JP3738113B2 - 免震構造物の地震感知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、耐風装置を兼ね備えた免震構造物に対して用いられる地震感知装置に関し、特に、電気的な手段を全く用いることなく純機械的な手段によって停電時にあっても免震装置の効果的な作用を可能とする地震感知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、地震の際の揺れを吸収する免震構造物は、横風を受けたときの揺れ抗力が低くなって構造物が動き易くなることから、例えば、免震構造物が一般住宅のように比較的小型の構造物であった場合に、強風下で構造物が揺れ動いて中に居る人に不安を与えたり、或いは、什器類が転倒または落下してそれらを傷めたりする恐れがある。
【0003】
そこで、このような小型の免震構造物にあっては、地盤と免震構造物との間に水平方向へと向けて耐風装置用のシリンダ装置を介装し、通常時には、当該シリンダ装置をロック状態に保って強風による免震構造物の揺れを抑えると共に、地震の発生時には、シリンダ装置をロック解除の状態に切り換えて免震作用を可能としつつ免震構造物の揺れを抑えるようにすることが好ましい。
【0004】
このような観点から、例えば、平成1年特許出願公開第247665号公報にみられるようなシリンダ装置と地震感知器とからなる耐風装置を兼ね備えた免震構造物が提案されている。
【0005】
すなわち、上記の提案では、地震の発生に伴って転倒する錘りを用いて地震感知器とし、この錘りが転倒するときの力で切換弁を閉じ側から開き側へと切り換え、通常時にロック状態を保って強風による免震構造物の揺れを抑えている耐風装置用のシリンダ装置をロック解除の状態に切り換えて、強風による住宅の揺れ防止と地震の発生に伴う免震作用の両方を図るという手段を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したように、この提案のものでは、地震の発生に伴って転倒する錘りを用い地震感知器とし、しかも、この錘りを直に切換弁へと結んで錘りが転倒するときの動きにより切換弁を閉じ側から開き側へと切り換え、当該切換弁の切換動作に伴いロック状態にある耐風装置用のシリンダ装置のロックを解除して免震装置を働かせるようにしている。
【0007】
そのために、錘りの転倒力で確実に切換弁を切換動作させるには、重量的に重い大型の錘りを用いるか或いは質量の大きい特殊の材料で作った錘りを用いてやらなければならなず、何れにしてもコスト高となって一般住宅のような小規模の免震構造物にはコストの面で不利となり、直ちには適用し難いという問題点を有する。
【0008】
したがって、この発明の目的は、錘り式の地震感知器でありながら比較的小型で軽量の錘りを用い、当該錘りで確実に切換弁を閉じ側から開き側へと切り換えて、耐風装置用のシリンダ装置のロック解除を行うことのできる小規模の免震構造物への使用に適する地震感知装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明の手段は、 地盤上に水平方向へと移動可能に支持した免震構造物が強風によって揺れ動くのを防止するために、地盤と免震構造物との間に常閉の切換弁を通して両側の作動室を結んだシリンダ装置を水平方向に向けて介装し、地震の発生を地震感知器で検知して上記シリンダ装置の切換弁を開き側へと切り換えることにより、シリンダ装置のロックを解除して免震作用を行う耐風装置を兼ね備えた免震構造物において、上記シリンダ装置は一方の作動室を上記切換弁を介して接続したリザーバと、上記一方の作動室とリザーバ間において上記切換弁と直列に設けたロジック弁と、同じく上記切換弁と上記ロジック弁に対して並列に設けた減衰弁とを有し、上記地震感知器はケースと、ケースに対して転倒可能に立設した錘りと、ケース内に移動自在に挿入されると共に常時一方向に附勢されている作動体と、作動体の外周に形成したラチェット歯と、ラチェット歯に係合し且つ上記錘りと連動して当該錘りの転倒動作時に外れるラチェット爪と、作動体と上記切換弁とを機械的に連繋する連結具とで構成したことを特徴とするものである
【0010】
すなわち、上記のように構成することにより、地震の発生を検知して錘りが転倒すると、この錘りの転倒によりラチェット爪が動作して作動体のラチェット歯から外れる。
【0011】
これにより、それまでラチェット爪によりラチェット歯を通して付勢力を抑えられていた作動体の係止が解かれ、作動体が当該付勢力によってケースに沿い一方向へと向って移動する。
【0012】
この作動体の一方向への移動は、それと連繋する耐風装置用のシリンダ装置の切換弁へと伝わり、当該切換弁を開き側に切り換えてシリンダ装置のロックを解除する。
【0013】
このようにして、地震の発生を錘りの転倒で感知すると共に、作動体に加わっている付勢力を利用して切換弁を閉じ側に切り換え、耐風装置用のシリンダ装置のロックを解除して免震装置を作用状態に保持しつつ、地震の発生時に免震構造物が揺れ動くのを免震装置によって吸収する。
【0014】
そして、地震が収まったならば、その時点で作動体をラチェット歯でラチェット爪を押し退けながら元の位置まで戻し、かつ、錘りを立てることによりこれら錘りと作動体をリセットして強風の発生と次の地震の発生とに備る。
【0015】
なお、上記において、好ましくは、地震感知器を作動体の作動軸線が切換弁の切換軸線と一直線に並ぶようにしてシリンダ装置に取り付け、かつ、操作ロッドを通して作動体を直に切換弁に連繋してやる。
【0016】
これにより、作動体の動きが直に効率よく切換弁に伝わってそれを切換動作し得ることから、耐風装置用のシリンダ装置のロック解除とロック操作を効率よく安定して行うことが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付した図面に基いて説明する。
本発明の一実施の形態に係る地震感知装置は、図1乃至図4に示すように、 地盤4上に水平方向へと移動可能に支持した免震構造物たる住宅2が強風によって揺れ動くのを防止するために、地盤4と免震構造物との間に常閉の切換弁15を通して両側の作動室13,14を結んだシリンダ装置11を水平方向に向けて介装し、地震の発生を地震感知器16で検知して上記シリンダ装置11の切換弁15を開き側へと切り換えることにより、シリンダ装置11のロックを解除して免震作用を行う耐風装置3を兼ね備えている。そして、上記シリンダ装置11は一方の作動室13を上記切換弁15を介して接続したリザーバ19と、上記一方の作動室13とリザーバ19間において上記切換弁15と直列に設けたロジック弁18と、同じく上記切換弁15と上記ロジック弁18に対して並列に設けた減衰弁20とを有し、上記地震感知器16はケース23と、ケース23に対して転倒可能に立設した錘り22と、ケース23内に移動自在に挿入されると共に常時一方向に附勢されている作動体31と、作動体31の外周に形成したラチェット歯33と、ラチェット歯33に係合し且つ上記錘り22と連動して当該錘り22の転倒動作時に外れるラチェット爪26と、作動体31と上記切換弁15とを機械的に連繋する連結具34とで構成したことを特徴とする。
この場合、図5の他の実施の形態に示すように、 地震感知器16を作動体31の作動軸線が切換弁15の切換軸線と一直線に並ぶようにしてシリンダ装置11に取り付け、かつ、連結具たる操作ロッド38を通して直に作動体31を切換弁15に連繋しても良い。
以下詳細に説明する。
図1では、免震構造物として免震装置1を備えた一般の住宅2を例にとり、当該図1免震住宅2に対して耐風装置3を設置した場合を概念図として示して説明するが、その他の小規模の免震構造物にもそのまま適用し得ることは勿論である。
【0018】
免震装置1は、地盤4上に縦横に配置した複数個の台座5と、これら台座5に対向して住宅2の下面に設置した同数の支持脚6(図1ではそれらの一部のみを示す)とで構成してある。
【0019】
この場合において、地盤4側に配置した各台座5は、上面を周辺部に向って登り勾配となる円錐状の凹部7として形成し、それによって、中心の部分が最も低くなるように作ってある。
【0020】
それに対して、住宅2の下面に設置した支持脚6の下端には、それぞれ大径のスチールボール8を支持脚6内の図示しない多数の小径スチールボールで支持して転動自在に設け、これらスチールボール8を各支持脚6の下面から突出して配設してある。
【0021】
そして、住宅2を各支持脚6のスチールボール8を通して地盤4側における台座5の凹部7上に載せ、通常の状態において、住宅2の重力でスチールボール8を凹部7の中心部分に位置させると共に、これらスチールボール8を転動させつつ住宅2を地盤4に対して横方向へとあらゆる向きに相対変位可能に移動し得るようにしている。
【0022】
また、特に図示はしないが、この場合において、住宅2と支持脚6の間に弾性材を介装し、住宅2を地盤4に対して上下方向へも相対変位可能に動き得るようにしている。
【0023】
一方、耐風装置3は、ピストンロッド9とシリンダ10を通して住宅2と地盤4との間に少なくとも二方向に向きを変えて水平に介装した複数本のシリンダ装置(図1では一本のみを示す)11と、通常時においてピストン12で区画したシリンダ10内の両側の作動室13,14の連通を遮断状態に保つ常閉の切換弁15と、当該切換弁15を切換動作する地震感知器16とで構成してある。
【0024】
図2の系統図と図3の構成図から分かるように、シリンダ装置11の両側の作動室13,14は、ピストン12に設けた作動室13側へと向って開くチェック弁17を通して連通している。
【0025】
しかも、これと併せて、作動室13をロジック弁18から切換弁15を通してリザーバ19へと連通すると共に、当該切換弁15でロジック弁18を切換制御しつつ作動室13をリザーバ19へと減衰弁20を通して連通し、かつ、リザーバ19を吸込弁21でシリンダ装置11の作動室14へと結んでいる。
【0026】
なお、この場合において、図3に示すように、リザーバ19をシリンダ10の外周に一体的に構成し、かつ、切換弁15とロジック弁18および減衰弁20と吸込弁21(図示省略)をそれぞれ配管で作動室13,14に結ぶことなく、これらをシリンダ10に組み込んで流路により結んでやることで配管の破損による作動不良を除去することができる。
【0027】
また、切換弁15を切換動作する地震感知器16は、図4に示すように、振動を受けて転倒する錘り22をケース23に取り付けた支持部材24で支持し、当該ケース23を介して地盤4上の適宜の個所即ち好ましくはできるだけシリンダ装置11に近い位置(図1参照)に設置される。
【0028】
支持部材24には、戻しばね25を有するラチェット爪26が軸27で揺動自在に取り付けてあり、このラチェット爪26が錘り22から延びる突出杆28の先端と戻しばね25で常に係合し、錘り22の転倒および起立に伴い突出杆28を介してラチェット爪26を揺動するようにしてある。
【0029】
さらに、ラチェット爪26と並設してケース23の内部には、ピン29と長溝30とからなる回り止め機構を施して作動体31を軸方向へと向い移動可能に配設してある。
【0030】
上記作動体31は、ケース23との間に介装したスプリング32で一方向へと常に付勢されており、しかも、外周面に設けたラチェット歯33と上記ラチェット爪26との係合によって所定の位置を保持し得るようにしてある。
【0031】
作動体31には、ワイヤなどからなる連結具34の一端が結合されており、この連結具34の他端を前記したシリンダ装置11の切換弁15における操作部分に連繋し、当該連結具34を通して切換弁15を作動体31で切換操作し得るようにして地震感知器16を構成したのである。
【0032】
次に、以上のようにして構成した耐風装置3を備える免震住宅2の作用について説明することにする。
【0033】
通常時にあっては、地震感知器16における作動体31をケース23内へとスプリング32を圧縮しつつ押し込み、ラチェット爪26とラチェット歯33との係合で作動体31がスプリング32で押し戻されないように保持すると共に、錘り22を正立状態にセットした状態に保っておく。
【0034】
これにより、地震感知器16の作動体31とシリンダ装置11の切換弁15とを結ぶ連結具34が弛み、この連結具34の弛みによって切換弁15は閉じ側の切換位置を保持している。
【0035】
ここで、今、免震住宅2が横風を受けて耐風装置3のシリンダ装置11を伸縮動作させながら動こうとしたとする。
【0036】
すると、シリンダ装置11は、このとき、圧縮方向に向いピストン12に配設したチェック弁17を開いて作動室14内の作動媒体(不凍液や油等)を作動室13へと押し出しつつ、かつ、ピストンロッド9の浸入によって余剰となった作動室13内の作動媒体をロジック弁18から切換弁15を通してリザーバ19へと流そうとする。
【0037】
また、伸張方向に対しては、吸込弁21を開いてリザーバ19内にある作動媒体を作動室14へと吸い込みながら、作動室13内の作動媒体を上記圧縮動作時と同様にロジック弁18から切換弁15を通してリザーバ19へと流そうとするが、これら何れの場合にあっても、切換弁15が上記したよう閉じ側の切換位置を保持しているために上記作動媒体の流れは生じない。
【0038】
そのために、ロジック弁18は開くことなく閉じたままの状態を保ち、減衰弁20を通る流路をも遮断してシリンダ装置11をロック状態に保持し、このようにして、免震住宅2が横風を受けて動こうとするのをシリンダ装置11で抑えて防止する。
【0039】
それに対して、地震が発生した場合には、地盤4の横揺れに伴って地震感知器16も揺れ、当該揺れによってそれまで自立していた錘り22が転倒することにより地震の発生を地震感知器16で検知する。
【0040】
この錘り22の転倒動作は、突出杆28を通してラチェット爪26へと伝えられ、ラチェット爪26を戻しばね25に逆らって軸27の回りに動かして作動体31のラチェット歯33から外す。
【0041】
その結果、作動体31は、ラチェット爪26による係止が解かれてケース23との間に介装したスプリング32の復元力により連結具34を引っ張りつつ押し出され、連結具34を通してシリンダ装置11の切換弁15を開き側へと切り換える。
【0042】
この切換弁15の開き側への切り換わりによりロジック弁18から切換弁15を通してリザーバ19に向う作動媒体の流れが可能となり、これによって、シリンダ装置11の伸縮動作に際して作動室13から上記流路を通る作動媒体の流れが生じる。
【0043】
しかも、この作動媒体の流れは、ピストンロッド9とシリンダ10の断面積比を1:2にしておくことにより、シリンダ装置11の圧縮および伸張動作に関係なく同量となる。
【0044】
そして、上記作動媒体の流れによりロジック弁18が開いて減衰弁20を通る流路を開通し、シリンダ装置11を減衰弁20でダンパ作用を加えつつ伸縮動作するロック解除の状態に切り換える。
【0045】
但し、そうとは言っても、地盤4の揺れで地震感知器16の作動体31とシリンダ装置11の切換弁15とを結ぶ連結具34に弛みが生じ、場合によっては切換弁15が閉じ側に復元してシリンダ装置11をロック状態に切り換え、シリンダ装置11を通して地震の振動を住宅2に伝えて揺れ動かす恐れがある。
【0046】
しかし、この恐れは、図3のように切換弁15の切換スプール35にチェック弁36とオリフィス37を設けて、開き側には容易に動作すると共に閉じ側への戻り動作を遅らせることによって除去される。
【0047】
また、上記のようにする代わりに、図5の他の実施の形態において示したように、地震感知器16を作動体31の作動軸線がシリンダ装置11の切換弁15の切換軸線と一直線に並ぶようにしてシリンダ10に取り付け、かつ、操作ロッド38を通して直に作動体31を切換弁15に連繋してやる。
【0048】
このようにすれば、作動体31の動きが操作ロッド38を通して切換弁15へと直に効率よく伝わることから、小型の地震感知器16を用いて耐風装置用のシリンダ装置11のロック解除とロック操作を安定して行うことが可能になる。
【0049】
しかも、前記した図3のように、地震の振動により連結具34が弛んで切換弁15が閉じ側へと戻ることもなくなるので、切換弁15にチェック弁36やオリフィス37を設けてやる必要もなくなる。
【0050】
以上のようにして、地震の発生時には、シリンダ装置11を伸縮動作させつつ免震装置1を作用させて、地盤4側における台座5の凹部7で住宅2側の支持脚6に設けたスチールボール8を転動させ、かつ、シリンダ装置11の減衰弁20でダンピング作用を加えながら地盤4の横振動が直に住宅2に伝わるのを防止して住宅2の横揺れを吸収する。
【0051】
しかも、この場合において、住宅2と支持脚6との間に前記したように弾性材を介装しておくことで、住宅2に生じる上下方向の振動をもこれら弾性材で吸収することになる。
【0052】
かくして、シリンダ装置11を伸縮動作可能の状態に保って地震の発生時に免震作用を行うと共に、地震が収まると自動的にスチールボール8が円錐状凹部7の中心部分へと戻って通常の状態に復帰する。
【0053】
ここで、速やかに地震感知器16の作動体31を直に或いは倍力装置や動力源等を用いてケース23内へと押し込み、ラチェット歯33をラチェット爪26により係止してリセットを行い、次の地震の発生に備えるのである。
【0054】
なお、上記にあっては、免震装置1として地盤4側に設けた台座5の円錐状の凹部7に住宅2側の支持脚6に設けたスチールボール8を載せて住宅2を相対変位可能に支持するようにしたが、このようにする代りに、例えば、地盤4側の台座5と住宅2側の支持脚6との間に単に弾性材を介在させる等して、住宅2を地盤4に対し横方向へと相対変位可能にしたその他の形式の免震装置を用いてもよいことは言うまでもない。
【0055】
しかも、このようにすれば、住宅2が当該弾性材を撓ませつつ地盤4に対して上下方向へも弾性的に動くことになるので、特に、上下方向への相対変位を考慮する必要もなくなる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば次の効果を達成できる。
(1)地震が発生していない場合は作動体が変位せず、切換弁とロジック弁
が閉じたままの状態を保ち、シリンダ装置をロック状態に保持し免震構造物はは横風を受けてもシリンダ装置で抑えて動きを防止する。
(2)地震が発生した場合は、錘りが転倒し、ラチェット機構が解除されて
作動体が変位するので連結具を介して切換弁が開き、これに伴ってロジック弁が開き、減衰弁を通る流路を開通してシリンダ装置を減衰弁でダンパ作用を加えつつ伸縮動作させて免震効果を達成する。
(3)地震発生の感知とそれに伴う耐風装置用のシリンダ装置のロック解除
とを、外部電源は無論のこと電気的な手段を全く用いることなく純機械的な地震感知器を用いて停電に関係なく行うことができる。
【0057】
しかも、これに加えて、この種の地震感知器を低コストで構成することもできるので、一般住宅のような小規模の免震構造物への使用に適するもとすることもできる。
【0058】
また、請求項2の発明によれば、上記した効果に加えて、地震感知器により耐風装置用のシリンダ装置における切換弁を常に一体的に動作し、地震の振動により切換弁が閉じ側に戻されて誤動作するのを阻止し得るばかりでなく、地震感知器の動きが直に効率よく切換弁に伝わることから、小型の地震感知器を用いて耐風装置用のシリンダ装置のロック解除とロック操作を安定して行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による地震感知装置を備えた免震構造物の実施の形態を簡略化して示す概念図である。
【図2】上記において使用される耐風装置用のシリンダ装置と地震感知器とを取り出して両者の関係を概念的に示す回路図である。
【図3】同じく、シリンダ装置における各制御要素の配置構造例を示す部分縦断面図である。
【図4】この発明の要部である地震感知器の実施の形態を示す縦断正面図である。
【図5】同上、この発明の要部である地震感知器の他の実施の形態を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 免震装置
2 住宅
3 耐風装置
4 地盤
5 台座
6 支持脚
7 円錐状の凹部
8 大径のスチールボール
11 シリンダ装置
13,14 作動室
15 切換弁
16 地震感知器
18 ロジック弁
20 減衰弁
22 錘り
23 ケース
25 戻しばね
26 ラチェット爪
31 作動体
32 スプリング
33 ラチェット歯
34 連結具
35 切換弁のスプール
38 操作ロッド

Claims (2)

  1. 地盤上に水平方向へと移動可能に支持した免震構造物が強風によって揺れ動くのを防止するために、地盤と免震構造物との間に常閉の切換弁を通して両側の作動室を結んだシリンダ装置を水平方向に向けて介装し、地震の発生を地震感知器で検知して上記シリンダ装置の切換弁を開き側へと切り換えることにより、シリンダ装置のロックを解除して免震作用を行う耐風装置を兼ね備えた免震構造物において、上記シリンダ装置は一方の作動室を上記切換弁を介して接続したリザーバと、上記一方の作動室とリザーバ間において上記切換弁と直列に設けたロジック弁と、同じく上記切換弁と上記ロジック弁に対して並列に設けた減衰弁とを有し、上記地震感知器はケースと、ケースに対して転倒可能に立設した錘りと、ケース内に移動自在に挿入されると共に常時一方向に附勢されている作動体と、作動体の外周に形成したラチェット歯と、ラチェット歯に係合し且つ上記錘りと連動して当該錘りの転倒動作時に外れるラチェット爪と、作動体と上記切換弁とを機械的に連繋する連結具とで構成したことを特徴とする地震感知装置。
  2. 地震感知器を作動体の作動軸線が切換弁の切換軸線と一直線に並ぶようにしてシリンダ装置に取り付け、かつ、操作ロッドを通して直に作動体を切換弁に連繋した請求項1の地震感知装置。
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