JP3737819B2 - 直交変調器のキャリア直交誤差検出方法及び直交変調装置 - Google Patents
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Description
本発明は直交変調器のキャリア直交誤差検出方法及び直交変調装置に係り、特に、直交変調器に入力される一対のキャリア信号の変調器出力における直交誤差を検出する直交変調器のキャリア直交誤差検出方法及びこのキャリア直交誤差検出方法が適用された直交変調装置に関する。
背景技術
図8は、従来の一般的な直交変調器の概略構成を示すブロック図である。
すなわち、この直交変調器では、外部から入力されたキャリア信号cが、直接、新たなキャリア信号cIN1として直交変調器1へ入力されるとともに、90度移相器2で位相が90°移相された後、新たなキャリア信号cIN2として直交変調器1へ入力される。
そして、直交変調器1へ入力された位相が互いに直交する各キャリア信号cIN1、cIN2はそれぞれ乗算器3、4へ入力される。
この各乗算器3、4にはそれぞれI(同相成分)信号、Q(直交成分)信号が入力される。
一方の乗算器3は、キャリア信号cIN1とI信号とを乗算して乗算信号d1として加算器5へ印加する。
他方の乗算器4は、キャリア信号cIN2とQ信号とを乗算して乗算信号d2して加算器5へ印加する。
加算器5は、各乗算器3、4から出力された乗算信号d1、d2とを加算して変調信号(直交変調信号)aとして出力する。
このような直交変調器1において、例えば、90度移相器2の設定不良や誤差、乗算器3、4から加算器5までの伝搬時間の誤差等に起因して、この直交変調器1から出力される変調信号aに含まれる一対のキャリア信号成分c1、c2相互間の位相が正確に直交していない場合が生じたとする。
このような場合には、I信号、Q信号をこの直交変調器1へ印可して得られる変調信号aを別の直交復調器で二つの信号に復調する際に、この復調された二つの信号が完全にI信号成分とQ信号成分とに分離されることなく、一方の信号成分(情報)が復調した他方の信号成分(情報)へ漏れる事態が発生する。
したがって、この直交変調器1を各種の通信システムに組込む場合には、出力される変調信号aに含まれる一対のキャリア信号成分c1、c2相互間の位相の直交度を測定して、直交誤差θを一定の許容限界以下に抑制する必要がある。
この直交変調器1に入力される一対のキャリア信号成分c1、c2の位相の直交誤差θを測定するためには、I信号、Q信号として基準となる複素正弦波信号を印加した状態で、直交変調器1から出力される変調信号aのイメージ(波形)情報をスペクトラムアナライザ等の測定器で分析する。
また、このスペクトラムアナライザ等の測定器で変調信号aのイメージ(波形)情報を監視しながら、別途位相調整器で、キャリア信号成分c1、c2の相互間の位相差を90°に調整する。
しかしながら、上述した手法にはおいては、精密な複素正弦波信号発生器や高価なスペクトラムアナライザ等の測定器が別途必要である。
しかるに、たがって、このような複雑で高価な測定器を直交変調装置に組込んでおくことは事実上、不可能である。
さらに、この複素正弦波信号発生器やスペクトラムアナライザを用いてキャリア信号成分c1、c2の位相を調整する調整作業は複雑であり、熟練した作業者の勘と経験によって実施されているが、調整作業者の個人差が調整結果に大きく影響を及ぼし、調整結果が大きく変動する懸念がある。
また、調整の不慣れな作業者では、事実上、調整作業を実施できないという問題がある。
発明の開示
本発明の目的は、I、Q信号に対して、直流電圧を加算した状態で、キャリア信号の直交誤差を算出することによって、精密な複素正弦波信号発生器や高価なスペクトラムアナライザ等の測定器を必要とせず、操作者の介在なしに自動的に高い精度でキャリア信号の直交誤差が検出され、たとえ調整作業に不慣れな操作者であったとしても、キャリア信号の直交誤差の検出及びキャリア信号の直交度の調整を効率的に実施できる直交変調器のキャリア直交誤差検出方法及びこのキャリア直交誤差検出方法が適用された直交変調装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様によると、
互いの位相が直交する一対のキャリア信号と、I、Q信号とを受けて、前記一対のキャリア信号を前記I、Q信号で直交変調して変調信号として出力する直交変調器の変調器出力における前記一対のキャリア信号の位相の直交誤差を検出する直交変調器のキャリア直交誤差検出方法であって、
前記I、Q信号の信号レベルをそれぞれ零にした状態で、前記直交変調器から出力される変調信号が所定の基準レベルとなるような一対の直流電圧を前記I、Q信号に対してそれぞれ加算し、
前記一対の直流電圧をそれぞれ変化させて前記I、Q信号に対して順次に加算した状態で、前記直交変調器から出力される変調信号の信号レベルが前記所定の基準レベルとなるような複数の一対の直流電圧の組み合わせを検索し、
検索された複数の一対の直流電圧の組み合わせの各値並びに前記直交変調器から出力される変調信号の信号レベル及び前記キャリア信号の直交誤差とを変数とする連立方程式から前記直交誤差を算出する
を具備する直交変調器の直交誤差検出方法が提供される。
上記目的を達成するために、本発明の第2の態様によると、前記複数の一対の直流電圧の組み合わせが2つである第1の態様に従う直交変調器の直交誤差検出方法が提供される。
上記目的を達成するために、本発明の第3の態様によると、前記複数の一対の直流電圧の組み合わせが4つである第1の態様に従う直交変調器の直交誤差検出方法が提供される。
上記目的を達成するために、本発明の第4の態様によると、前記連立方程式の変数には、キャリアリーク調整電圧が含まれている第3の態様に従う直交変調器の直交誤差検出方法が提供される。
上記目的を達成するために、本発明の第5の態様によると、
互いの位相が直交する一対のキャリア信号と、I、Q信号とを受けて、前記一対のキャリア信号を前記I、Q信号で直交変調して変調信号(a)として出力する直交変調器本体(8)と、
前記直交変調器本体から出力された変調信号の信号レベル(M)を検出するレベル検出部(15)と、
前記直交変調器本体へ入力するI、Q信号にそれぞれ加算するための一対の直流電圧を生成する一対の可変電圧源(11、12)と、
前記レベル検出部で検出された変調信号の信号レベル(M)が所定の基準レベル(MS)になったか否かを判定する基準レベル判定部(18)と、
前記一対の可変電圧源によって生成される前記一対の直流電圧を変化させて、前記I、Q信号に加算した状態で、前記変調信号の信号レベルが前記基準レベルとなるような複数の一対の直流電圧の組合せを検索する直流電圧組合せ検索手段(19)と、
前記直流電圧組合せ検索手段によって検索された前記複数の一対の直流電圧の組合せの各値並びに前記直交変調器から出力される変調信号の信号レベル、前記キャリア信号の直交誤差及びキャリアリーク調整電圧を変数とする連立方程式から前記一対のキャリア信号の直交誤差(θ)を算出する直交誤差算出手段(20)と、
前記直交誤差算出手段によって算出された直交誤差を用いて前記一対のキャリア信号の位相を補正する位相補正手段(7,25)と
を備えた直交変調装置が提供される。
上記目的を達成するために、本発明の第6の態様によると、前記直流電圧組合せ検索手段によって検索される前記複数の一対の直流電圧の組み合わせが2つである第5の態様に従う直交変調装置が提供される。
上記目的を達成するために、本発明の第7の態様によると、前記直流電圧組合せ検索手段によって検索される前記複数の一対の直流電圧の組み合わせが4つである第5の態様に従う直交変調装置が提供される。
上記目的を達成するために、本発明の第8の態様によると、前記直交誤差算出手段によって算出される連立方程式の変数には、キャリアリーク調整電圧が含まれている第7の態様に従う直交変調装置が提供される。
上記目的を達成するために、本発明の第9の態様によると、前記位相補正手段は、前記一対のキャリア信号自体の直交度の調整を行う位相調整器(7)を含む第5の態様に従う直交変調装置が提供される。
上記目的を達成するために、本発明の第10の態様によると、前記位相補正手段は、前記一対のキャリア信号の直交度の誤差を前記I信号、Q信号の演算において、等価的に補正するキャリア位相補正器(25)を含む第5の態様に従う直交変調装置が提供される。
上記目的を達成するために、本発明の第11の態様によると、
キャリア信号を受けて第1キャリア信号と第2キャリア信号を出力する位相可変部(21)と、
入力されたI信号で前記第1キャリア信号を変調する第1変調器(3)と、
入力されたQ信号で前記第2キャリア信号を変調する第2変調器(4)と、
前記第1変調器と第2の変調器との出力を合成して直交変調信号として出力する加算器(5)と、
前記加算器の出力レベルを検出するレベル検出部(15)と、
前記I信号と前記Q信号に対応するI直流信号とQ直流信号を発する可変電圧源(11、12)と、
前記レベル検出部の検出信号を受けて前記位相可変部を制御し前記第1キャリア信号と前記第2キャリア信号の位相差を90°にする制御部(13)とを具備し、
前記制御部は、前記可変電圧源から前記レベル検出部の検出信号が所定値となるようなそれぞれ異なる4組のI直流信号とQ直流信号を発生させるとともに、それらI直流信号とQ直流信号とを用いて前記加算器から出力される前記直交変調信号に含まれている前記第1キャリア信号と前記第2キャリア信号との直交誤差を算出し、該直交誤差が零となるように前記位相可変部を制御する直交変調装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る直交変調器のキャリア直交誤差検出方法が適用される直交変調装置の概略構成を示すブロック図であり;
図2は、図1の直交変調装置に組込まれた制御部の詳細構成を示すブロック図であり;
図3は、図1の直交変調装置におけるキャリア直交度調整処理動作を示すフローチャートであり;
図4は、図1の直交変調装置におけるキャリア直交度調整処理動作を説明するために示すフローチャートであり;
図5A,B,Cは、図1の直交変調装置におけるキャリア直交誤差を説明するために示す図であり;
図6A,B,Cは、図1の直交変調装置におけるキャリア直交誤差を算出するための各測定点の決定方法り;
図7は、本発明の第2の実施形態に係る直交変調装置の概略構成を示すブロック図であり;
図8は、従来の一般的な直交変調器を示すブロック図であり;
図9は、本発明の第3の実施形態に係る直交変調装置の概略構成を示すブロック図であり;
図10は、図9の直交変調装置にに組込まれたキャリア位相補正器の詳細構成を示すブロック図であり;
図11A,B,Cは、図9の直交変調装置におけるキャリア直交誤差を打ち消すための原理を説明するために示す図である。
発明を実施するための最良の形態
まず、本発明の直交変調器のキャリア直交誤差検出方法及びこのキャリア直交誤差検出方法が採用された直交変調装置の動作原理を図5A,B,Cを用いて説明する。
図5Aは、正弦波信号の信号レベルと位相との関係を説明するための図である。
なお、この信号レベルは、通常の電圧計を用いて測定可能な絶対値レベルを示す。
この正弦波信号の信号レベルMが一定の基準レベルMSを維持する条件を満たすのみであるならば、この正弦波信号の基準位相に対する位相φはどのような値であってもよい。
したがって、この正弦波信号を図5Aに示すように、基準位相に対する位相φを有し、絶対値(基準レベル)MSを有するベクトルで示すことが可能である。
次に、直交変調器に入力されるI信号、Q信号と直交変調器から出力される変調信号aとの関係を図5Bを用いて説明する。
図8に示した直交変調器1において、加算器5から出力される変調信号aに含まれるキャリア信号成分c1、c2の位相が正確に直交している場合は、出力される変調信号aの信号レベルMは、I信号に加算する直流電圧Iと、Q信号に加算する直流電圧Qとをベクトル合成したものとなる。
この場合、変調信号aの基準位相は、一方のキャリア信号成分c1の基準位相であり、かつI信号の直流電圧Iの大きさを持つ。さらに、変調信号aの基準位相と90°ずれた位相は、他方のキャリア信号成分c2の位相であり、かつQ信号の直流電圧Qの大きさを持つ。
いい替えれば、一対のキャリア信号成分c1、c2の位相が正確に直交する状態においては、変調信号aの信号レベルMは、I信号、Q信号に加算する一対の直流電圧I、Qを横軸及び縦軸とする直交二次元座標上において、ベクトル合成で求まる。
この条件の横軸を基準I相とし、この条件の横軸を基準Q相とする。
この場合、変調信号aの信号レベルMと直流電圧I、Qとの関係は(1)式となる。
I2+Q2=M2 …(1)
ここで、一対のキャリア信号成分c1、c2の相互間の位相が90°からθだけずれたとする。
具体的には、キャリア信号成分c1側が基準位相からθだけずれるが、キャリア信号成分c2側はずれなかったと仮定する。
この場合、図5Cに示すように、キャリア信号成分c1側に対応するI相の軸が元の基準I相の軸からθだけずれる。
なお、Q相の軸は元の基準Q相の軸と同じである。
このように、キャリア信号成分c1、c2の相互間の位相が90°からθだけずれた条件においても、I信号、Q信号に一対の直流電圧I、Qを加えて、直交変調器1から出力される変調信号aの信号レベルAを一定値に維持することが可能である。
しかし、I相の軸とQ相の軸とが直交していないので、直流電圧I、Qを元の直交二次元座表系に変換した値が上述した(1)式を満たせばよい。
したがって、キャリア信号c1、c2の相互間の位相が90°からθだけずれた条件におけるI信号、Q信号に加算する直流電圧I、Qと変調信号aの信号レベルMとの関係は、簡単な幾何学的考察により、(2)式となる。
(Icosθ)2+(Q+Isinθ)2=M2…(2)
この(2)式を用いて、キャリア信号成分c1、c2の直交誤差θを求めるためには、I、Q、Mの3変数が与えられる必要があるが、変調信号aの信号レベルMが等しい条件を満たすI信号、Q信号に加算する直流電圧I、Qの組合せが2組得られれば、(2)式から、直交誤差θが一義的に求まる。
この変調信号aの信号レベルMが等しい条件は、図5Cにおける、基準I相と基準Q相の直交二次元座標上における原点を中心とする半径Mの仮想円6の円周上に変調信号aのベクトルの先端(測定点)が位置する直流電圧I、Qの組合せを求めればよい。
さらに、具体的には、変調信号aの測定された信号レベルMが所定の基準レベルMSを維持するように、I信号、Q信号に加算する直流電圧I、Qを種々に変更して、2つの組合せ(2つの測定点)を求める。
そして、この直流電圧I、Qの2つの組合せを(IA、QA)、(IB、QB)とすると、これらの組合せ(IA、QA)、(IB、QB)を(2)式へ代入して次のような連立方程式を作成する。
(IAcosθ)2+(QA+IAsinθ)2=MS 2
(IBcosθ)2+(QB+IBsinθ)2=MS 2
この場合、直流電圧I、Qの2つの組合せ(IA、QA)、(IB、QB)を用いて、さらに、条件(QB=QA)を代入して、MSを消去すると、キャリア信号成分c1、c2の直交誤差θは、(3)式で求まる。
sinθ=[(IA)2−(IB)2]/2(IB・QB−IA・QA) …(3)
以上で、キャリア信号成分c1、c2の直交誤差θが、変調信号aの信号レベルMが所定の基準レベルMSを維持するように、I信号、Q信号に加算する直流電圧I、Qの2つの組合せ(IA、QA、(IB、QB)から求まる。
しかしながら、図8に示した直交変調器1においては、各乗算器3、4や加算機5の精度不足に起因して、キャリア信号が変調信号aへ漏れるキャリアリーク現象が発生する。
このキャリアリークを打消すために、I信号、Q信号に一定の微少な直流電圧であるキャリアリーク調整電圧IL、QLを常時印加している。
なお、このキャリアリーク調整電圧IL、QLは未知であるとして、以下の検証を行う。
この場合、(2)式の各直流電圧I、Qは、実際にI信号、Q信号に加算する直流電圧をI′、Q′′とすると(4)式となる。
I=I′−IL
Q=Q′−QL …(4)
よって、(2)式は(5)式となる。
[(I′−ILcosθ]2+[(Q′−QL)+(I′−IL)sinθ]2=M2…(5)
この(5)式を用いて、キャリア信号成分c1、c2の直交誤差θを求めるためには、I′、Q′、IL、QL、Mの5つの変数が与えられる必要があるが、変調信号aの信号レベルMが一定の基準レベルMSを維持する条件を満たすI信号、Q信号に実際に加算する直流電圧I′、Q′の組合せが4組得られれば、(5)式から、直交誤差θが一義的に求まる。
変調信号aの信号レベルMが一定の基準レベルMSを維持する条件を満たす各直流電圧I′、Q′の組合せを(Ia、Qa)、(Ib、Qb)、(Ic、Qc)、(Id、Qd)とすると、(6)式で示す連立方程式が得られる。
[(Ia−IL)cosθ]2+[(Qa−QL)+(Ia−IL)sinθ]2=MS 2,
[(Ib−IL)cosθ]2+[(Qb−QL)+(Ib−IL)sinθ]2=MS 2,
[(Ic−IL)cosθ]2+[(Qc−QL)+(Ic−IL)sinθ]2=MS 2,
[(Id−IL)cosθ]2+[(Qd−QL)+
(Id−IL)sinθ]2=MS 2 …(6)
この連立方程式から、変調信号aの基準レベルMS、キャリアリーク調整電圧IL、QLを消去すれば、キャリア信号成分c1、c2の位相の直交誤差θが一義的に求まる。
このようにしてキャリア信号成分c1、c2、の位相の直交誤差θが求まれば、位相調整器において、この直交変調器本体に入力するキャリア信号cIN1、cIN2の位相差を調整することで、キャリア信号成分c1、c2の位相差を正確に90°に調整することができる。
以下、本発明の各実施の形態を図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る直交変調器のキャリア直交誤差検出方法が適用される直交変調装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、図8に示した従来の直交変調器と同一部分には、同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
外部から入力された位相が互いに直交する一対のキャリア信号c′IN1′、c′IN2は、位相調整器7を経由して、新たなキャリア信号cIN1、cIN2として直交変調器本体8内の各乗算器3、4へそれぞれ入力される。
各乗算器3、4には、それぞれI信号、Q信号が入力される。
一方の乗算器3は、キャリア信号cIN1とI信号とを乗算して乗算信号d1として加算器5へ印加する。
他方の乗算器4は、キャリア信号cIN2とQ信号とを乗算して乗算信号d2として加算器5へ印加する。
加算器5は、各乗算器3、4から出力された乗算信号d1、d2を加算して変調信号aとして出力する。
そして、直交変調器本体8に対するI信号、Q信号の信号路には、加算器9、10が介挿されている。
このI信号、Q信号の信号路に介挿されている各加算器9、10は、それぞれ各可変電圧源11、12からの直流電圧I′、Q′をI信号、Q信号に加算する。
この各可変電圧源11、12からI信号、Q信号に加算する直流電圧I′、Q′は、コンピュータからなる制御部13にて制御される。
また、直交変調器本体8から出力された変調信号aは、増幅器を含む高周波回路14を経たのち外部へ送出されるとともに、レベル検出部15へ入力される。
レベル検出部15は、入力された変調信号aの信号レベルMを検出して制御部13へ送出する。
図2は、コンピュータからなる制御部13の概略構成を示すブロック図である。
この制御部13内には、各可変電圧源11、12へI信号、Q信号に加算する直流電圧I′、Q′を指定する電圧加算部16、操作部17、直交変調器本体8から出力される変調信号aの信号レベルMを所定の基準レベルMSと判定する基準レベル判定部18、測定点決定部19、直交誤差算出部20等が組込まれている。
なお、測定点決定部19は、図5C、図6A,B,Cで示す基準I相、基準Q相で形成された直交二次元座標上における原点を中心とし変調信号aの基準レベルMSを半径とする仮想円6の円周上に4つの測定点A(Ia、Qa)、B(Ib、Qb)、C(Ic、Qc)、D(Id、Qd)を検索する。
具体的には、4つの測定点A、B、C、Dを順番に設定していく過程で、各直流電圧I′、Q′を同時に変更するのではなくて、いずれか一方の直流電圧I′(Q′)を固定して、他方の直流電圧Q′(I′)を変化させて、基準レベルMSが得られる測定点を検索する。
したがって、この第1実施形態においては、下記の(7)式の条件を満たした上で4つの測定点A、B、C、Dを設定している。
Qb=Qa、
Ic=Ia、
Qd=Qc …(7)
直交誤差算出部20は、前述した(6)式の連立方程式を、(7)式の条件を用いて整理された(8)式を用いて、最終的なキャリア信号成分c1、c2の直交誤差θを算出する。
sinθ=(Id−Ib)/2(Qa−Qc)…(8)
直交誤差算出部20は、算出したキャリア信号成分c1、c2の直交誤差θを位相調整器7へ送出する。
位相調整器7は、入力した直交誤差θを用いて、外部から入力された一対のキャリア信号c′IN1、c′IN2相互間の位相を調整して、キャリア信号成分c1、c2相互間の位相を正確に直交させる。
制御部13が実施するキャリア直交調整の詳細動作を図3、図4の流れ図を用いて詳細に説明する。
操作者は、位相調節器7の動作を停止して、キャリア信号cIN1、cIN2を直交変調器本体8へ入力させる(ステップP1)。
さらに、操作者は、直交変調器本体8に入力されているI信号、Q信号の信号レベルを「0」に設定する。
具体的には、外部から入力されるI信号、Q信号が遮断され、I信号、Q信号の入力端が終端される(ステップP2)。
次に、制御部13は、可変電圧源11、12から直流電圧I′、Q′を発生させて、加算器9、10によりI信号、Q信号にそれぞれ直流電圧I′、Q′を加算させる(ステップP3)。
そして、制御部13は、基準レベル判定部18により、直交変調器本体8から出力されている変調信号aの信号レベルMが、基準レベルMSと同じであると判定されるように、各可変電圧源11、12を制御する(ステップP4)。
次に、制御部13は、測定点決定部19が起動して、この時のI信号、Q信号に加算されているそれぞれの直流電圧I′、Q′を、図6Aに示す測定点Aの直流電圧Ia、Qaとして、測定点A(Ia、Qa)と定義する。
この直流電圧Ia、QaがI信号、Q信号に加算されている状態においては、変調信号aのベクトル先端は前述した仮想円6の円周上の測定点A(Ia、Qa)に位置している(ステップP5)。
次に、制御部13は、現在時点でI信号、Q信号に加算されている直流電圧Ia、Qaのうち、Q信号に加算されている直流電圧Qaを固定して、I信号に加算されている直流電圧I′を順番に変更しながら(ステップP6)、変調信号aの信号レベルMを観察する。
そして、制御部13は、信号レベルMが再度基準レベルMSに一致すると(ステップP7)、この時点でI信号、Q信号に加算されている直流電圧Ib、Qbを読取り(ステップP8)、測定点B(Ib、Qb)を決定する。
この測定点B(Ib、Qb)も基準レベルMSを半径とする仮想円6の円周上に位置する。
この場合、Q信号に加算されている電圧Qaは固定しているので、当然、Qb=Qaである(ステップP9)。
次に、制御部13は、現在時点でI信号、Q信号に加算されている直流電圧Ib,Qbのうち、I信号に加算されている直流電圧I′を測定点A(Ia、Qa)の直流電圧Iaに戻す。
すなわち、制御部13は、I信号、Q信号に加算されている直流電圧I′、Q′を測定点A(Ia、Qa)に戻す(ステップP10)。
次に、制御部13は、現在時点でI信号、Q信号に加算されている直流電圧Ia、Qaのうち、I信号に加算されている直流電圧Iaを固定して、Q信号に加算されている直流電圧Q′を順番に変更しながら(ステップP11)、変調信号aの信号レベルMを観察する。
そして、制御部13は、信号レベルMが再度基準レベルMSに一致すると(ステップP12)、この時点でI信号、Q信号に加算されている直流電圧Ic、Qcを読取り(ステップP13)、図6Bに示すように、測定点C(Ic、Qc)を決定する。
この測定点C(Ic、Qc)も基準レベルMSを半径とする仮想円6の円周上に位置する。
この場合、I信号に加算されている電圧Iaは固定しているので、当然、Ic=Iaである(ステップP14)。
さらに、制御部13は、現在時点でI、Q信号に加算されている直流電圧Ic,Qcのうち、Q信号に加算されている電圧Qcを固定して、I信号に加算されている直流電圧I′を順番に変更しながら(ステップP15)、変調信号aの信号レベルMを観察する。
そして、制御部13は、信号レベルMが再度基準レベルMSに一致すると(ステップP16)、この時点でI、Q信号に加算されている直流電圧Ic、Qdを読取り(ステップP17)、測定点D(Id、Qd)を決定する。
この測定点D(Id、Qd)も基準レベルMSを半径とする仮想円6の円周上に位置する。
この場合、Q信号に加算されている電圧Qcは固定しているので、当然、Qd=Qcである(ステップP18)。
以上で、仮想円6の円周上に位置する4つの測定点A(Ia、Qa)、B(Ib、Qb)、C(Ic、Qc)、D(Id、Qd)が得られたので、制御部13は、前述した(8)式を用いてキャリア信号成分c1、c2の直交誤差θを算出する(ステップP19)。
sinθ=(Id−Ib)/2(Qa−Qc)…(8)
次に、制御部13は、位相調整器7を起動して(ステップP20)、この位相調整器7へ算出した直交誤差θを送出して、位相調整器7に対して、算出した直交誤差θを用いて、外部から入力された一対のキャリア信号c′IN1、c′IN2相互間の位相を調整して、キャリア信号成分c1、c2互間の位相を正確に直交させる(ステップP21)。
以上のキャリア信号成分c1、c2の位相調整処理が終了すると、制御部13は、I信号、Q信号に加算している各直流電圧I′、Q′電圧を遮断し、かつ直交変調器本体8に入力されているI信号、Q信号の「0」設定を解除する。
このように構成された第1実施形態による直交変調装置においては、直交変調器のキャリア直交誤差検出方法、及び直交変調装置においては、直交変調器本体8から出力される変調信号aの信号レベルMが所定の基準レベルMSを維持するI信号、Q信号にそれぞれ加算する仮想円6の円周上に位置する4つの測定点A(Ia、Qa)、B(Ib、Qb)、C(Ic、Qc)、D(Id、Qd)からキャリア信号成分c1、c2の直交誤差θを算出している。
そして、この第1実施形態による直交変調装置においては、これらの変調信号aの信号レベルMの測定、及び4つの測定点A,B,C,Dの設定を、簡単なレベル測定器と簡単なソフトウエアで実現できるので、このキャリア信号c1、c2の直交誤差θの検出機能、及びキャリア信号成分c1、c2の位相調整機能を安価でかつ簡単に直交変調装置に組込むことができる。
さらに、第1実施形態による直交変調装置においては、従来のキャリア信号の直交度測定手法で用いた精密な複素正弦波信号発生器や高価なスペクトラムアナライザ等の測定器が必要ないので、設備費を大幅に節減することができるとともに、直交誤差θが自動的に測定することができるので、たとえ測定作業に不慣れな操作者であったとしても、キャリア信号の直交誤差の検出及びキャリア信号の直交度の調整を効率的に実施することができる。
さらに、この第1実施形態による直交変調装置においては、たとえ、直交変調器本体8において、各乗算器3、4や加算器5の性能不足に起因して、キャリア信号が変調信号aへ漏れるキャリアリーク現象が発生したとしても、このキャリアリークを打消すために、I信号、Q信号に常時印加されている一定の微少なキャリアリーク調整電圧IL、QLの存在も考慮して、キャリア信号成分c1、c2の直交誤差θを算出しているので、キャリア信号成分c1、c2の直交誤差θの検出精度をさらに向上させることができる。
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係わる直交変調装置の概略構成を示すブロック図である。
図7において、図1に示した第1実施形態の直交変調装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
外部から入力された例えば正弦波からなるキャリア信号cは位相可変部21で、互いに位相が異なる第1、第2のキャリア信号cIN1、cIN2に分離されて、第1、第2の変調器としての各乗算器3、4へそれぞれ入力される。
各乗算器3、4には、それぞれI信号、Q信号が入力される。
一方の乗算器3は、第1のキャリア信号cIN1とI信号とを乗算して乗算信号d1として加算器5へ印加する。
他方の乗算器4は、第2のキャリア信号cIN2とQ信号とを乗算して乗算信号d2として加算器5へ印加する。
加算器5は、各乗算器3、4から出力された乗算信号d1、d2を加算して変調信号aとして出力する。
直交変調器本体8に対するI信号、Q信号の信号路に加算器9、10が介挿されている。
すなわち、この各加算器9、10は、それぞれ各可変電圧源11、12からの直流電圧I′、Q′をI信号、Q信号に加算する。
この各可変電圧源11、12からI信号、Q信号に加算する直流電圧I′、Q′は、コンピュータからなる制御部13にて制御される。
また、加算器5から出力された変調信号aは、増幅器を含む高周波回路14を経たのち外部へ送出されると共にレベル検出部15へ入力される。
レベル検出部15は、入力された変調信号aの信号レベルMを検出して制御部13へ送出する。
制御部13は、図1に示した第1実施形態の直交変調装置における制御部13と同様に、レベル検出部15で検出された直交変調信号aの信号レベルMを受け、この検出された信号レベルMが所定値となるようなそれぞれ異なる4組のI、Q直流信号の可変電圧源11、12から発生させるとともに、この4組のI、Q直流信号の組合せを用いて、加算器5から出力される変調信号aに含まれる一対のキャリア信号成分c1、c2における位相の変調器出力(加算器5)における直交誤差(θ)を算出する。
そして、この図7による第2実施形態の直交変調装置の制御部13は、この算出された直交誤差が零となるように、位相可変部21を制御して、この位相可変部21から各乗算器3、4へ出力されるキャリア信号cIN1、cIN2相互間の位相を調整する。
したがって、この図7による第2実施形態の直交変調装置は、先に説明した図1による第1実施形態の直交変調装置とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態に係わる直交変調装置の概略構成を示すブロック図である。
図9において、図1に示した第1実施形態の直交変調装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
外部から入力された互いに位相が異なる第1、第2のキャリア信号c′IN1、c′IN2は、第1、第2の変調器としての各乗算器3、4の一端へそれぞれ入力される。
各乗算器3、4の他端には、それぞれ後述するようなI信号、Q信号が入力される。
一方の乗算器3は、第1のキャリア信号c′IN1とI信号とを乗算して乗算信号d1として加算器5へ印加する。
他方の乗算器4は、第2のキャリア信号c′IN2とQ信号とを乗算して乗算信号d2として加算器5へ印加する。
加算器5は、各乗算器3、4から出力された乗算信号d1、d2を加算して変調信号aとして出力する。
直交変調器本体8に対するI信号、Q信号の信号路には、加算器9、10が介挿されている。
すなわち、このI信号、Q信号の信号路に介挿されている各加算器9、10は、それぞれ各可変電圧源11、12からの直流電圧I′、Q′をI信号、Q信号に加算する。
この各可変電圧源11、12からI信号、Q信号に加算する直流電圧I′、Q′は、コンピュータからなる制御部13にて制御される。
また、このI信号、Q信号の信号路には、第1、第2のキャリア信号c′IN1、c′IN2間の位相補正をコンピュータからなる制御部13による制御の下にI信号、Q信号により行うためにキャリア位相補正器25が介挿されている。
図10は、キャリア位相補正器25の具体的な回路構成例を示している。
すなわち、このキャリア位相補正器25は、I信号、Q信号の信号路において、Q信号を分岐して該Q信号とは逆の振幅を有する補正信号を出力する補正回路251と、この補正回路251からの補正信号をI信号に加算する加算器252とから構成されている。
ここで、補正回路251は、コンピュータからなる制御部13によって補正信号の振幅が所定レベルとなるように制御される。
これによって、キャリア位相補正器25からキャリア位相補正情報を伴うI信号、Q信号が出力される。
そして、このようなのキャリア位相補正情報を伴うI信号、Q信号が各加算器9、10に対して印加されている。
そして、加算器5から出力された変調信号aは、増幅器を含む高周波回路14を経たのち外部へ送出されるとともに、レベル検出部15へ入力される。
ここで、レベル検出部15は、入力された変調信号aの信号レベルMを検出して制御部13へ送出する。
この制御部13は、図1に示した実施形態の直交変調装置における制御部13と同様に、レベル検出部15で検出された直交変調信号aの信号レベルMを受け、この検出された信号レベルMが所定値となるようなそれぞれ異なる4組のI、Q直流信号を可変電圧器11、12から発生させるとともに、この4つのI、Q直流信号の組合せを用いて、加算器5から出力される変調信号aに含まれる一対のキャリア信号成分c1、c2における位相の変調器出力(加算器5)における直交誤差(θ)を算出する。
そして、この図9における第3実施形態の直交変調装置の制御部13は、この算出された直交誤差が零となるように、キャリア位相補正器25を制御して、このキャリア位相補正器25からキャリア位相補正情報を伴うI信号、Q信号を各加算器9、10に対して印加させている。
これによって、各加算器9、10からのキャリア位相補正情報を伴うI信号、Q信号に基づいて、各乗算器3、4から出力されるキャリア信号cIN1、cIN2相互間の位相が補正される。
ここで、この第3実施形態の直交変調装置におけるキャリア信号c′IN1、c′IN2相互間の位相補正の原理について説明する。
図11Aは、第1、第2のキャリア信号c′IN1、c′IN2間において、キャリア直交度に誤差がない場合を示している。
図11Bは、第1、第2のキャリア信号c′IN1、c′IN2間において、キャリア直交度に誤差がある場合を示している。
この場合、キャリア直交度がずれるということは、Q相に入力した信号がキャリアで変調された際にI相に漏れてくるのと等価である。
そこで、このような場合には、キャリア位相補正器25によって、図11Cに示すように、漏れてくるQ相に入力した信号の振幅と逆の振幅を有する補正信号をI相に入力した信号に予め加算しておくことにより、キャリア信号cIN1、cIN2相互間の位相補正を行うことが可能となる。
すなわち、この図9における第3実施形態の直交変調装置は、キャリア信号の直交度に誤差をI信号、Q信号の演算において、等価的に補正するものである。
したがって、この図9による第3実施形体の直交変調装置は、先に説明したようにキャリア信号自体の直交度の調整を行う図1による第1実施形態の直交変調装置とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
以上説明したように、本発明の直交変調器のキャリア直交誤差検出方法、及びこのキャリア直交誤差検出方法が採用された直交変調装置においては、零にしたI信号、Q信号に対して、直流電圧を加算した状態で、キャリア信号成分の直交誤差を算出している。
したがって、本発明の直交変調器のキャリア直交誤差検出方法、及びこのキャリア直交誤差検出方法が採用された直交変調装置によれば、従来技術のように精密な複素正弦波信号発生器や高価なスペクトラムアナライザ等の測定器を必要とせず、操作者の介在なしに自動的に高い精度でキャリア信号の直交誤差が算出され、たとえ調整作業に不慣れな操作者であったとしても、キャリア信号の直交誤差の検出及びキャリア信号の直交度の調整を効率的に実施することができる。
なお、本発明は上述した実施形態装置に限定されるものでない。
例えば、直交変調器本体8において、上述したキャリアリーク現象が発生しないと仮定すると、直交変調器本体8から出力される変調信号aの信号レベルMが所定の基準レベルMSを維持するI信号、Q信号にそれぞれ加算する仮想円6の円周上に位置する2つの測定点A(IA、QA)、B(IB、QB)を求めて、前述した(3)式を用いてキャリア信号c1、c2の直交誤差θを算出すればよい。
したがって、以上詳述したように、本発明によれば、I、Q信号に対して、直流電圧を加算した状態で、キャリア信号の直交誤差を算出することによって、精密な複素正弦波信号発生器や高価なスペクトラムアナライザ等の測定器を必要とせず、操作者の介在なしに自動的に高い精度でキャリア信号の直交誤差が検出され、たとえ調整作業に不慣れな操作者であったとしても、キャリア信号の直交誤差の検出及びキャリア信号の直交度の調整を効率的に実施できる直交変調器のキャリア直交誤差検出方法及びこのキャリア直交誤差検出方法が適用された直交変調装置を提供することができる。
Claims (11)
- 互いの位相が直交する一対のキャリア信号と、I、Q信号とを受けて、前記一対のキャリア信号を前記I、Q信号で直交変調して変調信号として出力する直交変調器の変調器出力における前記一対のキャリア信号の位相の直交誤差を検出する直交変調器のキャリア直交誤差検出方法であって、
前記I、Q信号の信号レベルをそれぞれ零にした状態で、前記直交変調器から出力される変調信号が所定の基準レベルとなるような一対の直流電圧を前記I、Q信号に対してそれぞれ加算し、
前記一対の直流電圧をそれぞれ変化させて前記I、Q信号に対して順次に加算した状態で、前記直交変調器から出力される変調信号の信号レベルが前記所定の基準レベルとなるような複数の一対の直流電圧の組み合わせを検索し、
検索された複数の一対の直流電圧の組み合わせの各値並びに前記直交変調器から出力される変調信号の信号レベル及び前記キャリア信号の直交誤差とを変数とする連立方程式から前記直交誤差を算出する
を具備する直交変調器の直交誤差検出方法。 - 前記複数の一対の直流電圧の組み合わせが2つである請求の範囲1に従う直交変調器の直交誤差検出方法。
- 前記複数の一対の直流電圧の組み合わせが4つである請求の範囲1に従う直交変調器の直交誤差検出方法。
- 前記連立方程式の変数には、キャリアリーク調整電圧が含まれている請求の範囲3に従う直交変調器の直交誤差検出方法。
- 互いの位相が直交する一対のキャリア信号と、I、Q信号とを受けて、前記一対のキャリア信号を前記I、Q信号で直交変調して変調信号として出力する直交変調器本体と、
前記直交変調器本体から出力された変調信号の信号レベルを検出するレベル検出部と、
前記直交変調器本体へ入力するI、Q信号にそれぞれ加算するための一対の直流電圧を生成する一対の可変電圧源と、
前記レベル検出部で検出された変調信号の信号レベルが所定の基準レベルになったか否かを判定する基準レベル判定部と、
前記一対の可変電圧源によって生成される前記一対の直流電圧を変化させて、前記I、Q信号に加算した状態で、前記変調信号の信号レベルが前記基準レベルとなるような複数の一対の直流電圧の組合せを検索する直流電圧組合せ検索手段と、
前記直流電圧組合せ検索手段によって検索された前記複数の一対の直流電圧の組合せの各値並びに前記直交変調器から出力される変調信号の信号レベル、前記キャリア信号の直交誤差及びキャリアリーク調整電圧を変数とする連立方程式から前記一対のキャリア信号の直交誤差を算出する直交誤差算出手段と、
前記直交誤差算出手段によって算出された直交誤差を用いて前記一対のキャリア信号の位相を補正する位相補正手段と、を備えた直交変調装置。 - 前記直流電圧組合せ検索手段によって検索される前記複数の一対の直流電圧の組み合わせが2つである請求の範囲5に従う直交変調装置。
- 前記直流電圧組合せ検索手段によって検索される前記複数の一対の直流電圧の組み合わせが4つである請求の範囲5に従う直交変調装置。
- 前記直交誤差算出手段によって算出される連立方程式の変数には、キャリアリーク調整電圧が含まれている請求の範囲7に従う直交変調装置。
- 前記位相補正手段は、前記一対のキャリア信号自体の直交度の調整を行う位相調整器を含む請求の範囲5に従う直交変調装置。
- 前記位相補正手段は、前記一対のキャリア信号の直交度の誤差を前記I信号、Q信号の演算において、等価的に補正するキャリア位相補正器を含む請求の範囲5に従う直交変調装置。
- キャリア信号を受けて第1キャリア信号と第2キャリア信号を出力する位相可変部と、
入力されたI信号で前記第1キャリア信号を変調する第1変調器と、
入力されたQ信号で前記第2キャリア信号を変調する第2変調器と、
前記第1変調器と第2の変調器との出力を合成して直交変調信号として出力する加算器と、
前記加算器の出力レベルを検出するレベル検出部と、
前記I信号と前記Q信号に対応するI直流信号とQ直流信号を発する可変電圧源と、
前記レベル検出部の検出信号を受けて前記位相可変部を制御し前記第1キャリア信号と前記第2キャリア信号の位相差を90°にする制御部とを具備し、
前記制御部は、前記可変電圧源から前記レベル検出部の検出信号が所定値となるようなそれぞれ異なる4組のI直流信号とQ直流信号を発生させるとともに、それらI直流信号とQ直流信号とを用いて前記加算器から出力される前記直交変調信号に含まれている前記第1キャリア信号と前記第2キャリア信号との直交誤差を算出し、該直交誤差が零となるように前記位相可変部を制御する直交変調装置。
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