JP3771331B2 - 格納式荷受台昇降装置の荷受台格納保持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷受台が荷箱の下方に形成された格納部に格納自在に構成された格納式荷受台昇降装置、特に、格納部に格納された荷受台を保持する荷受台格納保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、格納式荷受台昇降装置としては、実開平4−24832号公報記載のものに見られるように、荷箱の後部下方に取付部材を前後方向に移動自在に設け、該取付部材にリンク機構を介して荷受台を設け、荷受台を折り畳んだ状態で前記取付部材を荷箱の前方に移動させることによって、荷受台昇降装置を荷箱の後部下方に格納するものが提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のものでは、荷受台は単に短折り畳んだ状態のままで格納部に格納されただけであるため、走行時の振動により折り畳んだ荷受台が上方に跳ね上がり周辺部材と当接して損傷を招くという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、格納された荷受台を折り畳んだ状態で確実に保持する荷受台格納保持装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の格納式荷受台昇降装置の荷受台格納保持装置は、荷箱の底部端縁に設けられた取付部材に2本の平行リンクを介して荷受台が昇降自在に構成され、上記取付部材が荷箱の底部に設けられたガイドレールに沿って荷箱の内方側に移動自在に設けられる一方、荷受台が側縁途中部で折り畳み自在に構成され、取付部材の移動により折り畳まれた荷受台及び2本の平行リンクが荷箱の下方に形成された格納部に格納自在に構成された格納式荷受台昇降装置であって、前記荷受台及び2本の平行リンクが格納部に格納された際に、折り畳まれた荷受台を上方から所定力で押圧する保持装置が設けられ、前記保持装置は、前記格納部内に配置され、基端部が枢支されるとともに、先端部に押圧部材を有するリンクレバーと、押圧部材が上方に退避する方向にリンクレバーを付勢する付勢部材と、リンクレバーの基端に連設され、荷受台が格納部に格納された際に、前記取付部材に固設された当接片と当接することで、リンクレバーを付勢部材の付勢力に抗して下方に回動させる作動片とで構成されている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、本発明に係る格納式荷受台昇降装置の格納部における開閉蓋開閉装置の概略の全体構成を示している。
【0009】
図1において、1は、例えば車輌の車枠11上に搭載された荷箱で、該荷箱1の後端下部には荷受台昇降装置2が設けられている。
【0010】
荷受台昇降装置2は、車枠11に設けられた取付部材3と、該取付部材3にそれぞれ基端部が枢支された上部リンク4と下部リンク5とからなる2本の平行リンクと、この2本の平行リンクの先端部に設けられた荷受台7とから構成されるとともに、荷箱1の下方になる車枠11に形成された格納部Aに格納自在に構成されたものである。
【0011】
前記取付部材3は、車枠11の後端部に前後方向に配設されたガイドレール12に沿って前後方向に移動自在に設けられている。詳しくは、取付部材3に設けられた2個の上ガイドローラ31と1個の下ガイドローラ32とが上記ガイドレール12を上下から挾持して配置され、これら上下のガイドローラ31、32がガイドレール12を転動することで、取付部材3が前後に円滑に移動する。
【0012】
前記ガイドレール12の後端は、前記取付部材3がガイドレール12の最後方位置に移動した際に該取付部材3に枢支された2本の平行リンクの枢支点が荷箱1の後端から若干突出する長さに設定されている。
【0013】
なお、上述した取付部材3、上部リンク4、下部リンク5及びガイドレール12は左右一対として設けられている。
【0014】
また、一方の取付部材3には、操作ハンドル33が設けられている。操作ハンドル33は、図2に示すように、一方の取付部材3に軸支された軸部材34に正逆両方向に回転自在に設けられている。軸部材34にはスプロケット35が一体に設けられ、該スプロケット35と左右一対の取付部材3間に軸支された回転軸36の一端に設けられたスプロケット37とがチェーン38で巻回されている。
【0015】
また、前記回転軸36には、左右一対のガイドレール12の下部にそれぞれ設けられたラック39bと係合するピニオン39aが設けられており、操作ハンドル33による回転動作によりスプロケット35、37、回転軸36を介してピニオン39aを正逆方向に回転させることで、左右一対の取付部材3を同調させた状態でガイドレール12に沿って前後に移動させるように構成されている。
【0016】
前記上部リンク4と下部リンク5とは、前述したように、各基端部が取付部材3にそれぞれ枢支41、51され、取付部材3がガイドレール12の最後方位置に移動した際にこの枢支41、51の位置が荷箱1の後端から突出するように設けられている。
【0017】
前記上部リンク4と下部リンク5の各先端部は、荷受台7の側縁途中部に設けられたブラケット71に枢支42、52されている。
【0018】
前記上部リンク4は、途中部で屈折自在に構成されている。具体的には、上部リンク4は、2本のリンク部材4a、4bの端部同士が上部で枢支され、当該端部同士が合致することで下向きのく字状に屈折される。
【0019】
つまり、2本のリンク部材4a、4bが下向きのく字状から略直線状に配置されることで、取付部材3と荷受台7とに枢支された両端枢支間の長さは長くなる。
【0020】
前記リンク部材4aの端部上方にはカム部材43の基端部が連結され、該カム部材43の先端がリンク部材4bの上面に固設された係止部材44に係合されている。
【0021】
また、上部リンク4には、前記取付部材3に設けられたリフトシリンダ45の伸縮ロッドが図示しないアーム部材を介して連設されており、リフトシリンダの伸縮動作により上部リンク4を上下に回動させるように構成され、この上部リンク4の上下回動によって下部リンク5も同様に回動され、荷受台7を昇降作動させることができる。
【0022】
前記荷受台7は、先端側部材7aと基端側部材7bとで全体として比較的薄い板状体に形成されており、基端側部材7bの先端部に前記ブラケット71が固設されている。また、先端側部材7aと基端側部材7bとは上部ヒンジ72によって先端側部材7aが基端側部材7bの上面に2つ折り自在に構成されている。
【0023】
前記基端側部材7bの基端底部には接地ローラ73が突出配置され、荷受台7が地上に達した際に支持するとともに、先端側部材7aの先端下面74が楔状に形成され、荷受台7が地上に達した際にこの先端が地上に段差なく接地するように構成されている。
【0024】
さらに、前記取付部材3には、後述する荷受台7を格納する際において、2つ折りにした先端側部材7aの先端部を下方から支持する支持部材3aが後方に突設されている。この支持部材3aに先端側部材7aが支持されることで、2つ折りにされた先端側部材7aと基端側部材7bとは略平行な状態に配置される。
【0025】
前記車枠11には、上述のようにして構成された荷受台昇降装置2が格納された際に、該荷受台昇降装置2の外周を覆うカバー体8が設けられ、該カバー体8により前述した格納部Aを形成している。
【0026】
カバー体8は、その後部が荷受台昇降装置2の出し入れ口として開放されており、この後部に開閉蓋81が開閉自在に設けられている。開閉蓋81は図示しない連動装置により荷受台昇降装置2の格納動作に連動して開閉自在に構成されている。即ち、荷受台昇降装置2が格納部Aに格納された際に開閉蓋81が閉塞されるとともに、格納部Aから取り出す際には開放されるように構成されている。
【0027】
さらに、格納部Aには、格納時に2つ折りにされた荷受台7の先端側部材7aを上方から押圧し、前記支持部材3a上に保持する保持装置9が設けられている。
【0028】
保持装置9は、図3に示すように、ガイドレール12の前端側に基端部が枢支されたリンクレバー91を備えたもので、リンクレバー91の先端部には荷受台7の先端側部材7aの先端を上方から押圧するラバー等からなる押圧部材92が設けられている。
【0029】
このリンクレバー91は、該リンクレバー91とガイドレール12とに介装されたスプリング93により上記押圧部材92が上方に退避する方向に付勢されている。
【0030】
また、リンクレバー91の基端には、作動片94が連設されている。この作動片94は、荷受台7が格納部Aに格納された際に、前記取付部材3に固設された当接片95と当接することで、リンクレバー91をスプリング93の付勢力に抗して下方に回動させ、その先端の押圧部材92を荷受台7の先端側部材7aの先端に押圧する。
【0031】
図3の符号96は、スプリング93によるリンクレバー91の上方への回動を阻止するストッパである。
【0032】
次に、このように構成された荷受台昇降装置2の動作について説明する。
【0033】
まず、荷受台7による荷物の積卸しは、図1に示すように取付部材3をガイドレール12の最後端位置に移動させ、荷受台7を構成する先端側部材7aと基端側部材7bとを同一平面上に配置した後、リフトシリンダの伸縮動作により上部リンク4を回動させることで、荷受台7を地上と荷箱1の床面1aとの間で昇降させる。
【0034】
この際、荷受台7が、図4に一点鎖線で示す荷箱1の床面1aと同一平面上に配置される最上昇位置と、荷受台7の接地ローラ73が地上に接地する位置までの間では、カム部材43が係止部材44に係止された状態を保持している。このため、上部リンク4と下部リンク5とは、各枢支点41、51、42、52が平行四辺形を保持した状態で上下に回動しており、この結果、荷受台7が水平を保持した状態で昇降する。
【0035】
そして、荷受台7が最上昇位置に上昇した際には、荷受台7の基端が荷箱1の床面の後端と近接配置された状態になり、荷受台7と荷箱1の床面1aとの間において荷物の移し変えが円滑な状態で行える。
【0036】
この時、取付部材3に枢支された上部リンク4及び下部リンク5の各基端部の枢支位置は、図4に示すように荷箱1の後端よりも後方に若干突出した状態で配置されているとともに、上部リンク4及び下部リンク5の各先端部がブラケット71を介して荷受台7の側縁途中部に枢支されているため、上部リンク4及び下部リンク5の全体が荷箱1の後端よりも後方に配置されており、荷箱1や車枠11に干渉する虞はなく上部リンク4等の形状を工夫する必要が一切ない。
【0037】
また、上部リンク4及び下部リンク5の各先端部がブラケット71を介して荷受台7の側縁途中部に枢支されているため、従来のように荷受台7の基端部に枢支したものに比べて強度的に有利となり、荷受台7の軽量化を図ることができる。
【0038】
次に、荷受台7が下降してその接地ローラ73が地上に接地すると、カム部材43が前記支持部材3aの先端に当接し、さらに上部リンク4が下方に回動することで、カム部材43が係止部材44から離脱し、上部リンク4は、く字状の状態から直線状態に変わる。これにより上部リンク4の両端枢支41、42間の長さが長くなって上記平行四辺形の状態が崩れる。この結果、荷受台7の先端が下方に傾動し地上に接地し、荷受台7と地上との間において荷物の移し変えが円滑な状態で行える。
【0039】
また、荷受台7が地上から荷箱1の床面1aまで上昇する場合には、上述した動作と逆の動作により傾動した荷受台7が水平状態に保持されて昇降することになる。
【0040】
このように、上部リンク4を単に屈折状態から直線状態に又は直線状態から屈折状態に変化させるだけで、地上において荷受台7の傾動が可能になるとともに、荷受台7を水平に保持した状態での昇降が可能になる。
【0041】
次に、荷受台昇降装置2による荷物の積卸しが終了した後に、この荷受台昇降装置2を格納する場合について説明する。
【0042】
まず、図1に示すように、下部リンク5が略水平になる位置まで、上部リンク4を回動させるとともに、荷受台7の先端側部材7aを基端側部材7bの上面に2つ折りにして先端側部材7aの先端を支持部材3aに支持させる。
【0043】
そして、この状態で操作ハンドル33を回転操作してピニオン39aを回転させることで、該ピニオン39aが係合したラック39bの作用によって取付部材3を前方に移動させ、この移動に従って荷受台昇降装置2全体がカバー体8後部の出し入れ口からカバー体8内に格納される。
【0044】
この格納の際において、取付部材3が格納終了位置の手前に達した時に、該取付部材3の当接片95が作動片94に当接し、リンクレバー91をスプリング93の付勢力に抗して下方に回動させ、取付部材3が完全に格納位置に配置された時にリンクレバー91の押圧部材92が荷受台7の先端側部材7aの先端を上方から押圧する(図5参照)。
【0045】
これにより荷受台7の先端側部材7aは、支持部材3a上に支持された状態を維持することになり、走行時の振動によっても上方に跳ね上がることがなく、安定的に格納することができる。
【0046】
なお、上述のように荷受台昇降装置2が完全に格納された際には、開閉蓋81がこの格納動作に連動して格納部の後部を閉塞する。
【0047】
なお、本実施の形態では、操作ハンドル33によって取付部材3を移動させるものについて説明したが、操作ハンドル33の回転によらず、駆動モータによる回転によって、もしくは伸縮シリンダの伸縮動作などによって取付部材3を移動させるように構成してもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明の格納式荷受台昇降装置の荷受台格納保持装置によれば、格納部に格納された荷受台を上方から押圧してその位置で保持するため、荷受台を格納部内において安定して保持することができ、走行時の振動により荷受台が無闇に跳ね上がることがなく、これによる荷受台と周辺部材との干渉を防止でき、荷受台や周辺部材の損傷を招くことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】荷受台昇降装置の全体構成を示す側面図である。
【図2】荷受台昇降装置を前後に移動させる移動機構を示す断面図である。
【図3】保持装置の構成を示す拡大の側面図である。
【図4】荷受台昇降装置の昇降動作を示す側面図である。
【図5】格納された荷受台昇降装置を示す側面図である。
【符号の説明】
1 荷箱
12 ガイドレール
2 荷受台昇降装置
3 取付部材
4 上部リンク
5 下部リンク
7 荷受台
9 保持装置
91 リンクレバー
92 押圧部材
93 スプリング(付勢部材)
94 作動片
95 当接片
A 格納部
Claims (1)
- 荷箱の底部端縁に設けられた取付部材に2本の平行リンクを介して荷受台が昇降自在に構成され、上記取付部材が荷箱の底部に設けられたガイドレールに沿って荷箱の内方側に移動自在に設けられる一方、荷受台が側縁途中部で折り畳み自在に構成され、取付部材の移動により折り畳まれた荷受台及び2本の平行リンクが荷箱の下方に形成された格納部に格納自在に構成された格納式荷受台昇降装置であって、前記荷受台及び2本の平行リンクが格納部に格納された際に、折り畳まれた荷受台を上方から所定力で押圧する保持装置が設けられ、前記保持装置は、前記格納部内に配置され、基端部が枢支されるとともに、先端部に押圧部材を有するリンクレバーと、押圧部材が上方に退避する方向にリンクレバーを付勢する付勢部材と、リンクレバーの基端に連設され、荷受台が格納部に格納された際に、前記取付部材に固設された当接片と当接することで、リンクレバーを付勢部材の付勢力に抗して下方に回動させる作動片とで構成されたことを特徴とする格納式荷受台昇降装置の荷受台格納保持装置。
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