JPH0219458Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、建造物の床上に防水床を施工すると
きに用いる防水床材に関する。

従来、要部を不透水層から形成した防水床材の
表面に金具等を強固に固定する必要がある場合、
固定用ビスを防水床材へ捩込んで金具等を固定す
るという簡単な方法が考えられる。ところが、不
透水層の厚みがビスの捩込み量より薄い場合に
は、該固定用ビスの先端部が防水床材の不透水層
を貫通し、水がビスと不透水層との隙間を伝つて
防水床材の裏面へ漏水するという不都合が生じて
いた。

本考案は、何ら漏水現象を発生させることな
く、金具等を強固且つ簡単に固定することが出来
る防水床材の提供を目的とする。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。第１図は、本考案に係る防水床材１の実
施例を示す縦断側面図である。防水床材１は、防
水を必要とする部分が、強化合成樹脂、金属等か
らなる不透水層で形成され、平板部１ａ、立壁部
１ｂ、隅部１ｃ等の表面適所（図示実施例におい
ては平板部１ａの適所）に凹所２が形成されてい
る。該凹所２は、その周壁及び底壁を前記不透水
層から一体的に延設した隣接不透水層で形成して
ある。該凹所２内には、鬼目ナツトからなる接合
手段３が挿入固定されている。接合手段３は、防
水床材１と別体に形成した所望の金具等２３を防
水床材１に接合するためのものである。

第２図は、本考案に係る防水床材１′の別態様
の実施例を示し、前記実施例と異なる所は、凹所
２′の周壁、底壁及び継手部を形成する隣接不透
水層を本体平板部の不透水層と別体に形成し、両
不透水層同志を接着剤等により水密状に接合４す
ると共に、該凹所２′内に鬼目ボルトからなる接
合手段５を挿入固定してある点である。

第３図は本考案に係るの更に別態様の実施例の
防水床材７，７′を複数枚用いて構成した防水床
の一部切截平面図を示す。防水床材７は、第５図
に示す如く、FRP板、金属板等からなる不透水
性の表面層７ａと、該表面層７ａの裏面側に配さ
れた木毛セメント板等からなる補強材７ｂと、該
補強材７ｂを覆うように裏面側へ充填されたレジ
ンコンクリート等からなる充填層７ｃとから構成
されている。該防水床材７の表面適所には、前記
不透水性の表面層７ａと一体的に形成された凹所
８が凹設されている。該凹所８内には、粉砕木材
と硬化性合成樹脂とを混練したものを該凹所８内
へ流し込み且つ硬化させて形成した所謂合成木材
からなる接合手段９が挿入固着されている。ま
た、他の防水床材７′の凹所８′内には、頭付きボ
ルトからなる接合手段１０の頭部が挿入され、接
着剤１１で固定されている。更に、防水床材７，
７′は、接合面側の上縁部寄りにボルト案内用の
凹所７ｄ，７ｄ…，７′ｄ，７′ｄ…が適宜ピツチ
（例えば、300mm）に凹設されていると共に、該凹
所７ｄ，７d′の内側面と防水床材７，７′の外側
接合面とに開口するボルト挿通孔７ｅ，７ｅ…，
７′ｅ，７′ｅ…が穿設されている。防水床材７，
７′の上面には、凹所７ｄ，７ｄ…，７′ｄ，７′
ｄ…を除く所にタイル１８，１８…が必要に応じ
て貼着されている。前記防水床材７，７′を載置
するための根太フレーム群１２は、建造物２９の
床面２９ａ上に、複数個の根太フレーム１３，１
３…をレベル調節済み状態で配設して構成してあ
る。隣接する根太フレーム１３，１３の接合は、
接合面１３ａ，１３ａで取付け板１４の下半部を
挾圧保持するようにして、適宜ピツチ（例えば、
500mm）でボルト締め接合１５，１５…して行な
われる。このように構成された根太フレーム群１
２は、各根太フレーム１３，１３…の当板１３
ｂ，１３ｂ…をアンカーボルト２８で固定すると
共に、更に要すれば、当板１３ｂの近傍をモルタ
ル等１６で固定する。前記防水床材７，７′の接
合は、前記根太フレーム群１２の上に載置された
防水床材７，７′の隣接対向する外側接合面同志
で、ゴム板等からなるパツキング１７，１７を介
して前記取付け板１４の上半部を挾持し、前記ボ
ルト挿通孔７ｅ，７′ｅに挿入したボルト１９の
締付けにより両者が水密状態になるように接合し
てある。ボルト１９で接合した後は、接合部上面
溝２０にシリコンシーリング剤等からなるシーリ
ング剤２１を必要に応じて充填すると共に、前記
凹所７ｄ，７′ｄにレジン充填剤等からなる充填
剤２２を充填する。最後に、タイル欠如部へ図中
二点鎖線で示す如く、タイル１８，１８…を貼着
すると共に、目地づめして大面積の防水床が構成
される。

次に、本考案に係る防水床材の作用効果を説明
する。第１図に示す防水床材１の場合には、接合
手段３である鬼目ナツトへボルト２４を螺合させ
て防水床材１と別体に形成した所望の金具等２３
を締付け固定する。第２図に示す防水床材１′の
場合には、接合手段２′である鬼目ボルトヘナツ
ト２５を螺合させて所望の金具等２３を固定す
る。第３図及び第５図に示す防水床材７の場合に
は、接合手段９である所謂合成木材へ木ネジ２７
を捩込み、壁面構成用ユニツトパネル（図示省
略）固定用のランナー２６を固定する。また、他
の防水床材７′の場合には、接合手段１０である
埋め込みボルトへナツト２５を螺合して所望の金
具等２３を締付け固定する。凹所２，２′，８，
８′は、防水床材本体の不透水層と不透水状に連
なる不透水層から形成されているので、該凹所内
の接合手段３，５，９，１０に水が滲み込んでも
何ら防水床材１，１′，７，７′の裏面へ漏水する
ことはない。

以上詳述の如く、本考案に係る防水床材は、防
水床材と別体に形成した部材を防水床材に何ら漏
水現象を生じさせることなく強固且つ短時間に接
合できるので、防水床材施工を短期間に行ない得
る実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る防水床材の実施例を示す
縦断側面図、第２図は本考案に係る防水床材の別
態様の実施例を示す縦断側面図、第３図乃至第５
図は本考案に係る更に別態様の実施例の防水床材
を用いた防水床の実施例を示し、第３図は一部切
截平面図、第４図は中間省略拡大平面図、第５図
は同上のＶ−Ｖ線切断面図である。 １，１′，７，７′……防水床材、２，２′，８，
８′……凹所、２，２′，９，１０……接合手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 防水を必要とする部分が不透水層からなる防
   水床材において、前記防水床材の表面には、前
   記不透水層と不透水状に連なる隣接不透水層か
   ら形成された不透水性の凹所が凹設されている
   と共に、該凹所内には、前記防水床材と別体に
   形成した部材と前記防水床材とを接合する接合
   手段が挿入固定されていることを特徴とする防
   水床材。 ２ 前記接合手段は粉砕木材と硬化性合成樹脂と
   を混練硬化させて形成したものからなることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の防水床材。 ３ 前記接合手段はボルトからなることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の防水
   床材。 ４ 前記接合手段はナツトからなることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の防水
   床材。