JPH07109821A - 床免震装置 - Google Patents

床免震装置

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Publication number
JPH07109821A
JPH07109821A JP25415893A JP25415893A JPH07109821A JP H07109821 A JPH07109821 A JP H07109821A JP 25415893 A JP25415893 A JP 25415893A JP 25415893 A JP25415893 A JP 25415893A JP H07109821 A JPH07109821 A JP H07109821A
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JP
Japan
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floor
rollers
seismic isolation
roller
isolation device
Prior art date
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Application number
JP25415893A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Sasagawa
和郎 笹川
Masa Aoki
雅 青木
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Toray Engineering Co Ltd
Original Assignee
Toyo Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 建物内に設置される精密機械等の比較的振動
や衝撃に弱い装置を地震等から保護する床免震装置を低
コストで容易に設置できるようにする。 【構成】 本発明の床免震装置は、基本的に基礎スラブ
S上に配置される浮床1と、この浮床1を移動自在に支
持するローラ3とからなる。上記ローラ3は、L字状に
形成されるとともに垂直な回転軸を中心として回動自在
に浮床1に固定されたアーム2先端に取付けられる。ま
た、ローラ3の回転軸3aは、ローラ3の中心から偏心
した位置に取付けられる。そして、地震等により床スラ
ブSが振動した際に、アーム2が回転してローラ3の回
転方向が振動方向と同じになる。そして、ローラ3が回
転することにより、床スラブSから浮床1への振動及び
衝撃の伝達が抑制される。また、偏心したローラ3が回
転することにより、床スラブSに対する浮床1の振動の
減衰及び浮床1の原点位置への復帰がなされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物内に載置される物
に対して地震等による衝撃を与えないように該衝撃を吸
収する床免震装置に係わり、特に、地震等の衝撃に比較
的弱い精密機械等の装置を載置するのに好適な床免震装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、免震装置は、例えば、地震等の
衝撃を直接伝達しないようにする機構と、振動エネルギ
を吸収する減衰機構とからなっている。例えば、建物自
体を免震する免震装置には、建物の基礎上に、衝撃を伝
達しない機構としての積層ゴムを介して建物の上部構造
物を構築するとともに、上記基礎と上部構造物との間に
減衰機構としてのダンパを配置するものがある。
【0003】また、免震装置には、建物自体を免震する
のではなく、建物内に配置された精密機械等を地震の衝
撃から保護するために、床を免震構造とした床免震装置
がある。従来、上記床免震装置としては、床を床スラブ
上の床面と、該床面上に配置される床板の二重構造とす
るとともに、上記床面と床板との摩擦係数を低いものと
して、床面上で床板が滑るようにした滑り式の床免震装
置や、上記床面と床板の間にボールを配置して、上記ボ
ールの転動により床面に対して床板を移動可能としたボ
ールベアリング式の床免震装置がある。
【0004】これらの床免震装置は、地震により床スラ
ブに水平方向の衝撃力が入力された際に、床スラブに対
して床板が容易に移動できることにより、上記水平方向
の衝撃力が床スラブから床板に伝達されるのを防止する
ようになっている。また、上述のような床免震装置にお
いては、床スラブに対して床板を移動可能に配置するこ
とで、地震の衝撃を吸収するようになっているが、地震
の振動が収まった際に、床板が床スラブに対して大きく
移動してしまうことになる。従って、この床スラブに対
する床板の移動を収め、床板を元の位置に戻すために、
上記建物自体の免震装置と同様に減衰装置が必要とな
る。
【0005】例えば、上記滑り式の床免震装置において
は、床板と建物とをバネにより接続することにより、床
板の床スラブに対する振動を減衰するとともに、床板を
元の位置に戻すようにしている。また、上記ボールベア
リング式の床免震装置においては、床スラブ側にボール
を受けるための中心が低くなった受け皿を設け、地震等
の振動により移動したボールが最終的に受け皿の中心に
転がるようにして、床板の床スラブに対する振動を減衰
するとともに、床板を元の位置に戻すようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
滑り式の床免震装置においては、上記床面と床板との摩
擦係数を下げる必要があるとともに、上述のように床板
をバネを介して建物に接続する必要があり、設備コスト
が高く、施工も煩雑なものとなるといった問題がある。
また、上記ボールベアリング式の床免震装置において
は、床板が床面上にボールを介して点で支持されること
になるので、例えば、ボールと床面との接続点に大きな
荷重がかかることになる。従って、ボール及び床面側の
上記受け皿は、高い硬度を有する材質のものを使用する
必要があり、設備コストを高くする要因となっている。
また、床面側に上記受け皿を配置する必要があることか
ら、施工が煩雑なものとなる。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、地震等の衝撃を吸収して床上の精密機械等を保
護することができるとともに、低コストで容易に設置す
ることができる床免震装置を提供することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
床免震装置は、基盤上に配置された床板と、該床板の下
面に設けられ、かつ、上記基盤上を移動自在に上記床板
を支持する複数のローラとを具備してなり、上記ローラ
は、偏心した状態で上記基盤上を転動自在に上記床板に
接続されていることを上記課題の解決手段とした。本発
明の請求項2記載の床免震装置においては、上記ローラ
が、上記床板の下面から下方に延出する取付片を介して
床板に接続され、上記取付片が鉛直な方向の回転軸を中
心として上記床板に回動自在に取り付けられるととも
に、上記床板を支持した上記ローラの重心が上記取付片
の回転軸の延長線からずれた位置に配置され、かつ、上
記ローラの重心と上記取付片の回転軸の延長線とを結ぶ
水平な線と、上記ローラの転がり方向とが略一致するよ
うに、上記ローラと上記取付片とが接続されていること
をが好ましい。
【0009】
【作用】上記請求項1記載の床免震装置によれば、平常
時、すなわち地震などによる振動がない場合には、床板
に偏心した状態で接続されたローラの回転軸が最も下の
位置で安定した状態となる。すなわち、床板及び床板上
の物体の荷重により、床板に接続されたローラは、偏心
した回転軸が最も下に来る位置まで回転した後に静止し
た状態となる。
【0010】そして、地震等により基盤が水平方向に振
動した場合に、基盤上を転動自在なローラに支持された
床板は、該床板及び床板上の物体の慣性力により、その
場に留まろうとする力が働き、結果的に基盤上をローラ
が転動して、床板が基盤の振動による移動の反対側に移
動することになる。言い換えれば、床板がローラを介し
て基盤上に配置されていることにより、地震等により、
基盤が振動した場合に、直接床板に基盤の振動及び衝撃
が伝達されずに、振動及び衝撃がローラの回転により吸
収されることになる。
【0011】また、上述のようにローラが転動した場合
に、ローラの回転軸は、最も下の位置からずれて上方に
上がることになる。この際には、上述のように床板及び
床板上の物体の荷重により、回転軸を最も下の位置に戻
す力が働き、この力が基盤に対する床板の振動を減衰す
るとともに、床板を元の位置に戻そうとする力となる。
従って、地震等による基盤の振動が収まった際に、ロー
ラの回転が持続して床板が大きく移動してしまうのを防
止することができる。
【0012】上記請求項2記載の免震装置によれば、床
板に回動自在に取付けられた取付片を介してローラが床
板に接続されるとともに、取付片の回転軸の延長線と床
板を支持したローラの重心がずれ、かつ、上記ローラの
重心と上記取付片の回転軸の延長線とを結ぶ線と、上記
ローラの転がり方向とが略一致するようになっているこ
とにより、基盤が、ローラの転がり方向と異なる方向の
振動が発生した場合に、ローラと基盤との摩擦力により
ローラの設置部分の重心がローラと基盤との摩擦力によ
り支点となり、取付片を回動させながらローラの転がり
方向と基盤の振動方向が一致するように床板が基盤に対
して移動することになる。
【0013】このローラの設置部分の重心を支点とし、
取付片の回動を伴う基盤に対する床板の移動により、地
震等による基盤の初期の振動及び衝撃が吸収されるとと
もに、ローラの転がり方向と基盤の振動方向が一致させ
られる。そして、ローラの転がり方向と基盤の振動方向
が一致した後には、上記請求項1記載の場合と同様にロ
ーラの転動により振動及び衝撃が吸収されるとともに、
偏心したローラにより、基盤に対する床板の振動が減衰
されるとともに、床板が元の位置に戻されることにな
る。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の床免震装置の一実施例を図
面を参照して説明する。図1は本発明の床免震装置を示
す図面であり、図2及び図3は振動入力時の床免震装置
の動作を説明するための図面である。図1に示すよう
に、この実施例の床免震装置は、床スラブS上方に配置
される浮床1と、該浮床1の下面から下方に延出するL
字状のアーム2…と、該アーム2…の先端に回動自在に
取り付けられたローラ3…とを基本構成とするものであ
る。
【0015】なお、図1においては、一つの浮床1に対
して2つのローラ3、3を図示したが、実際には、浮床
1を安定して支持できるとともに、浮床1及び浮床1上
に載置される物体の荷重に充分に対応できるだけのロー
ラ3…が配置される。上記浮床1は、板状に形成された
いわゆる床板であり、精密機械などの比較的衝撃に弱い
装置を載置するためのものである。また、浮床1の面積
は特に限定されるものではなく、基盤となる床スラブS
の面積に対して地震等による振動の振幅に対応して移動
できるだけの余裕がある面積であれば良い。
【0016】また、上記浮床1の下面には、上記アーム
2…を取付ける位置にそれぞれ、図示しないねじ穴が設
けられている。上記アーム2…は、浮床1のねじ穴に螺
合するねじ部(図示略)と、該ねじ部の後端部に固定さ
れたアーム用軸受け2a…と、該アーム用軸受け2a…
に回動自在に上端部が挿入されて接続されたL字状のア
ーム本体部2b…と、アーム本体部2b…の水平部分に
おいてローラ3…を支持するローラ支持部3cとからな
る。
【0017】上記アーム2…のねじ部(図示略)は、上
記浮床1下面のねじ穴(図示略)に螺合することによ
り、アーム2…を浮床に固定するものであるとともに、
ねじ部を上記ねじ穴にねじ込む割合を調製することによ
り、浮床1のレベル合わせを行なえるようにしたもので
ある。すなわち、床スラブSに、僅かな凹凸等がある場
合にアーム2…のねじ部のねじ込み量を変えることによ
り、浮床1を水平に配置することを可能としている。
【0018】上記アーム用軸受け2a…は、例えば、ボ
ールベアリング等の周知の軸受けである。上記アーム本
体部2b…は、上記アーム用軸受け2a…に接続される
ことにより、鉛直方向に沿った回転軸を中心として回動
できるようになっているとともに、L字状に形成され、
水平部分にローラ支持部2c…が設けられていることか
ら、アーム本体部2b…の回転軸の延長線から離れた位
置にローラ3…を支持するようになっている。すなわ
ち、浮床1を支持したローラ3…の重心とアーム本体部
2b…の回転軸の延長線とがずれるようにローラ3…を
配置するようになっている。また、ローラ3…の転がり
方向がアーム本体部2b…の水平部と平行になっている
ことにより、浮床1を支持したローラ3…の重心と上記
アーム2の回転軸の延長線とを結ぶ水平な線と、上記ロ
ーラ3…の転がり方向とが略一致するようになってい
る。
【0019】上記ローラ支持部2c…は、ローラ3…か
ら延出する回転軸3a…を支持するものである。なお、
この実施例においては、図3に示すように、アーム2…
の水平部分を左右に分岐させ、その間にローラ3…を配
置する形状としたが、アーム2…の水平部分の左右にそ
れぞれローラ3…、3を配置する形状としても、アーム
2…の片側に一つのローラ3…を配置する形状としても
良い。また、上述のようなアーム2…に弾性や可撓性を
有する部材を用いることによって、L字状のアーム2…
により上下の振動を吸収することができる。
【0020】上記ローラ3…は、ローラ3…の中心から
ずれた位置に回転軸3a…が配置されて、偏心した状態
となっている。そして、上記回転軸3a…は、ローラ3
…内の設けられた軸受け(図示略)に、一方の端部が回
動自在に支持されるとともに、アーム2…のローラ支持
部2c…に、他方の端部が固定されている。従って、ロ
ーラ3…は、ローラ3…の転がり方向を360度変更で
きるようにアーム2…を介し、浮床1に偏心した状態で
回動自在に接続されるものとなっている。なお、ローラ
3…を回動自在に支持するための軸受けは、上述のよう
にローラ3…側に設けるものとしても、アーム2…のロ
ーラ支持部2c…側に設けるものとしても良い。
【0021】次に、上記構成の床免震装置の設置方法を
説明する。上記床免震装置を設置する際には、床スラブ
S等の平面上にローラ3…を下にして床免震装置を載置
すれば良い。また、上記床スラブSの上面に凹凸がある
場合には、上述のように浮床1に対するアーム2…のね
じ込み量を調整することにより、浮床1の水平レベルを
合わせることができる。
【0022】さらに、床免震装置が大きな面積を有する
場合には、床免震装置を複数に分割された形状とし、上
記床スラブS上に分割された床免震装置をそれぞれ配置
した後に分割された床免震装置を互いに接合するものと
しても良い。従って、床免震装置を始めから小さなもの
とするとともに、床免震装置に床免震装置同士の接合機
構を設けておき、多数の床免震装置を接合して使用する
ものとしても良い。
【0023】以上のように、この実施例の床免震装置
は、従来の床免震装置のように建物側に受け皿を設けた
り、バネを取付けたりする必要、すなわり、設置される
側の床スラブSもしくは建物に加工を施す必要がなく、
基本的に、床免震装置を運び込んで単に床スラブS上に
配置するだけ床免震装置を設置することができ、その設
置が極めて容易である。
【0024】そして、床スラブS上に床免震装置を配置
するとともに、該床免震装置上に精密機械等の装置を配
置した状態で、地震等により床スラブSに衝撃及び振動
が発生した場合の床免震装置の動作及び作用について説
明する。まず、床スラブS上の床免震装置は、床スラブ
Sに振動が発生する前の段階において、そのアーム2…
がそれぞれ異なる方向を向いた状態となっている。ま
た、ローラ3…に対するローラ3…の偏心した回転軸3
a…の位置は、浮床1及び該浮床1上の装置の荷重によ
り、ローラ3…の最も下の位置となっている。
【0025】そして、地震の発生等により建物に地震の
衝撃と振動が伝達され、建物の床スラブSが少なくとも
水平方向に振動した場合には、浮床1と該浮床1上の装
置の慣性力により、振動する床スラブSに対して浮床1
が静止した状態を保とうとすることになる。この際に、
ローラ3…の転がり方向、すなわち、L字状のアーム2
…の水平部分の延出方向と振動の振幅の方向が一致して
いなければ、静止しようとする浮床1に対して、ローラ
3…と床スラブsとの摩擦によりローラ3…が床スラブ
Sの振動の振幅方向に引っ張られることになる。
【0026】そして、図3に示すように、ローラ3…
は、浮床1に対して回動自在なアーム2…に支持されて
いることにより、ローラ3…の転がり方向(L字状のア
ーム2…の水平部分の延出方向)と床スラブの振動の振
幅方向(矢印a)が一致するようにアーム2…が回転
(矢印b)することになる。そして、今まで向きがばら
ばらだった床免震装置のアーム2…の全てが床スラブS
の振動の振幅方向に沿った向きとなる。また、アーム2
…が回転することにより、床スラブSから浮床1に伝達
されるべき初期の振動と衝撃が吸収されることになる。
【0027】続いて、ローラ3…の転がり方向と振動の
振幅方向が一致したところで、ローラ3…の回転により
振動する床スラブSに対して浮床1が移動することによ
り、床スラブSから浮床1に伝達されるべき振動と衝撃
が吸収されることになる。また、ここで、図2に示すよ
うに、上記ローラ3…は、偏心した状態となっているの
で、ローラ3…が静止してローラ3…の回転軸3a…が
最も下の位置にある状態(D)から、ローラ3…が回転
した場合に、ローラ3…の回転軸3a…が上昇した状態
(U、U’)に移行することになる。
【0028】この際には、浮床1及び該浮床1上の装置
の荷重により、ローラ3…の回転軸3a…を最も下の位
置に戻そうとする力が働き、これが床スラブSに対する
浮床1の振動(移動)を減衰する力となるとともに、床
スラブSの振動により床スラブSに対して移動した浮床
1を戻す力となる。従って、床スラブ1の振動が小さく
なっていった際に、浮床1が振動の振幅方向のどちらか
にローラ3…の転動により移動してしまうのを防止する
ことができるとともに、浮床1を床スラブSの元の位置
に戻すことができる。
【0029】なお、床スラブSに対する浮床1の移動距
離が大きく、ローラ3…の回転軸3a…が最も上にくる
位置よりもローラ3…が回転してしまった場合には、上
記浮床1及び該浮床1a上の装置の荷重がローラ3…を
戻す方向とは反対の方向にローラ3…回転させる力とな
ってしまうので、ローラ3…の半径が、基礎スラブSの
振動による浮床1の移動距離に対して充分な長さを有す
ることが必要となる。すなわち、予め見込まれる地震等
による床スラブの振動の振幅よりも、ローラ3…の半径
が充分に長い必要がある。
【0030】また、上述のようにアーム2…を弾性や可
撓性を有する部材とすれば、地震等の振動が上下方向に
大きく発生した場合に、アーム2…の圧縮、変形、撓み
などにより、上下方向の衝撃を吸収することができ、浮
床1上に載置された精密機械等の装置を上下方向の衝撃
から保護することができる。
【0031】以上のようにこの実施例の床免震装置によ
れば、地震等により発生する水平方向の振動及び衝撃
が、床上の精密機械等に伝達されるのを防止することが
でき、また、アーム2…を可撓性や弾性を有する部材で
構成することにより、上下方向の衝撃が精密機械に伝達
されるの防止することができる。また、床スラブSに対
して移動自在な浮床に減衰力及び戻り力を与える方法と
して、ローラ3…を偏心した状態とする構成を用いてい
るので、床スラブS側に減衰力を発生させる機構を設け
る必要がなく、この実施例の床免震装置を単に床スラブ
S上に載置するだけで、床免震装置を設置することがで
きる。
【0032】なお、上記実施例においては、ローラ3…
の形状を円柱のものとして図示したが、ローラ3…の断
面形状は円形に限られるものではなく、少なくともその
下面側が下に凸の曲面となるとともに、偏心した回転軸
3a…の移動により戻り力が発生するものであれば良
い。例えば、ローラ3…の断面形状を楕円形としたり、
充分に半径の長いものであれば、半円形としても良い。
【0033】また、アーム2…の形状は、必ずしもL字
状に限られるものではなく、浮床の荷重を受けたローラ
3…の重心とアーム2…の回転軸の位置をずらすように
配置でき、上述のように床スラブが振動した際に、ロー
ラの転がり方向と振動方向が一致するように回転させる
ことができれば良い。例えば、コイルスプリング状や板
バネ状のものでも良い。
【0034】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
請求項1記載の床免震装置によれば、基盤上にローラを
介して床板を配置することにより、地震等により基盤が
水平方向に振動した際に、水平方向の衝撃力を吸収させ
ることができるとともに、偏心した状態で基盤上を転動
自在となるようにローラを床板に接続したことにより、
ローラの回転に伴いローラの回転軸が上方に移動した場
合に、床板及び床板上の物体の荷重により、ローラの回
転軸を下に戻そうとする力が発生することになり、この
力によって基盤に対する床板の振動を減衰させることが
できるとともに、床板を基盤の元の位置に戻すことがで
きる。
【0035】従って、ローラを偏心した状態とすること
により、振動を減衰する力と床板を元に戻す力が得られ
ることになり、従来のように、床板と基盤側とをバネで
接続したり、基盤側にボールの受け皿を設けたりする必
要がなく、本発明の床免震装置を基盤上に載置するだけ
で、床免震装置を極めて容易に設置することができる。
また、従来のボールベアリング式の床免震装置のよう
に、ボールによる点支持ではなく、ローラによる支持な
ので、特に高い硬度を有する部材を用いる必要がなく、
さらに、従来の滑り式の床免震装置のように基礎スラブ
と床板との摩擦係数を低減する必要がなく、床免震装置
の製造コストを低減することができる。
【0036】すなわち、本発明の床免震装置は、ローラ
を偏心した状態とする簡単な構成を有するとともに、上
記構成により、極めて容易に設置することができるの
で、床の免震機構を極めて容易かつ低コストに実現する
ことができる。また、本発明の床免震装置は、単に基盤
上に載置するだけで設置できることから、既存の建物に
対しても容易に設置することができる。また、本発明の
請求項2記載の免震装置によれば、上記請求項1記載の
免震装置と同様の効果を奏するとともに、基盤の振動に
より、ローラの転がり方向を振動の方向に合わせること
ができるので、地震も含めてあらゆる水平方向の振動及
び衝撃に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の床免震装置を示す側面図で
ある。
【図2】上記実施例の床免震装置の動作を説明するため
の側面図である。
【図3】上記実施例の床免震装置の動作を説明するため
の平面図である。
【符号の説明】
S 床スラブ(基盤) 1 浮床(床板) 2 アーム(取付片) 3 ローラ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基盤上に配置された床板と、該床板の下
    面に設けられ、かつ、上記基盤上を移動自在に上記床板
    を支持する複数のローラとを具備してなり、 上記ローラは、偏心した状態で上記基盤上を転動自在に
    上記床板に接続されていることを特徴とする床免震装
    置。
  2. 【請求項2】上記ローラは、上記床板の下面から下方に
    延出する取付片を介して床板に接続され、上記取付片が
    鉛直な方向の回転軸を中心として上記床板に回動自在に
    取り付けられるとともに、上記床板を支持した上記ロー
    ラの重心が上記取付片の回転軸の延長線からずれた位置
    に配置され、かつ、上記ローラの重心と上記取付片の回
    転軸の延長線とを結ぶ水平な線と、上記ローラの転がり
    方向とが略一致するように、上記ローラと上記取付片と
    が接続されていることを特徴とする床免震装置。
JP25415893A 1993-10-12 1993-10-12 床免震装置 Pending JPH07109821A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004316420A (ja) * 2004-06-14 2004-11-11 Tatsuji Ishimaru 免震構造
JP2016125607A (ja) * 2015-01-06 2016-07-11 株式会社Nttファシリティーズ 制動装置と免震装置

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