JP2008288640A - 周波数変換器、受信装置、送信装置、通信装置、および周波数変換方法 - Google Patents

周波数変換器、受信装置、送信装置、通信装置、および周波数変換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、上記事情に鑑み、低コスト、小型化が実現され、温度変化による周波数シフトの問題を解消する工夫が施された周波数変換器を提供する。
【解決手段】上記目的を達成する本発明の周波数変換器は、入力信号を第1の信号に周波数変換する第1の周波数変換部と、特定の周波数の特定信号を減衰させるフィルタと、上記フィルタにて上記特定信号が減衰された後の第1の信号を所望の周波数である第2の信号に変換する第2の周波数変換部と、上記フィルタの温度を測定する温度測定部と、上記フィルタの温度変化により発生する該フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフトを表す温度特性情報を予め記憶しておく温度特性情報記憶部と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力信号を所望の周波数の信号に変換する周波数変換器、この周波数変換器を備えた送信若しくは受信装置、この送信装置および受信装置を搭載した通信装置、および周波数変換方法に関する。
従来、無線通信手段を備えた情報処理端末の一種である携帯電話などに搭載されるマイクロ波帯の通信装置は、高周波数の信号を取り扱うため、例えば、受信信号の周波数をより低い周波数(中間周波数)の信号に変換してから信号処理を行うダブルコンバージョン方式やシングルコンバージョン方式が採用されている。
上記コンバージョン方式では、一例として、アンテナから取り込まれた受信信号が、まず、高周波増幅回路で増幅される。続いて、この増幅された信号と特定の周波数の信号を発振する発振回路からの発振信号とを混合する周波数変換器(ミキサ)にて、中間周波数の信号に変換される。この中間周波数の信号は、中間周波数増幅回路で増幅され、復調回路によって復調された後、出力される。
ここで、上記周波数変換においては、受信アンテナから入力されてくる受信波のうち増幅不要な周波数帯の信号を除去させるフィルタ等が用いられている。
ところが、これらのフィルタは、温度変化により周波数特性が変わり、周波数シフトが生じることが知られている。そのため、この周波数シフトを補償する通信装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1の通信装置によれば、特定の周波数帯の信号だけを通過させるBPF(Band Pass Filter)の温度を検出する温度センサを設け、温度変化に応じて発生するBPFの周波数シフト分のずれを補償するため、中間周波数の信号の周波数を周波数シフト分ずらす処理がなされている。
また、特許文献2の通信装置によれば、特許文献1と同様、BPFの温度を検出する温度センサを設けており、周波数変換において、第1の中間周波数と第2の中間周波数とに変換する。具体的には、第1の中間周波数の信号を、BPFの温度変化による周波数シフト分だけずらした周波数の信号に変換した後、その信号をBPFに通過させ、さらに、第1の中間周波数から周波数シフト分を元に戻した第2の中間周波数の信号に変換する。
特開平8−251059号公報 特開2000−286737号公報
ところで、受信周波数を第1の中間周波数に変換する周波数変換において、発振回路からの入力信号には、通常、定倍成分の高調波が含まれているため、中間周波数のN倍(N=1、2、3・・・N)波に起因するスプリアス(不要波)が発生する。このスプリアスも減衰させるなどして除去することが望ましい。しかしながら、上記特許文献1および2では、この温度変化によるスプリアスの減衰に関する有効な手段については特に言及されていない。
ここで、第1の中間周波数の信号をBPFの通過帯域に通過させる場合、第1の中間周波数の信号の周波数帯に近い帯域にスプリアスが発生していると、第1の中間周波数の信号とともにスプリアスも通過させてしまうケースが生じる。そこで、BPFの通過帯域をより狭める(BPFの減衰特性を急峻にする)と、第1の中間周波数の信号の周波数帯域の一部をカットしてしまうことになり、この信号の通過損失が大きくなってしまうという問題が生じてしまう。
そこで、第1の中間周波数の近傍に発生するスプリアスなどの不要波を減衰させることが望ましい。そのため、フィルタとして、特定の周波数範囲の周波数の信号だけを減衰させ、それ以外の周波数の信号を通過させるBEF(Band Elimination Filter)や上記BPFへの要求仕様が厳しくなっている。特に、BEFの減衰特性は急峻であり、温度変化に起因するわずかな周波数シフトでも減衰量が大きく変化するため、安定した減衰特性を得るのが難しい。
従来、必要な減衰特性を広範な温度範囲で保証するために高価なBPFやBEFが使用されたり、急峻な減衰特性を得るためにBPFやBPEなどのフィルタの回路構成の部品点数を増やすことにより周波数変換器自体が大型化するなどの問題が生じている。
本発明は、上記事情に鑑み、低コスト、小型化が実現され、不要波を効率良く減衰させる工夫が施された周波数変換器、この周波数変換器を備えた送信若しくは受信装置、この送信装置および受信装置を搭載した通信装置、および周波数変換方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の周波数変換器は、
入力信号を所望の周波数の信号に変換する周波数変換器であって、
上記入力信号を第1の信号に周波数変換する第1の周波数変換部と、
上記第1の周波数変換部にて周波数変換の際に生じる特定の周波数範囲の特定信号を減衰させるフィルタと、
上記フィルタにて前記特定信号が減衰された後の上記第1の信号を所望の周波数である第2の信号に変換する第2の周波数変換部と、
上記フィルタの温度を測定する温度測定部と、
上記フィルタの温度変化により発生するそのフィルタの減衰周波数帯の周波数のシフトを表す温度特性情報を予め記憶しておく温度特性情報記憶部と、を備え、
上記第1の周波数変換部は、上記温度特性情報に基づいて、上記温度測定部にて測定された温度に対応する上記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分ずらして上記入力信号を前記第1の信号に周波数変換し、
上記第2の周波数変換部は、上記第1の周波数変換部にてずらした上記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分を戻して上記第2の信号に周波数変換する、ことを特徴とする。
本発明の周波数変換器によれば、まず、上記温度測定部にて、上記フィルタの温度を測定する。続いて、上記第1の周波数変換部は、上記温度特性情報記憶部に記憶されている上記温度特性情報とに基づいて、上記温度測定部にて測定された温度に対応する上記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分をずらして上記入力信号を第1の信号に周波数変換する。
次に、上記フィルタにて、上記特定信号を減衰させる。さらに、上記第2の周波数変換部は、上記フィルタにて上記特定信号が減衰された後の第1の信号を所望の周波数である第2の信号に変換するため、上記第1の周波数変換部にてずらした上記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分を戻して上記第2の信号に周波数変換する。
これにより、温度変化による上記周波数シフトが生じても、上記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分をずらして上記入力信号を第1の信号に周波数変換するため、上記特定信号の周波数を上記フィルタの減衰周波数帯の周波数にシフトさせることができ、上記フィルタにて、上記特定信号は減衰する。
さらに、上記第2の周波数変換部は、上記フィルタにて上記特定信号が減衰された後の第1の信号の周波数がシフトしたままであるので、上記第1の周波数変換部にてずらした上記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分を戻して周波数変換する。したがって、温度変化がない場合と同等の効果を得ることができ、周波数変換の際に生じる不要な波の信号を減衰させて除去することができる。
また、必要な減衰特性を広範な温度範囲で保証する必要もなく、急峻な減衰特性を得るために回路構成の部品を増やさずに済むので、低コスト、小型化された周波数変換器が実現される。
また、フィルタが、特定の周波数範囲の周波数の信号だけを減衰させ、それ以外の周波数の信号を通過させるBEFである、ことが好ましい。
上記BEFは、特定の周波数範囲の周波数の信号だけを減衰させる減衰周波数帯を有しており、効率良く、上記特定信号を減衰させることができる。
また、上記第1の周波数変換部は、上記温度特性情報に基づいて、上記温度測定部にて測定された温度に対応する前記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分ずらす第1の混合信号を上記入力信号に混合して上記第1の信号に変換するものであって、
上記第2の周波数変換部は、上記第1の周波数変換部にてずらした上記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分を戻す第2の混合信号を上記第1の信号に混合して上記第2の信号に変換するものである、ことが好ましい。
上記構成によれば、上記第1の周波数変換部は、上記温度特性情報に基づいて、上記温度測定部にて測定された温度に対応する前記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分をずらす第1の混合信号を上記入力信号に混合して上記第1の信号に変換する。また、上記第2の周波数変換部は、上記第1の周波数変換部にてずらした上記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分を戻す第2の混合信号を上記第1の信号に混合して上記第2の信号に変換する。
これにより、上記第1の周波数変換部および上記第2の周波数変換部は、上記温度特性情報とに基づいて周波数変換を行うミキサの機能を有する。
また、上記第1の周波数変換部は、上記温度測定部にて測定された温度と上記温度特性情報とに基づいて、上記特定信号が上記フィルタの減衰周波数帯を通過するよう上記第1の混合信号を上記入力信号に混合して周波数変換する、ことが好ましい。これにより、上記特定信号が効率良く減衰し除去される。
ここで、上記第1の混合信号を上記第1の周波数変換部に入力し、上記第2の混合信号を上記第2の周波数変換部に入力する混合信号入力部をさらに備える、ことが好ましい。上記混合信号入力部は、上記第1の混合信号を上記第1の周波数変換部に入力し、上記第2の混合信号を上記第2の周波数変換部に入力する。これにより、周波数変換の制御がしやすくなる。
また、上記特定信号は、定倍成分の高調波が含まれている信号を周波数変換させた場合に生じるスプリアスである、ことが好ましい。上記スプリアスは、周波数変換において発生することが知られている。さらに、入力信号の周波数に基づいてスプリアスの周波数は予め特定できるので、BEFの減衰周波数帯をそのスプリアスの周波数に設計することにより、スプリアスは除去される。これにより、高品質な信号が得られる。
また、上記フィルタに加えて、特定の周波数範囲の信号だけを通過させる通過フィルタをさらに備える、ことが好ましい。
上記入力信号が、周波数変換の際に発生するスプリアス以外に不要な波を含んでいる場合には、その不要な波を減衰させることができる。
ここで、上記目的を達成する本発明の受信装置は、
外部から入力された信号を受信する受信器と、
この受信した信号を上記入力信号とし、この入力信号を上記所望の周波数の信号に変換する周波数変換器と、
上記周波数変換器にて変換された所望の周波数の信号を復調する復調器と、を備えたことを特徴とする。
本発明の受信装置によれば、上記受信器が上記入力信号を受信し、上記周波数変換器にて、上記入力信号を所望の周波数の信号に変換する。さらに、上記復調器が、上記周波数変換器にて変換された、所望の周波数帯の信号を復調する。これにより、所望の周波数帯の信号が復調される。
ここで、上記目的を達成する本発明の送信装置は、
外部に送信する信号を変調する変調器と、
この変調された信号を上記入力信号とし、この入力信号を所望の周波数の信号に変換する周波数変換器と、
上記周波数変換器にて変換された所望の周波数の信号を外部に送信する送信器と、を備えたことを特徴とする。
本発明の送信装置によれば、上記変調器が上記入力信号を変調する。続いて、上記周波数変換器にて、上記変調器にて変調された入力信号を所望の周波数の信号に変換する。さらに、上記送信器が上記周波数変換器にて変換された所望の周波数の信号を外部に送信する。これにより、高品質の信号を送信することができる。
ここで、上記目的を達成する本発明の通信装置は、
上記受信装置と、
上記送信装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明の通信装置によれば、受信装置にて受信された信号は、所望の周波数帯の信号が復調される。これにより、通信装置は、高品質の信号を得ることができる。また、送信装置に入力された入力信号は、変調された後所望の周波数帯の信号に変換され、外部に送信される。これにより、通信装置は、高品質の信号を外部に送信することができる。
ここで、上記目的を達成する本発明の周波数変換方法は、
入力信号を所望の周波数の信号に変換する周波数変換方法であって、
特定の周波数の特定信号を減衰させるフィルタの温度を測定する温度測定工程と、
上記フィルタの温度変化によるそのフィルタの減衰周波数帯の周波数のシフトを表す温度特性情報とに基づいて、上記温度測定工程にて測定された温度に対応する上記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分をずらして上記入力信号を第1の信号に周波数変換する第1の周波数変換工程と、
上記第1の周波数変換工程にて周波数変換の際に生じる上記特定信号を減衰させる減衰工程と、
上記減衰工程にて上記特定信号が減衰された後の第1の信号に対して上記第1の周波数変換部にてずらした上記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分を戻して上記第2の信号に周波数変換する第2の周波数変換工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の周波数変換方法によれば、
上記温度測定工程にて、特定の周波数の特定信号を減衰させるフィルタの温度を測定する。続いて、上記第1の周波数変換工程にて、上記フィルタの温度変化によるそのフィルタの減衰周波数帯の周波数のシフトを表す温度特性情報とに基づいて、上記温度測定工程にて測定された温度に対応する上記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分をずらして上記入力信号を第1の信号に周波数変換する。続いて、上記減衰工程にて、上記特定信号を減衰させる。
さらに、上記第2の周波数変換工程にて、上記減衰工程にて上記特定信号が減衰された後の第1の信号に対して上記第1の周波数変換部にてずらした上記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分を戻して上記第2の信号に周波数変換する。
これにより、周波数変換の際に生じる不要な波の信号を減衰して除去する周波数変換方法が得られる。
本発明によれば、温度変化による周波数シフトが生じた場合であっても周波数変換の際に生じる不要波の信号を効率良く減衰して除去する工夫が施された周波数変換器および周波数変換方法、その周波数変換器を備えた送信若しくは受信装置、その送信装置および受信装置を搭載した通信装置が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ここでは、まず、本発明の一実施形態としての周波数変換器、その周波数変換器を備えた本発明の一実施形態としての受信装置について説明する。
[構成]
図1は、本発明の一実施形態としての受信装置の構成図である。
この受信装置1は、大きく分けて、受信部2、本発明の一実施形態としての周波数変換器3、および復調部4から構成されるダブルコンバージョン方式の受信装置である。
受信部2には、アンテナ21、BPF22、低雑音増幅回路(LNA:Low Noise Amplifier)23が設けられている。受信部2では、アンテナ21より受信した信号(入力信号)は、受信周波数帯(数GHz〜数十数GHz)のBPF22を通過した後、LNA23にて信号増幅される。
また、周波数変換器3には、第1のミキサ31、BEF32、増幅器33、第2のミキサ34、混合信号入力部35、温度情報特性記憶部36、および温度センサ37が設けられている。
第1のミキサ31は、LNA23にて信号増幅された入力信号を第1次中間周波数(1000MHz)の信号に変換するものである。この第1次中間周波数(1000MHz)の信号が、本発明にいう第1の信号の一例に相当する。BEF32は、特定の周波数範囲の周波数の信号だけを減衰させ、それ以外の周波数の信号を通過させるものであり、第1次中間周波数の信号がBEF32を通過すると、スプリアスが減衰され除去される。詳細は後述する。
第2のミキサ34は、BEF32を通過し増幅器33で増幅された第1次中間周波数を第2次中間周波数(数十MHz〜数百MHz)に変換するものである。温度センサ37は、BEF32の温度を測定するセンサである(温度測定手段)。この温度センサ37が本発明にいう温度測定部の一例に相当する。温度情報特性記憶部36は、BEF32の温度変化によるBEF32の減衰周波数帯の周波数のシフトを表す温度特性情報を記憶しているメモリである。
図2は、温度情報特性記憶部内の情報の一例を示す図である。温度特性情報テーブル361には、温度情報に応じて予め周波数シフトが対応付けられている。この周波数シフトが本発明にいう温度特性情報の一例に相当する。
混合信号入力部35は、温度特性情報テーブル361を読み出し、第1のミキサ31および第2のミキサ34にて、適切な周波数変換を行うものである。
図3は、混合信号入力部の構成図である。この混合信号入力部35には、制御部351、局部発振器354が設けられている。この制御部351は、中央処理装置(CPU:Central processing Unit)であって、この混合信号入力部35の動作を総合的に制御するものである。この制御部351には、プログラムが組み込まれることによって、温度検出部352、および周波数変換制御部353が構築される。
局部発振器354は、PLL(Phase Locked Loop)周波数シンセサイザであって、水晶発振回路が出力する基準周波数をもとに、電圧制御回路が出力する周波数を位相比較回路で比較し、差があれば位相比較回路の差に応じた信号を発生させ、安定した周波数を発振させる。これにより、第1の混合信号および第2の混合信号を安定して発振させることができる。
温度検出部352は、温度センサ37の温度を検出するものである。周波数変換制御部353は、温度特性情報テーブル361を読み出し、温度検出部352が検出した温度に対応付けられた周波数シフトの情報を用いて、周波数シフト分ずらして周波数変換する第1の混合信号および周波数シフト分戻して周波数変換する第2の混合信号の周波数を導出する。さらに、局部発振器354に指示を出すことにより、局部発振器354は、第1の混合信号を発振して第1のミキサ31に入力し、他方、第2の混合信号を発振してて第2のミキサ34に入力する。
また、復調部4には、BPF41、増幅器42、および復調器(DEM:Demodulator)43が設けられている。第2のミキサ34にて変換された第2次中間周波数の信号は、BPF41を通過して増幅器42で増幅された後、DEM43にて復調される。
次に、BEFの温度特性および本発明の周波数変換方法の原理について説明する。
図4は、BEFの温度変化による周波数シフトの一例を説明する図である。BEFは温度変化に応じて、減衰周波数帯が周波数シフトすることが知られている。図4において、横軸は周波数(Frequency(MHz))を表し、縦軸は、減衰(Attenuation、(dB))を表している。
ここでは、一例として、横軸の0は、BEFの減衰周波数帯の中心周波数が、1300.00MHzであることを表しており、左右に±50MHzの周波数シフト(Δf)の目盛がふられている。縦軸は、減衰0〜100dBの範囲の目盛がふられている。図中bで示す範囲の減衰周波数帯が設計時の特性を表しており、温度変化によって、図中aやcに示す範囲に減衰周波数帯がシフトする。このBEFの減衰周波数帯の周波数シフトが温度変化により発生すると、スプリアスの周波数とBEFの減衰周波数帯の中心周波数がずれてしまうため、十分にスプリアスを減衰することができなくなる。
一般的に高価な部品であるほど、周波数シフト(変化幅)は小さくなるが、動作保証温度範囲や部品のバラツキを考慮し、コストに応じた特性のBEFが選定されることになる。
図5は、BEFの減衰特性の一例を説明する図である。横軸、縦軸は、図4と同様である。BEFの減衰特性は急峻であり、わずかな周波数のずれでも減衰量が大きく変化するため、安定した減衰特性を得るのは難しい。
図5に示すように、BEFの回路を3つ結合させた3段構成の場合には、中心周波数から±5MHzの減衰量は、図中aで示す通り、32.6dBである。また、中心周波数から±10MHzの減衰量は、図中bで示す通り、15.3dBである。
また、図5に示す通り、BEFの回路を5つ結合させた5段構成の場合には、中心周波数から±5MHzの減衰量は、図中cで示す通り、76.0dBである。また、中心周波数から±10MHzの減衰量は、図中dで示す通り、46.9dBである。したがって、数MHzの周波数シフトでも減衰量の変化が大きい。一方、常にスプリアスが減衰周波数帯の中心にあれば十分な減衰量が得られる。
次に、本発明の一実施形態である周波数変換方法を説明する。
図6は、本発明の一実施形態である周波数変換方法を説明する図である。ここでは、受信周波数を数GHz〜数十GHz帯とし、第1次中間周波数を1000MHz程度、第2次中間周波数を数十MHz〜数百MHzとする。まず、設計通りの条件である場合の信号の流れについて説明する。
図6(1a)〜(6a)は、常温で動作保障がされている設計通りの条件での信号の流れを表す概念図である。まず、図1に示す受信部2で受信した受信周波数の通信信号(図6(1a))は、第1のミキサ31にて、第1次中間周波数の信号に変換される。この際、スプリアスが発生する(図6(2a))。続いて、第1次中間周波数の信号がBEF32を通過すると、BEFの減衰周波数帯をスプリアスが通過するため、スプリアスが減衰される(図6(3a))。
続いて、第2のミキサ34にて、第2次中間周波数の信号に変換される(図6(4a))。そして、第2次中間周波数の信号がBPF41を通過すると(図6(5a))、スプリアスはさらに減衰し、復調される。この復調信号はスプリアスなどの不要波が十分に除去されており、信号劣化のない優れた品質が提供される(図6(6a))。
次に、従来例におけるBEFの減衰周波数帯が温度変化により周波数シフトした場合の信号の流れを説明する。
図6(1b)〜(6b)は、BEFの減衰周波数帯が温度変化により周波数シフトした場合の信号の流れを表す概念図である。まず、図6(1a)同様、受信部2で受信した受信周波数の通信信号(図6(1b))は、第1のミキサ31にて、第1次中間周波数の信号に変換される。
この第1次中間周波数の信号は、BEF32を通過するが(図6(2b))、BEFの減衰周波数帯がずれてしまっているため十分な減衰量が得られない(図6(3b))。そして、この状態で第2のミキサ34にて、第2次中間周波数の信号に変換される(図6(4b))。この場合、第2次中間周波数の信号がBPF41を通過しても(図6(5b))、BPFが温度変化により周波数シフトを起こすため、スプリアスは十分に減衰されずに復調される(図6(6b))。そのため、信号品質が劣化し復調感度が劣化する。
次に、本発明の周波数変換を施した場合の信号の流れを説明する。
図6(1c)〜(6c)は、本発明の周波数変換を施した場合の信号の流れを表す概念図である。まず、図6(1a)同様、受信部2で受信した受信周波数の通信信号(図6(1c))は、第1のミキサ31にて、第1次中間周波数の信号に変換される(図6(1c))。
ここで、温度変化によりBEF32の減衰周波数帯が周波数シフトした場合、まず第1次中間周波数への変換において次の処理を行う。第1次中間周波数への周波数変換の際に発生するスプリアスは第1次中間周波数との周波数シフトが常に一定となるため、スプリアスがBEF32の減衰周波数帯を通過するように周波数を補正して周波数変換を行う。
例えば、BEFの周波数シフトが+5MHzであった場合、第1次中間周波数への変換も+5MHzずらした周波数となるように行う。図3に示す周波数変換制御部353は、温度センサ37にて測定した温度に基づいて、温度情報特性記憶部36内の温度情報特性テーブルから周波数シフト(5MHz)を読み出し、局部発振器354に指示を出して、第1のミキサ31に対して、周波数シフト分(5MHz)ずらして周波数変換する第1の混合信号を発振させる。そして、第1のミキサ31にて周波数変換を行なう(図6(2c))。
この時、スプリアスも+5MHzずれた周波数で発生するため、BEFの減衰周波数帯を通過させることが出来、スプリアスは十分に除去される(図6(3c))。
ところで、第1次中間周波数の周波数を変更したため、この信号をそのまま第2次中間周波数へ変換すると、信号周波数のずれにより復調感度が劣化する。特に第1次中間周波数は第2次中間周波数に比べて周波数が高く、例えば第1次中間周波数で1MHzのずれは問題なくても第2次中間周波数では大きな問題となる場合がある。
そこで、本発明の周波数変換方法の特徴として、さらに第2次中間周波数への変換において、第1次中間周波数で行った補正を補うように周波数を設定して周波数変換を行う(第2の周波数変換手段)。補正の導出方法は第1次中間周波数の場合と同じであり、本例では第1次中間周波数への変換で+5MHzの変換を行ったので、第2次中間周波数への変換では−5MHzの補正をかけて周波数変換を第2のミキサ34にて行う((図6(4c)))。
この周波数変換の結果、第2次中間周波数では、常にスプリアスの減衰が十分に行われた一定の周波数を得ることが出来るようになる。さらに、スプリアスは安定して十分に除去されているので、BPF41が温度変化により周波数シフトを起こしている場合であっても、第2次中間周波数で通過するBPF41への減衰要求量を小さくすることができる((図6(5c)))。そして、第2次中間周波数の信号が復調される。この復調信号はスプリアスなどの不要波が十分に除去されており、信号劣化のない優れた品質の信号が提供される(図6(6c))。
次に、具体的に数式を用いて周波数変換方法の原理について、さらに説明を続ける。
図7は、周波数変換方法の原理を説明する図である。周波数変換制御部353は、温度特性情報テーブル361を読み出し、以下の周波数変換の演算を行い、局部発振器354より第1の混合信号、第2の混合信号を発振させる。図7(a)は、BEFの設計温度時の周波数変換の一例を示す図である。図7(b)は、温度変化時の周波数変換の一例を示す図である。本実施例では、各信号の周波数(Hz)を以下のように定義する。
受信周波数:f(RF)、
第1次中間周波数(設計温度時):f(IF1)、
第1次中間周波数(温度変化時):f(IF1T)、
第2次中間周波数(設計温度時):f(IF2)、
第2次中間周波数(温度変化時):f(IF2T)、
スプリアスの発生周波数(設計温度時):f(SP)、
スプリアスの発生周波数(温度変化時):f(SPT)、
BEFの中心周波数(設計温度時):f(BEF)=f(SP)、
BEFの中心周波数(温度変化時):f(BEFT)、(温度に応じて変化)、
受信周波数を第1次中間周波数に変換するための第1次局部発信周波数:f(LO1)、
第1次中間周波数を第2次中間周波数に変換するための第2次局部発信周波数:f(LO2)
温度変化時のBEFの周波数シフトを表す周波数:Δf1
第1次中間周波数(設計温度時)とスプリアスの発生周波数との差分の周波数:Δf2
なお、第1次局部発信周波数が、本発明にいう第1の混合信号の一例に相当し、第2次局部発信周波数が、本発明にいう第1の混合信号の一例に相当する。
ここでは、まず、BEFの設計温度時の周波数変換の一例を説明する。受信周波数:f(RF)から受信周波数を第1次中間周波数に変換する場合、
f(IF1)=f(RF)−f(LO1)(1)
が適用される。また、第1次中間周波数から第1次中間周波数に変換する場合、
f(IF2)=f(IF1)−f(LO2)(2)
が適用される。この場合は、BEFの中心周波数(設計温度時)とスプリアスの発生周波数が一致しており、Δf2は常に一定であるので、f(BEF)=f(SP)となり、スプリアスは除去される。
次に、温度変化時の周波数変換の一例を説明する。図7(b)に示すように、温度変化が発生すると、BEFの中心周波数がシフトする。温度変化時のBEFの周波数シフトを表す周波数は、
Δf1=f(BEF)−f(BEFT) (3)
となる。この(3)式を考慮して、受信周波数:f(RF)から受信周波数を第1次中間周波数に変換する場合、
f(IF1T)=f(RF)−{f(LO1)+Δf1} (4)
が適用される。ここで、(1)式をf(RF)=f(IF1)+f(LO1)と変形し、(4)式に代入すると、
f(IF1T)=f(IF1)−Δf1 (5)
となる。このf(IF1T)は、BEFの温度変化に応じて、Δf1を補正した周波数になるように、f(LO1)を設定する。これにより、スプリアスがBEF32の減衰周波数帯を通過するように変換周波数を補正することができる。したがって、BEFの中心周波数(温度変化時)とスプリアスの発生周波数(温度変化時)が一致し、f(BEFT)=f(SPT)となり、スプリアスは除去される。
なお、この状態では、第1次中間周波数も周波数がシフトしているので、周波数のシフトを戻す周波数変換を行う。すなわち、第2次中間周波数への変換において、第1次中間周波数で行った補正を補うように周波数設定を行う。第2次中間周波数(温度変化時)は、
f(IF2T)=f(IF1T)−{f(LO2)−Δf1}(6)
が適用される。ここで、(5)式を(6)式に代入すると、
f(IF2T)=f(IF1)−Δf1−f(LO2)+Δf1
=f(IF1)−f(LO2)(7)
が得られる。ここで、周波数シフトを補正して、f(IF2T)=f(IF2)にするためには、f(IF2)=f(IF1)−f(LO2)が成立する必要があり、この条件を満たすよう第2次局部発信周波数f(LO2)を設定する。この(7)式の周波数変換を行うことにより、第2次中間周波数の周波数のシフトが元に戻され、常にスプリアスの減衰が十分に行われた信号が得られる。
[動作]
次に周波数変換器3を搭載した受信装置1の動作について説明する。
図8は、本発明の一実施形態である周波数変換器による周波数変換の処理の一例を表すフローチャートである。この処理ルーチンは、受信装置の電源がオンされると開始される。
まず、図3に示す温度検出部352は、温度センサ37にて、図1に示すBPF32の温度を検出する(ステップS101、温度測定工程)。続いて、周波数変換制御部353は、図2に示す温度特性情報テーブル361を読み出し、温度測定工程にて検出した温度からBEF32の周波数シフトΔf(MHz)を周波数変換用のパラメータとして設定する。なお、温度測定工程では、常時、温度センサ37にて温度を測定しており、BEF32の温度が変化すると、それに伴い周波数変換制御部353は、周波数シフトΔf(MHz)を変更する。
続いて、周波数変換制御部353は、局部発振器354に指示を出して、第1次局部発信周波数から周波数シフトΔf(MHz)分をずらした周波数の信号(f(LO1)+Δf1)を発振させ、第1のミキサ31に入力する。ここで、受信部2にて、受信周波数f(RF)の受信信号を受信すると、その受信信号は、そのBPF22を通過し、LNA23にて増幅されて、第1のミキサ31に入力される。そして、上述した(4)式の周波数変換が施されて、第1次中間周波数f(IF1)に変換される(ステップS103、第1の周波数変換工程)。
次に、第1次中間周波数f(IF1)はBEF32を通過する。この際、BEFの中心周波数(温度変化時)とスプリアスの発生周波数(温度変化時)が一致しているため、f(BEFT)=f(SPT)となり、スプリアスは除去される(減衰工程)。
ここで、周波数変換制御部353は、局部発振器354に指示を出し、周波数シフトΔf(MHz)分をずらした周波数の信号をもとに戻すための第2次局部発信周波数f(LO2)を発振させ、第2のミキサ34に入力する。また、減衰工程にてスプリアスが除去された第1次中間周波数f(IF1)は第2のミキサ34に入力される。その結果、上述した(7)式の周波数変換が施されて、第2次中間周波数f(IF2)に変換される(ステップS105、第2の周波数変換工程)。
そして、この処理ルーチンは終了し、周波数変換された第2次中間周波数f(IF2)は、復号部4にて、BPF41を通過し、増幅器42で増幅された後、DEM43にて復調され、高品質の信号が得られる。
[構成]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。なお、本発明の第1の実施例と本発明の第2の実施例とでは、内部構成が一部異なるが、それ以外はほぼ同様の構成を有するため、同じ要素については同じ符号を付して説明を省略し、実施例1と異なる構成について詳細に説明する。
図9は、第2の実施例における受信装置の構成図である。本発明の第2の実施例では、図1に示すBEF32の前段にBPF38を新たに設けた。受信部2のBPF22にて不要波が除去されずに残った場合に、第1次中間周波数f(IF1)の段階で除去する。
図10は、BPFの減衰特性の一例を表した図である。図10(a)に示すように、受信信号の中心周波数から離れて不要波が発生した場合について考える。この場合、図10(b)に示すように、BPFにて除去される。BPFは減衰特性が緩やかなため、温度により周波数シフトが生じても不要波は十分に減衰できる。そのため設計が容易であり、周波数シフトを考慮せずに済む。
一方、図10(c)に示すように、受信信号から近傍に不要波(スプリアス)が発生した場合について考える。この場合、BPFでスプリアスを除去するためには、BPFの減衰特性を急峻にしなければならず、図10(d)に示すように設計が困難になる。また、周波数シフトを考慮すると、受信信号の一部も減衰させてしまう。
そこで、第2の実施例では、受信部2にて減衰されなかった受信信号から離れた不要波(アンテナからの入力)があった場合には、BPF32で減衰させ、受信信号近傍に発生したスプリアスは、BEF32で減衰させる構成とする。
図11は、第2の実施例における不要波の除去を説明する図である。図11(a)に示すように、周波数変換した受信信号において、受信信号近傍に不要波(スプリアス)が発生し、受信部2にて減衰されなかった不要波(アンテナからの入力)が存在する場合について説明する。この場合、不要波(アンテナからの入力)はBPF38で減衰される。一方、スプリアスは、BEF32で減衰される。
[動作]
次に、第2の実施例における周波数変換器3を搭載した受信装置1の動作について説明する。
ここでは、上述した図8のフローチャートの処理ルーチンが適用され、ステップS104の減衰工程にて、アンテナからの入力の不要波はBPF38で減衰され、スプリアスは、BEF32で減衰される。
[構成]
次に、本発明の第3の実施例について説明する。第3の実施例では、本発明の周波数変換装置を搭載した送信装置について説明する。
図12は、本発明の一実施形態である送信装置の構成図である。この送信装置11は、大きく分けて、変調部5、周波数変換器7、送信部6から構成される。送信部6には、アンテナ21、BPF22、送信信号増幅部24が設けられている。送信信号増幅部24は、第2のミキサ34で周波数変換された信号を増幅するものである。周波数変換器7は、第1のミキサ31、BEF32、増幅器39、第2のミキサ34の配置が、周波数変換器3と異なる。
また、変調部5には、BPF51、増幅器52、および変調器(MOD:Modulator)53が設けられている。変調器53は入力信号を高周波信号に変調するものである。
[動作]
次に、周波数変換器7を搭載した送信装置11の動作について説明する。外部から入力された入力信号は、変調器53にて、高周波信号に変調される。さらに、この高周波信号は、増幅器52で増幅され、BPF51を通過して第1のミキサ31に入力される。
第1のミキサ31では、温度変化による周波数シフト分をずらして第1の送信周波数に周波数変換する。第1の送信周波数の信号はBEF32を通過し、その際、スプリアスが減衰される。続いて、増幅器39で増幅された後、第2のミキサ34にて、温度変化による周波数シフト分を戻して第2の送信周波数に周波数変換する。
第2の送信周波数は、送信信号増幅器24で増幅されBPF22を通過した後、アンテナ21から電波として発信される。これにより、不要波(スプリアス)の放射を防ぐことができる。
[構成]
次に、本発明の第4の実施例について説明する。第4の実施例では、本発明の通信装置について説明する。
図13は、本発明の一実施形態である通信装置の構成図である。この通信装置12は、本発明の一実施形態の受信装置と送信装置とを組み込んだ送受信共用装置である。なお、この通信装置には、新たに送受共用器20を設けた。この送受共用器20は、電波の送受信を1本のアンテナで共用するものである。
[動作]
次に、通信装置12の動作について説明する。この通信装置12は、アンテナ21より送受共用器20を介して受信信号を受信する場合、既に述べた受信装置11と同様の動作をする。また、送受共用器20を介してアンテナ21から送信信号を送信する場合には、既に述べた送信装置と同様の動作をする。
以上説明したように、本発明においては、以下に記載するような効果を奏する。第1の効果は、本発明の周波数変換器により、スプリアスを除去することができる。
第2の効果は、BEF自体の温度条件(周波数シフト)、減衰特性等の要求を下げることができる。温度条件の要求が下がれば、安価な部品でBEFを実現することが可能となり、周波数変化量を含めた広帯域な減衰特性も不要となる。よって、BEFは狭帯域な減衰特性を有していれば良く、信号周波数の近傍で減衰域を設けることが可能なため、近傍で発生するスプリアスに対しても十分な減衰量を得る設計が可能となる。さらに、狭帯域であれば段数を少なくすることが可能であるため、使用部品の削減によるばらつきの最小化と実装面積の縮小による小型化を実現できる。
第3の効果は、本発明にその他の特別に高価な部品や構成は不要であり、汎用のメモリ等に上述した周波数シフトを保持させ、周波数変換の時にそれを利用するという単純な構成で実現できる。
第4の効果は、第1次中間周波数での補正変換を第2次中間周波数への変換でフィ−ドバック補正するため、大きな周波数補正を行ったとしても、ずれのない常に一定の周波数で復調を行うことができる。また、変調においても同様である。これは、温度変化の大きいマイクロ波帯以上の高周波数を扱う通信装置において特に有効である。
なお、本発明の周波数変換装置では、BEFについて温度変化による周波数シフトのずれの補正を適用したが、BEFに限られるものではなく、HPF(High Pass Filter)、LPF(Low Pass Filter)に置き換えても適用可能である。
本発明は、マイクロ波帯以上の高周波を扱う通信装置に利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
本発明の一実施形態としての受信装置の構成図である。 温度情報特性記憶部内の情報の一例を示す図である。 混合信号入力部の構成図である。 BEFの温度変化による周波数シフトの一例を説明する図である。 BEFの減衰特性の一例を説明する図である。 本発明の一実施形態である周波数変換方法を説明する図である。 周波数変換方法の原理を説明する図である。 本発明の一実施形態である周波数変換器による周波数変換の処理の一例を表すフローチャートである。 第2の実施例における受信装置の構成図である。 BPFの減衰特性の一例を表した図である。 第2の実施例における不要波の除去を説明する図である。 本発明の一実施形態である送信装置の構成図である。 本発明の一実施形態である通信装置の構成図である。
符号の説明
1 受信装置
2 受信部
3、7 周波数変換器
4 復調部
5 変調部
6 送信部
11 送信装置
12 通信装置
20 送受共用器
21 アンテナ
22、38、41、51、59、61 BPF
23 LNA
24、58 送信信号増幅部
31、54 第1のミキサ
32 BEF
33、39、42、52、56 増幅器
34、57 第2のミキサ
35 混合信号入力部
36 温度情報特性記憶部
37 温度センサ
43 DEM
53 MOD
351 制御部
352 温度検出部
353 周波数変換制御部
354 局部発振器
361 温度特性情報テーブル

Claims (11)

  1. 入力信号を所望の周波数の信号に変換する周波数変換器であって、
    前記入力信号を第1の信号に周波数変換する第1の周波数変換部と、
    前記第1の周波数変換部にて周波数変換の際に生じる特定の周波数範囲の特定信号を減衰させるフィルタと、
    前記フィルタにて前記特定信号が減衰された後の前記第1の信号を所望の周波数である第2の信号に変換する第2の周波数変換部と、
    前記フィルタの温度を測定する温度測定部と、
    前記フィルタの温度変化により発生する該フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフトを表す温度特性情報を予め記憶しておく温度特性情報記憶部と、を備え、
    前記第1の周波数変換部は、前記温度特性情報に基づいて、前記温度測定部にて測定された温度に対応する前記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分ずらして前記入力信号を前記第1の信号に周波数変換し、
    前記第2の周波数変換部は、前記第1の周波数変換部にてずらした前記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分を戻して前記第2の信号に周波数変換する、ことを特徴とする周波数変換器。
  2. 前記フィルタが、特定の周波数範囲の周波数の信号だけを減衰させ、それ以外の周波数の信号を通過させるBEF(Band Elimination Filter)である、ことを特徴とする請求項1記載の周波数変換器。
  3. 前記第1の周波数変換部は、前記温度特性情報に基づいて、前記温度測定部にて測定された温度に対応する前記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分をずらす第1の混合信号を前記入力信号に混合して前記第1の信号に変換するものであって、
    前記第2の周波数変換部は、前記第1の周波数変換部にてずらした前記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分を戻す第2の混合信号を前記第1の信号に混合して前記第2の信号に変換するものである、ことを特徴とする請求項1又は2記載の周波数変換器。
  4. 前記第1の周波数変換部は、前記温度測定部にて測定された温度と前記温度特性情報とに基づいて、前記特定信号が前記フィルタの減衰周波数帯を通過するよう前記第1の混合信号を前記入力信号に混合して周波数変換する、ことを特徴とする請求項3記載の周波数変換器。
  5. 前記第1の混合信号を前記第1の周波数変換部に入力し、前記第2の混合信号を前記第2の周波数変換部に入力する混合信号入力部をさらに備えた、ことを特徴とする請求項3又は4記載の周波数変換器。
  6. 前記特定信号は、定倍成分の高調波が含まれている信号を周波数変換させた場合に生じるスプリアスである、ことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項記載の周波数変換器。
  7. 前記フィルタに加えて、特定の周波数範囲の信号だけを通過させる通過フィルタをさらに備えた、ことを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項記載の周波数変換器。
  8. 外部から入力された信号を受信する受信器と、
    この受信した信号を前記入力信号とし、当該入力信号を前記所望の周波数の信号に変換する、請求項1から7のうちいずれか1項記載の周波数変換器と、
    前記周波数変換器にて変換された所望の周波数の信号を復調する復調器と、を備えたことを特徴とする受信装置。
  9. 外部に送信する信号を変調する変調器と、
    この変調された信号を前記入力信号とし、当該入力信号を所望の周波数の信号に変換する、請求項1から7のうちいずれか1項記載の周波数変換器と、
    前記周波数変換器にて変換された所望の周波数の信号を外部に送信する送信器と、を備えたことを特徴とする送信装置。
  10. 請求項7記載の受信装置と、
    請求項8記載の送信装置と、を備えたことを特徴とする通信装置。
  11. 入力信号を所望の周波数の信号に変換する周波数変換方法であって、
    特定の周波数の特定信号を減衰させるフィルタの温度を測定する温度測定工程と、
    前記フィルタの温度変化による該フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフトを表す温度特性情報とに基づいて、前記温度測定工程にて測定された温度に対応する前記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分をずらして前記入力信号を第1の信号に周波数変換する第1の周波数変換工程と、
    前記第1の周波数変換工程にて周波数変換の際に生じる前記特定信号を減衰させる減衰工程と、
    前記減衰工程にて前記特定信号が減衰された後の第1の信号に対して前記第1の周波数変換部にてずらした前記フィルタの減衰周波数帯の周波数のシフト分を戻して前記第2の信号に周波数変換する第2の周波数変換工程と、を備えたことを特徴とする周波数変換方法。
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