JP4101646B2 - 免震建物における風揺れ阻止機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、免震建物における風揺れ阻止機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特許第3172765号公報
【特許文献2】
特開平11−270184号公報
免震建物における風揺れ阻止機構として、特許文献1,2に記載されているように、オイルダンパーを用いて強風時の建物の揺れを防止するようにしたものがある。
【0003】
即ち、このオイルダンパーは、水平方向に向けられて上部構造部と下部構造部とを連結するように備えられると共に、ダンパーオイルの油路を開閉する開閉弁が備えられ、開閉弁の開閉により、上部構造部が下部構造部に対してロックされた風揺れ固定状態と、アンロックされた免震可能状態とに切り替えられるようになされており、常時は開閉弁を開にしてアンロックの免震可能状態とし、強風時にのみ開閉弁を閉にしてロックされた風揺れ固定状態にするようになされたものである。
【0004】
そして、常時はアンロック状態のオイルダンパーが強風時にロック状態に切り替えられるようにするため、特許文献1では、風速センサーを用い、この風速センサーによる強風の感知に基づいて制御手段が開閉弁を閉にしてオイルダンパーをロックし、風揺れ阻止状態を形成するようになされている。また、特許文献2では、ロックスイッチが備えられ、強風時にマニュアル操作によってロックスイッチをオンにしてオイルダンパーをロックし、風揺れ阻止状態を形成するようになされている。
【0005】
また、特許文献2には、マニュアル操作でロックスイッチをオンにして風揺れ阻止状態を形成したのち、タイマーが計時を開始し、設定時間後に自動でオイルダンパーがアンロック状態に戻されるようになされてたものが開示され、また、その従来技術として、風速センサーが強風を感知しなくなると制御手段が開閉弁を開にしてオイルダンパーをアンロック状態に戻すようにしたものが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のいずれの風揺れ阻止機構も、常時はアンロック状態のオイルダンパーを強風時にロック状態に切り替えるようになされているものであるため、風を感知できなければならないところ、特許文献1の技術では、風速センサーを備えさせているが、風速センサーによる風の感知は一般的に不安定であり、思うような切り替え制御がうまくなされないという問題がある。また、特許文献2の技術は、ロックスイッチに対するマニュアル操作で切替えを行うようになされたものであるので、ヒトが強風情報をしっかりと把握して操作を行っていかなければならず、切替えが非常に厄介であるという問題がある。
【0007】
更に、建物が地震で免震された後、上部構造部が元の位置に復帰せずに下部構造部に対しずれた位置で停止してしまうことがあり、その場合に、専門スタッフによる原点復帰の修復が行われるまでの間、建物の上部構造部がずれ動いたままの状態を、オイルダンパーがアンロック状態になったままの状態において継続しなければならず、そこに住む者が建物に対して不安感をつのらせてしまうという問題がある。
【0008】
この点、特許文献2の技術では、マニュアル操作で風揺れ阻止状態を形成するロックスイッチが備えられているため、このスイッチをオンにすることでダンパーをロック状態にすることができるが、ダンパーをロック状態にするとタイマーが計時を開始し、設定時間経過後にオイルダンパーがアンロック状態に戻ってしまうので、問題の解消にはならない。
【0009】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、強風時の上部構造部の揺れを人手によることなく確実に防止することができると共に、地震時には上部構造部を確実に免震することができ、また、上部構造部が免震で下部構造部に対しずれ動いて停止したような場合であっても、上部構造部を原点復帰の修復までの間そのずれ動いた位置でしっかりと固定することができる免震建物における風揺れ阻止機構を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、上部構造部が下部構造部に免震支承された免震建物における風揺れ阻止機構であって、
上部構造部と下部構造部とが水平方向に向けられた油圧シリンダーで連結され、
該油圧シリンダーは、その油路を開閉する開閉弁の開閉により、ロックされた風揺れ固定状態と、アンロックされた免震可能状態とに切り替えられるようになされたものからなり、かつ、
地震センサーが備えられると共に、
常時は開閉弁を閉に保持し、地震時にのみ地震センサーの地震感知に基づいて開閉弁を開に切り替え、開閉弁が開に切り替わると計時を開始し、設定時間後に開閉弁を閉に戻す制御手段が備えられていることを特徴とする免震建物における風揺れ阻止機構によって解決される。
【0011】
この風揺れ阻止機構では、オイルダンパーを含む概念の油圧シリンダーが備えられ、地震時以外の常時は、制御手段によって開閉弁が閉に保持されて油圧シリンダーがロック状態を維持するようになされているので、風が吹こうが吹くまいが油圧シリンダーはロック状態にあり、従って、強風時の上部構造部の揺れを人手によることなく確実に防止することができる。
【0012】
しかも、風速計などに比べて感知精度の極めて高い地震センサーが用いられ、制御手段で、地震時にのみ地震センサーの地震感知に基づいて開閉弁を開に切り替えて油圧シリンダーをアンロック状態にするようになされたものであるから、地震時には上部構造部を確実に免震することができる。
【0013】
更に、この風揺れ阻止機構では、制御手段に、地震によって開閉弁が開に切り替わると計時を開始し、設定時間後に開閉弁を閉に戻す機能が備えられているので、上部構造部が免震で下部構造部に対しずれ動いて停止したような場合であっても、設定時間経過後に上部構造部は、ずれ動いた位置で油圧シリンダーによって固定され、従って、上部構造部の原点復帰の修復までの間の建物に対する不安感を和らげることができる。なお、設定時間とは、このように、地震が止んだ状態となる一般的な時間をいう。
【0014】
また、上記の課題は、上部構造部が下部構造部に免震支承された免震建物における風揺れ阻止機構であって、
上部構造部と下部構造部とが水平方向に向けられた油圧シリンダーで連結され、
該油圧シリンダーは、その油路を開閉する開閉弁の開閉により、ロックされた風揺れ固定状態と、アンロックされた免震可能状態とに切り替えられるようになされたものからなり、かつ、
地震センサーが備えられると共に、
常時は開閉弁を閉に保持し、地震時にのみ地震センサーの地震感知に基づいて開閉弁を開に切り替える制御手段が備えられ、かつ、
地震で開いた開閉弁を地震後に閉に戻すための人的操作手段が備えられていることを特徴とする免震建物における風揺れ阻止機構によっても解決される。
【0015】
この風揺れ阻止機構では、同様に、強風時の上部構造部の揺れを人手によることなく確実に防止することができると共に、地震時には上部構造部を確実に免震することができる。
【0016】
しかも、地震で開いた開閉弁を地震後に閉に戻すための人的操作手段が備えられているから、上部構造部が免震で下部構造部に対しずれ動いて停止したような場合であっても、人的操作手段で地震で開いた開閉弁を地震後に閉に戻すことによって、上部構造部は、ずれ動いた位置で油圧シリンダーによって固定され、従って、上部構造部の原点復帰の修復までの間の建物に対する不安感を和らげることができる。
【0017】
また、上記の課題は、上部構造部が下部構造部に免震支承された免震建物における風揺れ阻止機構であって、
上部構造部と下部構造部とが水平方向に向けられた油圧シリンダーで連結され、
該油圧シリンダーは、その油路を開閉する開閉弁の開閉により、ロックされた風揺れ固定状態と、アンロックされた免震可能状態とに切り替えられるようになされたものからなり、かつ、
地震センサーが備えられると共に、
常時は開閉弁を閉に保持し、地震時にのみ地震センサーの地震感知に基づいて開閉弁を開に切り替える制御手段が備えられていることを特徴とする免震建物における風揺れ阻止機構によって解決される。
【0018】
この風揺れ阻止機構では、同様に、強風時の上部構造部の揺れを人手によることなく確実に防止することができると共に、地震時には上部構造部を確実に免震することができる。
【0019】
上記の各風揺れ阻止機構において、水平方向に向けられて上部構造部と下部構造部とを連結している前記油圧シリンダーが複数備えられると共に、前記地震センサーが一つの備えられ、該地震センサーの地震感知にもとづいてすべての油圧シリンダーがアンロック状態に切り替わるようになされているとよい。
【0020】
この場合は、各油圧シリンダーを確実に同期させてアンロック状態に切り替えることができ、一部の油圧シリンダーがロック状態のまま他の油圧シリンダーがアンロック状態となって、前記一部の油圧シリンダーに地震による高負荷がかかるのを防止することができて、風揺れ阻止機構の不具合発生を防ぐことができる。
【0021】
前記油圧シリンダーに油圧ポンプ接続口が設けられ、地震後に該接続口に油圧ポンプを接続し、油圧シリンダーを油圧ジャッキにして上部構造部の原点復帰を行うことができるようになされているとよい。この場合は、原点復帰の修復作業のために用意する機器を少なくすることができ、即ち、ジャッキなしの油圧ポンプを用意すればよく、修復作業を身軽に行っていくことができる。
【0022】
即ち、上部構造部が下部構造部に免震支承され、
上部構造部と下部構造部とが水平方向に向けられた油圧シリンダーで連結され、
該油圧シリンダーは、その油路を開閉する開閉弁の開閉により、ロックされた風揺れ固定状態と、アンロックされた免震可能状態とに切り替えられるようになされた免震建物において、地震後に、油圧シリンダーに備えられている油圧ポンプ接続口に油圧ポンプを接続し、油圧シリンダーを油圧ジャッキにして上部構造部の原点復帰を行うことを特徴とする免震建物における地震後の原点復帰修復方法も、風揺れ阻止機構が、常時ロック状態で地震時アンロック状態となるものであるか、常時アンロック状態で強風時ロック状態となるものであるかを問わず、効果的な修復方法である。
【0023】
また、前記地震センサーが地震動の地動加速度によって動く作動体を備えたものからなり、該作動体の動きを、閉の開閉弁を開に切り替える動きに変換する機械式動き変換機構が備えられ、該機械式動き変換機構によって地震時に無電気で開閉弁が開に切り替わるようになされているのもよい。この場合は、停電時に地震が発生しても、開閉弁は開に切り替えられ、上部構造部を免震することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
第1実施形態の免震建物における風揺れ阻止機構を示す図1乃至図4のうちの図1及び図2において、1は建物の下部構造部である基礎、2は建物の上部構造部であり、上部構造部2は免震支承3…を介して基礎1に支承され、免震支承3…によって地震時に基礎1側の揺れが上部構造部2の側に伝わらないようにされている。免震支承3…には、転がり支承や滑り支承など、種々のものが採用されてよい。
【0026】
この免震建物において、免震支承された上部構造部2が強風時に風圧で揺れてしまわないようにするため備えられているのが風揺れ阻止機構であり、4はその油圧シリンダー、5は地震センサー、6は制御手段としての制御装置である。
【0027】
油圧シリンダー4は、図2(イ)に示すように、水平方向に向けられて上部構造部2と基礎1とを連結している。上部構造部2と油圧シリンダー4との連結、及び基礎1と油圧シリンダー4との連結は、それぞれヒンジの形式で行われている。そして、図1に示すように、油圧シリンダー4内のピストン7を挟む第1室8と第2室9とは、油圧シリンダー4の外で配管10によって連通され、配管10には開閉弁11が設けられている。そして、開閉弁11が閉じた状態では、第1室8と第2室9との間でオイルの行き来が遮断されてピストン7が固定されたロック状態となり、開閉弁11が開いた状態では、第1室8と第2室9との間でオイルの行き来が許容されてピストン7が移動しうるアンロック状態となるようにされている。
【0028】
また、油圧シリンダー4には、その設置状態において上面となる側に、第1室8と第2室9に対応してそれぞれ油圧ポンプ接続口12,12が設けられている。
【0029】
地震センサー5は、地震による地動加速度を受けて転倒動作を行う錘体などを用いたものなどが用いられ、例えば、基礎1や油圧シリンダー4など、地震を感知しうる位置に備えられるものである。制御装置6が地震を感知しうる位置に備えらるのであれば地震センサー5を制御装置6に備えさせるようにしてもよい。
【0030】
制御装置6は、地震センサー5の地震感知に基づいて開閉弁11の開閉制御を行うもので、常時は開閉弁11を閉に保持し、地震時にのみ地震センサー5の地震感知に基づいて開閉弁11を開に切り替える制御を行う。この制御により、図3(イ)に示すように、常時は開閉弁11が閉で、油圧シリンダー4のピストン7はロックされ、建物が風圧を受けても上部構造部2はその風圧による風揺れを阻止される。
【0031】
また、地震センサー5による地震感知に基づいて、図3(ロ)に示すように、開閉弁11が開になると、地震による基礎1側の揺れでピストン7に往復動を行わせる力が働き、それによって油圧シリンダー4内の第1室8と第2室9との間でオイルが配管10を通じて行き来をし、上部構造部2が免震される。なお、制御装置6は電子電気的なものであってもよいし、機械的なものであってもよい。
【0032】
これにより、風が吹こうが吹くまいが油圧シリンダー4はロック状態にあり、従って、強風時の上部構造部の揺れを人手によることなく確実に防止することができる。しかも、地震センサーは風速計に比べて感知精度の極めて高いセンサーが提供されており、そもそも地震はセンサーによって精度高く感知されうる性質を備えているため、地震時には上部構造部を確実に免震することができる。
【0033】
この場合に、地震センサー5が地震動の地動加速度によって動く錘体などの作動体を備えたものからなり、該作動体の動きを、閉の開閉弁を開に切り替える動きに変換する図示しない機械式動き変換機構を備えさせ、この機械式動き変換機構によって地震時に無電気で開閉弁が開に切り替わるようになされている場合には、停電時に地震が発生しても、開閉弁11は開に切り替えられ、上部構造部2を免震することができる。
【0034】
そして更に、本実施形態では、制御装置6にタイマー13が備えられ、開閉弁11が開に切り替わるとタイマー13が計時を開始し、設定時間後に本体制御部6aが開閉弁11を閉に戻す制御を行うようになされて、地震が終わると、油圧シリンダー4のピストン7は往復動できないようにロックされ、風揺れ阻止状態に戻るようになされている。
【0035】
これにより、図3(ハ)に示すように、上部構造部2が地震による免震で下部構造部である基礎1側に対して相対的にずれ動いて停止したような場合であっても、設定時間経過後に開閉弁11が閉じられて、上部構造部2は、ずれ動いた位置で油圧シリンダー4によって固定され、従って、上部構造部2の原点復帰の修復までの間の建物に対する不安感を和らげ、住む者に不安のなかでの安心を与えることができる。
【0036】
なお、上記の制御装置6や地震センサー5は油圧シリンダー4に装備されて備えられていてもよいし、油圧シリンダー4とは別に備えられていてもよい。
【0037】
また、一つの建物に複数の油圧シリンダー4…が水平方向における向きを異ならせて備えられている場合は、制御装置6や地震センサー5は油圧シリンダー4ごとに備えられていてもよいが、図2(ロ)に示すように、少なくとも地震センサー5については一つの建物に一つ備えさせ、この一つの地震センサー5の地震感知に基づいて各油圧シリンダー4…の開閉弁11が開閉制御されるようになされているとよい。
【0038】
こうすることにより、地震時には、各油圧シリンダー4…を確実に同期させてアンロック状態に切り替えることができ、一部の油圧シリンダーがロック状態のまま他の油圧シリンダーがアンロック状態となって、前記一部の油圧シリンダーに地震による高負荷がかかるのを防止することができる。その場合に、制御装置6は油圧シリンダー4…ごとに備えられていてもよいし、一つの建物に一つ備えさせさせるようにしてもよい。タイマーについても、油圧シリンダー4…ごとに備えられていてもよいし、一つの建物に一つ備えさせさせるようにしてもよい。
【0039】
そして、地震によって、上部構造部2が基礎1側に対して相対的にずれ動いて停止したような場合においては、上部構造部2をずれのない位置に原点復帰させる修復が行われるが、その修復を本実施形態では次のようにして容易に行っていくことができる。即ち、上記のように、油圧シリンダー4には、油圧ポンプ接続口12,12が設けられているので、図4に示すように、油圧ポンプ14を各油圧ポンプ接続口12,12に接続し、油圧ポンプ14を駆動してオイルを油圧シリンダー4の第1室8と第2室9との間で行き来させることにより、油圧シリンダー4を油圧ジャッキにして上部構造部2の原点復帰を行うことができる。
【0040】
本実施形態のように、配管10の接続口とは別に油圧ポンプ接続口12,12を備えさせる場合は、油圧ポンプ14の接続において配管10を取り外す必要はないし、修復後に配管10を付け直すという厄介な作業を行う必要もない。また、
本実施形態では、油圧シリンダー4の設置状態において、その上面となる側に油圧ポンプ接続口12,12が備えられているので、ポンプ14の接続が容易であるのみならず、油圧シリンダー4内のオイルを有効利用しながら修復を行っていくことができ、修復後に油圧シリンダー4に補給するオイルもわずかでよく、オイルを節約することができる。
【0041】
図5に示す第2実施形態の風揺れ阻止機構では、タイマーは省略され、それに替えて、地震で開いた開閉弁11を地震後に閉に戻すための人的操作手段としての操作部15が備えられている。この場合は、上部構造部2が免震で基礎1に対しずれ動いて停止したような場合であっても、操作部15を人手で操作することによって地震で開いた開閉弁11を地震後に閉に戻せば、上部構造部2は、ずれ動いた位置で油圧シリンダー4によって固定され、従って、上部構造部の原点復帰の修復までの間の建物に対する不安感を自らの行動によって和らげることができる。なお、人的操作部15は、制御手段としての制御装置6を制御して開閉弁11を閉に戻すものであってもよいし、開閉弁11に直接働いてこれを閉に戻すものであってもよい。また、人的操作部15は、住む者が操作しうる場所に備えられているとよく、建物の屋内の例えば壁などに備えられていてもよいし、屋内からのアクセスが可能な床下空間部に設置されていてもよいし、建物の屋外側に備えられていてもよい。
【0042】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、タイマー13を備えさせたものや、人的操作部15を備えさせたものについて示しているが、これらの省略された風揺れ阻止機構に構成されていてもよい。油圧シリンダー4は、開閉弁11が開の状態で地震振動を減衰させていくダンパーとしての機能を備えさせるようにしてもよい。また油圧シリンダー4は、ピストン7を挟む第1室8と第2室9との間でオイルの行き来をさせる構成のものに限られるものではなく、例えばシリンダー本体には室の一つ備えさせ、その室と、大気圧に開放したタンク又は伸縮タンクとを連通させ、その連通部に開閉弁を備えさせた構造のものなどであってもよく、様々な形態の油圧シリンダーが用いられてよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、強風時の上部構造部の揺れを人手によることなく確実に防止することができると共に、地震時には上部構造部を確実に免震することができ、また、上部構造部が免震で下部構造部に対しずれ動いて停止したような場合であっても、上部構造部を原点復帰の修復までの間そのずれ動いた位置でしっかりと固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の風揺れ阻止機構を示す構成図である。
【図2】図(イ)建物の側面図、図(ロ)は油圧シリンダーの設置例を示す平面図である。
【図3】図(イ)乃至図(ハ)はそれぞれ風揺れ阻止機構の作動状態を示す説明図である。
【図4】図(イ)及び図(ロ)はそれぞれ地震後の原点復帰の修復方法を示す説明図である。
【図5】第2実施形態の風揺れ阻止機構を示す構成図である。
【符号の説明】
1…基礎(下部構造部)
2…上部構造部
3…免震支承
4…油圧シリンダー
5…地震センサー
6…制御装置(制御手段)
10…配管(油路)
11…開閉弁
12…ポンプ接続口
13…タイマー
14…油圧ポンプ
15…人的操作部

Claims (5)

  1. 上部構造部が基礎に免震支承された免震建物における風揺れ阻止機構であって、
    上部構造部と基礎とが水平方向に向けられた油圧シリンダーで連結され、
    該油圧シリンダーは、その油路を開閉する開閉弁の開閉により、ロックされた風揺れ固定状態と、アンロックされた免震可能状態とに切り替えられるようになされたものからなり、かつ、
    風を検知せず地震のみを検知する地震センサーが備えられると共に、
    常時は開閉弁を閉に保持し、地震時にのみ地震センサーの地震感知に基づいて開閉弁を開に切り替え、開閉弁が開に切り替わると計時を開始し、設定時間後に開閉弁を閉に戻す制御手段が備えられ
    前記地震センサーは地震動の地動加速度によって動く作動体を備えたものからなり、該作動体の動きを、閉の開閉弁を開に切り替える動きに変換する機械式動き変換機構が備えられ、該機械式動き変換機構によって地震時に無電気で開閉弁が開に切り替わるようになされていることを特徴とする免震建物における風揺れ阻止機構。
  2. 上部構造部が基礎に免震支承された免震建物における風揺れ阻止機構であって、
    上部構造部と基礎とが水平方向に向けられた油圧シリンダーで連結され、
    該油圧シリンダーは、その油路を開閉する開閉弁の開閉により、ロックされた風揺れ固定状態と、アンロックされた免震可能状態とに切り替えられるようになされたものからなり、かつ、
    風を検知せず地震のみを検知する地震センサーが備えられると共に、
    常時は開閉弁を閉に保持し、地震時にのみ地震センサーの地震感知に基づいて開閉弁を開に切り替える制御手段が備えられ、かつ、
    地震で開いた開閉弁を地震後に閉に戻すための人的操作手段が備えられ
    前記地震センサーは地震動の地動加速度によって動く作動体を備えたものからなり、該作動体の動きを、閉の開閉弁を開に切り替える動きに変換する機械式動き変換機構が備えられ、該機械式動き変換機構によって地震時に無電気で開閉弁が開に切り替わるようになされていることを特徴とする免震建物における風揺れ阻止機構。
  3. 上部構造部が基礎に免震支承された免震建物における風揺れ阻止機構であって、
    上部構造部と基礎とが水平方向に向けられた油圧シリンダーで連結され、
    該油圧シリンダーは、その油路を開閉する開閉弁の開閉により、ロックされた風揺れ固定状態と、アンロックされた免震可能状態とに切り替えられるようになされたものからなり、かつ、
    風を検知せず地震のみを検知する地震センサーが備えられると共に、
    常時は開閉弁を閉に保持し、地震時にのみ地震センサーの地震感知に基づいて開閉弁を開に切り替える制御手段が備えられ
    前記地震センサーは地震動の地動加速度によって動く作動体を備えたものからなり、該作動体の動きを、閉の開閉弁を開に切り替える動きに変換する機械式動き変換機構が備えられ、該機械式動き変換機構によって地震時に無電気で開閉弁が開に切り替わるようになされていることを特徴とする免震建物における風揺れ阻止機構。
  4. 水平方向に向けられて上部構造部と基礎とを連結している前記油圧シリンダーが複数備えられると共に、前記地震センサーが一つ備えられ、該地震センサーの地震感知にもとづいてすべての油圧シリンダーがアンロック状態に切り替わるようになされている請求項1乃至3のいずれか一に記載の免震建物における風揺れ阻止機構。
  5. 前記油圧シリンダーに、その設置状態において上面となる側に油圧ポンプ接続口が設けられ、該油圧ポンプ接続口には油圧ポンプは接続されておらず、地震後に該接続口に油圧ポンプを接続し、油圧シリンダーを油圧ジャッキにして上部構造部の原点復帰を行うことができるようになされている請求項1乃至4のいずれか一に記載の免震建物における風揺れ阻止機構
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