微粒子を炭酸カルシウムと共存させることによって生成する炭酸カルシウムと無機又は金属微粒子を固着させ、本発明の製造対象物である無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子が得られる。
【0036】
また、ここでいう固着とは、無機又は金属微粒子と炭酸カルシウム粒子が互いに表面で接合あるいは一部が食い込んだ状態で、両者が固定された粒子構造をいう。したがって、固定したとするものを、水溶液中で弱く撹拌した際に両者が分離するような状態、例えば単なる表面電位差による電気的な凝集やファンデルワールス力による凝集は含まれない。
【0037】
ただし、添加時期については、その時期が炭酸化反応の終了間際になると、炭酸カルシウム粒子への無機又は金属微粒子の固着が弱くなる傾向にあることが確認されており、特に固着させる無機又は金属微粒子量が生成する炭酸カルシウムに対して比較的多量となる場合は、炭酸化開始前に添加を済ませるなど早い時期に添加することがより望ましい。
無機又は金属微粒子を添加した後は、そのまま炭酸化反応を継続する。反応生成物中に未反応水酸化カルシウムを残留させないためには、炭酸化反応は終了するまで継続させることが望ましい。
【0038】
炭酸化反応の終了については、pHの測定によって容易に知ることができる。炭酸ガス化合法では、炭酸化率が100%未満では未反応の水酸化カルシウムが存在するためスラリーpHは11〜13とアルカリ性を示すが、反応が終了するとpHは中性付近にまで低下する。以上のようにして、本発明では無機又は金属微粒子と合成炭酸カルシウム粒子とが固着した無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子が製造できる。
なお、本明細書で使用する炭酸化率とは以下の式によって表される。
炭酸化率(%)=(炭酸化反応によって生成した炭酸カルシウム中のカルシウ
ム量/反応系内に存在するカルシウムの総重量)×100
【0039】
さらに、炭酸カルシウムと組み合わせる無機又は金属微粒子は、1だけに限定されるものではなく、要求される機能や性質に応じ2以上の複数を組み合わせてもよい。シリカ又は二酸化チタンと、他の無機又は金属微粒子とを組み合わせることも本発明に含まれる。例えば、本発明における炭酸化反応過程で、セピオライトとシリカとを添加することにより、セピオライト−シリカ−炭酸カルシウム複合粒子を製造できる。また酸化チタンとカオリンを添加することにより、酸化チタン−カオリン−炭酸カルシウム複合粒子を製造することができる。
【0040】
本発明により無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子が製造できる理由については明らかでないが、いずれの複合粒子も無機又は金属微粒子と炭酸カルシウムとが互いに表面であるいは一部が食い込んだ状態で固着しており、無機又は金属微粒子を炭酸カルシウムの結晶成長段階で添加した場合でも無機又は金属微粒子が炭酸カルシウム粒子と固着していることから、無機又は金属微粒子を核として炭酸カルシウムが生成したとは考えられない。
【0041】
したがって、本発明者らは、pH11〜13という高pHから反応終了間際の中性付近にpHが低下するという環境の下、結晶の成長過程にある炭酸カルシウム粒子、溶解過程にあり炭酸化終了間際では消滅してしまう水酸化カルシウム粒子、反応には直接関与していない無機又は金属微粒子の表面電位の微妙なバランスが、複合粒子形成に関与しているものと現時点では考えている。
【0042】
特に複合化できる無機又は金属微粒子は、水に分散させた時のゼータ電位が負であり、すなわち陽イオンがほとんど存在しない場合にはゼータ電位が負であり、陽イオンが存在する石灰水に分散させた時のゼータ電位が正であり、これらのことからして石灰水中では無機又は金属微粒子の表面に陽イオンであるCaイオンが吸着している可能性が考えられ、このことが該複合粒子の形成に重要な役割を果たしているのかもしれないと本発明者らは推測している。
【0043】
また、本発明によれば、該複合粒子を製造する際において、原料として使用する無機または金属微粒子が適切か否かを、水に分散させた時のゼータ電位と石灰水に分散させた時のゼータ電位を測定することにより判断できる。すなわち、水に分散させた時のゼータ電位と石灰水に分散させた時のゼータ電位を測定することにより無機または金属微粒子を選択し、炭酸ガス化合法により炭酸カルシウムを生成させる炭酸化反応過程において、該無機又は金属微粒子の少なくとも1種以上を共存させることにより、無機又は金属微粒子と合成された炭酸カルシウム粒子とを固着させて本発明の無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子を製造することができる。
【0044】
さらに、複合化させる上で水に分散させた時あるいは石灰水に分散させた時のゼータ電位が不都合な場合には、前記したとおり化学的又は物理的な手法により水に分散させた時のゼータ電位が負で石灰水に分散させた時のゼータ電位が正となるように無機または金属微粒子の表面を改質し、炭酸ガス化合法により炭酸カルシウムを生成させる炭酸化反応過程において、該無機又は金属微粒子の少なくとも1種以上を共存させることにより、無機又は金属微粒子と合成された炭酸カルシウム粒子とを固着させて本発明の無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子を製造することもできる。
【0045】
本発明で製造される無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子においては、無機又は金属微粒子の種類、粒子径、形状等の選択の幅が広く、様々な機能や特徴を複合化することが可能であり、これらの用途としては、製紙用の顔料や填料、プラスチックやゴム等のポリマーの填料あるいは添加剤、塗料やシーリング材の体質顔料、さらには触媒能、吸着能、吸水能、調湿能、光学的機能、遮音性、吸音性等を有する機能性素材として活用できる。また、炭酸カルシウム粒子の表面に無機又は金属微粒子を均一に固着できることから、各微粒子の偏析が生じ難くセラミック原料としても有望である。
【0046】
特に、製紙分野では、紙の中性紙化と共に紙の軽量化や薄紙化、白色度や不透明度の一層の向上が望まれ、その結果不透明性やインクの吸収性において、より優れた特性を有する填料や顔料の出現が要望されている。そのため抄紙工程では、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、酸化チタン、シリカ等の無機微粒子を複数種組み合わせて使用しているが、無機微粒子のそれぞれの形状や比重、表面電位等の性状や分散・凝集等の水中での挙動が異なるため、抄紙工程上の解決すべき種々の課題を抱えている。
【0047】
このような課題のいくつかは、前記無機微粒子を複数組み合わせて併用するのではなく、これらの無機微粒子を本発明のように複合化することにより解決することが可能である。例えば、本発明により、カオリン−シリカ−炭酸カルシウム複合粒子を製造し、それを使用すると、カオリンの不透明性、シリカの吸油・吸水性、炭酸カルシウムの白色度をあわせ持つ製紙用填料あるいは顔料となり、複数種の填料や顔料を組み合わせ配合する必要がなくなる。
【0048】
このように本発明で製造する無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子は、製紙分野では広く中性紙全般に従来と同様に使用でき、新聞用紙や薄葉紙のみならず一般に使用される印刷用紙、包装用紙、そして無機粉体を60〜80重量%含有する無機質紙やその他の機能紙や合成紙においても好適に使用できる。
【0049】
そして、本発明における複合組成物とは、形態の定まらない流動性を有する粉体、スラリーあるいはペースト状のものを指し、塗料、コーティング剤、製紙用塗工剤、化粧料、歯磨剤等が該当し、かつ前記複合粒子を含有するものである。また複合体とは、通常の環境下でブロック、フィルム、繊維、各種のタンク、ケース、タイヤ等の特殊形状体等成形体として形態が維持され、かつそれらの内部に該複合組成物を含有するか、あるいは表面に該複合組成物の膜を有するもの等であり、その材質としては、紙、プラスチック、ゴム、塗膜付き金属や木板等があげられる。
【0050】
本発明で製造される無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子は、炭酸カルシウムの性質と複合化した微粒子の性質、例えば分散性、吸着能、形態的特徴等の両方の性質を併せ持ち、更には無機又は金属微粒子を適切に組み合わせることにより予期しない効果を発揮する可能性をも秘めている。
【0051】
すなわち、このようにして得られた無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子は、例えば白色度、不透明性、吸油・吸水性、引張強度、剛度等で優れた特性を要求される中性紙用の顔料や填料、着色性、不透明性、強度等の物性を多種多様に要求されるプラスチックやゴム等のポリマーの填料あるいは添加剤、塗膜強度、不透明性、着色性や、セルフレベリング性、チクソ性等の優れた流動特性を要求される塗料やシーリング材の体質顔料、さらには触媒能、吸着能、吸水能、光学的機能、遮音性、電磁特性等を有する機能性素材、複数種の微粒子を均一に混合する必要があるセラミック原料として活用でき、様々な分野への利用の可能性を秘めた複合粒子といえる。
【0052】
なお、本発明で製造する無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子を含有した複合組成物又は複合体を製造するにあたっては、製紙、塗料、プラスチック、ゴム等の製造過程において、既に使用している炭酸カルシウム等の無機微粒子と同様の手法で使用でき、その結果従来使用している無機微粒子より優れた特性や性能を発現することができるものである。
【0053】
【実施例】
本発明について、実施例及び比較例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明は、この実施例によって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲によって把握されるものであることはいうまでもない。その実施例及び比較例では、各種の無機又は金属微粒子を使用するが、それらのゼータ電位は下記のとおり測定した。
【0054】
[ゼータ電位の測定]
後述する実施例及び比較例にて使用した無機又は金属微粒子の水及び石灰水に分散させた際のゼータ電位を測定した。水には蒸留水を使用し、石灰水はイオン交換水2Lに生石灰10gを投入し1時間撹拌したのち、メンブレインフィルターにて固形分を除去して調製した。なお、ゼータ電位測定には、マルバーン社製ゼータサイザー3000HS(電気泳動法レーザードップラー方式)を用いた。その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
[実施例1]
工業用生石灰60gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度37g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。消石灰スラリーにカオリン(大阪窯業製、平均粒子径20μm)300gを添加し、スラリー温度を30℃に調節した。
【0057】
その後撹拌しながら炭酸ガスを0.20L/分の速度で導入し、炭酸化反応を行った。スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、カオリン粒子表面に紡錘状炭酸カルシウムが固着していることが確認された。
【0058】
[実施例2]
工業用生石灰120gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度74g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。スラリー温度を30℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で炭酸化反応を開始した。
【0059】
炭酸化反応開始から5分が経過した時点で、スメクタイト(コープケミカル社製親水性スメクタイトSWN、多孔体比表面積200m2/g)5gを300mLの水道水に分散させたスラリーを添加し、その後引き続き炭酸化反応を継続させた。スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、長径1.5〜2μm、短径0.3〜0.5μmの紡錘状炭酸カルシウム表面にスメクタイト微粒子が固着しており、スメクタイトの単独粒子は観察されなかった。
【0060】
[実施例3]
工業用生石灰90gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度55g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。スラリー温度を15℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.8L/分の速度で導入し炭酸化反応を開始した。
【0061】
炭酸化反応開始から20分が経過した時点(炭酸化率56%)で、スメクタイト(コープケミカル社製親水性スメクタイトSWN、多孔体比表面積200m2/g)5gを300mLの水道水に分散させたスラリーを添加し、その後引き続き炭酸化反応を継続させた。スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
【0062】
得られた生成物を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、粒子径0.04〜0.06μmのコロイド状炭酸カルシウムは確認されたものの、スメクタイト粒子は判別できなかった。また、コロイド状炭酸カルシウムを脱水・乾燥すると、通常乾燥凝集して固結した塊状物となるが、本実施例の生成物のスラリーを脱水・乾燥したところ、乾燥凝集の非常に弱い白色粉体が得られたことから、スメクタイトがコロイド状炭酸カルシウムの表面に固着し、コロイド状炭酸カルシウム同士の乾燥凝集を防止しているものと考えられる。
【0063】
[実施例4]
工業用生石灰60gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度37g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。このスラリーに、ウォラストナイト(巴工業社製NYAD−G、平均繊維長600μm、平均繊維径40μm)50gを添加し、スラリー温度を30℃に調節した。
【0064】
その後撹拌しながら炭酸ガスを0.20L/分の速度で導入し、炭酸化反応を行った。スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、ウォラストナイト表面に、長径0.5〜1μmの紡錘状〜柱状の炭酸カルシウムが固着していることが確認された。
【0065】
[実施例5]
工業用生石灰120gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度74g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。このスラリーに、繊維状のセピオライト(昭和鉱業社製、ミルコンSP−2、平均繊維長5μm、平均繊維径0.1μm)25gを添加し、スラリー温度を30℃に調節した。
【0066】
その後撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し、炭酸化反応を行った。スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、絡み合った繊維状セピオライトに長径1μmの紡錘状炭酸カルシウム粒子が固着している3〜5μmの複合粒子を形成していることが確認された。
【0067】
[実施例6]
工業用生石灰90gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度56g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。このスラリーに、繊維状のセピオライト(実施例5に同じ)25gを添加し、スラリー温度を30℃に調節した。
【0068】
その後撹拌しながら炭酸ガスを1.0L/分の速度で導入し、炭酸化反応を行った。スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒子径0.08〜0.1μmの立方体状炭酸カルシウムが、絡み合った繊維状セピオライト表面に固着していることが確認された。
【0069】
[実施例7]
工業用生石灰120gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度75g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。スラリー温度を28℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し炭酸化反応を開始した。
【0070】
炭酸化反応開始から5分が経過した時点で、ステンレス粉(山石金属社製、10〜100μm)50gを250mLの水道水に分散させたスラリーを添加し、その後引き続き炭酸化反応を継続させた。110分後、スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、ステンレス粉表面に長径1〜1.5μmの紡錘状炭酸カルシウムが固着していることが確認された。
【0071】
[実施例8]
工業用生石灰20gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度9g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。このスラリーに二水石膏(排脱石膏、CaSO4・2H2O 純度97.7%)200gを添加して5分間攪拌し、スラリー温度を28℃に調節した。
【0072】
その後撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で炭酸化反応を開始した。スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、石膏表面に長径0.5〜2μmの柱状の炭酸カルシウムが固着していることが確認された。
【0073】
[実施例9]
工業用生石灰120gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度74g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。この石灰乳に繊維状のセピオライト(実施例5に同じ)20gを粉末で添加して5分間攪拌し、スラリー温度を28℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し炭酸化反応を開始した。
【0074】
炭酸化反応開始から5分が経過した時点で、コロイダルシリカ(日産化学社製、スノーテックス20L)20gを添加し、その後引き続き炭酸化反応を継続させ、スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒子径30〜50nmのコロイダルシリカ粒子が、長径1.0〜1.5μm、短径0.2〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に固着し、その炭酸カルシウム粒子が絡み合った繊維状のセピオライトに固着した3〜5μmの複合粒子を形成していることが確認された。
【0075】
[実施例10]
工業用生石灰120gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度74g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。この石灰乳の温度を28℃に調節した後、撹拌しながら炭酸ガス導入速度0.35L/分で炭酸化反応を開始した。
【0076】
炭酸化反応開始から5分が経過した時点で、酸化鉄(Fe2O3、関東化学試薬特級)20gを添加し、引き続き炭酸化反応を継続させ、スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒子径が5〜15μmの酸化鉄表面に長径0.3〜1μmの紡錘状炭酸カルシウム粒子が固着していることが確認された。
【0077】
[実施例11]
工業用生石灰120gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度74g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。この石灰乳の温度を28℃に調節した後、撹拌しながら炭酸ガス導入速度0.35L/分で炭酸化反応を開始した。
【0078】
炭酸化反応開始から5分が経過した時点で、リン酸3カルシウム(和光純薬化学用)20gを添加し、引き続き炭酸化反応を継続させ、スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒子径が5〜15μmのリン酸3カルシウム凝集体表面に長径1〜2μmの紡錘状〜柱状炭酸カルシウム粒子が固着していることが確認された。
【0079】
[実施例12]
工業用生石灰20gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度10g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。この石灰乳の温度を28℃に調節した後、撹拌しながら炭酸ガス導入速度0.35L/分で炭酸化反応を開始した。
【0080】
炭酸化反応開始から5分が経過した時点で、水酸化アルミニウム試薬(関東化学試薬特級)200gを添加し、引き続き炭酸化反応を継続させ、スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒子径が20〜100μmの水酸化アルミニウム粒子表面に短径0.1μm、長径0.2〜1μmの連鎖状炭酸カルシウム粒子が固着していることが確認された。
【0081】
[実施例13]
工業用生石灰120gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度12g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。この石灰乳の温度を28℃に調節した後、撹拌しながら炭酸ガス導入速度0.35L/分で炭酸化反応を開始した。
【0082】
炭酸化反応開始から5分が経過した時点で、酸化アルミニウム試薬(和光純薬試薬特級)200gを添加し、引き続き炭酸化反応を継続させ、スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒子径が20〜100μmの酸化アルミニウム粒子表面に長径0.3〜1.5μmの紡錘状炭酸カルシウム粒子が固着していることが確認された。
【0083】
[実施例14]
タルク(ソブエクレー社製ミストロンベーパー)50gを1.0Lのエタノール中に分散させ、これにシリコンエトキシド30g、29%のアンモニア水40g、水40mLとを添加し、6時間撹拌した後固形分を濾別し、200℃で12時間加熱処理することにより、シリカで表面処理されたタルクを調製した。
【0084】
続いて、工業用生石灰120gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残渣を除去してから、水道水を加え、濃度74g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。スラリー温度を30℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し炭酸化反応を開始した。
【0085】
炭酸化反応開始から5分が経過した時点で、シリカにより表面処理されたタルク50gを300mLの水道水に分散させたスラリーを添加し、その後も引き続き炭酸化反応を継続させた。スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、3〜15μmのタルクの板状粒子表面に、長径0.8〜1.2μm、短径0.2〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウムが、固着していることが確認された。
【0086】
[実施例15]
500mLのエタノールとチタンイソプロポキシド6gの混合溶液に、蛍石(関東化学社製、試薬特級)20gを加えたのち、液温を55℃に保持しながら、エタノール60mLとイオン交換水16mLの混合溶液を、90分間かけて滴下し、さらに3時間撹拌を続けた。その後、固形分を濾別、105℃での真空乾燥及び400℃での熱処理を施して、チタニアにより表面処理された蛍石を調製した。
【0087】
続いて、工業用生石灰120gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度70g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。スラリー温度を28℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し炭酸化反応を開始した。
【0088】
炭酸化反応開始から5分が経過した時点(炭酸化率3.3%)で、チタニアにより表面処理された蛍石20gを150mLの水道水に分散させたスラリーを添加し、その後も引き続き炭酸化反応を継続させた。スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、長径0.8〜1.2μmの紡錘状炭酸カルシウムの表面に、蛍石の直径0.2μm前後の粒子が固着していることが確認された。
【0089】
[比較例1]
実施例1と同様にして濃度37g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。消石灰スラリー温度を30℃に調節した後、撹拌しながら炭酸ガスを0.20L/分の速度で導入し、炭酸化反応を行った。スラリーのpHが7になった時点で、カオリン(大阪窯業製、平均粒子径20μm)150gを添加した。
【0090】
その後もそのまま撹拌しながら炭酸ガスを導入し続け、20分間経過後導入を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、カオリン粒子と紡錘状炭酸カルシウムは別々に存在しており、両者が固着しているものは観察されなかった。
【0091】
[比較例2]
実施例2と同様にして、濃度74g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。スラリー温度を30℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し炭酸化反応を開始した。スラリーのpHが7になった時点で、スメクタイト(コープケミカル社製親水性スメクタイトSWN)5gを300mLの水道水に分散させたスラリーを添加した。
【0092】
その後も引き続き撹拌しながら炭酸ガスを導入し続け、20分間経過後導入を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、紡錘状炭酸カルシウムのまわりにスメクタイト微粒子が散在しており、紡錘状炭酸カルシウムの表面には固着していないことが確認された。
【0093】
[比較例3]
工業用生石灰120gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残渣を除去してから、水道水を加え、濃度74g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。スラリー温度を30℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し炭酸化反応を開始した。
【0094】
炭酸化反応開始から5分が経過した時点で、タルク(ソブエクレー社製ミストロンベーパー)50gを300mLの水道水に分散させたスラリーを添加し、その後も引き続き炭酸化反応を継続させた。スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、長径0.8〜1.2μm、短径0.2〜0.4μmの紡錘状炭酸カルシウムと、3〜15μmのタルクの板状粒子とが観察されたが、両者は複合化しておらず、それぞれ独立した粒子であることが確認された。
【0095】
[比較例4]
工業用生石灰120gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度70g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。スラリー温度を28℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し炭酸化反応を開始した。
【0096】
炭酸化反応開始から5分が経過した時点(炭酸化率3.3%)で、蛍石(関東化学社製、試薬特級)20gを150mLの水道水に分散させたスラリーを添加し、その後も引き続き炭酸化反応を継続させた。スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させた。
得られた生成物を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、長径0.8〜1.2μmの紡錘状炭酸カルシウムと蛍石の直径0.2μm前後の粒子とが観察されたが、両者は複合化しておらず、それぞれ独立した粒子であることが確認された。
【0097】
以上の実施例及び比較例からも明らかなように、水に分散させた時のゼータ電位が負であり石灰水に分散させたときのゼータ電位が正である無機微粒子は、炭酸化反応過程に共存させることにより、炭酸カルシウム粒子と複合化できるのに対して、水に分散させた際のゼータ電位と石灰水に分散させたときのゼータ電位がともに負であったり(比較例3)、水に分散させた際のゼータ電位と石灰水に分散させたときのゼータ電位がともに正である場合には(比較例4)、炭酸カルシウムと複合化できないことがわかる。また、比較例3及び4で使用した無機粉体の表面を、水に分散させた時のゼータ電位が負で、石灰水に分散させたときのゼータ電位が正となるように処理することにより、炭酸カルシウムとの複合化が可能となることも理解できる(実施例14、15)。
【0098】
【発明の効果】
本発明の炭酸ガス化合法による無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法によれば、合成炭酸カルシウムが生成する炭酸化反応過程の少なくと一時期において、生成する炭酸カルシウムと、水に分散させた時のゼータ電位が負であり石灰水に分散させたときのゼータ電位が正である無機又は金属微粒子とを添加等により共存させるという簡便な手法で、各種の無機又は金属微粒子(粉体)と炭酸カルシウムとが固着した複合粒子を製造できる。
【0099】
このようにして得られた無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子は、炭酸カルシウム自体の特質と複合化した無機又は金属微粒子の特性、すなわち両者の性質を併せ持つばかりでなく、これら無機または金属微粒子を適切に組み合わせることにより予期しない効果を発揮する可能性をも秘めており、様々な分野への利用が期待できる複合粒子といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたカオリン−炭酸カルシウム複合粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図2】 実施例4で得られたウォラストナイト−炭酸カルシウム複合粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図3】 実施例9で得られたシリカ−セピオライト−炭酸カルシウム複合粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
Claims (6)
- 炭酸ガス化合法により炭酸カルシウムを生成させる炭酸化反応過程において、シリカと二酸化チタンを除く、水に分散させた時のゼータ電位が負であり石灰水に分散させた時のゼータ電位が正である無機又は金属微粒子の少なくとも1種以上を共存させることにより、無機又は金属微粒子と合成された炭酸カルシウム粒子とを固着させることを特徴とする無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法。
- 合成された炭酸カルシウムが紡錘状炭酸カルシウム、立方体状炭酸カルシウム、コロイド状炭酸カルシウム、連鎖状炭酸カルシウム、又は柱状炭酸カルシウムである請求項1に記載の無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法。
- 請求項1又は2の製造方法で無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子を得ることを特徴とする当該複合粒子を含有する複合組成物の製造方法。
- 前記複合組成物が塗料である請求項3に記載の製造方法。
- 請求項1又は2の製造方法で無機又は金属微粒子−炭酸カルシウム複合粒子を得ることを特徴とする当該複合粒子を含有する複合体の製造方法。
- 前記複合体が紙、プラスチック、又はゴムである請求項5に記載の製造方法。
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