JP2001159446A - 制震装置 - Google Patents

制震装置

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JP2001159446A
JP2001159446A JP34275199A JP34275199A JP2001159446A JP 2001159446 A JP2001159446 A JP 2001159446A JP 34275199 A JP34275199 A JP 34275199A JP 34275199 A JP34275199 A JP 34275199A JP 2001159446 A JP2001159446 A JP 2001159446A
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徹 中島
Shozo Nishiyama
正三 西山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減衰機能を有し、かつ当該減衰力を容易に調
整することができるとともに、装置全体の小型軽量化を
図ることができる転がり支承による制震装置を提供す
る。 【解決手段】 構造物の基盤部と、この基盤部上の相対
変位部との間に転がり部材3が介装されてなる転がり支
承による制震装置であって、転がり部材3に、その端面
に回転を拘束されて当接する摩擦板5と、この摩擦板5
と転がり部材3の端面から延出する回転軸4の端部との
間に介装されて摩擦板5を端面側に付勢する付勢部材6
とを備えてなる減衰手段を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に軽量機器類等
の据付部に介装して好適な、転がり支承による制震装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば美術館や展示場等として使
用される建物や、各種機器類が設置される建物などにお
いては、地震などによって当該建物に大きな振動が発生
した場合に、展示物や機器類等に大きな揺れが加わって
破損や誤作動を生じることを防ぐために、これらの機器
類等の据付部と床との間にボールやローラを用いた転が
り支承による免震装置や、あるいはすべり支承による免
震装置を介装することによって、地震等時に建物から機
器類等に伝播しようとする振動を抑制する構造が多く採
用されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
転がり支承による免震装置にあっては、減衰機能を有し
ていないために、別途スプリングやシリンダ等の何等か
の減衰機構を設ける必要があり、特に小型の機器類等に
対しては、装置全体が過度に複雑化するとともに、経済
性にも劣るという問題点があった。加えて、上記減衰機
構のバネ定数を大きくすると十分な免震効果が得られな
くなり、逆に小さく設定すると、機器類等の変位量が大
きくなって装置全体の大型化を招くという欠点があり、
当該減衰機構の調節が難しいという問題点もあった。
【0004】これに対して、ステンレス板を用いたすべ
り板と、テフロン製の滑り材とを組み合わせた従来のす
べり支承による免震装置は、地震時に上記機器類等が水
平変位した際に、上記滑り材が滑り板上を摺動すること
により、直接振動が機器類等に作用することを抑制する
ものであり、この摺動時に発生する摩擦力によって、機
器類等における変位動を減衰させることができる。
【0005】しかしながら、上記すべり支承による免震
装置においては、その減衰機能を摩擦力のみに依存して
いるために、想定される地震に対する機器類等の変位量
が大きくなり、よって周囲に大きな空間を必要とすると
ともに、同様に装置全体を小型化することが難しいとい
う問題点があった。また、いずれの免震装置にあって
も、水平方向の振動に対しては、機器類等を保全するこ
とができるものの、上下方向の振動が加わった場合に
は、据付部から上方が浮き上がってしまい、この結果転
倒による破損等を生じる虞があるという付帯的な問題点
もあった。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので、減衰機能を有し、かつ当該減衰力を容易に調整す
ることができるとともに、装置全体の小型軽量化を図る
ことができる転がり支承による制震装置を提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る制震装置は、構造物の基盤部と、この基盤部上の
相対変位部との間に転がり部材が介装されてなる転がり
支承による制震装置であって、上記転がり部材に、当該
転がり部材の端面に回転を拘束されて当接する摩擦板
と、この摩擦板と転がり部材の端面から延出する回転軸
の端部との間に介装されて摩擦板を上記端面側に付勢す
る付勢部材とを備えてなる減衰手段を設けたことを特徴
とするものである。
【0008】また、請求項2に記載の制震装置は、構造
物の基盤部と、この基盤部上の相対変位部との間に転が
り部材が介装されてなる転がり支承による制震装置であ
って、上記基盤部と相対変位部との間に、これらのいず
れか一方に水平方向に敷設されたラックと、他方に本体
部が固定され、この本体部に回転自在に設けられるとと
もに内部に封入された粘性流体によって回転方向に制動
力を生じる歯車部材が上記ラックに歯合されたダンパー
とを備えてなる減衰手段を設けたことを特徴とするもの
である。
【0009】さらに、請求項3に記載の発明は、請求項
1または2に記載の転がり部材が、円柱状のローラであ
り、かつ基盤部側のローラの両端部に臨む位置には、一
対の第1の壁部が立設され、かつ相対変位部側には、第
1の壁部と対向する一対の第2の壁部が垂設されるとと
もに、これら第1および第2の壁部に水平方向に延在す
る開口部が穿設され、当該開口部間に上記ローラが挿通
されていることを特徴とするものであり、請求項4に記
載の発明は、上記基盤部側の上記転がり部材の転動面
は、中央部が下方となる円弧状に形成されていることを
特徴とするものである。
【0010】請求項1〜4のいずれかに記載の発明によ
れば、地震等により構造物に振動が発生した場合に、当
該構造物の床等の基盤部と、その上に据え付けられる展
示物や機器類等の相対変位部との間において、転がり部
材が転動することにより当該振動が相対変位部に伝達す
ることが抑制される。この際に、請求項1に記載の発明
によれば、基盤部に対して転動する転がり部材の端面
に、スプリング等の付勢部材によって付勢されるととも
に、回転が拘束された摩擦板が密着しているために、相
互間の摩擦力によって転がり部材の回転が制動され、相
対変位部の変位動が減衰される。そして、この減衰力
は、例えば付勢部材がスプリングである場合には、これ
を締め込んだり、あるいは緩めたりして、摩擦板に作用
する付勢力を変えることにより、容易に調整することが
可能となる。
【0011】また、請求項2に記載の発明においては、
同様に構造物に振動が作用した際に、相対変位部が転が
り部材を介して基盤部に対して変位すると、当該相対変
位部に設けられたラックの相対変位によってダンパーの
歯車部材が回転し、これによって生じる制動力によって
相対変位部の変位動が減衰される。この際に、歯車部材
からラックに作用する減衰力については、ダンパーの大
きさや粘性流体の種類等を適宜選択することにより、容
易に調整することが可能となる。
【0012】さらに、請求項1〜4のいずれかに記載の
制震装置によれば、上述した構造物側が振動を受けた場
合とは逆に、相対変位部自体が振動を発生する機器類等
である場合に、上記減衰手段によって当該振動が構造物
側に伝達することを抑制することもできる。
【0013】また、請求項3に記載の発明においては、
転がり部材が円柱状のローラである場合に、基盤部のロ
ーラの両端部に臨む位置に一対の第1の壁部を立設し、
相対変位部に第1の壁部と対向する一対の第2の壁部を
垂設して、これら第1および第2の壁部に水平方向に延
在する開口部を穿設し、この開口部間にローラを挿通し
ているので、当該ローラによって相対変位部が基盤部に
対して浮き上がることを防止することが可能となる。
【0014】ところで、上記請求項1〜3のいずれかに
記載の制震装置においては、地震等が発生した場合に、
ローラ等の転がり部材の転動によって相対変位部に上記
振動が作用することを抑制することができるとともに、
減衰手段によって、その変位動を減衰させることができ
るが、地震等が終了した時点において、相対変位部を基
盤部に対して元位置に復帰させることができない。この
ような元位置復帰手段としては、別途基盤部と相対変位
部との間にスプリングを設ける構成も採用可能である
が、例えば請求項4に記載の発明のように、上記基盤部
側の転がり部材の転動面を、中央部が下方となる円弧状
に形成すれば、別途元位置復帰用の部材を設けることな
く、相対変位部の自重によってローラを転動させて、開
口部の最下位置となる中央部に復帰させることが可能と
なるために好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1および図2
は、本発明に係る制震装置の第1の実施形態を示すもの
で、図中符号1が下部レールであり、符号2が上部レー
ルである。これら上下部レール1、2は、それぞれコ字
状に形成された鋼材であり、下部レール1の底板部1a
が建物の床等の基盤部に固定され、他方上部レール2の
天板部2aが基盤部上に据え付けられる機器類(相対変
位部)の下面に固定されている。そして、これら上下部
レール1、2間に、2本のローラ(転がり部材)3が所
定間隔をおいて回転自在に介装されている。
【0016】このローラ3は、上下部レール1、2から
延出した両端部に鍔部3aが形成されるとともに、中心
部に穿設された貫通孔3b内に、車輪軸4が相対的に回
転自在に挿通されている。そして、これら2本のローラ
3に、連結板(摩擦板)5が掛け渡されており、この連
結版5によって2本のローラ3の間隔が一定に保持され
ている。この連結板5は、平板状の部材で、両端部に穿
設された貫通孔に各ローラ3の車輪軸4が挿通されるこ
とにより、車輪軸4の両端部において2本のローラ3を
互いに連結するように設けられている。また、一方の連
結板5と車輪軸4の端部に螺合されたナット7との間
に、スプリング(付勢部材)6が介装されており、これ
により連結板5は、ローラ3の鍔部3aの端面に圧接さ
れている(なお、図2においては、相互の構成を明確化
するための便宜上、各構成部材間に間隙を形成して描い
てある)。そして、上記連結板5とスプリング6とによ
って、ローラ3に対する減衰手段が構成されている。
【0017】以上の構成からなる制震装置によれば、地
震等により建物に振動が発生した場合に、上下部レール
1、2間に介装されたローラ3が転動することにより、
この建物に作用する振動が、上部レール2上に据え付け
られた機器類に伝達することを抑制することができる。
この際に、下部レール1上を転動するローラ3の鍔部3
a端面に、スプリング6によって付勢されるとともに、
回転が阻止された連結板5が密着しているために、これ
ら相互間の摩擦力によってローラ3の回転を制動して、
上部レール2の変位動を減衰させることができる。しか
も、この減衰力は、ナット7を締めこんだり、あるいは
緩めたりして、スプリング6のバネ定数を変化させるこ
とにより、載荷重量に関係無く、容易に調整することが
できる。
【0018】(実施の形態2)図3〜図7は、本発明の
第2の実施形態を示すもので、図1および図2に示した
ものと同一構成部分に付いては、同一符号を付してその
説明を簡略化する。本実施形態においては、建物におけ
る床等の基盤部上に、一の方向に沿って2本の下部レー
ル10が所定間隔をおいて互いに平行に固定され、これ
ら下部レール10上に、第1の実施形態と同様の連結板
5によって連結された2本のローラ3を介して上部レー
ル11が変位自在に設けられている。そしてさらに、こ
れら上部レール11上間に、互いに直交する2本の下部
レール12が互いに平行となるように一体的に固定さ
れ、これら下部レール12上に、同様に2本のローラ3
を介して上部レール13が変位自在に設けられており、
上部レール13上に、機器類等の相対変位部が取付けら
れている。
【0019】これらの上下部レール10〜13は、それ
ぞれ底板部10a、12aまたは天板部11a、13a
に、壁部(第1の壁部)10b、12bまたは壁部(第
2の壁部)11b、13bが一体に形成されたコ字状に
形成されており、下部レール10、12および上部レー
ル11、13のいずれか一方の幅寸法が、他方の幅寸法
よりも大きくなるように設定されている。これにより、
下部レール10、12および上部レール11、13は、
一方の幅広な壁部10b〜13b間に、他方の幅狭な壁
部10b〜13bを対向させた状態で配設されている。
【0020】そして、これら側壁10b〜13bには、
各ローラ3の転動に対応して長手方向に延びる開口部1
4〜17が穿設され、対向する開口部14、15間およ
び16、17間に、それぞれ上記ローラ3が挿通されて
いる。ここで、下部レール10、12の壁部10b、1
2bに形成された開口部14、16は、それぞれ静止時
におけるローラ3の車輪軸4を中央にし、その転動方向
の両方向にけて漸次上方に湾曲する円弧状に形成されて
いる。他方、上部レール11、13に形成された開口部
15、17は、これとは逆にローラ3の車輪軸4を中央
にし、その転動方向の両方向にけて漸次下方に湾曲する
円弧状に形成されている。
【0021】以上の構成からなる制震装置においては、
地震等により建物に振動が発生した場合に、機器類等が
据え付けられた上部レール13がローラ3の転動によっ
て下部レール12に対して相対変位し、かつ下部レール
12およびこれと一体化された上部レール11がローラ
3によって下部レール10に対して直交する方向に相対
変位することにより、この建物に作用する振動が、上部
レール13上に据え付けられた機器類に伝達することを
抑制することができる。しかも、上下部レール10、1
1間および12、13間に介装された各ローラ3の転動
が、スプリング6によって付勢された連結板5とローラ
3の端面との間に生じる摩擦力によって制動されるた
め、上部レール13における変位動を減衰させることが
できる。
【0022】したがって、上記制震装置によっても、互
いのローラ3を連結することにより回転が阻止されると
ともに、スプリング6によって当該ローラ3の端面に圧
接された連結板5により、第1の実施形態と同様の作用
効果が得られることに加えて、上下部レール10〜13
を、互いに直交する2段構造としているために、建物に
作用する水平方向のいかなる方向への振動に対しても、
確実に機器類等に対する制震効果を発揮することができ
る。
【0023】加えて、転がり部材として円柱状のローラ
3を用い、相対変位する上下部レール10〜13に、そ
れぞれローラ3の両端部に臨むとともに、互いに対向す
る壁部10b〜13bを設け、さらにこれら壁部10b
〜13bにローラ3の転動方向に延在する開口部14〜
17を穿設して、当該開口部14、15間および16、
17間に上記ローラ3を挿通しているので、このローラ
3によって上部レール11、13が下部レール10、1
2に対して浮き上がることを防止することができる。
【0024】さらに、下部レール10、12の開口部1
4、16を、車輪軸4の元位置となる中央部が下方とな
る円弧状に形成しているので、図5に示すように、地震
時等に、基盤部側が振動することにより、下部レール1
0、12に沿ってローラ3が転動して上部レール11、
13が水平方向に相対的に変位すると、上記円弧曲線に
よって上部レール11、13は、下部レール10、12
に対し上方にも変位する。この結果、地震が終わった後
には、機器類等の自重によってローラ3が転動し、開口
部14、16の円弧曲線に沿って中央の最下位置に戻る
ため、別途元位置復帰用の部材を設けることなく、機器
類等の相対変位部を元位置に復帰させることができる。
【0025】(実施の形態3)図8〜図10は、本発明
の第3の実施形態を示すものである。本実施形態の制震
装置は、第2の実施形態と同様に、建物における床等の
基盤部上に、一の方向に沿って2本の下部レール20が
所定間隔をおいて互いに平行に固定され、これら下部レ
ール20上に2本のローラ3を介して上部レール21が
変位自在に設けられるとともに、さらにこれら上部レー
ル21上間に、互いに直交する2本の下部レール22が
互いに平行となるように一体的に固定され、これら下部
レール22上に、同様に2本のローラ3を介して上部レ
ール23が変位自在に設けられたもので、上部レール2
3上に、機器類等の相対変位部が取付けられている。
【0026】上記上下部レール20〜23は、それぞれ
底板部20a、22aまたは天板部21a、23aに、
壁部(第1の壁部)20b、22bまたは壁部(第2の
壁部)21b、23bが一体に形成されたコ字状に形成
されており、本実施形態においては、これら上下部レー
ル20〜23が同形状に形成されている。そして、上部
レール21、23は、下部レール20、22の壁部20
b、22bに対して、一方の壁部21b、23bが内側
に位置し、他方の壁部21b、23bが外側に位置する
ように、互いに対向させた状態で配設されている。
【0027】これら側壁20b〜23bには、各ローラ
3の転動に対応して長手方向に延びる開口部24〜27
が穿設され、対向する開口部24、25間および26、
27間に、それぞれ上記ローラ3が挿通されている。ま
た、本実施形態においても、下部レール20、22の壁
部20b、22bに形成された開口部24、26が、静
止時におけるローラ3を中央にし、その転動方向の両方
向にけて漸次上方に湾曲する円弧状に形成されている。
他方、上部レール21、23に形成された開口部25、
27は、逆にローラ3を中央にし、その転動方向の両方
向にけて漸次下方に湾曲する円弧状に形成されている。
【0028】そして、この制震装置においては、ローラ
3同士を連結する連結板およびこれをローラ3の端面に
付勢するスプリングが設けられておらず、これに代え
て、ラック28、29とダンパー30、31とからなる
減衰手段が設けられている。すなわち、下部レール20
の外側に位置する壁部20bの上部にラック28が、ま
た上部レール23の外側に位置する壁部23bの下部に
ラック29が、それぞれ長手方向に向けて一体的に固定
されている。他方、隣接する下部レール22の底板部2
2a間に、取付板32が上部レール21の外側に沿うよ
うに掛け渡されている。また、隣接する上部レール21
の天板部21a間にも、取付板33が下部レール22に
沿うように掛け渡されている。
【0029】そして、取付板32の下面中央と、取付板
33の上面中央とに、各々ダンパー30、31が取付け
られている。このダンパー30、31は、取付板32、
33に固定される本体部30a、31aと、この本体部
30a、31aに回転自在に設けられた歯車部材30
b、31bとから構成されたものであり、歯車部材30
bがラック28に歯合し、歯車部材31bがラック29
に歯合するように設けられている。
【0030】ここで、各ダンパー30、31の本体部3
0a、31a内には、シリコンオイル等の粘性の高い流
体が封入されており、これら粘性流体内に位置する歯車
部材30b、31bの基端部には、回転時に上記粘性流
体によって制動力を発生させるための抵抗部材となるロ
ータが設けられている。
【0031】以上の構成からなる制震装置においては、
地震時等に建物に振動が作用した際に、地震等により建
物に振動が発生すると、機器類等が据え付けられた上部
レール23がローラ3の転動によって下部レール22に
対して相対変位し、かつ下部レール22およりこれと一
体化された上部レール21がローラ3によって下部レー
ル20に対して直交する方向に相対変位することによ
り、この建物に作用する振動が、上部レール23上に据
え付けられた機器類に伝達することを抑制することがで
きる。
【0032】この際に、上部レール23に固定されたラ
ック29の相対変位によって、上部レール21と一体化
されたダンパー31の歯車部材31bが回転し、かつ下
部レール20に固定されたラック28の相対変位によっ
て、上下部レール21、22と一体化されたダンパー3
0の歯車部材30bが回転する。そして、これら歯車部
材30b、31bの回転によって生じる制動力によっ
て、上下部レール20、21間および22、23間の変
移動、すなわち上部レール23に据え付けられた機器類
等の変位動が減衰される。この結果、第3の実施形態に
示す制震装置によっても、第2の実施形態に示したもの
と同様の作用効果を得ることができる。
【0033】なお、上述した第2および第3の実施形態
においては、開口部14、16、24、26を中央部が
下方となる円弧状に形成することにより、振動が終了し
た後にローラ3が元位置に復帰するようにしたが、これ
に限るものではなく、上下部レール10〜13、20〜
23間に、別途水平方向にスプリングやシリンダ等の付
勢部材を介装することにより、振動終了後に上下部レー
ル10〜13、20〜23が互いに元位置に復帰するよ
うに構成することも可能である。
【0034】また、発明に係る制震装置においては、一
組の制震装置内において、第2の実施形態に示した互い
の幅寸法が異なるように形成された上下部レール10〜
13の組み合わせと、第3の実施形態に示した互いに同
形状に形成された上下部レール20〜23の組み合わせ
とを、混在させて構成してもよい。さらに、各々の上下
部レール1、2、10〜13、20〜23についても、
必ずしもコ字状に形成することに限定されるものではな
く、それぞれ互いに対向する一対の第1の壁部および第
2の壁部を、基盤部の上面および相対変位部の下面に、
直接立設または垂設してもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4のい
ずれかに記載の制震装置によれば、地震等により振動が
発生して構造物と当該構造物に設けられた機器類等との
間に相対変位が生じた場合に、構造物の基盤部と、その
上に設けられる展示物や機器類等の相対変位部との間に
おいて、転がり部材が転動することにより上記相対変位
を抑制することができるとともに、併せて減衰手段によ
って相対変位部の上記変位動を減衰させることができ
る。
【0036】この際に、請求項3に記載の発明によれ
ば、それぞれ基盤部および相対変位部から対向配置され
た第1および第2の壁部に形成された開口部に、ローラ
を回転自在に挿通させているので、上記ローラによって
相対変位部が基盤部に対して浮き上がることを防止する
ことができ、さらに請求項4に記載の発明によれば、別
途元位置復帰用の部材を設けることなく、相対変位部の
自重によってローラを転動させて、開口部の最下位置と
なる中央部に復帰させることができるといった効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制震装置の第1の実施形態を示す
斜視図である。
【図2】図1の横断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す平面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】地震発生時の相対変位を示す側面図である。
【図6】図4の下部レールおよび連結板の形状を示す図
である。
【図7】図4の上下部レールを示す拡大図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す平面図である。
【図9】図8の側面図である。
【図10】図9の上下部レールを示す拡大図である。
【符号の説明】
1、10、12、20、22 下部レール 2、11、13、21、23 上部レール 3 ローラ 4 車輪軸 5 連結板(摩擦板) 6 スプリング(付勢手段) 7 ナット 10b、12b、20b、22b 壁部(第1の壁部) 11b、13b、21b、23b 壁部(第2の壁部) 14、15、16、17、24、25、26、27 開
口部 28、29 ラック 30、31 ダンパー 30a、31a 本体部 30b、31b 歯車部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 哲士朗 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 Fターム(参考) 3J048 AA03 AB01 AC01 BC02 BE04 BG02 DA03 EA38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の基盤部と、この基盤部上の相対
    変位部との間に転がり部材が介装されてなる転がり支承
    による制震装置であって、上記転がり部材に、当該転が
    り部材の端面に回転を拘束されて当接する摩擦板と、こ
    の摩擦板と上記転がり部材の端面から延出する回転軸の
    端部との間に介装されて上記摩擦板を上記端面側に付勢
    する付勢部材とを備えてなる減衰手段を設けたことを特
    徴とする制震装置。
  2. 【請求項2】 構造物の基盤部と、この基盤部上の相対
    変位部との間に転がり部材が介装されてなる転がり支承
    による制震装置であって、上記基盤部と相対変位部との
    間に、これらのいずれか一方に水平方向に敷設されたラ
    ックと、他方に本体部が固定され、この本体部に回転自
    在に設けられるとともに内部に封入された粘性流体によ
    って回転方向に制動力を生じる歯車部材が上記ラックに
    歯合されたダンパーとを備えてなる減衰手段を設けたこ
    とを特徴とする制震装置。
  3. 【請求項3】 上記転がり部材は、円柱状のローラであ
    り、かつ基盤部側の上記ローラの両端部に臨む位置に
    は、一対の第1の壁部が立設され、かつ上記相対変位部
    側には、上記第1の壁部と対向する一対の第2の壁部が
    垂設されるとともに、これら第1および第2の壁部に水
    平方向に延在する開口部が穿設され、当該開口部間に上
    記ローラが挿通されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の制震装置。
  4. 【請求項4】 上記基盤部側の上記転がり部材の転動面
    は、中央部が下方となる円弧状に形成されていることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の制震装
    置。
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