JP3744832B2 - 水路内面のライニング工法 - Google Patents
水路内面のライニング工法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3744832B2 JP3744832B2 JP2001296687A JP2001296687A JP3744832B2 JP 3744832 B2 JP3744832 B2 JP 3744832B2 JP 2001296687 A JP2001296687 A JP 2001296687A JP 2001296687 A JP2001296687 A JP 2001296687A JP 3744832 B2 JP3744832 B2 JP 3744832B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water channel
- lining
- spacer
- plate
- adhesive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Sewage (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、農業用水、下水道、工業用水などの既設水路内面を補修するための水路内面のライニング工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の既設水路内面にFRP板などのライニング板を張設して補修する工法として、特開平3−247809号公報に記載のものがある。この工法は、図6、図7に示すように、既設水路100の内面にアンカーボルト101により固定部材102を固定し、この固定部材102の上にFRP板103を皿ねじ104により取り付けた後、既設水路100とFRP板103との間にセメントミルク105を打設するものである。
【0003】
この工法による補修は、FRP板103は軽量のため、運搬などの作業性がよく、また、FRP板103は粗度係数が小さいため、水が流れ易く、さらにFRP板103を水路内面に沿わせ易いため、水路断面の大幅な減少を招かないなどの利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のFRP板103による補修方法において、補修後にスムースに水が流れるためには、その補修水路内面に凹凸が極力ないことが望ましい。このため、流水方向に連結される各FRP板103間にも段差がないことが望まれる。一方、既設水路内面は、老朽化等によりその内面が部分的に欠損して凹凸状態となっているため、一定の大きさの固定部材102ではその凹凸に対応してFRP板103の表面(内面)を一定のレベルにすることはできない。
【0005】
このため、従来技術では、各種の大きさ(高さ)の固定部材102を用意したり、各種厚みのスペーサ板106を用意したり、そのスペーサ板106の重ね枚数を調整するなどにより、FRP板103の表面を一定のレベルにしている。しかし、部品数が多くなるなど、作業性が悪いうえに、コスト的にも問題である。
【0006】
また、この工法は、水路100の内面とFRP板103の間に固定部材102を介在し、その固定部材102にはアンカーボルト101やねじ104がねじ込まれるため、そのための強度、作業スペースのための大きさが必要であり、水路内面とFRP板103の間隙はいきおい広くなる。広くなれば、水路100の流通面積が低下する。
【0007】
この発明は、作業性を向上するとともに、水路内面(補修面)とライニング板の隙間を極力小さくすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明は、水路内面とライニング板の間隔保持材を両者に接着剤で固定することとしたのである。接着剤であれば、塗布などによって容易に固定作業ができ、かつ、その間隔保持材は最小限の大きさのものを使用でき、間隙も極力小さくし得る。このとき、間隙保持材の固定力では、充填材の打設時に、ライニング材が動く恐れがあれば、ビス止め、コンクリート型枠に使用される支保工などを使用すればよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態としては、既設水路の内面に充填材を介してライニング板を張設して水路内面を補修するライニング工法において、前記既設水路内面適宜個所にスペーサを介し接着剤でもって前記ライニング板を固定して、既設水路にライニング板をそのスペーサでもって所要の間隙を持たせた後、ライニング板の移動を阻止した状態で、前記間隙に前記充填材Mを注入固化する構成を採用し得る。ライニング板には上述のFRP板などを採用でき、充填材にはセメントミルク、無収縮などの各種のモルタル、樹脂などを採用し得る。
【0010】
上記スペーサは接着剤を充填した筒状体から成るものとして、そのスペーサの既設水路内面及びライニング板への固定は、スペーサの開口に露出する前記接着剤により行うようにすれば、スペーサを所要長さに切断、又は所要の長さのものを選択することにより、水路内面とライニング板の所要の間隙に設定することができる。このとき、前記筒状体をゴムなどの弾性材とすれば、押すことにより、接着剤が飛び出して接着が有効になされるとともに、筒状体の収縮により、水路内面の凹凸に基づく間隙のバラツキにも対応し得る。
【0011】
上記ライニング板の充填材と接する面にはその充填材に埋設するアンカーを設けて、ライニング板と充填材の一体化を促進するとよい。
【0012】
【実施例】
一実施例を図1a〜図1dに示し、まず、図1aに示すように、コンクリート製既設水路S内面を清掃するとともに、図1bに示すように、補修用FRP板1の水路側面にスペーサ2を固定する。このスペーサ2は、図2に示すように、ゴム製筒状体2aに水中ボンドなどのパテ状接着剤2bを充填したものであり、その筒状体2aの開口に露出する接着剤2bでもってFRP板1に接着固定する。スペーサ2の取付位置及び高さは、水路内面の劣化状態によって適宜に決定する。高さは、筒状体2aを輪切りするなどによってその高さの長さ(筒軸方向)にして対応したり、押圧による収縮によって対応する。接着剤2bは筒状体2aの開口から少し盛り上がっているようにすることができる。
【0013】
つぎに、図1cに示すように、スペーサ2を介してFRP板1を補修面に張設する。このとき、FRP板1を押圧することにより、スペーサ2から接着剤2bが突出して接着作用を行い、また、筒状体2aの収縮により、補修面の凹凸が吸収される。このため、FRP板1を流れ方向に連結して張設した際、その継目に段差を生じることなく、確実に固定し得る。スペーサ2を水路内面S側に先に固定することもできる。
【0014】
このFRP板1の補修面への接着に並行して、又は接着後、図1dに示すように、FRP板1の適宜個所をボルト式ねじ込みアンカー3又はたたき込みアンカーにより水路内面に止めて(ビス止めして)、そのFRP板1と水路内面の間隙に、その間隔の上部開口又はFRP板1の適宜個所に形成した孔から無収縮モルタルMを打設する。ビス止めは、FRP板1に予めあけた孔に合わせて水路内面に穿孔し、その両孔を介してアンカー3を固定するとよい。
【0015】
また、図1eに示すように、ビス止めに代えて、一般のコンクリート型枠で使用される支保工4を対向するFRP板1、1間などに介設して打設圧に耐え得るようにし得る。この場合には、そのモルタルの養生後、図1fに示すように、支保工4を除く。
【0016】
両実施例において、スペーサ2による接着固定のみで、打設時のFRP板1の移動を阻止できれば、ビス止め及び支保工4は不要である。また、アンカー3のねじ込み部、各FRP板1の接合部は、図3に示すように目地材5によりシールするとよい。このシールは、打設前が好ましいが、打設後でもよい。
【0017】
また、FRP板1とモルタル層Mとの結合を高めるためには、FRP板1のその接合面(裏面)にアンカーを設けるとよく、例えば、図5(a)、(b)に示すように、別もののアンカー6としたり、図5(c)に示すように、FRP板1と一体形成したものとし得る。別もののアンカー6は、図示のごとく、足が分岐している方が喰い込み強度が高くて好ましい。また、そのアンカー6は皿ねじ7で止めるとよく、その際、同図(b)のように、その皿ねじ7にナット8をねじ込んで、アンカー6を回すことにより、FRP板1に圧接して弛み止めするようにするとよい。
【0018】
上記各実施例は、開渠型の水路Sであったが、暗渠などの天井を有するなどの各種の水路内面及び水路の底面、内側面などの一部分の補修にもこの発明を採用し得ることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
この発明は、以上のようにライニング板を接着剤による接着でもって補修面に固定するようにしたので、その作業性がよく、また、補修面とライニング板の間隙も必要最小限とすることができ、流水面積の減少を極力抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1a】一実施例の施工説明図
【図1b】同実施例の施工説明であり、(a)は補修用FRP板の斜視図、(b)は(a)の要部断面図
【図1c】同実施例の施工説明図
【図1d】同実施例の施工説明図
【図1e】他の実施例の施工説明図
【図1f】同実施例の施工説明図
【図2】各実施例のスペーサの斜視図
【図3】同実施例の要部断面図
【図4】同実施例の要部断面図
【図5】他の実施例の要部断面図
【図6】従来例の要部切断斜視図
【図7】同要部断面図
【符号の説明】
1 FRP板(ライニング板)
2 スペーサ
2a スペーサの筒状体
2b スペーサの接着剤
3 アンカー
4 支保工
5 目地材
6 アンカー
7 皿ねじ
8 ナット
M 無収縮モルタル
S 水路
Claims (5)
- 既設水路Sの底及び両側の内面に充填材Mを介してライニング板1を張設して水路内面を補修するライニング工法において、
上記既設水路S内面適宜個所にスペーサ2を介し接着剤2bでもって上記ライニング板1を固定して、既設水路Sにライニング板1をそのスペーサ2でもって所要の間隙を持たせた後、ライニング板1の移動を阻止した状態で、前記間隙に上記充填材Mを注入固化することを特徴とする水路内面のライニング工法。 - 上記スペーサ2が接着剤2bを充填した筒状体2aから成り、そのスペーサ2の既設水路S内面及びライニング板1への固定は、スペーサ2の開口に露出する前記接着剤2bにより行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の水路内面のライニング工法。
- 上記筒状体2aが弾性体から成ることを特徴とする請求項2に記載の水路内面のライニング工法。
- 上記ライニング板1に通したビス3を水路内面に固定してそのライニング板1の移動を阻止するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3に記載の水路内面のライニング工法。
- 上記ライニング板1の充填材Mと接する面にその充填材に埋設するアンカー6を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の水路内面のライニング工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001296687A JP3744832B2 (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 水路内面のライニング工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001296687A JP3744832B2 (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 水路内面のライニング工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003096750A JP2003096750A (ja) | 2003-04-03 |
JP3744832B2 true JP3744832B2 (ja) | 2006-02-15 |
Family
ID=19117879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001296687A Expired - Lifetime JP3744832B2 (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 水路内面のライニング工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3744832B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5197662B2 (ja) * | 2005-03-24 | 2013-05-15 | クボタシーアイ株式会社 | 更生パネル部材、および劣化した構造物の壁面の更生方法 |
JP4861742B2 (ja) * | 2006-05-12 | 2012-01-25 | ショーボンド建設株式会社 | コンクリート躯体の底版への板材の取り付け方法。 |
JP2013104164A (ja) * | 2011-11-10 | 2013-05-30 | Kizai Tecto Corp | トンネル等の内壁面への補修用コンクリートパネルの取付方法 |
JP2016037749A (ja) * | 2014-08-07 | 2016-03-22 | 株式会社栗本鐵工所 | 水路内面の補修構造及び水路補修板 |
-
2001
- 2001-09-27 JP JP2001296687A patent/JP3744832B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003096750A (ja) | 2003-04-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3744832B2 (ja) | 水路内面のライニング工法 | |
JPH03247809A (ja) | 水路内面のライニング工法 | |
KR100525196B1 (ko) | 건축 외장재의 부착 시공방법 | |
JPH1136234A (ja) | プレキャスト埋設型枠を用いたコンクリート構造物の構築方法 | |
JP2004225286A (ja) | 外断熱壁構造およびその形成方法 | |
JP3577064B2 (ja) | 鉄筋コンクリート造建築の帳壁用断熱複合パネル | |
JPH0913302A (ja) | 直結まくら木の設置構造および直結まくら木の設置方法 | |
JPH10311007A (ja) | 鋼橋プレキャストコンクリート床版用支承部材及び、支承構造 | |
JP2000045433A (ja) | 型枠の取付方法、及びコンクリート構造物の施工方法 | |
JP2008121246A (ja) | 制震補強部材の取付方法 | |
JP3849432B2 (ja) | 型枠組立用治具および型枠の組立方法 | |
JP2010261239A (ja) | 柱梁接合部の補強構造 | |
JP4064080B2 (ja) | 既設水路の補修方法及びその構造 | |
JP2993693B2 (ja) | 窯業系押出し板材による型枠工法 | |
JPH0219458Y2 (ja) | ||
JP4019789B2 (ja) | 永久型枠ボードの連結構造および連結方法 | |
JP3909447B2 (ja) | 既設の建築物の独立柱の補強方法 | |
JP4019798B2 (ja) | 永久型枠ボードの連結構造 | |
KR100524226B1 (ko) | 단열보드 부착용 비드 및 이를 이용한 외벽단열시공방법 | |
JP4093102B2 (ja) | 埋設型枠ボードの固定方法 | |
JP2597851Y2 (ja) | 捨て型枠の調整機構 | |
JPH0122812Y2 (ja) | ||
JP2000144648A (ja) | プレキャストコンクリート製防音壁及びその施工法 | |
JPH0455097Y2 (ja) | ||
JP2751827B2 (ja) | 鉄骨柱と鉄筋コンクリート造基礎梁との接合工法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050401 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050712 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050912 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051101 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051115 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3744832 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111202 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111202 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121202 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121202 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131202 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |