JP4352542B2 - 制震装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に軽量機器類等の据付部に介装して好適な、転がり支承による制震装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば美術館や展示場等として使用される建物や、各種機器類が設置される建物などにおいては、地震などによって当該建物に大きな振動が発生した場合に、展示物や機器類等に大きな揺れが加わって破損や誤作動を生じることを防ぐために、これらの機器類等の据付部と床との間にボールやローラを用いた転がり支承による免震装置や、あるいはすべり支承による免震装置を介装することによって、地震等時に建物から機器類等に伝播しようとする振動を抑制する構造が多く採用されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の転がり支承による免震装置にあっては、減衰機能を有していないために、別途スプリングやシリンダ等の何等かの減衰機構を設ける必要があり、特に小型の機器類等に対しては、装置全体が過度に複雑化するとともに、経済性にも劣るという問題点があった。加えて、上記減衰機構のバネ定数を大きくすると十分な免震効果が得られなくなり、逆に小さく設定すると、機器類等の変位量が大きくなって装置全体の大型化を招くという欠点があり、当該減衰機構の調節が難しいという問題点もあった。
【0004】
これに対して、ステンレス板を用いたすべり板と、テフロン製の滑り材とを組み合わせた従来のすべり支承による免震装置は、地震時に上記機器類等が水平変位した際に、上記滑り材が滑り板上を摺動することにより、直接振動が機器類等に作用することを抑制するものであり、この摺動時に発生する摩擦力によって、機器類等における変位動を減衰させることができる。
【0005】
しかしながら、上記すべり支承による免震装置においては、その減衰機能を摩擦力のみに依存しているために、想定される地震に対する機器類等の変位量が大きくなり、よって周囲に大きな空間を必要とするとともに、同様に装置全体を小型化することが難しいという問題点があった。
また、いずれの免震装置にあっても、水平方向の振動に対しては、機器類等を保全することができるものの、上下方向の振動が加わった場合には、据付部から上方が浮き上がってしまい、この結果転倒による破損等を生じる虞があるという付帯的な問題点もあった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、減衰機能を有し、かつ当該減衰力を容易に調整することができるとともに、装置全体の小型軽量化を図ることができる転がり支承による制震装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る制震装置は、構造物の基盤部と、この基盤部上の相対変位部との間に転がり部材が介装されてなる転がり支承による制震装置であって、上記転がり部材に、当該転がり部材の端面に回転を拘束されて当接する摩擦板と、この摩擦板と転がり部材の端面から延出する回転軸の端部との間に介装されて摩擦板を上記端面側に付勢する付勢部材とを備えてなる減衰手段を設けてなり、上記転がり部材が円柱状のローラであるとともに、上記基盤部側の上記ローラの両端部に臨む位置には、一対の第1の壁部が立設され、かつ上記相対変位部側には、上記第1の壁部と対向する一対の第2の壁部が垂設されるとともに、これら第1および第2の壁部に水平方向に延在する開口部が穿設され、当該開口部間に上記ローラが挿通されていることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載の制震装置は、構造物の基盤部と、この基盤部上の相対変位部との間に転がり部材が介装されてなる転がり支承による制震装置であって、上記基盤部と相対変位部との間に、これらのいずれか一方に水平方向に敷設されたラックと、他方に本体部が固定され、この本体部に回転自在に設けられるとともに内部に封入された粘性流体によって回転方向に制動力を生じる歯車部材が上記ラックに歯合されたダンパーとを備えてなる減衰手段を設けてなり、上記転がり部材が円柱状のローラであるとともに、上記基盤部側の上記ローラの両端部に臨む位置には、一対の第1の壁部が立設され、かつ上記相対変位部側には、上記第1の壁部と対向する一対の第2の壁部が垂設されるとともに、これら第1および第2の壁部に水平方向に延在する開口部が穿設され、当該開口部間に上記ローラが挿通されていることを特徴とするものである。
【0009】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記基盤部側の上記転がり部材の転動面は、中央部が下方となる円弧状に形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項1〜3のいずれかに記載の発明によれば、地震等により構造物に振動が発生した場合に、当該構造物の床等の基盤部と、その上に据え付けられる展示物や機器類等の相対変位部との間において、転がり部材が転動することにより当該振動が相対変位部に伝達することが抑制される。この際に、請求項1に記載の発明によれば、基盤部に対して転動する転がり部材の端面に、スプリング等の付勢部材によって付勢されるとともに、回転が拘束された摩擦板が密着しているために、相互間の摩擦力によって転がり部材の回転が制動され、相対変位部の変位動が減衰される。そして、この減衰力は、例えば付勢部材がスプリングである場合には、これを締め込んだり、あるいは緩めたりして、摩擦板に作用する付勢力を変えることにより、容易に調整することが可能となる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明においては、同様に構造物に振動が作用した際に、相対変位部が転がり部材を介して基盤部に対して変位すると、当該相対変位部に設けられたラックの相対変位によってダンパーの歯車部材が回転し、これによって生じる制動力によって相対変位部の変位動が減衰される。この際に、歯車部材からラックに作用する減衰力については、ダンパーの大きさや粘性流体の種類等を適宜選択することにより、容易に調整することが可能となる。
【0012】
さらに、請求項1〜3のいずれかに記載の制震装置によれば、上述した構造物側が振動を受けた場合とは逆に、相対変位部自体が振動を発生する機器類等である場合に、上記減衰手段によって当該振動が構造物側に伝達することを抑制することもできる。
【0013】
また、転がり部材が円柱状のローラであり、かつ基盤部のローラの両端部に臨む位置に一対の第1の壁部を立設し、相対変位部に第1の壁部と対向する一対の第2の壁部を垂設して、これら第1および第2の壁部に水平方向に延在する開口部を穿設し、この開口部間にローラを挿通しているので、当該ローラによって相対変位部が基盤部に対して浮き上がることを防止することが可能となる。
【0014】
ところで、上記請求項1または2に記載の制震装置においては、地震等が発生した場合に、ローラ等の転がり部材の転動によって相対変位部に上記振動が作用することを抑制することができるとともに、減衰手段によって、その変位動を減衰させることができるが、地震等が終了した時点において、相対変位部を基盤部に対して元位置に復帰させることができない。
このような元位置復帰手段としては、別途基盤部と相対変位部との間にスプリングを設ける構成も採用可能であるが、例えば請求項に記載の発明のように、上記基盤部側の転がり部材の転動面を、中央部が下方となる円弧状に形成すれば、別途元位置復帰用の部材を設けることなく、相対変位部の自重によってローラを転動させて、開口部の最下位置となる中央部に復帰させることが可能となるために好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明に係る制震装置の前提となる技術を示すもので、図中符号1が下部レールであり、符号2が上部レールである。
これら上下部レール1、2は、それぞれコ字状に形成された鋼材であり、下部レール1の底板部1aが建物の床等の基盤部に固定され、他方上部レール2の天板部2aが基盤部上に据え付けられる機器類(相対変位部)の下面に固定されている。そして、これら上下部レール1、2間に、2本のローラ(転がり部材)3が所定間隔をおいて回転自在に介装されている。
【0016】
このローラ3は、上下部レール1、2から延出した両端部に鍔部3aが形成されるとともに、中心部に穿設された貫通孔3b内に、車輪軸4が相対的に回転自在に挿通されている。そして、これら2本のローラ3に、連結板(摩擦板)5が掛け渡されており、この連結版5によって2本のローラ3の間隔が一定に保持されている。この連結板5は、平板状の部材で、両端部に穿設された貫通孔に各ローラ3の車輪軸4が挿通されることにより、車輪軸4の両端部において2本のローラ3を互いに連結するように設けられている。また、一方の連結板5と車輪軸4の端部に螺合されたナット7との間に、スプリング(付勢部材)6が介装されており、これにより連結板5は、ローラ3の鍔部3aの端面に圧接されている(なお、図2においては、相互の構成を明確化するための便宜上、各構成部材間に間隙を形成して描いてある)。そして、上記連結板5とスプリング6とによって、ローラ3に対する減衰手段が構成されている。
【0017】
以上の構成からなる制震装置によれば、地震等により建物に振動が発生した場合に、上下部レール1、2間に介装されたローラ3が転動することにより、この建物に作用する振動が、上部レール2上に据え付けられた機器類に伝達することを抑制することができる。この際に、下部レール1上を転動するローラ3の鍔部3a端面に、スプリング6によって付勢されるとともに、回転が阻止された連結板5が密着しているために、これら相互間の摩擦力によってローラ3の回転を制動して、上部レール2の変位動を減衰させることができる。しかも、この減衰力は、ナット7を締めこんだり、あるいは緩めたりして、スプリング6のバネ定数を変化させることにより、載荷重量に関係無く、容易に調整することができる。
【0018】
(実施の形態
図3〜図7は、本発明の第1の実施形態を示すもので、図1および図2に示したものと同一構成部分に付いては、同一符号を付してその説明を簡略化する。
本実施形態においては、建物における床等の基盤部上に、一の方向に沿って2本の下部レール10が所定間隔をおいて互いに平行に固定され、これら下部レール10上に、連結板5によって連結された2本のローラ3を介して上部レール11が変位自在に設けられている。そしてさらに、これら上部レール11上間に、互いに直交する2本の下部レール12が互いに平行となるように一体的に固定され、これら下部レール12上に、同様に2本のローラ3を介して上部レール13が変位自在に設けられており、上部レール13上に、機器類等の相対変位部が取付けられている。
【0019】
これらの上下部レール10〜13は、それぞれ底板部10a、12aまたは天板部11a、13aに、壁部(第1の壁部)10b、12bまたは壁部(第2の壁部)11b、13bが一体に形成されたコ字状に形成されており、下部レール10、12および上部レール11、13のいずれか一方の幅寸法が、他方の幅寸法よりも大きくなるように設定されている。これにより、下部レール10、12および上部レール11、13は、一方の幅広な壁部10b〜13b間に、他方の幅狭な壁部10b〜13bを対向させた状態で配設されている。
【0020】
そして、これら側壁10b〜13bには、各ローラ3の転動に対応して長手方向に延びる開口部14〜17が穿設され、対向する開口部14、15間および16、17間に、それぞれ上記ローラ3が挿通されている。
ここで、下部レール10、12の壁部10b、12bに形成された開口部14、16は、それぞれ静止時におけるローラ3の車輪軸4を中央にし、その転動方向の両方向にけて漸次上方に湾曲する円弧状に形成されている。他方、上部レール11、13に形成された開口部15、17は、これとは逆にローラ3の車輪軸4を中央にし、その転動方向の両方向にけて漸次下方に湾曲する円弧状に形成されている。
【0021】
以上の構成からなる制震装置においては、地震等により建物に振動が発生した場合に、機器類等が据え付けられた上部レール13がローラ3の転動によって下部レール12に対して相対変位し、かつ下部レール12およびこれと一体化された上部レール11がローラ3によって下部レール10に対して直交する方向に相対変位することにより、この建物に作用する振動が、上部レール13上に据え付けられた機器類に伝達することを抑制することができる。しかも、上下部レール10、11間および12、13間に介装された各ローラ3の転動が、スプリング6によって付勢された連結板5とローラ3の端面との間に生じる摩擦力によって制動されるため、上部レール13における変位動を減衰させることができる。
【0022】
したがって、上記制震装置によっても、互いのローラ3を連結することにより回転が阻止されるとともに、スプリング6によって当該ローラ3の端面に圧接された連結板5により、図1および図2に示したものと同様の作用効果が得られることに加えて、上下部レール10〜13を、互いに直交する2段構造としているために、建物に作用する水平方向のいかなる方向への振動に対しても、確実に機器類等に対する制震効果を発揮することができる。
【0023】
加えて、転がり部材として円柱状のローラ3を用い、相対変位する上下部レール10〜13に、それぞれローラ3の両端部に臨むとともに、互いに対向する壁部10b〜13bを設け、さらにこれら壁部10b〜13bにローラ3の転動方向に延在する開口部14〜17を穿設して、当該開口部14、15間および16、17間に上記ローラ3を挿通しているので、このローラ3によって上部レール11、13が下部レール10、12に対して浮き上がることを防止することができる。
【0024】
さらに、下部レール10、12の開口部14、16を、車輪軸4の元位置となる中央部が下方となる円弧状に形成しているので、図5に示すように、地震時等に、基盤部側が振動することにより、下部レール10、12に沿ってローラ3が転動して上部レール11、13が水平方向に相対的に変位すると、上記円弧曲線によって上部レール11、13は、下部レール10、12に対し上方にも変位する。この結果、地震が終わった後には、機器類等の自重によってローラ3が転動し、開口部14、16の円弧曲線に沿って中央の最下位置に戻るため、別途元位置復帰用の部材を設けることなく、機器類等の相対変位部を元位置に復帰させることができる。
【0025】
(実施の形態
図8〜図10は、本発明の第2の実施形態を示すものである。
本実施形態の制震装置は、第1の実施形態と同様に、建物における床等の基盤部上に、一の方向に沿って2本の下部レール20が所定間隔をおいて互いに平行に固定され、これら下部レール20上に2本のローラ3を介して上部レール21が変位自在に設けられるとともに、さらにこれら上部レール21上間に、互いに直交する2本の下部レール22が互いに平行となるように一体的に固定され、これら下部レール22上に、同様に2本のローラ3を介して上部レール23が変位自在に設けられたもので、上部レール23上に、機器類等の相対変位部が取付けられている。
【0026】
上記上下部レール20〜23は、それぞれ底板部20a、22aまたは天板部21a、23aに、壁部(第1の壁部)20b、22bまたは壁部(第2の壁部)21b、23bが一体に形成されたコ字状に形成されており、本実施形態においては、これら上下部レール20〜23が同形状に形成されている。そして、上部レール21、23は、下部レール20、22の壁部20b、22bに対して、一方の壁部21b、23bが内側に位置し、他方の壁部21b、23bが外側に位置するように、互いに対向させた状態で配設されている。
【0027】
これら側壁20b〜23bには、各ローラ3の転動に対応して長手方向に延びる開口部24〜27が穿設され、対向する開口部24、25間および26、27間に、それぞれ上記ローラ3が挿通されている。
また、本実施形態においても、下部レール20、22の壁部20b、22bに形成された開口部24、26が、静止時におけるローラ3を中央にし、その転動方向の両方向にけて漸次上方に湾曲する円弧状に形成されている。他方、上部レール21、23に形成された開口部25、27は、逆にローラ3を中央にし、その転動方向の両方向にけて漸次下方に湾曲する円弧状に形成されている。
【0028】
そして、この制震装置においては、ローラ3同士を連結する連結板およびこれをローラ3の端面に付勢するスプリングが設けられておらず、これに代えて、ラック28、29とダンパー30、31とからなる減衰手段が設けられている。
すなわち、下部レール20の外側に位置する壁部20bの上部にラック28が、また上部レール23の外側に位置する壁部23bの下部にラック29が、それぞれ長手方向に向けて一体的に固定されている。他方、隣接する下部レール22の底板部22a間に、取付板32が上部レール21の外側に沿うように掛け渡されている。また、隣接する上部レール21の天板部21a間にも、取付板33が下部レール22に沿うように掛け渡されている。
【0029】
そして、取付板32の下面中央と、取付板33の上面中央とに、各々ダンパー30、31が取付けられている。このダンパー30、31は、取付板32、33に固定される本体部30a、31aと、この本体部30a、31aに回転自在に設けられた歯車部材30b、31bとから構成されたものであり、歯車部材30bがラック28に歯合し、歯車部材31bがラック29に歯合するように設けられている。
【0030】
ここで、各ダンパー30、31の本体部30a、31a内には、シリコンオイル等の粘性の高い流体が封入されており、これら粘性流体内に位置する歯車部材30b、31bの基端部には、回転時に上記粘性流体によって制動力を発生させるための抵抗部材となるロータが設けられている。
【0031】
以上の構成からなる制震装置においては、地震時等に建物に振動が作用した際に、地震等により建物に振動が発生すると、機器類等が据え付けられた上部レール23がローラ3の転動によって下部レール22に対して相対変位し、かつ下部レール22およりこれと一体化された上部レール21がローラ3によって下部レール20に対して直交する方向に相対変位することにより、この建物に作用する振動が、上部レール23上に据え付けられた機器類に伝達することを抑制することができる。
【0032】
この際に、上部レール23に固定されたラック29の相対変位によって、上部レール21と一体化されたダンパー31の歯車部材31bが回転し、かつ下部レール20に固定されたラック28の相対変位によって、上下部レール21、22と一体化されたダンパー30の歯車部材30bが回転する。そして、これら歯車部材30b、31bの回転によって生じる制動力によって、上下部レール20、21間および22、23間の変移動、すなわち上部レール23に据え付けられた機器類等の変位動が減衰される。この結果、第2の実施形態に示す制震装置によっても、第1の実施形態に示したものと同様の作用効果を得ることができる。
【0033】
なお、上述した第1および第2の実施形態においては、開口部14、16、24、26を中央部が下方となる円弧状に形成することにより、振動が終了した後にローラ3が元位置に復帰するようにしたが、これに限るものではなく、上下部レール10〜13、20〜23間に、別途水平方向にスプリングやシリンダ等の付勢部材を介装することにより、振動終了後に上下部レール10〜13、20〜23が互いに元位置に復帰するように構成することも可能である。
【0034】
また、発明に係る制震装置においては、一組の制震装置内において、第1の実施形態に示した互いの幅寸法が異なるように形成された上下部レール10〜13の組み合わせと、第2の実施形態に示した互いに同形状に形成された上下部レール20〜23の組み合わせとを、混在させて構成してもよい。
さらに、各々の上下部レール1、2、10〜13、20〜23についても、必ずしもコ字状に形成することに限定されるものではなく、それぞれ互いに対向する一対の第1の壁部および第2の壁部を、基盤部の上面および相対変位部の下面に、直接立設または垂設してもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜3のいずれかに記載の制震装置によれば、地震等により振動が発生して構造物と当該構造物に設けられた機器類等との間に相対変位が生じた場合に、構造物の基盤部と、その上に設けられる展示物や機器類等の相対変位部との間において、転がり部材が転動することにより上記相対変位を抑制することができるとともに、併せて減衰手段によって相対変位部の上記変位動を減衰させることができる。
【0036】
この際に、それぞれ基盤部および相対変位部から対向配置された第1および第2の壁部に形成された開口部に、ローラを回転自在に挿通させているので、上記ローラによって相対変位部が基盤部に対して浮き上がることを防止することができ、さらに請求項3に記載の発明によれば、別途元位置復帰用の部材を設けることなく、相対変位部の自重によってローラを転動させて、開口部の最下位置となる中央部に復帰させることができるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る制震装置の前提となる技術を示す斜視図である。
【図2】 図1の横断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態を示す平面図である。
【図4】 図3の側面図である。
【図5】 地震発生時の相対変位を示す側面図である。
【図6】 図4の下部レールおよび連結板の形状を示す図である。
【図7】 図4の上下部レールを示す拡大図である。
【図8】 本発明の第2の実施形態を示す平面図である。
【図9】 図8の側面図である。
【図10】 図9の上下部レールを示す拡大図である。
【符号の説明】
1、10、12、20、22 下部レール
2、11、13、21、23 上部レール
3 ローラ
4 車輪軸
5 連結板(摩擦板)
6 スプリング(付勢手段)
7 ナット
10b、12b、20b、22b 壁部(第1の壁部)
11b、13b、21b、23b 壁部(第2の壁部)
14、15、16、17、24、25、26、27 開口部
28、29 ラック
30、31 ダンパー
30a、31a 本体部
30b、31b 歯車部材

Claims (3)

  1. 構造物の基盤部と、この基盤部上の相対変位部との間に転がり部材が介装されてなる転がり支承による制震装置であって、上記転がり部材に、当該転がり部材の端面に回転を拘束されて当接する摩擦板と、この摩擦板と上記転がり部材の端面から延出する回転軸の端部との間に介装されて上記摩擦板を上記端面側に付勢する付勢部材とを備えてなる減衰手段を設けてなり、上記転がり部材が円柱状のローラであるとともに、上記基盤部側の上記ローラの両端部に臨む位置には、一対の第1の壁部が立設され、かつ上記相対変位部側には、上記第1の壁部と対向する一対の第2の壁部が垂設されるとともに、これら第1および第2の壁部に水平方向に延在する開口部が穿設され、当該開口部間に上記ローラが挿通されていることを特徴とする制震装置。
  2. 構造物の基盤部と、この基盤部上の相対変位部との間に転がり部材が介装されてなる転がり支承による制震装置であって、上記基盤部と相対変位部との間に、これらのいずれか一方に水平方向に敷設されたラックと、他方に本体部が固定され、この本体部に回転自在に設けられるとともに内部に封入された粘性流体によって回転方向に制動力を生じる歯車部材が上記ラックに歯合されたダンパーとを備えてなる減衰手段を設けてなり、上記転がり部材が円柱状のローラであるとともに、上記基盤部側の上記ローラの両端部に臨む位置には、一対の第1の壁部が立設され、かつ上記相対変位部側には、上記第1の壁部と対向する一対の第2の壁部が垂設されるとともに、これら第1および第2の壁部に水平方向に延在する開口部が穿設され、当該開口部間に上記ローラが挿通されていることを特徴とする制震装置。
  3. 上記基盤部側の上記転がり部材の転動面は、中央部が下方となる円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の制震装置。
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