JP3732104B2 - フィルタを備えた回路装置およびその作動方法 - Google Patents
フィルタを備えた回路装置およびその作動方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルタとミキサを備えた回路装置ならびにフィルタとミキサを備えた回路装置の作動方法関する。
【0002】
【従来の技術】
高周波技術の場合たとえば移動無線における用途において、フィルタたとえばバンドパスフィルタが中間周波数フィルタとして用いられる。この場合、中間周波数は一般に一定の周波数であり、これは送受信周波数とベースバンドの間あるいは送受信周波数よりも上に位置させることができる。このようなバンドパスフィルタに対しては、低い挿入損失もしくは低いバイアネット損失に関して高度な要求が課される。しかも、前置接続されている回路や後置接続されている回路に対しフィルタをできるかぎり良好に整合させることができるようにする目的で、低いフィルタ入出力インピーダンスが要求される。UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)もしくはWCDMA(Wide-Band Code Division Multiple Access)など最近の高性能の移動無線方式の場合、フィルタたとえばバンドパスフィルタのバイアネット損失や入出力インピーダンスに対する要求はきわめて高い。
【0003】
たとえばタンタル酸リチウム基板上に実現されているフィルタは、挿入損失やインピーダンスに関して良好な特性をもっている。とはいえこのようなテクノロジーは、製造公差がかなり大きいという欠点をもっている。しかも、タンタル酸リチウムテクノロジーに基づく回路もしくは部品は、たとえばバンドパスフィルタにおける中心周波数または3dB遮断周波数など、重要な周波数に関してかなり大きい温度ドリフトをもっている。
【0004】
水晶フィルタたとえばバンドパスフィルタは、中心周波数に関する製造公差が小さく、また、中心周波数の温度ドリフトが小さい。しかし水晶フィルタには、挿入損失もしくはバイアネット損失が高く、しかも入出力インピーダンスが大きいという欠点がある。その際、付加的な増幅段または公差の小さい付加的な整合素子を用いることで水晶フィルタの欠点を相殺できるが、付加的な増幅段を設けることで電流消費が大きくなり、また、実現のためには余分なコストがかかるしスペースも余計に必要とされる。付加的な整合素子によってもやはりコストが大きくなり、もしくは所要スペースが拡大してしまう。移動無線技術においては電流消費や所要面積ならびにコストの低減は、重要な開発目標である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、フィルタとミキサを備えた回路ならびにフィルタとミキサを備えた回路の作動方法において、フィルタ公差を補償できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によればこの課題は、第1および第2の入力側ならびに出力側を備えた第1のミキサと、該第1のミキサの出力側に接続されたフィルタ入力側およびフィルタ出力側を備えたフィルタが設けられており、該フィルタは特性周波数と目標周波数との周波数偏差をもち、フィルタ出力側に接続された第1の入力側と第2の入力側および出力側を備えた第2のミキサと、周波数偏差を表す信号が供給され前記第1のミキサの第2の入力側に接続された第1の周波数発生器と、周波数偏差を表す信号が供給され前記第2のミキサの第2の入力側に接続された第2の周波数発生器が設けられており、前記周波数偏差は、製造に起因する周波数偏差と温度に依存する周波数偏差の和であり、標準温度において前記第1のミキサの第1の入力側に種々の周波数の信号が連続的に印加され前記第2のミキサの出力側で振幅スペクトルが測定されて、前記周波数偏差のうち製造に起因する周波数偏差が求められることにより解決される。さらに本発明の課題は、請求項2記載のフィルタを備えた回路装置ならびに請求項9および請求項10記載のフィルタを備えた回路装置の作動方法によって解決される。
【0007】
さらに上記の課題は、受信周波数をもつ信号と第1の発振周波数をもつ信号を第1のミキサで混合して中間周波信号を生成するステップと、該中間周波信号を、特性周波数と目標周波数との周波数偏差をもつフィルタでフィルタリングするステップと、フィルタリングされた中間周波信号を第2の発振周波数をもつ信号と第2のミキサで混合するステップと、周波数偏差を表す信号を、第1の発振周波数をもつ信号を生成する第1の周波数発生器と第2の発振周波数をもつ信号を生成する第2の周波数発生器とへ供給するステップを有することを特徴とするフィルタを備えた回路装置の作動方法により解決される。
【0008】
【発明の実施の形態】
フィルタは、第1のミキサと第2のミキサとの間に配置されている。このため、フィルタ入力側は第1のミキサの出力側と接続されている。また、フィルタ出力側は第2のミキサの第1の入力側と接続されている。第1のミキサと第2のミキサにより第1の入力側に加わる信号と第2の入力側に加わる信号とが混合され、ここで第2の入力側に加わる信号はそれぞれ1つの周波数発生器において生成されたものである。この場合、フィルタは目標周波数からの周波数偏差をもっている。この周波数偏差を第1の周波数発生器と第2の周波数発生器へ供給することができる。第1の周波数発生器もしくは第2の周波数発生器により生成可能な信号の周波数は、フィルタの周波数偏差に依存する。これにより、フィルタに供給可能であり第1のミキサの出力側に生じる中間周波信号をフィルタの既知の周波数偏差に整合させることができる。
【0009】
2つの周波数発生器と2つのミキサをもつ既述の装置を用いて、フィルタに供給可能な信号をフィルタの既知の周波数偏差へ整合させる上述のやり方によって、バイアネット損失や入出力インピーダンスが小さいが周波数偏差を生じさせる可能性のある製造公差や温度ドリフトのあるフィルタを使用できるようになる。これはたとえば、タンタル酸リチウム基板をもつフィルタにおいて生じる。既述のやり方によって、小さいバイアネット損失と小さい入出力インピーダンスならびに製造または温度に起因する周波数偏差の公差補償という利点が組み合わせられる。これにより、余分な電流消費や余分なコストそして余計なチップ面積を意味する付加的な増幅段が不要となる。既述の装置は、WCDMAヘテロダイン受信機の受信機アーキテクチャに殊に良好に適している。その理由は、僅かなバイアネット損失や入出力インピーダンスならびにシステムに基づく通過周波数要求や遮断周波数要求の遵守が満たされるからである。このようなシステムにはすでに、既述の周波数発生や2つのミキサが設けられている。また、このようなシステムの周波数発生器はいずれにせよ、生成可能な出力信号の周波数を設定可能もしくは調整可能な入力側を有している。
【0010】
本発明の有利な実施形態によれば、第1の周波数発生器により生成可能な信号の周波数は、第1のミキサの第1の入力側に加わる信号の受信周波数+フィルタの目標周波数+フィルタの周波数偏差と等しい。
【0011】
本発明における等価の有利な実施形態によれば、第1の周波数発生器により生成可能な信号の周波数は、第1のミキサの第1の入力側に加わる受信信号の受信周波数−フィルタの目標周波数−フィルタの周波数偏差と等しい。
【0012】
本発明の1つの有利な実施形態によれば、第2の周波数発生器により生成可能な信号の周波数は、フィルタの目標周波数+フィルタの周波数偏差と等しい。これにより、フィルタリングすべき信号がフィルタ特性ないしは周波数偏差ΔFをもつ公差の付随するフィルタの通過周波数および遮断周波数に精確に整合されるようになる。
【0013】
本発明の別の有利な実施形態によればフィルタはバンドパスフィルタであり、周波数偏差ΔFはバンドパスフィルタの実際の中心周波数とその目標中心周波数との偏差である。
【0014】
本発明のさらに別の有利な実施形態によれば、たとえばSAWフィルタ(Surface Acoustic Wave)フィルタとすることのできるフィルタは、タンタル酸リチウム基板または圧電特性をもつ他のセラミック基板を有する。
【0015】
目標周波数からの周波数偏差をもつフィルタを備えたこの回路装置の作動方法の第1のステップによれば、受信周波数をもつ信号を第1の発振周波数をもつ信号と第1のミキサにおいて混合し、中間周波信号を形成する。そしてこの中間周波信号は、目標周波数からの周波数偏差をもつ第1のフィルタにおいてフィルタリングされる。第2のミキサにおいて、フィルタリングされた中間周波信号が第2の発振周波数をもつ信号と混合される。第2のミキサの出力側において出力信号を導出することができる。フィルタにおける既知の周波数偏差は、第1および第2の周波数発生器の各入力側へ供給される。この周波数偏差に依存して、周波数発生器において第1または第2の発振周波数が生成される。これは各周波数発生器に対応して設けられたミキサへ供給される。この方法によって、周波数特性に関して中間周波信号をフィルタのフィルタ特性に整合させることができる。
【0016】
本発明の有利な実施形態によれば第1の周波数発生器の出力信号の周波数は、第1の発振周波数=受信周波数+フィルタの目標周波数+フィルタの周波数偏差という式に従い形成され、あるいは第1の発振周波数=受信周波数−フィルタの目標周波数−フィルタの周波数偏差という式に従い形成される。また、第2の発振周波数をもつ信号は、第2の発振周波数=フィルタの目標周波数+フィルタの周波数偏差という式に従い形成される。
【0017】
フィルタの周波数偏差は、製造に起因する第1の周波数偏差と温度に起因する第2の周波数偏差の合わさったものである可能性がある。この場合、フィルタの周波数偏差は、製造もしくは温度に起因するフィルタの周波数偏差の加算の結果として生じる。フィルタの周波数偏差において製造に起因する成分をたとえば、フィルタの阻止特性曲線もしくは通過特性曲線により求めることができる。これは既述の方法の有利な実施形態によれば、第1のミキサの第1の入力側にそれぞれ既知の周波数をもつ信号を相前後して連続的に供給し、第2のミキサの出力側でそこから導出可能な信号の個々の周波数における振幅を測定することによって行うことができる。また、フィルタの周波数偏差において温度に起因する成分をたとえば、温度センサにおいて周囲温度を測定し、温度に対応づけられた信号を温度センサからマイクロプロセッサへ供給し、マイクロプロセッサにおいて実際の周囲温度を、材料に依存する温度係数の考慮により既知である温度に依存する周波数偏差に換算することによって行うことができる。ここで考慮しなければならないのは、製造に起因する第1の周波数偏差が既知の標準温度において実行され、この標準温度からの温度偏差が第2の周波数偏差に換算されることである。この場合、補償すべき実際の周波数偏差は、製造に起因する周波数偏差と温度に起因する周波数偏差の和に等しい。
【0018】
本発明の択一的な実施形態によれば、フィルタはハイパスフィルタまたはローパスフィルタであり、周波数偏差はこのフィルタの実際の3dB遮断周波数と目標3dB遮断周波数との偏差である。さらに別の本発明の択一的な実施形態によれば、フィルタは帯域消去フィルタであり、周波数偏差はこのフィルタの実際の共振周波数と目標共振周波数との偏差である。従属請求項には本発明の実施形態が示されている。次に、図面を参照しながら実施例に基づき本発明について詳しく説明する。
【0019】
【実施例】
図1には、移動無線受信機の受信経路に基づき本発明の実施例が示されている。第1のミキサMI1において第1の入力側に、受信周波数FEをもつ信号を供給することができる。このために、第1のミキサMI1の第1の入力側をたとえば送受信アンテナに接続することができる。第1のミキサMI1の第2の入力側に、第1の発振周波数LO1をもつ信号を供給することができる。この実施例ではダウンミキサである第1のミキサMI1の出力側から、中間周波数ZFをもつ信号を導出することができる。第1のミキサMI1の出力側は、フィルタFIの入力側と接続されている。この実施例の場合、フィルタFIはバンドパスフィルタである。フィルタFIの出力側は、第2のミキサMI2の第1の入力側と接続されている。したがって第2のミキサMI2の第1の入力側へ、フィルタリングされた中間周波信号を供給することができる。第2のミキサMI2の第2の入力側には、第2の発振周波数LO2をもつ信号を供給することができる。この実施例ではやはりダウンミキサである第2のミキサMI2の出力側においてベースバンド信号が得られ、これをたとえばベースバンドコンポーネントへ供給することができる。フィルタFIは、目標周波数FOから周波数偏差ΔFを有している。この場合、バンドパスフィルタが扱われているので、この目標周波数FOをバンドパスフィルタの目標中心周波数とすることができる。したがって周波数偏差ΔFは、フィルタFIの実際の中心周波数とフィルタFIの目標中心周波数との周波数偏差ΔFであり、つまりそれらの周波数の差である。フィルタFIの周波数偏差ΔFを、第1および第2の周波数発生器PLL1,PLL2の入力側へ供給することができる。周波数発生器をたとえばPLL(Phase Locked Loop)シンセサイザとすることができる。第1の周波数発生器PLL1の出力側はミキサMI1の第2の入力側と接続されており、第2の周波数発生器の出力側は第2のミキサMI2の第2の入力側と接続されている。これら両方の周波数発生器PLL1,PLL2はともに、第1の発振周波数LO1および第2の発振周波数LO2をもつそれぞれ1つの信号を発生させるために用いられる。
【0020】
第1のミキサMI1は、たとえば2100MHzの受信周波数FEをもつ信号を約2400MHzである第1の発振周波数LO1と混合する。ダウンミキサゆえにこれらの信号周波数の差が形成され、これにより第1のミキサMI1の出力信号は約300MHzの中間周波数ZFを有するようになる。したがって、バンドパスフィルタであるフィルタFIの目標中心周波数FOは300MHzとなる。バンドパスフィルタFIは、フィルタリングによりこの中間周波信号ZFから有効信号を取り出す。フィルタリングされた中間周波信号は第2のミキサMI2の第1の入力側へ供給され、そこにおいてこの信号は第2の発振周波数LO2をもつ信号と混合される。この第2の発振周波数LO2はたとえば300MHzであり、したがって第2のミキサMI2の出力側においてベースバンド信号の搬送波周波数は0MHzとなる。
【0021】
さて、フィルタFIがたとえば製造や温度に起因して、実際の中心周波数について目標周波数FOからたとえば0.2MHzであるような周波数偏差ΔFをもっている場合、周波数発生器PLL1,PLL2において発振周波数LO1,LO2をもつ信号が適合調整されて、中間周波信号の周波数特性がフィルタFIの実際の中心周波数に整合される。このためにたとえば、フィルタFIの実際の中心周波数と目標中心周波数FOとの差ΔFにより得られる0.2MHzの周波数偏差が、第1のおよび第2の周波数発生器PLL1,PLL2へ供給される。第1の周波数発生器PLL1において第1の発振周波数LO1は、受信周波数FE+目標中心周波数FO+周波数偏差ΔFにより計算される。その結果、第1の発振周波数LO1は、2100MHz+300MHz+0.2MHzとなり、2400.2MHzとなる。第1のミキサにおいて、2400.2MHzの第1の発振周波数LO1をもつ信号が2100MHzの受信周波数をもつ信号と混合され、その結果、中間周波信号の周波数は第1のミキサの出力側において300.2Mzとなる。このようにして中間周波信号は、実際に300.2MHzであるフィルタFIの中心周波数に整合される。
【0022】
しかし中間周波数のこのような意図的なシフトをさらに補償しなければならない。この目的で第2の周波数発生器PLL2において、フィルタFIの目標周波数FO+周波数偏差ΔFと等しい第2の発振周波数LO2をもつ信号が形成される。実例としてLO2はFO+ΔFと等しく、300MHz+0.2MHzである。第2のミキサMI2の両方の入力側には300.2MHzの周波数をもつ信号が加わるので、出力信号の搬送波周波数は0MHzであり、つまりベースバンドコンポーネントにおいて後続処理に適している。ミキサは入力信号周波数の差を形成するので、択一的に第1の発振周波数LO1はLO1=FE−FO−ΔFに従い求めることができ、実例としてはLO1=2100MHz−300MHz−0.2MHzが成り立ち、1799.8MHzとなる。第1の発振周波数LO1と2100MHzである受信周波数FEとの混合により、やはり300.2MHzの中間周波数をもつ中間周波信号が得られる。
【0023】
たとえば製造に起因する成分や温度に起因する成分をもつ可能性のある周波数偏差ΔFを得るため、図2にブロック回路図が示されている。製造に起因する第1の周波数偏差ΔF1は、加算器ノードにおいて温度に起因する第2の周波数偏差と加算され、これにより実際の周波数偏差ΔFを和として形成することができる。製造に起因する周波数偏差ΔF1を、周波数特性曲線の選定ならびにフィルタFIの阻止および通過特性曲線によって求めることができる。このため、第1のミキサMI1の入力側に可変の周波数の信号を供給することができ、第2のミキサの出力側において、供給されたこの信号の振幅スペクトルを分析することができる。上方および下方の3dB遮断周波数を求めることで、フィルタFIの実際の中心周波数を計算することができる。簡単なやり方としては、たとえば200KHzの段階で調整可能な第1の周波数発生器PLL1において測定周波数の形成を行うことができる。定められた温度たとえば標準温度において製造に起因するフィルタFIの周波数偏差ΔF1の測定を行うかぎり、フィルタFIの温度に起因する周波数偏差ΔF2を簡単に求めることができる。なぜならばフィルタの中心周波数の温度依存性は、先験的に既知だからである。
【0024】
図2に示されているように、フィルタFIの周囲温度を捕捉するために温度センサTSが設けられており、これは周囲温度に温度信号Tを対応づけ、それがマイクロプロセッサMPへ供給される。マイクロプロセッサMPにはフィルタFIの中心周波数と温度の関係が格納されており、このマイクロプロセッサMPにより実際の周囲温度と標準温度との差が考慮されて温度信号Tに第2の周波数偏差ΔF2が対応づけられる。そしてこれが加算器ノードにおいて製造に起因する周波数偏差ΔF1と加算されて、周波数偏差ΔFが形成される。
【0025】
たとえばUMTSによる移動無線システムの受信経路にはいずれにせよ、可調整の出力信号周波数LO1,LO2をもつ周波数発生器が設けられている。このため、周波数偏差ΔFに依存する発振周波数の生成を容易に実現することができる。
【0026】
既述の方式を適合された形態でたとえば、公差のあるフィルタの存在する送信経路中にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す基本ブロック回路図である。
【図2】温度に依存する周波数偏差を補償するためのブロック回路図である。
【符号の説明】
FE 受信周波数
ZF 中間周波数
ΔF 周波数偏移
LO1 第1の発振周波数
LO2 第2の発振周波数
ΔF1 製造に起因する周波数偏差
ΔF2 温度に起因する周波数偏差
MI1 第1のミキサ
MI2 第2のミキサ
FI フィルタ
PLL1 第1の周波数発生器
PLL2 第2の周波数発生器
TS 温度センサ
T 温度信号
MP マイクロプロセッサ
Claims (11)
- フィルタ(FI)を備えた回路装置において、
第1および第2の入力側ならびに出力側を備えた第1のミキサ(MI1)と、
該第1のミキサ(MI1)の出力側に接続されたフィルタ入力側およびフィルタ出力側を備えたフィルタ(FI)が設けられており、該フィルタは特性周波数と目標周波数(FO)との周波数偏差(ΔF)をもち、
フィルタ出力側に接続された第1の入力側と第2の入力側および出力側を備えた第2のミキサ(MI2)と、
周波数偏差(ΔF)を表す信号が供給され前記第1のミキサ(MI1)の第2の入力側に接続された第1の周波数発生器(PLL1)と、
周波数偏差(ΔF)を表す信号が供給され前記第2のミキサ(MI2)の第2の入力側に接続された第2の周波数発生器(PLL2)が設けられており、
前記周波数偏差(ΔF)は、製造に起因する周波数偏差(ΔF1)と温度に依存する周波数偏差(ΔF2)の和であり、
標準温度において前記第1のミキサの第1の入力側に種々の周波数の信号が連続的に印加され前記第2のミキサの出力側で振幅スペクトルが測定されて、前記周波数偏差(ΔF)のうち製造に起因する周波数偏差(ΔF1)が求められることを特徴とする、
フィルタを備えた回路装置。 - フィルタ(FI)を備えた回路装置において、
第1および第2の入力側ならびに出力側を備えた第1のミキサ(MI1)と、
該第1のミキサ(MI1)の出力側に接続されたフィルタ入力側およびフィルタ出力側を備えたフィルタ(FI)が設けられており、該フィルタは特性周波数と目標周波数(FO)との周波数偏差(ΔF)をもち、
フィルタ出力側に接続された第1の入力側と第2の入力側および出力側を備えた第2のミキサ(MI2)と、
周波数偏差(ΔF)を表す信号が供給され前記第1のミキサ(MI1)の第2の入力側に接続された第1の周波数発生器(PLL1)と、
周波数偏差(ΔF)を表す信号が供給され前記第2のミキサ(MI2)の第2の入力側に接続された第2の周波数発生器(PLL2)が設けられており、
前記周波数偏差(ΔF)は、製造に起因する周波数偏差(ΔF1)と温度に依存する周波数偏差(ΔF2)の和であり、
温度センサ(TS)において周囲温度が検知され、前記温度センサ(TS)において該周囲温度に対応づけられた温度信号(T)が形成され、該温度信号(T)がマイクロプロセッサ(MP)へ供給され、該マイクロプロセッサ(MP)において前記温度信号(T)に対応づけられた周波数偏差が形成されることにより、前記周波数偏差(ΔF)のうち温度に依存する周波数偏差(ΔF2)が求められ、
前記の製造に起因する周波数偏差(ΔF1)と温度に依存する周波数偏差(ΔF2)の加算により周波数偏差(ΔF)が計算されることを特徴とする、
フィルタを備えた回路装置。 - 前記第1の周波数発生器(PLL1)により生成される信号の第1の発振周波数(LO1)は、前記第1のミキサ(MI1)の第1の入力側に供給される受信信号の受信周波数(FE)と目標周波数(FO)と前記フィルタ(FI)の周波数偏差(ΔF)の和に等しい、請求項1または2記載の回路装置。
- 前記第1の周波数発生器(PLL1)により生成される信号の発振周波数(LO1)は、前記第1のミキサ(MI1)の第1の入力側に供給される受信信号の受信周波数(FE)から目標周波数(FO)を減算しさらに前記フィルタ(FI)の周波数偏差(ΔF)を減算したものに等しい、請求項1または2記載の回路装置。
- 第2の周波数発生器(PLL2)により生成される信号の第2の発振周波数(LO2)は、目標周波数(FO)と周波数偏差(ΔF)の和に等しい、請求項3または4記載の回路装置。
- 前記フィルタ(FI)はバンドパスフィルタであり、前記周波数偏差(ΔF)は該バンドバスフィルタ(FI)の実際の中心周波数と該バンドパスフィルタ(FI)の目標中心周波数(FO)の差である、請求項1から5のいずれか1項記載の回路装置。
- 前記フィルタ(FI)はセラミック基板である、請求項1から6のいずれか1項記載の回路装置。
- 前記フィルタ(FI)はタンタル酸リチウム基板である、請求項1から6のいずれか1項記載の回路装置。
- フィルタを備えた回路装置の作動方法において、
受信周波数(FE)をもつ信号と第1の発振周波数(LO1)をもつ信号を第1のミキサ(MI1)で混合して中間周波信号(ZF)を生成するステップと、
該中間周波信号(ZF)を、特性周波数と目標周波数(FO)との周波数偏差(ΔF)をもつフィルタ(FI)でフィルタリングするステップと、
フィルタリングされた中間周波信号(ZF)を第2の発振周波数(LO2)をもつ信号と第2のミキサ(MI2)で混合するステップと、
周波数偏差(ΔF)を表す信号を、第1の発振周波数をもつ信号を生成する第1の周波数発生器(PLL1)と第2の発振周波数をもつ信号を生成する第2の周波数発生器(PLL2)とへ供給するステップを有しており、
前記周波数偏差(ΔF)を、製造に起因する周波数偏差(ΔF1)と温度に依存する周波数偏差(ΔF2)の和とし、
前記周波数偏差(ΔF)において製造に起因する周波数偏差(ΔF1)を標準温度において、前記第1のミキサの第1の入力側に種々の周波数の信号を連続的に印加し前記第2のミキサの出力側で振幅スペクトルを測定することにより測定することを特徴とする、
フィルタを備えた回路装置の作動方法。 - フィルタを備えた回路装置の作動方法において、
受信周波数(FE)をもつ信号と第1の発振周波数(LO1)をもつ信号を第1のミキサ(MI1)で混合して中間周波信号(ZF)を生成するステップと、
該中間周波信号(ZF)を、特性周波数と目標周波数(FO)との周波数偏差(ΔF)をもつフィルタ(FI)でフィルタリングするステップと、
フィルタリングされた中間周波信号(ZF)を第2の発振周波数(LO2)をもつ信号と第2のミキサ(MI2)で混合するステップと、
周波数偏差(ΔF)を表す信号を、第1の発振周波数をもつ信号を生成する第1の周波数発生器(PLL1)と第2の発振周波数をもつ信号を生成する第2の周波数発生器(PLL2)とへ供給するステップを有しており、
前記周波数偏差(ΔF)を、製造に起因する周波数偏差(ΔF1)と温度に依存する周波数偏差(ΔF2)の和とし、
前記周波数偏差(ΔF)のうち温度に依存する周波数偏差(ΔF2)を、温度センサ(TS)において周囲温度を検知し、温度センサ(TS)において該周囲温度に対応づけられた温度信号(T)を形成し、該温度信号(T)をマイクロプロセッサ(MP)に供給し、該マイクロプロセッサ(MP)において前記温度信号に対応づけられた周波数偏差(ΔF2)を形成することにより求め、
前記の製造に起因する周波数偏差(ΔF1)と温度に依存する周波数偏差(ΔF2)の加算により周波数偏差(ΔF)を計算することを特徴とする、
フィルタを備えた回路装置の作動方法。 - 前記第1の発振周波数(LO1)をもつ信号を式LO1=FE+FO+ΔFまたは式LO1=FE−FO−ΔFに従い生成し、前記第2の発振周波数(LO2)を式LO2=FO+ΔFに従い生成し、ここでLO1は第1の発振周波数(LO1)、LO2は第2の発振周波数(LO2)、FEは受信周波数(FE)、FOは目標周波数(FO)、ΔFは周波数偏差(ΔF)である、請求項9または10記載の方法。
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