ところで、上記した特許文献1に記載の実装装置では、部品のアライメントマークと基板のアライメントマークをそれぞれ専用の撮影手段(カメラ)を用いて読み取って、部品と基板との相対位置調整を行っている。すなわち、2個の撮影手段を用いて部品と基板との相対位置調整を行っているため、撮影手段が高価であることから、実装装置のコストの上昇を招くという問題があった。
また、部品と基板のアライメントマークを読み取る際に、撮影手段を部品と基板との間に移動させなければならなかった。そのため、撮影手段が部品と基板の間に移動することができるように、部品と基板との隙間を大きくする必要があり、実装装置のコンパクト化の妨げとなっていた。また、部品と基板との隙間が大きいため、部品と基板との相対位置調整後、部品を基板に実装する際に部品の移動距離が長くなり、当該実装処理に時間がかかり生産性の向上の妨げとなっていた。
また、部品と基板との相対位置調整を高精度に行なうには、常に2個の撮影手段を要し、両者の相対位置関係が補正(キャリブレーション)されている必要があった。そのため、実装処理の位置精度が劣化するのを防止するために、例えば、部品を基板へ実装する実装処理が所定回数実行されるごとに、両撮影手段どうしの相対位置関係を補正していた。したがって、実装処理の途中で、実装処理を中断して当該撮影手段どうしの相対位置関係を補正しなければならないので、生産性の向上の妨げとなっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、安価な構成により生産性の向上を図ることのできる技術を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するため、本発明にかかる実装装置は、アライメントマークを有する部品をヘッドに保持し、アライメントマークを有する基板をステージに保持し、前記両アライメントマークを利用して前記部品と前記基板との相対位置調整を行なった後に前記部品を前記基板の実装面に実装する実装装置において、前記ヘッドの上方に設けられ前記ヘッドの下方からの光路の方向を前記ヘッドの側方に向けて変換するヘッド上部光路変換手段と、前記ヘッドの横に設けられ前記ヘッドの下方からの光路の方向をその光軸が前記ヘッド上部光路変換手段により向きが変換された光路の光軸と重ならないように前記ヘッドの側方に向けて変換し、前記ヘッド上部光路変換手段と別個に形成されたヘッド横部光路変換手段と、前記部品の前記アライメントマークを前記ヘッド上部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取り、前記基板の前記アライメントマークを前記ヘッド横部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取る1個の撮影手段と、前記撮影手段により読み取った前記両アライメントマークの位置情報を照合して、前記ヘッドと前記ステージとの相対位置調整を行う制御手段とを備えたことを特徴としている(請求項1)。
また、本発明にかかる実装方法は、ヘッドに保持された部品が有するアライメントマークと、ステージに保持された基板が有するアライメントマークとを利用して、前記部品と前記基板との相対位置調整を行なった後に前記部品を前記基板の実装面に実装する実装方法において、前記ヘッドの上方に前記ヘッドの下方からの光路の方向を前記ヘッドの側方に向けて変換するヘッド上部光路変換手段を設け、前記ヘッドの横に前記ヘッドの下方からの光路の方向をその光軸が前記ヘッド上部光路変換手段により向きが変換された光路の光軸と重ならないように前記ヘッドの側方に向けて変換し、前記ヘッド上部光路変換手段と別個に形成されたヘッド横部光路変換手段を設け、1個の撮影手段により、前記部品の前記アライメントマークを前記ヘッド上部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取るとともに、前記基板の前記アライメントマークを前記ヘッド横部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取り、前記撮影手段で読み取った前記両アライメントマークの位置情報を照合して、前記ヘッドと前記ステージとの相対位置調整を行うことを特徴としている(請求項12)。
このように構成された発明では、1個の撮影手段で、部品のアライメントマークをヘッド上部光路変換手段を介して読み取り、基板のアライメントマークをヘッド横部光路変換手段を介して読み取っている。そして、撮影手段により読み取った両アライメントマークの位置情報を制御手段により照合して、ヘッドとステージとの相対位置調整を行うことで、部品を基板の実装面に高精度に実装している。したがって、ヘッド上部光路変換手段およびヘッド横部光路変換手段を設けることで、1個の撮影手段で部品および基板のアライメントマークを読み取って、ヘッドとステージとの相対位置調整を高精度に行うことができ、高価な撮影手段を2個設ける必要が無く、コストダウンを図ることができる。
また、1個の撮影手段のみで部品を基板に高精度に実装できるため、従来、必要であった2個の撮影手段どうしの相対位置関係を補正する処理が必要なく、当該補正処理のために部品を基板に実装する実装処理を中断する必要がないため、生産性の向上を図ることができる。また、1個の撮影手段で部品と基板のアライメントマークを読み取っているため、従来、問題となっていた2個の撮影手段どうしの相対位置関係が変化することによる実装処理における位置精度の劣化が生じることがない。したがって、部品を基板に実装する際の位置精度の向上を図ることができる。
また、両光路変換手段で部品と基板のアライメントマークを読み取るため、部品と基板との間に撮影手段を移動させる必要がなく、部品と基板との隙間を狭くすることができる。したがって、部品を基板に実装する際の、部品と基板間の移動距離を短くすることができるため、実装処理時間を短縮することができ、生産効率の向上を図ることができる。また、部品と基板との隙間を狭くすることができるため、実装装置のコンパクト化を図ることができる。
また、このような構成とすれば、ヘッドに部品を供給しつつ、撮影手段によりステージに保持された基板のアライメントマークをヘッド横部光路変換手段を介して読み取ることができる。すなわち、ヘッドへの部品の供給作業が終了するまでに、基板のアライメントマークを読み取って、その後、部品のヘッドへの供給作業が終了した後に、ステージを移動して基板をヘッドの下方に移動しつつ、当該部品のアライメントマークをヘッド上部光路変換手段を介して読み取ることができる。したがって、ヘッドに部品が供給される間に、基板のアライメントマークを読み取ることができるため、ヘッドとステージとの相対位置調整を実行するのに必要な部品および基板のアライメントマークの読み取り処理の時間を短縮することができ、部品を基板へ実装する実装処理において、より一層の生産性の向上を図ることができる。
また、前記実装面には少なくとも1つの実装領域が設けられ、前記実装領域には、前記部品が実装され、それぞれ少なくとも1個の前記アライメントマークを有する複数の実装位置が設けられ、前記制御手段は、一の前記実装領域が有する少なくとも2個の前記アライメントマークの位置情報により前記基板の初期位置計測処理を1回行なって初期位置情報を得ておき、前記一の実装領域内の一の前記実装位置の1個の前記アライメントマークの位置情報と、当該実装位置に実装される前記部品の前記アライメントマークの位置情報と、前記初期位置情報とを照合して、前記部品の当該実装位置に対する相対位置調整を行なって前記部品の当該実装位置への実装処理を実行し、該実装処理の繰り返しにより、前記一の実装領域内に所定数の前記部品を実装する構成でもよい(請求項2)。
また、前記実装面には少なくとも1つの実装領域が設けられ、前記実装領域内には、前記部品が実装され、それぞれ少なくとも1個の前記アライメントマークを有する複数の実装位置が設けられ、一の前記実装領域が有する少なくとも2個の前記アライメントマークの位置情報により前記基板の初期位置計測処理を1回行なって初期位置情報を得、その後、前記一の実装領域内の一の前記実装位置の1個の前記アライメントマークの位置情報と、当該実装位置に実装される前記部品の前記アライメントマークの位置情報と、前記初期位置情報とを照合して、前記部品の当該実装位置に対する相対位置調整を行なって前記部品の当該実装位置への実装処理を実行し、該実装処理の繰り返しにより、前記一の実装領域内に所定数の前記部品を実装する構成でもよい。
このような構成とすれば、基板の実装面に設けられた実装領域に所定数の部品を実装する際に、最初に、実装領域が有する2個のアライメントマークを読み取った位置情報により基板の初期位置計測処理を1回行うことで、基板の初期位置情報、すなわち、実装面に平行なX−Y方向および実装面に直交する軸を回転軸とするθ方向の位置情報を得ている。その後、実装領域内の一の実装位置の1個のアライメントマークの位置情報から当該実装位置のX−Y方向の位置情報を得ることで、当該実装位置の位置情報と、実装位置に実装される部品のアライメントマークの位置情報と、基板の初期位置情報(特にθ方向の位置情報)とを照合して、部品の当該実装位置に対する相対位置調整を行なって部品を当該実装位置へ実装する実装処理を実行し、部品を当該実装位置に高精度に実装している。そして、この実装処理を繰り返すことにより、実装領域内に所定数の部品を実装している。
このように、一の実装領域へ所定数の部品を実装する前に、まず、2個のアライメントマークの位置情報より基板のθ方向を含めた初期位置情報を得た後は、各々の実装位置の1個のアライメントマークの位置情報から実装位置のX−Y方向の位置情報を得るのみで、部品を各々の実装位置へ高精度に実装できる。したがって、部品を各々の実装位置へ実装するたびに2個のアライメントマークを読み取る必要がないため、実装処理の速度を向上させることができ、より一層の生産効率の向上を図ることができる。なお、最初に基板の初期位置情報を得る際に利用するアライメントマークとしては、一の実装領域に設けられた初期位置計測処理専用のアライメントマークを用いてもよいし、各々の実装位置が有するアライメントマークを2個用いてもよい。また、初期位置計測処理を行う際に用いる2個のアライメントマーク間の距離は遠い方が望ましい。このような構成とすれば、2個のアライメントマークを結ぶ線分が長くなるため、計測精度が向上し、より高精度に基板の初期位置情報を得ることができる。
また、前記基板には複数の前記アライメントマークが設けられ、前記撮影手段は、前記基板の複数の前記アライメントマークを前記ヘッド上部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取り可能に配設され、前記基板の一の前記アライメントマークを前記ヘッド横部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取った後に、前記ステージを横方向に移動することで、当該アライメントマークを前記ヘッド上部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取り、前記制御手段は、前記両光路変換手段を介して読み取った当該アライメントマークの位置情報と、前記ステージの移動量とを利用して、前記両光路変換手段と前記ステージとの相対位置関係を補正する構成でもよい(請求項3)。
また、前記撮影手段を、前記基板の複数の前記アライメントマークを前記ヘッド上部光路変換手段を介して読み取り可能に配設し、前記撮影手段により、前記基板の一の前記アライメントマークを前記ヘッド横部光路変換手段を介して読み取った後に、前記ステージを横方向に移動することで、当該アライメントマークを前記ヘッド上部光路変換手段を介して読み取り、前記両光路変換手段を介して読み取った当該アライメントマークの位置情報と、前記ステージの移動量とを利用して、前記両光路変換手段と前記ステージとの相対位置関係を補正する構成でもよい。
このような構成とすれば、基板の一のアライメントマークをヘッド横部光路変換手段を介して読み取った後に、ステージを横方向に移動することで、当該アライメントマークをヘッド上部光路変換手段を介して読み取り、両光路変換手段を介して読み取った当該アライメントマークの位置情報と、ステージの移動量とを利用して、両光路変換手段とステージとの相対位置関係を補正しているため、両光路変換手段とステージとの相対位置調整の精度を向上させることができる。したがって、部品を基板に実装する際の位置精度を向上させることができる。なお、部品を基板に実装する実装処理を所定回数行なうたびに、両光路変換手段とステージとの相対位置関係を補正するのが望ましい。このような構成とすれば、実装処理の繰り返しにより、ヘッドやステージ間の相対位置関係に装置の熱膨張などを原因とする誤差が生じたとしても、実装処理を所定回数行うたびに相対位置関係を補正することで、部品を基板に高精度に実装することができる。
また、前記制御手段は、前記部品を前記実装面に実装する処理中に、前記両光路変換手段と前記ステージとの相対位置関係を補正する構成でもよい(請求項4)。
また、前記部品を前記実装面に実装する処理中に、前記両光路変換手段と前記ステージとの相対位置関係を補正する構成でもよい。
このような構成とすれば、部品を実装面に実装する実装処理中に、基板上の一のアライメントマークを読み取ることで、両光路変換手段とステージとの相対位置関係を補正することができる。したがって、実装処理を中断せずに当該補正処理を実行することがきるため、実装位置精度の向上とともに、生産効率の向上を図ることができる。
また、前記ヘッドの下方に設けられ前記ヘッドの上方からの光路の方向をその光軸が前記ヘッド上部光路変換手段およびヘッド横部光路変換手段により向きが変換された光路の光軸と重ならないように前記ヘッドの側方に向けて変換し、前記ヘッド上部光路変換手段および前記ヘッド横部光路変換手段と別個に形成されたヘッド下部光路変換手段をさらに備え、前記ヘッドは、前記上下方向の軸を中心軸として回転自在に配設され、前記撮影手段は、前記ヘッドに保持された中心軸導出用の基準チップが有するアライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取り可能に配設され、前記基準チップのアライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段を介して読み取った後に、前記ヘッドを回転させて、再度、当該アライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段を介して読み取り、前記制御手段は、前記ヘッドの回転前と回転後に読み取ったそれぞれの当該アライメントマークの位置情報と、前記ヘッドの回転量とを利用して、前記中心軸を導出する構成でもよい(請求項5)。
また、前記ヘッドの下方に光路を変換するヘッド下部光路変換手段をさらに設け、前記ヘッドは、前記上下方向の軸を中心軸として回転自在に配設され、前記撮影手段を、前記ヘッドに保持された中心軸導出用の基準チップが有するアライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段を介して読み取り可能に配設し、前記基準チップのアライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段を介して読み取った後に、前記ヘッドを回転させて、再度、当該アライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段を介して読み取り、前記ヘッドの回転前と回転後に読み取ったそれぞれの当該アライメントマークの位置情報と、前記ヘッドの回転量とを利用して、前記中心軸を導出する構成でもよい。
このような構成とすれば、ヘッドに保持された中心軸導出用の基準チップのアライメントマークをヘッド下部光路変換手段を介して読み取った後に、ヘッドを所定角度だけ回転させて、再度、当該アライメントマークをヘッド下部光路変換手段を介して読み取り、ヘッドの回転前と回転後に読み取ったそれぞれの当該アライメントマークの位置情報と、ヘッドの回転量とを利用して、ヘッドの回転中心軸を導出している。すなわち、アライメントマークのヘッド回転前のX−Y方向の座標情報と回転後のX−Y方向の座標情報と、ヘッドのθ方向の回転角度からヘッドの中心軸を導出している。したがって、ヘッドの回転軸を導出することで、ヘッドとステージとの回転方向についての相対位置調整を高精度に実行することができる。また、部品を基板に実装する実装処理の繰り返しにより、ヘッドやステージ間の相対位置関係に装置の熱膨張などを原因とする誤差が生じたとしても、ヘッドの回転軸を導出することで、ヘッドとステージとの回転方向についての相対位置調整を高精度に実行できる。なお、基準チップとしては、透光性の部材にアライメントマークを設けたチップ、非透光性の部材に透孔を設けたチップ、非透光性の部材の上面および下面に互いの相対位置関係が正確に把握されているアライメントマークを有するチップまたはアライメントマークを有する部品等を利用することができる。また、以下に説明する構成についても同様の基準チップを用いることができる。
また、前記ヘッドに前記部品を供給する部品供給手段をさらに備え、前記制御手段は、前記部品供給手段により前記ヘッドに前記部品を供給しつつ、前記基板の前記アライメントマークを前記ヘッド横部光路変換手段により読み取るとよい(請求項6)。
このようにすると、ヘッドに部品を供給しつつ、撮影手段によりステージに保持された基板のアライメントマークをヘッド横部光路変換手段を介して読み取ることができる。すなわち、ヘッドへの部品の供給作業が終了するまでに、基板のアライメントマークを読み取って、その後、部品のヘッドへの供給作業が終了した後に当該部品のアライメントマークをヘッド上部光路変換手段を介して読み取ることができる。したがって、ヘッドに部品が供給される間に、基板のアライメントマークを読み取ることができるため、ヘッド7ステージとの相対位置調整を実行するのに必要な部品および基板のアライメントマークの読み取り処理の時間を短縮することができ、部品を基板へ実装する実装処理において、より一層の生産性の向上を図ることができる。
また、本発明にかかる実装装置は、アライメントマークを上面および下面の少なくとも一方に有する部品をヘッドに保持し、アライメントマークを少なくとも上面に有する基板をステージに保持し、前記両アライメントマークを利用して前記部品と前記基板との相対位置調整を行なった後に前記部品を前記基板の実装面に実装する実装装置において、前記部品を保持して前記ヘッドに供給する部品供給手段と、前記ヘッドの上方に設けられ前記ヘッドの下方からの光路の方向を前記ヘッドの側方に向けて変換するヘッド上部光路変換手段と、前記部品供給手段に設けられ前記ヘッドの上方からの光路の方向をその光軸が前記ヘッド上部光路変換手段により向きが変換された光路の光軸と重ならないように前記ヘッドの側方に向けて変換し、前記ヘッド上部光路変換手段と別個に形成されたヘッド下部光路変換手段と、前記部品の上面の前記アライメントマークまたは前記基板の上面の前記アライメントマークをそれぞれ前記ヘッド上部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取り、前記部品の下面のアライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取る1個の撮影手段と、前記撮影手段により読み取った前記部品および前記基板の前記アライメントマークの位置情報を照合して、前記ヘッドと前記ステージとの相対位置調整を行う制御手段とを備え、前記ヘッド下部光路変換手段は、前記部品供給手段により前記部品が保持される位置に設けられており、前記制御手段は、前記部品供給手段により前記ヘッドに前記部品を供給しつつ、前記基板の前記アライメントマークを前記ヘッド上部光路変換手段により読み取った後に、前記ヘッドに保持された前記部品の前記アライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段により読み取ることを特徴としている(請求項7)。
また、本発明にかかる実装方法は、ヘッドに保持された部品が上面および下面の少なくとも一方に有するアライメントマークと、ステージに保持された基板が少なくとも上面に有するアライメントマークとを利用して、前記部品と前記基板との相対位置調整を行なった後に前記部品を前記基板の実装面に実装する実装方法において、前記部品を前記ヘッドに供給する部品供給手段を設け、前記ヘッドの上方に前記ヘッドの下方からの光路の方向を前記ヘッドの側方に向けて変換するヘッド上部光路変換手段を設け、前記部品供給手段の前記部品が保持される位置に前記ヘッドの上方からの光路の方向をその光軸が前記ヘッド上部光路変換手段により向きが変換された光路の光軸と重ならないように前記ヘッドの側方に向けて変換し、前記ヘッド上部光路変換手段と別個に形成されたヘッド下部光路変換手段を設け、1個の撮影手段により、前記部品供給手段により前記ヘッドに前記部品を供給しつつ、前記基板の上面の前記アライメントマークを前記ヘッド上部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取った後に、前記ヘッドに保持された前記部品の下面の前記アライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取り、前記撮影手段により読み取った前記部品および前記基板の前記アライメントマークの位置情報を照合して、前記ヘッドと前記ステージとの相対位置調整を行うことを特徴としている(請求項13)。
また、本発明にかかる実装装置は、アライメントマークを上面および下面の少なくとも一方に有する部品をヘッドに保持し、アライメントマークを上面および下面の少なくとも一方に有する基板をステージに保持し、前記両アライメントマークを利用して前記部品と前記基板との相対位置調整を行なった後に前記部品を前記基板の実装面に実装する実装装置において、前記ヘッドの上方に設けられ前記ヘッドの下方からの光路の方向を前記ヘッドの側方に向けて変換するヘッド上部光路変換手段と、前記ステージの下方に設けられ前記ヘッドの上方からの光路の方向をその光軸が前記ヘッド上部光路変換手段により向きが変換された光路の光軸と重ならないように前記ヘッドの側方に向けて変換し、前記ヘッド上部光路変換手段と別個に形成されたヘッド下部光路変換手段と、前記部品の上面の前記アライメントマークまたは前記基板の上面の前記アライメントマークをそれぞれ前記ヘッド上部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取り、前記部品の下面の前記アライメントマークまたは前記基板の下面の前記アライメントマークをそれぞれ前記ヘッド下部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取る1個の撮影手段と、前記撮影手段により読み取った前記部品および前記基板の前記アライメントマークの位置情報を照合して、前記ヘッドと前記ステージとの相対位置調整を行う制御手段とを備えたことを特徴としている(請求項8)。
また、本発明にかかる実装方法は、ヘッドに保持された部品が上面および下面の少なくとも一方に有するアライメントマークと、ステージに保持された基板が上面および下面の少なくとも一方に有するアライメントマークとを利用して、前記部品と前記基板との相対位置調整を行なった後に前記部品を前記基板の実装面に実装する実装方法において、前記ヘッドの上方に前記ヘッドの下方からの光路の方向を前記ヘッドの側方に向けて変換するヘッド上部光路変換手段を設け、前記ステージの下方に前記ヘッドの上方からの光路の方向をその光軸が前記ヘッド上部光路変換手段により向きが変換された光路の光軸と重ならないように前記ヘッドの側方に向けて変換し、前記ヘッド上部光路変換手段と別個に形成されたヘッド下部光路変換手段を設け、1個の撮影手段により、前記部品の上面の前記アライメントマークまたは前記基板の上面の前記アライメントマークを前記ヘッド上部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取り、前記部品の下面の前記アライメントマークまたは前記基板の下面の前記アライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取り、前記撮影手段により読み取った前記部品および前記基板の前記アライメントマークの位置情報を照合して、前記ヘッドと前記ステージとの相対位置調整を行うことを特徴としている(請求項14)。
このように構成された発明では、1個の撮影手段で、部品および基板の下面のアライメントマークをヘッド下部光路変換手段を介して読み取り、部品および基板の上面のアライメントマークをヘッド上部光路変換手段を介して読みとっている。そして、制御手段により、撮影手段で読み取った部品と基板の両アライメントマークの位置情報を照合して、ヘッドとステージとの相対位置調整を行うことで、部品を基板の実装面に高精度に実装している。したがって、ヘッド上部光路変換手段およびヘッド下部光路変換手段を設けることで、1個の撮影手段で部品および基板のアライメントマークを読み取って、ヘッドとステージとの相対位置調整を行うことができるので、高価な撮影手段を2個設ける必要が無く、コストダウンが図れる。また、1個の撮影手段のみで部品を基板に高精度に実装できるため、従来、必要であった2個の撮影手段どうしの相対位置関係を補正する処理が必要なく、当該補正処理のために実装処理を中断する必要がないため、生産性の向上を図ることができる。
また、従来の実装装置および実装方法では、部品の上面および下面のいずれかの面、基板の上面および下面のいずれかの面にアライメントマークが設けられた、すなわち特定の面にアライメントマークを有する部品および基板のみにしか対応することができないという問題があった。しかしながら、上記したように構成された発明では、部品および基板の上面または下面のいずれにアライメントマークが設けられている場合であっても、ヘッド上部光路変換手段およびヘッド下部光路変換手段を介して当該アライメントマークを読み取ることで、部品の位置情報と、基板の位置情報とを照合して、ヘッドとステージとの相対位置調整を行なうことができる。したがって、部品および基板が上面または下面のいずれにアライメントマークを有している場合であっても、部品および基板のアライメントマークを、両光路変換手段のいずれかで読み取ることで、ヘッドとステージとの相対位置調整を行なって、部品を基板に高精度に実装することができる。
また、前記ヘッドに前記部品を供給する部品供給手段をさらに備え、前記制御手段は、前記部品供給手段により前記ヘッドに前記部品を供給しつつ、前記基板の前記アライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段により読み取るとよい(請求項9)。
ヘッドに部品を供給しつつ、撮影手段によりステージに保持された基板のアライメントマークをヘッド下部光路変換手段を介して読み取ることができる。すなわち、ヘッドへの部品の供給作業が終了するまでに、基板のアライメントマークを読み取って、その後、部品のヘッドへの供給作業が終了した後に当該部品のアライメントマークをヘッド上部光路変換手段を介して読み取ることができる。したがって、ヘッドに部品が供給される間に、基板のアライメントマークを読み取ることができるため、ヘッドとステージとの相対位置調整を実行するのに必要な部品および基板のアライメントマークの読み取り処理の時間を短縮することができ、部品を基板へ実装する実装処理において、より一層の生産性の向上を図ることができる。
また、前記撮影手段は、前記ヘッドに保持された位置補正用の基準チップが有する一のアライメントマークを前記ヘッド上部光路変換手段および前記ヘッド下部光路変換手段を介して読み取り、前記制御手段は、前記両光路変換手段を介して読み取った前記一のアライメントマークの位置情報を利用して、前記両光路変換手段の相対位置関係を補正する構成でもよい(請求項10)。
また、前記ヘッドに保持された位置補正用の基準チップが有する一のアライメントマークを前記ヘッド上部光路変換手段および前記ヘッド下部光路変換手段を介して読み取り、前記両光路変換手段を介して読み取った前記一のアライメントマークの位置情報を利用して、前記両光路変換手段の相対位置関係を補正する構成でもよい。
このような構成とすれば、ヘッドに保持された位置補正用の基準チップが有する一のアライメントマークをヘッド上部光路変換手段およびヘッド下部光路変換手段を介して読み取ることで得た当該一のアライメントマークの位置情報を利用して、両光路変換手段の相対位置関係を補正している。したがって、両光路変換手段の相対位置調整の精度を向上させることができ、部品を基板に実装する際の位置精度を向上させることができる。なお、部品を基板に実装する実装処理を所定回数行なうたびに、両光路変換手段の相対位置関係を補正するのが望ましい。このような構成とすれば、実装処理の繰り返しにより、両光路変換手段の相対位置関係に装置の熱膨張などを原因とする誤差が生じたとしても、実装処理を所定回数行うたびに相対位置関係を補正することで、部品を基板に高精度に実装することができる。
また、前記ヘッドは、前記上下方向の軸を中心軸として回転自在に配設され、前記撮影手段は、前記ヘッドに保持された中心軸導出用の基準チップが有するアライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段により光路が変換された方向において読み取り可能に配設され、前記基準チップのアライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段を介して読み取った後に、前記ヘッドを回転させて、再度、当該アライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段を介して読み取り、前記制御手段は、前記ヘッドの回転前と回転後に読み取ったそれぞれの当該アライメントマークの位置情報と、前記ヘッドの回転量とを利用して、前記中心軸を導出する構成でもよい(請求項11)。
また、前記ヘッドは、前記上下方向の軸を中心軸として回転自在に配設され、前記撮影手段を、前記ヘッドに保持された中心軸導出用の基準チップが有するアライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段を介して読み取り可能に配設し、前記撮影手段により、前記基準チップのアライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段を介して読み取った後に、前記ヘッドを回転させて、再度、当該アライメントマークを前記ヘッド下部光路変換手段を介して読み取り、前記ヘッドの回転前と回転後に読み取ったそれぞれの当該アライメントマークの位置情報と、前記ヘッドの回転量とを利用して、前記中心軸を導出する構成でもよい。
このような構成とすれば、ヘッドに保持された中心軸導出用の基準チップの複数のアライメントマークのうち、少なくとも2個のアライメントマークをヘッド下部光路変換手段を介して読み取った後に、ヘッドを所定角度だけ回転させて、再度、当該アライメントマークをヘッド下部光路変換手段を介して読み取り、ヘッドの回転前と回転後に読み取ったそれぞれの当該アライメントマークの位置情報と、ヘッドの回転量とを利用して、ヘッドの回転中心軸を導出している。すなわち、2個のアライメントマークのヘッド回転前のX−Y方向の座標情報と回転後のX−Y方向の座標情報と、ヘッドのθ方向の回転角度からヘッドの中心軸を導出している。したがって、ヘッドの回転軸を導出することで、ヘッドとステージとの回転方向についての相対位置調整を高精度に実行することができる。また、部品を基板に実装する実装処理の繰り返しにより、ヘッドやステージ間の相対位置関係に装置の熱膨張などを原因とする誤差が生じたとしても、ヘッドの回転軸を導出することで、ヘッドとステージとの回転方向についての相対位置調整を高精度に実行することができる。
請求項1、12に記載の発明によれば、ヘッド上部光路変換手段およびヘッド横部光路変換手段を設けることで、1個の撮影手段で部品および基板のアライメントマークを読み取って、ヘッドとステージとの相対位置調整を高精度に行うことができるので、高価な撮影手段を2個設ける必要が無く、コストダウンが可能になる。また、1個の撮影手段のみで部品を基板に高精度に実装できるため、従来、必要であった2個の撮影手段どうしの相対位置関係を補正する処理が必要なく、当該補正処理のために部品を基板に実装する実装処理を中断する必要がないため、生産性の向上を図ることができる。
また、ヘッドに部品を供給しつつ、撮影手段によりステージに保持された基板のアライメントマークをヘッド横部光路変換手段を介して読み取ることができる。すなわち、ヘッドへの部品の供給作業が終了するまでに、基板のアライメントマークを読み取って、その後、部品のヘッドへの供給作業が終了した後に、ステージを移動して基板をヘッドの下方に移動しつつ、当該部品のアライメントマークをヘッド上部光路変換手段を介して読み取ることができる。したがって、ヘッドに部品が供給される間に、基板のアライメントマークを読み取ることができるため、ヘッドとステージとの相対位置調整を実行するのに必要な部品および基板のアライメントマークの読み取り処理の時間を短縮することができ、部品を基板へ実装する実装処理において、より一層の生産性の向上を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、一の実装領域へ所定数の部品を実装する前に、まず、2個のアライメントマークの位置情報より基板のθ方向を含めた初期位置情報を得た後は、各々の実装位置の1個のアライメントマークの位置情報から実装位置のX−Y方向の位置情報を得るのみで、部品を各々の実装位置へ高精度に実装できるため、部品を各々の実装位置へ実装するたびに2個のアライメントマークを読み取る必要がなく、実装処理の速度を向上させることができ、より一層の生産効率の向上を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、基板の一のアライメントマークをヘッド横部光路変換手段を介して読み取った後に、ステージを横方向に移動することで、当該アライメントマークをヘッド上部光路変換手段を介して読み取り、両光路変換手段を介して読み取った当該アライメントマークの位置情報と、ステージの移動量とを利用して、両光路変換手段とステージとの相対位置関係を補正しているため、ヘッドとステージとの相対位置調整の精度を向上させることができ、部品を基板に実装する際の位置精度を向上させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、部品を実装面に実装する実装処理中に、基板上の一のアライメントマークを読み取ることで、両光路変換手段とステージとの相対位置関係を補正することができ、実装処理を中断せずに当該補正処理を実行することがきるため、実装位置精度の向上とともに、生産効率の向上を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、中心軸導出用の基準チップが有する2個のアライメントマークのヘッド回転前の座標と回転後の座標と、ヘッドの回転角度からヘッドの中心軸を導出することで、ヘッドとステージとの回転方向についての相対位置調整を高精度に実行することができる。
請求項6、9に記載の発明によれば、ヘッドに部品を供給しつつ、撮影手段によりステージに保持された基板のアライメントマークをヘッド横部光路変換手段またはヘッド下部光路変換手段を介して読み取ることができる。すなわち、ヘッドへの部品の供給作業が終了するまでに、基板のアライメントマークを読み取って、その後、部品のヘッドへの供給作業が終了した後に当該部品のアライメントマークをヘッド上部光路変換手段を介して読み取ることができる。したがって、ヘッドに部品が供給される間に、基板のアライメントマークを読み取ることができるため、ヘッドとステージとの相対位置調整を実行するのに必要な部品および基板のアライメントマークの読み取り処理の時間を短縮することができ、部品を基板へ実装する実装処理において、より一層の生産性の向上を図ることができる。
請求項7,8、13、14に記載の発明によれば、ヘッド上部光路変換手段およびヘッド下部光路変換手段を設けることで、1個の撮影手段で部品および基板のアライメントマークを読み取って、ヘッドとステージとの相対位置調整を高精度に行うことができるので、高価な撮影手段を2個設ける必要が無く、コストダウンが可能になる。また、1個の撮影手段のみで部品を基板に高精度に実装できるため、従来、必要であった2個の撮影手段どうしの相対位置関係を補正する処理が必要なく、当該補正処理のために部品を基板に実装する実装処理を中断する必要がないため、生産性の向上を図ることができる。
また、請求項7,13に記載の発明によれば、ヘッドに部品を供給しつつ、撮影手段によりステージに保持された基板のアライメントマークをヘッド上部光路変換手段を介して読み取ることができる。すなわち、ヘッドへの部品の供給作業が終了するまでに、基板のアライメントマークを読み取って、その後、部品のヘッドへの供給作業が終了した直後にステージを移動させることなく部品供給手段に設けられた下部光路変換手段を介して当該部品のアライメントマークを読み取ることができる。
また、請求項8,14によれば、部品および基板が上面または下面のいずれにアライメントマークを有している場合であっても、部品および基板のアライメントマークを、ヘッド上部光路変換手段およりヘッド下部光路変換手段のいずれかで読み取ることで、ヘッドとステージとの相対位置調整を行なって、部品を基板に高精度に実装することができる。
請求項10に記載の発明によれば、ヘッドに保持された位置補正用の基準チップが有する一のアライメントマークをヘッド上部光路変換手段およびヘッド下部光路変換手段を介して読み取ることで得た当該一のアライメントマークの位置情報を利用して、両光路変換手段の相対位置関係を補正するため、両光路変換手段の相対位置調整の精度を向上させることができ、部品を基板に実装する際の位置精度を向上させることができる。
請求項11に記載の発明によれば、中心軸導出用の基準チップが有する2個のアライメントマークのヘッド回転前の座標と回転後の座標と、ヘッドの回転角度からヘッドの中心軸を導出することで、ヘッドとステージとの回転方向についての相対位置調整を高精度に実行することができる。
<第1実施形態>
この発明の第1実施形態について図1ないし図4を参照して説明する。図1はこの発明にかかる実装装置の第1実施形態を示す図、図2は図1に示す実装装置のステージの平面図、図3は図1に示す実装装置の動作説明図、図4は図1に示す実装装置のヘッドの中心軸の導出方法の説明図である。図1に示す接合装置1では、ヘッド7が保持する一方の被接合物であり、アライメントマーク20aを有する部品20と、ヘッド7に対向して配置されたステージ10が保持する他方の被接合物であるアライメントマーク22aを有する基板22とを、アライメントマーク20a,22aの位置情報を利用して相対位置調整を行なった後に、加圧制御が可能な加圧装置50によって部品20を基板22の実装面に設けられた実装位置22a2に実装している。
図1に示すように、実装装置1は、ヘッド7と、ステージ10と、ヘッド7の上方に設けられ光路を変換するミラーやプリズム等で構成されるヘッド上部光路変換手段8と、ヘッド7の横に固定配置され光路を変換するミラーやプリズム等で構成されるヘッド横部光路変換手段9と、ヘッド7の下方に設けられ光路を変換するミラーやプリズム等で構成されるヘッド下部光路変換手段11と、各光路変換手段8,9,11を介してアライメントマーク20a,22aを読み取り可能に構成された1個のカメラ2(本発明の「撮影手段」に相当)と、カメラ2で読み取ったアライメントマーク20a,22aの位置情報を照合してヘッド7とステージ10との相対位置調整を行なう制御器3(本発明の「制御手段」に相当)とを備えている。なお、図1の(a)は実装装置1の平面図、(b)は正面図、(c)は(a)の左側面図である。
また、図1(a)、(b)に示すように、制御器3の制御信号により、ステージ10は図中矢印X−Y方向(水平面)に移動可能に構成されている。また、同様に、ヘッド7は矢印Z方向(上下方向)に移動可能であって、矢印θ方向(回転方向)に回転可能に構成されている。また、同図(a)、(c)に示すように、カメラ2は図中矢印CY,CX方向(垂直面)に移動可能であって、矢印F方向(焦点方向)に移動可能に構成されており、制御器3の制御信号により各光路変換手段8,9,11に対向する位置に移動して、当該光路変換手段8,9,11を介してアライメントマーク20a,22aを読み取り可能に構成されている。そして、制御器3は、ステージ10およびカメラ2を適宜移動制御して、カメラ2で読み取って得たアライメントマーク20a,22aの位置情報を照合し、該照合結果に基づいてヘッド7とステージ10とを移動させて、部品20と基板22との相対位置調整を行なうことができるように構成されている。
なお、本実施形態では、ヘッド上部光路変換手段8およびヘッド横部光路変換手段9が下方からの光路を変換する方向と、ヘッド下部光路変換手段11が上方からの光路を変換する方向は同一方向、すなわち、カメラ2が配設された方向に光路を変換するように構成されている。これは、以下で説明する実施形態でも同様である。
次に、図2を参照して、ステージ10について説明する。図2に示すように、ステージ10には光路をカメラ2に向けて変換するヘッド下部光路変換手段11が配設されている。また、ステージ10上面の図中右側には基板22に実装する部品20を載置可能にチップトレイ12が設けられている。また、ステージ10上面の図中左側にはステージ10に吸着されることで基板22が載置されている。また、基板の実装面には少なくとも1つの実装領域22a1が設けられ、実装領域22a1には、部品20が実装され、それぞれ少なくとも1個のアライメントマーク22aを有する複数の実装位置22a2が設けられている。
次に、図3を参照して、部品20を基板22に実装する実装処理について説明する。なお、図3は実装装置1の正面図であって、(a)〜(f)はそれぞれ異なる状態を示している。また、図3では、制御器3およびカメラ2の図示を省略している。この実施形態では、制御器3は、基板22の実装面に設けられた一の実装領域22a1に所定数の部品20を実装する際に、最初に、実装領域22a1が有する2個のアライメントマーク22aを読み取った位置情報により基板22の初期位置計測処理を1回行うことで、基板22の初期位置情報、すなわち、実装面に平行なX−Y方向および実装面に直交する軸を回転軸とするθ方向の位置情報を得ている。
その後、実装領域22a1内の一の実装位置22a2の1個のアライメントマーク22aの位置情報から当該実装位置22a2のX−Y方向の位置情報を得ることで、当該実装位置22a2の位置情報と、実装位置22a2に実装される部品20のアライメントマーク20aの位置情報と、基板22の初期位置情報とを照合して、部品20の当該実装位置22a2に対する相対位置調整を行なって部品20を当該実装位置22a2へ実装する実装処理を実行し、部品20を当該実装位置22a2に高精度に実装している。そして、この実装処理を繰り返すことにより、一の実装領域22a1内に所定数の部品20を実装している。
また、部品20を基板22の実装面に実装する実装処理中、実装処理が所定の回数実行されるごとに、基板22の一のアライメントマーク22aをヘッド横部光路変換手段9を介して読み取った後に、ステージ10を横方向(X方向)に移動することで、当該アライメントマーク22aをヘッド上部光路変換手段8を介して読み取り、両光路変換手段8,9を介して読み取った当該アライメントマーク22aの位置情報と、ステージ10の移動量とを利用して、両光路変換手段8,9とステージ10との相対位置関係を補正している。
続いて、上記した補正処理を行なった後に、部品20を基板22に高精度に実装する実装処理について図1および図2も参照して具体的に説明する。図3(a)に示すように、制御器3から制御信号によりチップトレイ12がヘッド7の下に位置するようにステージ10を移動した後、ヘッド7を矢印DWの方向に下降させて、部品20をヘッド7で吸着保持する。次に(b)に示すように、ヘッド7を矢印UPの方向に上昇させ、カメラ2をヘッド上部光路変換手段8に対向する位置に移動させてヘッド7に吸着保持された部品20が有するアライメントマーク20aを読み取る。
そして、図3(c)に示すようにステージ10を矢印MRの方向に移動させ、カメラ2をヘッド横部光路変換手段9に対向する位置に移動させることで、ヘッドに吸着保持された部品20を実装する基板22の実装位置22a2が有するアライメントマーク22aを読み取る。次に(d)に示すように、読み取ったアライメントマーク20a,22aの位置情報に基づいて、ヘッド7を矢印θ方向に回転し、ステージ10を矢印AL方向(X−Y方向)に移動して相対位置調整(アライメント)を実行し、部品20と実装位置22a2との相対位置調整を行なう。
続いて、図3(e)に示すように、ヘッド7を矢印DWの方向に下降させて、加圧装置50により部品20を実装位置22a2に実装する。この実施形態では、熱硬化型接着剤を用いて、ステージ10に内蔵されたヒータ(図示省略)により基板を加熱した状態で部品を実装し、部品20を基板22に接着して仮固定している。最後に(f)に示すように、ヘッド7を矢印UPの方向に上昇させることで、1回の実装処理が終了する。このような実装処理を繰り返し実装することで、所定数の部品20を基板22の実装面に実装することができる。そして、所定数の部品20の基板22への実装処理が終了した後、リフロー装置等の加熱手段で過熱することで部品20を基板22の実装面に本固定している。
なお、ステージ10に内蔵されたヒータにより基板を過熱する場合、熱硬化型接着剤が本硬化する程度に加熱すると、部品20が未実装の実装位置22a2の熱硬化型接着剤も硬化する。これを防止するため、赤外光をヘッド上部光路変換手段8を介して部品20に照射することで部品側から加熱することもできる。このような構成とすれば、他の実装位置22a2の熱硬化型接着剤を硬化させることなく、部品20を基板22上に本固定することができる。
なお、この実施形態では、部品20と基板22との接合に熱硬化型接着剤を利用したが、部品20と基板22との接合方法については、これに限られず、光硬化接着剤や周知の方法を用いて接合することができる。光硬化型接着材を利用する場合は、赤外光の代わりにヘッド上部光路変換手段8を介して紫外光等を入射することで光硬化型接着剤を硬化させて部品20を基板22に固定することができる。また、部品20をアライメントマーク20aの向きが下向きになるいわゆるフェイスダウン供給する場合には、部品20のアライメントマーク20aをヘッド下部光路変換手段11を介して読み取ることで、部品20を基板22に高精度に実装することができる。
次に、図4を参照して、ヘッド7の回転中心軸を導出する方法について説明する。図4(a)〜(d)は種々の基準チップ20b〜20eを示し、(e)は回転軸を導出する方法を示している。同図(a)は位置補正用の基準チップ20bであって、透光性の部材にアライメントマーク20b1が設けられたもので、基準チップ20bの上面および下面のいずれからもアライメントマーク20b1を読み取ることができる。また、(b)は位置補正用の基準チップ20cであって、非透光性の部材にアライメントマークとして透孔20c1が設けられたもので、基準チップ20cの上面および下面のいずれからも透孔20c1を読み取ることができる。また、(c)は位置補正用の基準チップ20であって、非透光性の部材の上面および下面に互いの相対位置関係が正確に把握されたアライメントマーク20d1が設けられたものである。また、(d)回転軸導出用の基準チップ20eであって、下面にアライメントマーク20e1が設けられたものである。なお、基準チップとしては上記したものに限られず、アライメントマーク20aを有する部品20を用いてもよい。
図4(e)に示すように、図示省略したカメラ2をヘッド下部光学路変換手段に対向する位置に移動させた後、まず、ヘッド7に保持された中心軸導出用の部品20(基準チップ)の複数のアライメントマーク20aのうち、少なくとも1個のアライメントマーク20aをヘッド下部光路変換手段を介して読み取る。そして、ヘッド7を所定角度だけ回転させて、再度、当該アライメントマーク20aをヘッド下部光路変換手段11を介して読み取り、ヘッド7の回転前と回転後に読み取ったそれぞれの当該アライメントマーク20aの位置情報と、ヘッド7の回転量とを利用して、ヘッドの回転中心軸を導出している。
すなわち、当該アライメントマーク20aのヘッド7の回転前のX−Y方向の座標情報と回転後のX−Y方向の座標情報と、ヘッド7のθ方向の回転角度からヘッド7の中心軸を導出している。したがって、ヘッド7の回転軸を導出することで、ヘッド7とステージ10との回転方向についての相対位置調整を高精度に実行することができる。なお、基準チップとしては、上記した種々の基準チップ20b〜20e(特に基準チップ20eが適する)を利用することができる。また、以下に説明する実施形態についても同様の基準チップ20b〜20eを用いることができる。
また、この実施形態では、図4(a)〜(c)に示す位置補正用の基準チップ20b〜20dのいずれかを用いることで、ヘッド7に保持された位置補正用の基準チップ20b〜20dが有する一のアライメントマーク20b1〜20d1をヘッド上部光路変換手段8およびヘッド下部光路変換手段11を介して読み取り、両光路変換手段8,11を介して読み取った前記一のアライメントマーク20b1〜20d1の位置情報を利用して、両光路変換手段8,11の相対位置関係を補正している。
すなわち、ヘッド7に保持された位置補正用の基準チップ20b〜20dが有する一のアライメントマーク20b1〜20d1をヘッド上部光路変換手段8およびヘッド下部光路変換手段11を介して読み取ることで得た当該一のアライメントマーク20b1〜20d1の位置情報を利用して、両光路変換手段8,11の相対位置関係を補正することで、両光路変換手段8,11の相対位置調整の精度を向上させている。
そして、制御器3は、上述したように求めたヘッド7の回転軸および両光路変換手段8,11の相対位置関係より、ヘッド下部光路変換手段11を介して部品20の下面画像から導出した回転軸の位置が、ヘッド上部光路変換手段8を介して部品20の上面を読み取る際に、当該上面画像のどの位置に対応するのかを算出している。すなわち、ヘッド下部光路変換手段11を介した部品20の下面映像の位置情報から得たヘッド7の中心軸が、ヘッド上部光路変換手段8を介して部品20の上面を撮影した上面画像のどの位置に対応するのかを算出している。したがって、より高精度に部品20と基板22との相対位置調整を実行することができる。
以上のように、この実施形態では、ヘッド上部光路変換手段8およびヘッド横部光路変換手段9を設けることで、1個のカメラ2で部品20および基板22のアライメントマーク20a,22aを読み取って、ヘッド7とステージ10との相対位置調整を高精度に行うことができるので、高価なカメラ2を2個設ける必要が無く、コストダウンが可能になる。また、1個のカメラ2のみで部品20を基板22に高精度に実装できるため、従来、必要であった2個のカメラ2どうしの相対位置関係を補正する処理が必要なく、当該補正処理のために部品20を基板22に実装する実装処理を中断する必要がないため、生産性の向上を図ることができる。
また、1個のカメラ2で部品20および基板22のアライメントマーク20a,22aを読み取っているため、従来の実装装置のように、2個のカメラの相対位置関係に誤差が生じることによる位置精度の劣化が生じないため、部品20と基板22との相対位置調整精度の向上を図ることができる。
また、一の実装領域22a1へ所定数の部品20を実装する前に、まず、2個のアライメントマーク22aの位置情報より基板22のθ方向を含めた初期位置情報を得た後は、各々の実装位置22a2の1個のアライメントマーク22aの位置情報から実装位置22a2のX−Y方向の位置情報を得るのみで、部品20を各々の実装位置22a2へ高精度に実装できるため、部品20を各々の実装位置22a2へ実装するたびに2個のアライメントマーク22aを読み取る必要がなく、実装処理の速度を向上させることができ、より一層の生産効率の向上を図ることができる。
また、基板22の一のアライメントマーク22aをヘッド横部光路変換手段9を介して読み取った後に、ステージ10を矢印X方向に移動することで、当該アライメントマーク22aをヘッド上部光路変換手段8を介して読み取り、両光路変換手段8,9を介して読み取った当該アライメントマーク22aの位置情報と、ステージ10の移動量とを利用して、両光路変換手段8,9とステージ10との相対位置関係を補正しているため、ヘッド8とステージ10との相対位置調整の精度を向上させることができ、部品20を基板22に実装する際の位置精度を向上させることができる。
また、部品20を基板22の実装面に実装する実装処理中に、基板22上の一のアライメントマーク22aを読み取ることで、両光路変換手段8,9とステージ10との相対位置関係を補正することができ、実装処理を中断せずに当該補正処理を実行することがきるため、実装位置精度の向上とともに、生産効率の向上を図ることができる。
また、中心軸導出用の基準チップ20e(部品20)が有する2個のアライメントマーク20e1(アライメントマーク20a)のヘッド7回転前のX−Y方向の座標と回転後のX−Y方向の座標と、ヘッド7のθ方向の回転角度からヘッド7の中心軸を導出することで、ヘッド7とステージ10との回転方向についての相対位置調整を高精度に実行することができる。
また、ヘッド7に保持された位置補正用の基準チップ20b〜20dが有する一のアライメントマーク20b1〜20d1をヘッド上部光路変換手段8およびヘッド下部光路変換手段11を介して読み取ることで得た当該一のアライメントマーク20b1〜20d1の位置情報を利用して、両光路変換手段8,11の相対位置関係を補正するため、両光路変換手段8,11の相対位置調整の精度を向上させることができ、部品20を基板22に実装する際の位置精度を向上させることができる。
また、ヘッド上部光路変換手段8とヘッド横部光路変換手段を同じ高さ(Z方向の位置)に配設しているため、カメラ2を左右(X方向)方向に移動するのみで、カメラ2の位置を、ヘッド上部光路変換手段8に対向する位置と、ヘッド横部光路変換手段に対向する位置との間で切り換えることができ、アライメントマーク20a,22aの読み取り処理に要する時間を短縮することができるので、より一層の生産効率の向上を図ることができる。なお、ヘッド上部光路変換手段8とヘッド横部光路変換手段とを異なる高さに配設してもよい。
<第2実施形態>
続いて、図5および図6を参照して本発明の第2実施形態について説明する。図5はこの発明にかかる実装装置の第2実施形態を示す図、図6は図5の実装装置の動作説明図である。この実施形態における実装装置101が、上記第1実施形態と大きく相違する点は、ヘッド7への部品20の供給を部品供給装置160を用いて行なっている点である。なお、その他の構成および動作は上記第1実施形態と同様であるため、同一符号および相当符号を付してその構成および動作の説明を省略し、以下、上記第1実施形態と異なる点を中心に図1も参照して説明する。
図5に示すように、本実施形態では部品供給装置160を用いてチップトレイ112から部品20をヘッド7に供給している。図5(a)は部品20のアライメントマーク20aを上向きにヘッド7に供給する、いわゆるフェイスアップ供給を行なう部品供給装置160を示し、(b)は部品20のアライメントマーク20aを下向きにヘッド7に供給する、いわゆるフェイスダウン供給を行なう部品供給装置160を示している。なお、図示省略するが、部品供給装置160は制御器3により制御可能に構成されている。
次に、図5(a)を参照して部品供給装置160の構成および動作について説明する。同図(a)に示すように、部品供給装置160は部品搬送器具161,162を備えている。まず、部品搬送器具161によりチップトレイ112上の部品20を吸着保持し、部品20の向きを上下反転させた後に当該部品20を部品搬送器具162に搬送する。
そして、部品搬送器具161が吸着保持している部品20を部品搬送器具162が吸着保持し、部品20の向きを再度、上下反転させた後に当該部品20をヘッド7へ搬送する。最後に、部品搬送器具162に搬送された部品20をヘッド7が吸着保持することで、部品20のフェイスアップ供給処理が終了する。
次に、図5(b)を参照して部品供給装置160の構成および動作について説明する。同図(b)に示すように、部品供給装置160は部品搬送器具161を備えている。まず、部品搬送器具161によりチップトレイ112上の部品20を吸着保持し、部品20の向きを上下反転させた後に当該部品20をヘッド7へ搬送する。そして、部品搬送器具161に搬送された部品20をヘッド7が吸着保持することで、部品20のフェイスダウン供給が終了する。
このように、部品供給装置160は、部品20をヘッド7にフェイスアップ供給することもできるし、フェイスダウン供給することもできる。
なお、部品20をチップトレイ112から取り出す方法は上述したように個別のチップをチップトレイ112上からピックアップする方法の他に、ダイシングされたウエハーのチップ(部品)を部品持上部材で下方から突き上げることでチップをピックアップしてもよく、どのような部品供給方法であってもよい。
続いて、上記した部品供給装置160を備えた実装装置101が部品20を基板22に実装する実装処理について図6を参照して具体的に説明する。図6(a)に示すように、制御器3から制御信号によりステージ110がヘッド横部光路変換手段9の下に位置するようにステージ110を移動した後、カメラ2をヘッド横部光路変換手段9に対向する位置に移動させてステージ110に保持された基板22の一の実装位置22a2のアライメントマーク22aを読み取る。これと同時に、部品供給装置160により、部品20がヘッド7に供給される。
そして、図6(b)に示すようにステージ110を矢印MRの方向に移動させ、カメラ2をヘッド上部光路変換手段8に対向する位置に移動させることで、ヘッド7に吸着保持された部品20のアライメントマーク20aを読み取る。次に(c)に示すように、読み取ったアライメントマーク20a,22aの位置情報に基づいて、ヘッド7を矢印θ方向に回転し、ステージ110を矢印AL方向(X−Y方向)に移動して相対位置調整(アライメント)を実行し、部品20と実装位置22a2との相対位置調整を行なう。
続いて、図6(d)に示すように、ヘッド7を矢印DWの方向に下降させて、加圧装置50により部品20を実装位置22a2に実装する。この実施形態では、熱硬化型接着剤を用いて、ステージ110に内蔵されたヒータ(図示省略)により基板を加熱した状態で部品を実装し、部品20を基板22に接着して仮固定している。最後に(e)に示すように、ヘッド7を矢印UPの方向に上昇させることで、1回の実装処理が終了する。このような実装処理を繰り返し実装することで、所定数の部品20を基板22の実装面に実装することができる。
なお、部品供給装置160を用いて部品20をフェイスダウン供給する場合には、部品20のアライメントマーク20aをヘッド下部光路変換手段111を介して読み取ることで、部品20を基板22に高精度に実装することができる。
以上のように、この実施形態では、上記第1実施形態の作用効果に加え、ヘッド7に部品20を供給しつつ、カメラ2によりステージ110に保持された基板22のアライメントマーク22aをヘッド横部光路変換手段9を介して読み取ることができる。すなわち、ヘッド7への部品20の供給作業が終了するまでに、基板22のアライメントマーク22aを読み取って、その後、部品20のヘッド7への供給作業が終了した後に当該部品20のアライメントマーク20aをヘッド上部光路変換手段8を介して読み取ることができる。したがって、ヘッド7に部品20が供給される間に、基板22のアライメントマーク22aを読み取ることができるため、ヘッド7とステージ110との相対位置調整を実行するのに必要な部品20および基板22のアライメントマーク20a,22aの読み取り処理の時間を短縮することができ、部品20を基板22へ実装する実装処理において、より一層の生産性の向上を図ることができる。一例として、従来、1個の部品20を基板22に実装するのに約2.5秒の時間が必要であったが、本実施形態では、1個の部品を基板に実装するのに必要な時間を約1.8秒に短縮することができた。
また、本実施形態において、部品供給装置160によって部品20をヘッド7へ供給する間(約0.8秒)に基板22のアライメントマーク22aを2個読み取ることはできないが、1個のアライメントマーク22aは読み取ることができる。したがって、本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、まず、基板22の2個のアライメントマーク22aを読み取ることで、基板22の初期位置情報を得ておき、その後、基板22の1個のアライメントマーク22aを読み取って部品20を基板22に高精度に実装することで、より一層の生産効率の向上を図ることができる。
また、本実施形態において、光路変換手段8,9を2個設けることで、従来、同時に実行できなかった、例えば、部品20供給処理と基板22のアライメントマーク22a読み取り処理を同時に実行することが可能になり、生産効率のより一層の向上を図ることができる。
<第3実施形態>
続いて、図7および図8を参照して本発明の第3実施形態について説明する。図7はこの発明にかかる実装装置の第3実施形態を示す図、図8は図7の実装装置の動作説明図である。この実施形態における実装装置201が、上記第1実施形態と大きく相違する点は、図7および図8に示すように、ヘッド横部光路変換手段9が設けられておらず、ヘッド7への部品20の供給がいわゆるアライメントマーク20aの向きを下向きにしたフェイスダウン供給で行なわれている点である。なお、その他の構成および動作は上記第1実施形態と同様であるため、同一符号および相当符号を付してその構成および動作の説明を省略し、以下、上記第1および第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
図8(a)に示すように、制御器3から制御信号によりステージ10がヘッド上部光路変換手段8の下に位置するようにステージ10を移動した後、カメラ2をヘッド上部光路変換手段8に対向する位置に移動させてステージ10に保持された基板22の一の実装位置22a2のアライメントマーク22aを読み取る。
そして、図8(b)に示すように、制御器3からの制御信号によりステージ10がヘッド上部光路変換手段8の下に位置するようにステージ10を矢印MLの方向に移動した後、ヘッド7を矢印DWの方向に下降させてヘッド7により部品20を吸着保持する。次に(c)に示すように、ヘッド下部光路変換手段11がヘッド7の下に位置するようにステージ10を矢印MRの方向に移動した後、カメラ2をヘッド下部光路変換手段11に対向する位置に移動させることで、ヘッド7に吸着保持された部品20のアライメントマーク20aを読み取る。
続いて、図8(d)に示すように、読み取ったアライメントマーク20a,22aの位置情報に基づいて、ヘッド7を矢印θ方向に回転し、ステージ10を矢印AL方向(X−Y方向)に移動して相対位置調整(アライメント)を実行し、部品20と実装位置22a2との相対位置調整を行なう。次に(e)に示すように、ヘッド7を矢印DWの方向に下降させて、加圧装置50により部品20を実装位置22a2に実装する。この実施形態では、熱硬化型接着剤を用いて、ステージ10に内蔵されたヒータ(図示省略)により基板を加熱した状態で部品を実装し、部品20を基板22に接着して仮固定している。
最後に(f)に示すように、ヘッド7を矢印UPの方向に上昇させることで、1回の実装処理が終了する。このような実装処理を繰り返し実装することで、所定数の部品20を基板22の実装面に実装することができる。なお、部品20をアライメントマーク20aの向きが上向きになるいわゆるフェイスアップ供給する場合には、部品20のアライメントマーク20aをヘッド上部光路変換手段8を介して読み取ることで、部品20を基板22に高精度に実装することができる。
以上のように、この実施形態では、上記第1実施形態の作用効果に加え、部品20の上面または下面のいずれにアライメントマーク20aが設けられている場合であっても、ヘッド上部光路変換手段8およびヘッド下部光路変換手段11を介して当該アライメントマーク20aを読み取ることで、部品20の位置情報と、基板22の位置情報とを照合して、ヘッド7とステージ10との相対位置調整を行なうことができる。したがって、部品20が上面または下面のいずれにアライメントマーク20aを有している場合であっても、部品20のアライメントマーク20aを、両光路変換手段8,11のいずれかで読み取ることで、ヘッド7とステージ10との相対位置調整を行なって、部品20を基板22に高精度に実装することができる。
なお、上記第2実施形態における部品供給装置160を本実施形態で採用してもよいことは言うまでもない。
<第4実施形態>
続いて、図9および図10を参照して本発明の第4実施形態について説明する。図9はこの発明にかかる実装装置の第4実施形態を示す図、図10は図9の実装装置の動作説明図である。この実施形態における実装装置301が、上記第3実施形態と大きく相違する点は、図9および図10に示すように、ヘッド下部光路変換手段311がステージ310の下方に設けられている点であり、ステージ310の下部からヘッド下部光路変換手段311を介して基板22のアライメント22aが読み取り可能にステージ310が構成されている点である。なお、その他の構成および動作は上記第1および第3実施形態と同様であるため、同一符号および相当符号を付してその構成および動作の説明を省略し、以下、上記第1ないし第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
図10(a)に示すように制御器3からの制御信号によりステージ310がヘッド上部光路変換手段8の下に位置するようにステージ310を移動した後、ヘッド7を矢印DWの方向に下降させてヘッド7により部品20を吸着保持する。次に(b)に示すように、ヘッド下部光路変換手段11の上方に基板22が位置するようにステージ310を矢印MRの方向に移動させた後、カメラ2をヘッド下部光路変換手段311に対向する位置に移動させてステージ310に保持された基板22の一の実装位置22a2のアライメントマーク22aを読み取る。その後、カメラ2をヘッド上部光路変換手段8に対向する位置に移動させることで、ヘッド7に吸着保持された部品20のアライメントマーク20aを読み取る。
続いて、図10(c)に示すように、読み取ったアライメントマーク20a,22aの位置情報に基づいて、ヘッド7を矢印θ方向に回転し、ステージ310を矢印(X−Y方向)方向に移動して相対位置調整(アライメント)を実行し、部品20と実装位置22a2との相対位置調整を行なう。次に(d)に示すように、ヘッド7を矢印DWの方向に下降させて、加圧装置50により部品20を実装位置22a2に実装する。この実施形態では、熱硬化型接着剤を用いて、ステージ310に内蔵されたヒータ(図示省略)により基板を加熱した状態で部品を実装し、部品20を基板22に接着して仮固定している。
最後に(d)に示すように、ヘッド7を矢印UPの方向に上昇させることで、1回の実装処理が終了する。このような実装処理を繰り返し実装することで、所定数の部品20を基板22の実装面に実装することができる。なお、部品20をアライメントマーク20aの向きが下向きになるいわゆるフェイスダウン供給する場合には、部品20のアライメントマーク20aをヘッド下部光路変換手段8を介して読み取ることで、部品20を基板22に高精度に実装することができる。また、基板22のアライメントマーク22aが上向きになるように基板22がステージ310に載置された場合には、基板22のアライメントマーク22aをヘッド上部光路変換手段8を介して読み取ることで、部品20を基板22に高精度に実装することができる。
以上のように、この実施形態では、上記第1実施形態の作用効果に加え、部品20および基板22の上面または下面のいずれにアライメントマーク20aが設けられている場合であっても、ヘッド上部光路変換手段8およびヘッド下部光路変換手段311を介して当該アライメントマーク20a,22aを読み取ることで、部品20の位置情報と、基板22の位置情報とを照合して、ヘッド7とステージ10との相対位置調整を行なうことができる。したがって、部品20および基板22が上面または下面のいずれにアライメントマーク20a,22aを有している場合であっても、部品20および基板22のアライメントマーク20a,22aを、両光路変換手段8,311のいずれかで読み取ることで、ヘッド7とステージ310との相対位置調整を行なって、部品20を基板22に高精度に実装することができる。
<第5実施形態>
続いて、図11を参照して本発明の第5実施形態について説明する。図11はこの発明にかかる実装装置の第5実施形態を示す図である。この実施形態における実装装置401が、上記第4実施形態と大きく相違する点は、上記第2実施形態と同様に、ヘッド7への部品20の供給を部品供給装置160を用いて行なっている点である。なお、その他の構成および動作は上記第4実施形態と同様であるため、同一符号および相当符号を付してその構成および動作の説明を省略し、以下、上記第1ないし第4実施形態と異なる点を中心に図5も参照して説明する。
図11(a)に示すように、制御器3から制御信号により基板22がヘッド下部光路変換手段411の上に位置するようにステージ410を移動した後、カメラ2をヘッド下部光路変換手段411に対向する位置に移動させてステージ410に保持された基板22の一の実装位置22a2のアライメントマーク22aを読み取る。これと同時に、部品供給装置160により、部品20がヘッド7に供給される。
そして、図11(b)に示すように、カメラ2をヘッド上部光路変換手段8に対向する位置に移動させることで、ヘッド7に吸着保持された部品20のアライメントマーク20aを読み取る。次に(c)に示すように、読み取ったアライメントマーク20a,22aの位置情報に基づいて、ヘッド7を矢印θ方向に回転し、ステージ410を矢印AL方向(X−Y方向)に移動して相対位置調整(アライメント)を実行し、部品20と実装位置22a2との相対位置調整を行なう。
続いて、図6(d)に示すように、ヘッド7を矢印DWの方向に下降させて、加圧装置50により部品20を実装位置22a2に実装する。この実施形態では、熱硬化型接着剤を用いて、ステージ410に内蔵されたヒータ(図示省略)により基板を加熱した状態で部品を実装し、部品20を基板22に接着して仮固定している。最後に(e)に示すように、ヘッド7を矢印UPの方向に上昇させることで、1回の実装処理が終了する。このような実装処理を繰り返し実装することで、所定数の部品20を基板22の実装面に実装することができる。
なお、部品供給装置160を用いて部品20をフェイスダウン供給する場合には、部品20のアライメントマーク20aをヘッド下部光路変換手段411を介して読み取ることで、部品20を基板22に高精度に実装することができる。
以上のように、この実施形態では、上記第4実施形態の作用効果に加え、ヘッド7に部品20を供給しつつ、カメラ2によりステージ410に保持された基板22のアライメントマーク22aをヘッド下部光路変換手段411を介して読み取ることができる。すなわち、ヘッド7への部品20の供給作業が終了するまでに、基板22のアライメントマーク22aを読み取って、その後、部品20のヘッド7への供給作業が終了した後に当該部品20のアライメントマーク20aをヘッド上部光路変換手段8を介して読み取ることができる。したがって、ヘッド7に部品20が供給される間に、基板22のアライメントマーク22aを読み取ることができるため、ヘッド7とステージ410との相対位置調整を実行するのに必要な部品20および基板22のアライメントマーク20a,22aの読み取り処理の時間を短縮することができ、部品20を基板22へ実装する実装処理において、より一層の生産性の向上を図ることができる。
<第6実施形態>
続いて、図12および図13を参照して本発明の第6実施形態について説明する。図12は本発明にかかる実装装置の第6実施形態を示す図、図13は図12の実装装置の動作説明図である。この実施形態における実装装置501が、上記した実施形態と大きく相違する点は、図12および図13に示すように、ヘッド下部光路変換手段511が部品供給装置180に設けられている点である。その他の構成および動作は上記した実施形態と同様であるため、同一符号および相当符号を付してその構成および動作の説明を省略し、以下、上記第1ないし第5実施形態と異なる点を中心に説明する。
図12に示すように、実装装置501では、ヘッド7が保持する一方の被接合物であり、アライメントマーク20aを有する部品20と、ヘッド7に対向して配置されたステージ10が保持する他方の被接合物であるアライメントマーク22aを有する基板22とを、アライメントマーク20a,22aの位置情報を利用して相対位置調整を行なった後に、加圧制御が可能な加圧装置50によって部品20を基板22の実装面に設けられた実装位置22a2に実装している。
次に、実装装置501の構成について図12を参照して説明する。図12に示すように、実装装置501は、ヘッド7と、ステージ10と、ヘッド7の上方に設けられ光路を変換するミラーやプリズム等で構成されるヘッド上部光路変換手段8と、ステージ10上面に設けられたチップトレイ12に載置された部品20をヘッド7に供給する部品供給装置180とを備えている。そして、同図(a)、(c)、(d)に示すように、部品供給装置180の先端側(吸着孔181が設けられている側)には光路を変換するミラーやプリズム等で構成されるヘッド下部光路変換手段511が設けられ、各光路変換手段8,511を介してアライメントマーク20a,22aを読み取り可能に構成された1個のカメラ2と、カメラ2で読み取ったアライメントマーク20a,22aの位置情報を照合してヘッド7とステージ10との相対位置調整を行なう制御器3とを備えている。なお、図12の(a)は実装装置501の平面図、(b)は正面図、(c)はの左側面図、(d)は部品供給装置180の拡大図である。
また、部品供給装置180には、図12(d)に示すように、チップトレイ12に載置された部品20を吸着可能に吸着孔181が設けられ、吸着孔181を形成する吸引穴182の他端側の吸引口183から真空ポンプ等(図示省略)により吸引することで、当該吸着孔181に部品20を吸着することができるように構成されている。なお、本実施形態では吸着孔181を構成する吸引穴182がヘッド下部光路変換手段511を通るように当該吸引穴182が形成されている。しかしながら、吸着孔181をヘッド下部光路変換手段511よりも内側、すなわち、部品供給装置180の先端から離れた中央寄りの位置に設けることで、吸引穴182がヘッド下部光路変換手段511を通らないようにしてもよい。また、ヘッド下部光路変換手段511を構成するミラーやプリズム等を小型に構成し、吸引穴182を当該ヘッド下部光路変換手段の外側を通るように形成することで、吸引穴182がヘッド下部光路変換手段511を通らないようにしてもよい。なお、吸着孔181は部品供給装置180の外側面のいずれに設けてもよいことは言うまでもない。
また、図12(a)、(b)に示すように、制御器3の制御信号により、ステージ10は図中矢印X−Y方向(水平面)に移動可能に構成されている。また、同様に、ヘッド7は矢印Z方向(上下方向)に移動可能であって、矢印θ方向(回転方向)に回転可能に構成されている。また、同図(a)、(c)に示すように、カメラ2は図中矢印CY,CX方向(垂直面)に移動可能であって、矢印F方向(焦点方向)に移動可能に構成されており、制御器3の制御信号により各光路変換手段8,511に対向する位置に移動して、当該光路変換手段8,511を介してアライメントマーク20a,22aを読み取り可能に構成されている。そして、制御器3は、ステージ10およびカメラ2を適宜移動制御して、カメラ2で読み取って得たアライメントマーク20a,22aの位置情報を照合し、該照合結果に基づいてヘッド7とステージ10とを移動させて、部品20と基板22との相対位置調整を行なうことができるように構成されている。
また、図示省略するが、部品供給装置180は制御器3の制御信号により、矢印X−Y方向(水平面)および矢印Z方向(上下方向)に移動可能であって、吸着孔181の向きを上下反転自在に回転可能に構成されている。このような構成とすれば、図5を参照して説明した部品供給装置160と同様にチップトレイ12から部品20をヘッド7に供給することができる。なお、本実施形態ではステージ10上面にチップトレイ12を設け、当該チップトレイ12に載置された部品20をヘッド7に供給するように構成したが、図5に示すようにステージ10から離れた位置にチップトレイ112を設け、当該チップトレイ112に載置された部品20をヘッド7に供給するようにしてもよい。
また、上記した第1ないし第5実施形態と同様に、ステージ10上面にはステージ10に吸着されることで基板22が載置されている。そして、基板22の実装面には少なくとも1つの実装領域22a1が設けられ、実装領域22a1には、部品20が実装され、それぞれ少なくとも1個のアライメントマーク22aを有する複数の実装位置22a2が設けられている。
次に、図13を参照して、部品20を基板22に実装する実装処理について説明する。なお、図13は実装装置501の正面図であって、(a)〜(f)はそれぞれ異なる状態を示している。また、図13では、制御器3およびカメラ2の図示を省略し、(d)〜(f)では部品供給装置180の図示を省略している。図13(a)に示すように、制御器3から制御信号によりステージ10がヘッド上部光路変換手段8の下に位置するようにステージ10を移動した後、カメラ2をヘッド上部光路変換手段8に対向する位置に移動させてステージ10に保持された基板22の一の実装位置22a2のアライメントマーク22aを読み取る。一方、部品供給装置180はチップトレイ12に載置された部品20の吸着保持する。
そして、図13(b)に示すように、制御器3からの制御信号により部品供給装置180は部品20を反転させてフェイスダウンの状態でヘッド7に供給する。次に(c)に示すように、ヘッド下部光路変換手段511がヘッド7の下に位置するように部品供給装置180を移動した後、カメラ2をヘッド下部光路変換手段511に対向する位置に移動させることで、ヘッド7に吸着保持された部品20のアライメントマーク20aを読み取る。なお、図13(c)では説明が容易なように部品20と部品供給装置180との間が離間するように記載しているが、部品20をヘッド7に供給した後、部品供給装置180をほとんど移動させない状態で、カメラ2をヘッド下部光路変換手段511に対向する位置に移動させて部品20のアライメントマーク20aを読み取るようにしてもよい。
続いて、図13(d)に示すように、読み取ったアライメントマーク20a,22aの位置情報に基づいて、ヘッド7を矢印θ方向に回転し、ステージ10を矢印AL方向(X−Y方向)に移動して相対位置調整(アライメント)を実行し、部品20と実装位置22a2との相対位置調整を行なう。次に(e)に示すように、ヘッド7を矢印DWの方向に下降させて、加圧装置50により部品20を実装位置22a2に実装する。この実施形態では、熱硬化型接着剤を用いて、ステージ10に内蔵されたヒータ(図示省略)により基板を加熱した状態で部品を実装し、部品20を基板22に接着して仮固定している。
最後に(f)に示すように、ヘッド7による部品20に対する吸着を解除し、ヘッド7を矢印UPの方向に上昇させることで、1回の実装処理が終了する。このような実装処理を繰り返し実行することで、所定数の部品20を基板22の実装面に実装することができる。なお、部品20をアライメントマーク20aの向きが上向きになるいわゆるフェイスアップ供給する場合には、部品20のアライメントマーク20aをヘッド上部光路変換手段8を介して読み取ることで、部品20を基板22に高精度に実装することができる。
なお、ヘッド7に部品20を供給するときは、部品供給装置180の図12中の矢印Y方向への移動は規制して動かないようにし、部品供給装置180の同図中の矢印X方向へ移動するのが望ましい。このような構成とすれば、ヘッド下部光路変換手段511のヘッド7下での同図中の矢印Y方向(カメラ2の焦点方向F)における停止位置に誤差が生じるのが防止される。そのため、ヘッド下部光路変換手段511によりカメラ2の方向へ光路変換された部品20のアライメントマーク20aの、当該カメラ2の視野内における上下左右方向(同図中CX、CY方向)の位置に誤差が生じるのを防止できる。したがって、部品20と基板22との相対位置調整(アライメント)する時間の短縮を図ることができ、実装処理の高速化および高精度化を図ることができる。
以上のように、この実施形態では、ヘッド7に部品20を供給しつつ、カメラ2によりステージ10に保持された基板22のアライメントマーク22aをヘッド上部光路変換手段8を介して読み取ることができる。すなわち、ヘッド7への部品20の供給作業が終了するまでに、基板22のアライメントマーク22aを読み取って、その後、部品20のヘッド7への供給作業が終了した直後にステージを移動させることなく部品供給装置180内のヘッド下部光路変換手段511を介して当該部品20のアライメントマーク20aを読み取ることができる。
したがって、第6実施形態によれば、上記した第2実施形態よりさらに時間を短縮することができ、部品20を基板22へ実装する実装処理において、より一層の生産性の向上を図ることができる。
また、ヘッド下部光路変換手段511を部品供給装置180に設けることで、部品20および基板22のアライメントマーク20a,22aの読み取り処理のためのステージ10の移動量を最小限に抑えることができる。部品供給装置180はその構造上、ステージ10よりも小さく、また軽量に構成されているため、部品供給装置180を高精度に移動制御するためのアクチュエータ(モータ等)は、ステージ10を移動制御するためのアクチュエータよりも小型化することができる。また、部品供給装置180は小型・軽量に構成されていることから、ステージ10を移動させる速度よりも部品供給装置180を高速に移動させることができ、さらにステージ10に比べ、より一層、高精度に位置制御を行うことができる。したがって、部品20を基板22に実装する実装処理において、さらなる生産性の向上を図ることができる。
<その他>
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態ではヘッド7とステージ10,110,310,410との回転方向における相対位置調整はヘッド7を回転することで実行したが、ステージ10,110,310,410を回転可能に構成し、ステージ10,110,310,410を回転することで実行してもよい。もちろん、ヘッド7およびステージ10,110,310,410の両方を回転可能に構成することで、ヘッド7およびステージ10,110,310,410の両方を回転させることで、回転方向の位置調整を行なってもよい。
また、ステージ10,110,310,410のみ回転させて、相対位置調整を行うことで次のような効果を奏することもできる。すなわち、テージ10,110,310,410を回転移動することによるθ方向の相対位置調整を行った後も、ヘッド上部光路変換手段8およびヘッド横部光路変換手段9により繰り返して部品20または基板22のアライメントマーク20a,22aを読み取り、高精度に部品20と基板22との相対位置調整を行うことができる。したがって、このように繰返して部品20および基板22間の相対位置調整を行うことで、部品20を基板22へ高精度に実装することができる。
また、部品20および基板22とは被接合物であり、ヘッド7に保持するものが部品20、テーブル10,110,310,410に保持するものが基板22であって、電子部品、プリント基板、光素子、光学部品等、接合する際に相対位置調整を行なう必要な被接合物を本発明にかかる実装装置で実装(接合)することができる。
また、上記した実施形態では、部品20および基板22をヘッド7およびステージ10,110,310,410に保持する方法として、吸着保持方法を採用しているが、保持方法としてはこれに限定されず、外形クランプ、静電チャック等、様々な構成を採用することができる。
また、部品20を基板22に実装する際に、部品20と基板22とを接合する接合方法については、上記したような光硬化型接着剤を利用したり、部品20および基板22が有する金属電極をプラズマ等で処理して、当該金属電極どうしを衝合することで部品20を基板22に実装することができる。
また、部品20および基板22に設けられた配線パターンや金属電極などをアライメントマーク20a,22aとして利用してもよく、アライメントマークは20a,22aは、カメラ2で読み取ることで部品20、基板22および基準チップ20b〜20eの位置情報を得ることができるものであればどのようなものであってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ヘッド下部光路変換手段11,111を備えた実装装置について説明したが、これらのヘッド下部光路変換手段11,111を備えない構成でもよい。
また、上記実施形態では、図示省略した昇降手段により加圧装置50とヘッド7とを一緒に上下動しているが、加圧装置50は固定配置し、加圧装置50によりヘッド7を上下動する構成でもよい。
また、上記した実施形態において、ヘッド上部光路変換手段8を介して基板22のアライメントマーク22aを読み取る際に、ヘッド7に部品20を保持しながら基板22のアライメントマーク22aを読み取ってもよい。この場合、部品20を、カメラ2の撮影領域よりも小さく構成したり、部品20を透光性の部材で構成するのが望ましい。
また、上記した実施形態のそれぞれを任意に組み合わせることで実装装置を構成してももちろんよい。本発明にかかる実装装置を採用することで、例えば部品内蔵基板(エンベデッド基板)からなる基板と内蔵部品の設計仕様に基づいて、部品20および基板22の電極の向きを任意の方向に設定して部品20を基板22に実装可能であり、より複雑な構成の部品内蔵基板を高精度に作成することができる。部品内蔵基板においては部品実装後に基板との再配線を行うため、例えば、基板上マークに合わせて部品上マークを基準に実装する方法や基板下マークに合わせて部品下マークを実装する方法などが考えられる。