JP3013292B2 - 免震装置及びこの免震装置を持つ構造物 - Google Patents

免震装置及びこの免震装置を持つ構造物

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JP3013292B2
JP3013292B2 JP8071518A JP7151896A JP3013292B2 JP 3013292 B2 JP3013292 B2 JP 3013292B2 JP 8071518 A JP8071518 A JP 8071518A JP 7151896 A JP7151896 A JP 7151896A JP 3013292 B2 JP3013292 B2 JP 3013292B2
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小泉恵三郎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は免震装置及びこの免震装
置を持つ構造物に係り、更に詳しくは、球及びこの球を
挟持する球支承板を利用して地盤等の震動源からの震動
を減衰する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、地震等の震動源からの震動
が地盤上等の構造物に伝達されることを防止する為に、
上記地盤からの震動を減衰する免震装置が種々提案され
ている。その1例として、特公昭54−10167号公
報に示された免震装置がある。具体的には、土台と基礎
との間に免震装置が位置し、上記免震装置は上記土台及
び基礎のそれぞれに固定された上下の球支承板と、当該
上下の球支承板の間に挟持された球とを有し、上記上下
の球支承板の各々には、周囲から中心に向かってじょう
ご状に傾斜した球転動面がそれぞれ形成され、上記上下
の球転動面で一対を成す球転動面間に上記球が位置する
ものであった。そして、上記従来の免震装置では上記上
下の球支承板が一対のみであって、このただ一対の球支
承板間に上記球が一個だけ位置しているものであった。
即ち、1つの免震装置は、上下一対の球支承板と一個の
球とだけを有するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】所で、上記免震装置の
動きに着目すると、上下方向を主とする震動が伝達され
てきたとき、上記上下の球支承板間に挟持された球が圧
縮及び復元を繰り返すことで上記上下方向を主とする震
動が吸収され減衰される。また、水平方向を主とする震
動が伝達されてきたとき、上記下の球支承板は震動に従
う水平移動をすると共に、上の球支承板は元の静止位置
を維持しようとする水平移動をし、これら上下の球支承
板の水平移動によって上記水平方向を主とする震動が吸
収され減衰されるものである。そして、上記免震装置
は、上記震動を減衰させる為に、建物等の構造物を支え
た上で動き得る構成をもつものであった。
【0004】しかしながら、上記免震装置は、1つの免
震装置につきただ一個の球で構造物を支える構成と成さ
れていた為に、上記一個の球に構造物の荷重が集中して
かかってしまうものであった。この為に上下方向を主と
する震動では、一個の球のみで上下方向を主とする震動
を減衰しなければならなくなり、球の復元が行なわれに
くく、上下方向を主とする震動に対する減衰が早期に行
なわれにくかったと共に、水平方向を主とする震動で
は、一個の球に集中荷重がかかった状態で上記上下の球
支承板が水平移動しなければならなくなり、この水平移
動がスム−ズに行なわれにくく、水平方向を主とする震
動に対する減衰が良好に行なわれにくかった。また、上
記上下一対の球支承板と1個の球だけでは、上記上の球
支承板と下の球支承板との間の水平方向の動き幅が比較
的小さく、比較的大きな水平方向を主とする震動に対応
することが難しかった。
【0005】従って、本発明の目的とする所は、上記上
下一対の球支承板とその間の球とを有する免震装置に於
て、上下方向を主とする震動及び水平方向を主とする震
動をより良好に減衰する技術に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本発明は次の技術的手段を有する。即ち、実施例に
対応する添付図面中の符号を用いてこれを説明すると、
本発明は土台と基礎22との間に位置し、地盤からの震
動を減衰する免震装置31であって、当該免震装置31
は上下一対の球転動面15が複数対形成された上下の球
支承板と、上記複数対の球転動面15に対応する数だけ
上記上下の球支承板間に挟持された球状硬体の複数の硬
球39とを有し、上記上下の球支承板の各々の球転動面
15は、周囲から中心に向かってじょうご状に傾斜する
ように形成され、上記上下の球支承板と硬球39とを上
下方向で交互に位置せしめる状態で多層と成された震動
ユニットEを備えている免震装置31に於て、上記震動
ユニットEの多層の球支承板は、上記土台側に固定され
た円筒形状の上ガイドシリンダ4に対して上下方向Zの
みに移動可能に取り付けられた上ピストン球支承板10
と、上記基礎22側に固定された円筒形状の下ガイドシ
リンダ5に対して上下方向Zのみに移動可能に取り付け
られた下ピストン球支承板11と、これら上下のピスト
ン球支承板10、11の間に位置する遊球支承板12、
13と、に区分され、上記上ガイドシリンダ4の内部で
上ピストン球支承板10と土台との間、及び上記下ガイ
ドシリンダ5の内部で下ピストン球支承板11と基礎2
2との間の各々には、弾性体が配設されており、上記上
下のガイドシリンダ4、5の各々に取り付けられた上下
のピストン球支承板10、11の各々は、上記上下のガ
イドシリンダ4、5の各々に対して気密と成されている
と共に、上記上下のガイドシリンダ4、5の各々と上記
上下のピストン球支承板10、11の各々とにより囲ま
れるそれぞれの空間が気密な空気室37、38と成さ
れ、而も上記上下のガイドシリンダ4、5の各々に取り
付けられた上記上下のピストン球支承板10、11に
は、上記空気室37、38と外部とを結ぶように上下方
向Zに貫通する空気行戻孔33A、33Bがそれぞれ形
成されており、上記上下のピストン球支承板10、11
の間に位置する遊球支承板12、13は、上記上下のガ
イドシリンダ4、5の各々の頂部4A、5Aの間に位置
し、上記地盤からの震動が、上記基礎22を介して上記
土台へ伝達される震動のうち、上下方向Zの震動成分
は、上記上ガイドシリンダ4の内部に於ける上ピストン
球支承板10の上下動変位と、上記下ガイドシリンダ5
の内部に於ける下ピストン球支承板11の上下動変位と
により吸収され、水平方向の震動成分は、上記上下のガ
イドシリンダ4、5の各々の頂部4A、5Aの間に位置
し、上記上下のガイドシリンダ4、5の各々の頂部4
A、5Aに当接しないような遊球支承板12、13と、
上記硬球39と、上記上下のピストン球支承板10、1
1との相対的な水平変位により吸収されることを特徴と
する免震装置である。
【0007】また、震動源からの震動を減衰する為の免
震装置31を持つ構造物であって、上記免震装置31
は、土台と基礎22との間に位置し、地盤からの震動を
減衰する免震装置31であって、当該免震装置31は上
下一対の球転動面15が複数対形成された上下の球支承
板と、上記複数対の球転動面15に対応する数だけ上記
上下の球支承板間に挟持された球状硬体の複数の硬球3
9とを有し、上記上下の球支承板の各々の球転動面15
は、周囲から中心にむかってじょうご状に傾斜するよう
に形成され、上記上下の球支承板と硬球39とを上下方
向Zで交互に位置せしめる状態で多層と成された振動ユ
ニットEを備えている免震装置31を持つ構造物に於
上記震動ユニットEの多層の球支承板は、上記土台
側に固定された円筒形状の上ガイドシリンダ4に対して
上下方向Zのみに移動可能に取り付けられた上ピストン
球支承板10と、上記基礎22側に固定された円筒形状
の下ガイドシリンダ5に対して上下方向Zのみに移動可
能に取り付けられた下ピストン球支承板11と、これら
上下のピストン球支承板10、11の間に位置する遊球
支承板12、13と、に区分され、上記上ガイドシリン
ダ4の内部で上ピストン球支承板10と土台との間、及
び上記下ガイドシリンダ5の内部で下ピストン球支承板
11と基礎22との間の各々には、弾性体が配設されて
おり、上記上下のガイドシリンダ4、5の各々に取り付
けられた上下のピストン球支承板10、11の各々は、
上記上下のガイドシリンダ4、5の各々に対して気密と
成されていると共に、上記上下のガイドシリンダ4、5
の各々と上記上下のピストン球支承板10、11の各々
とにより囲まれるそれぞれの空間が気密な空気室37、
38と成され、而も上記上下のガイドシリンダ4、5の
各々に取り付けられた上記上下のピストン球支承板1
0、11には、上記空気室37、38と外部とを結ぶよ
うに上下方向 Zに貫通する空気行戻孔33A、33Bが
それぞれ形成されており、上記上下のピストン球支承板
10、11の間に位置する遊球支承板12、13は、上
記上下のガイドシリンダ4、5の各々の頂部4A、5A
の間に位置し、上記地盤からの震動が、上記基礎22を
介して上記土台へ伝達される震動のうち、上下方向Zの
震動成分は、上記上ガイドシリンダ4の内部に於ける上
ピストン球支承板10の上下動変位と、上記下ガイドシ
リンダ5の内部に於ける下ピストン球支承板11の上下
動変位とにより吸収され、水平方向の震動成分は、上記
上下のガイドシリンダ4、5の各々の頂部4A、5Aの
間に位置し、上記上下のガイドシリンダ4、5の各々の
頂部4A、5Aに当接しないような遊球支承板12、1
3と、上記硬球39と、上記上下のピストン球支承板1
0、11との相対的な水平変位により吸収されることを
特徴とする免震装置31をもつ構造物である。
【0008】
【作用】上記構成により、上記硬球39を用いた免震装
置31の動きを説明する。先ず、地盤等の震動源から上
下方向Zを主とする震動が伝達してきたとき、上記上下
のガイドシリンダ4、5の各々に上下方向Zのみに移動
可能に取り付けられた上下のピストン球支承板10、1
1の各々が、上記上下のガイドシリンダ4、5の各々に
対して上下動する。更に、上記震動ユニットEの空気行
戻孔33A、33Bを通過して空気室37、38に空気
が出入りし、空気室37、38がクッションとなって上
記震動ユニットEが震動を吸収しつつ上下動し、上記上
下方向Zを主とする震動が減衰されてゆくものである。
また、地盤等の震動源から水平方向を主とする震動が伝
達してきたとき、上記多層の球支承板の内、基礎22と
一緒に水平移動する球支承板は地盤等からの震動に従っ
て水平移動すると共に、上記基礎22と一緒に水平移動
する球支承板よりも上層の球支承板は水平移動幅を基礎
の水平方向の移動幅よりも小さくし、静止位置を維持し
ようとする。次いで上記水平移動した複数の球支承板
は、上記じょうご状の球転動面15の中心部に硬球39
が位置しようとする作用でそれぞれの球支承板が元の静
止位置に戻ろうとする。つまり、上記多層と成された複
数の球支承板のそれぞれによって上記水平方向を主とす
る震動が吸収され、減衰されてゆくものである。
【0009】
【実施例】次に、添付図面に従い本発明の実施例を詳述
する。先ず図1から図7までを参照して実施例を説明す
る。2は構造物である建物21の土台に固定された上座
板であり、3は基礎22に固定された下座板であって、
免震装置31は上記上座板2及び下座板3間に位置す
る。上記上座板2及び下座板3には、円筒形状の上ガイ
ドシリンダ4及び下ガイドシリンダ5がそれぞれ固定さ
れていて、上記上下のガイドシリンダ4、5は互いに間
隔を開けて向かい合っている。そして、上記上下のガイ
ドシリンダ4、5の周囲にはゴムカバ−6が取り巻かれ
ている。上記ゴムカバ−6は、伸縮自在の性質を持つ。
【0010】そして、上記上下ガイドシリンダ4、5内
部には弾性体及び球支承板並びに硬球39が配設されて
いる。上記球支承板は、2つのピストン球支承板10、
11と、2つの遊球支承板12、13とから成る。尚、
この実施例の免震装置31の多層の球支承板と、多層の
硬球39とをまとめて震動ユニットEとする。上記硬球
39は、例えば、弾復元しない鋼球である。
【0011】上記震動ユニットEの多層の球支承板は、
上記上座板2に固定された上ガイドシリンダ4に対して
上下方向Zに移動可能に支持された上ピストン球支承板
10と、上記下座板3に固定された下ガイドシリンダ5
に対して上下方向Zに移動可能に支持された下ピストン
球支承板11と、これら上下のピストン球支承板10、
11の間に位置する第1及び第2遊球支承板12、13
とに区分される。上記上ピストン球支承板10は、上記
上ガイドシリンダ4にガイドされて上下動する。同じく
下ピストン球支承板11は、上記下ガイドシリンダ5に
ガイドされて上下動する。つまり、上記上下のピストン
球支承板10、11の各々は、上記上下のガイドシリン
ダ4、5の各々に対して上下方向Zのみに移動可能とさ
れている。また、上記上下のピストン球支承板10、1
1の間に位置している第1及び第2遊球支承板12、1
3のそれぞれは、上記上下のガイドシリンダ4、5の各
々の頂部4A、5Aの間に位置していると共に、上記上
下のガイドシリンダ4、5の各々の頂部4A、5Aに当
接しないような位置に位置している。
【0012】上記震動ユニットEの多層の球支承板に着
目すると、上ピストン球支承板10及び第1遊球支承板
12間、上記第1遊球支承板12及び第2遊球支承板1
3間、並びに上記第2遊球支承板13及び下ピストン球
支承板11間のそれぞれには、硬球39が挟持されてい
る。
【0013】上記硬球39を上下方向Zから挟持するそ
れぞれの球支承板には球転動面15が形成されている。
上記球転動面15は、周囲から中心に向かってじょうご
状に形成された面であって、上下の球支承板のそれぞれ
の球転動面15で1個の硬球39を挟持しており、通常
の状態では上記硬球39が上記球転動面15の中心部に
位置している。
【0014】そして、上記それぞれの球支承板に形成さ
れた球転動面15は複数有する。詳しくは、上記上ピス
トン球支承板10及び第1遊球支承板12間には複数の
硬球39が挟持されていて、これらの硬球39は、上記
上ピストン球支承板10及び第1遊球支承板12が互い
に向かい合う面に形成された球転動面15間に位置して
いる。また同じく上記第1遊球支承板12及び第2遊球
支承板13間には複数の硬球39が挟持されていて、こ
れらの硬球39は、上記第1遊球支承板12及び第2遊
球支承板13が互いに向かい合う面に形成された球転動
面15間に位置している。そして同じく上記第2遊球支
承板13及び下ピストン球支承板11にも球転動面15
が複数形成され、複数の硬球39が挟持されている。こ
の例では、上記硬球39が平面から見て球支承板の中心
に1個、その周囲に6個位置するように複数存在する
(図3参照)。
【0015】つまり、上記上下一対の球転動面15が上
記上下の球支承板に対して複数対形成され、これら複数
対の球転動面15の各々一対の球転動面15間に上記硬
球39が位置することで上記硬球39が水平方向で複数
存在している。そして、上記上下の球支承板と硬球39
とが上下方向に交互に位置する状態で多層に構成されて
いるものである。
【0016】上記上下のガイドシリンダ4、5の各々に
支持された上下のピストン球支承板10、11は、上記
上下のガイドシリンダ4、5に対して各々気密且つ上下
動可能に挿入されている。また、上記上下のガイドシリ
ンダ4、5と上下のピストン球支承板10、11に囲ま
れるそれぞれの空間が気密な上下の空気室37、38と
成されている。そして、上記上下のピストン球支承板1
0、11のそれぞれには上下方向Zに貫通する空気行戻
孔33A、33Bが形成されている。
【0017】また、上記上の空気室37内には、上記上
ガイドシリンダ4に支持された上ピストン球支承板10
と、土台側の受面36A、ここでは上記上座板2の下面
である受面36Aとに接触する弾発性を有する弾性体が
配設されている。上記弾性体はこの例では皿バネであっ
て、第1上皿バネ7Aと第2上皿バネ7Bとの2つが配
設されている。
【0018】同じく、上記下の空気室38内には、上記
下ガイドシリンダ5に支持された下ピストン球支承板1
1と、基礎22側の受面36B、ここでは上記下座板3
の上面である受面36Bとに接触する弾発性を有する弾
性体が配設されている。上記弾性体はこの例では皿バネ
であって、第3下皿バネ7Cと第4下皿バネ7Dとの2
つが配設されている。
【0019】尚、この実施例では、上記上下の空気室3
7、38に皿バネを配設したが、他の弾性体、例えばコ
イルバネ等を配設しても良い。また、上記各空気室3
7、38内の皿バネの数は単数或いは3つ以上の複数で
も良い。
【0020】次に、上記免震装置31の周囲に位置する
補助免震装置16について説明する。上記補助免震装置
16は、上記上座板2及び下座板3間に位置し、ショッ
クアブソ−バ17とショックアブソ−バ17の周囲に配
設されたコイルバネ18とから成る。上記ショックアブ
ソ−バ17の両端は上記上座板2及び下座板3に対して
それぞれ球つがい式に取り付けられ、全方向に傾き可能
と成されている。また、上記ショックアブソ−バ17
は、上記上座板2と下座板3との間で一方の部材が他方
の部材に対して摺動する1組の摺動部材から成る。つま
り、上記ショックアブソ−バ17は、油圧式のショック
アブソ−バ17であって、筒状のシリンダ−部19と、
このシリンダ−部19に対して摺動するピストン部20
とから成る。図6を参照すると23はオイルである。そ
して、上記コイルバネ18は、その両端が上記シリンダ
−部19及びピストン部20のそれぞれに固定されてい
る。尚、上記ショックアブソ−バ17は空気圧式でも良
い。
【0021】そして、上記ショックアブソ−バ17は、
この軸線Aが傾くように取り付けられている。具体的に
は、上記上座板2に取り付けられたショックアブソ−バ
17の一端と、上記下座板3に取り付けられた他端とが
上記免震装置31の軸線Bを中心として異なる半径上に
位置し、且つ上記上座板2に取り付けられた複数のショ
ックアブソ−バ17のそれぞれの一端は上記免震装置3
1の軸線Bを中心とした同一半径R上に位置せしめられ
ていると共に、上記下座板3に取り付けられた複数のシ
ョックアブソ−バ17のそれぞれの他端は上記免震装置
31の軸線Bを中心とした同一半径T上に位置せしめら
れている。そして、この例では上記半径Rは半径Tより
も大きい。尚、上記半径Rが半径Tよりも小さくなるよ
う設定しても良い。
【0022】即ち、本発明の免震装置及びこの免震装置
をもつ構造物は、上記震動ユニットEの多層の球支承板
は、上記土台側に固定された円筒形状の上ガイドシリン
ダ4に対して上下方向Zのみに移動可能に取り付けられ
た上ピストン球支承板10と、上記基礎22側に固定さ
れた円筒形状の下ガイドシリンダ5に対して上下方向Z
のみに移動可能に取り付けられた下ピストン球支承板1
1と、これら上下のピストン球支承板10、11の間に
位置する遊球支承板12、13と、に区分され、上記上
ガイドシリンダ4の内部で上ピストン球支承板10と土
台との間、及び上記下ガイドシリンダ5の内部で下ピス
トン球支承板11と基礎22との間の各々には、弾性体
が配設されており、上記上下のガイドシリンダ4、5の
各々に取 り付けられた上下のピストン球支承板10、1
1の各々は、上記上下のガイドシリンダ4、5の各々に
対して気密と成されていると共に、上記上下のガイドシ
リンダ4、5の各々と上記上下のピストン球支承板1
0、11の各々とにより囲まれるそれぞれの空間が気密
な空気室37、38と成され、而も上記上下のガイドシ
リンダ4、5の各々に取り付けられた上記上下のピスト
ン球支承板10、11には、上記空気室37、38と外
部とを結ぶように上下方向Zに貫通する空気行戻孔33
A、33Bがそれぞれ形成されており、上記上下のピス
トン球支承板10、11の間に位置する遊球支承板1
2、13は、上記上下のガイドシリンダ4、5の各々の
頂部4A、5Aの間に位置し、上記地盤からの震動が、
上記基礎22を介して上記土台へ伝達される震動のう
ち、上下方向Zの震動成分は、上記上ガイドシリンダ4
の内部に於ける上ピストン球支承板10の上下動変位
と、上記下ガイドシリンダ5の内部に於ける下ピストン
球支承板11の上下動変位とにより吸収され、水平方向
の震動成分は、上記上下のガイドシリンダ4、5の各々
の頂部4A、5Aの間に位置し、上記上下のガイドシリ
ンダ4、5の各々の頂部4A、5Aに当接しないような
遊球支承板12、13と、上記硬球39と、上記上下の
ピストン球支承板10、11との相対的な水平変位によ
り吸収されることを特徴とするものである。
【0023】以上の構成により、上記実施例の免震装置
31の動きを説明する。先ず、上記地盤等の震動源から
上下方向Zを主とする震動が伝達してきたとき、上記上
下のガイドシリンダ4、5の各々に上下方向Zのみに移
動可能に取り付けられた上下のピストン球支承板10、
11の各々が上記上下のガイドシリンダ4、5の各々に
対して上下動する。更に、上記震動ユニットEの空気行
戻孔33A、33Bを通過して空気室37、38に空気
が出入りし、空気室37、38がクッションとなって上
記震動ユニットEが震動を吸収しつつ上下動し、上記上
下方向Zを主とする震動が減衰されてゆくものである。
【0024】また、上記地盤等の震動源から水平方向を
主とする震動が伝達してきたとき、上記多層の球支承板
の内、上記下ピストン球支承板11は震動に従って水平
移動すると共に、上記下ピストン球支承板11よりも上
層の球支承板は水平移動幅を地盤の水平方向の移動幅よ
りも小さくし、静止位置を維持しようとする。次いで上
記水平移動した複数の球支承板は、上記じょうご状の球
転動面15の中心部に硬球39が位置しようとする作用
でそれぞれの球支承板が元の位置に戻ろうとする。つま
り、上記多層と成された複数の球支承板のそれぞれによ
って上記水平方向を主とする震動が吸収され、減衰され
てゆくものである。
【0025】尚、上記実施例の多層の球支承板は、上記
じょうご状の球転動面15の径がある値に決まっている
とき、多層にする数を多くするほど最上部の球支承板と
最下部の球支承板との水平方向のずれ幅を大きくするこ
とができるものであり、上記球支承板の数は任意に決め
ることができる。
【0026】また、実際の地震では上記上下方向Zを主
とする震動と水平方向を主とする震動が組み合わさった
状態で伝達されることが多く、例えば直下型の地震で
は、第1波として上下方向Zを主とする震動が伝達する
と共に、第2波として水平方向を主とする震動が伝達
し、それぞれの震動及び組み合わせの震動に対して上記
免震装置31が働くものである。また、上記免震装置3
1が設置される場所は、建物の土台と基礎22との間の
他に、複数階有する建物内部、例えば中間階の床下等に
設置しても良い。
【0027】次に、上記補助免震装置16の動きを説明
する。先ず、上記地盤から上下方向Zを主とする震動が
伝達してきたとき、上記ショックアブソ−バ17及び上
記コイルバネ18が伸縮して震動が吸収され減衰されて
ゆく。また、上記地盤から水平方向を主とする震動が伝
達してきたとき、上記ショックアブソ−バ17及びコイ
ルバネ18の傾き方向が変化しつつ、伸縮して震動が吸
収され減衰されてゆく。詳しくは、上記ショックアブソ
−バ17及びコイルバネ18の傾き方向が変化したと
き、上記複数の補助免震装置16の間で復元力に差が出
る。この為に、上記各補助免震装置16は上記復元力の
差がなくなる方向に復元しようとし、結果元の傾き状態
となる位置に戻り、このときの復元で上記水平方向を主
とする震動が吸収され減衰されるものである。
【0028】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1及び請求項
によると、複数多層の球支承板及び硬球を備える震動
ユニットにより、上記上下のガイドシリンダの各々に上
下方向のみに移動可能に取り付けられている上下のピス
トン球支承板の各々が、上記上下のガイドシリンダの各
々に対して上下動することにより、上下方向の震動を吸
収することができ、上下方向を主とする震動に対する減
衰が早期に行なわれ易いと共に、水平方向を主とする震
動では、上記上下のガイドシリンダの各々の頂部の間に
位置し、上記上下のガイドシリンダの各々の頂部に当接
しないような遊球支承板と、硬球と、上下のピストン球
支承板が各々相対的に水平変位するので、上記土台と基
礎との間の水平方向の動き幅を比較的大きくすることが
でき、これにより、比較的大きな水平方向の動き幅を大
きくすることができ、比較的大きな水平方向を主とする
震動にも対応し易い。また、上記球支承板間に挟持する
球を球状硬体の硬球にすることで、この硬球に対して上
下方向から力が加わっても弾性変形せず球形状を保つの
で、上記球支承板が水平移動したとき、上記じょうご状
の球転動面の中心部に硬球が位置しようとする作用が生
じ易く、上記球支承板の水平方向の復元が早期に進み易
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で示した免震装置の通常の状態
の側面図である。
【図2】本発明の実施例で示した免震装置が動いた状態
の側面図である。
【図3】本発明の実施例で示した免震装置の通常の状態
の平面図である。
【図4】本発明の実施例で示した免震装置の球支承板が
動く前の図である。
【図5】本発明の実施例で示した免震装置の球支承板が
水平に動いた状態の図である。
【図6】本発明の実施例で示した補助免震装置の断面図
である。
【図7】本発明の実施例で示した免震装置の取り付け位
置を示した図である。
【符号の説明】
4 上ガイドシリンダ 4A 頂部 5 下ガイドシリンダ 5A 頂部 15 球転動面 16 補助免震装置 17 ショックアブソ−バ 18 コイルバネ 22 基礎 31 免震装置 33A、33B 空気行戻孔 37、38 空気室 39 硬球 Z 上下方向

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】土台と基礎22との間に位置し、地盤から
    の震動を減衰する免震装置31であって、当該免震装置
    31は上下一対の球転動面15が複数対形成された上下
    の球支承板と、上記複数対の球転動面15に対応する数
    だけ上記上下の球支承板間に挟持された球状硬体の複数
    の硬球39とを有し、上記上下の球支承板の各々の球転
    動面15は、周囲から中心に向かってじょうご状に傾斜
    するように形成され、上記上下の球支承板と硬球39と
    を上下方向で交互に位置せしめる状態で多層と成された
    震動ユニットEを備えている免震装置31に於て、 上記震動ユニットEの多層の球支承板は、上記土台側に
    固定された円筒形状の上ガイドシリンダ4に対して上下
    方向Zのみに移動可能に取り付けられた上ピストン球支
    承板10と、上記基礎22側に固定された円筒形状の下
    ガイドシリンダ5に対して上下方向Zのみに移動可能に
    取り付けられた下ピストン球支承板11と、これら上下
    のピストン球支承板10、11の間に位置する遊球支承
    板12、13と、に区分され、上記上ガイドシリンダ4
    の内部で上ピストン球支承板10と土台との間、及び上
    記下ガイドシリンダ5の内部で下ピストン球支承板11
    と基礎22との間の各々には、弾性体が配設されてお
    り、上記上下のガイドシリンダ4、5の各々に取り付け
    られた上下のピストン球支承板10、11の各々は、上
    記上下のガイドシリンダ4、5の各々に対して気密と成
    されていると共に、上記上下のガイドシリンダ4、5の
    各々と上記上下のピストン球支承板10、11の各々と
    により囲まれるそれぞれの空間が気密な空気室37、3
    8と成され、而も上記上下のガイドシリンダ4、5の各
    々に取り付けられた上記上下のピストン球支承板10、
    11には、上記空気室37、38と外部とを結ぶように
    上下方向Zに貫通する空気行戻孔33A、33Bがそれ
    ぞれ形成されており、上記上下のピストン球支承板1
    0、11の間に位置する遊球支承板12、13は、上記
    上下のガイドシリンダ4、5の各々の頂部4A、5Aの
    間に位置し、上記地盤からの震動が、上記基礎22を介
    して上記土台へ伝達される震動のうち、上下方向Zの震
    動成分は、上記上ガイドシリンダ4の内部に於ける上ピ
    ストン球支承板10の上下動変位と、上記下ガイドシリ
    ンダ5の内部に於ける下ピストン球支承板11の上下動
    変位とにより吸収され、水平方向の震動成分は、上記上
    下のガイドシリンダ4、5の各々の頂部4A、5Aの間
    に位置し、上記上下のガイドシリンダ4、5の各々の頂
    部4A、5Aに当接しないような遊球支承板12、13
    と、上記硬球39と、上記上下のピストン球支承板1
    0、11との相対的な水平変位により吸収されることを
    特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】 震動源からの震動を減衰する為の免震装
    置31を持つ構造物であって、上記免震装置31は、土
    台と基礎22との間に位置し、地盤からの震動を減衰す
    る免震装置31であって、当該免震装置31は上下一対
    の球転動面15が複数対形成された上下の球支承板と、
    上記複数対の球転動面15に対応する数だけ上記上下の
    球支承板間に挟持された球状硬体の複数の硬球39とを
    有し、上記上下の球支承板の各々の球転動面15は、周
    囲から中心にむかってじょうご状に傾斜するように形成
    され、上記上下の球支承板と硬球39とを上下方向Zで
    交互に位置せしめる状態で多層と成された振動ユニット
    Eを備えている免震装置31を持つ構造物に於て 上記震動ユニットEの多層の球支承板は、上記土台側に
    固定された円筒形状の上ガイドシリンダ4に対して上下
    方向Zのみに移動可能に取り付けられた上ピストン球支
    承板10と、上記基礎22側に固定された円筒形状の下
    ガイドシリンダ5に対して上下方向Zのみに移動可能に
    取り付けられた下ピストン球支承板11と、これら上下
    のピストン球支承板10、11の間に位置する遊球支承
    板12、13と、に区分され、上記上ガイドシリンダ4
    の内部で上ピストン球支承板10と土台との間、及び上
    記下ガイドシリンダ5の内部で下ピストン球支承板11
    と基礎22との間の各々には、弾性体が配設されてお
    り、上記上下のガイドシリンダ4、5の各々に取り付け
    られた上下のピストン球支承板10、11の各々は、上
    記上下のガイドシリンダ4、5の各々に対して気密と成
    されていると共に、上記上下のガイドシリンダ4、5の
    各々と上記上下のピストン球支承板10、11の各々と
    により囲まれるそれぞれの空間が気密な空気室37、3
    8と成され、而も上記上下のガイドシリンダ4、5の各
    々に取り付けられた上記上下のピストン球支承板10、
    11には、上記空気室37、38と外部とを結ぶように
    上下方向 Zに貫通する空気行戻孔33A、33Bがそれ
    ぞれ形成されており、上記上下のピストン球支承板1
    0、11の間に位置する遊球支承板12、13は、上記
    上下のガイドシリンダ4、5の各々の頂部4A、5Aの
    間に位置し、上記地盤からの震動が、上記基礎22を介
    して上記土台へ伝達される震動のうち、上下方向Zの震
    動成分は、上記上ガイドシリンダ4の内部に於ける上ピ
    ストン球支承板10の上下動変位と、上記下ガイドシリ
    ンダ5の内部に於ける下ピストン球支承板11の上下動
    変位とにより吸収され、水平方向の震動成分は、上記上
    下のガイドシリンダ4、5の各々の頂部4A、5Aの間
    に位置し、上記上下のガイドシリンダ4、5の各々の頂
    部4A、5Aに当接しないような遊球支承板12、13
    と、上記硬球39と、上記上下のピストン球支承板1
    0、11との相対的な水平変位により吸収されることを
    特徴とする免震装置31をもつ構造物。
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