JP3738688B2 - 物品保持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内等において、壁面の一部をその壁面から外方へ回転させることにより、カップ等の物品を保持するようにした装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両において、フロアコンソールの前部が車幅方向の軸を中心として車両前方へ回動することによりカップホルダを構成させるものが従来から考えられているが、この場合には、カップホルダとしての使用を止めて上記前部を車両後方へ回動させ、フロアコンソールにおける元の位置へ戻したときには、カップを保持するため上記前部に形成されていた凹部は全く利用されていないので、その凹部は完全なデッドスペースとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、車室内等において、壁面の一部をその壁面から外方へ回転させてカップ等を保持するようにしたトレイが上記壁面へ戻されたとき、そのトレイに形成されている凹部の空間を有効活用させようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明にかかる物品保持装置は、基体外壁の一部を形成して水平な軸で上記基体に枢支された第1トレイと、上記基体に支持された第2トレイとを有し、上記第1トレイは上記基体から上記軸を中心とし上記外壁の外方へ回動して略水平に保持されたとき上方に開口する凹部が形成されていると共に、物品保持部材が上記凹部内に設けられ、上記第2トレイは上記第1トレイが上記外壁における元の位置へ戻されたとき相対的に上記物品保持部材を押圧変位させて、上記物品保持部材と共に上記凹部内に配置されるように構成されている。
【0005】
すなわち、基体から上記軸を中心とし外壁の外方へ第1トレイを回動させて、第1トレイが略水平に保持されたとき、上方に開口する凹部が第1トレイに形成されていると共に、その凹部内に物品保持部材が設けられているので、その状態の第1トレイによってカップ等の物品を容易に保持させることができる一方、第1トレイが上記略水平位置から上記軸を中心として回動することにより外壁における元の位置へ戻されたときには、基体に支持された第2トレイは第1トレイの凹部内に設けられた物品保持部材を押圧変位させて、物品保持部材と共にその凹部内に配置されることとなるので、第1トレイの凹部内に物品保持部材が設けられていても、物品保持部材の存在は第2トレイにとって何らの障害となることがなく、従って、第1トレイの回動位置に関係なく第2トレイを常時使用することができると同時に、第1トレイの凹部を常に有効に活用することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施形態例について説明する。
図1及び図2において、車室内の中央部で車両前後方向に延びるフロアコンソール1は、その外壁面を形成する本体2及びトレイ部3をそなえ、トレイ部3は本体2に取り付けられた車幅方向の軸4で枢支されていて、図1の2点鎖線で示す位置から軸4を中心として車両前方(図1の左方)へ回動し、図示のようにトレイ部3の下端部5が本体2の突起6と係合することにより、トレイ部3は略水平に保持され、このとき、トレイ部3に形成された凹部7が上方へ開口している。
【0007】
また、凹部7内に設けられた保持板8は図3に詳しく示されているようにそれぞれ薄板状の中央部10と左右辺部11、11とからなり、中央部10はトレイ部3に取り付けられた車幅方向の軸12で枢支されて、図示しないばねで弾力的に付勢されることにより、図示のように略水平に配置されている一方、辺部11はそれぞれ中央部10の下面に取り付けられた車両前後方向の軸13で枢支されて、図示しないばねで弾力的に付勢されることにより、中央部10とほぼ同じ平面上に配置されている。
【0008】
さらに、中央部10の左右端縁14、14と各辺部11の端縁15とがそれぞれ弧状に形成されていて、凹部7の内周縁と略水平状態にある辺部11の端縁15とにより、または、軸13を中心として辺部11を下方へ略鉛直位置にまで弾力的に回動させた状態で凹部7の内周縁と中央部10の端縁14とにより、それぞれコップ16等の物品を挟んで保持することができる。
【0009】
他方、本体2の車両前方側には略水平に第2のトレイ部20が固定されていて、軸4を中心としてトレイ部3を車両後方(図1の右方)へ回動させることにより、図1及び図2の状態から図4の状態へ戻すと、トレイ部20の前端が保持板8を相対的に押圧することにより、上記ばね力に抗し軸12を中心として保持板8を車両前方(図1の左方)へ回動させる結果、トレイ部20はトレイ部3の凹部7内に配置されることとなる。
【0010】
すなわち、トレイ部3が図1及び図2の状態では、トレイ部3の凹部7が保持板8を利用してコップ16等の物品を保持することができると共に、トレイ部3が図4の状態では、トレイ部20はトレイ部3の凹部7内に配置されることとなるので、トレイ部3の凹部7内に保持板8が設けられていても、保持板8の存在はトレイ部20にとって何らの障害となることがなく、従って、トレイ部3の回動位置に関係なく、トレイ部20をコイン、筆記用具、サングラス等の小物入れとして常時使用することができると同時に、トレイ部3の凹部7を常に有効に活用することが可能となって、車室内における便宜性を容易に高めることができる。
【0011】
また、軸4を中心としてトレイ部3を車両前方へ回動させたとき、トレイ部3の凹部7における内周縁と保持板8における辺部11の端縁15とにより、または、凹部7の内周縁と保持板8における中央部10の端縁14とにより、それぞれ差し渡しの異なったコップ16等の物品を確実に保持させることができるので、凹部7をトレイ部3の車幅方向一杯に比較的大型とすることができると共に、大小のコップ16等を自在に保持することができて、大層便利な長所がある。
【0012】
なお、上記実施形態例では、車両のフロアコンソール本体から車両前方へトレイ部が回動するように構成されているが、車室内におけるアームレスト等の車室内壁面からその一部を車室内へ回動させてトレイ部とする場合にも、上記実施形態例の場合と同様に適用できるものであり、また、上記各実施形態例においてトレイ部が元の収納位置へ戻されたとき、フロアコンソール本体や車室内壁面側に設けられた第2のトレイ部がそのフロアコンソール本体や車室内壁面内へ弾力的に多少水平移動できるように構成し、あるいは、第2のトレイ部が保持部材を押圧して撓ませることにより上記トレイ部の凹部内に配置されるように構成しても、それぞれ上記実施形態例と同等の作用効果を奏することができると共に、トレイ部の凹部に配置される第2のトレイ部をそれだけ大きく形成させることができる利点がある。
【0013】
【発明の効果】
本発明にかかる物品保持装置においては、基体から外壁の外方へ回動した第1トレイが略水平に保持されたときには、上方に開口する凹部がその凹部内に設けられた物品保持部材を利用してカップ等の物品を容易に保持することができる一方、第1トレイが外壁における元の位置へ戻されたときには、基体に支持された第2トレイが上記物品保持部材を押圧変位させて、物品保持部材と共にその凹部内に配置されることとなるので、第1トレイの回動位置に関係なく第2トレイを常時使用することができると同時に、第1トレイの凹部を常に有効に活用することが可能となって、便宜性を容易に高めることができる特色がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例における縦断面図。
【図2】上記実施形態例の斜視図。
【図3】上記実施形態例の要部上面図。
【図4】上記実施形態例の作用説明図。
【符号の説明】
1 フロアコンソール
2 本体
3 トレイ部
7 凹部
8 保持板
10 中央部
11 辺部
Claims (1)
- 基体外壁の一部を形成して水平な軸で上記基体に枢支された第1トレイと、上記基体に支持された第2トレイとを有し、上記第1トレイは上記基体から上記軸を中心とし上記外壁の外方へ回動して略水平に保持されたとき上方に開口する凹部が形成されていると共に、物品保持部材が上記凹部内に設けられ、上記第2トレイは上記第1トレイが上記外壁における元の位置へ戻されたとき相対的に上記物品保持部材を押圧変位させて、上記物品保持部材と共に上記凹部内に配置されるように構成された物品保持装置。
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