JP3738606B2 - 廃トナー処理方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法による複写機やプリンターなどから回収した廃トナーや、トナー製造工場などで発生した廃トナーを処理する廃トナー処理方法および装置に関する。
【0002】
【従来技術】
電子写真法に用いられるトナーは、通常熱可塑性樹脂を基材とし、加熱により軟化・溶融して用紙に接着し、冷却によって強固に固着する。このトナーには、一成分現像法に用いられるトナーと、二成分現像法に用いられるトナーとが存在する。後者のトナーは、熱可塑性樹脂に着色剤および数種の添加剤を混合したもので、主にカラートナーとして用いられる。前者のトナーは、熱可塑性樹脂に磁性体としての酸化鉄の微粉末を添加したもので、主に黒色トナーとして用いられる。これらのトナーは、いずれも、粒子径が数〜十数μの超微粒子である。
【0003】
OA機器の普及に伴い、トナーの使用量が増大する一方で、トナー製造工場で発生した廃トナーや、複写機やプリンターの使用済カセットなどから回収した廃トナーの処理が問題となってきている。
【0004】
従来、このような廃トナーは大部分が埋立て処分されていた。これに対して、廃トナーを埋立て処分することなく、エネルギー資源として有効利用するための技術として以下のものが知られている。
【0005】
▲1▼廃トナーが良質な燃料となりうるため、廃トナーを燃料として炉内空間で燃焼させる廃プラスチック燃焼装置(特開平7−119922号公報参照)。
【0006】
▲2▼廃トナーをタール滓と混合し、廃トナーをバインダーにして成型炭を製造し、成型炭をコークス炉へ装入して廃トナーを熱分解する廃トナーの処理方法(本出願人が出願した特願平10−368623号参照)。
【0007】
▲3▼廃トナーの処理方法ではないが、廃プラスチックの処理方法として、粒径0.5〜20.0mmの廃プラスチックを焼結原料の上に廃プラスチック層として装入し、点火炉で点火して下方吸引する廃プラスチックの処理方法(特開平8−165526号公報参照)。
【0008】
▲4▼上記▲3▼と同様に廃プラスチックを焼結機で処理する方法として、粒径0.5〜20.0mmの廃プラスチックを点火炉上部に設置した廃プラスチック噴射装置の噴射口から点火バーナーの火炎へ噴射し、点火バーナーで燃焼することにより原料層の表面に着火する焼結機の点火方法(特開平8−253824号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。
【0010】
▲1▼市場の70〜80%を占める一成分現像法に用いられるトナーには、上述のように酸化鉄が含まれている。廃プラスチック燃焼装置にあっては、トナー中の樹脂分をエネルギー資源として有効利用できるが、トナー中の鉄分を資源として有効利用図ることができない。また、廃トナーを処理するために、設備費の高い廃プラスチック燃焼装置を新たに製造する必要もある。さらに、トナーはその性状が非常に微細な超微粉であるので、通常のハンドリングでは飛散がひどく、その取扱いが困難である。
【0011】
▲2▼廃トナーをタール滓と混合する方法にあっては、廃トナーの大量処理に適さない、タール滓の粘性のコントロールが難しい等の問題がある。
【0012】
▲3▼廃プラスチックの処理方法にあっては、焼結原料の上に廃プラスチック層の代わりに廃トナー層を装入すると、Cガス等を焚いている点火炉で超微粉の廃トナーが舞い上がり粉塵爆発を起こすおそれがある。また、下方から吸引すると、廃トナーが焼結原料層を通過してしまい、このため、廃トナーの鉄分が回収されないことがある。さらに、下方から吸引すると、廃トナーが焼結原料層につまってしまい、焼結原料層の通気性が悪くなり、焼結鉱に焼きムラが生じることもある。
【0013】
▲4▼焼結機の点火方法にあっては、廃プラスチックの代わりに廃トナーを廃プラスチック噴射装置の噴射口から点火バーナーの火炎へ噴射すると、超微粉の廃トナーが点火炉で舞い上がり、粉塵爆発を起こすおそれがある。また、噴射口から廃トナーを気相に近い状態で噴射するのには設備的に困難が伴う。
【0014】
そこで、本発明は、トナーの成分および性状等を考慮したうえで、廃トナーを資源として有効利用でき、しかも、超微粉である廃トナーのハンドリングが容易な廃トナー処理方法および処理装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、トナーの成分および性状を調査した。その結果、トナーには、主に樹脂からなるトナーBと、樹脂に鉄粉を添加したトナーAとの2種類が存在することがわかった。表1は、トナーAとトナーBとの成分、物性、製造比率を示したものである。
【0016】
【表1】
この表に示すように、市場の70〜80%を占めるトナーAの成分は、磁性を与えるための40〜50%重量の鉄粉と、50〜60%重量の樹脂からなる。トナーAの成分は、より具体的には、スチレンアクリル樹脂35%,ポリエステル樹脂17%,ポリオレフィン3%,鉄粉(マグネタイト)44%,染料(青色)1%とからなり、主に一成分現像法の黒色トナーとして用いられる。トナーBの成分は、90%重量の樹脂と顔料とからなり、主に二成分現像法のカラートナーとして用いられる。また、トナーAとトナーBの物性を比較すると、比重はトナーAがトナーBよりも鉄分を含むので若干大きく、融点はトナーA,トナーBいずれも略等しく、水溶性はトナーA,トナーBともほとんどないことがわかった。そして、トナーA,トナーBの性状は、いずれも粒子径が数〜十数μmの超微粒子である。なお、トナーAには、鉄粉を85〜90%重量含むものも存在する。
【0017】
本発明者は、市場の70〜80%を占めるトナーAが40〜50%重量鉄粉を含むこと、およびトナーA,Bいずれも粒子径が数〜十数μmの超微粒子であることに着目し、製鉄所で廃トナーを有効利用すること、具体的には焼結原料に廃トナーを混合し、この廃トナーを混合した前記焼結原料を焼結する請求項1記載の廃トナー処理方法を発明した。
【0018】
この発明によれば、焼結原料に混合した廃トナー中の鉄粉は鉄源として有効利用できる。また、廃トナー中の樹脂の一部は燃焼し、粉コークスの代替えとして有効利用でき、残りはガス化して焼結機の排風装置に吸引される。廃トナーの樹脂分がガス化しても、廃トナーは超微粒子であり、焼結原料に均一に分散されているので、焼結鉱に悪影響を及ぼすおそれがない。また、廃トナーを焼結原料に混合して焼結するので、廃トナーが飛散することなく、廃トナーのハンドリングが容易になる。
【0019】
また、請求項1の発明は、前記廃トナーを造粒装置の前で前記焼結原料に添加し、前記造粒装置で前記廃トナーおよび前記焼結原料を造粒して、前記廃トナーを前記焼結原料に付着することを特徴とする。ここで、造粒装置には、パッグミル、ドラムミキサー等が用いられる。
【0020】
廃トナーを焼結原料と一緒に造粒して廃トナーを粗粒原料に付着すると、擬似粒子が形成される。これにより、焼結機の原料層の通気性が悪化するのを防止でき、焼結反応を均一かつ十分に進行することができる。また、既存の造粒装置を利用することで、新たな設備を設けることなく、焼結原料に廃トナーを混合することができる。
【0021】
さらに、請求項2の発明は、請求項1に記載の廃トナー処理方法において、前記廃トナーを1次造粒装置の前で前記焼結原料に添加し、1次造粒装置および2次造粒装置で前記廃トナーおよび前記焼結原料を造粒して、前記廃トナーを前記焼結原料に付着することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、1次、2次の造粒装置で造粒するので、廃トナーおよび焼結原料の造粒をさらに促進することができる。
【0023】
請求項3の発明は、請求項1に記載の廃トナー処理方法において、前記廃トナーの一部または全量を2次造粒装置の前で添加し、2次造粒装置で前記廃トナーおよび前記焼結原料を造粒して、前記廃トナーを前記焼結原料に付着することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、廃トナーを焼結原料と一緒に造粒して廃トナーを粗粒原料に付着すると、擬似粒子が形成される。これにより、焼結機の原料層の通気性が悪化するのを防止でき、焼結反応を均一かつ十分に進行することができる。また、既存の造粒装置を利用することで、新たな設備を設けることなく、焼結原料に廃トナーを混合することができる。
【0025】
請求項4の発明は、請求項1ないし3いずれかに記載の廃トナー処理方法において、前記焼結原料に前記廃トナーを質量比0.5%以下添加することを特徴とする。特に、廃トナーを質量比0.1%以下添加するのが望ましい。
【0026】
表1に示すように、トナーは種類によって成分が大きく異なり、廃トナー中の樹脂比率の最大バラツキは40%(50〜90%)ある。混合原料中の樹脂成分のバラツキを通常の粉コークスの増減操作量である0.2%以内に抑えるためには廃トナーの混合原料への配合率は0.5%以下とすべきである。この場合の樹脂成分のバラツキは最大でも0.5%×40%=0.2%となる。混合原料への配合率を0.1%以下とすれば、樹脂成分の配合率のバラツキは最大でも0.04%にすぎず、廃トナーが成品焼結鉱へ及ぼす影響をほとんど無視できる。また、廃トナーの樹脂成分は200〜300℃で一部ガス化し、これが燃焼せずに電気集塵器に吸引されると集塵機の火災を引き起こすおそれがあるが、0.5%以下の配合率では廃ガス中の油脂分の実測値は1ppm程度の増加にすぎず、火災を引き起こすおそれもなくなる。
【0027】
請求項5の発明は、焼結原料に廃トナーを混合する廃トナー混合手段と、前記廃トナーが混合された前記焼結原料を焼結する焼結機とを備えることを特徴とする廃トナー処理装置により、上述した課題を解決した。
【0028】
この発明によれば、焼結原料に混合した廃トナー中の鉄粉は鉄源として有効利用できる。また、廃トナー中の樹脂の一部は燃焼し、粉コークスの代替えとして有効利用でき、残りはガス化して焼結機の排風装置に吸引される。廃トナーの樹脂分がガス化しても、廃トナーは超微粒子であり、焼結原料に均一に分散されているので、焼結鉱に悪影響を及ぼすおそれがない。また、廃トナーを焼結原料に混合して焼結するので、廃トナーが飛散することなく、廃トナーのハンドリングが容易になる。
【0029】
さらに、請求項5の発明は、前記廃トナー混合手段は、廃トナーを貯蔵するホッパーと、このホッパー内の廃トナーを一定量切り出す定量切出し装置と、切り出された廃トナーを焼結原料輸送コンベヤ上に搬送する廃トナー搬送装置と、前記廃トナーおよび前記焼結原料を造粒する造粒装置を備えることを特徴とする。ここで、造粒装置には、パッグミル、ドラムミキサー等が用いられる。
【0030】
廃トナーを焼結原料と一緒に造粒して廃トナーを粗粒原料に付着すると、擬似粒子が形成される。これにより、焼結機の原料層の通気性が悪化するのを防止でき、焼結反応を均一かつ十分に進行することができる。また、既存の造粒装置を利用することで、新たな設備を設けることなく、焼結原料に廃トナーを混合することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態における廃トナー処理装置について説明する。図1は廃トナー処理装置の概略構成図を示すものである。この廃トナー処理装置は、廃トナーを焼結鉱製造用原料(以下焼結原料という)に混合する廃トナー混合手段としての廃トナー混合装置1と、廃トナーを混合した焼結原料を焼結する焼結機2とを備える。
【0032】
廃トナー混合装置1は、焼結原料を種類毎に貯蔵する複数の原料槽3と、原料槽3内の焼結原料を所定量切り出す原料切り出し装置4と、切り出された焼結原料を搬送する焼結原料輸送コンベヤ5と、この焼結原料輸送コンベヤ5に廃トナーを供給する廃トナー供給装置6と、廃トナーおよび焼結原料を造粒する造粒装置としてのドラムミキサー7a,7bとで構成される。この廃トナー混合装置1では、ドラムミキサー7a,7bは直列に2基配置された第1ドラムミキサー7aおよび第2ドラムミキサー7bを備える。
【0033】
図2は、廃トナー供給装置6を示したものである。廃トナーを焼結原料輸送コンベヤ5上に供給する廃トナー供給装置は、フレコンまたはローリー車で搬入された廃トナーを貯蔵するホッパー8と、このホッパー8内の廃トナーを一定量切り出す定量切出し装置としてのロータリーフィーダー9と、切り出された廃トナーを焼結原料輸送コンベヤ5上に搬送する廃トナー搬送装置としてのチェーンコンベヤ10とで構成される。ここで、廃トナーが粉塵爆発を起こす可能性があるので、ホッパー8には静電気対策が取られている。
【0034】
廃トナーは混合した焼結原料(以下混合原料という)と一緒に回転する第1ドラムミキサー7aに供給される。第1ドラムミキサー7aは廃トナーと混合原料とを混合・造粒する。第1ドラムミキサー7aには原料を造粒するための温水または冷水添加装置が設置され、混合原料中の水分を一定値にコントロールしている。温水または冷水添加装置は、原料水分が概そ7〜8%になるように水を添加している。第1ドラムミキサー7a内を原料が転動しながら進む際、添加された水の表面張力により、微粉が粗粒に付着し擬似粒子が形成される。第1ドラムミキサー7aである程度造粒された原料は、第2ドラムミキサー7bに供給され、さらに造粒が継続される。第2ドラムミキサー7bは造粒をさらに促進する目的で使用されている。
【0035】
一般に、混合原料を焼結機で焼成する際、微粉が多いと、焼結機上の原料の通気性が悪化し、焼成速度が低下するので、生産性が低下する。この対策として原料ホッパーと焼結機の間に大型の回転ドラムミキサーを通常2機設置し、原料成分の均一化を図るとともに造粒することにより、微粉を減らし、平均粒径を大きくしている。焼結原料としては、例えば、約55%の鉄鉱石粉、約15%の所内回収ダスト、約14%の返鉱(焼結鉱のうち成品にするには粒径の小さすぎるもの)、そして、約14%の石灰石、生石灰、じゃもん岩、ドロマイト等)と約3%のコークス粉(燃料)を使用する。焼結原料の粒度は原料の種類によって各々異なるが、混合したもの(以下混合原料という)の粒度構成は、例えば表2の如くである。
【0036】
【表2】
この表から、造粒前は、混合原料のうち粒径が0.25mmから0.125mmである細粒が10%、さらに細かい0.125mm(125μm)以下の微粉が6%を占める。一方、造粒完了後の混合原料の粒度構成は、0.25mmから0.125mmの細粒が5%と減少し、125μm以下の微粉が皆無となっている。また、造粒前後で混合原料の平均粒径は2.1mmから2.5mmに増加している。なお、生産性向上のために、焼結原料の石灰石の一部を活性度の高い生石灰に代替し、造粒性を高める場合もある。
【0037】
図1に示すように、造粒された混合原料および廃トナーは、原料供給装置11を経て焼結機本体12のパレット上に装入される。点火炉13は混合原料表面のコークスに均一に着火する。焼結機本体12はパレットを自動的に排鉱側に送る。パレットの下部には風箱が設けられていて、排風装置によって下側に風を吸引しているので、焼結原料中に混合されている粉コークスが燃焼し、原料鉱石粒子の焼結反応および溶融反応が促進する。
【0038】
このとき、廃トナー中の鉄分は、鉄源として有効利用される。廃トナー中の樹脂の一部はコークスとして有効利用される。廃トナーは廃プラの一種であるが、廃プラの特徴として200〜300℃の雰囲気中でガス化して飛んでしまうことがある。廃プラをいきなり1000℃の雰囲気中におくと全部燃焼するが、徐々に温度が上がる雰囲気中におくと必ずしも燃焼しない。このため、廃トナーの一部は燃焼するが、残りはガス化して排風装置13に吸引される。廃トナーの樹脂分がガス化しても、廃トナーは超微粒子であり、焼結原料に均一に分散されているので、焼結鉱に悪影響を与えるおそれがない。
【0039】
ところで、混合原料に対する粉コークスの配合率は、上述のように、概ね3%程度が一般的である。この粉コークスの配合率は非常に重要であり、混合原料の成分、特にダスト中のカーボン量や含水量等により、通常1回の操作量として±0.2%程度増減する。配合率が過多の場合は原料が過溶融となり、通気性悪化に起因した生産性低下や、成品焼結鉱の還元性状の悪化が生じる。一方、配合率が不足する場合は、原料の焼結不足から成品焼結鉱の冷間強度低下や成品焼結鉱の還元粉化性状の悪化が生じる。
【0040】
一方、トナーは種類によって成分が大きく異なり、廃トナー中の樹脂比率の最大バラツキは表1に示すように40%(50〜90%)程度ある。混合原料中の樹脂成分のバラツキを通常の粉コークスの増減操作量である0.2%以内に抑えるためには廃トナーの混合原料への配合率は0.5%以下とすべきである。この場合の樹脂成分のバラツキは最大でも0.5%×40%=0.2%となる。さらに、混合原料への配合率を0.1%以下とすれば、樹脂成分の配合率のバラツキは最大でも0.04%にすぎず、廃トナーが成品焼結鉱へ及ぼす影響はほとんど無視できる。廃トナーの樹脂成分は200〜300℃で一部ガス化し、これが燃焼せずに電気集塵機14に吸引され、電気集塵機14の火災を引き起こすおそれがあるが、0.5%以下の配合率では廃ガス中の油脂分の実測値は1ppm程度の増加にすぎず、火災を引き起こすおそれもなくなる。一方、工業的には0.1%の配合率でも、混合原料の600T/H程度の処理が可能な焼結機を使用すると、最大月間432T(600T/H×0.1%×720H/月=432T)の処理が可能である。したがって、処理必要量100〜200/月に対して充分な能力を有する。
【0041】
【実施例】
発明の実施例を以下に示す。600T/Hの焼結原料に0.6T/Hの廃トナーを添加し(配合率0.1%)、第1ドラムミキサー(直径4.2m、長さ14m、回転速度6rpm)に混合原料水分が8%になるように80℃の温水を必要量添加し、造粒後さらに第2ドラムミキサー(直径5m、長さ18.5m、回転速度4.8rpm)にて造粒し、焼結鉱を製造した。廃トナーの添加前後で表2に示した造粒後の原料粒度に変化はなく、廃トナーは全量擬似粒子に取り込まれた。
【0042】
また、表3に示すように、廃トナーを0.6T/H添加した場合、粉コークス配合率は3%から2.95%に低下し、0.05%低減することができた。
【0043】
【表3】
廃トナー中の鉄分も焼結鉱として有効利用されている。表4に示すように、生産性や成品焼結鉱の性状(強度、還元指数、還元粉化指数)は、廃トナーの前後で全く変化がみられず、本発明の有効性が立証された。
【0044】
【表4】
なお、この実施例では廃トナーの全量を第1ドラムミキサーの手前で添加したが、その一部または全量を第2ドラムミキサーの手前で添加しても同等の効果が得られた。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、焼結原料に廃トナーを混合し、この廃トナーを混合した焼結原料を焼結したので、焼結原料に混合した廃トナー中の鉄粉は鉄源として有効利用される。また、廃トナー中の樹脂の一部は燃焼し、粉コークスの代替えとして有効利用でき、残りはガス化して排風装置に吸引される。廃トナーの樹脂分がガス化しても、廃トナーは超微粒子であるので、焼結原料に均一に分散することができ、焼結鉱に影響を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における廃トナー混合装置を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態における焼結機を示す概略図である。
【符号の説明】
7a 第1ドラムミキサー(一次造粒装置)
7b 第2ドラムミキサー(二次造粒装置)
2 焼結機
1 廃トナー混合装置(廃トナー混合手段)
8 ホッパー
9 ロータリーフィーダー(定量切出し装置)
5 焼結原料輸送コンベヤ
10 チェーンコンベヤ(廃トナー搬送装置)
Claims (5)
- 焼結原料に廃トナーを混合し、この廃トナーを混合した前記焼結原料を焼結することからなり、前記廃トナーを造粒装置の前で前記焼結原料に添加し、前記造粒装置で前記廃トナーおよび前記焼結原料を造粒して、前記廃トナーを前記焼結原料に付着することを特徴とする廃トナー処理方法。
- 前記廃トナーを1次造粒装置の前で前記焼結原料に添加し、1次造粒装置および2次造粒装置で前記廃トナーおよび前記焼結原料を造粒して、前記廃トナーを前記焼結原料に付着することを特徴とする請求項1記載の廃トナー処理方法。
- 前記廃トナーの一部または全量を2次造粒装置の前で添加し、2次造粒装置で前記廃トナーおよび前記焼結原料を造粒して、前記廃トナーを前記焼結原料に付着することを特徴とする請求項1に記載の廃トナー処理方法。
- 前記焼結原料に前記廃トナーを質量比0.5%以下添加することを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の廃トナー処理方法。
- 焼結原料に廃トナーを混合する廃トナー混合手段と、この廃トナーを混合した前記焼結原料を焼結する焼結機とを備える廃トナー処理装置であって、前記廃トナー混合手段は、前記廃トナーを貯蔵するホッパーと、このホッパー内の前記廃トナーを一定量切り出す定量切出し装置と、切り出された廃トナーを焼結原料輸送コンベヤ上に搬送する廃トナー搬送装置と、前記廃トナーおよび前記焼結原料を造粒する造粒装置とを備えることを特徴とする廃トナー処理装置。
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