JP4142987B2 - 発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法 - Google Patents

発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、廃棄物である熱可塑性樹脂とコークス粉を活用することにより、焼結原料層の上層部(例えば、焼結原料層の厚みの1/3程度)に位置する焼結鉱の品質及び歩留りを向上させ、上層部の焼結鉱の品質特性を良好にする発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、焼結機による焼結鉱の製造は、焼結機に設けられた無端状に連接されて回転する複数のパレット(焼結パレット)に焼結原料を装入して充填し、点火炉において焼結原料層の表層へ点火し、各パレット内の焼結原料層が排鉱部に達するまでの間に、焼結原料層の全層にわたって焼成することによって行われている。ここで、焼結原料層の焼成は、焼結原料中に配合した燃料であるコークス粉を点火炉で着火することにより、パレット内の焼結原料層の表層(上層)部の燃焼を行い、更にパレットの上方から下方側にかけて吸気される空気の流れに従って、順次焼結原料層の上層部から中層、更に下層へと燃焼領域を移動させながら行われている。
このため、コークス粉の燃焼によって生じる熱が、焼結原料層の表層部に滞留しずらく、焼結原料層の表層部の熱不足に伴う焼結不良を招き、焼成された焼結鉱の全体の歩留りが低下し、生産性が阻害されている。
そこで従来より、焼結鉱の特性や生産性の向上等を行うため、種々の操業の改善が図られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂を有する廃トナーを焼結原料に混合して焼成し、焼結鉱を製造すると共に廃トナーを処理する方法が開示されている。なお、焼結原料への廃トナーの吹き込みによる装入は、炭塵爆発の問題があるため、この方法では、焼結原料に対して廃トナーを吹き込むことなく、予め焼結原料に廃トナーを混合して処理している。
また、特許文献2には、生石灰(CaO)、鉄分、及び焼結促進材である炭材を混合した混合物を、点火炉後の焼結原料層の表層から供給することにより、焼結原料の上層部における焼結不良に起因する歩留り低下の問題を解決し、生産性を向上させる焼結鉱の製造方法が開示されている。
そして、特許文献3には、焼結原料の単体、あるいは予め廃プラスチックを配合した焼結原料をパレットに装入した後、この焼結原料層の上に平均粒径が0.5〜20mm、かつ最大粒径が30mm以下の廃プラスチックを載置して燃焼させ、焼結原料層の通気性を阻害することなく、焼結鉱の歩留りや生産性を改善する焼結鉱の製造方法が開示されている。
更に、特許文献4には、点火炉上部に設置した廃プラスチック噴射装置の噴射口から廃プラスチック粉体を噴射し、点火バーナーで燃焼させ、焼結原料層の表層を点火して、焼結原料層の上層の焼成された焼結鉱の品質、生産性を改善する下方吸引式焼結機の点火方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−3063号公報
【特許文献2】
特開平4−314833号公報
【特許文献3】
特開平8−165526号公報
【特許文献4】
特開平8−253824号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した各方法には、それぞれ以下の問題がある。
まず、特許文献1の方法は、廃トナーを単なる熱源として回収処理する方法であり、焼結鉱の生産性を改善する技術ではなく、加えて炭塵爆発の問題により、吹き込みを否定している。
また、廃トナーは焼結原料に予め均一に混合されているため、従来のように、焼結原料層の上層部が瞬間的に燃焼し、焼結原料層の上層部の熱源を確保できず、上層部の品質改善及び歩留り向上を図ることができない。
なお、廃トナーを焼結原料に均一に混合しているため、熱源であるコークス粉の節減を行うことはできるが、廃トナーが焼結原料中に埋没し、熱源を焼結原料層の上層部に有効に活用することができない。
従って、慢性的に生じる上層部の焼結鉱の品質改善ができず、焼結鉱全体の歩留りの低下や生産性が阻害される。
【0006】
また、特許文献2の方法では、焼結原料層の上層部の歩留りを高めるため、混合物中の炭材量を増加させたり、また混合物の吹き込み量を増加させることが考えられるが、いずれの場合も、炭材が燃焼した後に生じる灰分の増加を伴う。この灰分は、焼結原料中の隙間に侵入し、目詰まりを促進させるため、パレット内の焼結原料層の上方から下方へ吸引される空気の流れを妨害し、通気阻害の要因となる。
つまり、この方法では、焼結原料層の上層部の歩留り上昇と通気阻害の防止を共に満足することができず、通気性の阻害によって、焼結原料層全体の十分な焼結が阻害され、焼結鉱の品質低下や生産性の低下が生じる。
【0007】
特許文献3の方法では、焼結原料層の上に廃プラスチックを載置して、この廃プラスチックを点火炉で着火して燃焼させるため、焼結原料層の上に層状に載置した廃プラスチックが燃焼を完了するまでの間、焼結原料の上方から下方へかけての通気性が阻害される。このため、焼結原料層の十分な焼結が阻害され、焼結鉱の品質低下や生産性の低下が生じる。
しかも、焼結原料層の上層部に付与する熱を高めることができるが、焼結原料層の上層部が溶融して通気性が阻害されるため、この熱を積極的に活用して、焼結原料層の全体にわたって積極的に焼結鉱の主成分であるカルシウムフェライト(CaO・2Fe23 )の生成を図ることができず、焼結鉱の品質を改善することができない。
即ち、焼結原料層の上層部への熱の付与を、上層部に予め廃プラスチックを上置きして行った場合、下方吸引流に随伴させ、焼結原料層の表層から下層(表層から約200mmまで)にかけて、積極的に熱源を供給しながら燃焼させることができず、焼結原料層の全体に渡って、その品質を改善することができない。
【0008】
特許文献4の方法では、点火炉の領域において、焼結原料層の上層部に付与する熱量を高めることができるが、点火炉を通過した後の熱保障がなく、上層部に十分な熱を付与することができない。
このため、積極的にカルシウムフェライトの生成を図ることができず、焼結鉱の品質を改善することができない。
上記したように、いずれの方法においても、熱不足に伴う焼結原料層の上層部の焼結不良が生じ、焼結鉱の全体の歩留りが低下して、生産性が阻害される。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、焼結原料層の上層部の熱源を確保し、焼結鉱の全体の歩留り向上、及び生産性の向上を図ることが可能な発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法は、熱可塑性樹脂に、該熱可塑性樹脂の発火性を抑制する粉体を混合した混合物を、焼結原料層の表層に吹き付ける発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法であって、
石灰含有物質及び酸化鉄粉のいずれか一方又は双方を有する前記粉体と前記熱可塑性樹脂とを混合してなる前記混合物を、焼結機のパレットに装入された前記焼結原料層の点火炉の下流側の表層に、前記パレットの上方から下方に吸引される気体に混合して吹き付けて燃焼させ、前記焼結原料層の表層部への熱付与を行う
ここで、熱可塑性樹脂とは、可燃性が高く、爆発的な燃焼を招くものであり、燃焼してガス化するため、燃焼後の灰分などの残存物が、従来使用されているコークス粉、炭材等と比較して少ないものである。
また、熱可塑性樹脂の発火性を抑制する粉体としては、例えば非燃焼性の生石灰(CaO)等を使用できる。
そして、焼結原料とは、高炉に装入する原料であり、鉄鉱石粉、酸化鉄(ダスト)、生石灰、及びコークスを主成分とするものである。
【0010】
このように、熱可塑性樹脂を焼結原料層の表層に吹き付けることにより、焼結原料層の表層部での迅速な燃焼を進行でき、表層部への熱の付与を促進することができる。
また、吹き付けられた熱可塑性樹脂は、焼結原料層の表層部(例えば、焼結原料層の表面側1/3程度、すなわち表層から200mmまで)の粒子の間に侵入しながら燃焼し、この熱を焼結原料に付与することができる。
そして、熱可塑性樹脂は燃焼してガス化し、燃焼排ガスと共に焼結原料層を通過するので、焼結原料層中の隙間の目詰まりを抑制して通気性を阻害せず、通気性が良好な状態を維持でき、焼結鉱の生産性をより高めることができる。
更に、熱可塑性樹脂は可燃性が高く、爆発的な燃焼を招くため、この熱可塑性樹脂に熱可塑性樹脂の発火性を抑制する粉体、例えば生石灰などの非燃焼性の物質を混合することにより、熱可塑性樹脂が微粉であっても粉塵爆発を抑制、更には防止することができる。
【0011】
ここで、石灰含有物質としては、例えば、生石灰、炭酸カルシウム(CaCO3)等を使用できる。
また、酸化鉄粉としては、例えば、鉄鉱石粉、ダスト(集塵ダスト)、スラジ等の鉄分を含むものを使用できる。
【0012】
これにより、焼結原料層の表層に吹き付けた熱可塑性樹脂を、下方側に吸引される例えば空気(又は一部循環排ガスを含む)等の気体に随伴させることができるので、焼結原料層の表層部での迅速な燃焼を進行でき、表層部への熱の付与を促進することができる。
また、吹き付けられた熱可塑性樹脂は、焼結原料層の表層部の粒子の間に侵入しながら、焼結原料層中に速やかに吸引される気体、例えば空気中の酸素と反応して燃焼し、この熱を焼結原料に付与することができる。
そして、熱可塑性樹脂は可燃性が高く、爆発的な燃焼を招くため、この熱可塑性樹脂に、石灰含有物質及び酸化鉄粉のいずれか一方又は双方を有し、熱可塑性樹脂の発火性を抑制する粉体を混合することにより、熱可塑性樹脂が微粉であっても粉塵爆発を抑制することができ、しかも焼結原料の表層部に積極的に熱を付与でき、焼結される表層部の焼結鉱を反応性の良好なカルシウムフェライトにすることができ、表層部の品質を改善することができる。
なお、粉体に石灰含有物質及び酸化鉄粉を使用した場合は、この石灰含有物質と酸化鉄粉とが反応して、焼結鉱の表層部に反応性の良好なカルシウムフェライトを生成できる。また、粉体に石灰含有物質を使用した場合は、この石灰含有物質が焼結原料中の鉄鉱石粉、酸化鉄等と反応して、カルシウムフェライトを生成できる。そして、粉体に酸化鉄粉を使用した場合は、この酸化鉄粉が焼結原料中の生石灰等と反応して、カルシウムフェライトを生成できる。
【0013】
前記目的に沿う第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法は、第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記粉体に前記石灰含有物質が含まれる場合、前記熱可塑性樹脂と前記石灰含有物質とを予め混合する。
このように、熱可塑性樹脂に予め石灰含有物質を混合しておくことで、熱可塑性樹脂が微粉であっても粉塵爆発を抑制することができる。
前記目的に沿う第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法は、第1、第2の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記混合物を、前記焼結原料層の表層に上方から吹き付けられる気体に混合し、この気体と共に前記混合物を前記焼結原料層の表層に吹き付ける。
このように、例えば空気等の気体と共に混合物を、パレットの上方から焼結原料層の表層に吹き付けるので、例えば、焼結原料層の表層全体に渡って略均一に吹き付けることができる。
【0014】
前記目的に沿う第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法は、第1〜第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記混合物中の前記粉体の配合量が60質量%以上である。
このように、混合物中の粉体の配合量を60質量%以上にすることで、発火性を備えた熱可塑性樹脂の粉塵爆発の危険性を低減できる。
このため、粉塵爆発の危険性を低減、更に防止するためには、混合物中の配合量を63質量%以上、更には65質量%以上にすることが好ましい。
なお、上限値については規定していないが、熱可塑性樹脂の配合量を考慮すれば、混合物中の粉体の配合量を99質量%以下、更には90質量%以下とすることが好ましい。
【0015】
前記目的に沿う第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法は、第1〜第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記混合物には、更にコークス粉が添加されている。
このように、混合物に更にコークス粉を添加することで、熱可塑性樹脂による熱不足を補うことができるので、焼結原料層の表層部での迅速な燃焼を進行でき、表層部にカルシウムフェライトを安定して形成し、表層部の焼結鉱の品質をより向上することができる。
【0016】
前記目的に沿う第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法は、第1〜第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記混合物に含まれる前記熱可塑性樹脂の含有量が1〜40質量%である。
このように、混合物に含まれる熱可塑性樹脂の含有量を1〜40質量%に設定するので、熱可塑性樹脂の点火による焼結原料層の表層部の焼結の改善効果を高めることができると共に、熱可塑性樹脂に起因する粉塵爆発の危険性を低減できる。
ここで、混合物に含まれる熱可塑性樹脂の含有量が1質量%未満では、熱可塑性樹脂の点火による焼結原料の表層部の焼結の改善効果が小さく、焼成する焼結鉱の品質を向上することができない。一方、40質量%を超えると、混合物の熱可塑性樹脂の粒子に起因する粉塵爆発の危険性が高くなり、安全性を阻害し、しかも焼結鉱の品質の更なる向上も望めず、過剰に添加する効果が得られない。
従って、焼結鉱の品質を向上させ、粉塵爆発の危険性を低減して安全性を確保し、しかも熱可塑性樹脂の効果を有効に得るためには、混合物に含まれる熱可塑性樹脂の含有量を5〜37質量%、更には5〜35質量%とすることが好ましい。
【0017】
前記目的に沿う第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法は、第1〜第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記混合物を、前記焼結原料層の上方に配置された分散板を介して、前記焼結原料層の表層に吹き付ける。
このように、焼結原料層の表層に対する混合物の吹き付けを、焼結原料層の上方に配置された分散板を介して行うので、混合物を焼結原料層の表層全体に渡って略均一に吹き付けることができる。
【0018】
前記目的に沿う第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法は、第1〜第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記熱可塑性樹脂の粒子直径が1mm以下である。
このように、熱可塑性樹脂の粒子直径を1mm以下にすることで、粉体との混合を均一に行うことができ、しかも焼結原料層の表層への吹き付けを容易に行うと共に、焼結原料層の上層内部への侵入も良好にできる。
従って、粉体との混合を更に均一に行い、しかも焼結原料層の表層への吹き付けを更に容易に行うと共に、焼結原料層内部への移動をより良好に行うためには、熱可塑性樹脂の粒子直径を0.5mm以下、更には0.2mm以下にすることが好ましい。
【0019】
前記目的に沿う第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法は、第1〜第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記熱可塑性樹脂は廃トナーである。
この廃トナーは、揮発性が高く、かつスラグ成分の少ないものであり、廃トナーとしては、例えば電子写真法による複写機やプリンターで使用した後のカートリッジに装入されたもの、また、トナーの製造工場で品質基準を満足できず不良品として取り扱われたもの等があり、熱可塑性樹脂を例えば1質量%以上100質量%未満含んだものを使用できる。
なお、廃トナーは、通常、鉄粉と樹脂とからなるもの、また樹脂が主成分(例えば、80質量%以上)となったもの等がある。ここで、使用後のカートリッジに装入された廃トナーは、例えば0.2mm以下の粒径を備え、工場で不良品として取り扱われた廃トナーは、例えば1mm以下の粒径を備えている。
これにより、廃棄処理費用を削減して、廃棄物を有効な熱源として活用することができ、しかもリサイクル品の単なる使用にとどまらず、焼結鉱の生産性も向上することができる。
【0020】
前記目的に沿う第10の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法は、第1〜第の発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記混合物の吹き込み量を、前記焼結原料層を焼成して得られる焼結鉱1トン当たり0.1〜2.0kgに設定する。
このように、混合物の吹き込み量を、焼結原料層を焼成して得られる焼結鉱1トン当たり0.1〜2.0kgに設定するので、吹き込みによる表層部の焼結鉱の品質改善効果を向上させることができると共に、焼結原料層の通気性を良好にし、焼結鉱の品質、及び生産性を高めることができる。
ここで、混合物の吹き込み量が0.1kg未満の場合、吹き込みによる表層部の焼結鉱の品質改善効果が減少する。また、混合物に熱可塑性樹脂を配合することで、吹き込み量を2.0kgまで増加させることができるが、2.0kgを超えることで、焼結原料層の通気性が急激に悪くなり、焼結鉱の品質、及び生産性が低下する。
従って、吹き込みによる表層部の焼結鉱の品質改善効果を向上させ、しかも焼結原料層の通気性を良好にし、焼結鉱の品質、及び生産性を高めるためには、混合物の吹き込み量を、焼結原料層を焼成して得られる焼結鉱1トン当たり0.3〜1.8kg、更には0.5〜1.5kgとすることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法の全体の説明図、図2は不活性粉塵の混入による爆発圧力及び爆発圧力上昇速度に対する粉塵の成分比の影響を示す説明図、図3は本発明の一実施の形態に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法の焼結機部分の説明図、図4は同焼結鉱の製造方法で使用される焼結機の説明図、図5は実施例に係る焼結生産性と廃トナーの吹き込み割合との関係を示す説明図である。
【0022】
図1〜図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法は、高炉(図示しない)に装入するための焼結鉱を製造する方法であり、熱可塑性樹脂(以下、単に樹脂とも言う)を有する廃トナーに、生石灰(石灰含有物質の一例)及び酸化鉄粉を有する粉体とコークス粉(粉コークス)とを添加し混合した混合物10を、例えば厚みが600mmの焼結原料層11の表層に吹き付け、焼結原料層11の厚みの1/3程度(好ましくは1/6程度)の表層部(上層部)に熱を供給し、表層部の品質を改善して、焼結鉱の全体の歩留り向上、及び生産性の向上を図る方法である。以下、詳しく説明する。
【0023】
まず、図1に示すように、収集された廃トナーと、生石灰(CaO)をそれぞれ貯蔵ホッパー(図示しない)から切り出して混合機(ミキサー)12に装入する。
この廃トナーの樹脂の配合量は、混合物10に含有される樹脂の含有量が1〜40質量%の範囲となるように調整する。また、混合物10中の生石灰、酸化鉄粉及びコークス粉の配合量は60質量%以上となるように調整する。ここで、コークス粉を添加しない場合、残量は、混合物10中の樹脂の配合量に応じて、例えば混合物10中の生石灰及び酸化鉄粉の配合量が60質量%以上となるように(生石灰及び酸化鉄粉のいずれか一方を混合する場合は、混合したものの配合量が60質量%以上となるように)調整することもできる。なお、生石灰及び酸化鉄粉が、樹脂の発火性を抑制する粉体となる。
【0024】
この混合物10により、焼結原料層11の表層部に積極的にカルシウムフェライト(CaO・2Fe23 )を形成するには、酸化鉄中に含まれる鉄分の濃度に基づいて、生石灰と酸化鉄の配合比(モル比)が3:1〜2:1になるように調整して混合することが好ましい。このカルシウムフェライトは、強度が高く、還元反応性が良好であり、気孔が多いため、焼結鉱の表層部の品質を更に改善できる。
ここで、混合物10に含有させる樹脂の含有量を40質量%以下にしたのは、図2に示す不活性粉塵(CaCO3 )の混入による爆発圧力及び爆発圧力上昇速度に対する粉塵(スターチ)の成分比(配合比)の影響を考慮したためであり、混合物10中での廃トナーの分離を避けるべく、廃トナーと不活性原料である生石灰とを事前混合し、炭塵爆発を防止している。
【0025】
また、表層部への熱供給にコークス粉を使用する場合、混合物10中のコークス粉の配合量を1〜30質量%にすることで、樹脂による熱不足を補うことができる。このとき、コークス粉の添加量が30質量%を超える場合、コークス粉の燃焼後に発生する灰分が焼結原料層11の通気性を阻害し、焼結鉱の生産性を逆に低下させる。
従って、樹脂による熱不足を補うと共に、焼結原料層11の通気性を確保するためには、混合物10中のコークス粉の添加量を3〜25質量%、更には5〜20質量%とすることが好ましい。
なお、表層部への熱供給を、樹脂によって十分に行うことができる場合は、コークス粉を使用しない混合物を用いることも可能である。
【0026】
廃トナーは、電子写真法による複写機やプリンターで使用した後のカートリッジに装入され廃棄されたもの、また、トナーの製造工場で品質基準を満足できず不良品として取り扱われたものであり、例えば特開2001−3063号公報に記載されている樹脂に鉄粉を添加した廃トナーAと、樹脂を主成分とする廃トナーBとの2種類がある。ここで、表1に、廃トナーAと廃トナーBの成分、物性、製造比率を示す。
【0027】
【表1】
Figure 0004142987
【0028】
表1から明らかなように、市場の70〜80%を占める廃トナーAの成分は、磁性を与えるための40〜50質量%の鉄粉と、50〜60質量%の樹脂からなる。なお、より具体的には、スチレンアクリル樹脂35質量%、ポリエステル樹脂17質量%、ポリオレフィン3質量%、鉄粉(マグネタイト)44質量%、染料(青色)1質量%とからなり、主に一成分現像法の黒色トナーとして用いられているものである。
また、廃トナーBの成分は、90質量%の樹脂と顔料を有し、主に二成分現像法のカラートナーとして用いられているものである。
また、廃トナーAと廃トナーBの物性を比較すると、比重は廃トナーAが鉄分を含むため廃トナーBよりも僅かに大きく、融点は廃トナーA、廃トナーBいずれも等しく、また水溶性は廃トナーA、廃トナーB共に殆ど無いことが分かった。そして、廃トナーA、廃トナーBの性状は、いずれも粒子直径が数〜十数μmの超微粒子である。なお、熱可塑性樹脂の粒子直径は、1mm以下のものまで使用できる。
【0029】
次に、図1に示すように、廃トナーと生石灰とを、混合機12内に水分を添加しながら、廃トナーと生石灰とを極力造粒又は混合させ、この一次混合物13を搬送車(図示しない)で搬送し、一次混合物用貯蔵ホッパー14に一旦貯蔵する。このように、廃トナーと生石灰とを予め混合しておく。
この一次混合物用貯蔵ホッパー14の両側には、酸化鉄(含鉄ダスト)用貯蔵ホッパー15、粉コークス用貯蔵ホッパー16がそれぞれ設けられ、酸化鉄粉17、コークス粉18がそれぞれ貯蔵されている。
そして、稼働するベルトコンベア(図示しない)上に一次混合物13を切り出し、又はコークス粉18を切り出してからこの上に一次混合物13を切り出し、更にこの上に酸化鉄粉17を切り出す。このように、ベルトコンベアの流れに沿って、一次混合物13をサンドイッチ状に挟み込んだ状態で、一次混合物13の表層を覆うように順次積層する。
ここで、一次混合物13、酸化鉄粉17、及びコークス粉18の各切り出し量は、前記した配合量に応じて行われる。
【0030】
ベルトコンベア上で層状となったこの二次混合物を、トラック19の荷台(トラックホッパー)20に設けられた区切られた3つの部屋21〜23(2又は4以上でもよい)にそれぞれ積み込み、順次積層する。このトラック19で、二次混合物を貯留槽24まで搬送し、各部屋21〜23から貯留槽24に二次混合物を貯留する。
一方、図1、図3に示すように、焼結機25の複数のパレット26には、鉄鉱石粉、酸化鉄(ダスト)、生石灰、及びコークス粉を、一次ミキサー27及び二次ミキサー28を用いて造粒した焼結原料29が、ベルトコンベア30及び装入ドラムフィーダ31を介して、厚み600mm程度に充填されている。なお、パレット26の床部には火格子(グレートバー)が設けられ、この火格子の上に床敷を介して焼結原料29が装入され、焼結原料層11が形成されており、パレット26の下方に設けられた吸引ダクト32を介して、パレット26上方から下方へかけて空気(気体の一例)が吸引されている。
【0031】
各パレット26に充填された焼結原料層11の表層は、装入ドラムフィーダ31の下流側に配置された点火炉33によって着火される。この点火炉33の下流側直後には、図3、図4に示すように、混合物10の吹き付け部34が設けられ、貯留槽24から吹き付け部34へ切り出し圧送された混合物10が、着火された焼結原料層11の表層に、パレット26の上方から下方側に吸引ダクト32を介して吸引される空気に混合して吹き付けられている。
この吹き付け部34は、パレット26の上方を覆い、一方側から混合物10を噴出するカバー部35、パレット26の上方のカバー部35に設けられ、吹き込まれた混合物10を焼結原料層11の表層側へ誘導する3枚の分散板36〜38(2又は4以上でもよい)とを有している。なお、各分散板36〜38は、その長さ、形状、パレット26に対する傾斜角度等(α、β、γ)を、その配置位置に応じてそれぞれ変え(例えば、上流側から下流側へかけて各分散板36〜38の長さを長くし、傾斜角度をα<β<γに調整する)、混合物10を、パレット26に充填された焼結原料層11の表層の幅方向にわたって、略均等に吹き付けることが可能な構成となっている。
ここで、混合物10を吸引ダクト32で吸引される空気に混合することなく、混合物10を、例えばカバー部の上部に別に設けた空気噴出口から噴出される空気(気体の一例)に混合し、空気と共に混合物10を焼結原料層11の表層に、パレット26の上方から吹き付けることも可能である。
【0032】
混合物10の吹き込み量は、焼結原料層11を焼成して得られる焼結鉱1トン当たり0.1〜2.0kgに設定されている。例えば、3m/secの速度で移動するパレット26の上方から下方に吸引される空気1050m3/hrに対して、混合物10を510kg/m3混入させる。
これにより、焼結原料29中に配合した燃料である表層部のコークス粉が、点火炉33で着火されて燃焼を開始し、吹き付けられる混合物10によって焼結原料層11の表層部の熱不足を解消して、パレット26の上方から下方側に吸引される空気の流れに従い、順次上層部から中層、更に下層へと燃焼領域を移動させながら、パレット26中の焼結原料29の焼結を完了させる。
従って、焼結原料層11の表層部では、最表層に吹き付けられた廃トナーが燃焼し、熱を付与した後ガス化して消化し、焼結原料層11の目詰まりが抑制され、更に、廃トナーが、表層部の下層側へ、順次侵入と燃焼、気化を繰り返しながら表層部への熱付与を行う。これにより、相反する目詰まりを抑制した操業が可能になる。また、廃トナーと粉コークスを併用することで、付与熱量を向上させ、しかも粉コークスによる灰分に起因する目詰まりを、廃トナーの消化作用によって抑制することができ、従来問題となっていた熱不足を解消し、良好な品質を備えた焼結鉱を焼成でき、焼結鉱の全体の歩留りを従来よりも向上させ、生産性も向上できる。
【0033】
【実施例】
本発明に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法を適用し、試験を行った結果について説明する。
図5に、焼結鉱1トン当たりの吹き込み量を、最適値である0.85kgに設定し、廃トナー(表1の廃トナーBを使用)及び粉コークスの吹き込み割合を変化させ、焼結生産性(歩留り)を検討した結果を示す。なお、混合物中の生石灰量を10質量%に設定し、残部を焼結ダスト(酸化鉄30〜40質量%含む)で調整している。
図5から明らかなように、廃トナーの配合量(吹き込み割合)は、安全性を考慮した粉塵の配合量である35質量%程度まで、焼結生産性の上昇が顕著である。これは、廃トナーが燃焼した場合、ガス化して、焼結原料層中の隙間に目詰まりを生じさせず、通気性を良好な状態で維持し、しかも廃トナーが焼結原料層の表層部の粒子の間に侵入しながら燃焼し、この熱を焼結原料に付与できるためである。
一方、粉コークスを使用した場合、配合量が30質量%を超えると、大幅な生産性低下を引き起こす。これは、粉コークスが燃焼した場合、灰分が発生して、焼結原料層中の隙間に目詰まりを生じるためである。
【0034】
また、粉コークス及び廃トナーの吹き込み量、及び廃トナーの配合量を変化させ、焼結生産性を検討した結果を表2に示す。なお、混合物中の焼結ダストと生石灰の配合量は、焼結ダスト中の30〜40質量%の酸化鉄(Fe23 )と生石灰とで、カルシウムフェライトを形成させるため、生石灰及び酸化鉄の配合比が2:1程度の配合割合になるように調整されている。
【0035】
【表2】
Figure 0004142987
【0036】
表2から明らかなように、粉コークスを使用した比較例1、2では、吹き込み量を0.85(kg/トン)から1.0(kg/トン)まで増加させることで、焼結生産性が1.1%から−0.5%へと極端に低下し、粉コークスを添加しない場合よりも悪い結果を招いた。
一方、廃トナーの配合量を30質量%に設定し、吹き込み量を変化させた実施例1〜3においては、吹き込み量を0.85(kg/トン)から1.8(kg/トン)まで増加させることで、焼結生産性が2.2%から0.5%へと低下するが、廃トナーを添加しない場合よりも良好な結果が得られた。
また、廃トナーの配合量を、粉塵の爆発限界である40質量%に設定し、吹き込み量を変化させた実施例4、5においては、吹き込み量が0.85(kg/トン)、1.0(kg/トン)のいずれにおいても、焼結生産性が1.7%、1.5%となり、粉コークスを使用した場合よりも、良好な結果が得られた。
以上のことから、廃トナーを使用することで、上層部の焼結原料層を十分に燃焼させることができ、焼結鉱の全体の歩留り向上、及び生産性の向上を図ることができることを確認できた。
【0037】
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
【0038】
また、前記実施の形態においては、焼結原料層の上層部への熱付与に、熱可塑性樹脂を含む廃トナーを使用した場合について説明したが、熱可塑性樹脂であれば、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、及びポリ塩化ビニル等の1又は2以上を備えた廃棄物などを使用することも可能である。
そして、前記実施の形態においては、廃トナーに混合する粉体として、石灰含有物質である生石灰及び酸化鉄粉を有する粉体を使用した場合について説明したが、廃トナーの発火性を抑制できればよいため、粉体として、その他の石灰含有物質、又はミルスケール等その他の酸化鉄粉を使用することも可能である。
【0039】
【発明の効果】
請求項1〜10記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法においては、焼結原料層の表層部での迅速な燃焼を進行でき、表層部への熱の付与を促進することができる。また、熱可塑性樹脂は、焼結原料層の表層部の粒子の間に侵入しながら燃焼し、この熱を焼結原料に付与することができる。そして、熱可塑性樹脂は燃焼してガス化し、燃焼排ガスと共に焼結原料層を通過するので、焼結原料層中の隙間の目詰まりを抑制して通気性を阻害せず、通気性が良好な状態を維持できる。
これにより、従来熱が不足していた焼結原料層の上層部に熱を付与できるので、上層部の焼結原料層を十分に燃焼させることができ、焼結鉱の全体の歩留り向上、及び生産性の向上を図ることができる。
また、熱可塑性樹脂に例えば生石灰などの非燃焼性の物質を有する粉体を混合することにより、粉塵の発生の抑制、粉塵爆発等の安全上の問題を解消することができ、良好な作業環境の確保や、熱可塑性樹脂の安全使用を実現することができる。
【0040】
また、下方側に吸引される気体例えば空気に随伴させて、焼結原料層の表層部での迅速な燃焼を進行でき、表層部への熱の付与を促進することができるので、焼結鉱の全体の歩留りを更に向上させ、生産性も更に向上させることができる。
また、熱可塑性樹脂に、石灰含有物質及び酸化鉄粉のいずれか一方又は双方を有する粉体を混合することにより、粉塵の発生の抑制、更には防止、粉塵爆発等の安全上の問題を解消することができ、良好な作業環境の確保や、熱可塑性樹脂の安全使用を実現することができる。
請求項記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法においては、熱可塑性樹脂に予め石灰含有物質を混合しておくので、熱可塑性樹脂の粉塵爆発を抑制することができ、混合作業を安全に実施できる。
【0041】
請求項記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法においては、例えば空気等の気体と共に混合物を、パレットの上方から焼結原料層の表層に吹き付けるので、例えば、焼結原料層の表層全体に渡って略均一に吹き付けることができ、略均一な品質を備える焼結鉱を焼成できる。
請求項記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法においては、混合物中の粉体の配合量を設定するので、熱可塑性樹脂の粉塵爆発の危険性を低減でき、作業を安全に実施できる。
請求項記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法においては、添加されたコークス粉により、熱可塑性樹脂による熱不足を補うことができるので、焼結原料層の表層部での迅速な燃焼を進行でき、十分に燃焼させることができる。
【0042】
請求項記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法においては、混合物に含まれる熱可塑性樹脂の含有量を設定するので、焼結原料層の表層部の焼結の改善効果を高めることができ、焼結鉱の全体の歩留り向上、及び生産性の向上を図ることができる。また、熱可塑性樹脂に起因する粉塵爆発の危険性を低減できるので、安全上の問題を解消できる。
請求項記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法においては、混合物を焼結原料層の表層全体に渡って略均一に吹き付けることができ、略均一な品質を備える焼結鉱を焼成できる。
【0043】
請求項記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法においては、熱可塑性樹脂の粒子直径を設定することで、粉体との混合を均一に行うことができ、しかも焼結原料層の表層への吹き付けを容易に行うと共に、焼結原料層内部への移動も良好にできるので、更に品質を高めた焼結鉱を焼成できる。
請求項記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法においては、廃棄処理費用を削減して、廃棄物を有効な熱源として活用することができ、焼結鉱の製造時の熱源を節減することができる。また、リサイクル品の単なる使用にとどまらず、焼結鉱の生産性を向上することができ、リサイクル品のより一層の循環形態を形成できることになる。そして、処理が簡単であるので、総合処理コストの低減と焼結鉱の製造コストを低減することができる。
請求項10記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法においては、混合物の吹き込み量を設定するので、吹き込みによる表層部の焼結鉱の品質改善効果を向上させることができると共に、焼結原料層の通気性を良好にし、カルシウムフェライト等による焼結鉱の品質、及び焼結鉱の歩留りを向上して、生産性を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法の全体の説明図である。
【図2】不活性粉塵の混入による爆発圧力及び爆発圧力上昇速度に対する粉塵の成分比の影響を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法の焼結機部分の説明図である。
【図4】同焼結鉱の製造方法で使用される焼結機の説明図である。
【図5】実施例に係る焼結生産性と廃トナーの吹き込み割合との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10:混合物、11:焼結原料層、12:混合機、13:一次混合物、14:一次混合物用貯蔵ホッパー、15:酸化鉄用貯蔵ホッパー、16:粉コークス用貯蔵ホッパー、17:酸化鉄粉、18:コークス粉、19:トラック、20:荷台、21〜23:部屋、24:貯留槽、25:焼結機、26:パレット、27:一次ミキサー、28:二次ミキサー、29:焼結原料、30:ベルトコンベア、31:装入ドラムフィーダ、32:吸引ダクト、33:点火炉、34:吹き付け部、35:カバー部、36〜38:分散板

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂に、該熱可塑性樹脂の発火性を抑制する粉体を混合した混合物を、焼結原料層の表層に吹き付ける発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法であって、
    石灰含有物質及び酸化鉄粉のいずれか一方又は双方を有する前記粉体と前記熱可塑性樹脂とを混合してなる前記混合物を、焼結機のパレットに装入された前記焼結原料層の点火炉の下流側の表層に、前記パレットの上方から下方に吸引される気体に混合して吹き付けて燃焼させ、前記焼結原料層の表層部への熱付与を行うことを特徴とする発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法。
  2. 請求項記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記粉体に前記石灰含有物質が含まれる場合、前記熱可塑性樹脂と前記石灰含有物質とを予め混合することを特徴とする発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記混合物を、前記焼結原料層の表層に上方から吹き付けられる気体に混合し、この気体と共に前記混合物を前記焼結原料層の表層に吹き付けることを特徴とする発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記混合物中の前記粉体の配合量が60質量%以上であることを特徴とする発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記混合物には、更にコークス粉が添加されていることを特徴とする発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記混合物に含まれる前記熱可塑性樹脂の含有量が1〜40質量%であることを特徴とする発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記混合物を、前記焼結原料層の上方に配置された分散板を介して、前記焼結原料層の表層に吹き付けることを特徴とする発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記熱可塑性樹脂の粒子直径が1mm以下であることを特徴とする発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記熱可塑性樹脂は廃トナーであることを特徴とする発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法において、前記混合物の吹き込み量を、前記焼結原料層を焼成して得られる焼結鉱1トン当たり0.1〜2.0kgに設定することを特徴とする発熱源を含有した粒子を用いた焼結鉱の製造方法。
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