JP3739881B2 - 荷受台昇降装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷箱側と荷受台との間に連結された2本のリンクにより荷受台を昇降させる荷受台昇降装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の荷受台昇降装置は、実公昭63−23228号公報記載のものに見られるように、取付部材に駆動軸を軸支し、該駆動軸の両端に回転板を設け、回転板にリフトアームの基端部を枢支するとともに、前記取付部材にテンションアームの基端部を枢支し、これらリフトアーム及びテンションアームの先端部を荷受台に枢支することで、リフトアームとテンションアーム等により平行リンク機構を構成してなり、リフトシリンダの伸縮動作による駆動軸の回動に伴い回転板を介してリフトアームを回動させることで、荷受台を水平保持しながら昇降させるものが提供されている。
【0003】
そして、この荷受台昇降装置においては、回転板に強制カムを設けるとともに、リフトアームに上記強制カムと係脱自在な抑止部材を設けることで、荷受台の昇降動作時には強制カムが抑止部材に係止して平行リンク機構を保持し、これにより上述したように荷受台を水平状態で保持するとともに、荷受台が地上に達した時には、強制カムが抑止部材から離脱し、これにより平行リンク機構を解除して荷受台の先端が地上に接地するように傾動させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、荷受台の両側途中部をリフトアーム等で保持するタイプの荷受台昇降装置においては、荷受台に載置する荷物の載置位置によっては重心位置が前後に移動することになり、この重心位置の移動によりリフトアームを介してリフトシリンダに作用する力の方向が引っ張りから圧縮に変化したり、逆に圧縮から引っ張りに変化する恐れがあるため、不安定な昇降動作を招き、信頼性に欠けるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の荷受台昇降装置は、荷箱の後部下方に設けられた取付部材に2本のリンクを介して荷受台が昇降自在に構成された荷受台昇降装置において、前記取付部材には駆動装置により回動自在な駆動軸が軸支されるとともに、この駆動軸に回転ブラケットが回転自在に支持され、前記2本のリンクは、基端部が上記回転ブラケットに枢支されるとともに、先端部が荷受台の側縁途中部に固設された取付ブラケットの上部に枢支されたリフトリンクと、基端部が前記取付部材の前記駆動軸よりも下方に枢支されるとともに、先端部が上記取付ブラケットの下部に枢支された連結リンクとで構成され、前記リフトリンクの基端部近傍が前記駆動軸に一体に設けられた当接部材に下方から当接され、該駆動軸の回動により当接部材を介してリフトリンクを上下に回動させる一方、前記リフトリンクと連結リンクとの途中部間には、荷受台の昇降途中においては当該荷受台の傾動を阻止し、且つ荷受台が地上に達した際に当該荷受台の傾動を許容するための支持リンクが前記駆動軸の軸芯と連結リンクの基端部の枢支軸の軸芯を通る仮想線に対して平行に連結されるとともに、この支持リンクの上端部もしくは下端部がリフトリンクもしくは連結リンクに対して上下に摺動自在に連結され、前記駆動軸と連結リンクの基端部の枢支軸との軸間距離と、前記支持リンクの両端の枢支軸の軸間距離と、取付ブラケットに枢支されたリフトリンクの先端部の枢支軸と連結リンクの先端部の枢支軸との軸間距離とが同一に構成されたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0007】
図1は、本発明に係る荷受台昇降装置の概略の全体構成を示している。
【0008】
図1において、1は例えば車輌の車枠11上に搭載された荷箱で、該荷箱1の後端下部には荷受台昇降装置2が設けられている。
【0009】
荷受台昇降装置2は、車枠11に設けられた取付部材3と、該取付部材3側にそれぞれ基端部が枢支されたリフトリンク4と連結リンク5とからなる2本のリンクと、この2本のリンクの先端部に設けられた荷受台6とから構成されている。
【0010】
前記取付部材3は、車枠11に固定してもよいが、例えば、車枠11の後端部に前後方向に配設されたガイドレール12等に沿って前後方向に移動自在に設けることで、当該取付部材3をガイドレール12に沿って移動させて荷受台昇降装置2を荷箱1の後部下方に格納させることもできる。
【0011】
また、前記取付部材3には、駆動軸7が軸支されている。この駆動軸7は、リフトシリンダ71の伸縮ロッド72に駆動アーム73を介して連結されており、リフトシリンダ71の伸縮ロッド72の伸縮動作によって正逆両方向に回動自在に構成されている。
【0012】
前記駆動軸7には回転ブラケット75が回転自在に支持され、該回転ブラケット75に前記リフトリンク4の基端部が枢支軸41によって枢支されている。
【0013】
前記連結リンク5の基端部は、前記取付部材3に且つ前記駆動軸7の垂下位置に枢支軸51によって枢支されている。
【0014】
また、前記リフトリンク4及び連結リンク5の各先端部は、荷受台6の側縁途
中部に設けられたブラケット61に枢支軸42、52によって枢支されている。
さらに、前記駆動軸7には、前記リフトリンク4の基端部に下方から当接可能な当接ボルト76が固設部材77を介して一体に設けられており、当接ボルト76がリフトリンク4に当接して駆動軸7の回転運動を該リフトリンク4に伝達することで、リフトリンク4が上方に回動され、この回動によって連結リンク5も同様に回動され、荷受台6を昇降作動させることができる。
【0015】
さらに、前記リフトリンク4と連結リンク5との途中部間には支持リンク8が連結されている。
【0016】
この支持リンク8は、図3に示すように、上端部に上下方向に長い長孔81が形成され、該長孔81に前記リフトリンク4に設けられた枢支軸43が摺動自在に嵌入されることで、前記リフトリンク4に連結されている。
【0017】
支持リンク8の下端部は、枢支軸82によりブラケット83を介して前記連結リンク5に連結されている。
【0018】
ここで、支持リンク8は、前記駆動軸7の軸芯と枢支軸51の軸芯を通る仮想線線及び枢支軸42の軸芯と枢支軸52の軸芯とを通る仮想線に対して平行に配置されている。
【0019】
また、前記駆動軸7の軸芯と枢支軸51の軸芯との軸間距離Lと、枢支軸43の軸芯と枢支軸82の軸芯との軸間距離L、及び枢支軸42の軸芯と枢支軸52の軸芯との軸間距離Lとは同一になるように設定されている。
【0020】
なお、支持リンク8は、上述のように上端部をリフトリンク4に摺動自在に連結したものに限らず、下端部を上述と同様に長孔と枢支軸により連結リンク5に摺動自在に連結してもよい。
【0021】
このように構成された支持リンク8は、荷受台6の昇降途中においては当該荷受台6の傾動を阻止し、荷受台6が地上に達した際に当該荷受台6の傾動を許容するためのものである。
【0022】
詳細すると、図4に示すように、荷受台6が地上付近と荷箱1の床面1aに達する上昇位置との間で昇降する際には、駆動軸7の軸芯と枢支軸41の軸芯を通る仮想線V1(換言すれば、枢支軸41の軸芯位置)が、駆動軸7の垂線V2よりも図4において左側に位置するように設定されており、荷受台6が下降して地上付近に達した際には、図1に示すように上記仮想線V1が垂線V2よりも右側に位置するように設定されている。
【0023】
これにより、荷受台6が地上付近から上方で昇降する際においては、上昇中に荷受台6の上面に他の固定物が当接したり、下降中に荷受台6の下面に他の物が当接しても、仮想線V1が駆動軸7の垂線V2よりも図4において左側に位置するため、支持リンク8には、この支持リンク8を伸ばそうとする方向にリンク機構が作用することになる。しかし、支持リンク8は伸びることがないから、リンク機構の平行状態が保持され、その結果、荷受台6を水平状態で保持することができる。
【0024】
また、荷受台6が地上付近に達した際には、仮想線V1が駆動軸7の垂線V2よりも図4において右側に位置するため、荷受台6が地上に接地すると、支持リンク8には、この支持リンク8を縮めようとする方向にリンク機構が作用することになり、この結果、リフトリンク4に長孔81により摺動自在に連結された支持リンク8が当該長孔81の分だけ移動することで、リンク機構の平行状態が崩れ、荷受台6を傾動させることになる。
【0025】
つまり、支持リンク8は、荷受台6の昇降時には、この荷受台6に外的な付加が生じても荷受台6の水平状態を保持し、荷受台6が地上付近に達した場合にのみ荷受台6の傾動を許容するように構成されている。
【0026】
前記荷受台6は、先端側部材6aと基端側部材6bとで全体として比較的薄い板状体に形成されており、基端側部材6bの先端部に前記ブラケット61が固設されている。また、先端側部材6aと基端側部材6bとは上部ヒンジ62によっ
て該先端側部材6aが基端側部材6bの上面に2つ折り自在に構成されている。前記基端側部材6bの基端底部には接地ローラ63が突出配置され、荷受台6が地上に達した際に支持するとともに、先端側部材6aの先端64が薄肉に形成され、荷受台6が地上に達した際にこの先端が地上に段差なく接地するように構成されている。
【0027】
次に、このように構成された荷受台昇降装置の動作について説明する。
【0028】
まず、荷受台6による荷物の積卸しは、例えば格納式の場合には図1及び図2に示すように取付部材3をガイドレール12の最後端位置に移動配置する。そして、荷受台6を構成する先端側部材6aと基端側部材6bとを同一平面上に配置した後、リフトシリンダ71の伸縮動作により駆動軸7、当接ボルト76を介してリフトリンク4を回動させることで、荷受台6を地上と荷箱1の床面1aとの間で昇降させる。
【0029】
この際、荷受台6が、図2に実線で示す荷箱1の床面1aと同一平面上に配置される最上昇位置と、図1に実線で示す荷受台6の接地ローラ63が地上に接地する位置までの間では、前記駆動軸7、枢支軸51、枢支軸43、枢支軸82、枢支軸42、枢支軸52で形成された2つの平行四辺形がそれら平行四辺形を保持した状態でリフトリンク4及び連結リンク5が上下に回動しており、この結果、荷受台6が水平を保持した状態で昇降する。
【0030】
この昇降時において、荷受台6に外的な付加が生じても、支持リンク8の作用により荷受台6の水平状態を保持し、安定的に荷受台6を昇降させることができる。
【0031】
そして、荷受台6が最上昇位置に上昇した際には、荷受台6の基端が荷箱1の床面1aの後端と近接配置された状態になり、荷受台6と荷箱1の床面1aとの間において荷物の移し変えが円滑に行える。
【0032】
次に、荷受台6を下降させる場合は、リフトシリンダ71を縮退させ、駆動軸7を介して当接ボルト76を下方に回動させることで、この当接ボルト76の回動に伴い荷受台6等の自重によりリフトリンク4が下方に回動し、これにより荷受台6が下降する。
【0033】
そして、図1に示すように荷受台6の接地ローラ63が地上に接地すると、仮想線V1が駆動軸7の垂線V2よりも図4において右側に位置する関係から、支持リンク8が長孔81の分だけ縮む形になり、リフトシリンダ71がさらに縮退することでリフトリンク4に当接していた当接ボルト76がリフトリンク4から下方に離間するとともに、回転ブラケット75に枢支されたリフトリンク4が、荷受台6等の自重によって移動しようとする。
【0034】
この結果、リンク機構の上記平行四辺形が崩れ、これに伴って枢支軸43が支持リンク8の長孔81内を摺動することで、荷受台6の先端が下方に傾動し地上に接地する。これにより荷受台6と地上との間において荷物の移し変えが円滑に行える。
【0035】
このようにして荷受台昇降装置2による荷物の積降ろしが終了すると、リフトリンク4及び連結リンク5が略水平になる位置まで、リフトリンク4を回動させるとともに、荷受台6の先端側部材6aを基端側部材6bの上面に2つ折りにする。そして、この状態で取付部材3を手動もしくは油圧シリンダ等の駆動源によって前方に移動させることで、荷受台昇降装置2全体が荷箱1の床面下方に格納される。
【0036】
【発明の効果】
本発明の荷受台昇降装置によれば、従来のような強制カムと抑止部材などの係脱動作を行うことなく、各部材が連結状態を保持したままの状態で、荷受台の昇降動作時には確実に水平状態を保持するとともに、地上においは荷受台の先端を接地させる傾動動作を確実に行うことができ、荷受台を安定した状態で昇降及び傾動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の荷受台昇降装置の全体の概略構成を示す側面図である。
【図2】荷受台が最上昇位置に配置された状態を示す側面図である。
【図3】支持リンクの構成を示す側面図及び一部切欠の正面図である。
【図4】荷受台の昇降動作に伴う、各枢支軸の配置状態を説明する拡大の側面図である。
【符号の説明】
1 荷箱
2 荷受台昇降装置
3 取付部材
4 リフトリンク
41、42、43 枢支軸
5 連結リンク
51、52 枢支軸
6 荷受台
61 取付ブラケット
7 駆動軸
71 リフトシリンダ(駆動装置)
75 回転ブラケット
76 当接ボルト(当接部材)
8 支持リンク
81 長孔
82 枢支軸
L 軸間距離
Claims (1)
- 荷箱の後部下方に設けられた取付部材に2本のリンクを介して荷受台が昇降自在に構成された荷受台昇降装置において、
前記取付部材には駆動装置により回動自在な駆動軸が軸支されるとともに、この駆動軸に回転ブラケットが回転自在に支持され、前記2本のリンクは、基端部が上記回転ブラケットに枢支されるとともに、先端部が荷受台の側縁途中部に固設された取付ブラケットの上部に枢支されたリフトリンクと、基端部が前記取付部材の前記駆動軸よりも下方に枢支されるとともに、先端部が上記取付ブラケットの下部に枢支された連結リンクとで構成され、前記リフトリンクの基端部近傍が前記駆動軸に一体に設けられた当接部材に下方から当接され、該駆動軸の回動により当接部材を介してリフトリンクを上下に回動させる一方、前記リフトリンクと連結リンクとの途中部間には、荷受台の昇降途中においては当該荷受台の傾動を阻止し、且つ荷受台が地上に達した際に当該荷受台の傾動を許容するための支持リンクが前記駆動軸の軸芯と連結リンクの基端部の枢支軸の軸芯を通る仮想線に対して平行に連結されるとともに、この支持リンクの上端部もしくは下端部がリフトリンクもしくは連結リンクに対して上下に摺動自在に連結され、前記駆動軸と連結リンクの基端部の枢支軸との軸間距離と、前記支持リンクの両端の枢支軸の軸間距離と、取付ブラケットに枢支されたリフトリンクの先端部の枢支軸と連結リンクの先端部の枢支軸との軸間距離とが同一に構成されたことを特徴とする荷受台昇降装置。
Priority Applications (1)
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JP00865097A JP3739881B2 (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 荷受台昇降装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP00865097A JP3739881B2 (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 荷受台昇降装置 |
Publications (2)
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JPH10203227A JPH10203227A (ja) | 1998-08-04 |
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ID=11698823
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JP00865097A Expired - Fee Related JP3739881B2 (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 荷受台昇降装置 |
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-
1997
- 1997-01-21 JP JP00865097A patent/JP3739881B2/ja not_active Expired - Fee Related
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