JP2002213101A - 免震装置および免震建物 - Google Patents

免震装置および免震建物

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JP2002213101A
JP2002213101A JP2001011671A JP2001011671A JP2002213101A JP 2002213101 A JP2002213101 A JP 2002213101A JP 2001011671 A JP2001011671 A JP 2001011671A JP 2001011671 A JP2001011671 A JP 2001011671A JP 2002213101 A JP2002213101 A JP 2002213101A
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seismic isolation
isolation device
upper structure
horizontal displacement
relative horizontal
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Takanori Sato
孝典 佐藤
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物の長周期化と応答変位の低減、免震装置
の小型化を両立する。 【解決手段】 建物の下部構造体である基礎1と上部構
造体の間に介装され、それらの間の相対水平変位が所定
値に達した時点でそれ以上の相対水平変位を規制するよ
うに弾性的に支持する規制手段を有する。支持板2上を
転動するキャスタ4を有し、相対水平変位が所定値に達
した時点でキャスタ4が当接する位置に規制手段として
の粘弾性体あるいは積層ゴムからなる環状のバネ部材1
1あるいは急斜面部を設ける。上記の免震装置を通常の
免震装置よりも高剛性としてそれらを併用する。上部構
造体と下部構造体との間に減衰手段としての鋼材ダンパ
ーを介装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建物の免震構造に係
わり、特に戸建て木造住宅等の比較的小規模な建物に適
用して好適な免震装置とそれを用いた免震建物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、免震構造は積層ゴム等の
免震装置によって建物全体を水平方向に弾性的に支持す
ることでその固有周期を長周期化し、それにより建物に
伝達される地震力を大幅に低下させて地震被害を軽減す
ることが可能であり、大規模建物においては広く普及し
つつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、大規模建物のみ
ならず戸建て木造住宅等の小規模な建物にも免震構造を
採用したいという要請があるが、従来一般の免震構造を
木造住宅にそのまま適用することは現実的ではない。す
なわち、木造住宅等の小規模建物を対象とする場合には
その固有周期を2〜4秒程度に設定する必要があるが、
固有周期をその程度に設定した場合には応答変位が大き
くなって50cmを越えるような場合があり、したがっ
て建物周囲に十分な免震クリアランスを確保する必要が
ある。また、免震装置の寸法(直径あるいは1辺の長
さ)も1m以上にもなってしまい、その設置スペースの
確保が容易ではないしコストも多大となる。
【0004】上記事情に鑑み、本発明は木造住宅等の小
規模建物に適用して好適な免震装置とそれを用いた有効
な免震建物の構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、建物
の下部構造体と上部構造体の間に介装され、それらの間
の相対水平変位が所定値に達した時点でそれ以上の相対
水平変位を規制するように弾性的に支持する規制手段を
有してなることを特徴とする。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明の免震
装置において、下部構造体に固定される支持板と、上部
構造体に対して固定されて上部構造体の荷重を支持しつ
つ支持板の上面を転動するキャスタを有し、支持板の上
面周縁部には、上部構造体と下部構造体との間の相対水
平変位が所定値に達した時点でキャスタが当接すること
で下部構造体に対する上部構造体のそれ以上の相対水平
変位を弾性的に規制する規制手段としての環状のバネ部
材が設けられていることを特徴とする。
【0007】請求項3の発明は、請求項2の発明の免震
装置において、バネ部材は粘弾性体あるいは積層ゴムか
らなることを特徴とする。
【0008】請求項4の発明は、請求項1の発明の免震
装置において、下部構造体に固定される支持板と、上部
構造体に対して固定されて上部構造体の荷重を支持しつ
つ支持板の上面を転動するキャスタを有し、支持板の上
面周縁部には、上部構造体と下部構造体との間の相対水
平変位が所定値に達した時点でキャスタが乗り上げるこ
とで下部構造体に対する上部構造体のそれ以上の相対水
平変位を弾性的に規制する規制手段としての急斜面部が
設けられていることを特徴とする。
【0009】請求項5の発明は、請求項1,2,3また
は4記載の免震装置を用いる免震建物であって、上部構
造体を下部構造体に対して水平方向に弾性的に支持する
免震装置をそれらの間に介装するとともに、特性の異な
る2種以上の免震装置を併用し、それらの免震装置とし
て、上部構造体と下部構造体との間で相対水平変位が生
じた際に直ちに作動する第1の免震装置と、相対水平変
位が所定値に達した時点で作動してそれ以上の相対水平
変位を規制する第2の免震装置を採用し、第2の免震装
置として請求項1,2,3または4記載の免震装置を採
用するとともに、その第2の免震装置を第1の免震装置
よりも高剛性に設定してなることを特徴とする。
【0010】請求項6の発明は、請求項5の発明の免震
建物において、上部構造体と下部構造体との間に減衰手
段としての鋼材ダンパーを介装してなることを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】図1〜図7を参照して本発明の一
実施形態である免震建物とそれに用いる免震装置を説明
する。本実施形態の免震建物は、下部構造体としての基
礎に対して、上部構造体としての建物本体部分を免震装
置により水平方向に相対変位可能な状態で弾性的に支持
するものであるが、免震装置として特性の異なる2種類
の免震装置、すなわち図1および図2に示す第1の免震
装置Aと、図3および図4に示す第2の免震装置Bとを
併用することを基本として、必要に応じてさらに図5お
よび図6に示す第3の免震装置Cを併用するようにした
ものである。
【0012】図1および図2に示す第1の免震装置A
は、下部構造体である基礎1の上面に固定される矩形平
板状の鋼板からなる支持板2と、上部構造体である土台
(ここでは図示略)の下面にボルト3により固定される
キャスタ4を有し、キャスタ4が上部構造体を支持しつ
つ支持板2の上面を転動することで上部構造体の相対水
平変位を許容せしめるものである。そして、キャスタ4
の周囲には上記のボルト3によって円形平板状の鋼板か
らなる取付板5が取り付けられていて、その取付板5と
支持板2の外周縁部相互間には粘弾性体からなる環状の
バネ部材6が双方に接着されて取り付けられている。符
号7はキャスタ4の転がり抵抗を調節するための多数の
ベアリングボール、8はバネ部材6の外側に装着された
蛇腹状のカバーである。
【0013】上記構成の第1の免震装置Aは、図2
(a)に示す通常時の静止状態から、地震時には
(b),(c)に示すようにキャスタ4が転動して側方
に変位するとともにバネ部材6が弾性的に大きく変形す
ることにより、上部構造体を下部構造体である基礎1に
対して水平方向に弾性的に支持してその固有周期を十分
に長周期化することができ、その固有周期をたとえば2
〜4秒程度に設定し得るものである。なお、図2(b)
は設計上の基準変位δ1(限界変位δ2の60%程度)
が生じた状態、(c)は設計上の限界変位δ2が生じた
状態を示している。
【0014】この第1の免震装置Aは、キャスタ4によ
る鉛直支持力が得られることはもとより、バネ部材6の
弾性復元力による復元効果が自ずと得られるものであ
る。また、支持板2の中央部に凹部9を形成しておくこ
とにより、水平変位が生じた後にはキャスタ4が凹部9
に戻ることによる復元力が得られ、かつ風荷重による建
物の振動を有効に規制することができる。さらに、キャ
スタ4と支持板2との間の摩擦係数を適度(たとえば3
〜10%程度)に設定することでそれらの間の摩擦力に
よる減衰効果が得られるのみならず、バネ部材6のせん
断変形による履歴吸収エネルギーによる減衰効果も期待
できるものである。
【0015】図3および図4に示す第2の免震装置B
は、第1の免震装置Aにおけるバネ部材6を省略してそ
れよりもやや内側の位置に規制手段としての環状のバネ
部材11を取り付けたものである。この第2の免震装置
Bにおけるバネ部材11は支持板2に対してのみ固定さ
れていて取付板5に対しては固定されておらず、したが
って相対水平変位が生じた当初はバネ部材11は変形す
ることがなく、図4(b)に示すように基準変位δ1が
生じた時点でキャスタ4がバネ部材11に接触し、それ
以降は(c)に示すようにバネ部材11がキャスタ4に
押されて弾性的に変形することでそれ以上の変位を規制
するものである。そして、この第2の免震装置Bにおけ
るバネ部材11の弾性係数は第1の免震装置Aにおける
バネ部材6の弾性係数よりも大きく設定されており、し
たがって第2の免震装置Bは第1の免震装置Aに比べて
より高剛性なものとなっている。
【0016】なお、この第2の免震装置Bも、キャスタ
4による鉛直支持力と、キャスタ4が凹部9に戻ること
による復元力が得られるとともに、キャスタ4と支持板
2との間の摩擦力による減衰力が得られ、かつ、基準変
位δ1を越える変位が生じた際にはバネ部材11による
復元力と減衰力が得られる。
【0017】図5および図6に示す第3の免震装置C
は、第1の免震装置Aにおけるバネ部材6と第2の免震
装置Bにおけるバネ部材11のいずれをも省略したもの
で、キャスタ4による鉛直支持力とそれによる復元力お
よび減衰力のみが得られるものであり、第1および第2
の免震装置A,Bのみでは鉛直支持力が不足する場合に
それらに加えて併用されるものである。
【0018】本実施形態の免震建物は、建物全体の自重
や平面形状に対応して、上記の第1の免震装置Aと第2
の免震装置Bを適宜組み合わせて用いることとし、さら
に必要に応じて第3の免震装置Cを組み合わせてそれら
を適正配置することで、十分な長周期化と応答変位の低
減化およびそれら免震装置A〜Cの小型化を合わせて実
現し得るものである。
【0019】すなわち、本実施形態の免震建物では、図
7に示すように基準変位δ1までは低剛性の第1の免震
装置Aのみが作動するので、上述したようにこの第1の
免震装置Aにより2〜4秒程度の長周期化を支障なく実
現できるものであるが、基準変位δ1を越えるような大
きな変位が生じた場合には、第1の免震装置Aに加えて
それよりも高剛性の第2の免震装置Bが作動し、それに
より高剛性化(ハードニング)が生じて固有周期が自ず
と小さくなる。したがって、この免震建物全体の設計上
の等価剛性は第1の免震装置Aのみを用いる場合に比較
して大きくなり、その結果、それら免震装置A〜Bの所
要寸法を小さくできることになる。つまり、本実施形態
の免震建物は、地震時に直ちに作動する低剛性の第1の
免震装置Aと、変位が大きくなった段階で作動する高剛
性の第2の免震装置Bを組み合わせて採用することによ
り、実質的に十分な長周期化と応答変位の低減および免
震装置の小型化を両立できるものである。勿論、各免震
装置A〜Cの組み合わせやそれらの設置台数の増減によ
り建物全体の免震特性に自由にかつ広範に設定すること
ができる。
【0020】なお、既に述べたように第1および第2の
免震装置A,Bはいずれもキャスタ4と支持板6との間
の摩擦力による減衰効果と、バネ部材6,11のせん断
変形による減衰効果が期待できるので、本実施形態の免
震建物では他に減衰手段を設けずとも所望の減衰効果を
得ることも可能であるが、必要であれば鋼材ダンパー等
の適宜の減衰手段を用いることも好適であり、たとえば
図8あるいは図9に示す構成が考えられる。
【0021】図8は減衰手段として鋼材ダンパー20を
採用してこれを基礎(下部構造体)1と土台(上部構造
体)21との間に介装する場合の例を示す。これは複数
(図示例では6本)の鋼材ダンパー20の基端を取付板
22に溶接してその取付板22を基礎1上面に固定し、
各鋼材ダンパー20の先端部を土台21としてのH形鋼
の下フランジに形成した孔23に挿通せしめたものであ
る。孔23の内面は、鋼材ダンパー20が側方に曲げ変
形する際の上下方向の変位を拘束することのないように
テーパ状に形成しておく。また、最大変位時に鋼材ダン
パー20が孔23から抜けてしまうことのないように鋼
材ダンパー20には十分な余長を持たせておく。
【0022】図9は減衰手段としての鋼材ダンパー20
を、上記の第1〜第3の免震装置A〜Cのいずれかに組
み込んだ場合の例を示す。すなわち、それらの免震装置
A〜Cにおける支持板6の外周縁部に鋼材ダンパー20
を溶接して取り付けておくとともに、土台21としての
H形鋼の交差部には三角形状の鋼板からなるブラケット
24を溶接してそれに孔23を形成しておき、免震装置
A〜Cを土台21の交差部の直下に配置して各ブラケッ
ト24の孔23に各鋼材ダンパー20の先端部を挿通せ
しめたものである。この場合、ブラケット24の取り付
け位置は土台21としてのH形鋼の下フランジでも良い
が、図示しているようにブラケット24を上フランジに
取り付けることとすれば、鋼材ダンパー20の長さをよ
り長くすることができるので減衰効果を得る上でより効
果的である。
【0023】以上で本発明の実施形態を説明したが、以
下に他の実施形態を列挙する。
【0024】本発明の免震装置は、上記実施形態におけ
る第2の免震装置Bと同様に、相対水平変位が所望の設
定値となった時点で初めて作動してそれ以上の変位を弾
性的に規制するものであれば良いのであって、そのよう
な規制手段を備える限りにおいて適宜の設計的変更が可
能であり、たとえば図10あるいは図11に示すものが
考えられる。
【0025】図10に示す免震装置B2は、キャスタ4
を省略して規制手段としてのバネ部材11のみを土台2
1の交差部の直下に配置し、土台21の交差部の下面に
突出せしめた突起30がバネ部材11に当接することで
大きな相対水平変位に対して弾性的な規制を与えるよう
にしたものである。これによれば、上記実施形態の第2
の免震装置Bに比較して構成を大幅に簡略化しつつ同等
の効果が得られる。ただし、この免震装置B2は鉛直支
持機能を有するものではないし、これ自体では復元機能
や減衰機能も殆ど得られないので、それらの機能は他の
免震装置にゆだねる必要がある。
【0026】図11に示す免震装置B3は、支持板2の
上面周縁部に急斜面部40を形成しておき、相対水平変
位が大きくなるとキャスタ4が急斜面部40に乗り上げ
ることで相対水平変位が規制されるものであり、急斜面
部40が規制手段として作用して同様の効果が得られる
ものである。なお、この場合、支持板2の中央部は平面
とすることでも良いが、図示しているように緩い湾曲面
としておくことが好ましい。
【0027】さらに、本発明の免震装置としては、先の
実施形態における第1の免震装置Aと、第2の免震装置
Bや上述の免震装置B2,B3とを一体に組み合わせた
構成のものも考えられる。つまり、支持板2と取付板5
との間に第1の免震装置Aにおけるバネ部材6と免震装
置B,B2におけるバネ部材11の双方をともに設け
て、基準変位δ1まではバネ部材6のみが作動し、それ
を越える場合には双方のバネ部材6,11が同時に作動
することで高剛性化(ハードニング)が生じるようにし
ておけば良い。あるいは、第1の免震装置Aにおけるバ
ネ部材6と免震装置B3における急斜面部40をともに
設けて、基準変位δ1まではバネ部材6のみが作動し、
それを越える場合には急斜面部40による高剛性化が生
じるようにしておけば良い。
【0028】その他、規制手段としてのバネ部材6,1
1としては粘弾性体に代えて積層ゴムを環状に形成して
用いても同様の効果が得られるし、キャスタ4をバネ部
材6,11に直接的に接触させることに代えてキャスタ
4の周囲に設けた適宜の部材をバネ部材6,11に接触
させるようにしても良いし、キャスタ4による支承に代
えてたとえばテフロン膜等による滑り支承も採用可能で
あるし、免震装置全体の天地を逆にして用いることも勿
論可能である。
【0029】
【発明の効果】請求項1の発明の免震装置は、建物の下
部構造体と上部構造体の間に介装され、それらの間の相
対水平変位が所定値に達した時点でそれ以上の相対水平
変位を規制するように弾性的に支持する規制手段を有す
るものであるから、通常の免震装置と併用して建物に設
置することでその建物に所望の免震特性を与えることが
でき、特に十分な長周期化と応答変位の低減ならびに免
震装置の小型化を両立することが可能であり、木造住宅
等の比較的小規模な建物に適用して最適である。
【0030】請求項2の発明の免震装置は、下部構造体
に固定される支持板と、上部構造体に対して固定されて
上部構造体の荷重を支持しつつ支持板の上面を転動する
キャスタを有し、支持板の上面周縁部には、上部構造体
と下部構造体との間の相対水平変位が所定値に達した時
点でキャスタが当接することで下部構造体に対する上部
構造体のそれ以上の相対水平変位を弾性的に規制する規
制手段としての環状のバネ部材を設けた構成であるの
で、上記効果に加え、キャスタによる鉛直支持機能、キ
ャスタと支持板との摩擦力による減衰機能、バネ部材に
よる復元機能と減衰機能が得られ、極めて有効である。
【0031】請求項3の発明の免震装置は、規制手段と
してのバネ部材として粘弾性体あるいは積層ゴムを採用
したので、粘弾性体あるいは積層ゴムの弾性係数の設定
により性能を自由にかつ幅広く設定することが可能であ
る。
【0032】請求項4の発明の免震装置は、下部構造体
に固定される支持板と、上部構造体に対して固定されて
上部構造体の荷重を支持しつつ支持板の上面を転動する
キャスタを有し、支持板の上面周縁部には、上部構造体
と下部構造体との間の相対水平変位が所定値に達した時
点でキャスタが乗り上げることで下部構造体に対する上
部構造体のそれ以上の相対水平変位を弾性的に規制する
規制手段としての急斜面部を設けた構成であるので、請
求項1の発明の免震装置が奏する効果に加え、キャスタ
による鉛直支持機能、キャスタと支持板との摩擦力によ
る減衰機能、急斜面部による復元機能が得られる。
【0033】請求項5の発明の免震建物は、上部構造体
を下部構造体に対して水平方向に弾性的に支持する免震
装置をそれらの間に介装するとともに、特性の異なる2
種以上の免震装置を併用し、それらの免震装置として、
上部構造体と下部構造体との間で相対水平変位が生じた
際に直ちに作動する第1の免震装置と、相対水平変位が
所定値に達した時点で作動してそれ以上の相対水平変位
を規制する第2の免震装置を採用し、第2の免震装置と
して請求項1,2,3または4の発明の免震装置を採用
するとともに、その第2の免震装置を第1の免震装置よ
りも高剛性に設定したので、十分な長周期化と応答変位
の低減、免震装置の小型化を実現することができ、しか
も各免震装置の組み合わせやそれらの設置台数の増減に
より免震特性に自由にかつ広範に設定することができ
る。
【0034】請求項6の発明の免震建物は、上部構造体
と下部構造体との間に減衰手段としての鋼材ダンパーを
介装したので、上記に加えて十分な減衰効果を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態である免震建物において用
いる第1の免震装置の概略構成図である。
【図2】 同、第1の免震装置の作動を説明する図であ
る。
【図3】 同、第2の免震装置の概略構成図である。
【図4】 同、第2の免震装置の作動を説明する図であ
る。
【図5】 同、第3の免震装置の概略構成図である。
【図6】 同、第3の免震装置の作動を説明する図であ
る。
【図7】 同、免震建物全体の特性を示す図である。
【図8】 同、鋼材ダンパーの設置例を示す図である。
【図9】 同、鋼材ダンパーの他の設置例を示す図であ
る。
【図10】 本発明の免震装置の他の実施形態を示す図
である。
【図11】 本発明の免震装置のさらに他の実施形態を
示す図である。
【符号の説明】
A 第1の免震装置 B 第2の免震装置(免震装置) C 第3の免震装置 B2,B3 免震装置 1 基礎(下部構造体) 2 支持板 4 キャスタ 11 バネ部材(規制手段) 20 鋼材ダンパー(減衰手段) 21 土台(上部構造体) 40 急斜面部(規制手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の下部構造体と上部構造体の間に介
    装され、それらの間の相対水平変位が所定値に達した時
    点でそれ以上の相対水平変位を規制するように弾性的に
    支持する規制手段を有してなることを特徴とする免震装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の免震装置において、下部
    構造体に固定される支持板と、上部構造体に対して固定
    されて上部構造体の荷重を支持しつつ支持板の上面を転
    動するキャスタを有し、支持板の上面周縁部には、上部
    構造体と下部構造体との間の相対水平変位が所定値に達
    した時点でキャスタが当接することで下部構造体に対す
    る上部構造体のそれ以上の相対水平変位を弾性的に規制
    する規制手段としての環状のバネ部材が設けられている
    ことを特徴とする免震装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の免震装置において、バネ
    部材は粘弾性体あるいは積層ゴムからなることを特徴と
    する免震装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の免震装置において、下部
    構造体に固定される支持板と、上部構造体に対して固定
    されて上部構造体の荷重を支持しつつ支持板の上面を転
    動するキャスタを有し、支持板の上面周縁部には、上部
    構造体と下部構造体との間の相対水平変位が所定値に達
    した時点でキャスタが乗り上げることで下部構造体に対
    する上部構造体のそれ以上の相対水平変位を弾性的に規
    制する規制手段としての急斜面部が設けられていること
    を特徴とする免震装置。
  5. 【請求項5】 上部構造体を下部構造体に対して水平方
    向に弾性的に支持する免震装置をそれらの間に介装する
    とともに、特性の異なる2種以上の免震装置を併用して
    なる免震建物であって、上部構造体と下部構造体との間
    で相対水平変位が生じた際に直ちに作動する第1の免震
    装置と、相対水平変位が所定値に達した時点で作動して
    それ以上の相対水平変位を規制する第2の免震装置を具
    備し、第2の免震装置として請求項1,2,3または4
    記載の免震装置を採用するとともに、その第2の免震装
    置を第1の免震装置よりも高剛性に設定してなることを
    特徴とする免震建物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の免震建物において、上部
    構造体と下部構造体との間に減衰手段としての鋼材ダン
    パーを介装してなることを特徴とする免震建物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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