JP3744191B2 - インクジェットヘッドのクリーニング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッドのノズルを清浄化するインクジェットヘッドのクリーニング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットヘッドを備えるプリンタでは、プリンタを長期間使用しなかった場合やインクを交換する場合において、ノズル内部のインク滓や残留インクを取り除いてインクジェットヘッドのノズル内部を清浄化する必要がある。
従来から、インクジェットヘッドのノズル内部を清浄化するためにクリーニング装置が使用されている。このクリーニング装置は、開口部を有するハウジングを備えるとともに、該ハウジングに負圧発生手段を接続したもので、上記開口部をインクジェットヘッドのノズルが形成された面に密着した後、負圧発生手段を駆動してハウジングの内部に負圧を形成することでノズル内部からインク滓等を吸い出してノズル内部を清浄化する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記クリーニング装置では、インクジェットヘッドが径の異なるノズルを備えている場合、径の異なるノズルに均等に負圧を発生させることができない。このため、径の大きいノズルからはインク滓等が吸引されるが、径の小さなノズルからはインク滓等が吸引されず、径の小さなノズルは十分に清浄化されることがない。このため、清浄後、径の小さなノズルは印字に支障をきたす場合があるという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、本発明に係るインクジェットヘッドのクリーニング装置では、インクジェットヘッドの大径および小径のノズルが形成された面に密着する開口部を有する複数の中空ハウジングの一つに吸引手段を接続するとともに、上記吸引手段が接続された中空ハウジングと、他の中空ハウジングとを連通する連通路に弁を設け、上記吸引手段が接続された中空ハウジングの開口部が上記インクジェットの小径のノズルが形成された面に、上記他の中空ハウジングの開口部が上記インクジェットの大径のノズルが形成された面に密着した状態で、上記吸引手段を作動して、吸引手段が接続された上記中空ハウジングが上記中空ハウジングの開口部に対向するインクジェットヘッドのノズルの吸引を開始すると上記弁が開口し、上記他の中空ハウジングの開口部に対向するインクジェットヘッドのノズルの吸引が開始されることを特徴としている。
【0005】
また、上記弁は、吸引手段が接続された上記中空ハウジングの内部に所定の負圧が形成されると上記連通路を開口するリード弁で構成してあることを特徴としている。
【0006】
さらに、上記連通路は、その一部が弾性部材で形成され、上記弁は、上記弾性部材で形成された部分に当接するカム機構で構成され、該カム機構は、上記部分を弾性変形して上記連通路を閉鎖・開口するようにしてもよい。
【0007】
【発明の作用及び効果】
本発明に係るインクジェットヘッドのクリーニング装置では、異なる径のノズルを備えたインクジェットヘッドを清浄化する際、径の小さなノズルに、吸引手段が接続されたハウジングの開口部を対向して密着し、他のハウジングの開口部を他のノズルに対向して密着する。次に、吸引手段を駆動して、吸引手段が接続されたハウジングの内部に負圧を形成して径の小さなノズルを吸引する。上記ノズルの吸引が開始されると弁が開口し、他のハウジングの内部に負圧が形成され、他のノズルの吸引が開始される。
【0008】
このように、本発明に係るインクジェットヘッドのクリーニング装置では、インクジェットヘッドが異なる径のノズルを備えている場合であっても、径の小さなノズルの吸引が開始された後、所定の時間をおいて他のノズルの吸引が開始されるので、径の小さなノズルを含めた全てのノズルの清浄化が十分に行われる。したがって、上記インクジェットヘッドでは、ノズルにインク滓が詰まる等の不具合が生じることが無いので、良好な画像を形成することができる。
【0009】
また、上記弁をリード弁で構成したインクジェットヘッドのクリーニング装置では、径の小さなノズルの吸引が開始された後、吸引手段が接続されたハウジングの内部に負圧が形成されると、該負圧によりリード弁が連通路を開口するので、両者の負圧を形成するまでの時間差を容易に作り出すことがきる。
【0010】
さらに、上記連通路の一部を弾性部材で形成し、上記弁を上記弾性部材で形成された部分に当接するカム機構で構成したインクジェットヘッドのクリーニング装置では、カム機構を駆動して弾性部材で形成された上記部分を弾性変形して上記連通路を閉鎖・開口するので、カム機構を任意に駆動することにより、径の小さなノズルの吸引が開始された後、連通路を開口して他のハウジングの内部に負圧を形成して、他のノズルの吸引を開始することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、インクジェットプリンタ1(以下、単にプリンタという)の一部を示している。このプリンタ1は、記録紙3を矢印y方向に搬送するための搬送機構5と、記録紙3の上面に画像を記録するためのインクを収容したカートリッジ7と、このカートリッジ7を記録紙3の搬送方向y方向と直交するx方向に往復移動させる走査機構9とを備えている。カートリッジ7は、本実施の形態では箱形の容器を備えており、記録紙3に対向する一側部にインクジェットヘッド11を有している。
【0012】
また、インクジェットヘッド11の非印字領域であるホームポジション13には、クリーニング装置15が設けてある。このクリーニング装置15は、吸引ヘッド17と、ホームポジション13に移動したインクジェットヘッド11に対して吸引ヘッド17を進退させる(z方向)カム機構19と、吸引ヘッド17に負圧を発生させるための負圧発生装置(吸引手段)21とから構成される。
【0013】
図2はヘッド11の正面を部分的に拡大した図で、図3は図2のIII−III線に沿ったヘッド11の断面を示している。また、図4は図3のIV−IV線に沿ったヘッド6の断面を表している。これらの図に示すように、ヘッド11はその中央線23を挟んで隣接する第1ヘッド部22(第1ヘッド領域)と第2ヘッド部24(第2ヘッド領域)とで構成されている。ヘッド11は、また、ノズルプレート26、ダイヤフラム28、振動板30、31、外壁板32、ベースプレート33を一体的に組み合わせて構成されている。第1ヘッド部22は、例えば、30〜60μmの小径インク滴を吐出する場合に使用され、第2ヘッド部24は、例えば、60〜120μmの大径インク滴を吐出する場合に使用される。
【0014】
ノズルプレート26は、記録紙3に対向する第1面26aと、これと反対側に位置する第2面26bを有し、この第2面26bに電気鋳造又はフォトリソグラフィー等の加工技術を適用して、第1ヘッド部22と第2ヘッド部24のそれぞれに、インクを収容する複数の長溝すなわち加圧室36、37と、補給用インクを収容する補給室40、41と、各加圧室36、37に対応して設けられ、この加圧室36、37を補給室40、41に連通する通路42、43と、各加圧室36、37に対応して設けられ、この加圧室36、37のインクを吐出する複数のノズル44、45が形成されている。
【0015】
ノズルプレート26の第2面26bには、ニッケル製の板材からなるダイヤフラム(隔壁)28が貼り付けてあり、これにより第2面26b上にある加圧室36、37、補給室40、41、通路42、43の開口部がそれぞれ閉鎖されている。なお、このダイヤフラム28は、後述する振動板30、31の変形を阻害することなく振動板30、31の変形に応じて変形する。
【0016】
インクは、図示しない貯蔵部に収容されており、この貯蔵部から補給室40、41、通路42、43を介して各加圧室36、37に供給される。
【0017】
各ヘッド部22、24において、複数の加圧室36、37はヘッド中央線23とほぼ直交する方向に所定の間隔を置いて平行に形成されている。また、各ノズル44、45は、加圧室36、37の中央線寄りにこの中央線から所定の距離を置いて設けられ、各加圧室36、37の内部を第1面26aに隣接する大気に連通している。なお、ノズル44、45は第1面26aに向けて次第に細くなるようにテーパが付けられているが、その内面形状はいかなる形状としてもよい。
また、ノズル44は小径インク滴を吐出するため、その径は22μmに形成され、ノズル45は大径インク滴をを吐出するため、その径は32μmに形成してある。
【0018】
振動板30、31は、第1ヘッド部22の加圧室36と第2ヘッド部24の加圧室37内のインクをそれぞれ加圧するもので、ダイヤフラム28を隔てて加圧室36の対向部に振動板30が配置され、同様に、ダイヤフラム28を隔てて加圧室37の対向部に振動板31が配置してある。振動板30と31は、複数のPZTからなる基板(圧電部材)を重ね合わせて形成したもので、基板の間には薄板形状からなる電極が挟み込まれており(図示せず)、この電極を利用して分極処理されている。
【0019】
なお、振動板30、31は、複数の圧電セラミックス基板で構成したものに限るものではなく、それぞれが一枚の板形状からなる圧電セラミックス基板を分極処理したものであってもよい。
【0020】
振動板30、31の外周には、振動板30、31と同一の厚みを有する外壁板32が設けてあり、ノズルプレート26の中央部分及びインク供給室40、41に接するダイヤフラム28を支持している。
【0021】
また、振動板30、31及び外壁板32を支持するベースプレート33は複数の導電リード部(図示せず)を備えており、各導電リード部は、振動板30、31の側面の電極(図示せず)に接続される。これにより、上記電極に所定の電圧を印加すると、振動板30、31が厚み方向に変形し、その変形がダイヤフラム28を介して対応する加圧室36、37のインクに伝達されるようになっている。
【0022】
上記構成からなるヘッド11では、各ヘッド部22、24に対して、図示しないインクタンクからインク供給室40、41にインクが供給される。インク供給室40、41のインクは、インクインレット42、43を介して各加圧室36、37に分配される。また、図1に示すようにヘッド11はキャリッジ7の移動に従ってx方向に往復動する。振動板30、31に所定の駆動電圧が印加されると、振動板30、31は対応する加圧室36、37に向かって変形し、その変形がダイヤフラム28に伝えられる。その結果、加圧室36、37内のインクが加圧されてノズル44、45よりインク滴が飛翔し、ヘッド11の対向部をy方向に送られる記録紙3に付着して画像が形成される。
【0023】
次に、本発明の特徴部分であるクリーニング装置15について説明する。
プリンタ1を長期間にわたって使用しないとヘッド11のノズル44、45内部にインク滓が詰まったり、埃が付着する場合がある。また、インクを交換する場合において、古いインクがノズル44、45内部に残留する場合がある。これらは、印字不良の原因となるため、ノズル44、45内部を清浄化する必要がある。プリンタ1は、ノズル44、45内部を清浄化するためにクリーニング装置15を備えている。
【0024】
図5はクリーニング装置15が備える吸入ヘッド17の正面(ヘッド11に対向する面)を示している。図6は図5のVI−VI線に沿った吸入ヘッド17の断面を表しており、図7は図5のVII−VII線に沿った吸入ヘッド17の断面を表している。吸入ヘッド17は、ヘッド11のノズルプレート26の第1面26aに密着してノズル44、45内部のインク滓等を吸引するために使用するもので、これらの図に示すように、断面がコ字型のベース本体50の凹部51に、ハウジング部53を取り付けて構成してある。ベース本体50には、後述するガイドレール81に係合する係合部54が形成されている。
【0025】
ハウジング部53は、ヘッド11のノズルプレート26と略等しい大きさに形成されており、該ハウジング部53を上記第1面26aに良好に密着させるために弾性変形可能な材質、例えば、シリコン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、またはフルオシリコーンゴムで形成される。また、ハウジング部53は、正面の開口部55に仕切り壁57を備えており、開口部55を、ヘッド11の第1ヘッド部22と略等しい大きさの第1負圧室59と、ヘッド11の第2ヘッド部24と略等しい大きさの第2負圧室61とに仕切っている。第1負圧室59と第2負圧室61には、それぞれ段部63、65が形成されており、これら段部63、65にインク吸引シート67、69が載置してある。インク吸引シート67、69は通気性を有するとともに、インクを吸収する材質、例えば、ウレタンフォーム材、スポンジ材で形成される。また、インク吸引シート67は、第1負圧室59をハウジング部53の内部で仕切って第1吸引室71を形成している。同様に、インク吸引シート69は、第2負圧室61をハウジング部53の内部で仕切って第2吸引室73を形成している。
【0026】
上記仕切り壁57の上端部57aには、溝58が形成されており、上端部57aが容易に変形して上端部57aと、ヘッド11のノズルプレート26の第1面26aとが良好に密着するようになっている。仕切り壁57の下端部57bには、第1吸引室71と第2吸引室73を連通する連通路75が形成されている。また、第1吸引室71の内部には上記連通路75を塞ぐリード弁77が設けてある。このリード弁77は、ステンレスで形成された厚さ0.3mmの薄板で、下端部77bが第1吸引室71の内部に固定されている。リード弁77は、第1吸引室71の内部に所定の負圧が形成されると、上端部77aが第1吸引室71側に移動して連通路75との間に約0.1mmの隙間を形成して第1吸引室71と第2吸引室73とを連通するようになっている。
【0027】
なお、リード弁77はステンレスに限るものではなく、錆が発生しない等の条件を満たす、耐久性を有する材質、例えば、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート等であってもよい。また、リード弁77の厚みは0.3mmに限定されるものではなく、第1吸引室71の内部が0.85気圧となった場合、連通路75との間に0.1mm程度の隙間を形成することができる厚みであればよい。
【0028】
第1吸引室71の底面には、負圧発生装置21に接続される吸引管79が取り付けられている。
【0029】
次に、クリーニング装置15のカム機構19について説明する。カム機構19は、上記のように、ホームポジション13に移動したヘッド11に吸引ヘッド17を進退させて、吸引ヘッド17のハウジング部53をヘッド11の第1面26aに密着させるために使用するもので、図1に示すように、ベース本体50に形成された係合部54が係合されるガイドレール81と、吸引ヘッド17の下面に当接する平板カム83と、該平板カム83の回転軸に設けられたギヤ85と、該ギヤ85にかみ合うギヤ87と、該ギヤ87が取り付けられたパルスモータ89とで構成されている。
【0030】
上記構成からなるカム機構19では、パルスモータ89の回転角度に応じて平板カム83が所定の角度回転すると、吸引ヘッド17がガイドレール81にガイドされてヘッド11に対して所定距離だけ矢印z方向に移動するようになっている。なお、カム機構19に代えて、周知のリンク機構、またはシリンダーを使用したリフト機構等により吸引ヘッド17をヘッド11に進退させるようにしてもよい。
【0031】
負圧発生装置21にはチューブ91が取り付けてあり、このチューブ91が上記第1吸引室71の吸引管79に接続してある。
【0032】
図8に示すブロック図はプリンタ1の動作と、クリーニング装置15の動作とを制御するための制御系を示している。中央情報演算処理装置(CPU)100を中心に、ホスト部等から受信したデータ等を記録するRAM101と、動作制御のプログラムが記録されたROM103と、ホスト部等からのデータ通信をデータ受信部105と、振動板30、31の制御を行うヘッド吐出駆動部107と、キャリッジ7のモータを駆動してヘッド11の記録タイミングに同期して移動させるヘッド移動駆動部109と、記録紙3の搬送を制御する紙送り駆動部111と、カム機構19のパルスモータ89を制御するカム機構駆動部113と、負圧発生装置21を制御する負圧発生装置駆動部115と、ヘッド11がホームポジション13に移動しているか否か、記録用紙3の有無、インクの有無等を検出すべく各位置に配置した各種センサ部117とが接続されている。
【0033】
この制御系では、印字量が所定量に達したところでクリーニング装置15を駆動してヘッド11のノズル44、45を清浄化するものであるが、使用者が任意にヘッド11のノズル44、45を清浄化するように制御することもできる。また、特定電圧で振動板30、31を駆動させた際の電気抵抗値からノズル44、45の詰まりを検出して、ノズル44、45を清浄化するようにしてもよい。
【0034】
次に、ヘッド11のノズル44、45を清浄化するクリーニング装置15等の具体的な動作について説明する。
上記のように、クリーニング装置15はプリンタ1の印字量が所定量に達したところで動作を開始する。ヘッド11がホームポジション13に移動していることが検出された後、クリーニング装置15はカム機構19を作動して吸引ヘッド17をヘッド11に密着させる。この際、吸引ヘッド17の第1負圧室59がヘッド11の第1ヘッド部22(第1ヘッド領域)に密着し、第2負圧室61が第2ヘッド部24(第2ヘッド領域)に密着する。
【0035】
吸引ヘッド17がヘッド11に密着した後、負圧発生装置21を駆動して第1吸引室71に負圧を形成する。第1吸引室71と第1負圧室59とは通気性を有するインク吸引シート67で仕切られていることから、第1負圧室59にも負圧が形成される。この負圧によって第1ヘッド部22のノズル44の内部からインク滓等が吸引シート67に向かって排出され、吸引シート67に捕捉される。
【0036】
上記のようにして第1ヘッド部22のノズル44の内部からインク滓等が排出されると、図9に示すように、リード弁77の上端部77aが第1吸引室71側に移動して連通路75に隙間78を形成する。この隙間を介して第2吸引室73の内部に負圧が形成されて第2負圧室61にも負圧が形成される。この第2負圧室61に形成された負圧によって第2ヘッド部24のノズル45の内部からインク滓等が吸引シート69に向かって排出され、吸引シート69に捕捉される。
【0037】
このように、クリーニング装置15では、第1ヘッド部22の径の小さなノズル44の清浄化の開始と、第2ヘッド部24の径の大きなノズル45の清浄化の開始とには時間差(リード弁77が移動して連通路75に隙間78が形成されるまでの時間)があるので、第2ヘッド部24の径の大きなノズル45にのみ負圧が集中することがないので、第1ヘッド部の径の小さなノズル44の清浄化を十分行うことができる。したがって、ヘッド11は清浄後において印字不良を発生させることが無い。
【0038】
負圧発生装置21を所定時間駆動した後、負圧発生装置21を停止し、カム機構19を駆動して吸引ヘッド17を下降させて吸引ヘッド17とヘッド11を分離し、ヘッド11を印字領域に移動して清浄動作を終了する。
【0039】
上記吸引ヘッド17は、リード弁77を第1吸引室71の内部に直接取り付ける構成としたが、図10に示すように、リード弁77は、連通路75に取り付けられたパイプ部材120の第1吸引室71側の端部に取り付けるようにしてもよい。また、図11に示すように、仕切り壁57の一部57cをベース本体50で構成し、連通路75をベース本体50に形成するとともに、リード弁77を仕切り壁57に取り付けるようにしてもよい。
【0040】
さらに、図12及び図13に示すように、連通路75は、ハウジング部53の外側に配置したチューブ121と、このチューブ121に連通する第1吸引室71に連通する連通路122と、第2吸引室73に連通する連通路123とで構成し、第1吸引室71の内部に面する連通路122の端部にリード弁77を設けるようにしてもよい。
【0041】
また、連通路75を開閉する機構はリード弁77に限るものではなく、図14に示すように、平板カム125によるものであってもよい。上記平板カム125は仕切り壁57の下方に形成された空間127に配置され、図15に示すように、その回転によって空間127の上部の仕切り壁57を弾性変形させることで連通路75を閉鎖することができるようになっている。
【0042】
平板カム125はパルスモータ(図示せず)によって回転するように設けてあり、平板カム125の回転角度は位置検出センサ129によって検出される。また、この吸引ヘッド17は、第1負圧室59内に圧力センサ131を備えており、この圧力センサ131が第1負圧室59内部に所定の負圧が形成されたことを検出するとパルスモータの駆動を開始する。なお、この吸引ヘッド17では、使用者が任意にパルスモータを制御して連通路75を閉鎖・開口してもよい。これにより、ノズル44の吸引開始とノズル45の吸引開始との時間差を任意に設定することができるので、例えば、ノズル44の清浄化を連続的に行った後、ノズル45の清浄化を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェットヘッドのクリーニング装置を備えたプリンタの部分斜視図である。
【図2】 インクジェットヘッドの部分正面図である。
【図3】 図2のIII−III線断面図である。
【図4】 図3のIV−IV線断面図である。
【図5】 吸引ヘッドの正面図である。
【図6】 図5のVI−VI線断面図である。
【図7】 図5のVII−VII線断面図である。
【図8】 プリンタの制御系を示すブロック図である。
【図9】 リード弁の動作を示す説明図である。
【図10】 吸引ヘッドの変形例を示す断面図である。
【図11】 吸引ヘッドの変形例を示す断面図である。
【図12】 吸引ヘッドの変形例を示す正面図である。
【図13】 図12のXII−XII線断面図である。
【図14】 吸引ヘッドの変形例を示す断面図である。
【図15】 図14に示す吸引ヘッドの連通路を閉鎖した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…プリンタ、11…インクジェットヘッド、15…インクジェットヘッドのクリーニング装置、17…吸引ヘッド、19…カム機構、21…負圧発生装置、59…第1負圧室、61…第2負圧室、57…仕切り壁、75…連通路、77…リード弁。

Claims (3)

  1. インクジェットヘッドの大径および小径のノズルが形成された面に密着する開口部を有する複数の中空ハウジングの一つに吸引手段を接続するとともに、上記吸引手段が接続された中空ハウジングと、他の中空ハウジングとを連通する連通路に弁を設け、
    上記吸引手段が接続された中空ハウジングの開口部が上記インクジェットの小径のノズルが形成された面に、上記他の中空ハウジングの開口部が上記インクジェットの大径のノズルが形成された面に密着した状態で、上記吸引手段を作動して、吸引手段が接続された上記中空ハウジングが上記中空ハウジングの開口部に対向するインクジェットヘッドのノズルの吸引を開始すると上記弁が開口し、上記他の中空ハウジングの開口部に対向するインクジェットヘッドのノズルの吸引が開始されることを特徴とするインクジェットヘッドのクリーニング装置。
  2. 上記弁は、吸引手段が接続された上記中空ハウジングの内部に所定の負圧が形成されると上記連通路を開口するリード弁で構成してあることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドのクリーニング装置。
  3. 上記連通路は、その一部が弾性部材で形成され、上記弁は、上記弾性部材で形成された部分に当接するカム機構で構成され、該カム機構は、上記部分を弾性変形して上記連通路を閉鎖・開口することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドのクリーニング装置。
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