JP3771321B2 - 荷受台昇降装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷受台昇降装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車輌等に搭載された荷箱の後端下部に取付部材が設けられ、該取付部材に2本の平行リンクの基端部が枢支されるとともに、2本の平行リンクの先端部が荷受台の基端部に枢支され、上記平行リンクを油圧シリンダ等の駆動装置によって上下に回動させることで荷受台を水平状態に保持し、地上と荷箱の床面との間で昇降させる荷受台昇降装置が提供されている(例えば特公昭55−34004号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のものでは、取付部材に枢支される平行リンクの枢支位置が荷箱の後端よりも前方側の内方に配置されるとともに、荷受台の基端部を平行リンクの先端部で枢支しているため、荷受台が最も上昇した場合に、平行リンク、特に上側の上部リンクが荷箱の後端と干渉するという不具合があり、上部リンクの形状等を工夫する必要があった。
【0004】
また、取付部材に枢支される平行リンクの枢支点を単に荷箱の後端よりも外方に突出配置したとしても、平行リンクの位置関係からすると荷受台を最上昇させる時に平行リンクが垂直に配置されることになり、これにより平行リンク機構のバランスがくずれるため実施は不可能であるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の荷受台昇降装置は、荷箱の底部端縁に設けられた取付部材に2本の平行リンクを介して荷受台が昇降自在に構成された荷受台昇降装置において、前記2本の平行リンクは、基端部が前記取付部材に枢支されるとともに、先端部が荷受台の側縁途中部に固設されたブラケットに枢支され、前記取付部材への2本の平行リンクの枢支位置が荷箱の端縁よりも外方に突出した位置に配置され、前記2本の平行リンクの内、上側 に配置された上部リンクは、その途中部で下向きのく字状に屈折自在に構成され、該上部リンクの屈折角度を変えて両端枢支部間の長さが可変に構成すべく、2本のリンク部材の端部同士が上部で枢支されるとともに、前記端部同士の下部が山形状に切り込み形成され、前記荷受台の先端が下方傾動し地上に設置するように、前記2本のリンク部材の下方間に連接された付勢部材の反発力により、前記2本のリンク部材が略直線状に配置され、前記荷受台を水平保持して昇降できるように、前記2本のリンク部材の山形状に切り込み形成された端部同士が、前記付勢部材の反発力に抗して合致することで前記2本のリンク部材が下向きく字状に屈折されるものである。
【0006】
本発明の請求項2記載の荷受台昇降装置は、前記取付部材が荷箱の底部に設けられたガイドレールに沿って荷箱の内方側に移動自在に設けられる一方、荷受台が側縁途中部で折り畳み自在に構成され、取付部材の移動により折り畳まれた荷受台及び2本の平行リンクが荷箱の下方に格納自在に構成されたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、本発明に係る荷受台昇降装置の概略の全体構成を示している。図1において、1は、例えば車輌の車枠11上に搭載された荷箱で、該荷箱1の後端下部には荷受台昇降装置2が設けられている。
【0009】
荷受台昇降装置2は、車枠11に設けられた取付部材3と、該取付部材3にそれぞれ基端部が枢支された上部リンク4と下部リンク5とからなる2本の平行リンクと、この2本の平行リンクの先端部に設けられた荷受台7とから構成されている。
【0010】
前記取付部材3は、車枠11の後端部に前後方向に配設されたガイドレール12に沿って前後方向に移動自在に設けられている。詳しくは、取付部材3に設けられた2個の上ガイドローラ31と1個の下ガイドローラ32とが上記ガイドレール12を上下から挾持して配置され、これら上下のガイドローラ31、32がガイドレール12を転動することで、取付部材3が前後に円滑に移動する。
【0011】
前記ガイドレール12の後端は、前記取付部材3がガイドレール12の最後方位置に移動した際に該取付部材3に枢支された2本の平行リンクの枢支点が荷箱1の後端から突出する長さに設定されている。
【0012】
また、取付部材3には、該取付部材3を例えば作業者の操作によりガイドレール12に沿って前後に移動させるための図示しないハンドル等の移動手段が設けられている。なお、取付部材3の前後への移動操作は、手動でなく油圧シリンダや駆動モータ等によって移動させるように構成してもよい。
【0013】
前記上部リンク4と下部リンク5とは、前述したように、各基端部が取付部材3にそれぞれ枢支41、51され、取付部材3がガイドレール12の最後方位置に移動した際にこの枢支41、51の位置が荷箱1の後端から突出するように設けられている。
【0014】
また、上部リンク4と下部リンク5の各先端部は、荷受台7の側縁途中部に設けられたブラケット71に枢支42、52されている。
【0015】
前記上部リンク4は、途中部で屈折自在に構成されている。具体的には、上部リンク4は、2本のリンク部材4a、4bの端部同士が上部で枢支されるとともに、これら2本のリンク部材4a、4bの端部同士の端縁4a1、4b1が山形状に切り込み形成されている。そして、このように形成された2本のリンク部材4a、4bの下方間には、ガススプリング(付勢部材)6が連設されており、2本のリンク部材4a、4bは、該ガススプリング6の反発力によって略直線状に配置されるとともに、山形状に切り込み形成された端部同士の各端縁4a1、4b1がガススプリング6の反発力に抗して合致することで下向きのく字状(図2参照)に屈折されるように構成されている。
【0016】
つまり、2本のリンク部材4a、4bが下向きのく字状から略直線状に配置されることで、取付部材3と荷受台7とに枢支された両端枢支間の長さは長くなる。
【0017】
また、上部リンク4には、図示はしないが前記取付部材に設けられたリフトシリンダの伸縮ロッドがアーム部材を介して連設されており、リフトシリンダの伸縮動作により上部リンク4を上下に回動させるように構成され、この上部リンク4の上下回動によって下部リンク5も同様に回動され、荷受台7を昇降作動させることができる。
【0018】
前記荷受台7は、先端側部材7aと基端側部材7bとで全体として比較的薄い板状体に形成されており、基端側部材7bの先端部に前記ブラケット71が固設されている。また、先端側部材7aと基端側部材7bとは上部ヒンジ72によって該先端側部材7aが基端側部材7bの上面に2つ折り自在に構成されている。
【0019】
前記基端側部材7bの基端底部には接地ローラ73が突出配置され、荷受台7が地上に達した際に支持するとともに、先端側部材7aの先端下面74が楔状に形成され、荷受台7が地上に達した際にこの先端が地上に段差なく接地するように構成されている。
【0020】
次に、このように構成された荷受台昇降装置の動作について説明する。
【0021】
まず、荷受台7による荷物の積卸しは、図1及び図2に示すように取付部材3をガイドレール12の最後端位置に移動配置し、荷受台7を構成する先端側部材7aと基端側部材7bとを同一平面上に配置した後、リフトシリンダの伸縮動作により上部リンク4を回動させることで、荷受台7を地上と荷箱1の床面1aとの間で昇降させる。
【0022】
この際、荷受台7が、図1に二点鎖線で示す荷箱1の床面1aと同一平面上に配置される最上昇位置と、図2に示す荷受台7の接地ローラ73が地上に接地する位置までの間では、上部リンク4は荷受台7の自重等によりガススプリング6の反発力に抗してく字状に屈折された状態になっている。このため、上部リンク4と下部リンク5とは、各枢支点41、51、42、52が平行四辺形を保持した状態で上下に回動しており、この結果、荷受台7が水平を保持した状態で昇降する。
【0023】
そして、荷受台7が最上昇位置に上昇した際には、荷受台7の基端が荷箱1の床面の後端と近接配置された状態になり、荷受台7と荷箱1の床面1aとの間において荷物の移し変えが円滑な状態で行える。
【0024】
この時、取付部材3に枢支された上部リンク4及び下部リンク5の各基端部の枢支位置は、図1に示すように荷箱1の後端よりも後方に突出した状態で配置されているとともに、上部リンク4及び下部リンク5の各先端部がブラケット71を介して荷受台7の側縁途中部に枢支されているため、上部リンク4及び下部リンク5の全体が荷箱1の後端よりも後方に配置されており、荷箱1や車枠11に干渉する虞はなく上部リンク4等の形状を工夫する必要が一切ない。
【0025】
また、上部リンク4及び下部リンク5の各先端部がブラケット71を介して荷受台7の側縁途中部に枢支されているため、従来のように荷受台7の基端部に枢支したものに比べて強度的に有利となり、荷受台7の軽量化を図ることができる。
【0026】
次に、荷受台7の接地ローラ73が地上に接地すると、ガススプリング6の反発力と荷受台7の先端に作用するモーメント力などが相まって、上部リンク4はく字状の状態から直線状態に変わり、これにより上部リンク4の両端枢支41、42間の長さが長くなって上記平行四辺形の状態が崩れる。この結果、荷受台7の先端が下方に傾動し地上に接地する。これにより荷受台7と地上との間において荷物の移し変えが円滑な状態で行える。
【0027】
また、荷受台7が地上から荷箱1の床面1aまで上昇する場合には、上述した動作と逆の動作により傾動した荷受台7が水平状態に保持されて昇降することになる。
【0028】
このように、上部リンク4を単に屈折状態から直線状態に又は直線状態から屈折状態に変化させるだけで、地上において荷受台7の傾動が可能になるとともに、荷受台7を水平に保持した状態での昇降が可能になる。
【0029】
このようにして荷受台昇降装置2による荷物の積降ろしが終了すると、図3に示すように、下部リンク5が略水平になる位置まで、上部リンク4を回動させるとともに、荷受台7の先端側部材7aを基端側部材7bの上面に2つ折りにする。そして、この状態で取付部材3を手動もしくは油圧シリンダ等の駆動源によって前方に移動させることで、荷受台昇降装置2全体が荷箱1の床面下方に格納される(図1の一点鎖線参照)。
【0030】
なお、図示はしていないが、上述のようにして格納された荷受台昇降装置2を側方から覆うカバー体が車枠11に設けられており、このカバー体によって荷受台昇降装置2が安全な状態で格納される。
【0031】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の荷受台昇降装置によれば、2本の平行リンクの基端部を取付部材に枢支するとともに、先端部を荷受台の側縁途中部に固設されたブラケットに枢支し、前記取付部材への2本の平行リンクの枢支位置を荷箱の端縁よりも外方に突出した位置に配置したことで、2本の平行リンクの全体が荷箱の後端よりも後方に配置されることになり、荷箱や車枠に干渉する虞がなく2本の平行リンク等の形状を工夫する必要が一切ない。
【0032】
また、上部リンクは、屈折角度を変えて両端枢支部間の長さが可変に構成すべく、2本のリンク部材の端部同士が上部で枢支され、リンク部材の山形状に切り込み形成された端部同士が合致することで前記荷受台を水平保持して昇降でき、しかも、2本のリンク部材の下方間に連接された付勢部材の反発力により、前記2本のリンク部材を略直線状に配置することで、前記荷受台の先端が下方傾動し地上に設置するように構成したので、簡単な機械的構成によって、地上において上部リンクの長さを下部リンクよりも長くすることによって荷受台の傾動を容易に行うことができ、荷受台を地上において傾動させることができるとともに、地上と荷箱の床面との間で荷受台を水平に保持した状態で昇降させることができる。
【0033】
本発明の請求項2記載の荷受台昇降装置によれば、前記取付部材を荷箱の底部に設けられたガイドレールに沿って荷箱の内方側に移動自在に設ける一方、荷受台を側縁途中部で折り畳み自在に構成し、取付部材の移動により折り畳まれた荷受台及び2本の平行リンクを荷箱の下方に格納自在に構成したことで、荷受台昇降装置全体を確実且つ簡単に荷箱の下方に格納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の荷受台昇降装置の全体の概略構成を示す側面図である。
【図2】荷受台昇降装置の動作を説明する側面図である。
【図3】荷受台昇降装置の動作を説明する側面図である。
【符号の説明】
1 荷箱
12 ガイドレール
2 荷受台昇降装置
3 取付部材
4 上部リンク
4a、4b リンク部材
6 ガススプリング(付勢部材)
7 荷受台
71 ブラケット
Claims (2)
- 荷箱の底部端縁に設けられた取付部材に2本の平行リンクを介して荷受台が昇降自在に構成された荷受台昇降装置において、
前記2本の平行リンクは、基端部が前記取付部材に枢支されるとともに、先端部が荷受台の側縁途中部に固設されたブラケットに枢支され、前記取付部材への2本の平行リンクの枢支位置が荷箱の端縁よりも外方に突出した位置に配置され、前記2本の平行リンクの内、上側に配置された上部リンクは、その途中部で下向きのく字状に屈折自在に構成され、該上部リンクの屈折角度を変えて両端枢支部間の長さが可変に構成すべく、2本のリンク部材の端部同士が上部で枢支されるとともに、前記端部同士の下部が山形状に切り込み形成され、前記荷受台の先端が下方傾動し地上に設置するように、前記2本のリンク部材の下方間に連接された付勢部材の反発力により、前記2本のリンク部材が略直線状に配置され、前記荷受台を水平保持して昇降できるように、前記2本のリンク部材の山形状に切り込み形成された端部同士が、前記付勢部材の反発力に抗して合致することで前記2本のリンク部材が下向きく字状に屈折されることを特徴とする荷受台昇降装置。 - 前記取付部材が荷箱の底部に設けられたガイドレールに沿って荷箱の内方側に移動自在に設けられる一方、荷受台が側縁途中部で折り畳み自在に構成され、取付部材の移動により折り畳まれた荷受台及び2本の平行リンクが荷箱の下方に格納自在に構成された請求項1記載の荷受台昇降装置。
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