JP3739531B2 - 可逆性感熱磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可逆性感熱記録層にロイコ染料、顕減色剤、および樹脂が主成分として含有され、磁気記録層と可逆性感熱記録層とが、基材の同一面側に位置する可逆性感熱磁気記録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
IDカード、プリペイドカード等の各種カードにおいては、例えば磁気記録に加えて残高等の表示のため、感熱記録が行われている。この感熱記録は現像が不要であり、発色濃度が高くしかも安価であることから、広く利用されている。このような感熱記録の技術を応用したものとして、例えば感熱磁気記録媒体がある。
【0003】
この従来の感熱磁気記録媒体として、特開平8−318690号公報に開示された「感熱磁気記録媒体」について、図2を参照して説明する。図2に、この感熱磁気記録媒体の断面模式図を示す。
【0004】
この図2に示される感熱磁気記録媒体は、基体29と、この基体29上に形成され、磁気記録を行うための磁気記録層27と、この磁気記録層27上に形成され、磁気記録層27の着色を隠蔽するための、アルミニウム粉末及びニトロセルロース樹脂を含有した隠蔽層25と、この隠蔽層25上に形成され、感熱記録を行うための実質的に芳香族炭化水素溶剤に不溶なロイコ染料と顕色剤と芳香族炭化水素溶剤に可溶な樹脂とを含有する感熱記録層23と、この感熱記録層23上に形成された保護層21とから構成される。
【0005】
そして、磁気記録層27において磁気記録を行うと共に、感熱記録層23を加熱することにより感熱記録層23を発色させて所望の文字等を表示させている。
【0006】
このように、図2に示された感熱磁気記録媒体は感熱記録層23に含まれるロイコ染料が、実質的に芳香族炭化水素溶剤に不溶であり、ニトロセルロース樹脂を用いた隠蔽層27に含有された芳香族炭化水素溶剤に可溶な樹脂が、結着剤として用いられているため、その記録特性を向上させることができると共に、環境に対する耐性を向上させることができるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この特開平8−318690号公報に開示された「感熱磁気記録媒体」ではその使用回数が一回である場合に十分な耐久性の向上を図っているものであり、数十回繰り返して印字消去を行う場合に耐えうる程の耐久性の向上を図るものではなく、感熱記録層を可視情報の可逆的な表示が可能な可逆性感熱記録層とした場合、隠蔽層の硬さが不十分で、その印字消去繰り返し耐久性が、印字、消去の際の加熱加圧に耐えうる程度には達していないため、多数回印字消去を実行した後に、塗膜破壊や、層間剥離等が発生するという問題点を有している。
【0008】
可逆性感熱磁気記録媒体の印字消去繰り返し耐久性の向上を図るため、隠蔽層に紫外線硬化型樹脂を含有させて、隠蔽層の硬さを上昇させて硬い皮膜とすることも考えられるが、隠蔽層には、磁気記録層の着色を隠蔽するために、例えばアルミニウム(Al)粉末または酸化チタン(TiO2 )粉末等の光不透過性顔料等が含有されており、この顔料等により紫外線が遮断されることにより、紫外線の照射による紫外線硬化型樹脂の硬化を十分に行うことができないため、印字消去繰り返し耐久性を向上させることはできない。
【0009】
また、熱架橋性樹脂を隠蔽層に使用して、隠蔽層を硬い皮膜とした場合には、この硬化した隠蔽層と可逆性感熱記録層との間の密着性を向上させることができないため、多数回数印字消去を実行した後に、層間剥離が発生し、印字消去繰り返し耐久性を向上させることができない。
【0010】
ここで、隠蔽層と可逆性感熱記録層との間の密着性を向上させるために、密着性の良い官能基をもつ樹脂を隠蔽層に含有させることも考えられるが、この場合、隠蔽層と可逆性感熱記録層との間の密着性は向上するが、この官能基が可逆性感熱記録層に含有されるロイコ染料と作用して、いわゆるカブリが発生し、可逆性感熱記録層に不必要な着色が発生し、可逆性感熱記録層の表示の視認性が低減するという問題点が発生する。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、印字消去繰り返し耐久性を向上させることの可能な可逆性感熱磁気記録媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、基材上に、少なくとも、磁気記録を行うための磁気記録層、該磁気記録層の着色を隠蔽するための隠蔽層、ロイコ染料と顕減色剤と樹脂とを主成分として含有した可逆性感熱記録層、及び保護層を順次積層した可逆性感熱磁気記録媒体において、前記隠蔽層が光不透過性顔料及び活性水素を有する樹脂を主成分として含有し、前記隠蔽層と前記可逆性感熱記録層との間に、少なくとも紫外線硬化型樹脂及び前記隠蔽層の活性水素を有する樹脂を硬化させる架橋剤を主成分として含有する耐熱層を紫外線の照射により硬化させて形成したことを特徴とする。
【0013】
従って、この発明によれば、耐熱層形成時に耐熱層用塗料が隠蔽層に含浸するため、耐熱層に主成分として含有される架橋剤が、隠蔽層に主成分として含有される活性水素を有する樹脂を硬化させ、隠蔽層の硬さが上昇し、かつ、耐熱層と隠蔽層との間の密着性が向上すると共に、耐熱層に主成分として含有される紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射することにより、耐熱層の硬さを上昇させることができるので、印字、消去の際の加熱、加圧に対する耐久性を向上させることができ、可逆性感熱磁気記録媒体の印字消去繰り返し耐久性を向上させることができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記活性水素を有する樹脂は、塩化ビニル/酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、若しくはニトロセルロースのいずれかであることを特徴とする。
【0015】
従って、この発明によれば、請求項1記載の発明の作用が得られると共に、隠蔽層に主成分として含有される活性水素を有する樹脂が、塩化ビニル/酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、若しくはニトロセルロースのいずれかであることから、耐熱層に主成分として含有される架橋剤により、これらを適切に硬化させることができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記紫外線硬化型樹脂は、酸価が5KOHmg/g以下であることを特徴とする。
【0017】
従って、この発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用が得られると共に、耐熱層に主成分として含有される紫外線硬化型樹脂は酸価が5KOHmg/g以下であるために、この紫外線硬化型樹脂と可逆性感熱記録層に主成分として含有されるロイコ染料との反応を抑えることができるので、可逆性感熱記録層の不必要な発色を抑えることができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の発明において、前記耐熱層の厚さが、0.1〜10μmの範囲内であることを特徴とする。
【0019】
従って、この発明によれば、請求項1から3のいずれかに記載の発明に作用が得られると共に、耐熱層の厚さが0.1〜10μmの範囲内であることから、可逆性感熱磁気記録媒体の曲がりに追従することができ、亀裂が発生することを防止することができる。
【0020】
請求項5記載の発明は、基材上に磁気記録を行うための磁気記録層を形成する磁気記録層形成工程と、前記磁気記録層上に、光不透過性顔料及び活性水素を有する樹脂とを主成分として含有する塗料を塗布し、乾燥させて隠蔽層を形成する隠蔽層形成工程と、前記隠蔽層上に、紫外線硬化型樹脂及び前記隠蔽層の活性水素を有する樹脂を硬化させる架橋剤を主成分として含有する塗料を塗布し、乾燥させ、紫外線を照射して硬化させて、耐熱層を形成する耐熱層形成工程と、前記耐熱層を形成した後、エージングを実行するエージング実行工程と、前記エージングを実行した後、前記耐熱層上に、可逆性感熱記録層を形成する可逆性感熱記録層形成工程と、前記可逆性感熱記録層上に、保護層を形成する保護層形成工程とを有することを特徴とする。
【0021】
従って、この発明によれば、基材上に、磁気記録層、隠蔽層、耐熱層を順次積層した後に、エージングを実行するエージング実行工程を有しているため、耐熱層に主成分として含有された架橋剤が、隠蔽層を十分に硬化させるため、隠蔽層の硬さを十分に硬くすることができると共に、隠蔽層と耐熱層との間の密着性を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る可逆性感熱磁気記録媒体及びその製造方法の実施形態について図面を参照して説明する。図1に、本発明に係る可逆性感熱磁気記録媒体の一実施形態の断面模式図を示す。
【0023】
図1を参照すると、この実施形態に係る可逆性感熱磁気記録媒体は、基材11上に、磁気記録を行うための磁気記録層9と、光不透過性顔料及び活性水素を有する樹脂を主成分として含有する隠蔽層7と、紫外線硬化型樹脂及び架橋剤を主成分として含有する耐熱層5と、可逆性感熱記録を行うための、ロイコ染料、顕減色剤及び樹脂を主成分として含有する可逆性感熱記録層3と、可逆性感熱記録層3の表面を保護するための保護層1とが、順次積層された構造となっている。
【0024】
まず、図1に示される基材11について説明する。基材11は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセテート、ポリスチレン(PS)、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)及びポリカーボネート(PC)等の合成樹脂シートまたは合成紙等を用いることができる。基材11の厚さは通常、100〜300μm程度である。
【0025】
磁気記録層9は、従来この種の磁気記録媒体において磁気記録層として一般に使用されているものを用いることができる。
【0026】
例えば、磁性材料として粒径10μm以下好ましくは0.01〜5μmのBa−フェライト、Sr−フェライト、Co被着γ−Fe2O3、γ−Fe2O3、
針状鉄粉、CrO2 を用い、バインダー樹脂として一般に用いられるポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂又はそれらの混合樹脂を用いることができる。
【0027】
バインダー樹脂と磁性材料との混合比は基材11との接着性や塗膜強度及び磁気ヘッドによる検出電圧等を考慮して適宜設定される。通常、重量比で前者/後者=1/1〜1/10の範囲、好ましくは1/2〜1/8が適当である。
【0028】
この磁気記録層9の厚さは通常、5〜20μm程度である。
【0029】
隠蔽層7は、磁気記録層9の色彩を視覚的に隠蔽すると共に、後述する可逆性感熱記録層3の発色の色彩に対し十分なコントラストを付与するような色彩を有する。従って、隠蔽層7には、アルミニウム粉末等の非磁性の金属や、酸化チタン粉末等の非磁性金属酸化物等の光不透過性顔料を主成分として含有させる。
【0030】
また、隠蔽層7を形成するために用いられる材料が備えるべき性質は、後述する耐熱層5に主成分として含有される架橋剤により、十分に硬化し、かつ、耐熱層5と隠蔽層7との間の密着性を向上させるという性質である。
【0031】
従って、隠蔽層7に主成分として含有させる樹脂として、水酸基、カルボキシル基等の活性水素を有する樹脂が必須であり、この活性水素を有する樹脂として具体的には、塩化ビニル/酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、若しくはニトロセルロースのいずれかであることが好ましく、2種以上を混合して用いても良い。また、この隠蔽層7の厚さは例えば0.05〜3μm程度である。
【0032】
耐熱層5は、この図1に示される可逆性感熱磁気記録媒体の加熱、加圧に対する耐久性を向上させ、結果として印字消去繰り返し耐久性を向上させるために、紫外線硬化型樹脂と架橋剤とを主成分として含有させる。
【0033】
この紫外線硬化型樹脂としては、例えばサーマルヘッドによる印字、消去を行う際の、加熱剪断応力から隠蔽層7の物理的強度を保つことができ、かつ、可逆性感熱記録層3に含有されるロイコ染料との反応を抑えるため酸価が5KOHmg/g以下の紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましく、具体的には、例えばウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂若しくはこれらの混合樹脂を使用することができる。
【0034】
架橋剤としては、耐熱層形成時に耐熱層用塗料が隠蔽層7に含浸した際、隠蔽層7中の活性水素を有する樹脂を硬化させるもので良く、例えば、イソシアネート系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤等を用いることができる。
【0035】
この耐熱層5の厚さとしては、耐熱層形成時に隠蔽層7に含浸し、表面に薄い皮膜ができる程度の厚さでよく、具体的には0.1〜10μmである。この厚さよりも厚いと、可逆性感熱磁気記録媒体の曲げに追従することができず、亀裂が発生する場合がある。
【0036】
従って、耐熱層5に紫外線を照射することにより、その硬さは、印字、消去の際の加熱、加圧に十分に耐えうる硬さとなり、さらに、隠蔽層7に含浸した架橋剤により、隠蔽層7に主成分として含有される活性水素を有する樹脂が硬化し、隠蔽層7の硬さが上昇すると共に、耐熱層5と隠蔽層7との間の密着性が向上するので、可逆性感熱磁気記録媒体の印字消去繰り返し耐久性を向上させることができる。
【0037】
可逆性感熱記録層3は、たとえばロイコ染料、顕減色剤及びバインダー樹脂により構成され、熱によって可逆的に発色/消色を繰り返す層である。ロイコ染料は、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体といわれるものである。また、顕減色剤は、電子受容性化合物といわれるもので、加熱後の冷却速度の違いにより染料前駆体に可逆的な色調変化を生じさせるものであり、炭素数6以上の脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有するフェノール性化合物又はフタル酸化合物、あるいはフェノール性水酸基とアミノ基とを有する酸性化合物が用いられる。
【0038】
次に、本発明による顕減色剤には、4,4’−イソプロピリデンフェノール、ベンジル−p−ヒドロキシベンゾエート、4,4’−ジヒドロキシ−3,5’−ジアリルジフェニルスルフォン、メチルービス(ヒドロキシフェニル)アセテート、没食子酸エステル、p−フェニルフェノール等が挙げられる。ロイコ染料としてはクリスタルバイオレットラクトン、3−インドリノ−3−p−ジメチルアミノフェニル−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、2−(2−クロルフェニルアミン)−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−t−ブチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−ブチルアニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)−フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−N−メチルシクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチルペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等を挙げることができる。
【0039】
前記通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体はそれぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよい。
【0040】
バインダー樹脂としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のラテックスなどがあげられる。
【0041】
可逆性感熱記録材料において、発色を行うには加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、消色を行うには加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーターからの輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、記録層だけでなく支持体等も加熱される為に冷却速度が遅く、相分離状態(消色状態)になる。一方、適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロックなどを押し当てる等して急速に冷却することにより、発色状態を発現させることができる。また、サーマルヘッド、レーザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却(固化)が始まる為、発色状態を発現させることができる。従って、同じ加熱温度および/または同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態および消色状態を任意に発現させることができる。
【0042】
ここで、可逆性感熱記録層3は3〜10μmの厚さに形成される。
【0043】
保護層1には、その硬さを十分なものにするために紫外線硬化型樹脂を含有させる。また、保護層1の表面に適度な凹凸を形成して、保護層表面のギラ付き感を防止し、保護層表面のキズの発生を防止し、サーマルヘッドのセルフクリーニング性を付与させるため、保護層1にシリカを含有させることが好ましい。
【0044】
従って、図1に示される本発明に係る可逆性感熱磁気記録媒体の一実施形態によれば、隠蔽層7に光不透過性顔料及び活性水素を有する樹脂を主成分として含有させ、耐熱層5に紫外線硬化型樹脂及び架橋剤を主成分として含有させたことにより、隠蔽層7により磁気記録層9の着色が視覚的に認識されるのを防止すると共に、耐熱層形成時に耐熱層用塗料が隠蔽層に含浸し、耐熱層5に主成分として含有される架橋剤が、隠蔽層7に主成分として含有される活性水素を有する樹脂と反応することにより、隠蔽層7に主成分として含有される活性水素を有する樹脂が硬化して隠蔽層7の硬さが上昇し、隠蔽層7と耐熱層5との間の密着性が向上し、さらに、耐熱層5に紫外線を照射することにより耐熱層5に主成分として含有される紫外線硬化型樹脂が、印字、消去の際の加熱、加圧に十分に耐えうる程度に硬化するので、可逆性感熱磁気記録媒体の印字消去繰り返し耐久性を向上させることができる。
【0045】
次に、図1に示される可逆性感熱磁気記録媒体の製造方法について説明する。まず、基材11上に磁気記録層9を形成した後、この磁気記録層9上に光不透過性顔料及び活性水素を有する樹脂を主成分として含有する塗料を塗布、乾燥させて隠蔽層7を形成する。
【0046】
その後、隠蔽層7上に、紫外線硬化型樹脂及び架橋剤を主成分として含有する塗料を塗布、乾燥させ、紫外線を照射することにより硬化させて耐熱層5を形成する。
【0047】
耐熱層5を形成した後は、すぐに可逆性感熱記録層3を形成せずに、エージングを実行する。このエージングは、例えば60°Cに加熱して24時間経過させる等であるが、このエージングは、耐熱層5に主成分として含有される架橋剤が隠蔽層7を十分に硬化させるために実行するものであるから、この硬化が十分になるようなエージングとして、特にこの条件のエージングに限定されるものではない。
【0048】
このエージングを実行した後に、ロイコ染料、顕減色剤及び樹脂を主成分として含有する可逆性感熱記録層3を形成し、その後、この可逆性感熱記録層3上に、保護層1を形成する。
【0049】
従って、この可逆性感熱磁気記録媒体の製造方法によれば、図1に示される構造の可逆性感熱磁気記録媒体を製造する際、耐熱層5を形成した後に、エージングを実行しているため、耐熱層5に含有されている架橋剤が隠蔽層7に十分に硬化させ、従って、隠蔽層7の硬さを十分なものとすることができると共に、隠蔽層7と耐熱層5との間の密着性を向上させることができる。
【0050】
【実施例】
次に、本発明に係る可逆性感熱記録媒体の具体的な実施例について、その組成および物性評価につき比較例と比較して説明する。
【0051】
以下に述べる実施例1〜6及び比較例1〜4はそれぞれ、図1に示されるような、基材、磁気記録層、隠蔽層、耐熱層、可逆性感熱記録層及び保護層が順次積層されたものであり、これらの各層において、その層を形成するか否かを変更し、さらにその層の組成を変化させている。
【0052】
しかしながら、形成の有無または、その組成を変化させる層は、実施例1〜6及び比較例1〜4の全てにおいて、隠蔽層及び耐熱層のみである。
【0053】
従って、実施例1〜6及び比較例1〜4の全てにおいて、基材、磁気記録層、可逆性感熱記録層及び保護層は同様である。
【0054】
そこで、実施例1について、基材、磁気記録層、隠蔽層、耐熱層、可逆性感熱記録層及び保護層の組成について以下に示して説明し、実施例2〜6及び比較例1〜4については、実施例1に対して、隠蔽層及び耐熱層において、変更、若しくは変化した点のみについて説明する。
【0055】
(実施例1)
▲1▼基材
厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレート(PET)を使用した。
【0056】
▲2▼磁気記録層
下記の組成の材料を、ボールミルで8時間分散して塗料とし、この塗料にイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名コロネートL)を3重量部添加し、ワイヤーバーで塗工し、磁場配向処理を行い、乾燥させ(100°C、2分間)、エージング(60°C、96時間)を実行し、乾燥膜厚10μmに形成した。
・バリウムフェライト(戸田工業(株)製、商品名MC−127) 100重量部
・カーボンブラック(三菱化学(株)製、商品名MA100) 2重量部
・ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、商品名バイロン200) 20重量部
・ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、商品名バイロン500) 5重量部
・溶剤(MEK:トルエン:MIBK=1:2:1混合物) 130重量部
【0057】
▲3▼隠蔽層
下記の組成の材料を攪拌機で30分間攪拌して塗料とし、ワイヤーバーで塗工し、乾燥させ(100°C、1分間)、乾燥膜厚2μmに形成した。
・アルミニウムペースト(旭化成工業(株)製、商品名MH8803) 45重量部
・ニトロセルロース樹脂(旭化成工業(株)製、商品名BT−SL) 55重量部
・溶剤(MEK:トルエン=1:1混合物) 200重量部
【0058】
▲4▼耐熱層
下記の組成の塗料をワイヤーバーで塗工し、乾燥させ(100°C、1分間)、紫外線照射(160W/cm3灯、30m/分)を行った後、エージング(60°C、24時間)を実行し、乾燥膜厚1μmに形成した。
・紫外線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名ユニディック17−806、ウレタンアクリレート系樹脂、酸価、測定限界以下) 50重量部
・光重合開始剤(チバガイギー(株)製、商品名イルガキュア184) 2重量部
・イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名コロネートL) 10重量部
・溶剤(MEK:トルエン=1:1混合物) 200重量部
【0059】
▲5▼可逆性感熱記録層
下記の組成の材料をペイントシェーカーで1時間分散して塗料とし、ワイヤーバーで塗工し、乾燥させ(80°C、1分間)、乾燥膜厚6μmに形成した。
・ロイコ染料(3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、山本化成(株)製、商品名ODB) 1重量部
・顕減色剤(N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−n−オクタデシル尿素、特開平6−210954) 3重量部
・アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名BR−83) 4重量部
・溶剤(MEK:トルエン=1:1混合物) 50重量部
【0060】
▲6▼保護層
下記の組成の材料をペイントシェーカーで10分間分散して塗料とし、ワイヤーバーで塗工し、乾燥させ(80°C、1分間)、紫外線照射(160W/cm3灯、30m/分)行った後、乾燥膜厚1μmに形成した。
・紫外線硬化型塗料(大日本インキ化学工業(株)製、商品名C3−374)100重量部
・シリカ(水澤化学(株)製、商品名P−603) 5重量部
・溶剤(MEK:トルエン=1:1混合溶剤) 150重量部
【0061】
次に、上記の実施例1に対する、実施例2〜6及び比較例1〜4における変更、若しくは変化した点について以下に説明する。
【0062】
(実施例2)
実施例1において、隠蔽層に用いる塗料のニトロセルロース樹脂を、ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、商品名バイロン200)に変更した。それ以外は、同様である。
【0063】
(実施例3)
実施例1において、耐熱層に用いる塗料のイソシアネート系架橋剤の量を、10重量部から2重量部に変更した。それ以外は同様である。
【0064】
(実施例4)
実施例1において、耐熱層に用いる塗料のイソシアネート系架橋剤の量を、10重量部から50重量部に変更した。それ以外は同様である。
【0065】
(実施例5)
実施例1において、耐熱層に用いる紫外線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名ユニディック17−806、ウレタンアクリレート系樹脂、酸価、測定限界以下)を、紫外線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名ユニディックV−5502、エポキシアクリレート系樹脂、酸価、3KOHmg/g以下)にし、その重量部を、50重量部から40重量部に変更した。それ以外は同様である。
【0066】
(実施例6)
実施例1において、耐熱層に用いるイソシアネート系架橋剤を、カルボジイミド系架橋剤(日清紡績(株)製、商品名カルボジライトV−01)にし、その重量部を10重量部から8重量部に変更した。それ以外は同様である。
【0067】
(比較例1)
実施例1において、耐熱層を除いた。それ以外は同様である。
【0068】
(比較例2)
実施例1において、耐熱層を除き、隠蔽層に用いる塗料に、さらにイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名コロネートL)を10重量部添加した。それ以外は同様である。
【0069】
(比較例3)
実施例1において、耐熱層に用いる塗料からイソシアネート系架橋剤を除いた。それ以外は同様である。
【0070】
(比較例4)
実施例1において、隠蔽層にイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名コロネートL)を10重量部添加し、耐熱層に用いる塗料からイソシアネート系架橋剤を除いた。それ以外は同様である。
【0071】
以上のようにして形成した実施例1〜6及び比較例1〜4の可逆性感熱磁気記録媒体の、初期状態についての地肌濃度、印字濃度及び消去濃度の状態のそれぞれの比較結果、及び、サーマルヘッドを使用して50回印字、消去を行った後の、地肌濃度、印字濃度、消去濃度及び印字消去部分の状態の比較結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
ここで、ドット密度8dot/mmのサーマルヘッドを使用し、印字エネルギー0.50mJ/dot、消去エネルギー0.25mJ/dotに設定した。濃度測定には反射濃度計マクベスRD−918を使用した。
【0074】
この表1においては、初期状態と印字、消去を50回行った後の状態とを示している。また、評価の欄の表示は、印字、消去を50回行った後の地肌濃度、印字濃度、消去濃度及び印字消去部分の状態の総合的な評価を示し、◎が非常に良好であることを示し、○が良好であることを示し、×が不良であることを示している。まず初めに、初期状態の比較結果について説明する。
【0075】
初期状態においては、実施例1〜6、及び、比較例1〜4のいずれにおいても、地肌濃度、印字濃度及び消去濃度のそれぞれについて顕著な差は無かった。
【0076】
次に、印字、消去を繰り返して50回行った後の状態について説明する。まず、地肌濃度については、実施例1〜6、及び、比較例1〜4のいずれにおいても、顕著な差は無かった。
【0077】
印字濃度については、実施例1〜6、及び比較例4においては、顕著な差は発生していないが、比較例1〜3に印字濃度の低下が発生している。これは、実施例1〜6、及び比較例4においては、隠蔽層の硬さが十分であり、印字、消去を50回繰り返した後であっても塗膜の劣化が生じていないことを示し、比較例1〜3では、耐熱層がなく、隠蔽層を全く硬化させていない(比較例1)、隠蔽層を硬化しているが耐熱層がない(比較例2)、若しくは、耐熱層に架橋剤を含有していない(比較例3)ため、印字、消去を50回繰り返した後に、塗膜の劣化が生じ、適切な印字が行われていないことを示している。
【0078】
消去濃度についても、上述の印字濃度の比較結果と全く同様に、実施例1〜6、及び比較例4においては、顕著な差は発生していないが、比較例1〜3に消去濃度の上昇が発生している。これは、実施例1〜6、及び比較例4においては、隠蔽層の硬度が十分であり、印字、消去を50回繰り返した後であっても塗膜の劣化が生じていないことを示し、比較例1〜3では、耐熱層がなく、隠蔽層を全く硬化させていない(比較例1)、隠蔽層を硬化しているが耐熱層がない(比較例2)、若しくは、耐熱層に架橋剤を含有していない(比較例3)ため、印字、消去を50回繰り返した後に、塗膜の劣化が生じ、適切な消去が行われていないことを示している。
【0079】
印字消去部分の状態については、実施例1〜6においては、異常は無いが、比較例1〜4においては、比較例1及び2において塗膜破壊が発生し、比較例3において塗膜のずれが発生し、比較例4において隠蔽層と耐熱層との間で層間剥離が発生している。
【0080】
これは、異常が発生していない実施例1〜6においては、隠蔽層の硬度が十分であり、かつ、隠蔽層と耐熱層との間の密着性も十分であることを示している。
【0081】
比較例1では、隠蔽層を全く硬化させていないため、隠蔽層の硬度が不十分であり、サーマルヘッドによる熱と剪断力とによって、塗膜の破壊が発生した。
【0082】
比較例2では、隠蔽層を硬化させているものの、この隠蔽層を保護するための耐熱層を除去しているため、隠蔽層が50回の印字、消去の繰り返しに耐えうる耐久性を備えず、隠蔽層のずれや、全体的にヒビが入る等の塗膜の破壊が発生した。
【0083】
比較例3では、隠蔽層に吸収された耐熱層中の紫外線硬化型樹脂が完全に硬化せず、そのため、隠蔽層が十分に硬化しないため、塗膜のずれが発生した。
【0084】
比較例4では、隠蔽層が架橋剤を含有させて硬化させたもので、耐熱層が紫外線硬化型樹脂であるため、隠蔽層及び耐熱層の硬さは十分なものの、隠蔽層が完全に硬化してから耐熱層を形成しているため、隠蔽層と耐熱層との間の密着性が不十分であり、耐熱層と隠蔽層との間の層間剥離が発生した。
【0085】
従って、この表1に示される比較結果から、耐熱層に、紫外線硬化型樹脂及び架橋剤としてのイソシアネート系架橋剤、若しくはカルボジイミド系架橋剤を主成分として含有させ、隠蔽層に、耐熱層に主成分として含有されている架橋剤と反応する活性水素を有する樹脂を含有させることにより、隠蔽層及び耐熱層の硬さを上昇させ、隠蔽層と耐熱層との間の密着性を向上させると、印字、消去を多数回繰り返した後に、良好な結果が得られることが分かる。
【0086】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、基材上に、少なくとも磁気記録を行うための磁気記録層、この磁気記録層の着色を隠蔽するための隠蔽層、ロイコ染料と顕減色剤と樹脂とを主成分として含有した可逆性感熱記録層及び保護層を順次積層した可逆性感熱磁気記録媒体において、隠蔽層に光不透過性顔料及び活性水素を有する樹脂を主成分として含有させ、隠蔽層と可逆性感熱記録層との間に紫外線硬化型樹脂及び架橋剤を主成分として含有する耐熱層を形成したことにより、隠蔽層により磁気記録層の着色の視覚的な隠蔽が行えると共に、耐熱層形成時に耐熱層用塗料が隠蔽層に含浸するため、耐熱層に主成分として含有される架橋剤が隠蔽層に主成分として含有された活性水素を有する樹脂と反応して隠蔽層の硬さを上昇させ、耐熱層と隠蔽層との間の密着性を向上させると共に、紫外線を耐熱層に照射することにより耐熱層の硬さを上昇させることができるので、印字消去繰り返し耐久性を向上させることが可能な可逆性感熱磁気記録媒体を提供することができる。
【0087】
また、活性水素を有する樹脂が、塩化ビニル/酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、若しくはニトロセルロースのいずれかであることにより、耐熱層に主成分として含有される架橋剤がこれらの活性水素を有する樹脂と適切に反応して、隠蔽層の硬さを上昇させることが可能な可逆性感熱磁気記録媒体を提供することができる。
【0088】
また、耐熱層に主成分として含有される紫外線硬化型樹脂は酸価が5KOHmg/g以下であるため、可逆性感熱記録層に主成分として含まれる染料と耐熱層に主成分として含有される紫外線硬化型樹脂との不必要な反応を抑制することの可能な可逆性感熱磁気記録媒体を提供することができる。
【0089】
また、耐熱層の厚さを、0.1〜10μmの範囲内としているため、可逆性感熱磁気記録媒体の曲げに追従することができ、亀裂が発生することを防止することが可能な可逆性感熱磁気記録媒体を提供することができる。
【0090】
さらに、基材上に磁気記録層、隠蔽層、耐熱層を順次積層して形成する工程の後に、エージングを実行するエージング実行工程を具備させたことにより、耐熱層に主成分として含有される架橋剤が隠蔽層を十分に硬化させ、隠蔽層に主成分として含有される活性水素を有する樹脂との反応を適切に進行させることができるので、隠蔽層の硬化、及び耐熱層と隠蔽層との間の密着性を十分にすることが可能な可逆性感熱磁気記録媒体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可逆性感熱磁気記録媒体の一実施形態の断面模式図である。
【図2】従来の感熱磁気記録媒体の断面模式図である。
【符号の説明】
1 保護層
3 可逆性感熱記録層
5 耐熱層
7 隠蔽層
9 磁気記録層
11 基材
Claims (5)
- 基材上に、少なくとも、磁気記録を行うための磁気記録層、該磁気記録層の着色を隠蔽するための隠蔽層、ロイコ染料と顕減色剤と樹脂とを主成分として含有した可逆性感熱記録層、及び保護層を順次積層した可逆性感熱磁気記録媒体において、
前記隠蔽層が光不透過性顔料及び活性水素を有する樹脂を主成分として含有し、
前記隠蔽層と前記可逆性感熱記録層との間に、少なくとも紫外線硬化型樹脂及び前記隠蔽層の活性水素を有する樹脂を硬化させる架橋剤を主成分として含有する耐熱層を紫外線の照射により硬化させて形成したことを特徴とする可逆性感熱磁気記録媒体。 - 前記活性水素を有する樹脂は、塩化ビニル/酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、若しくはニトロセルロースのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱磁気記録媒体。
- 前記紫外線硬化型樹脂は、酸価が5KOHmg/g以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の可逆性感熱磁気記録媒体。
- 前記耐熱層の厚さが、0.1〜10μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の可逆性感熱磁気記録媒体。
- 基材上に磁気記録を行うための磁気記録層を形成する磁気記録層形成工程と、
前記磁気記録層上に、光不透過性顔料及び活性水素を有する樹脂とを主成分として含有する塗料を塗布し、乾燥させて隠蔽層を形成する隠蔽層形成工程と、
前記隠蔽層上に、紫外線硬化型樹脂及び前記隠蔽層の活性水素を有する樹脂を硬化させる架橋剤を主成分として含有する塗料を塗布し、乾燥させ、紫外線を照射して硬化させて、耐熱層を形成する耐熱層形成工程と、
前記耐熱層を形成した後、エージングを実行するエージング実行工程と、
前記エージングを実行した後、前記耐熱層上に、可逆性感熱記録層を形成する可逆性感熱記録層形成工程と、
前記可逆性感熱記録層上に、保護層を形成する保護層形成工程とを有することを特徴とする可逆性感熱磁気記録媒体の製造方法。
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