JP3334041B2 - 免震ユニット - Google Patents

免震ユニット

Info

Publication number
JP3334041B2
JP3334041B2 JP15386498A JP15386498A JP3334041B2 JP 3334041 B2 JP3334041 B2 JP 3334041B2 JP 15386498 A JP15386498 A JP 15386498A JP 15386498 A JP15386498 A JP 15386498A JP 3334041 B2 JP3334041 B2 JP 3334041B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seismic isolation
isolation device
main body
unit
lower substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP15386498A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11325179A (ja
Inventor
恵三郎 小泉
Original Assignee
恵三郎 小泉
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 恵三郎 小泉 filed Critical 恵三郎 小泉
Priority to JP15386498A priority Critical patent/JP3334041B2/ja
Publication of JPH11325179A publication Critical patent/JPH11325179A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3334041B2 publication Critical patent/JP3334041B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免震装置及び耐風
装置を備えた免震ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、地震による地面の振動や揺
れを吸収し減衰させ、建物の倒壊や破損を防止すると共
に、建物内に配置された家具類の転倒を防止するために
免震装置が用いられており、上記免震装置は、一般的
に、建築物の建物と基礎との間に配設されるものであ
る。
【0003】そして、上記免震装置としては、様々な形
状・形態のものが提案され、実際に使用されているもの
であり、その中の一つに、球と球をその上下から挟持す
る互いに向かい合う一対の球転動面より成る単位免震手
段を備え、この単位免震手段を積層すると共に、各層毎
にその複数を配設して成る免震装置がある。
【0004】そして、上記単位免震手段を積層すると共
に、各層ごとにその複数を配設した免震装置は、地震に
よる水平方向の振動や揺れを単位免震手段の水平方向の
変位(静止位置からの移動とその復元の繰り返し)によ
って吸収し減衰させるものであり、水平方向の振動や揺
れの吸収と減衰をより良好にするために、上記免震手段
における球転動面が円錐状の凹部として形成され、ま
た、水平方向の振動や揺れの吸収と減衰を補助にすると
共に、その変位量を制限するためのショックアブソーバ
ー等の減衰補助手段を備えている。
【0005】ところで、上述した単位免震手段を積層す
ると共に、各層ごとにその複数を配設した免震装置が正
常に機能している場合、免震装置を介して基礎上に位置
する建物に強風による水平方向の力が作用すると、建物
が水平方向に揺れてしまうという不具合が生じ易く、そ
のため、これを防止するために、従来より、免震装置と
共に、耐風装置が用いられている。
【0006】そして、上記耐風装置は、免震装置を介し
て基礎上に位置する建物を、通常時には基礎に対して固
定し、水平方向に移動しないようにすることによって免
震装置を機能させず、強風による建物の揺れを防止する
ものであり、また、地震が発生した時にはその固定を解
除し、免震装置を機能させるものであって、上記耐風装
置を上記免震装置に組み込むことも考慮されるが、構造
が複雑になる等の理由から、一般的には、免震装置と耐
風装置がそれぞれ独立した装置として建物と基礎との間
に配設されているものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術による
と、免震装置によって、地震による地面の振動や揺れが
吸収・減衰され、建物の倒壊や破損が防止されると共
に、建物内に配置された家具類の転倒が防止され、ま
た、耐風装置によって、免震装置を介して基礎上に位置
する建物が強風によって水平方向に揺れることが防止さ
れるものであるが、建物と基礎との間に配設される免震
装置と耐風装置は、それぞれが独立した装置であるた
め、これらを設けるためのスペースの確保が困難とな
り、その施工がしにくいという不具合が生じていた。
【0008】さらに、上記免震装置と耐風装置は、免震
装置が建物を基礎に対してスライド可能に支持するのに
対して、耐風装置が建物を基礎に対して固定するという
相反する機能を備えており、そのため、これらの施工が
正確に行われていないと、耐震装置及び耐風装置が機能
しなくなる恐れがあり、これらの施工には、細心の注意
が必要であり、その施工に時間がかかってしまうもので
あった。
【0009】よって、本発明の目的とする所は、上述の
如き従来の技術の有する問題点を解決するものであっ
て、免震装置及び耐風装置の施工を容易にすると共に、
免震装置及び耐風装置が確実に機能し、その信頼性を向
上させることができる免震装置及び耐風装置を備えた免
震ユニットを提供することにある。
【0010】
【課題を解決する為の手段】上記目的を達成する為に本
発明は次の技術的手段を有する。即ち、実施例に対応す
る添付図面に使用した符号を用いて説明すると、建物2
と基礎3との間に配設され、建物2の下面に固定される
上基板6と、基礎3の上面に固定される下基板7とを備
え、上記上基板6と下基板7との間に、球12と球12
をその上下から転動可能に挟持する互いに向かい合う一
対の球転動面13,14より成る単位免震手段Sを積層
し、各層毎にその複数を配設することによって、地震に
よる水平方向Xの振動や揺れを吸収し減衰すると共に、
上記積層され各層毎にその複数が配設された単位免震手
段Sを弾性的に支持する弾性部材24によって、地震に
よる垂直方向Yの振動や揺れを吸収し減衰する免震装置
本体11と、上記免震装置本体11の地震による振動や
揺れの吸収と減衰を補助すると共に、その水平方向Xの
変位量を制限する減衰補助手段31を備えて成る免震装
置4と、係合ピン52と係合ピン52を駆動する係合ピ
ン駆動手段53を備えた耐風装置本体51と、係合ピン
52が係合する係合穴58を備えた固定部材59より成
り、上記係合ピン52を係合穴58に係合させることに
よって、建物2を基礎3に対して固定して免震装置4が
機能しないようにし、その係合を解除することによっ
て、免震装置4が機能するようにする耐風装置5とが設
けられた免震ユニットであって、上記免震ユニット1の
上基板6と下基板7との間に設けられる免震装置4と耐
風装置5は、上記上基板6及び下基板7を共有して成
り、しかも、上記免震装置4を成す免震装置本体11の
弾性部材24による垂直方向Yへの変位量Uが、耐風装
置5の垂直方向Yにおける縮み方向への変位許容量Nよ
りも小さくなるように予め設定されていることを特徴と
する免震ユニットである。
【0011】さらに、上記免震ユニット1に設けられる
免震装置4の免震装置本体11は、凸状の球面46を有
する第1支持板47と、この第1支持板47に設けられ
た凸状の球面46を回動可能に支持する凹状の球面48
を有する第2支持板49とより成る球面座45をその上
下に備えて成り、この免震装置本体11の上下に設けら
た球面座45の第2支持板49の各々を免震ユニット1
の上基板6及び下基板7に固定すると共に、第1支持板
47の各々を免震装置本体11の上下に装着し、上記上
基板6及び下基板7に固定された第2支持板49の凹状
の球面48に対して免震装置本体11の上下に装着され
た第1支持板47の凸状の球面46を回動Rさせ、凸状
の球面46を有する第1支持板47の水平度を調節する
ことによって、免震装置本体11の水平度を保持するこ
とを特徴とする。
【0012】また、上記免震ユニット1を構成する上基
板6及び下基板7は、略L字状あるいは略T字状に形成
され、この略L字状あるいは略T字状に形成された上基
板6及び下基板7との間に、免震装置4及び耐風装置5
が設けられていることを特徴とする。
【0013】そして、本発明は、上記技術的手段より成
り、免震ユニット1が免震装置4及び耐風装置5を備え
た一つのユニットとして構成されているので、建物2と
基礎3との間への施工を容易に行えると同時に、その設
置スペースの確保が容易となり、しかも、上記免震ユニ
ット1の上基板6と下基板7との間に設けられる免震装
置4と耐風装置5が、上記上基板6と下基板7とを互い
に共有することとなるので、免震装置4及び耐風装置5
を正確に機能させる為のセッティング、特に、免震装置
4を成す免震装置本体11の弾性部材24による垂直方
向Yへの変位量Uと、耐風装置5の垂直方向Yにおける
縮み方向への変位許容量Nの設定を予め行うことができ
るので、その施工がより容易に行えると同時に、免震装
置4及び耐風装置5の信頼性を向上させることができ
る。
【0014】さらに、上記免震ユニット1を構成する免
震装置4の免震装置本体11の上下に免震装置本体11
の水平度を保持するための球面座45が設けられ、この
球面座45を構成する第2支持板49の凹状の球面48
に対して第1支持板47の凸状の球面46を回動Rさ
せ、凸状の球面46を有する第1支持板47の水平度を
調節することによって、免震装置本体11の水平度を保
持することができ、これは、免震ユニット1の上基板6
及び下基板7の建物2及び基礎3への固定状態に関係な
く、免震装置本体11の水平度が正確に保持されること
となるので、免震装置4及び耐風装置5を備えた免震ユ
ニット1の建物2と基礎3との間への配設が容易となる
と共に、免震装置4の信頼性をより一層向上させる。
【0015】そして、上記免震ユニット1を構成する上
基板6及び下基板7を略L字状あるいは略T字状に成す
ことにより、建物2と基礎3との間の角部分や分岐部分
を有効に利用できる免震ユニット1が提供されることと
なり、免震ユニット1の施工や施工スペースの確保をよ
り容易に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づき詳細に説明する。図1〜図6は、本発明の
免震ユニットの実施の形態を示し、図1〜図3は、免震
ユニットの構成、図4,図5は、免震装置の各部の構
成、図6は、耐風装置の構成を示している。
【0017】本発明の免震ユニット1は、建築物の基礎
3と建物2との間に配設されるものであって、地震によ
る地面の振動や揺れが基礎3から建物2へ直接的に伝達
されないようにすると同時に、地震による地面の振動や
揺れを吸収し減衰させることによって、建物2の倒壊や
破損を防止すると共に、建物2内に配置された家具類の
転倒を防止する免震装置4と、上記免震装置4を介して
基礎3上に位置する建物2が強風によって水平方向Xに
揺れることを防止する耐風装置5とを備えて成るもので
あり、上記免震ユニット1に設けられる免震装置4及び
耐風装置5は、従来より用いられている公知のものであ
り、その一例を以下に述べる。
【0018】先ず、免震装置4について説明すると、本
実施の形態の免震装置4は、地震による地面の振動や揺
れが基礎3から建物2へ直接的に伝達されないようにす
ると同時に、地震による地面の振動や揺れを吸収し減衰
させる免震装置本体11と、上記免震装置本体11によ
る振動や揺れの吸収と減衰を補助すると共に、免震装置
本体11の水平方向Xへの変位量を制限する減衰補助手
段31より成る。
【0019】そして、上記免震装置本体11は、球12
と球12をその上下から転動可能に挟持する互いに向か
い合う一対の球転動面13,14より成る単位免震手段
Sを備え、この単位免震手段Sを、建物2の下面に固定
される上基板6と基礎3の上面に固定される下基板7と
の間に積層させると共に、各層毎にその複数を配設して
成るものであり、本実施の形態では、単位免震手段Sが
上下2層に成されていると共に、各層毎に4組(図2〜
図4参照)が配設されている。
【0020】さらに、上記単位免震手段Sを構成する球
転動面13,14の各々は、円錐型の凹部として形成さ
れており、通常時には、円錐型の凹部として形成された
球転動面13,14の中心に球12が位置しており、地
震により水平方向Xの振動や揺れが生じると、球12を
挟んで互いに向かい合う一対の球転動面13,14が球
12の転動によって水平方向Xに移動し、次いで、円錐
型の凹部として形成された球転動面13,14の傾斜に
よって球12が元の位置に戻ろうとし、球12を挟んで
互いに向かい合う一対の球転動面13,14が再び元の
位置に復元しようとするものであり、この水平方向Xへ
の移動と復元を繰り返すことで地震によって生じた水平
方向Xの振動や揺れを吸収し減衰させるものである。
【0021】そして、上記互いに向かい合う一対の球転
動面13,14の各々は、上部球支承部材16と下部球
支承部材17と中間部球支承部材18に形成されてお
り、上記上部球支承部材16には、上層に位置する単位
免震手段Sの互いに向かい合う一対の球転動面13,1
4のうち球12の上方に位置する球転動面13が形成さ
れ、上記下部球支承部材17には、下層に位置する単位
免震手段Sの互いに向かい合う一対の球転動面13,1
4のうち球12の下方に位置する球転動面14が形成さ
れ、上記中間部球支承部材18には、上部球支承部材1
6に形成された球転動面13と対を成す球転動面14及
び下部球支承部材17に形成された球転動面14と対を
成す球転動面13が形成されている。
【0022】さらに、上記上部球支承部材16は上部保
持円板19に、上記下部球支承部材17は下部保持円板
20に、上記中間部球支承部材18は中間部保持円板2
1にそれぞれ保持されており、各層毎の球転動面13,
14が一体となるように構成され、しかも、上記上部球
支承部材16を保持した上部保持円板19は、上基板6
に固定されたガイド部材23によって垂直方向Yに摺動
可能に保持されていると共に、上部保持円板19と上基
板6との間に配設された弾性部材24によって弾性的に
支持されているものであり、地震によって生じた垂直方
向Yの振動や揺れを吸収し減衰することができる。
【0023】そして、上記弾性部材24としては、板バ
ネやコイルバネ等が考慮されるが、本実施の形態では、
板バネを使用した場合を図示し、この板バネより成る弾
性部材24は、保持体25によって保持されており、こ
の保持体25と上部保持円板19との隙間Uが免震装置
4を成す免震装置本体11の弾性部材24による垂直方
向Yへの変位量Uとなる。
【0024】また、各層毎に配設された複数の球12
は、リテーナ15によって保持されており、各層毎に配
設された複数の球12の転動が同調して行われるように
構成されているものであって、免震装置4の作動、即
ち、互いに向かい合う一対の球転動面13,14の水平
方向への移動に伴う球12の転動を円滑にすると同時
に、免震装置4における作動不良の発生を防止してい
る。
【0025】さらに、上記免震装置本体11は、カバー
26によって覆われていて、異物等の侵入が防止されて
おり、免震装置本体11が常に良好な状態で作動できる
ように成され、しかも、カバー26には、蛇腹部分(図
示せず)が形成されているので、免震装置本体11が作
動した際にも免震装置本体11が覆われ続け、異物等の
侵入が防止される。
【0026】そして、上記減衰補助手段31は、上記免
震装置本体11による振動や揺れの吸収と減衰を補助す
ると共に、免震装置本体11の水平方向Xへの変位量を
制限し、球12が、球12をその上下から挟持する互い
に向かい合う一対の球転動面13,14から脱落するこ
とによって免震装置本体11の機能が損なわれることを
防止するものであり、本実施の形態では、所定の減衰力
とストロークを備えた減衰補助手段31として、多段式
のショックアブソーバーを用いた場合を示している。
【0027】そして、上記減衰補助手段31を成す多段
式のショックアブソーバーは、免震装置4が配設される
免震ユニット1の上基板6と下基板7との間を繋ぐよう
にして配設され、図5に示したように、ピストン32
と、ピストン32を摺動可能に保持する第1シリンダー
33と、第1シリンダー33の外周部分を摺動可能に保
持する第2シリンダー34と、第2シリンダー34の外
周部分を摺動可能に保持する第3シリンダー35を備え
て成るものである。
【0028】さらに、上記減衰補助手段31を成す多段
式のショックアブソーバーの両端、即ち、ピストン32
の端部と第3シリンダー35の端部には、球ジョイント
36,37が設けられており、上記球ジョイント36,
37の各々は、球ジョイント支持部38及び球ジョイン
ト保持部39によって上基板6及び下基板7に回動自在
に固定され、免震装置4が配設された免震ユニット1の
水平方向Xの移動に対応した様々な方向に傾くことがで
きる。
【0029】そして、上記第3シリンダー35の端部の
球ジョイント37を上基板6側に、ピストン32の端部
の球ジョイント36を下基板7側に位置させることによ
り、減衰補助手段31を成す多段式のショックアブソー
バーの摺動部分40を下方に位置させることができ、摺
動部分40へのゴミや埃の付着を防止できるので、作動
不良等の不具合の発生を防止できる。
【0030】さらに、上記減衰補助手段31を成す多段
式のショックアブソーバーは、免震ユニット1の上基板
6と下基板7との間に配設される際に、縮み方向に所定
の遊びMを有するようにして配設されており、免震装置
本体11の弾性部材24による垂直方向Yの変位を許容
すると同時に、垂直方向Yの振動や揺れを吸収し減衰す
るものであり、上記遊びMは、免震装置本体11の弾性
部材24による垂直方向Yへの変位量Uよりも大きく設
定されている。
【0031】そして、上記減衰補助手段31を成す多段
式のショックアブソーバーの作動流体としては、空気や
油等、様々なものが考慮されるが、油漏れ等の発生の心
配がなく、そのメンテナンスが容易であることから、作
動流体として空気を用いることが好ましく、さらに、上
記多段式のショックアブソーバーの減衰力を補うため
に、ピストン32と第1シリンダー33との間に弾性部
材41(本実施の形態では板バネを図示したがコイルバ
ネ等でもよい)を配設することも考慮される。
【0032】尚、本実施の形態では、上記減衰補助手段
31として単数の多段式のショックアブソーバ一を用い
た場合を示したが、必要に応じてその複数を用いること
も考慮され、また、上記減衰補助手段31として多段式
のショックアブソーバーを用いた場合を示したが、これ
に限らず、必要とされる減衰力及びストロークを備えて
いるものであれば、減衰補助手段31として用いること
ができることは言うまでもない。
【0033】次に、耐風装置5について説明すると、本
実施の形態の耐風装置5は、上記免震装置4を介して基
礎3上に位置する建物2が強風によって水平方向Xに揺
れることを防止するものであり、通常時には、建物2を
基礎3に対して固定し、上記免震装置4を機能させず、
地震が発生した時には、その固定を解除し、免震装置4
を機能させるものであって、係合ピン52とこれを駆動
する係合ピン駆動手段53を備えた耐風装置本体51
と、係合ピン52が係合する係合穴58を備えた固定部
材59より成り、上記係合ピン52を係合穴58に係合
させることによって、建物2を基礎3に対して固定し、
その係合を解除することによって、建物2の基礎3に対
する固定を解除するものである。
【0034】そして、上記耐風装置本体51は、建物2
の下面に固定される上基板6に取り付ける取付板54
と、この取付板54から基礎3の上面に固定される下基
板7に向かって突出すると共に、上記係合ピン52をガ
イドする筒状のガイド体55より成り、上記ガイド体5
5は、保持部材61によって取付板54に固定されてい
ると共に、その基部(取付板54側)に、係合ピン52
を駆動する係合ピン駆動手段53を有している。
【0035】そして、上記係合穴58を備えた固定部材
59は、基礎3の上面に固定される下基板7に取り付け
られるものであって、本実施の形態では、中心に係合穴
58が形成された円板によって形成されており、さら
に、上記係合穴58への係合ピン52の係合は、上記ガ
イド体55にガイドされた係合ピン52を係合穴58内
に落とし込むことによって行われ、その解除は、ガイド
体55にガイドされた係合ピン52を係合ピン駆動手段
53によって引き上げる(図6中一点鎖線)ことによっ
て行われる。
【0036】そして、上記係合ピン駆動手段53として
は、ソレノイド等が考慮され、その作動は、地震による
地面の振動や揺れを感知する図示せざる感震装置(セン
サー等)によって行われ、感震装置にて地震による地面
の振動や揺れが感知された際に、上記係合ピン駆動手段
53を作動させ、係合穴58内に落とし込まれて係合し
ている係合ピン52を引き上げ、その係合を解除するも
のである。
【0037】さらに、上記係合ピン52が係合する係合
穴58をその中心に備えた円板より成る固定部材59
は、その直径が、免震装置4の水平方向Xへの可動範囲
と同じかあるいはそれ以上に設定されており、免震ユニ
ット1のメンテナンスを行う際等に、免震装置4によっ
て水平方向Xへ変位している耐風装置5の係合ピン52
が仮に下方にストロークしたとしても、係合穴58に係
合するまで、即ち、免震装置4が静止位置に位置するま
で、水平方向Xへの変位が行われるように構成され、免
震装置4の静止位置が正確に定められるものである。
【0038】そして、上記係合ピン52をガイドするガ
イド体55の先端と、係合穴58を備えた固定部材59
の上面との間には、所定の間隔Nが設けてあり、この間
隔Nが、上記の免震装置4を成す免震装置本体11の弾
性部材24による垂直方向Yへの変位を許容し、ガイド
体55の先端と固定部材59とが接触することを防止す
るための耐風装置5の垂直方向Yにおける縮み方向への
変位許容量Nを成すものであって、上記変位許容量N
は、免震装置4を成す免震装置本体11の弾性部材24
による垂直方向Yへの変位量Uよりも大きく設定されて
いる。
【0039】さらに、上記ガイド体55の端部には、カ
バー60が取り付けられており、係合ピン52が係合穴
58に係合している時に、係合ピン52と係合穴58と
の間の隙間にゴミや埃等の異物が入り込むことを防止し
ており、係合ピン52の作動不良の発生を防止してい
る。
【0040】また、上記係合ピン52には、ガイド体5
5に形成された長穴57を介してハンドル56が取り付
けられており、このハンドル56を上下させることで、
係合ピン52を手動で上下させることもできる。
【0041】次に、本発明の免震ユニット1について説
明すると、図1に示したように、本発明の免震ユニット
1は、建物2と基礎3との間に配設されるものであっ
て、建物2の下面に固定される上基板6と、基礎3の上
面に固定される下基板7とを備え、この上基板6と下基
板7との間に、上述した免震装置4(免震装置本体11
及び減衰補助手段31)及び耐風装置5を設けて成るも
のである。
【0042】そして、上記免震ユニット1の上基板6と
下基板7との間に設けられる免震装置4と耐風装置5
は、上記上基板6及び下基板7を共有し、しかも、免震
ユニット1に設けられる免震装置4及び耐風装置5は、
免震装置4を成す免震装置本体11の弾性部材24によ
る垂直方向Yへの変位量Uが、耐風装置5の垂直方向Y
における縮み方向への変位許容量Nよりも小さく設定さ
れており、免震装置4が垂直方向Yに振動したり揺れた
りした際に、耐風装置5のガイド体55の先端が固定部
材59に接触する等して免震装置4の垂直方向Yへの変
位が妨げられることを防止している。
【0043】また、上記免震ユニット1に設けられる免
震装置4及び耐風装置5は、これらが水平方向Xへ振動
したり揺れたりした際に互いに干渉し合わないような位
置に設けられており、地震が発生した際に、免震装置4
が確実に機能するように成されている。
【0044】そして、上記免震ユニット1が、免震装置
4と耐風装置5を備えた一つのユニットとして構成され
ていることにより、免震装置4及び耐風装置5の施工が
より容易に行えると共に、免震装置4及び耐風装置5
が、免震ユニット1の上基板6と下基板7とを互いに共
有しているので、免震装置4及び耐風装置5を確実に機
能させるためのセッティングを予め行っておくことがで
き、免震装置4及び耐風装置5の信頼性を向上させるこ
とができる。
【0045】さらに、上記免震装置4の免震装置本体1
1には、免震装置4の減衰補助手段31及び耐風装置5
に比して、より厳密な水平度が要求されるものであっ
て、これは、免震装置本体11を構成する球転動面1
3,14に対する球12の転動及び復元が偏りなく確実
に行われるようにするためであり、これをより容易に実
現するために、免震装置本体11を免震ユニット1の上
基板6と下基板7との間に設ける際に、図7,図8に示
したような球面座45を用いることも考慮され、以下に
その詳細を説明する。
【0046】上記球面座45は、凸状の球面46を有す
る第1支持板47と、上記凸状の球面46を支持する凹
状の球面48を有する第2支持板49とより成り、上記
第1支持板47は、上記凸状の球面46と凹状の球面4
8とによって第2支持板49に対して回動可能に支持さ
れている。
【0047】さらに、上記球面座45は、免震装置4を
成す免震装置本体11の上下に配設され、上記免震装置
本体11の上下に位置する球面座45を構成する第2支
持板49の各々が、免震ユニット1を構成する上基板6
及び下基板7に固定され、また、第1支持板47の各々
が、免震装置本体11の上下に装着されている。
【0048】そして、上記免震ユニット1の上基板6及
び下基板7に固定された第2支持板49の凹状の球面4
8に対して第1支持板47の凸状の球面46を回動Rさ
せることによって、凸状の球面46を有する第1支持板
47の水平度を調節することができ、球面座45をその
上下に備えた免震装置本体11の水平度の保持が行われ
る。
【0049】そして、上記球面座45によって、免震装
置本体11の水平度を保持することが可能となるため、
免震ユニット1を構成する上基板6及び下基板7を建物
2及び基礎3に固定する際の水平度を厳密にする必要が
なくなり、免震ユニット1の施工がより一層容易に行え
ると共に、免震装置本体11の水平度を容易に保持する
ことができるので、免震装置本体11のセッティングや
メンテナンスを容易に行うことができ、免震装置4の信
頼性の向上を図ることができる。
【0050】また、図9,図10,図11は、免震ユニ
ット1を構成する上基板6及び下基板7の変形例を示し
たものであり、図9に示した第1の変形例は、上基板6
及び下基板7を略L字状としたものであり、この略L字
状に成された上基板6と下基板7との間に免震装置4
(免震装置本体11及び減衰補助手段31)と耐風装置
5を設けたものであり、この場合、建物2と基礎3との
間の角部分に配設するのに適した免震ユニット1が提供
される。
【0051】さらに、図10に示した第2の変形例は、
上基板6及び下基板7を略T字状としたものであり、こ
の略T字状に成された上基板6と下基板7との間に免震
装置4(免震装置本体11及び減衰補助手段31)と耐
風装置5を設け、しかも、この場合には、免震装置本体
11を挟むようにして2つの耐風装置5が設けられてお
り、この場合、建物2と基礎3との間の分岐する部分に
配設するのに適した免震ユニット1が提供される。
【0052】そして、図11に示した第3の変形例は、
図10に示した第2の変形例において、略T字状に成さ
れた上基板6と下基板7との間に設けられる免震装置4
の減衰補助手段31を免震装置本体11を挟むようにし
て2つ設けた場合を示しており、この場合も、基礎3が
分岐する部分に配設するのに適した免震ユニット1が提
供され、また、この場合には、より良好に振動や揺れを
吸収し減衰することのできる免震ユニット1が提供され
る。
【0053】尚、上記第1〜第3の変形例を示した図
9,図10,図11は、上基板6及び下基板7の形状を
明らかにすると共に、上基板6と下基板7との間に設け
られる免震装置4(免震装置本体11及び減衰補助手段
31)と耐風装置5の配置を明らかにするために、図1
におけるA−A’線に沿う断面と同様の断面を示してお
り、図中には、下基板7のみが示されているが、上基板
6も同様の形状であることは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によると次の
様な効果を奏する。即ち、請求項1によると、免震ユニ
ットが免震装置及び耐風装置を備えた一つのユニットと
して構成されているので、免震装置及び耐風装置の建物
と基礎との間への施工を容易に行えると同時に、その設
置スペースの確保が容易となり、しかも、免震装置及び
耐風装置を確実に機能させるためのセッティングを予め
行うことができ、免震装置及び耐風装置の信頼性を向上
させることができる。
【0055】さらに、請求項2によると、免震ユニット
を構成する免震装置の免震装置本体が、その上下に免震
装置本体の水平度を保持するための球面座を備えて成る
ものであるので、免震ユニットの上基板及び下基板の建
物及び基礎への固定状態に関係なく、免震装置本体の水
平度を正確に保持することができ、よって、免震装置及
び耐風装置を備えた免震ユニットの建物と基礎との間へ
の配設が容易に行えると共に、免震装置が正確に機能す
ることとなるので、免震装置の信頼性をより一層向上さ
せることができる。
【0056】そして、請求項3によると、免震ユニット
を構成する上基板及び下基板を略L字状に成すことによ
って、建物と基礎との間の角部分を有効に利用できる免
震ユニットが提供されるので、免震ユニットの施工や施
工スペースの確保がより容易となる。
【0057】そして、請求項4によると、免震ユニット
を構成する上基板及び下基板が略T字状に成すことによ
って、建物と基礎との間の分岐部分を有効に利用できる
免震ユニットが提供されるので、免震ユニットの施工や
施工スペースの確保がより容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免震ユニットの構成を示す正面図であ
る。
【図2】図1におけるA−A’線に沿う断面図である。
【図3】図1におけるB−B’線に沿う断面図である。
【図4】免震装置の免震装置本体の構成を示す断面図
(図2におけるC−C’線に沿う断面に相当)である。
【図5】免震装置の減衰補助手段の構成を示す図1にお
けるにD−D’線に沿う断面図である。
【図6】耐風装置の構成を示す断面図(図2におけるE
−E’線に沿う断面に相当)である。
【図7】免震装置本体の取り付けに球面座を用いた例を
示す図である。
【図8】免震装置本体の下部に形成された球面座の構成
を示す断面図である。
【図9】免震ユニットの第1の変形例を示す図である。
【図10】免震ユニットの第2の変形例を示す図であ
る。
【図11】免震ユニットの第3の変形例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 免震ユニット 2 建物 3 基礎 4 免震装置 5 耐風装置 6 上基板 7 下基板 11 免震装置本体 12 球 13,14 互いに向かい合う一対の球転動面 24 弾性部材 31 減衰補助手段 32 ピストン 33 第1シリンダー 34 第2シリンダー 35 第3シリンダー 36,37 球ジョイント 38 球ジョイント支持部 39 球ジョイント保持部 45 球面座 46 凸状の球面 47 第1支持板 48 凹状の球面 49 第2支持板 51 耐風装置本体 52 係合ピン 53 係合ピン駆動手段 55 ガイド体 58 係合穴 59 固定部材 S 単位免震手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物2と基礎3との間に配設され、建物
    2の下面に固定される上基板6と、基礎3の上面に固定
    される下基板7とを備え、上記上基板6と下基板7との
    間に、球12と球12をその上下から転動可能に挟持す
    る互いに向かい合う一対の球転動面13,14より成る
    単位免震手段Sを積層し各層毎にその複数を配設するこ
    とによって、地震による水平方向Xの振動や揺れを吸収
    し減衰すると共に、上記積層され各層毎にその複数が配
    設された単位免震手段Sを弾性的に支持する弾性部材2
    4によって、地震による垂直方向Yの振動や揺れを吸収
    し減衰する免震装置本体11と、上記免震装置本体11
    の地震による振動や揺れの吸収と減衰を補助すると共
    に、その水平方向Xの変位量を制限する減衰補助手段3
    1を備えて成る免震装置4と、係合ピン52と係合ピン
    52を駆動する係合ピン駆動手段53を備えた耐風装置
    本体51と、係合ピン52が係合する係合穴58を備え
    た固定部材59より成り、上記係合ピン52を係合穴5
    8に係合させることによって、建物2を基礎3に対して
    固定して免震装置4が機能しないようにし、その係合を
    解除することによって、免震装置4が機能するようにす
    る耐風装置5とが設けられた免震ユニットであって、 上記免震ユニット1の上基板6と下基板7との間に設け
    られる免震装置4と耐風装置5は、上記上基板6及び下
    基板7を共有して成り、しかも、上記免震装置4を成す
    免震装置本体11の弾性部材24による垂直方向Yへの
    変位量Uが、耐風装置5の垂直方向Yにおける縮み方向
    への変位許容量Nよりも小さくなるように予め設定され
    ていることを特徴とする免震ユニット。
  2. 【請求項2】 上記免震ユニット1に設けられる免震装
    置4の免震装置本体11は、凸状の球面46を有する第
    1支持板47と、この第1支持板47に設けられた凸状
    の球面46を回動可能に支持する凹状の球面48を有す
    る第2支持板49とより成る球面座45をその上下に備
    えて成り、この免震装置本体11の上下に設けらた球面
    座45の第2支持板49の各々を免震ユニット1の上基
    板6及び下基板7に固定すると共に、第1支持板47の
    各々を免震装置本体11の上下に装着し、上記上基板6
    及び下基板7に固定された第2支持板49の凹状の球面
    48に対して免震装置本体11の上下に装着された第1
    支持板47の凸状の球面46を回動Rさせ、凸状の球面
    46を有する第1支持板47の水平度を調節することに
    よって、免震装置本体11の水平度を保持することを特
    徴とする請求項1記載の免震ユニット。
  3. 【請求項3】 上記免震ユニット1を構成する上基板6
    及び下基板7は、略L字状に形成され、この略L字状に
    形成された上基板6及び下基板7との間に、免震装置4
    及び耐風装置5が設けられていることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の免震ユニット。
  4. 【請求項4】 上記免震ユニット1を構成する上基板6
    及び下基板7は、略T字状に形成され、この略T字状に
    形成された上基板6及び下基板7との間に、免震装置4
    及び耐風装置5が設けられていることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の免震ユニット。
JP15386498A 1998-05-19 1998-05-19 免震ユニット Expired - Fee Related JP3334041B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15386498A JP3334041B2 (ja) 1998-05-19 1998-05-19 免震ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15386498A JP3334041B2 (ja) 1998-05-19 1998-05-19 免震ユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11325179A JPH11325179A (ja) 1999-11-26
JP3334041B2 true JP3334041B2 (ja) 2002-10-15

Family

ID=15571780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15386498A Expired - Fee Related JP3334041B2 (ja) 1998-05-19 1998-05-19 免震ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3334041B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5535151B2 (ja) * 2011-08-25 2014-07-02 エイチ・アール・ディー・シンガポール プライベート リミテッド 免震状態解除装置及びこの免震状態解除装置を用いた免震構造物
CN105113635B (zh) * 2015-09-16 2018-01-23 北京市建筑设计研究院有限公司 万向水平弹性组合支座
CN114442253A (zh) * 2022-03-11 2022-05-06 中国科学院光电技术研究所 一种光学元件轴向微动调整装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11325179A (ja) 1999-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001032881A (ja) 上下免震装置
JP3334041B2 (ja) 免震ユニット
JP4754393B2 (ja) 免震テーブル
JPS62278335A (ja) 免震装置
JP3013292B2 (ja) 免震装置及びこの免震装置を持つ構造物
JP2002302377A (ja) 免震型クレーン
JP3295948B2 (ja) 動吸振装置
JP2001082542A (ja) 三次元免震装置
JP3187018B2 (ja) 免震装置
JP2000045561A (ja) ブレースダンパ
JP3278806B2 (ja) 免震装置
JPH02248551A (ja) 建造物用免震装置
JP4177991B2 (ja) 免震装置
JP2973106B2 (ja) 免震装置
JP2709129B2 (ja) 床免震構造
JP2004060404A (ja) 免震装置及び免震構造
JP3115586B2 (ja) 球状ゴム支承を使用した構造物用3次元免震装置
JP7141638B2 (ja) 除振構造
JPH09273331A (ja) 建物用震動制震機構
JPH02171463A (ja) 免震床構造
JP3326421B2 (ja) 免震装置
KR101081439B1 (ko) 구조물용 면진 베어링장치
JP4484095B2 (ja) 免震装置
JPH03228940A (ja) 免振用支承装置
JPH07109821A (ja) 床免震装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees