JP3734608B2 - 半導体ベアチップ実装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体ベアチップ実装方法に関する。
携帯型情報機器の小型化に伴い、半導体装置の基板への実装については高密度化が求められている。そこで、パケージングされていない状態の裸のチップである半導体ベアチップをそのまま実装する技術であって、且つ、この半導体ベアチップをこの周囲に余分の面積を必要とせず実装エリアが狭くて足りるフリップチップ方式で実装する技術が開発されつつある。
【0002】
図8は、この技術を示す。半導体ベアチップ10は、ウェハから切り出された半導体ベアチップ本体12の下面の各電極13上にAu製のスタッドバンプ14が形成されている構成である。プリント基板20上の半導体ベアチップ実装予定部21には電極22が形成してある。プリント基板20上の半導体ベアチップ実装予定部に熱硬化性接着剤を塗布した状態で、半導体ベアチップ10を半導体ベアチップ実装予定部とアライメントさせてプリント基板20上に搭載し加圧し加熱する。これによって、半導体ベアチップ10は、スタッドバンプ14が電極22に圧着し、且つ、熱硬化された熱硬化性接着剤23によってプリント基板20に接着されて実装される。
【0003】
ここで、半導体ベアチップは回路の集積度が高くなる傾向にあり、これによって、スタッドバンプの数が多くなってスタッドバンプ14のピッチpが100μm以下と狭くなる傾向にある。よって、半導体ベアチップをフリップチップ方式で実装する場合に、半導体ベアチップと基板上の実装予定位置とを位置合わせするアライメントに高い精度が要求される。
【0004】
【従来の技術】
従来の半導体ベアチップ実装装置は、位置を認識するためのCCDカメラを有する構成であり、CCDカメラによって半導体ベアチップ10上の認識マーク30とプリント基板20上の認識マーク31とを認識して、半導体ベアチップをプリント基板上の半導体ベアチップ実装予定部とアライメントさせて実装していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半導体ベアチップ実装装置は、装置の内部の温度、及びCCDカメラの光学的収差等は考慮されていず、アライメントの精度が良くなかった。よって、スタッドバンプのピッチpが100μm以下と狭くなるとアライメントが不十分となり、実装不良が発生するおそれがある。即ち、従来の半導体ベアチップ実装装置は、スタッドバンプのピッチpが100μm以下の半導体ベアチップのフリップチップ方式実装には対応することが困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決した半導体ベアチップ実装方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、半導体ベアチップを保持するマウント用ヘッドを動かすマウント用ヘッド移動機構及び基板が固定されるステージを動かすステージ移動機構が動作して半導体ベアチップを基板上に実装する半導体ベアチップ実装方法において、
該半導体ベアチップ実装装置の内部の温度を検出し、該半導体ベアチップ実装装置の内部の温度が所定温度範囲より低い場合には、上記マウント用ヘッドが半導体ベアチップを保持せず、上記ステージが基板が固定されていない状態で上記マウント用ヘッド移動機構及び該ステージ移動機構が動作する空運転を上記温度が所定温度範囲内に入るまで続けて行い、上記温度が所定温度範囲より高い場合には、半導体ベアチップ実装装置の運転の休止を上記温度が所定温度範囲内に入るまで続ける構成とし、
且つ、該半導体ベアチップ実装装置が最後の動作をしてからの時間の計測をして、該半導体ベアチップ実装装置が最後の動作をしてから所定時間を経過後に該半導体ベアチップ実装装置を始動させる場合には上記マウント用ヘッドが半導体ベアチップを保持せずにマウント用ヘッド移動機構及びステージ移動機構が動作する空運転を行なうようにしたことを特徴とする。
請求項2の発明は、半導体ベアチップを保持するマウント用ヘッドを動かすマウント用ヘッド移動機構及び基板が固定されるステージを動かすステージ移動機構が動作して半導体ベアチップを基板上に実装する半導体ベアチップ実装方法において、
該半導体ベアチップ実装装置の内部の温度を検出し、該半導体ベアチップ実装装置の内部の温度が所定温度範囲より低い場合には、上記マウント用ヘッドが半導体ベアチップを保持せず、上記ステージが基板が固定されていない状態で上記マウント用ヘッド移動機構及び該ステージ移動機構が動作する空運転を上記温度が所定温度範囲内に入るまで続けて行い、上記温度が所定温度範囲より高い場合には、半導体ベアチップ実装装置の運転の休止を上記温度が所定温度範囲内に入るまで続ける構成とし、
且つ、該マウント用ヘッドに保持された半導体ベアチップの認識マークを認識する半導体ベアチップ認識用CCDカメラ及び該ステージに固定された基板の認識マークを認識する基板認識用CCDカメラの温度を温度センサで検出し、この温度センサが検知した温度をオフセットテーブルに当てはめてオフセット値を求め、該オフセット値を考慮した位置情報に基づいて該マウント用ヘッド移動機構及び該ステージ移動機構が動作するようにしたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例になる半導体ベアチップ実装装置40を示す。
先ず、基本的な構成について説明する。半導体ベアチップ実装装置40は、下面に半導体ベアチップ10を吸着して保持するマウント用ヘッド41と、上面にプリント基板20が固定されるステージ42と、マウント用ヘッド41に保持された半導体ベアチップ10上の認識マーク30を認識するための半導体ベアチップマーク認識用CCDカメラ43と、ステージ42に固定されたプリント基板20上の認識マーク31を認識するプリント基板マーク認識用CCDカメラ44と、マウント用ヘッド41をX方向に動かすマウント用ヘッド移動機構45と、ステージ42をY方向に動かすステージ移動機構46とを有する。半導体ベアチップマーク認識用CCDカメラ43は、マウント用ヘッド41が移動する下側の所定の位置に固定して設けてある。プリント基板マーク認識用CCDカメラ44はマウント用ヘッド41の側面に固定してある。マウント用ヘッド移動機構45は、送り用のボールねじ47とこれを回転させるモータ48とよりなる。ステージ移動機構46は、送り用のボールねじ49とこれを回転させるモータ50とよりなる。
【0014】
半導体ベアチップ実装装置40は、更に、半導体ベアチップマーク認識用CCDカメラ43及びプリント基板マーク認識用CCDカメラ44が撮影して得た画像を処理する画像処理部51と、この画像処理部51よりの情報を演算制御する演算制御部52と、モータ48用の駆動回路53と、モータ50用の駆動回路54と、複数の温度センサ55〜59と、時計61と、半導体ベアチップ実装装置40全体を制御する制御装置60とを有する。制御装置60はマイクロコンピュータで構成されている。
【0015】
温度センサ55は、半導体ベアチップ実装装置40の内部に設けてあり、半導体ベアチップ実装装置40の内部の雰囲気温度を検知する。温度センサ56は、ボールねじ47の温度を検知する。温度センサ57は、ボールねじ49の温度を検知する。温度センサ58は、半導体ベアチップマーク認識用CCDカメラ43の温度を検知する。温度センサ59は、プリント基板マーク認識用CCDカメラ44の温度を検知する。
【0016】
半導体ベアチップ実装装置40は、半導体ベアチップ認識用CCDカメラ43よりの情報及び基板認識用CCDカメラ44よりの情報が画像処理部51で処理され、画像処理部51よりの情報が演算制御部52で演算制御され、演算制御部52よりの情報に応じて駆動回路53、54が動作され、モータ48、50が駆動されボールねじ47、49が回転して、マウント用ヘッド41がX方向に動き、ステージ42をY方向に動いて、半導体ベアチップ10をプリント基板20上の半導体ベアチップ実装予定部21とアライメントさせて、半導体ベアチップ10を実装させる。なお、半導体ベアチップ実装装置40は、マウント用ヘッド41が半導体ベアチップを吸着してプリント基板20上に実装する動作を一サイクルとして動作する。
【0017】
次に、上記のアライメントを高精度化させるための構成及び動作について説明する。
アライメントを高精度化は、(1)半導体ベアチップ実装装置40の稼働中の熱膨張及び収縮に着目した方策、(2)半導体ベアチップ実装装置40を停止させその後に稼働させるときの半導体ベアチップ実装装置40が停止した状態に放置されていた時間の長さに着目した方策、(3)半導体ベアチップ認識用CCDカメラ43及び基板認識用CCDカメラ44のレンズの収差等に着目した方策、(4)半導体ベアチップ認識用CCDカメラ43及び基板認識用CCDカメラ44の熱膨張に着目した方策、の4つの方策によって達成されている。以下、個別に説明する。
【0018】
(1)半導体ベアチップ実装装置40のの稼働中の熱膨張及び収縮に着目した方策
半導体ベアチップ実装のアライメント精度は、半導体ベアチップ実装装置40の温度、即ち、熱膨張及び収縮によって影響をうける。半導体ベアチップ実装装置40はアライメント精度保証温度範囲(半導体ベアチップ実装装置40が所望のアライメント精度で動作することが保証される温度範囲であり、約23〜26℃である)を有する。アライメント精度保証温度範囲が特許請求の範囲の記載の「所定温度範囲」に対応する。
【0019】
ここで、半導体ベアチップ実装装置40が稼働してしている途中で温度センサ55、56、57の何れかが検知している温度が半導体ベアチップ実装装置40のアライメント精度保証温度範囲から下方に外れた場合には、その時のサイクルが完了した後に空運転(マウント用ヘッド41が半導体ベアチップを吸着しない状態で動作する)を行って半導体ベアチップ実装装置40の温度を上昇させ、アライメント精度保証温度範囲内に入ったことを確認してから動作を開始させるようにしてある。半導体ベアチップ実装装置40が稼働してしている途中で温度センサ55、56、57の何れかが検知している温度が半導体ベアチップ実装装置40のアライメント精度保証温度範囲から上方に外れた場合には、その時のサイクルが完了した後に動作を停止させ、半導体ベアチップ実装装置40の稼働を休止させて半導体ベアチップ実装装置40の温度を自然に下げ、アライメント精度保証温度範囲内に入ったことを確認してから動作を開始させるようにしてある。
【0020】
これによって、半導体ベアチップ実装装置40は内部の温度がアライメント精度保証温度範囲内にある場合にだけ動作し、内部の温度がアライメント精度保証温度範囲より外れた場合には動作しないため、半導体ベアチップ実装装置40の熱膨張及び収縮に起因するアライメントの精度低下は起きず、よって、半導体ベアチップ10はプリント基板20上に精度良く実装される。
【0021】
上記の動作を行わせるため制御装置60を構成するマイクロコンピュータは、図2に示すように動作する。
各サイクルの実装動作が完了した後に温度センサ55、56、57が検知している温度を確認する(ステップ1、2)。
検知している温度がアライメント精度保証温度範囲内である場合には、次の実装動作サイクルを開始させる(ステップ3、4)。
【0022】
検知している温度がアライメント精度保証温度範囲より外れている場合には、検知している温度がアライメント精度保証温度範囲より低いか高いかを判断し(ステップ5)、低いと判断した場合には、空運転をさせる(ステップ6)。
空運転は検知している温度がアライメント精度保証温度範囲より低い間は何回でも繰り返し継続する(ステップ7)。空運転を継続して温度が上昇してアライメント精度保証温度範囲内に入ると(ステップ8)、次の実装動作サイクルを開始させる(ステップ4)。
【0023】
ステップ5で検知している温度がアライメント精度保証温度範囲より高いと判断した場合には、運転を休止させる(ステップ9)。
運転の休止は、検知している温度がアライメント精度保証温度範囲より高い間は継続する(ステップ10)。運転を休止させたままとして自然に冷却されて検知している温度がアライメント精度保証温度範囲内に入ると(ステップ11)、次の実装動作サイクルを開始させる(ステップ4)。
【0024】
なお、空運転をしすぎて検知している温度がアライメント精度保証温度範囲より高くなると、空運転を休止させる(ステップ8、9)。また、運転の休止によって冷却されすぎて検知している温度がアライメント精度保証温度範囲より低くなると、空運転をさせる(ステップ11、6)。
(2)半導体ベアチップ実装装置40を停止させその後に稼働させるときの半導体ベアチップ実装装置40が停止した状態に放置されていた時間の長さに着目した方策
工場での操業についてみると、半導体ベアチップ実装装置40の稼働を停止させ、その後、数時間経過した後に半導体ベアチップ実装装置40を稼働させることがある。半導体ベアチップ実装装置40の稼働を停止させると、半導体ベアチップ実装装置40は自然冷却されて温度は徐々に低下し、ある時間経過すると、半導体ベアチップ実装装置40の温度はアライメント精度保証温度範囲より低くなる。この状態で半導体ベアチップ実装装置40を動作させて半導体ベアチップ実装を行うとアライメント精度が良くない状態で実装されてしまう。
【0025】
そこで、半導体ベアチップ実装装置40の稼働を停止させた後、所定時間T1(半導体ベアチップ実装装置40が自然冷却されてその温度がアライメント精度保証温度範囲より低くなるまでの時間である)経過すると、半導体ベアチップ実装装置40を所定時間T2(半導体ベアチップ実装装置40の温度が上昇してアライメント精度保証温度範囲に入るまでの時間である)空運転させ、その後半導体ベアチップ実装装置40を所定時間T3(半導体ベアチップ実装装置40が自然冷却されてその温度がアライメント精度保証温度範囲より低くなるまでの時間である)停止させ、この後半導体ベアチップ実装装置40を所定時間T2空運転させ、再度稼働させるまで空運転と停止とを繰り返し行うようにしてある。これによって、半導体ベアチップ実装装置40を再度稼働させたときには、半導体ベアチップ実装装置40は温度がアライメント精度保証温度範囲内にある状態で動作を開始し、最初から半導体ベアチップはアライメント精度が保証された状態で実装される。
【0026】
上記の動作を行わせるため制御装置60を構成するマイクロコンピュータは、図3に示すように動作する。
半導体ベアチップ実装装置40の稼働の停止操作がされたことを確認すると、時間Tを零に設定し、半導体ベアチップ実装装置40の動作を停止させる(ステップ20、21、22)。
【0027】
時間T1が経過したときに、時間Tを零に設定し、半導体ベアチップ実装装置40を空運転を開始させ、空運転を時間T2継続させる(ステップ23、24、25、26)。
空運転が時間T2継続したときに、時間Tを零に設定し、半導体ベアチップ実装装置40の空運転を停止させ、停止状態を時間T3継続させる(ステップ27、28、29)。
【0028】
時間T3の間に半導体ベアチップ実装装置40を稼働させる操作がされない場合には、再度空運転を開始させる(ステップ30、25)。
上記の時間T3の間に半導体ベアチップ実装装置40を稼働された場合には、半導体ベアチップ実装装置40を稼働させる(ステップ31)。
(3)半導体ベアチップ認識用CCDカメラ43及び基板認識用CCDカメラ44のレンズの収差等に着目した方策
図4(A),(B)は半導体ベアチップ認識用CCDカメラ43の撮像面に対応するカメラ視野80を示す。視野80は、X方向上に512画素、Y方向上に480画素がマトリクス状に並んだ512×480個の画素81を有する。図5(A),(B)は基板認識用CCDカメラ44の撮像面に対応するカメラ視野82を示す。視野82は、X方向上に512画素、Y方向上に480画素がマトリクス状に並んだ512×480個の画素83を有する。
【0029】
半導体ベアチップ認識用CCDカメラ43において、一つの画素81当たりの半導体ベアチップ10上での寸法はaμmと定めてある。基板認識用CCDカメラ44においても、一つの画素83当たりの半導体ベアチップ10上での寸法はaμmと定めてある。ここで、カメラ43のレンズは僅かであるとはいえ収差を有する。よって、カメラ視野80のうち周辺部の一つの画素81−2当たりの半導体ベアチップ10上での寸法は、カメラ視野80の中央部の一つの画素81−1当たりの半導体ベアチップ10上での寸法aμmと若干相違する。このことは、基板認識用CCDカメラ44についても同じである。これが、アライメント精度を損ねる。
【0030】
そこで、半導体ベアチップ認識用CCDカメラ43については、図4(A)に示すように半導体ベアチップ認識マーク30の像30Aを最初にとらえたときにこれを本認識せずにとりあえず予備認識し、半導体ベアチップ10を適宜移動させて図4(B)に示すように半導体ベアチップ認識マーク像30Aをカメラ視野80の中央部でとらえたときに始めて半導体ベアチップ認識マーク像30Aを本認識し、同じく、基板認識用CCDカメラ44についても、図5(A)に示すようにプリント基板認識マーク31の像31Aを最初にとらえたときにこれを本認識せずにとりあえず予備認識し、プリント基板20を適宜移動させて図5(B)に示すようにプリント基板認識マーク像31Aをカメラ視野82の中央部でとらえたときに始めてプリント基板認識マーク像31Aを本認識し、これに基づいて、半導体ベアチップをプリント基板上に実装するためのアライメントのため演算を行うようにしてある。
【0031】
このため、半導体ベアチップ認識用CCDカメラ43及び基板認識用CCDカメラ44のレンズの収差が原因でのアライメント誤差が発生しないようになり、よって、半導体ベアチップ10はプリント基板20上に精度良く実装される。
上記の動作を行わせるため制御装置60を構成するマイクロコンピュータは、図6に示すように動作する。
【0032】
先ず、半導体ベアチップ認識マーク30の像30Aを最初にとらえたときにこれを予備認識する(ステップ40)。
次に、像30Aのカメラ視野80の中央からのずれ量E1(図4(A)参照)を算出する(ステップ41)。
次に、図4(B)に示すように、像30Aがカメラ視野80の中央にくるように半導体ベアチップ10(ヘッド41)を移動させる(ステップ42)。次いで像30Aを本認識する(ステップ43)。次いで、半導体ベアチップ認識マーク30の位置を算出して求める(ステップ44)。
【0033】
次に、上記の動作をプリント基板認識マーク31について行う。即ち、プリント基板認識マーク31の像31Aを最初にとらえたときにこれを予備認識し(ステップ45)、像31Aのカメラ視野82の中央からのずれ量E2(図5(A)参照)を算出し(ステップ46)、図5(B)に示すように、像31Aがカメラ視野82の中央にくるようにプリント基板20(ステージ42)を移動させ(ステップ47)、像31Aを本認識し(ステップ48)、次いで、プリント基板認識マーク31の位置を算出して求める(ステップ49)。
【0034】
次いで、ステップ44及びステップ49で求めた位置に基づいて半導体ベアチップ10をプリント基板20に搭載する位置を算出する(ステップ50)。半導体ベアチップ10をプリント基板20上の実装予定部21に到るようにヘッド41及びステージ42を移動させる(ステップ51)。次いで、実装指令を出す(ステップ52)。
(4)半導体ベアチップ認識用CCDカメラ43及び基板認識用CCDカメラ44の熱膨張に着目した方策
半導体ベアチップ実装装置40内部の温度変化は半導体ベアチップ認識用CCDカメラ43及び基板認識用CCDカメラ44の温度に影響を与え、半導体ベアチップ認識用CCDカメラ43及び基板認識用CCDカメラ44の温度が変化するとレンズ等が熱膨張収縮し、先に述べたように画素81−1当たりの半導体ベアチップ10上での寸法及び画素83−1当たりのプリント基板20上での寸法が、本来の寸法から微妙に変化(この変化量をオフセット値という)し、アライメント精度が損なわれる。
【0035】
そこで、予め、半導体ベアチップ認識用CCDカメラ43及び基板認識用CCDカメラ44について、実際の温度と基準の動作温度との差とオフセット値との関係を求め、オフセットテーブルを用意しておき、これを当てはめてオフセット補正をしてマウント用ヘッド移動機構45及びステージ移動機構46を動作させてアライメントを行うようにしている。これによって、アライメントの高精度化が図れる。
【0036】
なお、半導体ベアチップ認識用CCDカメラ43及び基板認識用CCDカメラ44は半導体ベアチップ実装装置40を空運転させても温度が上昇しにくい。よって、オフセットテーブルを利用した補正が効果的である。
上記の動作を行わせるため制御装置60を構成するマイクロコンピュータは、図7に示すように動作する。
【0037】
先ず、温度センサ58、59が検知している温度を確認する(ステップ60)。
次いで、メモリーに記憶されているオフセットテーブルを読みだし、参照し、温度を当てはめてオフセット値を決定する(ステップ61、62)。
次いで、決定されたオフセット値によってオフセット補正を行い(ステップ63)、このオフセット補正したデータに基づいて実装指令を出す(ステップ64)。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、半導体ベアチップ実装装置の内部の温度を検出し、検出した温度が所定温度範囲より低い場合には、マウント用ヘッドが半導体ベアチップを保持せず、ステージが基板が固定されていない状態でマウント用ヘッド移動機構及びステージ移動機構が動作する空運転を行なって温度を上昇させ、空運転を温度が上昇して所定温度範囲内に入るまで続けて行い、検出した温度が所定温度範囲より高い場合には、半導体ベアチップ実装装置の運転を休止させて温度を低下させ、運転の休止を温度が低下して所定温度範囲内に入るまで続ける構成としたことを停止させるようにしため、半導体ベアチップ実装動作が半導体ベアチップ実装装置の温度が所定温度範囲内にある状態で行われるため、半導体ベアチップ実装を常に良好なアライメント精度で行うことが出来る。また、半導体ベアチップ実装装置の温度が所定温度範囲から外れてアライメント精度が低下すると、空運転等を行って半導体ベアチップ実装装置の温度を所定温度範囲内に入れるようにしているため、半導体ベアチップ実装動作が中断している時間を短く出来、よって、半導体ベアチップ実装作業を能率良く行うことが出来る。
【0039】
また、請求項1の発明によれば、該半導体ベアチップ実装装置の内部の温度を検出することに加えて、該半導体ベアチップ実装装置が最後の動作をしてからの時間の計測をして、経過時間が所定時間を越えた場合には、該半導体ベアチップ実装装置を始動させた場合に該該半導体ベアチップ実装装置が上記マウント用ヘッドが半導体ベアチップを保持せずにマウント用ヘッド移動機構及びステージ移動機構が動作する空運転を行なうようにしたため、停止していた半導体ベアチップ実装装置を再度稼働させたときには、半導体ベアチップ実装装置は温度がアライメント精度保証温度範囲内にある状態で動作を開始し、最初から半導体ベアチップをアライメント精度が保証された状態で実装することが出来る。
【0041】
請求項2の発明によれば、半導体ベアチップ実装装置の内部の温度を検出し、検出した温度が所定温度範囲より低い場合には、マウント用ヘッドが半導体ベアチップを保持せず、ステージが基板が固定されていない状態でマウント用ヘッド移動機構及びステージ移動機構が動作する空運転を行なって温度を上昇させ、空運転を温度が上昇して所定温度範囲内に入るまで続けて行い、検出した温度が所定温度範囲より高い場合には、半導体ベアチップ実装装置の運転を休止させて温度を低下させ、運転の休止を温度が低下して所定温度範囲内に入るまで続ける構成としたことを停止させるようにしたため、半導体ベアチップ実装動作が半導体ベアチップ実装装置の温度が所定温度範囲内にある状態で行われるため、半導体ベアチップ実装を常に良好なアライメント精度で行うことが出来る。また、半導体ベアチップ実装装置の温度が所定温度範囲から外れてアライメント精度が低下すると、空運転等を行って半導体ベアチップ実装装置の温度を所定温度範囲内に入れるようにしているため、半導体ベアチップ実装動作が中断している時間を短く出来、よって、半導体ベアチップ実装作業を能率良く行うことが出来る。
また、請求項2の発明によれば、該半導体ベアチップ実装装置の内部の温度を検出することに加えて、該マウント用ヘッドに保持された半導体ベアチップの認識マークを認識する半導体ベアチップ認識用CCDカメラ及び該ステージに固定された基板の認識マークを認識する基板認識用CCDカメラの温度を温度センサで検出し、この温度センサが検知した温度をオフセットテーブルに当てはめてオフセット値を求め、該オフセット値を考慮した位置情報に基づいて該マウント用ヘッド移動機構及び該ステージ移動機構が動作するようにしたため、半導体ベアチップ認識用CCDカメラ及び基板認識用CCDカメラの温度のよる影響がないように出来、その分半導体ベアチップのアライメント精度の向上を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になる半導体ベアチップ実装装置を示す図である。
【図2】半導体ベアチップ実装装置の実装動作中の動作のフローチャートである。
【図3】半導体ベアチップ実装装置の稼働を停止させ、その後稼働させるときの動作のフローチャートである。
【図4】半導体ベアチップの認識マークの予備認識及び本認識を説明する図である。
【図5】プリント基板の認識マークの予備認識及び本認識を説明する図である。
【図6】アライメント動作のフローチャートである。
【図7】オフセットテーブルを利用したアライメント動作のフローチャートである。
【図8】半導体ベアチップがフリップチップ方式で実装されている状態を示す図である。
【符号の説明】
10 半導体ベアチップ
14 スタッドバンプ
20 プリント基板
21 半導体ベアチップ実装予定部
22 電極
23 熱硬化された熱硬化性接着剤
30 半導体ベアチップの認識マーク
30A 半導体ベアチップの認識マークの像
31 プリント基板の認識マーク
31A プリント基板の認識マークの像
40 半導体ベアチップ実装装置
41 マウント用ヘッド
42 ステージ
43 半導体ベアチップマーク認識用CCDカメラ
44 プリント基板マーク認識用CCDカメラ
45 マウント用ヘッド移動機構
46 ステージ移動機構
47、49 送り用のボールねじ
48、50 モータ
51 画像処理部
52 演算制御部
60 制御回路
61 時計
80、82 カメラ視野
81、83 画素
Claims (2)
- 半導体ベアチップを保持するマウント用ヘッドを動かすマウント用ヘッド移動機構及び基板が固定されるステージを動かすステージ移動機構が動作して半導体ベアチップを基板上に実装する半導体ベアチップ実装方法において、
該半導体ベアチップ実装装置の内部の温度を検出し、該半導体ベアチップ実装装置の内部の温度が所定温度範囲より低い場合には、上記マウント用ヘッドが半導体ベアチップを保持せず、上記ステージが基板が固定されていない状態で上記マウント用ヘッド移動機構及び該ステージ移動機構が動作する空運転を上記温度が所定温度範囲内に入るまで続けて行い、上記温度が所定温度範囲より高い場合には、半導体ベアチップ実装装置の運転の休止を上記温度が所定温度範囲内に入るまで続ける構成とし、
且つ、該半導体ベアチップ実装装置が最後の動作をしてからの時間の計測をして、該半導体ベアチップ実装装置が最後の動作をしてから所定時間を経過後に該半導体ベアチップ実装装置を始動させる場合には上記マウント用ヘッドが半導体ベアチップを保持せずにマウント用ヘッド移動機構及びステージ移動機構が動作する空運転を行なうようにしたことを特徴とする半導体ベアチップ実装方法。 - 半導体ベアチップを保持するマウント用ヘッドを動かすマウント用ヘッド移動機構及び基板が固定されるステージを動かすステージ移動機構が動作して半導体ベアチップを基板上に実装する半導体ベアチップ実装方法において、
該半導体ベアチップ実装装置の内部の温度を検出し、該半導体ベアチップ実装装置の内部の温度が所定温度範囲より低い場合には、上記マウント用ヘッドが半導体ベアチップを保持せず、上記ステージが基板が固定されていない状態で上記マウント用ヘッド移動機構及び該ステージ移動機構が動作する空運転を上記温度が所定温度範囲内に入るまで続けて行い、上記温度が所定温度範囲より高い場合には、半導体ベアチップ実装装置の運転の休止を上記温度が所定温度範囲内に入るまで続ける構成とし、
且つ、該マウント用ヘッドに保持された半導体ベアチップの認識マークを認識する半導体ベアチップ認識用CCDカメラ及び該ステージに固定された基板の認識マークを認識する基板認識用CCDカメラの温度を温度センサで検出し、この温度センサが検知した温度をオフセットテーブルに当てはめてオフセット値を求め、該オフセット値を考慮した位置情報に基づいて該マウント用ヘッド移動機構及び該ステージ移動機構が動作するようにしたことを特徴とする半導体ベアチップ実装方法。
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