JP2000320610A - 免震構造を持つラック - Google Patents

免震構造を持つラック

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JP2000320610A
JP2000320610A JP11126361A JP12636199A JP2000320610A JP 2000320610 A JP2000320610 A JP 2000320610A JP 11126361 A JP11126361 A JP 11126361A JP 12636199 A JP12636199 A JP 12636199A JP 2000320610 A JP2000320610 A JP 2000320610A
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pressure plate
rack
seismic isolation
sliding
ball bearing
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JP11126361A
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Shigeyoshi Yasuda
茂良 安田
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NEC Computertechno Ltd
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NEC Computertechno Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全ての方向の揺れに対し免震が可能であるラ
ックを得る。 【解決手段】 水平方向の震動エネルギーを吸収するボ
ールベアリング201と、ボールベアリング201の偏
りを防ぐ格子状の板202と垂直方向の震動エネルギー
を吸収する弾性体203と、ボールベアリング201お
よび弾性体203の間に位置する中間耐圧板204と、
ラック205を搭載する上部耐圧板206と、設置床面
に固定される下部耐圧板207と、上部耐圧板206と
下部耐圧板207の間を繋ぐ伸縮材208を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免震構造を持つラッ
ク、特に、コンピュータ等の電子機器を搭載する免震構
造を持つラックに関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の重要な電子機器あるい
は高価な仏像等の美術品を設置する場合には、電子機器
あるいは仏像等が地震発生時の振動により倒壊すること
を防止する対策を講ずる必要がある。一般的な地震対策
としては、免震構造とされた免震台に電子機器あるいは
仏像等を載置するか、あるいは床構造を免震構造とする
方法、あるいは制振装置を建物に設けて建物全体を制振
する方法がある。
【0003】免震装置には床面に載置される固定面に対
し摺動可能に設けられた摺動部を有し、摺動部の上面に
電子機器あるいは美術品等(以下「被載置物」という)
が個別に載置される小型の免震台があり、入力された振
動の大きさに応じて摺動部と固定面とが相対変位する摺
動機構とすることにより被載置物の倒壊を防止するよう
に構成されている。また、建物全体を免震するように構
成された大型の免震装置もあり、その構成は上記免震台
とほぼ同じである。
【0004】このような構成とされた免震装置では、摺
動部と固定面との間の摩擦力が被載置物の重量に応じて
変動するため、例えば被載置物の重量に対して摩擦力が
大きい場合には地震発生時に振動が入力されても十分な
免震効果が得られなかったり、あるいは被載置物の重量
に対して摩擦力が小さい場合には大きな地震発生のとき
に摺動部が固定面上を大きく摺動し過ぎてしまい被載置
物が壁等の他の物に衝突してしまうおそれがある。ま
た、上記摩擦力は免震しようとする固定面の振動の大き
さに応じて変更する必要がある。
【0005】そのため、免震装置においては、地震発生
時に確実且つスムーズに免震動作を行うように摺動部と
固定面との間の摩擦力を被載置物の重量に応じて任意の
大きさに設定する必要があり、また、設計時の摩擦力に
実際の摩擦力が一致していない場合には摩擦力を変える
必要がある。そのため、従来は、免震装置を設置する
際、摺動部に設けられた摩擦材の材質を被載置物の重量
に応じて変更したり、あるいは全体の重量を変更した
り、あるいは固定面を摺動する摩擦材の有効面積を変更
する等の摩擦力調整作業を行っていた。
【0006】また、制振装置では、所定重量を有する付
加質量を積層ゴムにより支持するとともに付加質量と建
物との間に摩擦部材を設けた構成であり、この制振装置
は建物の内部又は屋上等に設置され、地震、風、交通振
動により建物が振動すると、積層ゴムの弾性変形により
付加質量が揺動して建物の振動を制振させるように動作
する。このような構成とされた制振装置では、付加質量
の重量に応じて摩擦部材が発生する減衰力としての摩擦
力を調整する必要がある。
【0007】ところが、免震装置においては、被載置物
の重量に応じて摺動部と固定面との間の摩擦力を任意の
大きさに設定するには、免震装置を設置する際に摩擦材
の材質を被載置物の重量に応じて変更したり、あるいは
全体の重量を変更したり、あるいは摩擦部材の有効面積
を変更する等の面倒な摩擦力調整作業が必要であり、設
置作業時間が長くかかるといった問題がある。
【0008】また、設置後に被載置物を別のものと入れ
換える場合には、その都度免震装置を分解して上記摩擦
力調整作業を行って摩擦力の再調整を行わなければなら
ず、この再調整作業が面倒であった。また、上記のよう
な制振装置においては、付加質量の重量の大小に応じて
摩擦部材の材質を変更する必要があるため、当該建物の
構造に合った摩擦部材を製作するのにかなりの労力を要
するばかりか、摩擦部材の製作後に建物の固有周期が変
わり摩擦部材による摩擦力の変更が必要となった場合や
制振装置自体の特性を変更したい場合には摩擦部材が発
生する摩擦力を調整することが難しいので対応すること
ができないといった問題がある。
【0009】従来の免震構造を持つラックについて図面
を参照して詳細に説明する。
【0010】図7および図8は第1の従来例を示す正面
図および平面図である(例えば、特開平09−0890
28号公報参照)。
【0011】免震装置1は、建物の床2に設置されてお
り、コンピュータ等の電子機器あるいは仏像等の美術品
が被載置物3として載置されている。すなわち、免震装
置1は被載置物3を個別に免震させるように支持する免
震台として使用される。
【0012】免震装置1は、床2に固定された固定ベー
ス4と、固定ベース4上面の各角部に設けられ低摩擦材
により形成された平板状の滑り板5と、固定ベース4の
上方で固定ベース4に対向し且つ摺動可能に支持された
摺動ベース(摺動部)6と、摺動ベース6の下面の各角
部に設けられた摺動機構7a〜7dと、摺動ベース6の
中心が固定ベース4の中心と一致する方向に附勢する附
勢機構8とよりなる。
【0013】摺動ベース6の上面には、縦長形状のコン
ピュータ機器あるいは仏像等が収納されたガラスケース
等が被載置物3として載置されている。附勢機構8は4
本のコイルバネ9a〜9dよりなり、各コイルバネ9a
〜9dが固定ベース4及び摺動ベース6の対角方向に延
在するように張設されている。すなわち、各コイルバネ
9a〜9dは、一端が固定ベース4の上面に起立するロ
ッド4a〜4dに掛止され、他端が摺動ベース6の下面
に起立するロッド6a〜6dに掛止されている。
【0014】一方のロッド4a〜4dは固定ベース4及
び摺動ベース6の中心近傍に対称に配設され、他方のロ
ッド6a〜6dは固定ベース4及び摺動ベース6の角部
近傍に配設されている。そして、固定ベース4の中心と
摺動ベース6の中心が一致するとき、各ロッド4a〜4
dと各ロッド6a〜6dとの相対位置間隔は夫々が同一
となる。
【0015】そのため、各ロッド4a〜4dと各ロッド
6a〜6dとの間に装架されたコイルバネ9a〜9d
は、振動が全く無い状態のときは夫々対角方向に作用す
るばね力が釣り合う状態で固定ベース4及び摺動ベース
6の相対位置を保持する。従って、地震発生により固定
ベース4及び摺動ベース6が相対変位した場合には、摺
動ベース6の摺動方向に各コイルバネ9a〜9dが圧縮
又は引っ張られることになり、摺動ベース6を免震動作
前の位置に復帰させる附勢力が摺動ベース6に作用す
る。
【0016】また、固定ベース4に対し摺動ベース6が
摺動する程、各コイルバネ9a〜9dは圧縮又は引っ張
り長さが大になるため、摺動ベース6の摺動距離が大き
くなるにつれて各コイルバネ9a〜9dの附勢力が増大
して摺動ベース6の摺動抵抗が増大して摺動動作を減速
する。そして、摺動ベース6は各コイルバネ9a〜9d
の附勢力が釣り合う免震動作前の位置に復帰する。
【0017】図9は摺動機構7a〜7dを拡大して示す
側面図である。摺動機構7a〜7dは、大略、摺動ベー
ス6の下面に設けられた免震脚(摺動脚)10と、免震
脚10に上下方向に摺動自在に嵌合され滑り板5を摺動
する摺動部材11と、摺動部材11を下方に押圧するコ
イルバネ12と、コイルバネ12のバネ力を調整するバ
ネ力調整機構13と、よりなる。
【0018】免震脚10は、摺動ベース6に螺合するお
ねじ部10aと、おねじ部10aの下端に結合された円
柱状のボールベアリング部10bと、ボールベアリング
部10bに転動自在に支持されたボール10cとよりな
る。ボール10cはボールベアリング部10bの下面か
らその一部を突出させた状態で支持されているので、球
面の一部が滑り板5の上面に当接しており、極めて低摩
擦で滑り板5を転動することができる。
【0019】このようにボール10cが滑り板5の表面
を転動することにより摺動ベース6はスムーズに摺動す
ることができ、摺動ベース6に載置された被載置物3に
床2からの振動が伝搬することを防止する。また、ボー
ル10cは滑り板5に対して点接触となるため、滑り板
5との摺動抵抗が低減されており、ころがり摩擦が大き
くて転動できないときは滑り板5の表面を摺動する。
【0020】また、摺動部材11は、カップ状に形成さ
れており、ボールベアリング部10bが上下方向に摺動
可能に嵌合する嵌合部11aと、嵌合部11aの下端よ
り外側に突出する鍔部11bと、鍔部11bの下面に保
持された摩擦部材11cと、嵌合部11aの上端より内
側に突出するストッパ部11dと、よりなる。
【0021】摺動部材11の嵌合部11aに嵌合するボ
ールベアリング部10bの外周は、上下方向の寸法を十
分大きくしてあるので、ボール10cが滑り板5を転動
又は摺動する際に免震脚10に水平方向の力が作用して
もボールベアリング部10bが嵌合部11a内で傾くこ
とはない。
【0022】また、鍔部11bの上面には、上記コイル
バネ12の下端が当接しており、摺動部材11はコイル
バネ12のバネ力により滑り板5に押圧される。従っ
て、摺動部材11の摩擦部材11cは、コイルバネ12
のバネ力により滑り板5に対する摩擦力が決まる。よっ
て、バネ力調整機構13によりコイルバネ12のバネ力
が調整されると、摺動部材11の摩擦力が所望の値に調
整されることになる。
【0023】ストッパ部11dの内周には、免震脚10
のおねじ部10aを挿通するための挿通孔11eが設け
られており、免震脚10を摺動ベース6に取り付ける前
に摺動部材11を免震脚10に嵌合させておく必要があ
る。また、免震装置1を設置した後で免震装置1の設置
場所を移動させる際には、摺動ベース6を上方に持ち上
げることになる。その際、摺動ベース6をジャッキ等に
より上方に持ち上げると、コイルバネ12に押圧された
摺動部材11が下動するもののストッパ部11dが免震
脚10のボールベアリング部10b上面に当接して摺動
部材11の脱落が防止される。
【0024】また、免震脚10のおねじ部10aには、
摺動ベース6の下面に当接するロックナット14と、バ
ネ力調整機構13の円盤状のバネ受け15と、このバネ
受け15を所定の調整位置にロックするロックナット1
6と、が螺合している。バネ受け15は中央に免震脚1
0のおねじ部10aが螺合するねじ孔15aが設けら
れ、バネ受け15の下面にはコイルバネ12の上端が嵌
合する環状凹部15bが設けられている。
【0025】ロックナット16はバネ受け15の取り付
け位置を規制するための規制部材として機能するととも
に、バネ受け15が勝手に回動しないように係止する係
止部材として機能する。従って、バネ力調整機構13
は、このバネ受け15とロックナット16とおねじ部1
0aとにより構成されている。
【0026】上記構成とされたバネ力調整機構13で
は、ロックナット16を緩めておねじ部10aに螺合す
るバネ受け15を回すことによりバネ受け15の高さ位
置を変更することができる。すなわち、バネ受け15と
摺動部材11の鍔部11bとの離間距離Lを変更するこ
とによりコイルバネ12の上下方向の全長を任意の長さ
に変えてコイルバネ12のバネ力を調整することができ
る。
【0027】ここで、摺動部材11の下端に設けられた
摩擦部材11cの摩擦力について説明する。摩擦力Fを
数式で表すと次式のように表せる。 F=μN ……… (1) (μ:摩擦部材の材質により決まる摩擦係数、N:垂直
抗力) 上記(1)式において、垂直抗力Nをコイルバネ12の
バネ力とすると、コイルバネ12のたわみ量を変えるこ
とにより摩擦部材11cの摩擦力を変更することができ
る。コイルバネ12のバネ力と摩擦力Fとの関係は次式
(2)のように表せる。 F=μkx ……… (2) (k:ばね定数、x:コイルバネ12のたわみ量) 従って、コイルバネ12のたわみ量を変更することによ
り摩擦部材11cの摩擦力Fを調整することができる。
例えば、摺動ベース6に載置された被載置物3の重量が
比較的軽い場合には、被載置物3の重量に対し相対的に
摩擦力が大きくなってしまう。このため、所定の振動に
対する滑り板5と摺動ベース6との相対変位量が減少し
てしまう。そのため、免震装置1においては免震しなく
てはならない振動が摺動ベース6に予定よりも大きく伝
わってしまい、この結果免震しなくてはならない所定の
振動に対する免震動作が行えない。
【0028】この場合、図9に示すようにバネ受け15
の高さ位置を上げてコイルバネ12のバネ力を弱くす
る。これにより、コイルバネ12のたわみ量が小さくな
り、摩擦部材11cの摩擦力Fを小さく設定できる。従
って、固定ベース4に対して摺動ベース6が摺動動作す
る際には、摺動部材11の摩擦部材11cが滑り板5を
摺動して発生させる摩擦力Fが緩和される。
【0029】そのため、被載置物3の重量が比較的軽い
場合でも、所定の振動に対する固定ベース4と摺動ベー
ス6との相対速度は所定の摺動速度に制限される。その
結果、被載置物3の重量が軽いにも拘わらず摺動ベース
6は安定に摺動動作することができる。
【0030】図10はバネ力調整機構13によりコイル
バネ12のバネ力調整動作を示す縦断面図である。摺動
ベース6に載置された被載置物3の重量が比較的重い場
合には、被載置物3の重量に対し相対的に摩擦力が小さ
くなってしまう。このため、所定の振動に対する滑り板
5と摺動ベース6との相対変位量が増大し、摺動ベース
6が滑り板5より外れるおそれがある。そのため、免震
装置1においては、免震しなくてはならない所定の振動
に対する免震動作が行えなくなるおそれがある。
【0031】この場合、図10に示すようにバネ受け1
5の高さ位置を下げてコイルバネ12のバネ力を強くす
る。これにより、コイルバネ12のたわみ量が大きくな
り、摩擦部材11cの摩擦力Fを大きく設定できる。従
って、固定ベース4に対して摺動ベース6が摺動動作す
る際には、摺動部材11の摩擦部材11cが滑り板5を
摺動して発生させる摩擦力Fが増大される。
【0032】そのため、被載置物3の重量が比較的重い
場合でも所定の振動に対する固定ベース4と摺動ベース
6との相対速度は所定の摺動速度に保たれる。このよう
にして摩擦部材11cの摩擦力Fを調整することができ
るため、上記構成とされた免震装置1に載置された被載
置物3の重量に応じた摩擦部材11cの摩擦力Fを設定
することが可能になり、その結果、被載置物3の重量に
かかわりなく固定ベース4に対する摺動ベース6の摺動
抵抗を一定値に設定することができる。よって、被載置
物3の重量が重すぎて小さな振動でも摺動ベース6が摺
動して被載置物3が不安定になったり、被載置物3の重
量が軽すぎて地震による振動が伝搬されたとき摺動ベー
ス6がスムーズに摺動せず十分な免震効果が得られない
といった不都合を解消することができる。
【0033】また、上記バネ力調整機構13では、ロッ
クナット16を緩めておねじ部10aに螺合するバネ受
け15を回すことによりコイルバネ12のバネ力を調整
して摩擦部材11cの摩擦力Fを変更することができる
ので、免震装置1が設置された後でも容易に摩擦部材1
1cの摩擦力Fを調整することができる。
【0034】図11は第2の従来例を示す原理説明図で
ある(例えば、特開平07−154078号公報参
照)。
【0035】電子機器112を収納する筺体101と、
該筺体101の底部101Aに設けられ、該筺体101
Aを床111より支持する免震台足103と、該免震台
足103に併設され、該筺体101を該床111に沿っ
て移動させるキャスタ106とを備えた電子装置用筺体
であって、前記キャスタ106は前記底部101Aに固
着されるブロック107と、回動軸108を介して該ブ
ロック107に回動自在に係止されるフレーム109
と、該床111に沿って駆動するよう該フレーム109
によって保持される車輪110とを有し、該車輪110
が前記免震台足103から離れる方向F に回動されるよ
う該フレーム109が該回動軸108を中心に回動され
るように構成する。
【0036】即ち、筺体101の底部101Aに設けら
れる免震台足103に併設されるキャスタ106は底部
101Aに係止されるブロック107と、ブロック10
7に回動軸108を介して係止されるフレーム109
と、フレーム109によって保持される車輪110とに
よって構成し、回動軸108によってフレーム109が
矢印F方向に回動されるように形成したものである。
【0037】そこで、免震台足103と、キャスタ10
6とが近接するように併設されていても、免震台足10
3によって筺体101の設置が行われた後は、フレーム
109が矢印F方向に回動させることによって車輪11
0は免震台足103より離れた箇所に位置させることが
行えることになり、緩衝効果を得ることができる。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の免震構
造を持つラックは、垂直または水平方向のどちらか一方
の震動エネルギーのみしか吸収できないという問題があ
る。この場合、垂直および水平方向の複合された震動
や、時間によって水平および垂直の震動が変化する場合
には免震できないという事態が生じる。
【0039】
【課題を解決するための手段】第1の発明の免震構造を
持つラックは、下部耐圧板と、前記下部耐圧板の上に一
端が取り付けられた複数の弾性体と、下面に前記弾性体
の他端が取り付けられ上面に複数の区画を有する格子状
の板が取り付けられた中間耐圧板と、前記複数の各区画
に投入された複数の球体と、前記複数の球体の上に載せ
られた上部耐圧板と、前記下部耐圧板の上面と前記上部
耐圧板の下面とを接続する複数の伸縮材とを含んで構成
される。
【0040】第2の発明の免震構造を持つラックは、第
1の発明において、前記弾性体がコイルバネである。
【0041】第3の発明の免震構造を持つラックは、第
1の発明において、前記弾性体がゴム製バネである。
【0042】第4の発明の免震構造を持つラックは、第
1の発明において、前記球体がボールベアリングであ
る。
【0043】第5の発明の免震構造を持つラックは、第
1の発明において、前記球体の直径が前記区画の深さよ
りも大きい。
【0044】第6の発明の免震構造を持つラックは、水
平方向の震動エネルギーを吸収するボールベアリング
(201)と、ボールベアリング(201)の偏りを防
ぐ格子状の板(202)と垂直方向の震動エネルギーを
吸収する弾性体(203)と、ボールベアリング(20
1)と弾性体(203)の間に位置する中間耐圧板(2
04)と、ラック(205)を搭載する上部耐圧板(2
06)と、設置床面に固定される下部耐圧板(207)
と、上部耐圧板(206)と下部耐圧板(207)の間
を繋ぐ伸縮材(208)を含んで構成される。
【0045】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して詳細に説明する。
【0046】図1は本発明の一実施形態を示す断面図で
ある。図1に示す免震構造を持つラックは、水平方向の
震動エネルギーを吸収するボールベアリング201と、
ボールベアリング201の偏りを防ぐ格子状の板202
と垂直方向の震動エネルギーを吸収する弾性体203
と、ボールベアリング201および弾性体203の間に
位置する中間耐圧板204と、ラック205を搭載する
上部耐圧板206と、設置床面に固定される下部耐圧板
207と、上部耐圧板206と下部耐圧板207の間を
繋ぐ伸縮材208を備えている。
【0047】次に、本発明の構成について詳細に説明す
る。なお、弾性体としてはコイルバネ203Aを例示す
る。
【0048】図2は、図1における上部耐圧板206お
よび伸縮材208を取り外した図である。ここには、ボ
ールベアリング201と、ボールベアリング201の偏
りを防ぐ格子状の板202と、ボールベアリング201
およびコイルバネ203Aの間に位置する中間耐圧板2
04で構成されている。ボールベアリング201は、上
部耐圧板206と中間耐圧板204の間に位置する。ボ
ールベアリング201は上部耐圧板206の下面と中間
耐圧板204の上面に接し、中間耐圧板204の水平方
向の震動に対し転動する様に配置されている。地震によ
り中間耐圧板204が水平方向に震動してもボールベア
リング201の転動により、エネルギーを吸収し、上部
耐圧板206および搭載されているラック205の震動
が減衰される構成となっている。また、格子状の板20
2により、ボールベアリング201の位置する場所が偏
る事を防いでいる。また、伸縮材208は上部耐圧板2
06と下部耐圧板207の間に固定されており、地震が
おさまった時に上部耐圧板206とラック205が地震
前の位置から移動した時に元に位置に戻す構成となって
いる。
【0049】図3は、図1における上部耐圧板206と
伸縮材208とボールベアリング201と格子状の板2
02と中間耐圧板204を取り外した図である。ここに
は弾性体203と、設置床面に固定される下部耐圧板2
07によって構成されている。弾性体203は、中間耐
圧板204と下部耐圧板207の間に固定される様に位
置し、下部耐圧板207が垂直方向に震動しても弾性体
203の収縮によりエネルギーを吸収し、中間耐圧板2
04および上部耐圧板206およびラック205の震動
が減衰される構成となっている。
【0050】次に本発明の動作について、図を参照して
説明する。
【0051】図4(a),(b)は本発明の構造に水平
方向の地震波が発生した場合を表している。水平方向の
震動が発生した場合、下部耐圧板207、コイルバネ2
03A、中間耐圧板204、格子状の板202は震動す
るが、中間耐圧板204の下面と上部耐圧板206の上
面に接するボールベアリング201が転動するため、震
動エネルギーを吸収する。上部耐圧板206はボールベ
アリング201に接しているので震動が減衰される事と
なる。地震がおさまった時、上部耐圧板206およびラ
ック205が移動した場合、上部耐圧板206と下部耐
圧板207の間に位置する伸縮材208が伸び、その戻
る力により、上部耐圧板206が元の位置に復元する。
【0052】図5(a),(b)は本発明の構造に垂直
方向の地震波が発生した場合を表している。垂直方向の
地震波が発生した場合、下部耐圧板207は震動する
が、下部耐圧板207の上面と中間耐圧板204の下面
に固定されているコイルバネ203Aが伸縮し、地震波
のエネルギーを吸収する。よって、コイルバネ203A
より上部に位置する中間耐圧板204および上部耐圧板
206およびラック205の震動は減衰される事とな
る。コイルバネ203Aは下部耐圧板207の上面と中
間耐圧板204の下面に固定されているため、垂直方向
の震動により上部耐圧板206は移動する事はないが、
上部耐圧板206およびラック205が水平方向に移動
した場合、上部耐圧板206と下部耐圧板207の間に
位置する伸縮材208が伸び、その戻る力により、上部
耐圧板206が元に位置に復元する。
【0053】以上の動作により、水平方向、垂直方向い
ずれの方向の震動エネルギーを吸収するため、上部耐圧
板206の震動が減衰される。よって、上部耐圧板20
6に搭載されるラック205の震動も減衰される事とな
る。
【0054】図6は本発明の一使用例を示す斜視図であ
る。上部耐圧板206の上にラック205が搭載されて
いる。
【0055】本発明において、ボールベアリングおよび
コイルバネは容易な数量の増減が可能である。ボールベ
アリングの数量を多くすることにより、ボールベアリン
グ1つ当たりに加わる力が少なくなるため、重量の大き
いラックに対応することが可能となる効果がある。ま
た、数量を少なくすることにより、重量の小さいラック
に対応させる事が可能である。また、コイルバネの数量
および弾性力を変化させる事によってもラックの重量の
大小に対応させることが可能な効果がある。さらに、格
子状の板の間隔およびコイルバネの全長を変化させるこ
とにより、吸収することが可能な地震波の振幅を変化さ
せることが可能となる効果がある。また、弾性体として
コイルバネを例示したが、これに限らず例えばゴム製バ
ネ等他の物を用いる事もできる。
【0056】
【発明の効果】本発明の免震構造を持つラックは、ボー
ルベアリングの数量および弾性体の数量と性能を変化さ
せることが可能で、水平方向の震動エネルギーを吸収す
るためのボールベアリングと垂直方向の震動エネルギー
を吸収するための弾性体を同時に設けているため、全て
の方向の揺れに対し免震が可能であるという効果があ
る。また、ラック5の重量の大小に関わらず、免震効果
が得られるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の詳細を示す部分斜視図である。
【図3】図1の詳細を示す部分斜視図である。
【図4】本発明の動作を説明するための側面図である。
【図5】本発明の動作を説明するための側面図である。
【図6】本発明の一使用例を示す斜視図である。
【図7】第1の従来例を示す正面図である。
【図8】第1の従来例を示す平面図である。
【図9】摺動機構7a〜7dを拡大して示す側面図であ
る。
【図10】バネ力調整機構13によりコイルバネ12の
バネ力調整動作を示す縦断面図である。
【図11】第2の従来例を示す原理説明図である。
【符号の説明】
201 ボールベアリング 202 格子状の板 203 弾性体 204 中間耐圧板 206 上部耐圧板 207 下部耐圧板 208 伸縮材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部耐圧板と、前記下部耐圧板の上に一
    端が取り付けられた複数の弾性体と、下面に前記弾性体
    の他端が取り付けられ上面に複数の区画を有する格子状
    の板が取り付けられた中間耐圧板と、前記複数の各区画
    に投入された複数の球体と、前記複数の球体の上に載せ
    られた上部耐圧板と、前記下部耐圧板の上面と前記上部
    耐圧板の下面とを接続する複数の伸縮材とを含むことを
    特徴とする免震構造を持つラック。
  2. 【請求項2】 前記弾性体がコイルバネである請求項1
    記載の免震構造を持つラック。
  3. 【請求項3】 前記弾性体がゴム製バネである請求項1
    記載の免震構造を持つラック。
  4. 【請求項4】 前記球体がボールベアリングである請求
    項1記載の免震構造を持つラック。
  5. 【請求項5】 前記球体の直径が前記区画の深さよりも
    大きい請求項1記載の免震構造を持つラック。
  6. 【請求項6】 水平方向の震動エネルギーを吸収するボ
    ールベアリング(201)と、ボールベアリング(20
    1)の偏りを防ぐ格子状の板(202)と垂直方向の震
    動エネルギーを吸収する弾性体(203)と、ボールベ
    アリング(201)と弾性体(203)の間に位置する
    中間耐圧板(204)と、ラック(205)を搭載する
    上部耐圧板(206)と、設置床面に固定される下部耐
    圧板(207)と、上部耐圧板(206)と下部耐圧板
    (207)の間を繋ぐ伸縮材(208)を備えることを
    特徴とする免震構造を持つラック。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101030564B1 (ko) 2010-08-24 2011-04-21 주식회사 한일계전 내진 플레이트 전기장치
CN105240450A (zh) * 2015-10-28 2016-01-13 青岛丰光精密机械股份有限公司 一种精密加工减震辅助系统
CN106870030A (zh) * 2017-04-22 2017-06-20 冯煜珵 一种汽轮发电机组的支承系统
CN108488551A (zh) * 2018-03-08 2018-09-04 杨煜海 一种抗震型机电设备安装底座
KR101971504B1 (ko) * 2018-10-24 2019-04-23 주식회사 에스앤와이시스템 면진 장치 및 이를 포함하는 면진 테이블

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