JP2013104164A - トンネル等の内壁面への補修用コンクリートパネルの取付方法 - Google Patents

トンネル等の内壁面への補修用コンクリートパネルの取付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トンネルの流路面積を縮小させることなく、かつ、コンクリートパネルを既設覆工コンクリートに固定する際の高さ調整を低コストで容易に行うこと。
【解決手段】プレキャストコンクリートパネルを既設覆工コンクリートに対し、弾性材料からなる変形率が大きい球状の高さ調整部材及び樹脂等の板材からなるスペーサーを介在させて高さ調整を行い、所定の間隙を形成した状態で取付けるようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、既設の水路用トンネル等の内壁面への補修用のプレキャストコンクリートパネルの取付方法に関する。
近年、水路用トンネル等における内壁面の補修に際して、プレキャストコンクリートパネルを使用した工法が採用されることが多くなってきている。この種の工法として、例えば、特許文献1及び2が開示されている。特許文献1においては、トンネルの内面に、H鋼からなる固定鋼材をトンネル円周方向に沿って、かつ、トンネル軸方向へ所定間隔あけて複数固定し、隣り合う固定鋼材の互いに近接方向に延出する一対の板部に、支持部材を用いてプレキャスト製のトンネル補修板を支持するようにしている。
特許文献2においては、裏面に固定用の凸部が設けられたプレキャストコンクリート製のパネルを水路内壁面に添設して、パネルと水路内壁面との間に隙間を形成し、前記凸部に形成された穿孔口から水路内壁を穿孔してアンカー孔を形成し、アンカーとネジからなるねじ込み式アンカーを穿孔口から前記アンカー孔に打ち込み、アンカーに対してネジを締め込むことによりパネルを水路内壁面に固定している。また、凸部と水路内壁面との間にゴム板を配置し、アンカーのネジで圧縮してパネルの設置高さを調節するようにしている。
特開2002−188399号公報 特開2008−127853号公報
然るに、特許文献1においては、固定鋼材がトンネルの壁面から中心方向へ向かって出っ張るとともに、この固定鋼材にトンネル補修板が支持されるため、トンネルの流路面積が縮小されてしまうという問題があった。
また、特許文献2においては、ゴム板を圧縮することによりパネルの高さを調整しているが、ゴム板は面積の割に圧縮変形量が少ないのでコストが嵩むとともに、圧縮力を面で受けているため高さの微調整が難しいという問題があった。しかも、ゴム板はパネル裏面の凸部に取付けるようにしているので、前記ゴム板を任意の位置に取付けることができないとともに、パネル裏面の凸部の数だけゴム板が必要となるため、ゴム板の数量が嵩み、その上、狭い間隙をモルタル充填する際の弊害物になるという問題もあった。
本発明は前記の問題点に鑑み、トンネルの流路面積を縮小させることなく、かつ、コンクリートパネルを既設覆工コンクリートに固定する際の高さ調整を低コストで容易に行うことが可能なトンネル等の内壁面へのコンクリートパネルの取付方法を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明においては、トンネル等の内壁面たる既設覆工コンクリートへの補修用プレキャストコンクリートパネルの取付方法であって、プレキャストコンクリートパネルを既設覆工コンクリートに対し、弾性材料からなる変形率が大きい球状の高さ調整部材及び樹脂等の板材からなるスペーサーを介在させて高さ調整を行い、所定の間隙を形成した状態で取付けるようにした。
また、高さ調整部材及びスペーサーは、既設覆工コンクリート表面の凹凸の状況に応じて、使用する大きさ及び枚数の組合せを選定し、既設覆工コンクリートとプレキャストコンクリートパネルとの間に介在させるようにした。
更に、プレキャストコンクリートパネルは、その裏面側にあらかじめ高さ調整部材及びスペーサーを設置した状態で、既設覆工コンクリートに取付けるようにした。
また、スペーサーには所定の凹部を設け、当該凹部に球状の高さ調整部材を嵌合させ、かつ、必要に応じて接着・固定した状態で、既設覆工コンクリートとプレキャストとコンクリートパネルとの間に介在させるようにした。
更に、既設覆工コンクリートとプレキャストコンクリートパネルとの間に形成される所定の空隙に、微粒子グラウトを注入して固結させ、トンネル等の内壁面を補修するようにした。
本発明によれば、トンネル等の内壁面たる既設覆工コンクリートと、当該既設覆工コンクリートに固定される補修用のプレキャストコンクリートパネルとの間に、弾性材料からなる変形率が大きい球状の高さ調整部材及び樹脂等の板材からなるスペーサーを介在させ、これらを固定鋼材の代わりとすることで、既設覆工コンクリートとの間に所定の間隙を保持した状態でプレキャストコンクリートパネルを固定することが可能となる結果、固定鋼材を用いる場合のようにトンネル等の流路面積を大幅に縮小することなく、また、パネル背面の極小間隙断面を確実にモルタル充填して内壁面の補修を行うことができる。
しかも、高さ調整部材は球状の弾性材料からなるので、ゴム板を用いる場合に比べ形状が小さいため低コストで済むとともに、変形も容易であることから、プレキャストコンクリートパネルを既設覆工コンクリートに固定する際の高さ調整が簡易に行い得る。更に、プレキャストコンクリートパネルを既設覆工コンクリートにボルトを用いて固定する際、高さ調整部材の弾性力(反発力)を利用することにより、ボルトの締付トルクが確実に保持できるとともに、ボルトの締付過多によるプレキャストコンクリートパネルの破損を良好に防ぐことができる。
また、既設覆工コンクリート表面の凹凸の状況(凹凸の深さ等)に応じて、使用する高さ調整部材の大きさ及びスペーサーの枚数の組合せを適宜選定し、既設覆工コンクリートとプレキャストコンクリートパネルとの間に介在させるようにしたので、プレキャストコンクリートパネルを既設覆工コンクリートに固定する際の高さの微調整を容易に行うことができる。その上、使用する高さ調整部材及びスペーサーは、必要最低限の種類(例えば、高さ調整部材は大きさの異なる2種類、スペーサーは1種類)を用意することで、使用する部品種類の増加に伴う管理の煩雑さやコストの増大を極力抑えることが可能となり、大変利便である。
更に、プレキャストコンクリートパネルは、その裏面にあらかじめ高さ調整部材及びスペーサーを設置した状態で既設覆工コンクリートに取付けることにより、例えば、トンネルアーチ部及び側壁部の既設覆工コンクリートのように、高さ調整部材及びスペーサーの設置が難儀で落下する虞のあるような部位、即ち、高さ調整部材及びスペーサーを下向き、あるいは、垂直に近い状態で設置しなければならないような部位に対しても、プレキャストコンクリートパネルの取付作業を容易に行うことができる。
また、スペーサーには所定の凹部を設け、当該凹部に球状の高さ調整部材を嵌合させるようにしたので、球状の高さ調整部材はスペーサー上に、転動を防いだ状態で載置することができる。更に、高さ調整部材をスペーサーの凹部に嵌合した状態で、必要に応じて接着・固定すれば、高さ調整部材とスペーサーとを点ではなく面で強固に接着することが可能となるので、高さ調整部材及びスペーサーをプレキャストコンクリートパネルの裏面に設置する場合等において、高さ調整部材がスペーサーから落下するのを確実に防ぐことができる。
プレキャストコンクリートパネルを用いて内壁面を補修した水路用トンネルの一例を示す断面図である。 (a)はトンネルアーチ部に固定されるコンクリートパネルの側面図及び正面図、(b),(c)はトンネル側壁部に固定されるコンクリートパネルの側面図及び正面図、(d)はトンネル底盤部に固定されるコンクリートパネルの側面図及び正面図である。 (a)は図1におけるA部の拡大図、(b)は図1におけるB部の拡大図である。 (a)はスペーサーの一例を示す斜視図、(b)は球状の高さ調整部材をスペーサー上に載置した状態の一例を示す斜視図、(c)は同じく断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図1ないし図4を参照しながら説明する。図1は、プレキャストコンクリートパネルを用いて内壁面を補修した水路用トンネルの一例を示す断面図、図2は水路用トンネルの内壁面に固定されるプレキャストコンクリートパネルの側面図及び正面図である。図1において、1は水路用トンネル、1aはトンネルアーチ部の既設覆工コンクリート、1bはトンネル側壁部の既設覆工コンクリート、1cはトンネル底盤部の既設覆工コンクリートである。
2aはトンネルアーチ部の既設覆工コンクリート1aにアンカー3及びボルト4を用いて固定されたプレキャストコンクリートパネル、2b,2cはトンネル側壁部の既設覆工コンクリート1bにアンカー3及びボルト4を用いて固定されたプレキャストコンクリートパネル、2dはトンネル底盤部の既設覆工コンクリート1cにアンカー3及びボルト4を用いて固定されたプレキャストコンクリートパネルである。プレキャストコンクリートパネル2a〜2dとしては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に珪砂、炭酸カルシウムなどの細骨材やガラス繊維などを混合し、加熱しながらプレス成形した樹脂コンクリートパネルを用いることが好ましい。これは、樹脂コンクリートパネルが、粗度係数が低く、加工が容易で、強度的にも優れている等、水路用トンネル1の内壁面を補修するに際し、多くの利点を有しているためである。
プレキャストコンクリートパネル(以下、単にコンクリートパネルと称する)2a〜2dは、図2で示すように、所定の幅寸法、長さ寸法及び厚さ寸法を備え、正面から見た形状(矢視C,D,E,Fの形状)が矩形状をしており、かつ、固定される水路用トンネル1の内壁面の曲率に合わせてそれぞれ成形・加工されている。また、コンクリートパネル2a〜2dには、アンカー3及びボルト4を挿通可能な大きさで複数の挿通孔5が、幅方向及び長手方向に所定間隔で穿孔されている(本発明においては6ヶ所)とともに、挿通孔5は、コンクリートパネル2a〜2dの表面(水路用トンネル1の中心に向く面)側に位置する部分が、ボルト4の皿状の頭部4aを嵌合できるよう皿状に加工されている(図3参照)。
次に、図3(a)は図1におけるA部の拡大図、同図(b)は図1におけるB部の拡大図である。図3において、10は所定硬度の弾性材料(ゴム等)からなる変形率が大きい球状の高さ調整部材、11は所定厚さ寸法の樹脂等の板材からなるスペーサーであり、これら高さ調整部材10とスペーサー11とを組み合わせた状態で、水路用トンネル1の内壁面たる既設覆工コンクリート1a〜1cとコンクリートパネル2a〜2dとの間に介在させることにより、微粒子グラウト(モルタル等)6を注入するための所定の間隙を形成する。なお、高さ調整部材10は異なる大きさのものを複数種類用意する。また、スペーサー11も厚さ寸法の異なるものを複数種類用意するようにしてもよいが、使用する高さ調整部材10及びスペーサー11の種類が増えると管理が煩雑となるため、例えば、高さ調整部材10は異なる大きさのものを2種類、スペーサー11は所定厚さ寸法のものを1種類用意し、既設覆工コンクリート1a〜1c表面の凹凸の状況(深さ等)に合わせて、使用する高さ調整部材10の大きさ及びスペーサー11の使用枚数を選定するとよい。
つづいて、図4(a)はスペーサー11の一例を示す斜視図、同図(b)はスペーサー11上に高さ調整部材10を載置した状態の一例を示す斜視図、同図(c)は同じく断面図である。図4(a)で示すように、スペーサー11には、例えば、六角形状の凹部11aが所定深さ寸法で複数凹設されている。なお、凹部11aの形状は、六角形以外の多角形状や、円形状であってもよい。また、本発明においては、図4(b)で示すように、高さ調整部材10をスペーサー11上に1個だけ載置する関係上、凹部11aはスペーサー11の中央部1ヶ所に設けるようにしてもよい。そして、図4(b),(c)で示すように、スペーサー11上に載置した高さ調整部材10は、その下端部が凹部11aに嵌合した状態となるので、スペーサー11上を転動することがない。また、高さ調整部材10はスペーサー11に対して接着剤等を用いて固定するとよい。
次に、本発明における水路用トンネル1の内壁面へのコンクリートパネル2a〜2dの取付方法について、図面を参照しながら説明する。水路用トンネル1においては、長年にわたる使用によって既設覆工コンクリート1a〜1cの表面が摩耗・劣化し(凹凸が形成され)、水の流通に悪影響を及ぼすようになる。本発明においては、摩耗・劣化した水路用トンネル1の既設覆工コンクリート1a〜1cを、コンクリートパネル2a〜2dを用いて補修するものである。なお、本発明において、コンクリートパネル2a〜2dは、トンネルアーチ部(コンクリートパネル2a)→トンネル側壁部(コンクリートパネル2b,2c)→トンネル底盤部(コンクリートパネル2d)の順に取付けるものとする。また、コンクリートパネル2a〜2dの既設覆工コンクリート1a〜1cへの取付工程は、高さ調整部材10及びスペーサー11をコンクリートパネル2a〜2c側に設置するか(トンネルアーチ部及び側壁部)、既設覆工コンクリート1c側に設置するか(トンネル底盤部)が相違するだけで、基本的には同じである。
はじめに、トンネルアーチ部の既設覆工コンクリート1aへコンクリートパネル2aを取付ける場合について説明する。コンクリートパネル2aは、あらかじめトンネルアーチ部の曲率と同じ曲率に成形・加工されている。また、コンクリートパネル2aの裏面(既設覆工コンクリート1aと対向する面)には、図3(a)で示すように、所定の大きさの高さ調整部材10及びスペーサー11が、コンクリートパネル2aに穿孔した挿通孔5と同数(本発明においては6ヶ所に)、接着等の手段により設置される。なお、高さ調整部材10及びスペーサー11の設置数は、既設覆工コンクリート1aの状態に応じて増加させてもよい。また、コンクリートパネル2aを既設覆工コンクリート1aに取付けるに際し、あらかじめ既設覆工コンクリート1a表面の劣化状況(凹凸の深さ等)を測定しておき、それに対応して使用する高さ調整部材10の大きさや、スペーサー11の使用枚数を選定し、コンクリートパネル2a裏面に設置する。コンクリートパネル2a裏面への設置に際しては、所定の大きさの高さ調整部材10をスペーサー11に、図4(c)で示す如く下端部を凹部11aに嵌合させた状態で載置し、かつ、接着剤等を用いて固定するとともに、高さ調整部材10を固定したスペーサー11をコンクリートパネル2a裏面の所定位置に接着剤等を用いて設置する。
そして、前記の如くコンクリートパネル2aの裏面に所定数の高さ調整部材10及びスペーサー11を設置したら、つづいて、コンクリートパネル2aを前記高さ調整部材10及びスペーサー11を介して既設覆工コンクリート1aに当接させる。この状態で、コンクリートパネル2aの挿通孔5からドリル等を挿通して、既設覆工コンクリート1aにアンカー孔7を穿孔するとともに、当該アンカー孔7から穿孔時に生じたコンクリート粉等を除去する。この後、アンカー3をコンクリートパネル2aの挿通孔5から既設覆工コンクリート1aのアンカー孔7に挿通し、かつ、打込み治具及びハンマーを用いて打ち込むと、図3(a)で示すように、アンカー3の先端部がハの字状に拡開し、既設覆工コンクリート1aに対し抜脱不能に固定される。つづいて、コンクリートパネル2aの挿通孔5にパッキン8を嵌合するとともに、当該パッキン8にボルト4を挿通し、アンカー3にねじ込むことにより、コンクリートパネル2aを既設覆工コンクリート1aに固定する。
この際、コンクリートパネル2aと既設覆工コンクリート1aとの間には、高さ調整部材10及びスペーサー11が介在されているので、当該高さ調整部材10の弾性力(反発力)によりボルト4の締付トルクが確実に保持されるとともに、ボルト4の締付過多によるコンクリートパネル2aの破損を良好に防ぐことができる。また、高さ調整部材10は変形率が大きい球状の弾性部材からなるので、その弾性力を利用して高さの微調整を良好、かつ、容易に行い得、既設覆工コンクリート1aとの間に所定の間隙を保った状態でコンクリートパネル2aを固定することができる。更に、コンクリートパネル2aからボルト4の頭部4aが突出することがないので、水の流通に悪影響を及ぼすこともない。
以降、コンクリートパネル2b,2cについては、コンクリートパネル2aと同様にしてトンネル側壁部の既設覆工コンクリート1bに取付ける。なお、コンクリートパネル2a〜2cをトンネルアーチ部及び側壁部の既設覆工コンクリート1a,1bに取付ける作業は、コンクリートパネル2a〜2cを支えながら、既設覆工コンクリート1a,1bにアンカー孔7を穿孔してアンカー3を打ち込み、ボルト4を締め込んでコンクリートパネル2a〜2cを固定するという作業になるが、コンクリートパネル2a〜2c自体は厚さが10mm程度と薄く、しかも、持ち運びが可能な大きさとなっているので、取付作業を良好に行うことができる。また、コンクリートパネル2a〜2cの裏面には、あらかじめ所定数の高さ調整部材10及びスペーサー11が設置(接着)されているため、トンネルアーチ部やトンネル側壁部の既設覆工コンクリート1a,1bのように、高さ調整部材10及びスペーサー11の設置が難儀で落下する虞のある部位、即ち、高さ調整部材10及びスペーサー11を下向き、あるいは、垂直に近い状態で設置しなければならないような部位に対しても、コンクリートパネル2a〜2cの取付作業を容易に行うことができる。
次に、トンネル底盤部の既設覆工コンクリート1cにコンクリートパネル2dを取付ける場合について説明する。なお、コンクリートパネル2dは、あらかじめトンネル底盤部の曲率と同じ曲率に成形・加工されている。また、コンクリートパネル2dが取付けられる既設覆工コンクリート1cの所定位置には、図3(b)で示すように、所定の大きさの高さ調整部材10及びスペーサー11が、コンクリートパネル2dに穿孔した挿通孔5と同数設置される(本発明においては6ヶ所)。なお、高さ調整部材10及びスペーサー11の設置数は、既設覆工コンクリート1cの状態に応じて増加させてもよい。また、コンクリートパネル2dを取付けるに際し、あらかじめ既設覆工コンクリート1c表面の劣化状況(凹凸の深さ等)を測定しておき、それに対応して使用する高さ調整部材10の大きさや、スペーサー11の使用枚数を選定し、既設覆工コンクリート1cに設置する。既設覆工コンクリート1cへの設置に際しては、例えば、所定の大きさの高さ調整部材10をスペーサー11に、図4(c)で示す如く下端部を凹部11aに嵌合させた状態で載置し、かつ、接着剤等を用いて固定するとともに、高さ調整部材10を固定したスペーサー11を既設覆工コンクリート1cの所定位置に接着剤等を用いて設置する。
そして、前記の如く既設覆工コンクリート1cに所定数の高さ調整部材10及びスペーサー11を設置したら、つづいて、コンクリートパネル2dを前記高さ調整部材10及びスペーサー11を介して既設覆工コンクリート1c上に仮配置する。この状態で、コンクリートパネル2dの挿通孔5からドリル等を挿通して、既設覆工コンクリート1cにアンカー孔7を穿孔するとともに、当該アンカー孔7から穿孔時に生じたコンクリート粉等を除去する。この後、アンカー3をコンクリートパネル2dの挿通孔5から既設覆工コンクリート1cのアンカー孔7に挿通し、かつ、打込み治具及びハンマーを用いて打ち込むと、図3(b)で示すように、アンカー3の先端部がハの字状に拡開し、既設覆工コンクリート1cに対し抜脱不能に固定される。つづいて、コンクリートパネル2dの挿通孔5にパッキン8を嵌合するとともに、当該パッキン8にボルト4を挿通し、アンカー3にねじ込むことにより、コンクリートパネル2dを既設覆工コンクリート1cに固定する。
この際、コンクリートパネル2dと既設覆工コンクリート1cとの間には、高さ調整部材10及びスペーサー11が介在されているので、当該高さ調整部材10の弾性力(反発力)によりボルト4の締付トルクが確実に保持されるとともに、ボルト4の締付過多によるコンクリートパネル2dの破損を良好に防ぐことができる。また、高さ調整部材10は変形率が大きい球状の弾性部材からなるので、その弾性力を利用して高さの微調整を良好、かつ、容易に行い得、既設覆工コンクリート1cとの間に所定の間隙を保った状態でコンクリートパネル2dを固定することができる。更に、コンクリートパネル2dからボルト4の頭部4aが突出することがないので、水の流通に悪影響を及ぼすこともない。なお、コンクリートパネル2dを既設覆工コンクリート1cに取付ける場合においても、コンクリートパネル2dの裏面に高さ調整部材10及びスペーサー11をあらかじめ設置しておくようにしてもよい。
前記のように、コンクリートパネル2a〜2dを既設覆工コンクリート1a〜1cに取付けたら、同様にして、水路用トンネル1の長手方向に沿って順次コンクリートパネル2a〜2dを既設覆工コンクリート1a〜1cに取付ける。そして、所定の距離だけコンクリートパネル2a〜2dを取付けたら、図3で示すように、コンクリートパネル2a〜2dと既設覆工コンクリート1a〜1cとの間に形成された狭隘な間隙に微粒子グラウト(モルタル等)6を注入する。なお、微粒子グラウト6の注入は、コンクリートパネルに設けた図示しない注入口から行う。微粒子グラウト6の注入が終了したら、各コンクリートパネル2a〜2d間に設置されている注入材充填確認用コーキング未施工部分をコーキング材によりコーキングし、図1で示すように、コンクリートパネル2a〜2dによる水路用トンネル1内壁面の補修を完了する。
以上説明したように、本発明においては、水路用トンネル1の既設覆工コンクリート1a〜1cと、当該既設覆工コンクリート1a〜1cにアンカー3及びボルト4を用いて固定されるコンクリートパネル2a〜2dとの間に、変形率が大きい球状の高さ調整部材10及び板状のスペーサー11を介在させるようにしたので、これら高さ調整部材10及びスペーサー11を固定鋼材の代わりとしてコンクリートパネル2a〜2dを既設覆工コンクリート1a〜1cに固定することが可能となる結果、固定鋼材を用いる場合のように水路用トンネル1の流路面積を縮小することなく、また、コンクリートパネル2a〜2d背面の極小間隙断面を確実にモルタル充填して内壁面の補修を行うことができる。
また、高さ調整部材10は球状の弾性部材からなるので、ゴム板を用いる場合に比べ形状が小さいため低コストであり、かつ、変形も容易であるから、コンクリートパネル2a〜2dを既設覆工コンクリート1a〜1cに固定する際の高さ調整が簡易に行える。しかも、コンクリートパネル2a〜2dを既設覆工コンクリート1a〜1cにボルト4を用いて固定する際に、高さ調整部材10の弾性力(反発力)を使用することにより、ボルト4の締付トルクが確実に保持できるとともに、ボルト4の締め付け過多によるコンクリートパネル2a〜2dの破損を防ぐことができる。
更に、高さ調整部材10やスペーサー11は、既設覆工コンクリート1a〜1cの表面の劣化状況(凹凸の深さ等)に応じて、使用する大きさや枚数の組合せを適宜選定し、既設覆工コンクリート1a〜1cとコンクリートパネル2a〜2dとの間に介在させるようにしたので、コンクリートパネル2a〜2dを既設覆工コンクリート1a〜1cに固定する際の高さの微調整を容易に行うことができる。その上、使用する高さ調整部材10及びスペーサー11を必要最低限の種類(例えば、高さ調整部材10は大きさの異なる2種類、スペーサー11は1種類)とすることで、使用する部品種類の増加に伴う管理の煩雑さやコストの増大を極力抑えることが可能となり、大変利便である。
また、トンネルアーチ部及び側壁部の既設覆工コンクリート1a,1bに取付けられるコンクリートパネル2a〜2cの裏面に、あらかじめ所定数の高さ調整部材10及びスペーサー11を設置するようにしたので、トンネルアーチ部及び側壁部のように、高さ調整部材10及びスペーサー11の設置が難儀で落下の虞がある部位(高さ調整部材10及びスペーサー11を下向き、あるいは、垂直に近い状態で設置しなければならない部位)に対しても、コンクリートパネル2a〜2cの取付作業を容易に行うことができる。
更に、スペーサー11には所定の凹部11aを設け、当該凹部11aに球状の高さ調整部材10を嵌合させるようにしたので、球状の高さ調整部材10はスペーサー11上に、転動を防いだ状態で載置することができる。しかも、高さ調整部材10をスペーサー11の凹部11aに嵌合した状態で、必要に応じて接着・固定すれば、高さ調整部材10とスペーサー11とを点ではなく面で強固に接着することが可能となるので、高さ調整部材10及びスペーサー11をコンクリートパネル2a〜2dの裏面に設置する場合等において、高さ調整部材10がスペーサー11から落下するのを確実に防ぐことができる。
本発明におけるコンクリートパネルの取付方法は、水路用トンネル内壁面の補修時のみならず、開水路内壁面の補修時にも適用することができる。
1 水路用トンネル
1a〜1c 既設覆工コンクリート
2a〜2d プレキャストコンクリートパネル
3 アンカー
4 ボルト
6 微粒子グラウト
10 高さ調整部材
11 スペーサー
11a 凹部

Claims (5)

  1. トンネル等の内壁面たる既設覆工コンクリートへの補修用プレキャストコンクリートパネルの取付方法であって、プレキャストコンクリートパネルを既設覆工コンクリートに対し、弾性材料からなる変形率が大きい球状の高さ調整部材及び樹脂等の板材からなるスペーサーを介在させて高さ調整を行い、所定の間隙を形成した状態で取付けるようにしたことを特徴とするトンネル等の内壁面への補修用プレキャストコンクリートパネルの取付方法。
  2. 高さ調整部材及びスペーサーは、既設覆工コンクリート表面の凹凸の状況に応じて、使用する大きさ及び枚数の組合せを選定し、既設覆工コンクリートとプレキャストコンクリートパネルとの間に介在させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のトンネル等の内壁面への補修用プレキャストコンクリートパネルの取付方法。
  3. プレキャストコンクリートパネルは、その裏面側にあらかじめ高さ調整部材及びスペーサーを設置した状態で、既設覆工コンクリートに取付けるようにしたことを特徴とする請求項1及び2に記載のトンネル等の内壁面への補修用プレキャストコンクリートパネルの取付方法。
  4. スペーサーには所定の凹部を設け、当該凹部に球状の高さ調整部材を嵌合させ、かつ、必要に応じて接着・固定した状態で、既設覆工コンクリートとプレキャストとコンクリートパネルとの間に介在させるようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のトンネル等の内壁面への補修用プレキャストコンクリートパネルの取付方法。
  5. 請求項1ないし4に記載の取付方法により、既設覆工コンクリートにプレキャストコンクリートパネルを取付けるとともに、当該既設覆工コンクリートとプレキャストコンクリートパネルとの間に形成される所定の空隙に、微粒子グラウトを注入して固結させるようにしたことを特徴とするトンネル等の内壁面の補修方法。
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