JP3737572B2 - カットシートの傾き修正装置、および該カットシートの傾き修正装置を用いた積層シートの製造方法 - Google Patents

カットシートの傾き修正装置、および該カットシートの傾き修正装置を用いた積層シートの製造方法 Download PDF

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【0001】
本発明は、カットシートの傾き修正装置および該カットシートの傾き修正装置を用いた積層シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一方向に配列された補強繊維を含有するシートを補強繊維の方向を変えて重ね合わせた積層シートが知られている。
【0003】
このような積層シートとしては例えば、一方向に配列された補強繊維を含有する長尺シートを定尺に裁断したカットシートをそれぞれ繊維方向を平行に揃えて順次ベルトコンベアに送出して、このベルトコンベア上でシート端面を互いに突き合わせたカットシート群と、このカットシート群と並列に繰り出され、カットシートの補強繊維方向と交差する方向に補強繊維を含有する長尺シートと、を互いにラミネート部で加熱、溶着して製造されるものが開発されている。この製造の際、カットシートの端面の突き合わせは、カットシートを搬送するベルトコンベアの速度をラミネート速度よりも速くし、先行のカットシートと長尺シートとのラミネートを行っている間に後続のカットシートを先行のカットシートに追い付かせることで可能にしている。
【0004】
この積層シートでは、品質向上の為、カットシートの端面どうしの繋ぎ目を目立たなくする必要がある。そのため、カットシートの端面の搬送方向に対する傾きを一定に修正してから、カットシート同士を突き合わせている。
【0005】
図5に現状の、カットシートの傾き修正装置の概略構成図を示す。この図に示す傾き修正装置は、ベルトコンベア1で搬送されるカットシート2の幅方向にそれぞれ配置されてシート端部X、Yを検知するための1対のセンサA、Bと、カットシート2の幅方向にそれぞれ配置されてカットシート2を押さえて固定する1対の押さえ装置C、Dとを備える。この装置では、カットシートの端面がシート搬送方向に対して傾いた状態で図中右から左の方向に搬送されると、先行しているカットシート端部XがセンサーAで検知される。このとき、押さえ装置Cがこのカットシート2を押さえ、この押さえによって押さえた部分が固定される。そのため、後行しているカットシート端部Yの側のみが進む。その後、後行のカットシート端部YがセンサーBで検知されると、押さえ装置Cはこのカットシートを離し、カットシートの傾きの修正は完了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら現状の傾き修正装置を用いる場合では、積層シートの生産速度を小さくしかできず、積層シートの生産速度15m/minの要望に対応しきれていない。その理由は次のとおりである。
【0007】
すなわち、現状の傾き修正装置ではカットシートの押えの部分が固定されるために、要望どおり積層シートの生産速度(ベルトコンベアの速度)を15m/minにした場合、傾き修正時(シート片側部分を固定した時)のカットシートの固定側の移動速度と、積層シートの生産速度(ベルトコンベアの速度)との速度差が最大で15m/minとなる。そのため、この速度差でカットシートの傾きの修正精度を1mm以内に制御するのに要する時間は、
【0008】
【数1】
{60[s/min]/〔15[m/min]×1000[mm/m]〕}×1000[ms/s]=4[ms/mm]
となり、押えの部分の反応速度(反応速度とは押えの部分がカットシートを押えてから離すまでの時間をいう。)は4ms(ミクロセコンド)以内を要求される。しかしながら、この4msは、現存するシーケンスで制御可能なレベル(20〜30ms)には及ばない。したがって、現状のままでは積層シートの生産速度を小さく抑えるより他はない。
【0009】
そこで本発明の目的は、上述の従来技術の問題点に鑑み、カットシートの傾きの修正の精度を向上せしめる装置を開発しこの装置を用いることによって積層シートを製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、積層シートの生産速度(ベルトコンベアの速度)と、ベルトコンベア上での傾き修正時のカットシートの固定側の速度との速度差を小さくすることにより、押さえ部分の反応速度を遅くすることができる結果、実在するシーケンスの制御可能時間で、積層シートの生産速度を向上させることを見い出した。
【0011】
すなわち本発明によるカットシートの傾き修正装置は、カットシートを搬送するベルトコンベアと、前記カットシートの両側部に1対ずつ配置された2対の押さえ装置と、前記押さえ装置をそれぞれ制御するための制御システムとを備え、前記各1対の押さえ装置はそれぞれ、前記カットシートの移動速度を第1の速度に設定する手段と第2の速度に設定する手段との対から成り、前記制御システムは前記カットシートの前端の傾き量に基づいて、一方の1対の押さえ装置のうち前記カットシートの移動速度を第1の速度に設定する手段を動作させ、かつ、他方の1対の押さえ装置のうち前記カットシートの移動速度を第2の速度に設定する手段を動作させることを特徴とする。
【0012】
この場合、前記第1の速度と前記第2の速度の速度差は3m/min以内であることが好ましい。
【0013】
具体的には、前記カットシートの傾き修正装置は、前記各1対の押さえ装置の前記第1の速度に設定する手段と前記第2の速度に設定する手段はそれぞれ、つっ突きローラと、該つっ突きローラを回転自在に保持するアームと、該アームを駆動させる電磁弁と、前記ベルトコンベアを介して前記つっ突きローラと対向する位置に配置された駆動ローラとから構成され、該駆動ローラの各々は前記第1の速度で回転駆動する第1駆動ローラと前記第2の速度で回転駆動する第2駆動ローラとから成るものである。
【0014】
そして前記制御システムは、前記カットシートの先行している片側の前端部から基準線までの距離を検出する第1の検出器と、前記カットシートの後行している片側の前端部から前記基準線までの距離を検出する第2の検出器と、前記第1及び第2の検知器の中間に配置され前記カットシートの前端を検出する第3の検出器と、前記第1及び第2の検知器の検出結果に基づいて前記カットシートの前端の傾き量を算出する第1の演算手段と、前記第1駆動ローラと前記第2駆動ローラとの回転速度差を算出する第2の演算手段と、前記第1及び第2の演算手段の演算結果により前記つっ突きローラによる押さえ時間を算出する第3の演算手段と、前記第1乃至第3の演算結果に基づいて、前記一方の1対の押さえ装置の前記第1駆動ローラに対応するつっ突きローラを駆動するための電磁弁と、前記他方の1対の押さえ装置の前記第2駆動ローラに対応するつっ突きローラを駆動するための電磁弁とを同時に作動させる制御手段と、からなる。
【0016】
加えて本発明は、上記のカットシートの傾き修正装置を用いた積層シートの製造方法であって、一方向に配列された補強繊維を含有する長尺シートを定尺に裁断したカットシートをそれぞれ繊維方向を平行に揃えて順次ベルトコンベアに送出し、該ベルトコンベア上で、前記傾き修正装置によりシート端面の傾きを一定に修正してからシート端面を互いに突き合わせてカットシート群を構成し、その後、ラミネート機により前記カットシート群と、前記カットシート群と並列に繰り出され前記カットシートの補強繊維方向と交差する方向に補強繊維を含有する長尺シートとを互いに加熱、溶着する積層シートの製造方法も含む。
【0017】
上記のとおりに構成された発明では、カットシートが傾いている状態でベルトコンベア上を移動すると、制御システムはまずカットシートの前端の傾き量を検出し、この傾き量に基づいて、一方の1対の押さえ装置のうち前記カットシートの移動速度を第1の速度に設定する手段を動作させ、かつ、他方の1対の押さえ装置のうち前記カットシートの移動速度を第2の速度に設定する手段を動作させる。これにより、カットシートの両側において速度差が生じて、カットシート両側部のうち遅い速度に設定されている側の進行はベルトコンベアによらず抑制されるので、カットシートの傾きを修正することが可能になる。この際、前記第1の速度と前記第2の速度の速度差を例えば3m/min以内に小さくする事により、押さえ部分の反応速度を遅くすることができ、その結果、実在するシーケンスの制御可能時間(20〜30ms)で、精度良くシート端面の傾きを修正する事ができる。
【0018】
尚、ここでいう「カットシート」とは、補強繊維を含有する長尺のシートを切断して製造されたもので、合成樹脂とこれの機械的強度を上げるために含有されている、有機または無機の補強繊維からなるものをいう。一般には、このカットシートの補強繊維の方向と長尺のシートの補強繊維の方向が交差するように2つのシートを重ね合わせ、加熱圧着下に接合して、積層シートが製造されている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明によるカットシートの傾き修正装置の一実施形態を説明するための側面図であり、図2は図1に示した装置の上面図である。
【0021】
本形態によるカットシートの傾き修正装置は、図1及び図2に示すようにベルトコンベア1で搬送されるカットシート2の両側部に1対ずつ配置され該両側部を押さえる2対の押さえ装置と、エリアセンサ3A及び3Bによるカットシート2の前端の傾き量に基づいて2対の押さえ装置をそれぞれ動作させるための後述する制御システム(図3参照)とから構成されている。
【0022】
前記各1対の押さえ装置はそれぞれ、カットシート2の移動速度を第1の速度に設定する手段と第2の速度に設定する手段との対から成り、後に詳述する制御システムを実行し得るものであればその形態は限定されないが、その2つの速度設定手段はそれぞれ、つっ突きローラ、つっ突きローラを回転自在に保持するアーム、アームを駆動させる電磁弁、ベルトコンベアを介してつっ突きローラと対向する位置に配置された駆動ローラとから構成されている。すなわち図1に示すように、カットシート2の上面の片側を押さえるために一対の押さえ装置のつっ突きローラ6a及び6bと、カットシート2の上面のもう片側を押さえるために一対の押さえ装置のつっ突きローラ7a及び7bとが配設されている。そして、つっ突きローラ6a,6b,7a,7bにこの順でアーム8a,8b,9a,9b、電磁弁10a,10b,11a,11bが配設され、さらに駆動ローラ4a,4b,5a,5bが対応している。
【0023】
また、押さえ装置の各駆動ローラ4a,4b,5a,5bの回転速度はそれぞれ所定の一定速度に設定されている。具体的には、駆動ローラ4a、5aの回転速度は積層シートの生産速度、換言すればカットシート2の搬送速度(ベルトコンベアの速度)と同速としているのに対して、他の駆動ローラ4b、5bの回転速度は積層シートの生産速度より遅くしている。
【0024】
上記のような形態の装置では、カットシート2が傾いている状態でベルトコンベア上を移動すると、先行しているカットシートの端部Xと後行している他の端部Yとのずれ量Zがエリアセンサ3A及び3Bで計測される。この場合のずれ量はカットシートの角部におけるずれ量でなくてもよく、図2に示すような各エリアセンサに対応するカットシートの部分のずれ量であってよい。
【0025】
次に、このカットシートの傾きを修正する。図1及び図2に示す例の場合では、積層シートの生産速度よりも遅い回転速度の駆動ローラ4bを含む押さえ装置と、積層シートの生産速度と同じ回転速度の駆動ローラ5aを含む押さえ装置とがそれぞれ同時に動作される。これにより、カットシート2の、傾いて端部が後行している側はつっ突きローラ7aで押さえられて駆動ローラ5aに接触する。一方、カットシート2の、傾いて端部が先行している側がつっ突きローラ6bで押さえられて駆動ローラ4bに接触する。したがって、カットシートの両側において速度差が生じて、駆動ローラ4bと接触している間、カットシート2の、端部が先行している側の進行はベルトコンベア1によらず抑制されるので、カットシート2の傾きを修正することが可能になる。
【0026】
仮に、積層シートの生産速度(ベルトコンベアの速度)を15m/minとし、カットシート2の両側にそれぞれ位置する駆動ローラ4a,5aの回転速度を共に15m/min、駆動ローラ4b,5bの回転速度を共に14.5m/minとし、傾き量(ずれ量)を2mmとする。その生産速度(ベルトコンベアの速度)、換言すれば駆動ローラ4a,5aの回転速度と、駆動ローラ4b,5bの回転速度との速度差は、15−14.5=0.5[m/min]となる。この場合、その速度差でシートを1mm移動させるのに要する時間は、
【0027】
【数2】
{60[s/min]/〔0.5[m/min]×1000[mm/m]〕}×1000[ms/s]=120[ms/mm]
となる。傾き量2mmの移動であれば、120ms/mm×2mm=240msの時間を要する。そのため、押さえ装置を動作させて押さえている時間は240msと長くでき、現存するシーケンスによる制御が十分可能になる。なお、現存するシーケンスの制御可能時間は20〜30msであるので、速度差は3m/min以内であれば十分制御できる。
【0028】
上記の形態において傾きの修正の精度を上げるためには、カットシートの両側にそれぞれ配置されているエリアセンサ3A,3B、並びに押さえ装置の駆動ローラ4a,4b,5a,5bは、カットシート2の搬送方向に対して垂直かつ同一の直線上にあるのが好ましい。そのためにはエリアセンサ、押さえ装置の駆動ローラの位置は固定して考えるのではなく、その装置に適した場所に設置するのがよい。また、駆動ローラの形状もロール状だけでなく、球状(ボールペンのペン先のような形状)などが考えられる。一般的に押さえの部分とカットシートとの接触面積は小さいほうが精度がよいとされている。例えば、自転車のタイヤの如き形状のものがよい。
【0029】
また、傾きの修正の精度を上げるために、1対の駆動ローラ4a、4b(若しくは5a、5b)はそれぞれ1対のつっ突きローラ6a、6b(若しくは7a、7b)に接触しても速度変化が起きにくい構造のものとする。例えば回転トルクの大きい、大容量駆動モータなどである。
【0030】
加えて、1対の駆動ローラ4a、4b(若しくは5a、5b)間の距離はできるだけ狭くする。すなわち、エリアセンサ3A(又は3B)の中心線にできるだけ近い位置に駆動ローラ4a、4b(若しくは5a、5b)、およびつっ突きローラ6a、6b(若しくは7a、7b)を設けるのがよい。2つのエリアセンサー3A、3B間の距離はできるだけカットシートの幅(カットシートの搬送方向と90度で交わる方向)に近付けるのがよい。つっ突きローラ6a、6b(若しくは7a、7b)は押さえ時の応答速度を良くする上で小型、軽量のものが好ましい。
【0031】
また、積層シートの生産速度すなわちベルトコンベア1の速度V1と、回転数をそれぞれ変えてある1対の駆動ローラ4a、4b(若しくは5a、5b)の回転速度V2、V3の間には、理想的な関係としてV1=V2>V3 又は V1=V2<V3が成り立つことが好ましい。この場合、必ずしもV1=V2である必要はない。しかし、V1とV2の間に大きな差がある場合、つっ突きローラ6a、6b(若しくは7a、7b)がそれぞれ駆動ローラ4a、4b(若しくは5a、5b)から離れるときの時間差によってカットシート2が傾くことがあるので、上記の不等号の関係がより好ましい。
【0032】
次に、図1乃至図4を参照し、本形態の傾き修正装置に備わる制御システムについて説明する。図3は本形態の傾き修正装置に備わる制御システムを示すブロック図、図4は図3に示した制御システムによる傾き修正を説明するためのフローチャートである。
【0033】
本形態に適用される制御システムは図3に示すように、エリアセンサ3A,3Bおよびエッジセンサ12の検出結果に基づいて演算処理するCPU(演算手段)13と、CPU(演算手段)13の演算結果に基づいて電磁弁10a,10b,11a,11b、駆動ローラ4a,5aを同時に駆動する第1のモータドライバ15および駆動ローラ4b,5bを同時に駆動する第2のモータドライバ16を制御する制御コントローラ(制御手段)14と、を備えている。尚、この形態例では、駆動ローラ4a、5aは積層シートの生産速度、換言すればベルトコンベア1と同速で回転駆動され、駆動ローラ4b、5bは積層シートの生産速度より低速で回転駆動される。
【0034】
エッジセンサ12は、搬送されてきたカットシート2の前端部を検出してエリアセンサ3A,3Bによるシートの傾き量の計測を開始させるものであり、図2に示すように、カットシート2の前端の両側を検出可能なエリアセンサ3A及び3Bの中間に配置されている。エリアセンサ3A,3Bはそれぞれ計測端を基準線Lに揃えて配置されている。そしてエッジセンサ12の検出時に、エリアセンサ3Aは基準線Lからカットシート2の前端部Xまでの距離Pを検出し、エリアセンサ3Bは基準線Lからカットシート2の前端部Yまでの距離Qを検出する。この場合、エリアセンサとして例えばリニアセンサを使用して、カットシート2で覆われないセンサ面の光量により基準線Lから前端部までの距離を検出している。
【0035】
またCPU13は、エリアセンサ3A及び3Bの検出結果に基づいてカットシート2の両側の前端部X、Y間のずれ量を算出する第1の演算手段と、第1のモータドライバ15で駆動される駆動ローラ4a,5aの回転速度と第2のモータドライバ16で駆動される駆動ローラ4b,5bの回転速度との速度差を算出する第2の演算手段と、前記第1及び第2の演算手段の結果によりつっ突きローラ6a,6b,7a,7bによる押さえ時間を算出する第3の演算手段と、を有する。
【0036】
ここで上記の制御システムによる傾き修正操作を説明すると、図4に示すように、まず装置の起動により駆動ローラ4a,5aと、これらより低速回転の駆動ローラ4b,5bとが駆動される(ステップS1)。また、エリアセンサ3A、3Bの中間に位置しているエッジセンサ12でカットシート2の前端部が到達したことが検出されると、エリアセンサ3A、3Bは各々の光量から、基準線lと前端部X、Yとの距離P[mm]、Q[mm]を検出する(ステップS2、S3)。
【0037】
次いで、第1の演算手段によって前端部X、Yのずれ量(傾き量)Z[mm]がP−Qの計算により算出される(ステップS4)。この値は正(+)又は負(−)で出力される。図2の例ではずれ量Zは負(−)で出力される。
【0038】
さらに、第2の演算手段によって駆動ローラ4a,5aの回転速度v1と駆動ローラ4b,5bの回転速度v2との速度差v3(=v1−v2)[mm/min]が算出される(ステップS5)。
【0039】
以上の算出結果から第3の演算手段によってつっ突きローラ6a,6b,7a,7bによる押さえ時間Tが算出される。この押さえ時間はT(s)=〔60(s/min)×Z(mm)〕/v3(mm/min)で求まる。
【0040】
その後、つっ突きローラ6a,6b,7a,7bによる押さえが実行される。この際、ずれ量Zが正(+)の場合(P>Q)は電磁弁10aと11bを同時に作動させてつっ突きローラ6aと7bで、逆にずれ量Zが負(−)の場合(P<Q)は電磁弁10bと11aを同時に作動させてつっ突きローラ6bと7aで、押さえ時間T(s)だけカットシート2を押さえる(ステップS7〜S10)。これにより、シートのずれ量Zが修正される。
【0041】
上記のステップS2〜S10までの操作はエリアセンサ3A、3Bで検出されるカットシート2が無くなるまで繰り返され、一定時間経過してもカットシート2が検出されなければ操作全体が終了する(ステップS11)。その後ステップS1は強制的に終了してもよい。なお、操作全体の終了は強制的に終了命令によって行なってもよい。
【0042】
次に、上述の傾き修正装置を用いた積層シートの製造方法の一例を説明する。
【0043】
一方向に配列された補強繊維を含有する長尺シートを定尺に裁断したカットシートをそれぞれ繊維方向を平行に揃えて順次ベルトコンベアに送出する。このベルトコンベア上で、上述の傾き修正装置によりシート端面の傾きを一定に修正してからシート端面を互いに突き合わせてカットシート群を構成する。その後、ラミネート機によりカットシート群と、このカットシート群と並列に繰り出され前記カットシートの補強繊維方向と交差する方向に補強繊維を含有する長尺シートとを互いに加熱、溶着して、積層シートを製造する。
【0044】
このように、積層シートの製造に上述の傾き修正装置を適用した場合は、積層シートの生産速度(例えば15m/min)を低下させることなく製造できる。しかも、シート端面の傾きを一定に修正するので、シート同士の突き合わせを効果的に行なうことができ、シート同士のつなぎ目が目立たなくなり、積層シートの品質も向上する。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、カットシートを搬送するベルトコンベアと、カットシートの両側部に1対ずつ配置された2対の押さえ装置と、押さえ装置をそれぞれ制御するための制御システムとを備え、各1対の押さえ装置はそれぞれ、前記カットシートの移動速度を第1の速度に設定する手段と第2の速度に設定する手段との対から成り、前記制御システムは前記カットシートの前端の傾き量に基づいて、一方の1対の押さえ装置のうち前記カットシートの移動速度を第1の速度に設定する手段を動作させ、かつ、他方の1対の押さえ装置のうち前記カットシートの移動速度を第2の速度に設定する手段を動作させる構成のカットシートの傾き修正装置とした事により、完全にカットシートの片側を固定して傾きを修正する従来例と比べてカットシートの両側の速度差を小さくすることができ、押さえ部分の反応速度を遅くすることができる結果、実在するシーケンスの制御可能時間で、精度良くシート端面の傾きを修正できる。
【0046】
また、積層シートの製造に本発明の傾き修正装置を適用した場合は、積層シートの生産速度(例えば15m/min)を低下させることなく製造できる。しかも、シート端面の傾きを一定に修正するので、シート同士の突き合わせを効果的に行なうことができ、シート同士のつなぎ目が目立たなくなり、積層シートの品質も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカットシートの傾き修正装置の一実施形態を説明するための側面図である。
【図2】図1に示した装置の上面図である。
【図3】本発明によるカットシートの傾き修正装置の一実施形態に備わる制御システムを示すブロック図である。
【図4】図3に示した制御システムによる傾き修正を説明するためのフローチャートである。
【図5】現状の、カットシートの傾き修正装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 ベルトコンベア
2 カットシート
3A、3B エリアセンサ(検出器)
4a、5a、4b、5b 駆動ローラ
6a、7a、6b、7b つっ突きローラ
8a、9a、8b、9b アーム
10a、11a、10b、11b 電磁弁
12 エッジセンサ
13 CPU(演算手段)
14 制御コントローラ(制御手段)
15 第1のモータドライバ
16 第2のモータドライバ
X、Y 端部
P、Q、Z 距離
L 基準線

Claims (5)

  1. カットシートを搬送するベルトコンベアと、前記カットシートの両側部に1対ずつ配置された2対の押さえ装置と、前記押さえ装置をそれぞれ制御するための制御システムとを備え、前記各1対の押さえ装置はそれぞれ、前記カットシートの移動速度を第1の速度に設定する手段と第2の速度に設定する手段との対から成り、前記制御システムは前記カットシートの前端の傾き量に基づいて、一方の1対の押さえ装置のうち前記カットシートの移動速度を第1の速度に設定する手段を動作させ、かつ、他方の1対の押さえ装置のうち前記カットシートの移動速度を第2の速度に設定する手段を動作させることを特徴とする、カットシートの傾き修正装置。
  2. 前記第1の速度と前記第2の速度の速度差は3m/min以内である、請求項1に記載のカットシートの傾き修正装置。
  3. 前記各1対の押さえ装置の前記第1の速度に設定する手段と前記第2の速度に設定する手段はそれぞれ、つっ突きローラと、該つっ突きローラを回転自在に保持するアームと、該アームを駆動させる電磁弁と、前記ベルトコンベアを介して前記つっ突きローラと対向する位置に配置された駆動ローラとから構成され、該駆動ローラの各々は前記第1の速度で回転駆動する第1駆動ローラと前記第2の速度で回転駆動する第2駆動ローラとから成る、請求項1又は2に記載のカットシートの傾き修正装置。
  4. 前記制御システムは、前記カットシートの先行している片側の前端部から基準線までの距離を検出する第1の検出器と、前記カットシートの後行している片側の前端部から前記基準線までの距離を検出する第2の検出器と、前記第1及び第2の検知器の中間に配置され前記カットシートの前端を検出する第3の検出器と、前記第1及び第2の検知器の検出結果に基づいて前記カットシートの前端の傾き量を算出する第1の演算手段と、前記第1駆動ローラと前記第2駆動ローラとの回転速度差を算出する第2の演算手段と、前記第1及び第2の演算手段の演算結果により前記つっ突きローラによる押さえ時間を算出する第3の演算手段と、前記第1乃至第3の演算手段の演算結果に基づいて、前記一方の1対の押さえ装置の前記第1駆動ローラに対応するつっ突きローラを駆動するための電磁弁と、前記他方の1対の押さえ装置の前記第2駆動ローラに対応するつっ突きローラを駆動するための電磁弁とを同時に作動させる制御手段と、からなる請求項3に記載のカットシートの傾き修正装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の傾き修正装置を用いた積層シートの製造方法であって、一方向に配列された補強繊維を含有する長尺シートを定尺に裁断したカットシートをそれぞれ繊維方向を平行に揃えて順次ベルトコンベアに送出し、該ベルトコンベア上で、前記傾き修正装置によりシート端面の傾きを一定に修正してからシート端面を互いに突き合わせてカットシート群を構成し、その後、ラミネート機により前記カットシート群と、前記カットシート群と並列に繰り出され前記カットシートの補強繊維方向と交差する方向に補強繊維を含有する長尺シートとを互いに加熱、溶着する、積層シートの製造方法。
JP20602596A 1996-08-05 1996-08-05 カットシートの傾き修正装置、および該カットシートの傾き修正装置を用いた積層シートの製造方法 Expired - Fee Related JP3737572B2 (ja)

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