JP5165944B2 - 免震システム - Google Patents

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本発明は、上下部構造間に設けられて上部構造に対する免震効果および応答を制御可能とした免震システムに関するものである。
近年、地震に対して構造物の安全性を確保するために、当該構造物の基礎部分や中間階に設けた免震層に、積層ゴムや滑り支承による免震装置を介装して地震等によって地盤から構造物に伝播しようとする振動を緩和させるとともに、さらに上下部構造間に、粘弾性ダンパーやオイルダンパー等の減衰ダンパーを介装して、上記振動を積極的に減衰させる各種のパッシブ免震システムが適用されている。
ところで、上記減衰ダンパーにおける減衰力を設定するに際して、上記免震層における上下部構造間の相対変位と、上部構造の加速度応答には、相反する関係がある。
すなわち、上記減衰力を高く設定すると、免震層における相対変位を小さくすることができるものの、上部構造への振動伝達率が大きくなって加速度応答が増大してしまう。これに対して、上記減衰力を低く設定すると、上部構造の加速度応答を低減させることはできるが、反面上記免震層における相対変位が大きくなり、この結果、上部構造と周囲との間に大きなクリアランスを設定する必要が生じてしまう。
したがって、敷地が狭く、充分な上記クリアランスを確保することが難しい構造物や、長周期地震動に対する上下部構造間の相対変位を抑制することを目的とした構造物等において、上記減衰力を高く設定した場合には、頻度の高い中小地震に対しても加速度応答の低減性能が悪くなってしまうという問題点があった。
このため、速度2乗比例の減衰装置を用いた免震システムも開発されており、当該免震システムによれば、発生する減衰力が速度の2乗に比例するために、頻度の高い中小地震に対しては、減衰力を小さくして高い免震効果を発揮させ、かつ速度の大きな大地震に対しては、減衰力を増大させることにより、免震効果は小さくなるものの、上下部構造間の相対変位が過多になることを抑制することができる。
しかしながら、上記従来の免震システムにあっては、上下部構造間に大きな相対変位が生じた場合においても、減衰装置の変位速度Vが小さい領域においては減衰力が小さく設定されてしまうために、上述した上部構造に生じる過度の変位を抑制することができないという問題点がある。
また、減衰装置の特性曲線が、上記変位速度と減衰力との関係によって規定されてしまうために、中小地震時と大地震時とにおける減衰性能を自由に設定することが難しいという問題点もある。
このような問題点を解決するために、例えば下記特許文献1においては、指令値にしたがって抵抗値を多段階に又は連続的に変えられる可変減衰装置であって、前記指令値による抵抗値の可変制御の手段として、当該減衰装置の変位量を計測する変位計が設置されており、前記変位計が計測した変位信号Xに基づいて、演算装置が先ず微分演算により速度Vを計算して求め、定数ωを用いた次式、I=√{X2+(V/ω)2}により指標Iが求められ、前記指標Iに基づいて指令値Cが算出され、抵抗値が制御されることを特徴とする可変減衰装置が提案されている。
また、本発明者等は、先に下記特許文献2において、構造物の上下部構造間に介装された減衰力が可変な減衰装置を有する免震手段の上記減衰力を制御するための免震制御方法であって、予め上記上下部構造間における基準振幅値を設定するとともに、上記構造物に振動が作用した際の上記上下部構造間の相対的な振幅値および速度を測定し、これら振幅値および速度から上記振動の一定時間後の予測振幅値を算出し、次いで上記予測振幅値と上記基準振幅値との相異に基づいて、上記減衰力を制御することを特徴とする免震制御方法を提案した。
上記免震制御方法によれば、構造物に振動が作用した際の上下部構造間の相対的な振幅値および速度を測定し、これらから上記振動の一定時間後の予測振幅値を算出して、得られた予測振幅値と上記基準振幅値との相異に基づいて上記減衰力を制御しているので、例えば当該予測振幅値が予め設定した基準振幅値よりも大きい場合に上記減衰力を増加させ、上記予測振幅値が上記基準振幅値よりも小さい場合に上記減衰力を減少させる等の制御を行うことにより、大地震のような構造物が非線形化する振動に対しても、当該構造物の応答変位が過大になることを確実に防止することができるという効果が得られる。
特開2002−227925号公報 特開2004−332837号公報
ところが、上記免震制御方法にあっても、センサ等によって上下部構造間の相対的な振幅値および速度を時々刻々測定して、これらから上記振動の一定時間後の予測振幅値を常時算出しておく必要があるために、大地震時における制御の信頼性やコストの観点から問題があり、より一層簡易で、しかも保守・信頼性に優れたセミアクティブ免震システムに代わる免震システムの開発が望まれている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、演算装置や複雑な制御装置等を要することなく、簡易な設備によって地震時に高い振動減衰効果を発揮させることができ、かつ大地震時等には上下部構造間に過度の相対変位を生じることを防ぐことができるセミアクティブ免震システムに代わる免震システムを提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係る免震システムは、建物の上下部構造間に介装されるとともに減衰係数を非通電時に最大値に、通電時に最小値に切り換える切換手段が設けられた可変減衰ダンパーと、地震の発生を検知して地震検知信号を発する感震手段と、上記下部構造に対する上記上部構造の応答を検出して当該応答量が設定値を超えた際にトリガー信号を発する応答検出手段と、上記感震手段からの上記地震検知信号および上記応答検出手段からの上記トリガー信号に基づいて上記可変減衰ダンパーの減衰係数を切り換える制御手段とを備えてなり、上記制御手段は、平常時に電源の入力ラインと上記可変減衰ダンパーへの電源出力ラインとの間のスイッチをOFFに保持し、上記感震手段からの上記地震検知信号が入力された際に上記スイッチをONにして上記可変減衰ダンパーへ通電させ、さらに上記応答検出手段からの上記トリガー信号が入力された際に再びスイッチをOFFにするリレー回路と、上記感震手段からの上記地震検知信号を受信して一定時間経過した後に、上記リレー回路に上記スイッチをOFFにする信号を発するタイマーとを有することを特徴とするものである。
ここで、上記上部構造の応答とは、下部構造に対する上部構造の変位量、速度、加速度、可変減衰ダンパーの駆動部分における相対変位量、相対速度、相対加速度、減衰力、流体ダンパーにおける内部圧力等を包含するものである。
さらに、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、上記感震手段が、地震によるS波が到達する前に、上記建物における地震の震度および/または加速度の大きさを検知可能であるとともに、検知した上記地震の震度および/または加速度が設定値を超えた際に、上記制御手段に上記切換手段を作動させるトリガー信号を発するように設定されていることを特徴とするものである。
請求項1または2に記載の発明によれば、制御手段によって、地震発生時に可変減衰ダンパーの減衰係数が最小に設定されているために、上部構造への振動の伝達率を落として地震により発生する上部構造の加速度応答を低減させることができる。この際に、下部構造に対する上部構造の相対変位は大きくなるが、応答検出手段によって検出された下部構造に対する上記上部構造の応答量が設定値を超えた際に、上記切換手段を作動させて可変減衰ダンパーの減衰力を増大させることにより、上部構造の相対変位量を抑制することができる。
したがって、演算装置や複雑な制御装置等を要することなく、簡易な設備によって地震時に高い振動減衰効果を発揮させることができ、かつ大地震時等には上下部構造間に過度の相対変位を生じることを防ぐことができる。
また、地震の発生を検知する感震手段を有しているために、平常時に可変減衰ダンパーを最大の減衰係数に設定しておき、地震発生時に、初めて上記感震手段からの地震の検知信号に基づいて上記切換手段を作動させて上記可変減衰ダンパーの減衰力を低減させ、免震効果を高めることができる。
ここで、上記感震手段としては、請求項に記載の発明のように、上記建物やその近傍の地面に設置したP波センサや、気象庁の緊急地震情報のような、地震によるS波が上記建物に到達する前に上記地震の発生を知らせる手段を用いることが好ましい。
また、上記感震手段が地震の発生を検知した際に、即上記切換手段を作動させて可変減衰ダンパーの減衰力を低減させてもよいが、検知した上記地震の震度や加速度が設定値を超えた際に、上記制御手段に切換手段を作動させるトリガー信号を発するように設定しておけば、上記切換手段が頻繁に作動することが無く、よって当該切換手段や可変減衰ダンパーにおける保守や信頼性を一層向上させることができる。
さらに、上記可変減衰ダンパーや切換手段としては、汎用の可変減衰オイルダンパーや電磁弁を用いることができるとともに、特に上記電磁弁を、非通電時に減衰力が最大値となるように設ければ、平常時に電源を供給する必要がないために、経済性や取扱性にも優れる。
加えて、上記感震手段からの地震の検知信号を受信して一定時間経過した後に、上記電磁弁への通電を切るタイマーを設ければ、地震後においても、何等の操作を行うことなく、再び電磁弁を平常時における設定に戻すことができる。
図1〜図6は、本発明に係る免震システムの一実施形態およびその変形例を示すものである。
この免震システムは、建物の下部構造1と上部構造2との間に形成された免震層3に介装された積層ゴム支承による免震装置3aおよび可変減衰オイルダンパー(可変減衰ダンパー)4と、地震の発生を検知する感震手段5と、上記地震による下部構造1に対する上部構造2の相対変位量(応答)を検出するリミットスイッチ(応答検出手段)6と、感震手段5およびリミットスイッチ6からの検出信号に基づいて可変減衰オイルダンパー4の減衰力を増減させるリレー回路(制御手段)7とから概略構成されている。
ここで、可変減衰オイルダンパー4は、オイルが充填されたシリンダ4aと、このシリンダ4aに往復動自在に設けられた出力軸4bと、内部のオイルの流路を切り換えることにより減衰係数を2段階に切り換える電磁弁(切換手段)4cとから構成されたもので、出力軸4bが下部構造1に固定されるとともに、シリンダ4aが上部構造2に固定されている。そして、この可変減衰オイルダンパー4においては、電磁弁4cがノーマルクローズであり、この結果非通電(電源OFF)時に減衰係数が大きく(Cmax)、通電(電源ON)時に減衰係数が小さく(Cmim)なるように設定されている。
また、感震手段5としては、下部構造1あるいは近傍の地面に設置された地震計や、気象庁の緊急地震情報等の受信装置を用いることができる。ちなみに、上記緊急地震情報によれば、地震到達前に、この建物位置における震度や加速度の大きさを予測することができる。そして、この感震手段5には、上記地震計または受信装置から受信した地震の規模(本実施形態においては、震度または加速度)が予め設定された値(例えば、震度であれば1程度、加速度であれば数Gal)を超えた際に、トリガー信号を送る出力ライン8が接続されている。ちなみに、上記地震計を用いる場合には、このようなトリガー信号の設定が可能なP波センサが好適である。
そして、免震層3内における上下部構造1、2間に、相対変位量を検出するための上記リミットスイッチ6が設けられている。
このリミットスイッチ6は、図3に示すように、上部構造2に垂設されて先端部9aが金属を検知可能な近接スイッチ9と、この近接スイッチ9の下方に臨む下部構造1上に取り付けられた検知板10とから構成されている。
この検知板10は、平常時における近接スイッチ9の下方を中心とした円形部分が非鉄金属板10aによって形成されるとともに、その外周に金属板10bが設けられている。そして、この非鉄金属板10aの半径が、下部構造1に対する上部構造2の相対変位量の設定値になっている。そして、近接スイッチ9には、これが金属板10bの上方に位置して金属を検知した際に、当該検知信号をトリガー信号として送出する出力ライン11が接続されている。
他方、リレー回路7は、ソリッドステートリレー回路であり、当該リレー回路には、電源からの入力ライン12、電磁弁への電源出力ライン13、感知手段5およびリミットスイッチ6の近接スイッチ9からのトリガー信号の出力ライン8、11が接続されるとともに、感知手段5からの出力ライン8には、タイマー14が介装されている。
そして、リレー回路7は、平常時において電源の入力ライン12と電磁弁4cへの電源出力ライン13との間のスイッチ7aをOFFに保持するとともに、感震手段5から発せられたトリガー信号が出力ライン8を介して入力された際に、上記スイッチ7aをONにして電磁弁4cへ通電させ、さらにリミットスイッチ6から発せられたトリガー信号が出力ライン11を介して入力された際に、再びスイッチ7aをOFFにするように組まれている。また、タイマー14は、感震手段5からのトリガー信号を受信して一定時間(例えば、12時間あるいは24時間等)経過した後に、リレー回路7にスイッチ7aをOFFにする信号を発するように設定されている。
以上の構成からなる免震システムにおいては、図2および図4に示すように、リレー回路7によって、平常時には電磁弁4cへの電源が非通電になっているために、可変減衰オイルダンパー4の減衰係数はCmaxに設定されている。
そして、予め設定されている値を超える規模の地震が発生した際には、これを検知した感震手段5からのトリガー信号が入力され、スイッチ7aがONに切り替わることにより、電磁弁4cに通電される。
この結果、可変減衰ダンパー4の減衰係数がCminに切り替わり、減衰力が増大することにより、上下部構造1、2間に生じる相対変位を効果的に吸収して、振動を減衰させることができる。
また、これにより下部構造1に対する上部構造2における相対変位量が大きくなるが、上部構造2に垂設した近接スイッチ9の先端部9aが、下部構造1に設けた検知板10の金属板10bの上方まで上部構造2が相対変位すると、金属を検知した近接スイッチ9からのトリガー信号が出力ライン11からリレー回路7に入力される。
すると、リレー回路7にスイッチ7aが再びOFFに切り替わり、電磁弁4cが非通電状態となって、可変減衰オイルダンパー4の減衰係数がCmaxになる。これにより、振動減衰効果は低減するものの、上部構造2における過度の相対変位を抑制することができる。また、発生した地震が中小規模であって、最終的にリミットスイッチ6からのトリガー信号が発せられなかった場合においても、感震手段5からの地震の検知信号を受信して一定時間経過した後に、タイマー14が作動して電磁弁4cへの通電が切られるために、何等の操作を行うことなく、再び電磁弁4cを平常時における非通電状態に戻すことができる。
したがって、減衰係数を2段階に切り換える本免震システムによれば、演算装置や複雑な制御装置等を要することなく、簡易な設備によって地震時に高い振動減衰効果を発揮させることができ、かつ大地震時等には上下部構造1、2間に過度の相対変位を生じることを防ぐことができる。また、可変減衰オイルダンパー4の電磁弁4cを、非通電時に減衰力が大きく(減衰係数;Cmax)なるように設け、地震発生時に通電して減衰力が小さく(減衰係数;Cmin)なるようにしているために、平常時には電源を供給する必要がなく、よって経済性や取扱性にも優れる。
さらに、感震手段5が地震の発生を検知した際にも、検知した上記地震の震度や加速度が設定値を超えた際に、初めてリレー回路7にスイッチ7aをONに切り換えるためのトリガー信号を発するように設定しているために、平常時において発生する交通機関や強風に起因する振動や極小さな地震によって当該リレー回路7が頻繁に作動することが無く、よって電磁弁4cや可変減衰オイルダンパー4における保守・信頼性も一層向上させることができる。
なお、上記実施の形態においては、応答検出手段として近接スイッチ9を用いたリミットスイッチ6を適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば図5または図6に示すような、変位スイッチ15およびドック16を用いたリミットスイッチ17、18を使用することもできる。
すなわち、図5に示すリミットスイッチ17は、可変減衰オイルダンパー4の出力軸4bに、シリンダ4aの下方まで延出する取付板19が設けられ、この取付板19の先端部に変位スイッチ15が取り付けられている。この変位スイッチ15は、シリンダ4a側に向けて突設されており、先端部に感知部15aが水平方向へ揺動自在に設けられている。他方、この変位スイッチ15の上方に位置するシリンダ4aの底面に、ドック16が設けられている。
このドック16は、平常時における変位スイッチ15の位置の上方が凹状に形成されるとともに、その外周に水平方向に向けて漸次下方に突出する傾斜面16aが形成されている。そして、地震発生時にシリンダ4a(上部構造2)と出力軸4b(下部構造1)との間に設定値を超える水平方向の相対変位が生じた際に、感知部15aがドック16の傾斜面16aに当接して揺動することにより、検知信号をトリガー信号として上述した出力ライン11からリレー回路7へと送信するようになっている。
また、図6に示すリミットスイッチ18は、シリンダ4a(上部構造2)側に取付板20を設け、この取付板20の先端部に変位スイッチ15を、感知部15aを下方に向けて設けるとともに、この変位スイッチ15と対向する下部構造1の上面に上記ドック16を固定したものである。
このようなリミットスイッチ17、18によっても、上記リミットスイッチ6を用いた場合と同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明に係る免震システムの作用効果を確認するために、免震建物解析モデルを用いて、中小地震から大地震時までの地震応答解析を実施した。
先ず、上記免震システムを用いた建物として、図7に示すように、鉄骨造9階建ての小規模建物(上部構造の固有周期1.2秒)の基礎部に、積層ゴム+可変減衰オイルダンパーで構成する免震システムを適用したモデルを想定した。
ここで、免震建物全体の1次固有周期を3秒に設定し,可変減衰オイルダンパーとして,図8に示すような、減衰係数がCmax=19kN/kine、Cmin=5.6kN/kineの2段階切り替えタイプのものを用いた。なお、免震層における擁壁との免震クリアランスは15cmとし、リミットスイッチを免震層の変形が8cmを超えた場合に作動させる設定とした。また、可変減衰オイルダンパーは、リミットスイッチが作動するまでは減衰係数をCminに設定し、リミットスイッチが作動した場合は減衰係数をCmaxに切り替え、地震の揺れが治まるまで減衰係数をCmaxに維持した。
図9および図10は、それぞれ上記モデルに対して、エルセントロNS波の入力加速度を25cm/s2ピッチで増加させた場合の入力加速度と建物頂部加速度(図9)および免震層変位(図10)の関係を示す解析結果である。なお、図中には,減衰係数をCmax=19kN/kineおよびCmin=5.6kN/kineの一定値に固定したパッシブダンパーの結果についても併せて示している。
これらの解析結果を示す図9および図10によれば、減衰係数をCminに固定したパッシブダンパーおいては、頂部の加速度応答は小さいものの、300cm/s2程度の入力加速度で免震層の変形が15cmを超えて擁壁と衝突してしまうことが判る。一方、減衰係数をCmaxに固定したパッシブダンパーにおいては、免震層の応答は大地震時においても15cm以内におさまっているが、中小地震においても頂部加速度が減衰係数をCminに固定した場合に比べて大きくなってしまうことが判る。
これに対して、本発明に係る免震システムにおいては、入力レベルが小さいうちは、減衰係数をCminに固定した場合と同等の加速度応答を示し、入力レベルが大きくなるに連れて応答値は減衰係数をCmaxに固定した場合に漸近している。そして、200cm/s2程度まで減衰係数がCminに維持されるため、中小地震に対する加速度低減性能が優れており、さらに200cm/s2を超えた際に、減衰係数がCmaxに切り替わるため、大地震時においても免震層の応答を15cm以下に治まっている。
以上より、最大応答値に着目すると、本発明に係る免震システムは、実用上十分な性能が得られることが確認された。
なお、上記実施の形態および実施例においては、いずれも可変減衰ダンパーとして可変減衰オイルダンパー4を用い、かつ切換手段として電磁弁5を用いた場合についてのみ説明したが、これに限るものではなく、各種の可変減衰ダンパーおよび当該ダンパーの減衰力を切り換えるための切換手段を適用することができる。また、減衰係数の切換段階についても、上述した2段階に限らず、3段階に切り換えられるものを用いても良い。
さらに、上記感震手段5およびタイマー14を省略するとともに、平常時に常時電磁弁5に通電を行うことにより減衰係数をCminに設定しておくこともできる。この場合には、常時通電を行う必要があるが、その他については、上記実施の形態に示したものと同様の作用効果を得ることができる。
本発明に係る免震システムの一実施形態を適用した建物における免震層部分の縦断面図である。 図1の免震システムの概略構成図である。 図2のリミットスイッチを示すもので、(a)は図1のA部拡大図、(b)は(a)のb−b線視図である。 上記免震システムの作動と減衰係数の切換の関係を示すブロック図である。 図3のリミットスイッチの変形例を示す正面図である。 図3のリミットスイッチの他の変形例を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図である。 本発明の実施例に用いた免震建物解析モデルを示す図である。 上記実施例に用いた可変減衰ダンパーの各減衰係数における速度と減衰力との関係を示すグラフである。 上記実施例の解析結果における入力加速度と頂部加速度との関係を示すグラフである。 上記実施例の解析結果における入力加速度と免震層変形との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 下部構造
2 上部構造
3 免震層
4 可変減衰オイルダンパー(可変減衰ダンパー)
4a シリンダ
4b 出力軸
4c 電磁弁(切換手段)
5 感震手段
6、17、18 リミットスイッチ(応答検出手段)
7 リレー回路(制御手段)
7a スイッチ

Claims (2)

  1. 建物の上下部構造間に介装されるとともに減衰係数を非通電時に最大値に、通電時に最小値に切り換える切換手段が設けられた可変減衰ダンパーと、地震の発生を検知して地震検知信号を発する感震手段と、上記下部構造に対する上記上部構造の応答を検出して当該応答量が設定値を超えた際にトリガー信号を発する応答検出手段と、上記感震手段からの上記地震検知信号および上記応答検出手段からの上記トリガー信号に基づいて上記可変減衰ダンパーの減衰係数を切り換える制御手段とを備えてなり、
    上記制御手段は、平常時に電源の入力ラインと上記可変減衰ダンパーへの電源出力ラインとの間のスイッチをOFFに保持し、上記感震手段からの上記地震検知信号が入力された際に上記スイッチをONにして上記可変減衰ダンパーへ通電させ、さらに上記応答検出手段からの上記トリガー信号が入力された際に再びスイッチをOFFにするリレー回路と、上記感震手段からの上記地震検知信号を受信して一定時間経過した後に、上記リレー回路に上記スイッチをOFFにする信号を発するタイマーとを有することを特徴とする免震システム。
  2. 上記感震手段は、地震によるS波が到達する前に、上記建物における地震の震度および/または加速度の大きさを検知可能であるとともに、検知した上記地震の震度および/または加速度が設定値を超えた際に、上記制御手段に上記切換手段を作動させるトリガー信号を発するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の免震システム。
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