JP4177991B2 - 免震装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物の揺れを抑える免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図19及び図20に示すように、ゴム球54の圧縮・転動によって生じる減衰力を利用するため、円筒状のケーシング52にゴム球54を装填し、建物56の基礎コンクリート58への据え付けを容易にした減衰装置66がある(特開平10−184094号参照)。
【0003】
ゴム球54の上には、床材60を支持する支持板62が載せられており、この支持板62の外周部には、ゴム球54が支持板62から抜け出さないように、ストッパー64が設けられている。このように、ストッパー64を設けることによって、ゴム球54が支持板62から抜け落ちない。
【0004】
しかし、上記構成の減衰装置66では、支持板62の移動量を制限するために円筒状のケーシング52を使用する必要があり、コスト高となる。また、支持板62からゴム球54の脱落を防止するために、ストッパー64を設けなければならないが、支持板62のスライド動作を干渉しない位置を予測してストッパー64の位置を決める必要があり、汎用品とするためには若干の課題が残る。
【0005】
さらに、一般的な免震装置は、地震や風による構造物の横揺れに対しては有効に機能するように設計されているが、直下型地震等による上下の揺れに対して、効果的に機能するものが提案されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は係る事実を考慮し、ケーシング等が不要な簡単な構造で、かつ、球体の脱落を防止するストッパーが不要となり、さらに、上下の揺れに対しても免震効果を発揮できる免震装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、構造物の基礎の頂部に固定される固定板と、前記構造物を支持する移動板と、前記固定板と前記移動板との間に圧縮変形した状態で介在され減衰性能を備えた回転体と、前記固定板に回動可能に取付けられた一対の第1アームと、前記移動板に回動可能に取付けられた一対の第2アームと、前記固定板の下方で、前記第1アームと前記第2アームを所定の角度を持って回動可能に連結する連結部材と、前記基礎の壁部を貫通して前記壁部の両側にある前記連結部材へ回動可能に連結され連結部材の移動を制限する制動手段と、を有することを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明では、固定板が構造物の頂部に固定され、移動板が構造物を支持する構成である。固定板と移動板との間には、減衰性能を備えた回転体が圧縮変形した状態で介在され、移動板と固定板が相対移動可能とされている。
【0009】
このように、減衰性能を有する回転体(球状でも楕円状でも回転可能な形状であれば構わない)を圧縮変形させることによって、固定板と移動板と面で接触し、面で圧縮荷重を受けるので、安定した状態で構造物を支持することができる。
【0010】
ここで、固定板が地震等によって移動板と相対移動すると(横方向へ移動)、移動板と固定板との面摩擦力によって回転体が粘弾性変形する。ここで、固定板と移動板の相対移動量が回転体の粘弾性変形範囲内であれば、回転体は、固定板の揺れや振動が移動板(構造物)に伝わらないように防振できる。
【0011】
また、固定板と移動板の相対移動量が回転体の粘弾性変形範囲を越えると、固定板の移動に伴って、回転体は固定板と移動板の間を転がり始める。このとき、圧縮変形して潰れた回転体は、回転時に内部がせん断変形するので、減衰力を発揮し、さらに、回転体が転がるときの移動板と固定板との摩擦抵抗も同時に減衰力として作用するので、これらの組み合わせによって、移動板に支持された構造物に対して高い減衰効果を発揮する。
【0012】
なお、圧縮力の大きさを調整し、移動板との摩擦力を大きくすることによって、回転体が転がり始めるまでの、転がり抵抗又転がるときの摩擦抵抗を調整することもできる。また、回転体の材料としては、高減衰ゴム、天然ゴム、粘弾性材、エンジニアプラスチック等が考えられる
一方、固定板には一対の第1アームが回動可能に取付けられ、移動板には一対の第2アームが回動可能に取付けられている。この第1アームと第2アームは、所定の角度を持って連結部材により回動可能に連結されている。
【0013】
すなわち、移動板と固定板が相対移動すると、連結部材を回動中心として第1アームと第2アームとがなす角度が変化する。この連結部材は、基礎の壁部を貫通した制動手段で連結されており、連結部材の移動を制限する。すなわち、固定板が地震等によって移動板と相対移動すると、第2アームは移動板に対する角度を、第1アームは固定板に対する角度を変化させる。このため、制動手段により連結部材に制動力が作用し、移動板の振動が減衰される。
【0014】
一方、直下型地震等により、基礎に上下方向の揺れが生じると、回転体が粘弾性変形して、固定板と移動板の上下方向の間隔(隙間)を拡げ、又は狭くする。このとき、回転体が、上下方向の振動を減衰するダンパーとして機能する。また、固定板と移動板の上下方向の間隔が変わることで、連結部材が移動するので、連結部材に制動手段の制動力が作用する。このため、構造物の上下方向の振動が減衰される。また、固定板の下方で第1アームと第2アームを連結することで、移動板が大きく移動しても、第1アームが固定板に当たり、移動板の移動を制限する。
【0015】
請求項2に記載の発明では、前記制動手段が前記連結部材に連結され連結部材同士の相対移動を制限する減衰装置であることを特徴としている。
【0016】
上記構成では、移動板と固定板が相対移動すると、連結部材を回動中心として第1アームと第2アームとがなす角度が変化し、連結部材の間隔が変化する。これにより、減衰装置の制動力が連結部材に作用して、構造物の上下方向の振動が減衰される。
【0017】
また、連結部材を固定板より下方に位置させると、第1アームと第2アームとがなす角度が所定値より小さくなると、第2アームが固定板に当たり、移動板の移動を制限する。逆に、連結部材を固定板より下方に位置させると、第1アームと第2アームとがなす角度が所定値より小さくなると、第1アームが固定板に当たり、移動板の移動を制限する。これにより、移動板と固定板の間から回転体が脱落することが防止される。さらに、1つの減衰装置により、一対の連結部材を同時に制動できるため、施工コストを削減することができる。
【0018】
なお、減衰装置として、オイルダンパー、弾塑性ダンパー、粘弾性ダンパー等が使用できる。
【0019】
請求項に記載の発明では前記連結部材がばね材で連結されていることを特徴としている。
【0020】
上記構成では、連結部材がばね材で連結されており、連結部材の自由な挙動を規制している。このため、強風によって、移動板に支持された構造物が横揺れすることが防止される。なお、ばね材としては、圧縮コイルばねや引張コイルばねを用いることができる。
【0021】
請求項に記載の発明は、前記固定板と前記第1アームとの取付部に、或は前記移動板と前記第2アームとの取付部に、第1アーム及び第2アームの回動方向と直交する方向にスライドする滑りガイドを設けたことを特徴としている。
【0022】
上記構成の発明では、固定板と第1アームとの取付部に滑りガイドを設けるか、或は移動板と第2アームとの取付部に滑りガイドを設けることで、第1アーム及び第2アームの回動方向と直交する方向に地震力が作用したとき、この滑りガイドが取付部をスライドさせるので、基本的にアームには軸力しか作用せず、大きな曲げ力が作用しない。このため、アームの設計強度が小さくて済む。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1及び図2には、第1実施形態に係る免震装置10が示されている。この免震装置10は、逆T字状のコンクリート製の基礎12に固定される鉄製の固定板14を備えている。固定板14の下面には、長手方向に沿って取付フランジ16が一体に延設されている。この取付フランジ16は、固定板14の下面を基礎12の頂部に接地した状態で、壁部12Aを外側から挟むように嵌め込まれており、壁部12Aを貫通する長ボルト18とナット20で強固に基礎12に固定されている。
【0024】
固定板14の4隅には、ブラケット22が設けられている。このブラケット22には、ヒンジ24を介して第1アーム26の上端部が回動可能に連結されている。従って、4本の第1アーム26が固定板14の4隅に吊下された構成となる。
【0025】
一方、第1アーム26の下端部はボールジョイント28に連結されている。このボールジョイント28の部位で第1アーム26の下端部は3軸方向へ回動可能となる。
【0026】
このボールジョイント28には、第2アーム30の下端部が連結され、3軸方向へ回動可能とされている。第2アーム30の上端部には、ボール32が固定されており、このボール32が鉄製の移動板34の下面両端部へ長手方向に沿って敷設されたガイドレール36の円弧状溝にスライド可能及び回動可能に嵌合している。以上の構成により、移動板34と固定板14の4隅は、4つのリンク機構により連結されたことになる。
【0027】
また、移動板34は、固定板14の上面に配置された3つのゴム球38によって、固定板14と所定の間隔を置いて支持されている。このゴム球38は、減衰性能を有する材料(高減衰ゴム、天然ゴム、粘弾性体等)で成形され、移動板34が支持する構造物50(図6参照)のスラブSにより圧縮された状態で所定の間隔で敷き並べられている。なお、スラブSを移動板34の上に載置する前に、ゴム球38を圧縮させておいても構わない。
【0028】
一方、隣合うボールジョイント28が対面する壁部12Aには、貫通孔40が形成されている。この貫通孔40には、オイルダンパー42が貫通しており、図2では、左側のボールジョイント28にシリンダー44が、右側のボールジョイント28にロッド46が連結されている。これにより、隣合うボールジョイント28の相対移動量が制限され、減衰力を発揮する。なお、貫通孔40の大きさは、オイルダンパー42が上下動しても、貫通孔40の孔壁に衝突しないように設計されている。
【0029】
また、オイルダンパー42には、引張りコイルばね48が挿嵌されている。引張りコイルばね48の両端部は、それぞれ左右のボールジョイント28に連結されており、第1アーム26の姿勢を維持している。
【0030】
図6及び図7に示すように、免震装置10はユニットとして、X軸方向の減衰とY軸方向の減衰が可能となるように、取付位置を90°変えて基礎12の上に複数配置されている。
【0031】
次に、免震装置10の作用を説明する。
【0032】
地震等によって、基礎12が左方向へ移動すると、移動板34と固定板14との面摩擦力によってゴム球38が粘弾性変形する。そして、移動板34と固定板14との相対移動量が、ゴム球38の粘弾性変形範囲内であるとき、その防振機能によって、固定板14の揺れや振動が移動板34(構造物)に伝わらない。
【0033】
また、図3に示すように、地震力が大きく、移動板34と固定板14との相対移動量がゴム球38の粘弾性変形範囲を越えると、固定板14と移動板34の相対移動に伴って、ゴム球38は、固定板14と移動板34の間を右方向へ転がり始める。このとき、圧縮変形して潰れたゴム球38は、回転時に内部がせん断変形するので、減衰力を発揮し、さらに、ゴム球38が転がるときの固定板14と移動板34との摩擦抵抗も同時に減衰力として作用するので、これらの組み合わせによって高い減衰効果を発揮する。
【0034】
また、移動板34が大きく左右に揺れると、第2アーム30と第1アーム26のなす角度が変化し、第2アーム30が固定板14に当たり、移動板34の移動を制限する。これにより、移動板34と固定板14の間からゴム球38が脱落することが防止される。
【0035】
さらに、固定板14と移動板34が相対移動すると、第1アーム26は移動板34に対する角度を、第2アーム30は固定板14に対する角度を変化させる。このため、第2アーム30と第1アーム26が連結された隣接するボールジョイント28の間隔が変化して、オイルダンパー42のロッド46が伸縮して、第2アーム30を介して移動板34が制動され、構造物50の振動が減衰される。
【0036】
一方、直下型地震等により、基礎12に上下方向に揺れが生じると、固定板14と移動板34に挟まれたゴム球38が粘弾性変形して、固定板14と移動板34の上下方向の間隔(隙間)を拡げ、或は狭くする。このとき、ゴム球38が、上下方向の振動を減衰するダンパーとしても機能する。
【0037】
また、図4に示すように、固定板14と移動板34の上下方向の間隔が大きく広がると、オイルダンパー42のロッド46が伸張して、ボールジョイント28に制動力が作用する。さらに、固定板14と移動板34の上下方向の間隔が狭まると、オイルダンパー42のロッド46が縮んで、ボールジョイント28に制動力が作用する。このように、水平に配置されたオイルダンパー42により、構造物50の上下方向の振動が減衰される。
【0038】
さらに、壁部12Aを挟んで隣接するボールジョイント28を引張りコイルばね48で連結することで、ボールジョイント28の自由な挙動を規制することができる。このため、風によって、移動板34に支持された構造物50が横揺れすることが防止される。
【0039】
また、第2アーム30の上端部は、ガイドレール36に沿って(移動板34の長手方向)スライド可能とされているので、第1アーム26及び第2アーム30の回動方向(例えばX軸方向)と直交する方向(例えばY軸方向)に地震力が作用したとき、構造的に第2アーム30には軸力しか作用せず、大きな力が曲げ力が作用しない。
【0040】
なお、本形態では、第1アームと第2アームで構成されるリンクの数を4つとし、ゴム球を一列に3個配置したが、これらは、構造物の規模によって適宜変更されるものであり、特定されるものではない。また、図6及び図7に示す免震装置10の数やレイアウトも想定される地震力や風圧等により適宜変更されるものである。
【0041】
次に、第2実施形態に係る免震装置を説明する。
【0042】
図8及び図9に示すように、1つの免震装置88でX軸・Y軸方向の振動を減衰するため、第1実施形態のオイルダンパー42(図2参照)と直交する方向に、オイルダンパー70が配置され、シリンダー78が左側のボールジョイント76に、ロッド80が右側のボールジョイント76に連結されている。ボールジョイント76には、固定板16に回動可能に連結された第3アーム74と、移動板34に回動可能に連結された第4アーム72とが連結されている。
【0043】
すなわち、第2実施形態の免震装置88は、第1実施形態の免震装置10と同一構成であり、減衰方向が2軸方向になっている。このように、1つの免震装置でX軸・Y軸方向の振動を減衰できるようにユニット化することで、建物に設置する際に、レイアウトを工夫する必要がなくなる。
【0044】
次に、第3実施形態に係る免震装置を説明する。
【0045】
図10及び図11に示すように、第3実施形態に係る免震装置90は、第1実施形態の免震装置10と基本構成は同一であるが、第1アーム26と第2アーム30を連結するボールジョイント78にそれぞれ独立してオイルダンパー82のロッド88が連結されている。そして、オイルダンパー82のシリンダー84は、基礎12に設けられたアンカー80に回動可能に連結されている。
【0046】
また、アンカー80とボールジョイント78は、引張りばね86で連結されており、移動板34の自由な挙動を規制している。このため、強風によって、移動板に支持された構造物が横揺れすることが防止される。
【0047】
第3実施形態に係る免震装置90では、独立したオイルダンパー82で制動するため、第1実施形態のように、基礎12の壁部12Aに穴を設けて、オイルダンパーを通す必要がなく、基礎工事が煩雑にならない。
【0048】
次に、実施4形態に係る免震装置を説明する。
【0049】
図12に示すように、実施4形態に係る免震装置92の構成は、第1実施形態の免震装置10と基本構成は同一であるが、基礎に相当するH型鋼94のウエブ96には、オイルダンパー42が貫通する穴100が形成されており、オイルダンパー42を水平方向に貫通させ、ボールジョイント28に連結することで、免震機構がユニット化されている。
【0050】
このため、図13に示すように、基礎12の上に載置し、アンカーボルト104とナット102で固定するだけで、簡単に建物を免震化することができる。
【0051】
なお、本発明の特徴的要素を利用した免震装置として、図14に示すように、固定板108を大きく外に張り出し、外側に第2アーム30が貫通する貫通口110を形成した免震装置112でもよい。この構成では、第2アーム30が貫通口110の口部に当たることで、移動板34の移動を制限する。
【0052】
また、図15に示す免震装置114は、図12に示す免震装置92を上下逆にしたものであり、H型鋼の移動台116にスラブSが固定され、基礎12側に取り付けられた固定板118にゴム球38を挟んで支持されている。この構成では、ボールジョイント28が固定板118より上方に位置しており、第1アーム26が移動台116に当たることで、移動台116の移動を制限する。
【0053】
図16に示す免震装置120では、移動板34に回動可能に連結された第2アーム124に鞘管126がスライド可能に挿通され、この鞘管126へ固定板14に回動可能に連結された第1アーム122がピン128で回転可能に連結されている。
【0054】
そして、第1アーム122と第2アーム124は鞘管126とピン128の部分で交差しており、第1アーム122と第2アーム124の下端部には、オイルダンパー42が連結されている。オイルダンパー42には、引張りコイルばね48が挿嵌されている。引張りコイルばね48の両端部は、第1アーム122と第2アーム124の下端部に連結されており、第1アーム122と第2アーム124の姿勢を維持している。
【0055】
この構成では、図17に示すように、鞘管126の軸方向(矢印A)の動きを利用し、第1アーム122と第2アーム124の腕の長さを利用して、構造物と基礎の相対移動量を増幅させることで、大きな減衰力を与えている。
【0056】
また、図18に示す免震装置130では、1本のアーム132で免震装置130を構成することで、部品点数を削減している。アーム132は、移動板34にボールジョイント144で3次元的に回動可能に連結されている。また、アーム132の下端部には、球体134が取り付けられている。この球体134は、基礎12側に設けられた流体槽136へ挿入されている。流体槽136の中には、砂、ゴム粉、オイル等のように擬似流体である流体物136が貯留され、ゴム板140で封止されている。
【0057】
さらに、アーム132の中央部と固定板14とは、ダンパー142で回転可能に連結されており、ダンパー142には、圧縮コイルばね148が挿嵌され、アーム132の姿勢を維持している。
【0058】
この構成では、基礎12とスラブSが相対移動することで、3次元的に動くアーム132の動きを流体物136により減衰して構造物の揺れを抑える。また、アーム132と固定板14とはダンパーによって連結されており、アーム132の移動を制限して、構造物の振動を減衰する。
【0059】
【発明の効果】
本発明は上記構成としたので、ケーシング等が不要な簡単な構造で、かつ、球体の脱落を防止するストッパーが不要となり、さらに、上下の揺れに対しても免震効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る免震装置の取付状態を示す斜視図である。
【図2】 第1実施形態に係る免震装置の取付状態を示す断面図である。
【図3】 第1実施形態に係る免震装置に支持された構造物が横揺れしたときの状態を示す断面図である。
【図4】 第1実施形態に係る免震装置に支持された構造物が縦揺れしたときの状態を示す断面図である。
【図5】 第1実施形態に係る免震装置に支持された構造物が縦揺れしたときの状態を示す断面図である。
【図6】 第1実施形態に係る免震装置の一レイアウトを示した平面図である。
【図7】 第1実施形態に係る免震装置の一レイアウトを示した正面図である。
【図8】 第2実施形態に係る免震装置の取付状態を示す断面図である。
【図9】 第2実施形態に係る免震装置に支持された構造物が横揺れしたときの状態を示す断面図である。
【図10】 第3実施形態に係る免震装置の取付状態を示す断面図である。
【図11】 第3実施形態に係る免震装置に支持された構造物が横揺れしたときの状態を示す断面図である。
【図12】 第4実施形態に係る免震装置の斜視図である。
【図13】 第4実施形態に係る免震装置の一レイアウトを示した平面図である。
【図14】 他の実施形態の免震装置の取付状態を示す断面図である。
【図15】 他の実施形態の免震装置の取付状態を示す断面図である。
【図16】 他の実施形態の免震装置の取付状態を示す断面図である。
【図17】 鞘管とアームの連結部の動きを説明する斜視図である。
【図18】 他の実施形態の免震装置の取付状態を示す断面図である。
【図19】 従来の減衰機構を備えた免震装置を示す断面図である。
【図20】 従来の減衰機構を備えた免震装置の取付状態を示す正面図である。
【符号の説明】
14 固定板
26 第1アーム
28 ボールジョイント(連結部材)
30 第2アーム
34 移動板
36 ガイドレール(滑りガイド)
38 ゴム球(回転体)
42 オイルダンパー(減衰装置、制動手段)
48 引張りコイルばね(ばね材)
122 第1アーム
124 第2アーム
132 アーム
136 流体槽
138 流体物
142 ダンパー(制動手段)

Claims (4)

  1. 構造物の基礎の頂部に固定される固定板と、
    前記構造物を支持する移動板と、
    前記固定板と前記移動板との間に圧縮変形した状態で介在され減衰性能を備えた回転体と、
    前記固定板に回動可能に取付けられた一対の第1アームと、
    前記移動板に回動可能に取付けられた一対の第2アームと、
    前記固定板の下方で、前記第1アームと前記第2アームを所定の角度を持って回動可能に連結する連結部材と、
    前記基礎の壁部を貫通して前記壁部の両側にある前記連結部材へ回動可能に連結され連結部材の移動を制限する制動手段と、
    を有することを特徴とする免震装置。
  2. 前記制動手段が前記連結部材に連結され連結部材同士の相対移動を制限する減衰装置であることを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  3. 前記連結部材がばね材で連結されていることを特徴とする請求項2に記載の免震構造。
  4. 前記固定板と前記第1アームとの取付部に、或は前記移動板と前記第2アームとの取付部に、第1アーム及び第2アームの回動方向と直交する方向にスライドする滑りガイドを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の免震装置。
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