JP3744311B2 - 後処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置から送られる用紙の少なくとも綴じ処理を行う後処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の後処理装置は、一般にプリンタ等の画像形成装置と組み合わせて使用することにより、その画像形成装置で画像が形成された後の用紙を複数枚積み重ねてから綴じる綴じ処理(ステープル処理)を行い、そのステープル処理した後の用紙束を最終的に昇降移動可能な排紙トレイに積載した状態で収容するようになっている。
【0003】
図17は、かかる後処理装置の一例(その要部のみ)を示すものである。すなわち、この図示の後処理装置は、その本体ハウジング100に開設された用紙排出口110の付近に、画像形成後の用紙Pを搬送する用紙搬送路の一部を構成する用紙搬送ロール対120と、その用紙Pを最終的に積載収容する排紙トレイ130と、用紙搬送ロール対120により排出される用紙Pを複数枚積み重ねてから綴じ処理するステープル処理ユニット140とをそれぞれ配設した構成になっている。また、上記排紙トレイ130については、その収容面130aが積載収容する用紙Pの量に適した位置にあるように、そのトレイ全体が本体ハウジング110の側面に沿って上下方向(両方向矢印)に昇降移動するように取り付けられており、所定の位置検知センサ131にて得られる位置情報に基づいて図示しない昇降機構により昇降移動させられるようになっている。さらに、ステープル処理ユニット140は、複数枚の用紙Pが積み重ねられた用紙束に綴じ針(ステープル針)を打ち込んで綴じる綴じ機器(ステープラ)141と、このステープラ141の綴じ位置に対して複数枚の用紙Pを積み重ねた状態で整然と収容する傾斜した集積トレイ142と、用紙Pを集積トレイ142側に送り込むような方向に回転するとともに綴じ処理後の用紙束Pを排紙トレイ130側に送り出すような方向に回転する用紙送りロール143とで構成されている。
【0004】
そして、この後処理装置では、以下のようにして画像形成後の用紙Pに対するステープル処理等の後処理がなされるようになっている。まず、画像形成後の用紙Pを用紙搬送ロール対120により本体ハウジング100から用紙排出口110を通して一旦排出させることにより、その用紙Pの排出方向(矢付一点鎖線)先端側が排紙トレイ130に収容されるような状態で排出される一方で、その用紙Pの後端側が用紙搬送ロール対120から抜け出た時点で用紙送りロール143上に自然落下するように排出され、その後、用紙P全体が用紙送りロール143の搬送力等により集積トレイ142側に送りこまれる。このような動作を綴じる枚数分だけ繰り返すことにより複数枚の用紙Pが集積トレイ142上に積み重ねられる。次いで、この集積トレイ142上に収容された用紙束Pの所定の端部にステープラ141によってステープル針145(図18)を打ち込むことによりステープル処理をする。そして、このステープル処理された用紙束Pは、用紙送りロール143の逆回転による搬送力等により排紙トレイ130にむけて送り出され、最終的に排紙トレイ130上に対してその綴じ部分が排出方向後端部側となる状態で積載収容される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したようなステープル処理後の用紙束を昇降移動可能な排紙トレイに積載収容する後処理装置にあっては、次のような問題がある。
【0006】
すなわち、図18に例示するように、ステープル処理後の用紙束Pが昇降移動可能な排紙トレイ130に積載収容されるに従い、その用紙束Pのうちステープル処理された綴じ部分が、互いに重なり合ううえに、ステープル針145(厳密には用紙束の表面及び裏面から飛び出した針部分)の存在により次第に嵩んだ状態になり、この結果、その綴じ部分以外の用紙部分に比べて盛り上がった状態となる。同図b中のΔhは、この盛り上がり現象により用紙Pの綴じ部分とそれ以外の部分との間で発生する落差を示す。そして、このような綴じ部分の盛り上がり現象により、以下の不具合が発生することがある。
【0007】
例えば、排紙トレイ130の昇降移動時における停止位置の制御について、そのトレイ130上に積載収容される用紙束の綴じ部分による盛り上がり現象の発生箇所を避けた位置となる用紙の最上面部分の高さ(位置)を検知し、その検知結果に基づいて行うように構成した後処理装置にあっては、図19aに例示するように、排紙トレイ130そのものは上記検知結果に基づく正常な制御がなされているにもかかわらず、そのトレイ130上に積載収容されている用紙束Pの排出方向後端部側における綴じ部分が、その盛り上がり現象により用紙搬送ロール対120から送り出される用紙Pの排出進路を次第に塞ぐ状態となることがあるため、その送り出される次の用紙がトレイ上の用紙における盛り上がった綴じ部分に引っかかり、紙詰まりが発生してしまう。また、排出トレイ130をそのトレイ上に収容される用紙束Pの最上面の位置を検知した結果に基づいて昇降移動時の停止位置を制御する後処理装置にあっては、上記したような紙詰まりの不具合が発生しないものの、図19bに例示するように、用紙Pの綴じ部分の盛り上がりにより積載された最上の用紙束の表面が凹状に窪んだ形態となるため、次に積載される用紙束Pnの排出方向後端側が排紙トレイ130の傾斜によりすべり落ちることなく上記窪んだ部分で止まった状態で積載収容されることとなり、次第に用紙束Pが排紙トレイ130上に整然と積載収容されなくなる。つまり、収容不良が発生してしまう。
【0008】
ちなみに、このような排紙トレイ上に積載収容される用紙の綴じ部分による盛り上がり現象に対する対策方法として、排紙トレイのうち積載収容される用紙束の綴じ部分が位置するような部分を切り欠く手段がある(例えば特開平6−100229号公報)。しかし、この手段では、その積載収容される用紙束の部数が多くなるとその切り欠きだけでは綴じ部分の盛り上がりを十分に押さえることが困難であり、また、後処理装置がいろいろなサイズの用紙を収容することができ、又は用紙束の綴じ部分をいろいろ変更できるタイプのものである場合、それらの各綴じ部分にすべて対応可能な切り欠きを排紙トレイに形成することが不可能であり、十分な解決手段になりえなかった。また、その他の対策方法として、排紙トレイ上に積載収容される用紙束の部数をカウントして所定部数以上になった時点で積載収容を制限(例えば停止)する制御を行う手段もあるが、この手段では、その積載途中でいくつかの部数の用紙束を排紙トレイから取り除かれた場合、その積載部数をカウントしている値と排紙トレイ上に実際に積載されている用紙束の部数とが食い違ってしまい、このため、排紙トレイ上に綴じ部分による盛り上がりが発生しているほどの用紙束が収容されていないにもかかわらず、排紙トレイへの積載収容が制御されてしまうというような不具合が発生する。
【0009】
また、このような綴じ部分の盛り上がり現象の有無にかかわらず、排紙トレイに対して前に積載収容された用紙の用紙サイズ(排出方向におけるサイズ)よりも大きなサイズの用紙がその前に積載収容された用紙の上に積載収容される場合、図20に例示するように、その大きさサイズの用紙(束)Pmの排出方向先端側がその支えとなるものがなく垂れ下がった状態になるため、次に用紙搬送ロール対120から送り出される用紙Pがステープル処理ユニット140側に送り込まれなくなってステープル処理されない用紙が発生したり、あるいは次に積載収容される大きいサイズの用紙が良好に揃えられた状態で収容されなくなる。
【0010】
ちなみに、このようなサイズ関係にある用紙どうしの積載収容時の不具合を解消する対策として、排紙トレイに先に積載収容される用紙よりも大きなサイズの用紙を積載収容しようとする指示があった場合には、そのような排出動作が行われることを画像形成装置本体側でソフト的に禁止する制御を行う方法がある。しかし、この手段では、大きいサイズの用紙(束)の積載収容を行いたい場合には排紙トレイに先に収容されている小サイズの用紙(束)を取り除いた後でないと実行できないという難点がある。特に、そのような用紙の画像形成及び後処理排紙を指示するオペレータと後処理装置が付設されたプリンタとが離れた場所にある環境では、その先に収容されている小サイズの用紙を取り除くために後処理装置(プリンタ)の設置場所までいく必要があり、不便である。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、排紙トレイ上に積載収容される用紙の綴じ部分が盛り上がることにより発生するおそれのある前述の不具合(紙詰まり、収容不良など)を適切かつ的確に防止することができる後処理装置を提供することにある。また、その他の目的とするところは、排紙トレイ上に先に積載収容された用紙よりも大サイズの用紙が積載収容される場合に発生するおそれのある前述の不具合(綴じ処理欠落、不揃い収容など)についても適切かつ的確に防止することができる後処理装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の後処理装置は、画像形成装置から送られる用紙を複数枚積み重ねた状態でその用紙束の所定端部に綴じ具を付して綴じる綴じ処理手段と、この綴じ処理手段により綴じた後に排出される用紙束をその綴じ部分が排出方向後端部側となる状態で積載収容する昇降移動可能な排紙トレイと、この排紙トレイに積載収容された用紙束の排出方向後端部側における最上面の位置を検知する第1の紙面検知手段と、この第1の紙面検知手段により検知される前記用紙束の当該紙面検知手段よりも排出方向先端部側における最上面が当該紙面検知手段の検知点を通る前記排紙トレイの収容面と平行な収容面よりも所定量以上低い位置にあることを検知する第2の紙面検知手段と、この第2の紙面検知手段による検知情報が得られたときに前記排紙トレイへのこれ以上の積載収容を禁止するか或いはこれ以上の積載収容が不可能であることを警告する監視手段とを有することを特徴とするものである。
【0013】
ここで、上記用紙は、画像形成装置側での画像形成が可能なものであればよく、具体的には一般の記録用紙のほか、OHPシート、厚紙などである。上記綴じ処理手段は、画像形成装置から送られる用紙(通常は画像形成後のものであるが、画像形成していないものであっても構わない)を複数枚積み重ねた状態でその用紙束の所定端部に綴じ具を付して綴じることができるものであれば如何なる構成のものであってもよい。この場合、綴じ具は、通常凹状に折り曲げられた形状であって用紙束に打ち込んで綴じるタイプの綴じ(ステープル)針が使用されるが、用紙束を綴じることができるものであればこれ以外の形状及び綴じ方(例えば、用紙束端部を挟みこんで綴じる方式のもの)からなる綴じ部材でももちろん適用可能である。また、必要により、この綴じ処理手段による綴じ処理をせずに、用紙を排紙トレイに積載収容するようにしてもよい。ちなみに、この発明では、必要に応じて綴じ処理手段以外の後処理手段、例えば穿孔処理手段、仕分け処理手段などを併せて配置することが可能である。
【0014】
また、上記排紙トレイは、積載収容する用紙の量(部数)に応じて上下方向に昇降移動することにより位置(高さ)を調整できるものであればよい。この場合、排紙トレイを昇降移動させる手段(機構など)は特に限定されない。また、排紙トレイの昇降移動時の制御は、その排紙トレイの位置を検知した情報に基づいて制御する方式を採用しても、あるいは、その排紙トレイに積載収容する用紙の最上面の位置を検知した情報に基づいて制御する方式を採用してもよい。後者の制御方式の場合、その用紙最上面の位置を検知する手段は、専用の検知手段を使用してもよいが、好ましくは上記第1の紙面検知手段を併用するとよい。上記第1の紙面検知手段束は、排紙トレイに積載収容された用紙束の排出方向後端部(特に綴じ部分に相当する部位)側における最上面の位置を検知することできるものであれば、その検知方式等については特に制約されない。また、この第1の紙面検知手段による検知は、少なくとも排紙トレイの昇降移動時に行うようにすればよい。また、この第1紙面検知手段は通常1つ設ければよいが、必要により複数個併設しても構わない。
【0015】
さらに、上記第2の紙面検知手段は、第1の紙面検知手段により検知される用紙束の当該紙面検知手段よりも排出方向先端部側における最上面の位置状態を検知するためのものであって、かかる最上面の位置が第1の紙面検知手段の検知点(検知される用紙の最上面位置にほぼ相当する地点)を通る排紙トレイの収容面と平行な平面よりも所定量以上低い位置にあることを検知することができるものであれば、特に制約されるものではない。この場合、所定量以上低い位置とは検知目的に応じて適宜設定されるものであるが、その1例としては、用紙の綴じ部分の盛り上がり現象により発生するその綴じ部分とそれ以外の部分との間での段差のうち特に前述したような段差による不具合を発生するおそれがレベルの段差を検知できるように設定される(当該綴じ部分以外の用紙部分に対する)検知対象位置である。また、その他例としては、排紙トレイに先に収容された用紙よりも大きいサイズ(排出方向のサイズ)の用紙が後から積載収容される場合においては、その大きいサイズの用紙の排出方向先端部において発生する垂れ下がり現象のうち特に前述したような不具合を発生するおそれがあるレベルの垂れ下がり具合を検知できるように設定される(垂れ下がり部分に対する)検知対象位置とすることも可能である。この第2の紙面検知手段による検知は、第1の紙面検知手段による検知と併せて行われる。上記監視手段は、第2の紙面検知手段による検知情報(所定量以上低くなって段差が発生したことを認識できる情報)が得られたときに、排紙トレイへのこれ以上の積載収容を禁止するような制御を行うか、又は、その排紙トレイへのこれ以上の積載収容が不可能(換言すれば危険)であることを所定の表示部に警告(表示)するような制御を行うことが可能なものであればよい。
【0016】
このような本発明の後処理装置においては、通常、画像形成装置から送られる用紙は複数枚積み重ねられた用紙束の状態で綴じ処理された後に、昇降移動可能な排紙トレイに積載収容される。また、排紙トレイは、その積載収容する用紙の量(部数)に応じて昇降移動し、その収容面が適切な位置にあるように調整される。そして、このようにして排紙トレイ上に積載収容される用紙(束)は、少なくとも排紙トレイの昇降移動時において、その排出方向後端側の最上面の位置が第1の紙面検知手段によって検知される一方で、その第1の紙面検知手段よりも排出方向先端側における最上面の位置が第2の紙面検知手段によって検知される。この際、第2の紙面検知手段により検知される用紙部位の最上面の位置が所定量以上低い位置であると判断された情報が得られると、監視手段により排紙トレイへのこれ以上の積載収容を禁止するか或いはこれ以上の積載収容が危険であることを警告する処理がなされる。したがって、この後処理装置によれば、排紙トレイに積載収容される用紙の綴じ部分とそれ以外の部分との間の積載状態(段差状態など)が検知されて監視されており、その積載状態が前述したような不具合の発生するおそれのあるレベルになったことが検知されると、その段階ではじめて、それ以後の積載収容が禁止されるかそれ以後の積載収容の不可が警告されるようになる。
【0017】
また、上記発明の後処理装置においては、前記排紙トレイに排出方向のサイズが小さい小サイズの用紙が積載収容された後にその用紙よりも大サイズの用紙がさらに積載収容される場合、前記第2の紙面検知手段により検知される大サイズの用紙の当該紙面検知手段よりも排出方向先端部側における最上面が前記第1の紙面検知手段の検知点を通る前記排紙トレイの収容面と平行な平面よりも所定量以上低い位置にあることを検知する第3の紙面検知手段を設けるように構成するとよい。
【0018】
この場合、第3の紙面検知手段は、第2の紙面検知手段により検知される大サイズの用紙の当該紙面検知手段よりも排出方向先端部側における最上面の位置を検知するものであって、かかる最上面の位置が第1の紙面検知手段の検知点(検知される用紙の最上面位置にほぼ相当する地点)を通る排紙トレイの収容面と平行な平面よりも所定量以上低い位置にあることを検知することができるものであれば、特に制約されるものではない。また、上記所定量低い位置とは、適宜設定されるものであるが、具体的には、その大きいサイズの用紙の排出方向先端部において発生する垂れ下がり現象のうち特に前述したような不具合を発生するおそれがあるレベルの垂れ下がりの状態を検知できるように設定される(垂れ下がり部分に対する)検知対象位置である。
【0019】
このように構成した場合には、昇降移動可能な排紙トレイ上に小サイズの用紙(束)が積載収容されている上に大サイズの用紙(束)がさらに積載収容される際に、その大サイズの用紙の排出方向先端部側における最上面の位置が第3の紙面検知手段によって検知される。この際、第3の紙面検知手段により検知される用紙部位の最上面の位置が所定量以上低い位置であると判断された情報が得られると、前記監視手段により排紙トレイへのこれ以上の積載収容を禁止するか或いはこれ以上の積載収容が不可能であることを警告する処理がなされる。したがって、この後処理装置によれば、排紙トレイに最サイズの用紙収容のあとで積載収容される大サイズの用紙先端部側の積載状態(垂れ下がり状態)が検知されて監視されており、その積載状態が前述したような不具合の発生するおそれのあるレベルになったことが検知されると、その段階ではじめて、それ以後の積載収容が禁止されるかそれ以後の積載収容の不可が警告されるようになる。
【0020】
以上のような本発明の後処理装置は、通常、画像形成装置と切離し可能に接続(連結)して使用する画像形成装置とは別体の装置として構成されるが、画像形成装置の一部として組み込まれて一体化された状態で使用する装置として構成されるものであっても構わない。
【0021】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、本発明の一実施形態に係る後処理装置の主な構成を示すものである。この実施形態に係る後処理装置1は、後処理として綴じ処理を行うことが可能なものであり、電子写真方式を利用した複写機やプリンタ等の画像形成装置2に接続して使用される。
【0022】
この図1中において、符号10は後処理装置1の本体ハウジングであり、画像形成装置2から排出される画像形成(コピー又はプリント)後の記録紙Pを本体10内に導き入れる受入口11や、その記録紙P等が本体10内から排出される排出口12などが開設されているとともに、その排出口12付近に記録紙P等が最終的に排出収容される排紙トレイ13などが設けられている。また、この本体ハウジング10は、キャスター14が付設された支持フレーム15に取り付けられている。上記排紙トレイ13は、本体ハウジング10から斜め上方にむけて突出した状態で取り付けられたものであり、しかも図示しない公知の昇降手段により本体ハウジング10の側面にそって上下方向(両矢印方向)に昇降移動してそのトレイ収容面13aの位置が調整される取り付け構造が採用されている。符号3は、上記受入口11から導き入れられる画像形成後の記録紙Pを綴じ処理が行われる部位を経由するように搬送する用紙搬送路であり、複数の搬送ロール対31,32や用紙搬送ガイド33にて構成されている。
【0023】
また、符号4は、用紙搬送路3の下方側で用紙排出口12の近傍となる位置に配置され、用紙搬送路3にて送られる記録紙P等を複数枚まとめた状態にして綴じる綴じ処理(ステープル処理)を行うステープル処理ユニットである。このステープル処理ユニット4は、記録紙P等を凹状に折り曲げられたステープル針Qにて綴じる処理が実行されるステープル機構41と、このステープル機構41のステープル位置に対して複数枚の記録紙P等を積み重ねて収容する集積トレイ42と、集積トレイ42に記録紙P等を送り込む方向に回転するともにステープル処理後の記録紙Pを排紙トレイ13に排出させる方向に逆回転する用紙送りロール43とでその主要部が構成されている。
【0024】
ステープル機構41は、記録紙P等にステープル針を打ち込む可動ヘッド部と、そのステープル針を折り曲げるように受け止める固定ヘッドとから構成されている。このステープル処理ユニット41は、単体であって図示しないガイドレール機構に移動可能に取り付けられており、集積トレイ42上に収容される記録紙P等の排出方向Y後端側となる端部Pbにそって移動してステープル処理位置を変えて、所望の端部位置で綴じ処理ができるように構成されている(図4)。一方、集積トレイ42は、用紙搬送路3における搬送ロール対32の下方側の位置に傾斜した状態で配設され、搬送ロール対32から抜け出て自然落下する記録紙P等をその後端部側からすべり込ませて積み重ねるものである(図7参照)。また、この集積トレイ42には、図示しない紙揃え機構があり、突き当て部材(タンパー)により集積トレイに収容される記録紙Pの側辺をたたいて用紙揃えが行われるようになっている。
【0025】
さらに、符号5は、排紙トレイ13に積載収容された記録紙Pの排出方向Yに対して後端部側における最上面の位置を検知する第1のセンサ(SEN1)であり、符号6は、第1のセンサ5により検知される排紙トレイ13上の記録紙束Pの当該センサ5よりも排出方向Yに対して先端部側における最上面の位置を検知できる第2のセンサ(SEN2)である。
【0026】
この実施形態では、第1のセンサ5及び第2のセンサ6としていずれも、図2に示すように、ビーム光Bmを発するビーム発光ユニット51、61とこのビーム光Bmを受光し得るビーム受光ユニット52、62とからなるビーム型センサを使用している。また、第1のセンサ5については、排紙トレイ13の取り付け基端部側であって排紙トレイ13上に積載収容される記録紙束Pの綴じ部分(ステープル針Qが打ち込まれた部位を含む排出方向Y後端部の領域)Psの最上面位置を検知できる部位に配設している。具体的には、排紙トレイ13の取り付け基端部側の両脇位置に、そのビーム受光ユニット51と受光ユニット52を対向させるようにそれぞれ設けている。一方、第2のセンサ6については、排紙トレイ13の突出先端部側であって排紙トレイ13上に積載収容される記録紙束Pの綴じ部分Ps以外の部分Phの最上面位置を検知できる部位に配設している。具体的には、排紙トレイ13の突出先端部側にむかうほぼ中央部付近の両脇位置に、そのビーム発光ユニット51と受光ユニット52を対向させるようにそれぞれ図示しない支持フレームに取り付けた状態で設けている。
【0027】
そして、この第1のセンサ5と第2のセンサ6はいずれも、排紙トレイ13を下降移動させたときに、各ビーム発光ユニット51、61から発せられる光ビームBmがそのトレイ13上に積載収容される記録紙束Pによって遮られた状態からその記録紙束Pによる遮りがなくなり各ビーム受光ユニット52、62に受光された時点、又はその反対に排紙トレイ13を上昇移動させたときに、ビーム発光ユニット51、61から発せられる光ビームBmがそのトレイ13上に積載収容される記録紙束Pによって遮られることなく各ビーム受光ユニット52、62に受光された状態から積載収容された記録紙束Pによって遮られた時点で、記録紙束Pの各部位における最上面の位置を検知することができるようになっている。なお、この実施形態では、第1のセンサ5は、排紙トレイ13の位置(実際にはトレイの測定対象とする所定部位の位置)についても上記の検知原理にしたがって同様に検知する手段として使用されるようになっている。
【0028】
さらに、第2のセンサ6については、図3に示すように、その第2のセンサ6で検知される記録紙束Pの最上面位置が、第一のセンサ5の検知点Kを通る排紙トレイ13の収容面13aと平行な平面Mよりも所定量ΔEだけ低い位置(点線Lで示す位置)にあることを検知できる位置に設置されている。このときの所定量ΔEは、排紙トレイ13に積載収容される記録紙束Pの綴じ部分とそれ以外の部分との間で発生する落差が収容不良等の不具合を誘発するおそれのある落差の限界値(予測値)として設定されたものである。また、上記平面Mは、記録紙束Pが排紙トレイ13上に落差のない正常な状態で積載収容されているときの正常面にも相当するものである。この実施形態では、第2のセンサ6は、その検知点が第1のセンサ5の検知点Kを通る水平面(高さ位置)とほぼ同様の高さ(位置)となるような関係に配置されているが、この関係は第2のセンサ6と第1のセンサ5との離間距離によって変わるものであるため、少なくとも上記最上面位置が所定量ΔEだけ低い位置(点線L)にあることを検知できる条件を満たすように設置されていればよい。そして、この第2のセンサ6は、第1のセンサ5による記録紙束Pの綴じ部分に相当する最上面の位置が検知された時点で、その記録紙束Pの綴じ部分以外の部分に相当する最上面の位置が所定量ΔE以上低い位置にあることを検知しているか否かにより、記録紙束Pに所定以上の落差(Δh)が発生しているか否かを判断するように使用されるようになっている。
【0029】
また、図1において符号44は揺動アームの先端部に取り付けられ排出ロール85と接離可能に変位する押えロール、45は複数枚のやわらかい羽根部材が記録紙P等の表面に軽く触れるようにして回転し、その記録紙Pの集積トレイ42への送り込みと排紙トレイ13への送り出しとを補助する正逆回転可能な記録紙送りバドルである。押えロール44は、集積トレイ42に記録紙P等を収容している間は用紙送りロール43から離れた位置に退避し、記録紙P等を排出させる際には用紙送りロール43に当接する位置に揺動するようになっている。
【0030】
図5は、この後処理装置1の主な各動作を制御するための制御系(主に監視手段に関係する構成部分)を示すものである。図中の符号7は、演算処理装置、メモリ等にて構成されるマイクロコンピュータシステムからなる制御部である。この制御部7には、画像形成装置2側の中央制御部20、第1のセンサ5、第2のセンサ6等が接続されており、これにより画像形成装置2の動作等に関する必要な情報(画像形成動作の設定条件(使用する記録紙のサイズ情報を含む)や動作タイミングの情報、後処理の設定条件の情報など)SSや、排紙トレイ13の位置検知情報や、排紙トレイ13上に積載収容される記録紙束Pの最上面位置の検知情報等が電気信号として入力されるようになっている。また、この制御部7は、用紙搬送路3の駆動部(搬送ロール対の駆動モータなど)30、ステープル処理ユニット4の駆動部(ステープル機構の駆動モータなど)40、排紙トレイ13の駆動部(昇降手段の駆動モータなど)16などと各ドライバを介して接続されており、これにより、メモリ等に格納された制御プログラムの内容や各種検知情報に基づく判断結果にしたがって構成される上記各駆動部の動作を制御するための信号を各ドライバにそれぞれ出力するようになっている。図5において符号21は、画像形成装置2側に装備されている、動作指示などの入力や警告表示等を行うことができる操作表示パネルである。
【0031】
また、この制御部7は、図6に示すように、排紙トレイ13の昇降移動時において第1のセンサ5及び第2のセンサ6の各検知情報に基づき、その排紙トレイ13上に積載収容される綴じ処理後の記録紙束Pに異常な落差(Δh>ΔE)が発生しているか否かを監視し、異常な落差が発生していると判断したときには排紙トレイ13への積載収容(排紙動作)を禁止する制御を行うように構成されている。また、この制御部7は、その排紙動作の禁止に代えて(又はその排紙動作と併せて)、前記操作表示パネル21に「これ以上の積載収容は無理です」等の警告メッセージを表示する制御を行うように構成することも可能である。
【0032】
次に、この後処理装置1の動作について説明する。
【0033】
まず、図1に示すように、画像形成装置2から送られる画像形成後の記録紙Pが受入口11を通して後処理装置1の本体ハウジング10内に導き入れられると、その画像形成後の記録紙Pは用紙搬送路3の搬送ロール対31,32によって排出口12から排出されるように搬送された後、ステープル処理ユニット4まで搬送されて綴じ処理される。
【0034】
このときの綴じ処理は、図7に示すようにして行われる。すなわち、搬送ロール32によって搬送される記録紙Pは、その排出方向Yに対する先端部Pa側が本体ハウジング10の排出口12から排出されて排紙トレイ13の傾斜した収容面に一時的に収容されるように排出される一方で、その記録紙Pの排出方向Yに対する後端部Pbが搬送ロール32から抜け出ると、その後端部Pb側が自然落下して用紙送りロール43上に乗るような状態となる(同図a)。次いで、このような状態となった記録紙Pは、矢印方向に回転する用紙送りロール43の搬送力により、その後端部Pb側から集積トレイ42側に滑り込むように搬送される。この際、押えロール44は用紙送りロール43から離れる退避位置に揺動しており、また、搬送パドル45は矢印方向に回転駆動して集積トレイ42に送り込まれる記録紙Pをさらに集積トレイ42の終端部まで送り込むように搬送する。そして、このような作業が所定の回数だけ繰り返されることにより、集積トレイ42上に所定数枚の記録紙Pが整然と積み重ねられて収容されると、ステープル処理ユニット4のステープル機器41における可動ヘッドが下降移動して記録紙Pの束にステープル針を打ち込んでその針端部を固定ヘッド側で折り曲げることにより綴じ処理が行われる(同図b)。これにより、集積トレイ42上の複数枚の記録紙Pは、その穿孔処理された側の端部においてステープル針によって綴じられる。この際、ステープル処理個所が複数ある場合には、ステープル処理ユニット4が図示しないガイドレールにそって次のステープル位置に移動した後に同様の綴じ処理が行われる。
【0035】
そして、この綴じ処理がすべて終了すると、図7cに示すように、押えロール44が用紙送りロール43と当接する位置に揺動するとともに用紙送りロール43及び搬送パドル45が逆回転し始め、これにより綴じ処理後の記録紙Pの束が集積トレイ42から排紙トレイ13にむけて搬送されて排出される。この際、綴じ処理後の記録紙束Pは、その綴じ部分Psが排出方向Y後端部側となる状態で排紙トレイ13上に積載収容される。
【0036】
また、この後処理装置1では、このような記録紙Pの排紙トレイ13への積載収容に当たっては、その排紙トレイ13が昇降移動されて適切な収容位置に調整するための昇降動作が行われる。
【0037】
初めての積載収容が行われる初期の段階では、排紙トレイ13を任意に昇降移動させてその検出対象部位が第1のセンサ5により検知されると(具体的には、前述したようにビーム発光ユニット51と受光ユニット52の間でビーム光Bmの遮断から受光又は遮断から受光という状態変化が検知されると)、排紙トレイ13が昇降移動を停止して初期の収容位置(ホームポジション)にセットされるようになっている。また、排紙トレイ13に複数の記録紙束Pが積載収容される段階では、その積載収容される記録紙束Pの綴じ部分に相当する部分の最上面位置が第1のセンサ5により検知されるまで、排紙トレイ13が昇降移動して記録紙束Pの積載量に適した収容位置にセットされるようになっている。実際には、記録紙束Pが積載収容されていくにつれて、排紙トレイ13は下方側に次第に下がることになる。
【0038】
そして、この後処理装置1においては、排紙トレイ13の昇降移動動作時に、そのトレイ13上に収容された記録紙Pの積載状態に関する以下の監視動作が行われる。
【0039】
すなわち、図6に示すように、排紙トレイ13の昇降動作が開始されると(ステップ10:S10)、第1のセンサ(SEN1)5が記録紙束Pの綴じ部分Psにあたる最上面の位置を検知したか否かが判断され(S11)、その最上面の位置が検知された場合には前記したように排紙トレイ13の昇降動作が停止して排紙トレイ13が所定の収容位置にセットされる(S12)。そして、第1のセンサ5による検知がなされると同時に、第2のセンサ(SEN2)6が記録紙束Pの綴じ部分以外の部分Phにあたる最上面の位置を検知したか否かが判別される(S13)。
【0040】
ステップS13において、第2のセンサ6による検知が行われていないと判断された場合には、排紙トレイ13に積載収容された綴じ処理後の記録紙束Pの綴じ部分Psとそれ以外の部分との間の落差Δhが異常なレベルにはないものとみなし、記録紙束Pの排紙トレイ13への排紙動作が続行される(S14)。
【0041】
図8は、第2のセンサ6による検知が行われないと判断されるときにおける記録紙束Pの積載状態の一例を示す。すなわち、このときの記録紙束Pの積載状態は、記録紙束Pの綴じ部分Psによる盛り上がり現象による影響が少ない段階にあるため、第2のセンサ6により検知される記録紙束Pの部分とその綴じ部分Psとの落差Δhが異常な落差レベル(ΔE)に達していない小さな状態にある。このため、このような積載状態の段階では、その後に積載収容される綴じ処理後の記録紙束Pが落差によって整然と積載収容されないという収容不良(図19b参照)が発生しにくいため、その後もしばらくの間は記録紙束Pの排紙動作を続行することが可能となる。
【0042】
一方、ステップS13において、第2のセンサ6による検知が行われたと判断された場合には、排紙トレイ13に積載収容された綴じ処理後の記録紙束Pの綴じ部分Psとそれ以外の部分との間の落差Δhが異常なレベルになっているものとみなし、記録紙束Pの排紙トレイ13への排紙動作が禁止されるようになっている(S15)。
【0043】
図9は、第2のセンサ6による検知が行われたと判断されたときにおける記録紙束Pの積載状態の一例を示す。すなわち、このときの記録紙束Pの積載状態は、記録紙束Pの綴じ部分Psによる盛り上がり現象による影響が大きくなった段階にあるため、第2のセンサ6により検知される記録紙束Pの部分とその綴じ部分Psとの落差Δhが大きくなり異常な落差レベル(ΔE)に達することになる。しかし、このような積載状態になると、それ以後の記録紙束Pの排紙動作が禁止されるため、綴じ処理後の記録紙束Pが落差によって整然と積載収容されないという収容不良が発生することを未然に防止することができる。なお、ステップS15において、それ以後の積載収容が不可能であることの警告を行うようにした場合でも、かかる警告に基づいてユーザーがその後の画像形成動作を停止させること等により対応することができため、上記したような収容不良の発生を防止することができる。
【0044】
また、この後処理装置1によれば、記録紙Pとして様々なサイズのものが使用されたり、綴じ処理位置が種々変更されることがあっても、第1のセンサ5及び第2のセンサ6により排紙トレイ13上の記録紙束Pの積載状態(落差の度合い)を確実に検知することができるため、その各種綴じ部分の盛り上がり現象によって発生する落差に起因した収容不良等を防止することが可能である。また、排紙トレイ13に積載収容されている記録用紙束Pが途中で取り除かれることがあっても、第1のセンサ5及び第2のセンサ6による記録紙束Pの積載状態の検知が何ら支障もなく行われるため、監視動作が正常に行われる。
【0045】
[実施の形態2]
図10は、本発明の他の実施形態に係る後処理装置の主な構成を示すものである。この実施形態に係る後処理装置1は、排紙トレイ13に排出方向Yのサイズが小さい小サイズの記録紙P1が積載収容された後にその記録紙P1よりも大サイズの記録紙P2がさらに積載収容することが可能であり、かかる積載収容を行う場合に大サイズの記録紙P2の積載状態(先端部側の垂れ下がり状態)を検知できる第3のセンサ8を設けた以外は実施の形態1に係る後処理装置と同じ構成からなるものである。
【0046】
上記第3のセンサ8は、図10や図11に示すように、第2のセンサ6により検知される大サイズの記録紙束P2の当該センサ6よりも排出方向Yに対して先端部付近における最上面の位置を検知できるセンサ(SEN3)であり、第1のセンサ5及び第2のセンサ6と同様に、ビーム発光ユニット81とビーム受光ユニット82とからなるビーム型センサを使用している。また、この第3のセンサ8については、排紙トレイ13の突出先端部側であって大サイズの記録紙束P2の排出方向Y先端部側Ptの最上面位置を検知できる部位に配設している。具体的には、排紙トレイ13の突出先端部付近の両脇位置に、そのビーム受光ユニット81と受光ユニット82を対向させるように図示しない支持フレームに取り付けた状態で設けている。
【0047】
また、第3のセンサ8については、図12に示すように、その第3のセンサ8で検知される大サイズの記録紙束P2の最上面位置(Pt)が、第一のセンサ5の検知点Kを通る排紙トレイ13の収容面13aと平行な平面Mよりも所定量ΔGだけ低い位置(点線Nで示す位置)にあることを検知できる位置に設置されている。このときの所定量ΔGは、排紙トレイ13に小サイズの記録紙束P1の上にさらに積載収容される大サイズの記録紙束P2の先端部の垂れ下がりによって発生する落差が綴じ処理欠落、不揃い収容等の不具合を誘発するおそれのある落差の限界値(予測値)として設定されたものである。
【0048】
そして、この第3のセンサ8は、第1のセンサ5による大サイズの記録紙束P2の綴じ部分Psに相当する最上面の位置が検知された時点で、その記録紙束P2の先端部付近Ptに相当する最上面の位置が所定量ΔG以上低い位置にあることを検知しているか否かにより、記録紙束P2の先端部側が所定以上の垂れ下がり(落差Δh)が発生しているか否かを判断するように使用されるようになっている。なお、第2のセンサ6は、小サイズの記録紙P1及び大サイズの記録紙P2における綴じ部分とそれ以外の部分との間での各落差(Δh)を、実施の形態1の場合と同様の原理によってそれぞれ検知するように使用される。
【0049】
また、この第3のセンサ8は、実施の形態1の場合と同様に、制御部70(図5)に接続されている。さらに、この第3のセンサ8が接続された制御部70は、図13に示すように、排紙トレイ13の昇降移動時において第1のセンサ5及び第2のセンサ6の各検知情報に基づき、その排紙トレイ13上に積載収容される綴じ処理後の記録紙束P1、P2に異常な落差(Δh>ΔE)が発生しているか否かを監視し、異常な落差が発生していると判断したときには排紙トレイ13への積載収容(排紙動作)を禁止する制御を行うように構成されている。しかも、この制御部70は、小サイズの記録紙束P1の積載収容をした後に大サイズの記録紙束P2の積載収容をした場合に、第1のセンサ5及び第3のセンサ8の各検知情報に基づき、排紙トレイ13上に積載収容される綴じ処理後の大サイズ記録紙束P2の先端部付近Ptに異常な垂れ下がり具合(Δh>ΔG)が発生しているか否かを監視し、異常な垂れ下がりが発生していると判断したときには排紙トレイ13への積載収容(排紙動作)を禁止する制御を行うように構成されている。
【0050】
次に、この実施形態2に係る後処理装置1による監視動作について説明する。特に、排紙トレイ13に綴じ処理後の小サイズ記録紙束P1を積載収容した後に綴じ処理後の大サイズ記録紙束P2を積載収容した場合に、その排紙トレイ13の昇降動作が実行されたときに行われる大サイズ記録紙P2の積載状態に関する監視動作について説明する。
【0051】
すなわち、図13に示すように、排紙トレイ13の昇降動作が開始されると(ステップ20:S20)、第1のセンサ(SEN1)5が小サイズ記録紙束P1上に積載された大サイズ記録紙束P2の綴じ部分Psにあたる最上面の位置を検知したか否かが判断され(S21)、その最上面の位置が検知された場合には前記したように排紙トレイ13の昇降動作が停止して排紙トレイ13が所定の収容位置にセットされる(S22)。そして、第1のセンサ5による検知がなされると同時に、第2のセンサ(SEN2)6が大サイズの記録紙束P2の綴じ部分以外の部分Phにあたる最上面の位置を検知したか否かが判別される(S23)。
【0052】
ステップS23において、第2のセンサ6による検知が行われたと判断された場合には、排紙トレイ13に積載収容された大サイズの記録紙束P2の綴じ部分Psとそれ以外の部分Phとの間の落差Δhが異常なレベル(>ΔE)になっているものとみなし、実施の形態1の場合と同様に、大サイズの記録紙束P2の排紙トレイ13への排紙動作が禁止されるようになっている(S24)。
【0053】
一方、ステップS23において、第2のセンサ6による検知が行われていないと判断された場合には、排紙トレイ13に積載収容された大サイズの記録紙束P2の綴じ部分Psとそれ以外の部分との間の落差Δhが異常なレベルにはないものとみなし、第3のセンサ(SEN3)8が大サイズの記録紙束P2の先端部付近Ptにあたる最上面の位置を検知したか否かが判別される(S25)。
【0054】
そして、ステップS25において、第3のセンサ8による検知が行われていないと判断された場合には、排紙トレイ13に積載収容された大サイズ記録紙束P2の先端部付近Ptの垂れ下がり(による落差Δh)が異常なレベルにはないものとみなし、大サイズ記録紙束P2の排紙トレイ13への排紙動作が続行される(S26)。
【0055】
図14は、第3のセンサ8による検知が行われないと判断されるときにおける大サイズ記録紙束P2の積載状態の一例を示す。すなわち、このときの大サイズ記録紙束P2の積載状態は、その記録紙束P2の先端部の垂れ下がり現象による影響が少ない段階にあるため、第3のセンサ8により検知される記録紙束P2の部分Ptとその綴じ部分Psとの落差Δhが異常な落差レベル(ΔG)に達していない小さな状態にある。このため、このような積載状態の段階では、その後に積載収容される綴じ処理後の大サイズ記録紙束P2がその垂れ下がりによって整然と積載収容されないという収容不良(図20参照)が発生しにくいため、その後もしばらくの間は大サイズ記録紙束P2の排紙動作を続行することが可能となる。
【0056】
一方、ステップS25において、第3のセンサ8による検知が行われたと判断された場合には、排紙トレイ13に積載収容された大サイズ記録紙束P2の先端部付近Ptの垂れ下がり(による落差Δh)が異常なレベルになっているものとみなし、それ以後の大サイズ記録紙束P2の排紙トレイ13への排紙動作が禁止されるようになっている(S24)。
【0057】
図15は、第3のセンサ8による検知が行われたと判断されたときにおける大サイズ記録紙束P2の積載状態の一例を示す。すなわち、このときの大サイズ記録紙束P2の積載状態は、その記録紙束P2の先端部の垂れ下がり現象による影響が大きくなった段階にあるため、第3のセンサ8により検知される記録紙束P2の部分Ptとその綴じ部分Psとの落差Δhが大きくなり異常な落差レベル(ΔG)に達した状態になる。しかし、このような積載状態になると、それ以後の大サイズ記録紙束P2の排紙動作が禁止されるため、上記垂れ下がりによる落差によって搬送ロール対32で送り出された大サイズ記録紙P2がステープル処理ユニット140側に送り込まれず綴じ処理されないという綴じ処理欠落や、次に積載収容される大きいサイズの用紙が良好に揃えられて収容されなくなるという不揃い収容が発生することを未然に防止することができる。なお、ステップS24において、それ以後の積載収容が不可能であることの警告を行うようにした場合でも、かかる警告に基づいてユーザーがその後の画像形成動作を停止させること等により対応することができため、上記したような綴じ処理欠落や収容不良の発生を防止することができる。
【0058】
また、この後処理装置1は、大きいサイズの記録紙束の積載収容を行いたい場合に、排紙トレイ13に先に収容されている小サイズの記録紙束を取り除いた後でないと実行できないということがないため、使い勝手がよい。
【0059】
[他の実施の形態]
図16は、他の実施形態に係る後処理装置1の一部を示すものである。この実施形態に係る後処理装置1は、第2のセンサ5および第3のセンサ6として反射型センサを使用した以外は、実施の形態1又は2に係る後処理装置と同じ構成からなるものである。
【0060】
すなわち、この反射型センサからなる第2センサ5及び第3センサ8はいずれも、発光部及び受光部を備えたものであり、その発光部からの照射光Jが排紙トレイ13上に積載収容された記録紙束P(P1,P2)の前記測定対象部位(Ph,Pt)に照射され、その対象部位で反射された照射光Jが受光部に所定時間内で受光されるか否かによって積載状態(綴じ部分に起因した浮き上がりによる落差Δh、大サイズ記録紙の先端部の垂れ下がりによる落差Δh)が検知される。そして、その照射光Jが所定時間内に受光部に受光されない状態になるときが、記録紙の積載状態が異常なレベルになったもの(Δh>ΔE,Δh>ΔG)と認識されるようになっている。
【0061】
なお、第2のセンサ6及び第3のセンサ7は、記録紙の排出動作や積載収容動作等に支障とならず、記録紙の積載状態を正確に検知できるものであれば、他の種類のものであってもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の後処理装置によれば、前記した構成により、排紙トレイ上に積載収容される用紙の綴じ部分が盛り上がることにより発生するおそれのある紙詰まり、収容不良などの不具合を適切かつ的確に防止することができる。また、排紙トレイ上に先に積載収容された用紙よりも大サイズの用紙が積載収容される場合に発生するおそれのある綴じ処理欠落、不揃い収容などの不具合についても適切かつ的確に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1に係る後処理装置の要部を示す概略構成図。
【図2】 第1センサ及び第2センサの設置状態を示す概略上面図。
【図3】 第1センサ及び第2センサの設置状態を示す説明正面図。
【図4】 ステープル処理ユニットの綴じ処理位置の変更可能な状態を示す説明上面図。
【図5】 後処理装置の制御系の構成を示すブロック図。
【図6】 排紙トレイの昇降動作時における監視動作の例を示すフローチャート。
【図7】 ステープル処理ユニットによる綴じ処理の主な動作状態を示す説明図。
【図8】 盛り上がり現象による落差が小さい段階にある記録紙の積載状態例を示す要部説明図。
【図9】 盛り上がり現象による落差が大きい段階にある記録紙の積載状態例を示す要部説明図。
【図10】 実施形態2に係る後処理装置の要部を示す概略構成図。
【図11】 第1センサ、第2センサ及び第3センサの設置状態を示す概略上面図。
【図12】 第1センサ、第2センサ及び第3センサの設置状態を示す説明正面図。
【図13】 排紙トレイの昇降動作時における監視動作の例を示すフローチャート。
【図14】 垂れ下がり現象による落差が小さい段階にある大サイズ記録紙の積載状態例を示す要部説明図。
【図15】 垂れ下がり現象による落差が大きい段階にある大サイズ記録紙の積載状態例を示す要部説明図。
【図16】 他の実施形態に係る後処理装置の要部(第2センサ及び第3センサ)を示す概略構成図。
【図17】 従来の後処理装置の要部を示す概略構成図。
【図18】 綴じ部分による浮き上がり現象を示す説明図。
【図19】 (a)は浮き上がり現象による紙詰まりの不具合を示す説明図、(b)は浮き上がり現象による収容不良の不具合を示す説明図。
【図20】 小サイズ用紙上に大サイズ用紙を積載収容した場合の垂れ下がり現象による不具合を示す説明図。
【符号の説明】
1…後処理装置、4…ステープル処理ユニット(綴じ処理手段)、5…第1センサ(第1の紙面検知手段)、6…第2センサ(第2の紙面検知手段)、8…第3センサ(第3の紙面検知手段)、13…排紙トレイ、70…制御部(監視手段の一部)、21…制御部(制御手段)、P…記録紙(用紙)、P1…小サイズの用紙(束)、P2…大サイズの用紙(束)、Q…ステープル針(綴じ具)、ΔE,ΔG…所定量。

Claims (2)

  1. 画像形成装置から送られる用紙を複数枚積み重ねた状態でその用紙束の所定端部に綴じ具を付して綴じる綴じ処理手段と、
    この綴じ処理手段により綴じた後に排出される用紙束をその綴じ部分が排出方向後端部側となる状態で積載収容する昇降移動可能な排紙トレイと、
    この排紙トレイに積載収容された用紙束の排出方向後端部側における最上面の位置を検知する第1の紙面検知手段と、
    この第1の紙面検知手段により検知される前記用紙束の当該紙面検知手段よりも排出方向先端部側における最上面が当該紙面検知手段の検知点を通る前記排紙トレイの収容面と平行な平面よりも所定量以上低い位置にあることを検知する第2の紙面検知手段と、
    この第2の紙面検知手段による検知情報が得られたときに前記排紙トレイへのこれ以上の積載収容を禁止するか或いはこれ以上の積載収容が不可能であることを警告する監視手段とを有することを特徴とする後処理装置。
  2. 請求項1に記載の後処理装置において、
    前記排紙トレイに排出方向のサイズが小さい小サイズの用紙が積載収容された後にその用紙よりも大サイズの用紙がさらに積載収容される場合、
    前記第2の紙面検知手段により検知される大サイズの用紙の当該紙面検知手段よりも排出方向先端部側における最上面が前記第1の紙面検知手段の検知点を通る前記排紙トレイの収容面と平行な平面よりも所定量以上低い位置にあることを検知する第3の紙面検知手段を設けた後処理装置。
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