JP3730349B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリシロキサン−ポリカーボネート共重合体を感光層の表面層に含有する電子写真感光体であって、長期間にわたって優れた機械的強度及び電子写真特性を維持する電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンター、ファクシミリなどに用いられる電子写真感光体は、従来より用いられていた無機感光体から、無公害性、高生産性、材料設計の幅広さなどに優れる有機電子写真感光体(OPC)に置き換わってきている。そして、これまでは無機感光体の独壇場であった高速、高耐久機種にも、有機電子写真感光体を採用する動きが出ている。しかしながら、従来の有機電子写真感光体は無機感光体に比べて耐久性が劣り、特に、感光体に異物(トナー、紙粉、外添剤など)が固着し、印刷画像不良を起こす現象(トナーフィルミング)が顕著に生じるため、前記高速、高耐久機種への適用が円滑に行われていない。
【0003】
このフィルミング現象が発生する原因について我々は鋭意研究を行った結果、感光体に異物が分子間力のような弱い力で付着することがフィルミングの引き金となることを見出し、フィルミングを防止するには、異物との付着力(分子間力)が小さい感光体、具体的には最表面に少なくとも樹脂成分としてポリシロキサンとポリカーボネートの共重合体を含有した感光体を用いることが効果的であることを見出した。
【0004】
ところで、ポリシロキサンとポリカーボネートの共重合体を用いた電子写真感光体としては、これまでにもいくつかが提案されている(特開昭61−132954号公報、特開平2−240655号公報等)。しかしこれらの材料は電荷輸送物質との相溶性が悪く、塗工液を調製した後、半日〜数日で溶液の白化、ゲル化が生じる。この溶液の白化、ゲル化を改善するため、ポリシロキサンの両末端をフェノールで修飾し、ポリカーボネートと共重合させたり(特開平5−72753号公報、特開平5−297620号公報)、ポリシロキサンの両末端フェノール修飾ポリカーボネートに、更に特定の構造のビスフェノール構造を導入した三元共重合体(特開平6−220181号公報)の使用などが試みられている。しかし、前者の試みにおいても、電荷輸送物質との相溶性向上は十分ではなく、塗工液作製後、数日〜一か月程度で白化、ゲル化などの問題が発生する。また、この塗工液がゲル化する前に感光体を作製した場合においても、電荷輸送物質とバインダー樹脂がミクロ相分離しているため、感度(半減露光量)不良、残留電位上昇など、電気的な特性が悪化する。また、後者においては、電荷輸送物質との相溶性を付与した第三成分を共重合させることで塗工液の安定性は数か月以上と向上したが、反面、上記第三成分が必須成分となるため、ポリカーボネートの物性のコントロールの幅が狭くなってしまい、また、樹脂製造時に三種のモノマー成分の反応を均質に制御することが困難であり、再現性良く同じ物性の重合体を得ることが困難であるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に基づいてなされたものであり、電荷輸送物質との相溶性が良い上に、溶媒に溶解しても長期間にわたって白化又はゲル化を起こさず、また、電子写真感光体の表面層中の樹脂成分として用いた場合、感光体へのトナーフィルミング等を抑制することができるポリシロキサン−ポリカーボネート共重合体を感光層の表面層中の樹脂成分として用いることにより、長期間にわたって優れた機械的強度及び電子写真特性を維持する電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリシロキサンの末端をフェノール基で修飾したモノマーを更にシロキサン結合を介して分岐させたモノマーとポリカーボネートとの共重合体が、電子写真感光体のバインダー樹脂等として好適に用いられ、電子写真感光体への異物の付着を防止し、電荷輸送物質との相溶性が良好で、塗工液も数ケ月以上安定であり、かつ電気的特性も良好であることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体において、感光層が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位(1)を含有するポリカーボネート重合体を含有する表面層を有することを特徴とする電子写真感光体を提供するものである。
【0008】
【化3】
Figure 0003730349
【0009】
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない同種又は異種の一価炭化水素基であり、R1は各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜6の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6の置換若しくは無置換のアルコキシ基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、Xは各々独立に炭素数2以上のアルキレン基又は炭素数2以上のアルキレンオキシアルキレン基であり、X′は各々独立に炭素数2以上のアルキレン基、炭素数2以上のアルキレンオキシアルキレン基又は酸素原子であり、aは各々独立に0〜4の整数であり、naは0又は1であり、nbは1又は2であり、ncは1又は2であり、ただしna+nb+nc=3であり、n1、n2、n3及びn4は各々独立に0又は1以上の整数であり、ただしn1+n2+n3+n4=0〜450の整数である。)
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるポリカーボネート重合体は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、更に、合成時に末端停止剤や分岐剤等を用いることにより、ポリマー末端に特殊な末端構造や特殊な分岐構造が導入されているものであってもよい。
【0011】
また、本発明に用いられるポリカーボネート重合体は、塩化メチレンを溶媒として濃度0.5g/dlで20℃で測定した還元粘度が0.1〜10.0dl/g、好ましくは0.3〜5.0dl/gであることが望ましい。還元粘度が0.1dl/g未満のポリカーボネート重合体を用いると、そのポリカーボネート重合体を用いて形成される層の表面硬度が不足し、電子写真感光体表面が摩耗しやすくなることがある。一方、還元粘度が10.0dl/gを超えるポリカーボネート重合体を用いると、ポリカーボネート重合体の溶液粘度が上昇し、塗工液の塗布による電子写真感光体の製造が困難になることがある。
【0012】
本発明に用いられるポリカーボネート重合体は、共重合成分として繰り返し単位(1)を含有するポリカーボネート重合体であれば特に制限はされないが、繰り返し単位が上記繰り返し単位(1)及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位(2)からなるものであることが好ましい。
【0013】
【化4】
Figure 0003730349
【0014】
(式中、R2は各々独立にハロゲン原子、ビニル基、アリル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数3〜12の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数1〜6の置換若しくは無置換のアルコキシ基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基であり、aは各々独立に0〜4の整数であり、Yは単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR34−、炭素数5〜11の置換若しくは無置換のシクロアルキリデン基、炭素数2〜12の置換若しくは無置換のα,ω−アルキレン基、9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換若しくは無置換のピラジリデン基又は炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリーレン基であり、ただしR3及びR4は各々独立に水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基である。)
ポリカーボネート重合体が繰り返し単位(1)及び(2)からなるものである場合、繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(2)の合計に対する繰り返し単位(1)のモル比、(1)/[(1)+(2)]、が0.0001〜1であることが好ましく、より好ましくは0.0003〜0.5であり、特に好ましくは0.0005〜0.3である。
【0015】
なお、本発明に用いられるポリカーボネート重合体は、繰り返し単位(1)及び(2)を、各々、1種又は2種以上有していてよい。また、このポリカーボネート重合体は、本発明の目的達成を阻害しない範囲で、繰り返し単位(1)及び(2)以外の繰り返し単位を有していてもよい。
一般式(1)において、Rは脂肪族不飽和結合を含まない同種又は異種の一価炭化水素基であり、この一価炭化水素基の例としては、例えば、炭素数1〜6の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基が挙げられる。
【0016】
Rの具体例は次のとおりである。
炭素数1〜6の無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。
【0017】
炭素数6〜12の無置換のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基であり、フェニル基が好ましい。
一般式(1)中のR1の具体例は次のとおりである。
炭素数1〜6の無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。
【0018】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、フッ素、塩素、臭素が好ましい。
炭素数1〜6の無置換のアルコキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、2−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基であり、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基が好ましい。
【0019】
炭素数6〜12の無置換のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基であり、フェニル基が好ましい。
一般式(1)中のX及びX′が示す炭素数2以上のアルキレン基としては、炭素数2〜6のアルキレン基が挙げられ、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基であり、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が好ましい。
【0020】
一般式(1)中のX及びX′が示す炭素数2以上のアルキレンオキシアルキレン基としては、炭素数4〜10のアルキレンオキシアルキレン基が挙げられ、エチレンオキシプロピレン基、エチレンオキシブチレン基が好ましい。
一般式(2)において、R2、Y、R3及びR4の具体例は次のとおりである。R2が示すハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、フッ素、塩素、臭素が好ましい。
【0021】
2、R3及びR4が示す炭素数1〜10の無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。
【0022】
2、R3及びR4が示す炭素数6〜12の無置換のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基であり、フェニル基が好ましい。
2が示す炭素数3〜12の無置換のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基であり、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
【0023】
2が示す炭素数1〜6の無置換のアルコキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、2−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基であり、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基が好ましい。
【0024】
2が示す炭素数6〜12の無置換のアリールオキシ基としては、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、ビフェニリルオキシ基であり、フェニルオキシ基が好ましい。
Yが示す炭素数6〜24の無置換のアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基、ターフェニリレン基、クォーターフェニリレン基であり、フェニレン基が好ましい。
【0025】
Yが示す炭素数5〜11の無置換のシクロアルキリデン基としては、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基、シクロオクチリデン基、シクロノニリデン基、シクロデシリデン基、シクロウンデシリデン基であり、シクロヘキシリデン基が好ましい。
Yが示す炭素数2〜12の無置換のα,ω−アルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基であり、エチレン基、トリメチレン基が好ましい。
【0026】
Yが示す1,8−メンタンジイル基としては、1,8−p−メンタンジイル基が好ましい。
Yが示す2,8−メンタンジイル基としては、2,8−p−メンタンジイル基が好ましい。
置換アルキル基、置換アリール基、置換アルコキシ基、置換アリールオキシ基、置換シクロアルキル基、置換アリーレン基、置換α,ω−アルキレン基、置換シクロアルキリデン基及び置換ピラジリデン基とは、各々、上記の無置換アルキル基、無置換アリール基、無置換アルコキシ基、無置換アリールオキシ基、無置換シクロアルキル基、無置換アリーレン基、無置換α,ω−アルキレン基及び無置換シクロアルキリデン基や、無置換ピラジリデン基上の少なくとも1つの水素原子が置換基で置換された基を意味する。置換アルキル基及び置換アルコキシ基の置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数6〜12のアリール基(フェニル、ナフチル、ビフェニリル)、炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソブトキシ)、炭素数1〜4のアルキルチオ基(メチルチオ等)、炭素数6〜12のアリールチオ基(フェニルチオ等)が挙げられる。置換アリール基、置換アリールオキシ基及び置換アリーレン基の置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数1〜4のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル)、炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソブトキシ)、炭素数1〜4のアルキルチオ基(メチルチオ等)、炭素数6〜12のアリールチオ基(フェニルチオ等)が挙げられる。置換α,ω−アルキレン基、置換シクロアルキル基、置換シクロアルキリデン基、置換ピラジリデン基の置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数1〜4のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル)、炭素数6〜12のアリール基(フェニル、ナフチル、ビフェニリル)、炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソブトキシ)、炭素数1〜4のアルキルチオ基(メチルチオ等)、炭素数6〜12のアリールチオ基(フェニルチオ等)が挙げられる。R2、R3及びR4の場合、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の置換アルキル基の好ましい一例としては、メチル基の水素原子3つがフッ素原子で置換されたトリフルオロメチル基が挙げられる。
【0027】
一般式(1)中、n1及びn2は各々独立に、好ましくは1〜20の整数であり、n3+n4は好ましくは0〜100の整数である。n1+n2+n3+n4=2〜100の整数であることが好ましい。
本発明のポリカーボネート重合体は、例えば、下記一般式(3)で表されるヒドロキシフェニル基含有ポリオルガノシロキサン(3)と下記一般式(4)で表される二価フェノール(4)に、炭酸エステル形成性化合物を反応させることにより合成することができる。なお、本発明のポリカーボネート重合体の合成にあたり、ヒドロキシフェニル基含有ポリオルガノシロキサン(3)は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、また、二価フェノール(4)も1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0028】
【化5】
Figure 0003730349
【0029】
(式中、R、R1、X、X′、a、na、nb、nc、n1、n2、n3及びn4は上記と同じ意味である。)
【0030】
【化6】
Figure 0003730349
【0031】
(式中、R2、a及びYは上記と同じ意味である。)
合成方式としては、例えば、炭酸エステル形成性化合物としてホスゲン等を用い、適当な酸結合剤の存在下に上記ヒドロキシフェニル基含有ポリオルガノシロキサン(3)及び二価フェノール(4)と重縮合させる方法、炭酸エステル形成性化合物としてビスアリールカーボネートを用い、エステル交換反応を行う方法などが適用可能である。これらの反応は、必要に応じ末端停止剤及び/又は分岐剤の存在下で行われる。
【0032】
上記のヒドロキシフェニル基含有ポリオルガノシロキサン(3)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0033】
【化7】
Figure 0003730349
【0034】
【化8】
Figure 0003730349
【0035】
【化9】
Figure 0003730349
【0036】
【化10】
Figure 0003730349
【0037】
【化11】
Figure 0003730349
【0038】
【化12】
Figure 0003730349
【0039】
【化13】
Figure 0003730349
【0040】
【化14】
Figure 0003730349
【0041】
【化15】
Figure 0003730349
【0042】
【化16】
Figure 0003730349
【0043】
【化17】
Figure 0003730349
【0044】
【化18】
Figure 0003730349
【0045】
【化19】
Figure 0003730349
【0046】
【化20】
Figure 0003730349
【0047】
上記のヒドロキシフェニル基含有ポリオルガノシロキサン(3)は、例えば、白金系触媒等のヒドロシリル化反応用触媒の存在下、下記一般式(5):
【0048】
【化21】
Figure 0003730349
【0049】
(式中、R、X′、na、nb、nc、n1、n2、n3及びn4は上記と同じ意味である。)
で表されるケイ素原子結合水素原子を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサンと、分子中に水酸基がトリオルガノシリル基等で保護されたフェノール基を有する脂肪族不飽和結合含有炭化水素化合物とを付加反応させた後、トリオルガノシリル基等の保護基を、酸触媒の存在下にメタノール等を加えて加熱して脱離させることにより製造することができる。このとき、水酸基がトリオルガノシリル基等で保護されていないフェノール基を有する脂肪族不飽和結合含有炭化水素化合物を使用することもできる。
【0050】
上記一般式(5)で表されるケイ素原子結合水素原子を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサンのうち、X′がアルキレン又はアルキレンオキシアルキレンであるポリオルガノシロキサンは、例えば、下記一般式:
【0051】
【化22】
Figure 0003730349
【0052】
(式中、Rは上記と同じ意味であり、Dは水素原子又はリチウム原子であり、ここではn4は1以上の整数である。)
で表されるオルガノシラン若しくはポリオルガノシロキサン(a)と、下記一般式:
【0053】
【化23】
Figure 0003730349
【0054】
(式中、R、X′、na、nb、nc、n1、n2及びn3は上記と同じ意味であり、Halはハロゲン原子である。)
で表されるシロキサン(b)とを縮合反応させることにより製造することができる(特開平4−353523号公報参照)。
上記一般式(5)で表されるケイ素原子結合水素原子を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサンのうち、X′が酸素原子であるポリオルガノシロキサンは、例えば、下記一般式で表されるオルガノシラン若しくはポリオルガノシロキサン(a′)と、下記一般式で表されるシロキサン(b′)とを縮合反応させることにより製造することができる。
【0055】
【化24】
Figure 0003730349
【0056】
(式中、D、Hal、R、na、nb、nc、n1、n2n3及びn4は上記と同じ意味である。)
一般式(4)で表される二価フェノール(4)の例としては、例えば、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−2,2′−ジメチルビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジシクロヘキシルビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジビニルビフェニル、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシビフェニル等の4,4′−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ノニルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ビニルフェニル)メタン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−メチル−3−ビニルフェニル)メタン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシフェニル−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)メタン、ビス(6−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)−1−フェニルエタン、2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラクロロビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラブロモビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ブロモ−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ビニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−5−メチル−3−ビニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−sec−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−tert−ペンチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2−エチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ビニルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−5−メチル−3−ビニルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド等のビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホキシド等のビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)スルホン等のビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン類;4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン等のビス(ヒドロキシフェニル)ケトン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ビニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−5−メチル−3−ビニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)フルオレン等のビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類;4,4″−ジヒドロキシ−p−ターフェニル等のジヒドロキシ−p−ターフェニル類;4,4′′′−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル等のジヒドロキシ−p−クォーターフェニル類;2,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ピラジン、2,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,6−ジメチルピラジン、2,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,6−ジエチルピラジン等のビス(ヒドロキシフェニル)ピラジン類;1,8−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メンタン、1,8−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メンタン、1,8−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メンタン等のビス(4−ヒドロキシフェニル)メンタン類;などが挙げられる。また、一般式(4)で表されるこれらの二価フェノール(4)以外に、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、メチルヒドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類;1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチルビスインダン等のジヒドロキシビスインダン類;1,4−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼンなども用いることができる。
【0057】
これら各種の二価フェノール類のなかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンなどが好ましく、特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
【0058】
本発明の上記ポリカーボネート重合体の製造に用いることのできる末端停止剤としては、一価のカルボン酸及びその誘導体、一価のフェノールを用いることができる。例えば、p−(tert−ブチル)フェノール、p−クミルフェノール、p−フェニルフェノール、p−(パーフロオロノニルフェニル)フェノール、p−(パーフルオロキシルフェニル)フェノール、p−tert−パーフルオロブチルフェノール、1−(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロデカン、p−(2−(1H,1H−パーフルオロトリデシルオキシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)フェノール、3,5−ビス(パーフルオロヘキシルオキシカルボニル)フェノール、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロドデシル、p−(1H,1H−パーフルオロオクチルオキシ)フェノール、2H,2H,9H−パーフルオロノナン酸等が好適に用いられる。
【0059】
末端停止剤の総量の好ましい範囲は、共重合組成比として1〜30モル%、より好ましくは1〜10モル%である。30モル%を超えると成形品の表面硬度不足のため感光層が摩耗しやすくなり、耐刷寿命が短くなり、1モル%未満では溶液粘度が上昇し、液塗工法による感光体の製造が困難になることがある。
分岐剤としては、3価以上のフェノール又はカルボン酸を用いることができる。分岐剤の例としては、フロログリシン、ピロガロール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、2,4−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル)プロパン、2,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル}フェノール、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、テトラキス(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノキシ)メタン、1,4−ビス(4′、4″−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、シアヌル酸、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロモイサチン等が挙げられる。
【0060】
この中で好ましく用いられるのは、フロログリシン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等である。
分岐剤の量の好ましい範囲は、共重合組成比として30モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。30モル%を超えると、溶液粘度が上昇し、液塗工法による感光体の製造が困難になることがある。
【0061】
炭酸エステル形成性化合物として前記ホスゲンをはじめとする各種のジハロゲン化カルボニル、クロロホルメート等のハロホルメート類、炭酸エステル化合物などを用い、酸結合剤の存在下に重縮合を行う反応は、通常、溶媒中で行われる。ホスゲン等のガス状の炭酸エステル形成性化合物を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好適に採用できる。
【0062】
炭酸エステル形成性化合物の使用割合は、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよい。
前記酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン等の有機塩基或いはこれらの混合物などが用いられる。
【0063】
酸結合剤の使用割合も、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、使用する原料のフェノール性水酸基1モルあたり1当量若しくはこれより過剰量、好ましくは1〜5当量の酸結合剤を用いることが好ましい。前記溶媒としては、公知のポリカーボネート重合体の製造に使用されるものなど各種の有機溶媒を1種単独で或いは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例としては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、クロロベンゼンをはじめとするハロゲン化炭化水素、アセトフェノンなどが挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。互いに混ざり合わない2種の溶媒を用いて界面重縮合反応を行ってもよい。
【0064】
また、重縮合反応を促進するために、触媒を用いて反応を行うことが望ましい。触媒としては、例えば、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリブチルベンジルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の四級アンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド等の四級ホスホニウム塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン等の三級アミンなどが好適である。
【0065】
また、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。反応は、通常、0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲の温度で行われる。反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応系の自圧程度で好適に行い得る。反応時間は、反応温度等によって左右されるが、通常0.5分間〜10時間、好ましくは1分間〜2時間程度である。
【0066】
得られるポリカーボネート重合体の還元粘度を前記の範囲にするには、例えば、前記反応条件の選択、前記末端停止剤や分岐剤の使用量の調節など、各種の方法によってなすことができる。また、場合により、得られたポリカーボネート重合体に適宜物理的処理(混合、分画など)及び/又は化学的処理(ポリマー反応、部分分解処理など)を施して、所定の還元粘度のポリカーボネート重合体として取得することもできる。
【0067】
上記の製造法は、様々な態様で実施可能であり、例えば、二価フェノールとホスゲン(又はホスゲン誘導体)を反応させてポリカーボネートオリゴマーを製造し、次いで、このポリカーボネートオリゴマーと上記のヒドロキシフェニル基含有ポリオルガノシロキサン、又はヒドロキシフェニル基含有ポリオルガノシロキサン及び二価フェノールとを、有機溶媒と上記の酸結合剤等のアルカリ水溶液の混合溶液下で反応させる方法によって、本発明のポリカーボネート重合体を製造することができる。また、上記の二価フェノール、ホスゲン及びヒドロキシフェニル基含有ポリオルガノシロキサンを有機溶媒とアルカリ水溶液の混合溶液中で反応させる方法によっても製造することができる。また、ヒドロキシフェニル基含有ポリオルガノシロキサンとホスゲン(又はホスゲン誘導体)を反応させてオリゴマーを製造し、次いでこれに二価フェノール及び/又はヒドロキシフェニル基含有ポリオルガノシロキサンを有機溶媒とアルカリ水溶液の混合溶媒中で反応させる方法によっても製造することができる。通常は、前者の、予めポリカーボネートオリゴマーを製造する方法を用いると、効率的にポリカーボネート重合体を得ることができ、好ましい。
【0068】
ポリカーボネートオリゴマーを製造するには、まず、アルカリ水溶液に二価フェノール(及び、必要に応じ、分岐剤)を溶解させ、二価フェノールのアルカリ水溶液を調製する。次いで、このアルカリ水溶液と塩化メチレンなどの有機溶媒との混合液にホスゲンを導入して反応させ、二価フェノールのポリカーボネートオリゴマーを合成する。次いで、反応溶液を水相と有機相とに分離し、ポリカーボネートオリゴマーを含む有機相を得る。この際、アルカリ水溶液のアルカリ濃度は、1〜15重量%の範囲が好ましく、また、有機相と水相との容積比は、10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5の範囲にあるのが望ましい。反応温度は冷却下に通常0〜70℃、好ましくは5〜65℃とすることが望ましく、反応時間は15分〜4時間、好ましくは30分〜3時間程度である。このようにして得られるポリカーボネートオリゴマーの平均分子量は2,000以下で、重合度は、通常20以下、好ましくは2〜10量体のものである。二価フェノールとして上記の二価フェノール(4)を用いた場合、このようにして得られるポリカーボネートオリゴマーは、通常、下記一般式(6)で表される構造を有する。
【0069】
【化25】
Figure 0003730349
【0070】
(式中、R2、a、及びYは上記と同じ意味であり、Halは塩素等のハロゲン原子であり、tは2〜20である。)
このようにして得られるポリカーボネートオリゴマーを含む有機相に、上記のヒドロキシフェニル基含有ポリオルガノシロキサン(及び、必要に応じ、追加の二価フェノール)を加えて反応させる。反応温度は、通常、10〜50℃、好ましくは20〜40℃、であり、反応時間は通常、30分〜2時間程度である。この反応にあたって、ヒドロキシフェニル基含有ポリオルガノシロキサンは有機溶媒に溶解させ、また、二価フェノールはアルカリ水溶液として添加することが望ましい。その添加順序については、特に制限はないが、二価フェノールを最後に加えることが望ましい。また、ヒドロキシフェニル基含有ポリオルガノシロキサンは、その一部又は全部を、二価フェノールとホスゲンとからポリカーボネートオリゴマーを製造する過程に投入してもよい。このようにして、本発明のポリカーボネート重合体を効率的に製造することができる。
【0071】
なお、触媒、末端停止剤及び分岐剤等は、上記の製造法において、必要に応じ、ポリカーボネートオリゴマーの製造時、その後の高分子量化の反応時のいずれか、または両方において添加して用いることができる。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体であって、感光層が、本発明のポリカーボネート重合体を含有する表面層を有するものである。
【0072】
本発明の電子写真感光体はこのような感光層が導電性基体上に形成されたものである限り、その構造に特に制限はなく、単層型、積層型等の公知の種々の形式の電子写真感光体はもとより、どのようなものとしてもよい。通常は、感光層が少なくとも1層の電荷発生層と、表面層を形成する少なくとも1層の電荷輸送層を有する積層型電子写真感光体が好ましく、少なくともその電荷輸送層中に上記ポリカーボネート重合体がバインダー樹脂として、及び/又は、上記表面層の改質のための添加剤として、及び/又は、ポリカーボネートとポリシロキサンの相溶化剤として用いられていることが好ましい。
【0073】
本発明の電子写真感光体において、本発明のポリカーボネート重合体をバインダー樹脂として用いる場合、ポリカーボネート重合体を1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いてもよいし、また、所望に応じて本発明の目的達成を阻害しない範囲で、他のポリカーボネート樹脂等の樹脂成分と併用してもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる導電性基体の材料としては、公知のものなど各種のものを使用することができ、具体的にはアルミニウム、ニッケル、クロム、パラジウム、チタン、金、銀、銅、亜鉛、ステンレス、モリブデン、インジウム、白金、真鍮、酸化鉛、酸化錫、酸化インジウム、ITO若しくはグラファイトの板、ドラム及びシート、並びに蒸着、スパッタリング、塗布等によりコーティングするなどして導電処理したガラス、布、紙若しくはプラスチックのフィルム、シート及びシームレスベルト、アルミニウム等の金属箔を積層したプラスチックフィルム、シート及びシームレスベルト、並びに金属板のフィルム状シート及びシームレスベルト、並びに電極酸化などにより金属酸化処理した金属ドラムなどを使用することができる。
【0074】
積層型電子写真感光体の電荷発生層は少なくとも電荷発生物質を含むものであり、この電荷発生層はその下地となる基体上に真空蒸着、スパッタ法、CVD法等により電荷発生物質の層を形成せしめるか、又はその下地となる層上に電荷発生物質をバインダー樹脂を用いて結着してなる層を形成せしめることによって得ることができる。バインダー樹脂を用いる電荷発生層の形成方法としては公知の方法等、各種の方法を使用することができるが、通常、例えば、電荷発生物質をバインダー樹脂と共に適当な溶媒により分散若しくは溶解した塗工液を、所定の下地となる層上に塗布し、乾燥せしめる方法が好適に用いられる。
【0075】
前記電荷発生物質としては、公知のものなど各種のものを使用することができ、具体的には、非晶質セレン、三方晶セレン等のセレン単体、テルル単体、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金等のセレンの合金、As2Se3等のセレン化合物若しくはセレン含有組成物、酸化亜鉛、硫化カドミウム、硫化アンチモン、硫化亜鉛、CdS−Se等の合金、第12族及び第16族元素からなる無機材料、酸化チタン等の酸化物系半導体、アモルファスシリコンなどのシリコン系材料等の各種の無機材料、τ型無金属フタロシアニン、χ型無金属フタロシアニン等の無金属フタロシアニン顔料、α型銅フタロシアニン、β型銅フタロシアニン、γ型銅フタロシアニン、ε型銅フタロシアニン、X型銅フタロシアニン、A型チタニルフタロシアニン、B型チタニルフタロシアニン、C型チタニルフタロシアニン、D型チタニルフタロシアニン、E型チタニルフタロシアニン、F型チタニルフタロシアニン、H型チタニルフタロシアニン、G型チタニルフタロシアニン、K型チタニルフタロシアニン、L型チタニルフタロシアニン、M型チタニルフタロシアニン、N型チタニルフタロシアニン、Y型チタニルフタロシアニン、オキソチタニウムフタロシアニン、X線回折図におけるブラック角2θが27.3±0.2度に強い回折ピークを示すチタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン顔料、シアニン染料、アントラセン顔料、ビスアゾ顔料、ピレン顔料、多環キノン顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ぺリレン顔料、ピリリウム染料、チアピリリウム染料、ポリビニルカルバゾール、スクェアリウム顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料、アゾ顔料、チオインジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、キノリン顔料、レーキ顔料、オキサジン顔料、ジオキサジン顔料、トリフェニルメタン顔料、アズレニウム染料、スクウェアリウム染料、トリアリールメタン染料、キサンチン染料、チアジン染料などが挙げられる。
【0076】
例えば、下記一般式で表されるような化合物が好適に用いられる。
【0077】
【化26】
Figure 0003730349
【0078】
[式中、Z1、Z2、Z3及びZ4は各々独立にピロール環上の2個の炭素原子と共に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環若しくは複素環を形成することができる原子団を表し、Mは2個の水素原子又は配位子を有していてもよい金属原子若しくは金属化合物を表す。]
【0079】
【化27】
Figure 0003730349
【0080】
[式中、Ar6は芳香族系炭化水素環又は複素環を含んでいてもよい共役系を有するt価の残基を表し、tは1以上の正数であり、Cpは芳香族系水酸基を有するカップラー残基を表し、tが2以上の場合は、各々のCpは同一であっても異なっていてもよい。]
【0081】
【化28】
Figure 0003730349
【0082】
[式中、X2、X3、X4及びX5は、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子を表し、RP及びRQは炭素数1〜12のアルキル基若しくはアリール基を表し、X2若しくはX3とRP及びX4若しくはX5とRQとで置換基を有していてもよい複素環を形成していてもよい。]
フルオレン系ジスアゾ顔料としては、以下のような例がある。
【0083】
【化29】
Figure 0003730349
【0084】
【化30】
Figure 0003730349
【0085】
【化31】
Figure 0003730349
【0086】
ペリレン系顔料としては、以下のような例がある。
【0087】
【化32】
Figure 0003730349
【0088】
【化33】
Figure 0003730349
【0089】
多環キノン顔料としては、以下のような例がある。
【0090】
【化34】
Figure 0003730349
【0091】
アントアントロン顔料としては、以下のような例がある。
【0092】
【化35】
Figure 0003730349
【0093】
ジベンズピレンキノン顔料としては、以下のような例がある。
【0094】
【化36】
Figure 0003730349
【0095】
ピラントロン顔料としては、以下のような例がある。
【0096】
【化37】
Figure 0003730349
【0097】
これらの顔料を単独または2種以上を混合して用いることもできる。
電荷発生層の厚さは、0.01〜2.0μmが好ましく、0.1〜0.8μmがより好ましい。0.01μm未満であると、電荷発生層を均一に形成することが困難であり、2.0μmを超えると、電子写真特性が低下する傾向がある。
前記電荷発生層に用いられるバインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものなど各種のものを使用できる。具体的には、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ボリカーボネート、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリケトン、ポリアクリルアミド、ブチラール樹脂、ポリエステル、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、メタクリル樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ビニルトルエン−スチレン共重合体、大豆油変性アルキッド樹脂、ニトロ化ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリイソプレン、ポリチオカーボネート、ポリアリレート、ポリハロアリレート、ポリアリルエーテル、ポリビニルアクリレート、メラミン樹脂、ポリエーテル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート等の熱硬化性樹脂を使用することができる。
【0098】
上記電荷発生層におけるバインダー樹脂として本発明のポリカーボネート重合体を使用することもできる。
次に、電荷輸送層は、下地となる層(例えば電荷発生層)上に、電荷輸送物質をバインダー樹脂で結着してなる層を形成することによって得ることができる。この電荷輸送層の形成方法としては、公知の方法等の各種の方式を使用することができるが、通常、電荷輸送物質を本発明のポリカーボネート重合体と共に適当な溶媒に分散若しくは溶解した塗工液を、所定の下地となる層上に塗布し、乾燥させる方式などが使用される。電荷輸送層形成に用いられる電荷輸送物質とポリカーボネート重合体との配合割合は、好ましくは重量で20:80〜80:20、さらに好ましくは30:70〜70:30である。
【0099】
この電荷輸送層において、上記ポリカーボネート重合体は1種単独で用いることもできるし、また、2種以上を混合して用いることもできる。また、本発明の目的達成を阻害しない範囲で、前記電荷発生層に用いられるバインダー樹脂として挙げたような他の樹脂を上記ポリカーボネート重合体と併用することもできる。
【0100】
電荷輸送物質としては、公知のものなど各種のものを使用することができる。例えば、カルバゾール化合物、インドール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、ピラゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ピラゾリン化合物、チアジアゾール化合物、アニリン化合物、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物、スチルべン化合物、フルオレノン化合物、キノン化合物、キノジメタン化合物、チアゾール化合物、トリアゾール化合物、イミダゾロン化合物、イミダゾリジン化合物、ビスイミダゾリジン化合物、オキサゾロン化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンズイミダゾール化合物、キナゾリン化合物、ベンゾフラン化合物、アクリジン化合物、フェナジン化合物、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ−9−ビニルフェニルアントラセン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール樹脂、あるいはこれらを主鎖、側鎖に有する重合体が用いられ、好ましくは下記一般式で表されるような化合物が用いられる。
【0101】
【化38】
Figure 0003730349
【0102】
[式中、Ar1、Ar2及びAr3は各々独立に、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2、Ar2とAr3及びAr3とAr1で環を形成していてもよい。]
【0103】
【化39】
Figure 0003730349
【0104】
[式中、RA、RB、RC及びRDは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、A、B、C及びDは各々独立に、0〜5の整数である。]
【0105】
【化40】
Figure 0003730349
【0106】
[式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成してもよい。RAはシアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、REはエチレン基又はエテニレン基を表し、Eは0〜4の整数である。]
【0107】
【化41】
Figure 0003730349
【0108】
[式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成してもよい。RAはシアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、RF及びRGは各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はハロゲン原子を表し、Eは0〜4の整数である。]
【0109】
【化42】
Figure 0003730349
【0110】
[式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar6とAr7は各々独立に、炭素数1〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基或は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール化合物、多環式炭化水素、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素、複素環化合物、多環系複素環化合物又は縮合多環系複素環化合物の2価残基を表し、Ar1とAr2及びAr3とAr4は環を形成してもよい。]
【0111】
【化43】
Figure 0003730349
【0112】
[式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2及びAr3とAr4は環を形成してもよい。RH及びRIは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、E及びFは各々独立に0〜4の整数である。]
【0113】
【化44】
Figure 0003730349
【0114】
[式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2及びAr3とAr4は環を形成してもよい。RA、RB及びRCは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、E、F及びGは各々独立に0〜4の整数である。X1は−O−、−S−、−Se−、−Te−、−CRJK−、−SiRJK−、−NRJ−又は−PRJ−(式中、RJ及びRKは各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表す。)を表す。]
【0115】
【化45】
Figure 0003730349
【0116】
[式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成してもよい。RAはシアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Aは0〜5の整数である。]
【0117】
【化46】
Figure 0003730349
【0118】
[式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、RA及びRBは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2及びAr3とAr4は環を形成してもよい。F及びEは各々独立に0〜4の整数である。]
【0119】
【化47】
Figure 0003730349
【0120】
[式中、Ar1は水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、RA、RB及びRCは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、nは0又は1、A、B及びCは各々独立に0〜5の整数である。]
【0121】
【化48】
Figure 0003730349
【0122】
[式中、Ar1、Ar2及びAr3は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、RA及びRCは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、RB′は水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、nは0又は1、Eは0〜4の整数、Hは0〜3の整数である。]
【0123】
【化49】
Figure 0003730349
【0124】
[式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成してもよい。]
【0125】
【化50】
Figure 0003730349
【0126】
[式中、Ar1、Ar2及びAr3は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成してもよい。]
【0127】
【化51】
Figure 0003730349
【0128】
[式中、RA、RB、RC、RD、RH及びRIは各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、A、B、C、D、I及びJは各々独立に0〜5の整数である。]
【0129】
【化52】
Figure 0003730349
【0130】
[式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar6は炭素数1〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基或は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール化合物、多環式炭化水素、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素、複素環化合物、多環系複素環化合物又は縮合多環系複素環化合物の2価残基を表し、Ar1とAr2及びAr3とAr4は環を形成してもよく、nは0又は1である。]
【0131】
【化53】
Figure 0003730349
【0132】
[式中、RL、RM、RN及びROは各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表す。]
具体的には次に示すような化合物が用いられる。
【0133】
【化54】
Figure 0003730349
【0134】
【化55】
Figure 0003730349
【0135】
【化56】
Figure 0003730349
【0136】
【化57】
Figure 0003730349
【0137】
【化58】
Figure 0003730349
【0138】
【化59】
Figure 0003730349
【0139】
【化60】
Figure 0003730349
【0140】
【化61】
Figure 0003730349
【0141】
【化62】
Figure 0003730349
【0142】
【化63】
Figure 0003730349
【0143】
【化64】
Figure 0003730349
【0144】
【化65】
Figure 0003730349
【0145】
【化66】
Figure 0003730349
【0146】
【化67】
Figure 0003730349
【0147】
【化68】
Figure 0003730349
【0148】
【化69】
Figure 0003730349
【0149】
【化70】
Figure 0003730349
【0150】
【化71】
Figure 0003730349
【0151】
【化72】
Figure 0003730349
【0152】
【化73】
Figure 0003730349
【0153】
【化74】
Figure 0003730349
【0154】
【化75】
Figure 0003730349
【0155】
【化76】
Figure 0003730349
【0156】
【化77】
Figure 0003730349
【0157】
【化78】
Figure 0003730349
【0158】
【化79】
Figure 0003730349
【0159】
【化80】
Figure 0003730349
【0160】
【化81】
Figure 0003730349
【0161】
【化82】
Figure 0003730349
【0162】
【化83】
Figure 0003730349
【0163】
【化84】
Figure 0003730349
【0164】
【化85】
Figure 0003730349
【0165】
【化86】
Figure 0003730349
【0166】
【化87】
Figure 0003730349
【0167】
【化88】
Figure 0003730349
【0168】
【化89】
Figure 0003730349
【0169】
【化90】
Figure 0003730349
【0170】
【化91】
Figure 0003730349
【0171】
【化92】
Figure 0003730349
【0172】
【化93】
Figure 0003730349
【0173】
【化94】
Figure 0003730349
【0174】
【化95】
Figure 0003730349
【0175】
【化96】
Figure 0003730349
【0176】
【化97】
Figure 0003730349
【0177】
【化98】
Figure 0003730349
【0178】
【化99】
Figure 0003730349
【0179】
上記電荷輸送物質は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。電荷輸送層の厚さは5〜100μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。5μm未満であると、初期電位が低くなり、100μmを超えると、電子写真特性が低下する傾向がある。
導電性基体と感光層との間に通常使用されるような公知の下引き層を設けることができる。下引き層としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、ジルコニア、チタン酸、ジルコン酸、ランタン鉛、チタンブラック、シリカ、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化珪素等の微粒子、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、カゼイン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂等の成分を使用することができる。これらの微粒子や樹脂を単独で又は2種以上混合して使用することができる。特に微粒子を用いると、微粒子に樹脂が吸着され、平滑な皮膜を得ることができるため、微粒子と樹脂を併用することが望ましい。また、下引き層には前記バインダー樹脂を用いることができる。また、本発明のポリカーボネート重合体を用いることもできる。
【0180】
下引き層の厚さは、通常0.01〜10.0μm、好ましくは0.01〜1.0μmである。この厚さが0.01μm未満であると、下引き層を均一に形成することが困難になり、10.0μmを超えると、電子写真特性が低下することがある。
また、導電性基体と感光層との間に通常使用されているような公知のブロッキング層を設けることができる。ブロッキング層には前記バインダー樹脂を用いることができる。また、本発明のポリカーボネート重合体を用いることもできる。ブロッキング層の厚さは、通常0.01〜20.0μm、好ましくは、0.1〜10.0μmである。この厚さが0.01μm未満であると、ブロッキング層を均一に形成することが困難になり、20.0μmを超えると、電子写真特性が低下することがある。
【0181】
本発明の電子写真感光体には、感光層の上に保護層を積層してもよい。保護層の膜厚は0.01〜20μmが可能であり、より好ましくは0.1〜10μmである。保護層には前記バインダー樹脂を用いることができる。特に、本発明のポリカーボネート重合体を用いることが好ましい。保護層には、前記の電荷発生物質、電荷輸送物質、添加剤、金属及びその酸化物、窒化物、塩、合金、カーボンなどの導電材料を含有してもよい。
【0182】
更に、本発明の電子写真感光体には、その性能を向上させるために電荷発生層、電荷輸送層に結合剤、可塑剤、硬化触媒、流動付与剤、ピンホール制御剤、電子写真感度を改良するための分光感度増感剤(増感染料)、分光感度増感剤とは別に、繰り返し使用に対しての残留電位の増加、帯電電位の低下、感度の低下を防止する目的の種々の化学物質、酸化防止剤、界面活性剤、カール防止剤、レベリング剤等などの添加剤を添加することができる。
【0183】
結合剤の具体的な例としては、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリクロロプレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ホルマール樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、ポリエステルカーボネート樹脂等が挙げられる。また、熱及び/又は光硬化性樹脂も使用できる。いずれにしても、電気絶縁性で通常の状態で皮膜を形成しうる樹脂であれば、特に制限はない。
【0184】
結合剤は電荷輸送物質に対して、5〜200重量%添加することが好ましく、10〜100重量%がより好ましい。5重量%未満では感光層の皮膜が不均一となりやすく、画質が劣る傾向がある。20重量%を超えると、感度が低下し、残留電位が高くなる傾向がある。
可塑剤の具体的な例としては、ビフェニル、塩化ビフェニル、o−ターフェニル、ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタリン、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、トリフェニルフォスフェート、ジイソブチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ラウリル酸ブチル、メチルフタリールエチルグリコレート、ジメチルグリコールフタレート、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0185】
硬化触媒の具体的な例としては、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸等が挙げられる。
流動付与剤としては、モダフロー、アクロナール4F等が挙げられる。
ピンホール制御剤としては、ベンゾイン、ジメチルフタレート等が挙げられる。
【0186】
可塑剤、硬化触媒、流動付与剤、ピンホール制御剤は、前記電荷輸送物質に対して、5重量%以下で用いることが好ましい。
増感染料の具体的な例としては、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、ビクトリアブルー等で代表されるトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジ、フラペオシン等に代表されるアクリジン染料、メチレンブルー、メチレングリーン等に代表されるチアジン染料、カプリブルー、メルドラブルー等に代表されるオキサジン染料、その他シアニン染料、メロシアニン染料、スチリル染料、ピリリュウム塩染料、チオピリリュウム塩染料等が挙げられる。
【0187】
感光層には感度の向上、残留電位〜反復使用時の疲労低減等を目的として、電子受容性物質を加えることができる。
電子受容性物質としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、1,3,5−トリニトロベンゼン、パラニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、2,3−ジクロロベンゾキノン、ジクロロジシアノパラベンゾキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4−ニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)アクリル酸エチル、9−アントラセニルメチルマロンジニトリル、1−シアノ−(p−ニトロフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデン[ジシアノメチレンマロノニトリル]、ポリニトロ−9−フルオレニリデン−[ジシアノメチレンマロノジニトリル]、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸など、電子親和力が大きい化合物がある。
【0188】
この電子受容性物質は、電荷輸送層、電荷発生層のいずれに加えてもよく、電荷輸送物質又は電荷発生物質に対して通常0.01〜200重量%、より好ましくは0.1〜50重量%配合される。
また、表面性の改良のために、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体、フッ素系グラフトポリマーを用いてもよい。
【0189】
これらの表面改質剤は前記バインダー樹脂に対して0.1〜60重量%、より好ましくは5〜40重量%配合される。0.1重量%より少ないと耐摩耗性、表面耐久性、表面エネルギー低下等の表面改質が十分でなく、60重量%より多いと電子写真特性が悪くなることがある。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、スルフィド系酸化防止剤、有機リン酸系酸化防止剤などが挙げられる。
【0190】
これらの酸化防止剤は電荷輸送物質に対して通常0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜2重量%配合される。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、以下の例がある。
【0191】
【化100】
Figure 0003730349
【0192】
【化101】
Figure 0003730349
【0193】
【化102】
Figure 0003730349
【0194】
芳香族アミン系酸化防止剤としては以下のような例がある。
【0195】
【化103】
Figure 0003730349
【0196】
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、以下のような例がある。
【0197】
【化104】
Figure 0003730349
【0198】
スルフィド系酸化防止剤としては以下のような例がある。
【0199】
【化105】
Figure 0003730349
【0200】
有機リン酸系酸化防止剤としては以下のような例がある。
【0201】
【化106】
Figure 0003730349
【0202】
ヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を分子内に有する酸化防止剤としては以下のような例がある。
【0203】
【化107】
Figure 0003730349
【0204】
これら添加剤は1種単独で用いてもよいし、あるいは、2種類以上を混合するなどして併用してもよい。これらの添加剤は保護層、下引き層、ブロッキング層に添加してもよい。
前記電荷発生層、電荷輸送層の形成の際に使用する前記溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、酢酸エチル、エチルセロソルブ等のエステル、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド等を挙げることができる。
【0205】
これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、或いは、2種以上を混合溶媒として用いてもよい。
電荷輸送層を形成する方法としては、前記電荷輸送物質、添加剤、バインダー樹脂材料を溶剤に分散、又は溶解した溶液を所定の下地となる基体、層上に浸漬塗工法、静電塗工法、粉体塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法、アプリケーター塗工法、スプレーコーター塗工法、バーコーター塗工法、ロールコーター塗工法、ディップコーター塗工法、ドクターブレード塗工法、ワイヤーバー塗工法、ナイフコーター塗工法、アトライター塗工法、スピナー塗工法、ビード塗工法、ブレード塗工法、カーテン塗工法などの塗工法を用いて塗工し、乾燥することにより形成することができる。
【0206】
その分散又は溶解法としては、ボールミル、超音波、ペイントシェーカー、レッドデビル、サンドミル、ミキサー、アトライターなどを用いることができる。単層型電子写真感光体の感光層の形成は、前記電荷発生物質、電荷輸送物質、添加剤、バインダー樹脂材料を溶剤に分散、又は溶解した溶液を所定の下地となる基体上に塗布し、乾燥させることによって行われる。塗布方法、添加剤等は上記と同様である。単層型電子写真感光体の場合には、上記バインダー樹脂材料として、本発明のポリカーボネート重合体を用いることが好ましい。また、上記と同様に保護層、下引き層、ブロッキング層を設けてもよい。これらの層の形成にも、本発明のポリカーボネート重合体を用いることが好ましい。
【0207】
単層型感光体の膜厚は通常5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましい。5μm未満であると、初期電位が低くなりやすく、100μmを超えると電子写真特性が低下する傾向がある。
単層型電子写真感光体製造に用いられる電荷発生物質:ポリカーボネート重合体の重量による割合は、好ましくは1:99〜30:70、更に好ましくは3:97〜15:85である。また、電荷輸送物質:ポリカーボネート重合体の重量による割合は、好ましくは10:90〜80:20、更に好ましくは30:70〜70:30である。
【0208】
また、本発明の目的達成を阻害しない範囲で、他の樹脂を本発明のポリカーボネート重合体と併用することも可能である。
なお、本発明の電子写真感光体の感光層の層構成としては、本発明のポリカーボネート重合体を含む層が感光層の表面層となる構成とする。このようにして得られる本発明の電子写真感光体は低い表面エネルギーを有し、トナー等の異物の付着によるフィルミングが生じにくく、長期間にわたって優れた耐刷性及び電子写真特性を維持する感光体であり、複写機(モノクロ、マルチカラー、フルカラー;アナログ、デジタル)、プリンター(レーザー、LED、液晶シャッター)、FAX、製版機等の各種の電子写真分野に好適に利用することができる。
【0209】
本発明の電子写真感光体を使用するにあたって、帯電器は、コロナ放電(コロトロン、スコトロン)、接触帯電(帯電ロール、帯電ブラシ)などが用いられる。露光は、ハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー(半導体、He−Ne)、LED、感光体内部露光方式で行われる。現像工程はカスケード現像、二成分磁気ブラシ現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現像などの乾式現像方式や湿式現像方式などが用いられる。転写工程はコロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法が用いられる。定着は、熱ローラ定着、ラジアント・フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着などが用いられる。クリーニング・除電には、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなどが用いられる。
【0210】
【実施例】
以下、本発明の実施例及びその比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[参考例1]
イソプロピルアルコール240ml、濃塩酸120ml及び水240mlの混合物を氷水で冷却して、液温を10℃以下にした。次いで、これに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン120.6g(898ミリモル)を投入し、さらにメチルトリメトキシシラン54.5g(400ミリモル)を滴下した。滴下終了後、氷水浴をはずして1時間撹拌した。次いで水層を除去し、有機層に炭酸水素ナトリウムを加えて中和した。水層が中性を示すまで数回水洗を繰り返した後、有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させた。次いで減圧蒸留を行い、83mmHg、97〜98℃の留分45.5gを得た。この留分を1H核磁気共鳴分析(以下、NMR)及び赤外分光分析(以下、IR)により分析したところ、メチルトリス(ジメチルシロキシ)シランであることが判明した。
【0211】
このメチルトリス(ジメチルシロキシ)シラン120g(446.15ミリモル)を撹拌装置付の4つ口フラスコに投入し、これに白金とテトラメチルジビニルジシロキサンの錯体を反応混合物{メチルトリス(ジメチルシロキシ)シランとジメチルビニルクロロシランの反応混合物}の合計重量に対して白金金属量が20ppmとなるような量加えて、80℃に加熱した。次いでジメチルビニルクロロシラン21.5gを滴下し、滴下終了後90〜100℃で1時間加熱撹拌した。このようにして得られた反応混合物をガスクロマトグラフィー(以下、GLC)により分析したところ、原料のジメチルビニルクロロシランのピークが消失していたので反応終了とした。次いで減圧蒸留を行い、1mmHg、89〜91℃の留分47.6gを得た。この留分をNMR及びIRにより分析したところ、次の構造式で示されるシリコーン化合物であることが判明した。これを「ポリマーT」とする。
【0212】
【化108】
Figure 0003730349
【0213】
撹拌装置付の4つ口フラスコに、ヘキサメチルシクロトリシロキサン60g(270.3ミリモル)及びテトラヒドロフラン60gを投入し、氷水冷して液温を20℃以下にした。これを乾燥窒素雰囲気下で撹拌しながら、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液32.43ミリモルを投入し、さらに室温で撹拌した。撹拌中、反応混合物をGLCで分析することにより重合反応の進行を追跡した。6時間後にヘキサメチルシクロトリシロキサンの転化率が98.4%になったので、トリエチルアミン0.66g(6.5ミリモル)を加え、次いで前記の「ポリマーT」13.89g(35.68ミリモル)を加えて重合反応を停止させた。副生した塩を濾別した後、溶媒及び低沸点物を減圧下で加熱留去して、無色透明の反応生成物を得た。得られた反応生成物をNMR、IR及びGPCにより分析し、さらにヨードメトリーによりSiH基の重量%を測定したところ、次の平均構造式で示されるポリオルガノシロキサンであることが判明した。これを「ポリマー1」とする。
【0214】
【化109】
Figure 0003730349
【0215】
SiH基重量% 0.093%
GPCによる数平均分子量 2,288
分散度 1.13
[参考例2]
撹拌装置付の4つ口フラスコに、ヘキサメチルシクロトリシロキサン60g(270.3ミリモル)及びテトラヒドロフラン60gを投入し、氷水冷して液温を20℃以下にした。これを乾燥窒素雰囲気下で撹拌しながら、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液10.81ミリモルを投入し、さらに室温で撹拌した。撹拌中、反応混合物をGLCで分析することにより重合反応の進行を追跡した。6時間後にヘキサメチルシクロトリシロキサンの転化率が98.6%になったので、トリエチルアミン0.22g(2.17ミリモル)を加え、次いで参考例1で得られた「ポリマーT」4.63g(11.89ミリモル)を加えて重合反応を停止させた。副生した塩を濾別した後、溶媒及び低沸点物を減圧下で加熱留去して、無色透明の反応生成物を得た。得られた反応生成物をNMR、IR及びGPCにより分析し、さらにヨードメトリーによりSiH基の重量%を測定したところ、次の平均構造式で示されるポリオルガノシロキサンであることが判明した。これを「ポリマー2」とする。
【0216】
【化110】
Figure 0003730349
【0217】
SiH基重量% 0.034%
GPCによる数平均分子量 7,218
分散度 1.08
[参考例3]
撹拌装置付の4つ口フラスコに、ヘキサメチルシクロトリシロキサン60g(270.3ミリモル)、テトラヒドロフラン60gを投入し、これを氷水冷して液温を20℃以下にした。乾燥窒素雰囲気下で撹拌しながら、トリメチルシラノールのシクロヘキサン溶液を32.43ミリモル投入し、次いで、0.65ミリモルのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液を投入し室温で撹拌した。重合の進行をGLCで追跡し、6時間後に転化率が98.0%になったのでトリエチルアミン0.66g(6.5ミリモル)、「ポリマーT」13.89g(35.68ミリモル)を順に加えて重合を停止させた。副生した塩を濾別し、溶媒及び低沸点物を減圧下で加熱留去し、無色透明のポリマーを得た。このものは、NMR、IR、GPCによる分析及びヨードメトリーによるSiH基の重量%の測定から、次の平均構造式で示されるポリオルガノシロキサンであることが判明した。これを「ポリマー3」とする。
【0218】
【化111】
Figure 0003730349
【0219】
SiH基重量% 0.090%
GPCによる数平均分子量 2240
分散度 1.14
[参考例4]
撹拌装置付の4つ口フラスコに、ヘキサメチルシクロトリシロキサン48g(216.2ミリモル)、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン22.1g(54.1ミリモル)、テトラヒドロフラン60gを投入し、これを氷水冷して液温を20℃以下にした。乾燥窒素雰囲気下で撹拌しながらn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液を32.43ミリモル投入し室温で撹拌した。重合の進行をGLCで追跡し、6時間後に転化率が98.0%になったのでトリエチルアミン0.66g(6.5ミリモル)、「ポリマーT」13.89g(35.68ミリモル)を順に加えて重合を停止させた。副生した塩を濾別し、溶媒及び低沸点物を減圧下で加熱留去し、無色透明のポリマーを得た。このものは、NMR、IR、GPCによる分析及びヨードメトリーによるSiH基の重量%の測定から、次の平均構造式で示されるポリオルガノシロキサンであることが判明した。これを「ポリマー4」とする。
【0220】
【化112】
Figure 0003730349
【0221】
SiH基重量% 0.078%
GPCによる数平均分子量 2570
分散度 1.14
[参考例5]
参考例1で合成したメチルトリス(ジメチルシロキシ)シラン120g(446ミリモル)を、氷浴下、撹拌しながら、粉末状のCuCl2(1mmHg、200℃で10時間処理したもの)82.8g(616ミリモル)を徐々に加えた。全量を加えた後、氷浴を外し、さらに150℃となるまで徐々に加熱を行った。150℃になった後、30分間加熱撹拌を継続した。得られた反応混合物は、室温まで冷却した後、固形分を濾過で除去し、得られた有機層を減圧蒸留し、60mmHg、126〜130℃の留分116gを得た。この留分をNMR及びIRにより分析したところ、下記化合物(化合物X)であることが判明した。
【0222】
【化113】
Figure 0003730349
【0223】
撹拌装置付の4つ口フラスコに、ヘキサメチルシクロトリシロキサン60g(270ミリモル)及びテトラヒドロフラン60gを投入し、氷浴して液温を20℃以下にした。これを乾燥窒素雰囲気下で撹拌しながら、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液32.4ミリモルを投入し、さらに室温で撹拌した。撹拌中、反応混合物をGLCで分析することにより重合反応の進行を追跡した。6時間後にヘキサメチルシクロトリシロキサンの転化率が98%になったので、トリエチルアミン0.66g(6.5ミリモル)を加え、次いで前記の「化合物X」10.8g(35.7ミリモル)を加えて重合反応を停止させた。副生した塩を濾別した後、溶媒及び低沸点物を減圧下で加熱留去して、無色透明の反応生成物を得た。得られた反応生成物をNMR、IR及びGPCにより分析し、さらにヨードメトリーによりSiH基の重量%を測定したところ、次の平均構造式で示されるポリオルガノシロキサンであることが判明した。これを「ポリマー5」とする。
【0224】
【化114】
Figure 0003730349
【0225】
SiH基重量% 0.094%
GPCによる数平均分子量 2,170
分散度 1.13
[合成例1]
参考例1で得られた「ポリマー1」30g(SiH:27.9ミリ当量)、トリメチルシリル−o−アリルフェノール8.64g(41.9ミリモル)及び白金とテトラメチルジビニルジシロキサンの錯体を、白金金属量が前記2つの化合物の合計量に対して10ppmとなるような量投入した。これを100℃で2時間加熱して、得られた反応混合物をIRにより分析したところ、SiH基の特性吸収が消失していることが判明した。この反応混合物から低沸点物を減圧下で加熱留去して、透明な液体を得た。この液体をNMR及びIRにより分析したところ、次の構造式で示されるポリオルガノシロキサンであることが判明した。
【0226】
【化115】
Figure 0003730349
【0227】
このポリオルガノシロキサン30gとメタノール7.97gを混合して、50℃で3時間撹拌した後、減圧下で低沸点物を加熱留去して透明な液体を得た。得られた液体を、NMR及びIRにより分析し、さらに滴定法によりフェノール性水酸基の重量%を測定したところ、次の構造式で示されるポリオルガノシロキサン(ポリシロキサン−1)であることが判明した。
【0228】
【化116】
Figure 0003730349
【0229】
OH基重量% 1.42%
[合成例2]
参考例2で得られた「ポリマー2」30g(SiH:10.2ミリ当量)、トリメチルシリル−o−アリルフェノール3.16g(15.3ミリモル)及び白金とテトラメチルジビニルジシロキサンの錯体を、白金金属量が前記2つの化合物の合計量に対して10ppmとなるような量投入した。これを100℃で2時間加熱して、得られた反応混合物をIRにより分析したところ、SiH基の特性吸収が消失していることが判明した。この反応混合物から低沸点物を減圧下で加熱留去して、透明な液体を得た。この液体をNMR及びIRにより分析したところ、次の構造式で示されるポリオルガノシロキサンであることが判明した。
【0230】
【化117】
Figure 0003730349
【0231】
このポリオルガノシロキサン30gとメタノール7.97gを混合して、50℃で3時間撹拌した後、減圧下で低沸点物を加熱留去して透明な液体を得た。得られた液体を、NMR及びIRにより分析し、さらに滴定法によりフェノール性水酸基の重量%を測定したところ、次の構造式で示されるポリオルガノシロキサン(ポリシロキサン−2)であることが判明した。
【0232】
【化118】
Figure 0003730349
【0233】
OH基重量% 0.56%
[合成例3]
参考例3で得られた「ポリマー3」30g(SiH:27.0ミリ当量)、トリメチルシリル−o−アリルフェノール8.36g(40.5ミリモル)、白金とテトラメチルジビニルジシロキサンの錯体を、白金金属量が前二者の合計に対して10ppmになるように投入した。100℃で2時間加熱した後、サンプリングして赤外分光分析にて確認したところ、SiH基の特性吸収は消失していた。減圧下、低沸点物を加熱留去し透明な液体を得た。このものは、NMR、IRにより分析したところ、次の構造式で示されるポリオルガノシロキサンであることが判明した。
【0234】
【化119】
Figure 0003730349
【0235】
このポリオルガノシロキサン30g、メタノール7.97gを混合し、50℃で3時間撹拌した後、減圧下、低沸点物を加熱留去し透明な液体を得た。このものはNMR、IRによる分析及びフェノール性水酸基の重量%の測定より、次の構造式で示されるポリオルガノシロキサンであることが判明した(ポリシロキサン−3)。
【0236】
【化120】
Figure 0003730349
【0237】
OH基重量% 実測値 1.36%
[合成例4]
参考例4で得た「ポリマー4」30g(SiH:23.4ミリ当量)、トリメチルシリル−o−アリルフェノール7.83g(35.1ミリモル)を使用し、合成例1と同様にして、次の構造式で示されるポリオルガノシロキサンを得た(ポリシロキサン−4)。
【0238】
【化121】
Figure 0003730349
【0239】
SiH基重量% 実測値 1.20%
[合成例5]
参考例5で得られた「ポリマー5」30g(SiH:28.2ミリ当量)、トリメチルシリル−o−アリルフェノール8.72g(42.3ミリモル)及び白金とテトラメチルジビニルジシロキサンの錯体を、白金金属量が前記2つの化合物の合計量に対して10ppmとなるような量投入した。これを100℃で2時間加熱して、得られた反応混合物をIRにより分析したところ、SiH基の特性吸収が消失していることが判明した。この反応混合物から低沸点物を減圧下で加熱留去して、透明な液体を得た。この液体をNMR及びIRにより分析したところ、次の構造式で示されるポリオルガノシロキサンであることが判明した。
【0240】
【化122】
Figure 0003730349
【0241】
このポリオルガノシロキサン30gとメタノール14.4gを混合して、50℃で3時間撹拌した後、減圧下で低沸点物を加熱留去して、透明な液体を得た。この液体をNMR及びIRにより分析し、さらに滴定法によりフェノール性水酸基の重量%を測定したところ、次の構造式で示されるポリオルガノシロキサン(ポリシロキサン−5)であることが判明した。
【0242】
【化123】
Figure 0003730349
【0243】
OH基重量% 1.43%
[実施例1]
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)74gを、6重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液550mlに溶解した溶液と塩化メチレン250mlとを混合して撹拌しながら、冷却下、20℃において、該溶液中にホスゲンガスを950ml/secの割合で15分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置して有機層を分離し、重合度が2〜5であり、分子末端がクロロホルメート基であるビスフェノールAのポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。なお、生成オリゴマーの構造、重合度及び末端基は1H−NMR、MS、GPCにより確認した。
【0244】
得られたオリゴマーの塩化メチレン溶液に塩化メチレンを加えて全量を450mlとした後、8重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液150mlと混合し、これにポリシロキサン−3(144.7g)及び分子量調節剤であるp−tert−ブチルフェノール3.0gを加えた。次いでこの混合溶液を激しく撹拌しながら、触媒として7重量%濃度のトリエチルアミン水溶液2mlを加え、28℃において1.5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.01N塩酸1リットルで1回、水1リットルで2回の順で洗浄した。有機相をメタノール中に投入し、析出したポリマーを濾過、乾燥し、218gのポリカーボネート重合体(PC−1)を得た。
【0245】
このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度[ηsp/c](塩化メチレンを溶媒として用いて濃度0.5g/dlで20℃で測定した還元粘度、以下同様)は0.51dl/gであった。還元粘度の測定は、離合社製、自動粘度測定装置VMR−042を用い、自動粘度用ウッベローデ改良型粘度計(RM型)で測定した。
【0246】
得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−3のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、及びビスフェノールAのピーク(1.7ppm、7.1〜7.3ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−1)は、下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0247】
【化124】
Figure 0003730349
【0248】
電荷輸送物質として1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−カルボキシアルデヒド−1′,1′−ジフェニルヒドラゾン(C−1)を用い、バインダー樹脂として(PC−1)を用い、C−1:PC−1:塩化メチレン:クロロベンゼン=1:1:3:5(重量比)の溶液を調製し、塗工液とした。この塗工液の保存安定性評価(白濁、ゲルの発生の評価)を行った。結果を表1に示す。
【0249】
【化125】
Figure 0003730349
【0250】
アルミニウム製導電性基板(50mm×50mmの平板、及びφ168mm×360mmの円筒状の2種)上に、オキソチタニウムフタロシアニン:ブチラール樹脂:塩化メチレン=1:1:38(重量比)の分散液を浸漬塗工法により塗布し、オキソチタニウムフタロシアニンの層(約0.5μm)を電荷発生層として形成した。その電荷発生層上に上記塗工液を浸漬塗工法により塗布し、乾燥後約20μmの電荷輸送層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。塗布から乾燥に至る過程で電荷輸送層が結晶化することはなかった。
【0251】
得られた電子写真感光体の電気特性(電子写真特性)の評価は、上記平板状の感光体を用いて行った。電子写真特性は、静電気帯電試験装置EPA−8100(株式会社川口電機製作所製)を用い、−6kVのコロナ放電を行い、初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)を測定することにより評価した。結果を表1に示す。
【0252】
また、得られた電子写真感光体の実機の使用を繰り返した際の耐トナーフィルミング性劣化具合の評価は、上記円筒状の感光体を用いて行った。
評価は、市販の複写機(カールソン方式、有機電子写真感光体使用、円筒状ドラム使用(φ168mm×360mm、アルミニウム製)、コロナ帯電方式(電圧−800V)、ブレードクリーニング方式(ウレタン製ブレード、ブレード圧10g/cm2)、2成分系現像剤(スチレンアクリルトナー、フェライトキャリアー使用)に、上記感光体を搭載した試験機を用い、22〜27℃、湿度10〜30%の条件下でテストパターンの複写をA4サイズ縦置きで3万枚まで繰り返し、得られた感光体に、目視可能な黒点(トナーフィルミングを起こし、トナー成分が感光体に付着したもの)が、10mm×10mmの中にいくつ存在するか観測し、評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0253】
[実施例2]
実施例1において、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−1(145.0g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、214gのポリカーボネート樹脂(PC−2)を得た。このようにして得られたポリカーボネート樹脂の還元粘度は0.63dl/gであった。得られたポリカーボネート樹脂(PC−2)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−1のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)及びビスフェノールAのピーク(1.7ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート樹脂(PC−2)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0254】
【化126】
Figure 0003730349
【0255】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−2)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例3]
実施例1において、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−2(430.0g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、480gのポリカーボネート樹脂(PC−3)を得た。このようにして得られたポリカーボネート樹脂の還元粘度は0.52dl/gであった。得られたポリカーボネート樹脂(PC−3)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−2のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)及びビスフェノールAのピーク(1.7ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート樹脂(PC−3)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0256】
【化127】
Figure 0003730349
【0257】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−3)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例4]
実施例1において、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−4(164.0g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、235gのポリカーボネート重合体(PC−4)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.63dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−4)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−4のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)及びビスフェノールAのピーク(1.7ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−4)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0258】
【化128】
Figure 0003730349
【0259】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−4)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例5]
実施例1において、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−5(143.7g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、215gのポリカーボネート重合体(PC−5)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.63dl/gであった。得られたポリカーボネート樹脂(PC−5)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−5のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)及びビスフェノールAのピーク(1.7ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−5)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0260】
【化129】
Figure 0003730349
【0261】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−5)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例6]
実施例1において、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−3(48.2g)及び4,4′−ビフェノール(8.3g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、120gのポリカーボネート重合体(PC−6)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.75dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−6)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−3のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、ビスフェノールAのピーク(1.7ppm)、及び4,4′−ビフェノールのピーク(7.6ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−6)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0262】
【化130】
Figure 0003730349
【0263】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−6)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例7]
実施例1において、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−3(9.6g)及び4,4′−ビフェノール(11.8g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、98gのポリカーボネート重合体(PC−7)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.77dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−7)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−3のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、ビスフェノールAのピーク(1.7ppm)及び4,4′−ビフェノールのピーク(7.6ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−7)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0264】
【化131】
Figure 0003730349
【0265】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−7)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例8]
実施例1において、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−3(1.0g)及び4,4′−ビフェノール(12.3g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、90gのポリカーボネート重合体(PC−8)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.77dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−8)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−3のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、ビスフェノールAのピーク(1.7ppm)及び4,4′−ビフェノールのピーク(7.6ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−8)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0266】
【化132】
Figure 0003730349
【0267】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−8)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例9]
実施例1において、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−3(0.1g)及び4,4′−ビフェノール(12.3g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、90gのポリカーボネート重合体(PC−9)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.77dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−9)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−3のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、ビスフェノールAのピーク(1.7ppm)及び4,4′−ビフェノールのピーク(7.6ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−9)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0268】
【化133】
Figure 0003730349
【0269】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−9)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例10]
実施例1において、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−3(1.0g)及び2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(25.1g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、103gのポリカーボネート重合体(PC−10)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.77dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−10)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−3のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、ビスフェノールAのピーク(1.7ppm)、及び2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのピーク(6.8ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−10)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0270】
【化134】
Figure 0003730349
【0271】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−10)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例11]
実施例1において、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−4(10.6g)及び4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン(13.0g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、100gのポリカーボネート重合体(PC−11)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.75dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−11)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−4のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、ビスフェノールAのピーク(1.7ppm)、及び4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノンのピーク(7.3〜7.5ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−11)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0272】
【化135】
Figure 0003730349
【0273】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−11)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例12]
実施例1において、ビスフェノールA(74g)を9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(123.2g)に変更し、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−4(164.0g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、280gのポリカーボネート重合体(PC−12)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.48dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−12)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−4のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、及び9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのピーク(2.15ppm、7.8ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−12)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0274】
【化136】
Figure 0003730349
【0275】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−12)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例13]
実施例1において、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−1(10.6g)及びビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル(9.1g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、95gのポリカーボネート重合体(PC−13)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.62dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−13)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−1のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、ビスフェノールAのピーク(1.7ppm)、及びビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルのピーク(7.0ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−13)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0276】
【化137】
Figure 0003730349
【0277】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−13)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例14]
実施例1において、ビスフェノールA(74g)を1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(90.0g)に変更し、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−1(146.0g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、149gのポリカーボネート重合体(PC−14)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.57dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−14)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−1のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、及び1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのピーク(1.5ppm、2.3ppm、7.2ppm、7.3ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−14)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0278】
【化138】
Figure 0003730349
【0279】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−14)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例15]
実施例1において、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−2(30g)及び1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン(15.8g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、112gのポリカーボネート重合体(PC−15)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.68dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−15)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−2のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、ビスフェノールAのピーク(1.7ppm)、及び1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタンのピーク(7.1〜7.3ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−15)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0280】
【化139】
Figure 0003730349
【0281】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−15)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例16]
実施例1において、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−2(30g)及びビスフェノールA(14.5g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、111gのポリカーボネート重合体(PC−16)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.71dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−16)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−2のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、及びビスフェノールAのピーク(1.7ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−16)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0282】
【化140】
Figure 0003730349
【0283】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−16)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例17]
実施例1において、ビスフェノールA(74g)をビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(81g)に変更し、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−4(10.6g)及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(16.0g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、103gのポリカーボネート重合体(PC−17)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.74dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−17)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−4のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンのピーク(8.0ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−17)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0284】
【化141】
Figure 0003730349
【0285】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−17)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例18]
実施例1において、ビスフェノールA(74g)を2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(129g)に変更し、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−4(10.6g)及び2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(25.0g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、151gのポリカーボネート重合体(PC−18)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.68dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−18)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−4のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、及び2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのピーク(3.7ppm:メトキシ基由来)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−18)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0286】
【化142】
Figure 0003730349
【0287】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−18)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例19]
実施例1において、ビスフェノールA(74g)を2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン(83g)に変更し、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−5(9.6g)及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン(16.0g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、101gのポリカーボネート重合体(PC−19)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.74dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−19)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−5のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタンのピーク(1.5〜1.8ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−19)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0288】
【化143】
Figure 0003730349
【0289】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−19)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[実施例20]
実施例1において、ビスフェノールA(74g)を2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(177g)に変更し、ポリシロキサン−3(144.7g)をポリシロキサン−5(9.6g)及び2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(35.0g)に変更した以外は、実施例1と同様の操作で、208gのポリカーボネート重合体(PC−20)を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.75dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体(PC−20)の構造及び共重合組成は1H−NMR及び29Si−NMRスペクトルにより決定した。なお1H−NMRより、ポリシロキサン−5のピーク(0〜0.1ppmにシロキサン主鎖メチル由来のピーク、0.6ppmにシロキサン部末端由来のピーク、0.87ppmに分岐シロキサン構造由来のピーク)、及び2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのピーク(7.5ppm)が観測された。また29Si−NMRより、通常のジメチルシロキサンのピーク(テトラメチルシランを標準としたケミカルシフトで−21ppm及び7.8ppm)及びケイ素原子に酸素原子が3つ結合したピーク(−64ppm)が観測された。これらの分析結果より、得られたポリカーボネート重合体(PC−20)は下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0290】
【化144】
Figure 0003730349
【0291】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりにポリカーボネート重合体(PC−20)を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
[比較例1]
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりに、ビスフェノールZを原料として得られる下記繰り返し単位からなるポリカーボネート(還元粘度=0.73dl/g)を用いて、実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
【0292】
【化145】
Figure 0003730349
【0293】
[比較例2]
実施例1において、ポリシロキサン−3を下記構造のフェノール変性シリコーンオイル(水酸基価=1090)137gに変更した以外は、実施例1と同様の操作で、160gのポリカーボネート重合体を得た。
【0294】
【化146】
Figure 0003730349
【0295】
このようにして得られたポリカーボネート重合体の還元粘度は0.64dl/gであった。得られたポリカーボネート重合体は1H−NMR分析結果より、下記の繰り返し単位を、下記の組成で含有することがわかった。
【0296】
【化147】
Figure 0003730349
【0297】
実施例1で得られたポリカーボネート重合体(PC−1)の代わりに得られたポリカーボネート重合体を用いた以外は実施例1と同様にして塗工液の調製及びその評価、電子写真感光体の作製及びその評価を行い、評価結果を表1及び表2に示した。
【0298】
【表1】
Figure 0003730349
【0299】
【表2】
Figure 0003730349
【0300】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、感光層中の樹脂成分として溶媒に溶解しても白化又はゲル化を起こしにくく保存安定性に優れたポリカーボネート重合体を用いて製造されるため、生産効率に優れる。また、このポリカーボネート重合体は、電荷輸送物質との相溶性に優れ、また感光体表面のフィルミングの原因である異物付着現象を抑制することから、本発明の電子写真感光体は、長期間にわたって優れた機械的強度のみならず、優れた電子写真特性を維持することができる。

Claims (3)

  1. 導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体において、感光層が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位(1)を含有するポリカーボネート重合体を含有する表面層を有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003730349
    (式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない同種又は異種の一価炭化水素基であり、R1は各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜6の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6の置換若しくは無置換のアルコキシ基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、Xは各々独立に炭素数2以上のアルキレン基又は炭素数2以上のアルキレンオキシアルキレン基であり、X′は各々独立に炭素数2以上のアルキレン基、炭素数2以上のアルキレンオキシアルキレン基又は酸素原子であり、aは各々独立に0〜4の整数であり、naは0又は1であり、nbは1又は2であり、ncは1又は2であり、ただしna+nb+nc=3であり、n1、n2、n3及びn4は各々独立に0又は1以上の整数であり、ただしn1+n2+n3+n4=0〜450の整数である。)
  2. 該ポリカーボネート重合体が、該繰り返し単位(1)及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位(2)からなるものである請求項1記載の電子写真感光体。
    Figure 0003730349
    (式中、R2は各々独立にハロゲン原子、ビニル基、アリル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数3〜12の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、炭素数1〜6の置換若しくは無置換のアルコキシ基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリールオキシ基であり、aは各々独立に0〜4の整数であり、Yは単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR34−、炭素数5〜11の置換若しくは無置換のシクロアルキリデン基、炭素数2〜12の置換若しくは無置換のα,ω−アルキレン基、9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換若しくは無置換のピラジリデン基又は炭素数6〜24の置換若しくは無置換のアリーレン基であり、ただしR3及びR4は各々独立に水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基である。)
  3. 感光層が、電荷発生物質を含有する電荷発生層、並びに、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有し、感光層の表面層を形成する電荷輸送層からなり、該バインダー樹脂が該ポリカーボネート重合体を含有する請求項1又は2記載の電子写真感光体。
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