JP3468873B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP3468873B2
JP3468873B2 JP25401794A JP25401794A JP3468873B2 JP 3468873 B2 JP3468873 B2 JP 3468873B2 JP 25401794 A JP25401794 A JP 25401794A JP 25401794 A JP25401794 A JP 25401794A JP 3468873 B2 JP3468873 B2 JP 3468873B2
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知浩 長尾
秀治 坂元
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、より詳しくは、長時間にわたる繰り返し使用に対し
て優れた機械的強度及び電子写真特性を維持し、種々の
電子写真分野に好適に利用できる電子写真感光体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近の電子写真分野においては、積層型
の電子写真感光体、即ち、感光層が、露光により電荷を
発生させる電荷発生層(CGL)と電荷を輸送する電荷
輸送層(CTL)との少なくとも2層を有する積層型の
有機電子写真感光体(OPC)や、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送物質をバインダー樹脂に分散させた単一
層からなる単層型の電子写真感光体が提案され利用され
ている。
【0003】一方、電子写真感光体には、適応される電
子写真プロセスに応じた所定の感度、電気特性、光学特
性を備えていることが要求される。特に、繰り返し使用
される感光体には、その感光体の表面層、即ち基体(通
常は導電性基板)より最も離れて位置する層には、コロ
ナ帯電、トナー現像、紙への転写、クリーニング処理等
の際に、電気的、機械的外力が直接に加えられるため、
それらに対する耐久性が要求される。具体的には、摩擦
による表面の摩耗や傷の発生、高温下においてのコロナ
帯電時に発生するオゾンによる表面の劣化などに対する
耐久性が要求される。そこで、このような要求に対応す
るために、上記積層型の電子写真感光体の電荷輸送層や
単層型電子写真感光体の感光層のバインダー樹脂として
は、電荷輸送物質との相溶性がよく、しかも機械強度が
高いビスフェノールAあるいはビスフェノールZを原料
とするポリカーボネート樹脂が広く利用されてきた。し
かしながら、このビスフェノールAやビスフェノールZ
を原料とするポリカーボネート樹脂をもってしても上記
要求を満足させるには不十分である。
【0004】すなわち、ビスフェノールAやビスフェノ
ールZを原料とするポリカーボネート樹脂は、溶媒に溶
解させて感光層を形成するための塗工液を調製する際
に、塗工液が白化又はゲル化し、塗工、乾燥後の感光層
が結晶化を起こすことがある。この結晶化を起こした部
分では、光減衰がなく、電荷は残留電位となって残り、
画質上ディフェクトとなって出現する。
【0005】また、ビスフェノールAやビスフェノール
Zを原料とするポリカーボネート樹脂を用いた感光体は
その表面硬度不足から、摩耗や傷の発生が起こり耐久性
に劣る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
基づいてなされたものであり、バインダー樹脂としてビ
スフェノールAやビスフェノールZを原料とするポリカ
ーボネートを用いた電子写真感光体に認められる上記の
問題点を解決し、電荷輸送物質との相溶性が良い上に、
溶媒に溶解しても白化又はゲル化を起こさず、かつ、高
い表面硬度を有するポリカーボネートを用いて作製され
る長期間に亘って優れた電子写真特性を維持する電子写
真感光体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ビフェニル骨格
構造を特定の割合で含むポリカーボネートをバインダー
樹脂として用いた場合、感光体の作製時に塗工液が白化
又はゲル化したりすることがなく、しかも長期使用期間
に亘って優れた電子写真特性及び耐久性を維持すること
を見出し、これら知見に基づき、本発明を完成するに至
った。
【0008】すなわち本発明は、導電性基体上に電荷発
生物質、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有する感
光層を設けた電子写真感光体において、該感光層中に下
記一般式(1)
【0009】
【化3】 (式中、R51及びR52は各々独立に、ハロゲン原子、炭
素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキ
ル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基を表し、A及びBは各々独立に0〜4の整数を表
す。)で表される繰り返し単位を主成分とする重合体化
合物をバインダー樹脂として含有することを特徴とする
電子写真感光体を提供するものである。
【0010】また、本発明は導電性基体上に電荷発生物
質、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有する感光層
を設けた電子写真感光体において、該感光層中に下記一
般式(1)と下記一般式(2)
【0011】
【化学式4】 [式中、R51及びR52は各々独立に、ハロゲン原
子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜7のシクロ
アルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のア
リール基を表し、A及びBは各々独立に0〜4の整数を
表し、Wは、単結合、−O−、−CO−、−S−、−S
O−、−SO−、−CR6566−(R65及びR
66は各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、
炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若
しくは無置換のアリール基である。)、炭素数5〜11
の1,1−シクロアルキリデン基又は炭素数2〜12の
α,ω−アルキレン基であり、R53及びR54は各々
独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭
素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜12の置換
若しくは無置換のアリール基を表し、C及びDは各々独
立に、0〜4の整数である。]で表される繰り返し単位
を主成分とする重合体化合物をバインダー樹脂として含
有することを特徴とする電子写真感光体を提供するもの
である。
【0012】本発明の電子写真感光体において用いられ
る重合体化合物(以下、ポリカーボネートと称する。)
は、上記一般式(1)で表される繰り返し単位(1)又
は上記一般式(1)と(2)とで表される繰り返し単位
(1)と(2)とを主成分として含有する。上記一般式
(1)と(2)とで表される繰り返し単位(1)と
(2)を有するポリカーボネートの場合は、繰り返し単
位(1)を繰り返し単位(1)と繰り返し単位(2)と
の合計に対するモル比で通常、0.1〜90モル%、好
ましくは10〜50モル%の割合で含有する。
【0013】繰り返し単位(1)の割合が0.1モル%
未満であると、本発明の効果が得られず、塗工液の白
化、ゲル化、電荷輸送層や感光層の結晶化等の防止及び
耐刷寿命の向上の達成が不可能となる。一方、繰り返し
単位(1)の割合が90モル%を超えると、塗工液調製
時の溶剤に対する溶解性や溶液の安定性が低下したり、
結晶化による白化が生じたりすることがある。
【0014】なお、上記ポリカーボネートは、本発明の
目的達成に支障のない範囲で、前記以外の他の繰り返し
単位を有していてもよく、また、他のポリカーボネート
成分や添加物を適宜添加してもよい。
【0015】また、本発明に用いられるポリカーボネー
トは、直鎖状、環状のいずれであってもよい。さらに、
ポリカーボネート合成時に末端停止剤や分岐剤等を用い
ることにより得られるポリマー末端に特殊な末端構造が
導入されているものや、特殊な分岐構造が導入されてい
るものであってもよい。
【0016】本発明に用いられるポリカーボネートは、
塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の
20℃における還元粘度が0.2〜10.0dl/gで
あることが好ましい。この還元粘度が0.2dl/g未
満であると、表面硬度不足のため摩耗しやすくなり耐刷
寿命が短くなり、この還元粘度が10.0dl/gを超
えると、ポリカーボネートの溶液粘度が上昇し、塗工液
の塗布による感光体の製造が困難になったりすることが
ある。更に好ましくは、0.3〜2.0dl/gである
本発明に用いられるポリカーボネートは、下記一般式
(I)及び下記一般式(II)
【0017】
【化5】 [式中、W1、W2、R55、R56、D及びEは前記と同じ
意味を表す。]で表されるジヒドロキシアリール化合物
(I)及びジヒドロキシ化合物(II)とホスゲン等の
炭酸エステル形成性化合物とを、適当な酸結合剤の存在
下に重縮合するか、あるいはジヒドロキシアリール化合
物(I)及びジヒドロキシ化合物(II)とビスアリー
ルカーボネートとのエステル交換反応などの方法によっ
て得ることができる。
【0018】繰り返し単位(1)の原料であるジヒドロ
キシアリール化合物(I)の代表例としては、具体的に
は、次に示すような化合物が挙げられる。
【0019】
【化6】 特に好ましくはB−1、B−2、B−8、B−10が用
いられる。なお、これらのジヒドロキシアリール化合物
は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよ
い。
【0020】繰り返し単位(2)の原料であるジヒドロ
キシ化合物(II)としては、例えば、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)オクタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2
−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4
−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ル、2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(2−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2
−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)エタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、1,
1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)イ
ソブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン、1,1−
ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス
(2−tert−アミル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)ブタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3
−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジク
ロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5
−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−
ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブ
タン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4
−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(3−フルオロ−
4−ヒドロキシフェニル)エーテル、3,3′−ジフル
オロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、1,1−ビ
ス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジ
メチルビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−2,2′
−ジメチルビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−3,
3′−ジシクロヘキシルビフェニル、2,2−ビス(3
−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,
2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン、4,4′−(3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキシリデン)ビフェノール、4,4′−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0021】中でも好適に用いられるジヒドロキシ化合
物(II)は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニ
ルフェニル)プロパン、4,4′−ジヒドロキシビフェ
ニル及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンであ
る。
【0022】これらのジヒドロキシ化合物(II)は、
1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよ
い。
【0023】また、原料としての上記ジヒドロキシアリ
ール化合物(I)及びビスフェノール化合物(II)以
外にも、必要に応じ、分岐剤、末端停止剤を用いてもよ
い。
【0024】分岐剤としては、3価以上のフェノール又
はカルボン酸を用いることができる。
【0025】分岐剤の例としては、フロログリシン、ピ
ロガロール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、2,4−
ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテン、1,3,
5−トリス(2−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,
3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、2,2−ビス(4,4−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキシル)プロパン、2,4−ビス{2−
(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル}フェノー
ル、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロ
パン、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
テトラキス(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピ
ル)フェノキシ)メタン、1,4−ビス(4′、4″−
ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、2,4−
ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、シアヌル酸、
3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール、3,3−
ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5
−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブ
ロモイサチン等が挙げられる。
【0026】この中で好ましく用いられるのは、フロロ
グリシン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン等である。
【0027】末端停止剤としては、一価のカルボン酸及
びその誘導体、一価のフェノールを用いることができ
る。
【0028】具体的な例としては、フェノール、α−ナ
フトール、β−ナフトール、o−クレゾール、m−クレ
ゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,
4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キ
シレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノ
ール、p−エチルフェノール,p−プロピルフェノー
ル、p−ブチルフェノール、p−ぺンチルフェノール、
p−ヘキシルフェノール、p−ヘプチルフェノール、p
−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−デ
シルフェノール、p−ウンデシルフェノール、p−ドデ
シルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−t
ert−ブチルフェノール、2,6−ジメチル−p−t
ert−ブチルフェノール、2−tert−ペンチル−
4−メチルフェノール、3−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール、2−メチル−4,6−ジ−tert−
ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフ
ェノール、4−tert−ペンチルフェノール、2,
4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、p−フェ
ニルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−
フェニルフェノール、2,6−ジ−sec−ブチル−4
−メチルフェノール、o−アニソール、m−アニソー
ル、p−アニソール、o−クロロフェノール、m−クロ
ロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェ
ノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフェノー
ル、p−エトキシフェノール、o−アミノフェノール、
m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−シ
アノフェノール、p−ニトロフェノール、3−メチル−
6−イソプロピルフェノール、2−メチル−5−イソプ
ロピルフェノール、パーフルオロブタン酸、パーフルオ
ロぺンタン酸、パーフルオロヘキサン酸、パーフルオロ
ヘプタン酸、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロノ
ナン酸、パーフルオロデカン酸、パーフルオロウンデカ
ン酸、パーフルオロドデカン酸、パーフルオロトリデカ
ン酸、パーフルオロテトラデカン酸、パーフルオロぺン
タデカン酸、パーフルオロヘキサデカン酸、パーフルオ
ロオクタデカン酸、2H,2H−パーフルオぺンタン
酸、2H,2H−パーフルオロヘキサン酸、2H,2H
−パーフルオロヘプタン酸、2H,2H−パーフルオロ
オクタン酸、2H,2H−パーフルオロノナン酸、2
H,2H−パーフルオロデカン酸、2H,2H−パーフ
ルオロウンデカン酸、2H,2H−パーフルオロドデカ
ン酸、2H,2H−パーフルオロトリデカン酸、2H,
2H,3H,3H−パーフルオロヘキサン酸、2H,2
H,3H,3H−パーフルオロヘプタン酸、2H,2
H,3H,3H−パーフルオロオクタン酸、2H,2
H,3H,3H−パーフルオロノナン酸、2H,2H,
3H,3H−パーフルオロデカン酸、2H,2H,5H
−パーフルオペンタン酸、2H,2H,6H−パーフル
オロヘキサン酸、2H,2H,7H−パーフルオロヘプ
タン酸、2H,2H,8H−パーフルオロオクタン酸、
2H,2H,9H−パーフルオロノナン酸、2H,2
H,10H−パーフルオロデカン酸、2H,2H,11
H−パーフルオロウンデカン酸、2H,2H,12H−
パーフルオロドデカン酸、2H,2H,13H−パーフ
ルオロウンデカン酸、又はこれらの酸ハロゲン化物、p
−(パーフルオロペンチル)フェノール、p−(パーフ
ルオロヘキシル)フェノール、p−(パーフルオロヘプ
チル)フェノール、p−(パーフルオロオクチル)フェ
ノール、p−(パーフルオロノニル)フェノール、p−
(パーフルオロデシル)フェノール、p−(パーフルオ
ロウンデシル)フェノール、p−(パーフルオロドデシ
ル)フェノール、p−(パーフルオロトリデシル)フェ
ノール、p−(パーフルオロテトラデシル)フェノー
ル、p−(パーフルオロペンタデシル)フェノール、p
−(パーフルオロブチルオキシ)フェノール、p−(パ
ーフルオロペンチルオキシ)フェノール、p−(パーフ
ルオロヘキシルオキシ)フェノール、p−(パーフルオ
ロヘプチルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロオ
クチルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロノニル
オキシ)フェノール、p−(パーフルオロデシルオキ
シ)フェノール、p−(パーフルオロウンデシルオキ
シ)フェノール、p−(パーフルオロドデシルオキシ)
フェノール、p−(パーフルオロトリデシルオキシ)フ
ェノール、p−(パーフルオロテトラデシルオキシ)フ
ェノール、p−(パーフルオロペンタデシルオキシ)フ
ェノール、4−パーフルオロオクチル−2,3,5,6
−テトラフルオロフェノール、4−パーフルオロノニル
−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、4−パ
ーフルオロデシル−2,3,5,6−テトラフルオロフ
ェノール、4−パーフルオロウンデシル−2,3,5,
6−テトラフルオロフェノール、4−パーフルオロドデ
シル−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、4
−パーフルオロトリデシル−2,3,5,6−テトラフ
ルオロフェノール、4−パーフルオロテトラデシル−
2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、4−パー
フルオロペンタデシル−2,3,5,6−テトラフルオ
ロフェノール、p−tert−パーフルオロブチルフェ
ノール、3−メチル−4−パーフルオロノニルフェノー
ル、p−(2−(1H,1H−パーフルオロオクチルオ
キシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2
−プロピル)フェノール、p−(2−(1H,1H−パ
ーフルオロノニルオキシ)−1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロ−2−プロピル)フェノール、p−(2
−(1H,1H−パーフルオロデシルオキシ)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)
フェノール、p−(2−(1H,1H−パーフルオロウ
ンデシルオキシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロ−2−プロピル)フェノール、p−(2−(1
H,1H−パーフルオロドデシルオキシ)−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)フェ
ノール、3,5−ビス(パーフルオロヘキシルオキシカ
ルボニル)フェノール、p−(1H,1H−パーフルオ
ロペンチルオキシ)フェノール、p−(1H,1H−パ
ーフルオロヘキシルオキシ)フェノール、p−(1H,
1H−パーフルオロヘプチルオキシ)フェノール、p−
(1H,1H−パーフルオロオクチルオキシ)フェノー
ル、p−(1H,1H−パーフルオロノニルオキシ)フ
ェノール、p−(1H,1H−パーフルオロデシルオキ
シ)フェノール、p−(1H,1H−パーフルオロウン
デシルオキシ)フェノール、p−(1H,1H−パーフ
ルオロドデシルオキシ)フェノール、p−(1H,1H
−パーフルオロトリデシルオキシ)フェノール、p−ヒ
ドロキシ安息香酸パーフルオロペンチル、p−ヒドロキ
シ安息香酸パーフルオロヘキシル、p−ヒドロキシ安息
香酸パーフルオロヘプチル、p−ヒドロキシ安息香酸パ
ーフルオロオクチル、p−ヒドロキシ安息香酸パーフル
オロノニル、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロデシ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロウンデシル、
p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロドデシル、(p−
ヒドロキシベンジル)パーフルオロヘキサン、(p−ヒ
ドロキシベンジル)パーフルオロヘプタン、(p−ヒド
ロキシベンジル)パーフルオロオクタン、(p−ヒドロ
キシベンジル)パーフルオロノナン、(p−ヒドロキシ
ベンジル)パーフルオロデカン、(p−ヒドロキシベン
ジル)パーフルオロウンデカン、(p−ヒドロキシベン
ジル)パーフルオロドデカン等が挙げられる。
【0029】この中で好ましく用いられるのは、p−
(tert−ブチル)フェノール、p−フェニルフェノ
ール、p−(パーフロオロノニルフェニル)フェノー
ル、p−(パーフルオロキシルフェニル)フェノール、
p−tert−パーフルオロブチルフェノール、1−
(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロデカン、p−
(2−(1H,1H−パーフルオロトリデシルオキシ)
−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロビル)
フェノール、3,5−ビス(パーフルオロヘキシルオキ
シカルボニル)フェノール、p−ヒドロキシ安息香酸パ
ーフルオロドデシル、p−(1H,1H−パーフルオロ
オクチルオキシ)フェノール、2H,2H,9H−パー
フルオロノナン等が挙げられる。
【0030】末端停止剤及び分岐剤の好ましい範囲は共
重合組成比として0.01〜30mol%、より好まし
くは1〜10mol%である。30mol%を超えると
表面硬度不足のため摩耗しやすくなり耐刷寿命が短くな
り、0.01mol%未満では溶液粘度が上昇し、液塗
工法による感光体の製造が困難になることがある。
【0031】末端停止剤及び分岐剤は、ビスフェノール
化合物に共存させて使用するがその方法としては、ジヒ
ドロキシアリール化合物(I)又はジヒドロキシ化合物
(II)と最初から共存させて反応を行い高分子量化す
る方法ジヒドロキシアリール化合物(I)又はジヒドロ
キシ化合物(II)からなるオリゴマーを作った後、高
分子量化する際に両方とも共存させ高分子量化する方
法、ジヒドロキシアリール化合物(I)又はジヒドロキ
シ化合物(II)からなるオリゴマーを作った後、先に
オリゴマーに末端停止剤を共存させてオリゴマーと反応
させ、次に分岐剤を共存させ高分子量化する方法、ジヒ
ドロキシアリール化合物(I)又はジヒドロキシ化合物
(II)からなるオリゴマーを作った後、先にオリゴマ
ーに分岐剤を共存させてオリゴマーと反応させ、次に末
端停止剤を共存させ高分子量化する方法等、各種の方法
を採用することができる。
【0032】炭酸エステル形成性化合物として前記ホス
ゲンをはじめとする各種のジハロゲン化カルボニル、ク
ロロホルメート等のハロホルメート類、炭酸エステル化
合物などを用い、酸結合剤の存在下に重縮合を行う反応
は、通常、溶媒中で行われる。ホスゲン等のガス状の炭
酸エステル形成性化合物を使用する場合、これを反応系
に吹き込む方法が好適に採用できる。
【0033】炭酸エステル形成性化合物の使用割合は、
反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよ
い。また、ホスゲン等のガス状の炭酸エステル形成性化
合物を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好
適に採用できる。
【0034】前記酸結合剤としては、例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、
ピリジン等の有機塩基或いはこれらの混合物などが用い
られる。
【0035】酸結合剤の使用割合も、反応の化学量論比
(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、使
用するジヒドロキシアリール化合物(I)とジヒドロキ
シ化合物(II)の合計モル数(通常1モルは当量に相
当)に対して2当量若しくはこれより若干過剰量の酸結
合剤を用いることが好ましい。
【0036】前記溶媒としては、公知のポリカーボネー
トの製造に使用されるものなど各種の溶媒を1種単独で
或いは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例とし
ては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒、
塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼンをはじめ
とするハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられる。互い
に混ざり合わない2種の溶媒を用いて界面重縮合反応を
行ってもよい。
【0037】また、重縮合反応を促進するために、トリ
エチルアミン等の第三級アミン又は第四級アンモニウム
塩などの触媒を添加して反応を行うことが望ましい。ま
た、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファ
イドなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。反応は、
通常、0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲の温
度で行われる。反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれ
でも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応系の自圧
程度で好適に行い得る。反応時間は、反応温度等によっ
て左右されるが、通常0.5分間〜10時間、好ましく
は1分間〜2時間程度である。
【0038】また、まずジヒドロキシアリール化合物
(I)及びジヒドロキシ化合物(II)からなる反応原
料の一部と炭酸エス形成性物質とを反応させてオリゴマ
ーを生成せしめ、次いで残りの反応原料を添加して重縮
合を完結させる2段階法を用いることもできる。このよ
うな2段階法によれば、反応の制御が容易であり、精度
の高い分子量コントロールを行うことができる。
【0039】後者のジヒドロキシアリール化合物(I)
及びジヒドロキシ化合物(II)とビスアリールカーボ
ネートとのエステル交換法に用いられるビスアリールカ
ーボネートとしては、例えば、ジ−p−トリルカーボネ
ート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−ク
ロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等
が挙げられる。
【0040】このエステル交換法の反応形式としては、
溶融重縮合法、固相重縮合法などが好適である。溶融重
縮合法を行う場合は、ジヒドロキシアリール化合物
(I)及びジヒドロキシ化合物(II)とビスアリール
カーボネートとを混合し、減圧下で高温において溶融状
態で反応させる。反応は、通常150〜350℃、好ま
しくは200〜300℃の範囲の温度において行われ
る。固相重縮合法を行う場合は、ジヒドロキシアリール
化合物(I)、ジヒドロキシ化合物(II)及びビスア
リールカボネートを混合し、固相状態のまま、生成ポリ
カーボネートの融点以下の温度に加熱して重縮合を行
う。いずれの場合においても、反応の最終段階で減圧度
を好ましくは1mmHg以下にして、エステル交換反応
により生成した上記ビスアリールカーボネートから由来
するフェノール類を系外へ留去させる。反応時間は反応
温度や減圧度などによって左右されるが、通常1〜4時
間程度である。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス
雰囲気下で行うことが好ましく、また、所望に応じて前
記の分子量調節剤や酸化防止剤などを添加して反応を行
ってもよい。
【0041】得られるポリカーボネートの還元粘度を前
記の範囲にするには、例えば、前記反応条件の選択、前
記分岐剤や末端停止剤の使用量の調節など、各種の方法
によってなすことができる。また、場合により、得られ
たポリカーボネートに適宜物理的処理(混合、分画な
ど)及び/又は化学的処理(ポリマー反応、架橋処理、
部分分解処理など)を施して、所定の還元粘度のポリカ
ーボネートとして取得することもできる。
【0042】本発明の電子写真感光体は、それぞれ、感
光層中にバインダー樹脂としての上記ポリカーボネート
の少なくとも1種と電荷発生物質と電荷輸送物質とを含
有するものである。
【0043】本発明の電子写真感光体はこのような感光
層が導電性基体上に形成されたものである限り、その構
造に特に制限はなく、単層型、積層型等の公知の種々の
形式の電子写真感光体はもとより、どのようなものとし
てもよいが、感光層が少なくとも1層の電荷発生層と少
なくとも1層の電荷輸送層を有する積層型電子写真感光
体中の電荷輸送層のバインダー樹脂として用いることが
好ましい。
【0044】本発明の電子写真感光体において、本発明
のポリカーボネートは1種単独で使用してもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。また、所望に応じ
て本発明の目的達成を阻害しない範囲で、他のポリカー
ボネート等の樹脂成分を含有させてもよい。
【0045】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性基体の材料としては、公知のものなど各種のものを使
用することができ、具体的には、具体的にはアルミニウ
ム、ニッケル、クロム、パラジウム、チタン、金、銀、
銅、亜鉛、ステンレス、モリブデン、インジウム、白
金、真鍮、酸化鉛、酸化錫、酸化インジウム、ITO若
しくはグラファイトの板、ドラム及びシート、並びに蒸
着、スパッタリング、塗布等によりコーティングするな
どして導電処理したガラス、布、紙若しくはプラスチッ
クのフィルム、シート及びシームレスベルト、アルミニ
ウム等の金属箔を積層したプラスチックフィルム、シー
ト及びシームレスベルト、並びに金属板のフィルム状シ
ート及びシームレスベルト、並びに電極酸化などにより
金属酸化処理した金属ドラムなどを使用することができ
る。
【0046】積層型電子写真感光体の電荷発生層は少な
くとも電荷発生物質を含むものであり、この電荷発生層
はその下地となる基板上に真空蒸着、スパッタ法、CV
D法等により電荷発生物質の層を形成せしめるか、又は
その下地となる層上に電荷発生物質をバインダー樹脂を
用いて結着してなる層を形成せしめることによって得る
ことができる。バインダー樹脂を用いる電荷発生層の形
成方法としては公知の方法等、各種の方法を使用するこ
とができるが、通常、例えば、電荷発生物質をバインダ
ー樹脂と共に適当な溶媒により分散若しくは溶解した塗
工液を、所定の下地となる層上に塗布し、乾燥せしめる
方法が好適に用いられる。
【0047】前記電荷発生物質としては、公知のものな
ど各種のものを使用することができ、具体的には、非晶
質セレン、三方晶セレン等のセレン単体、テルル単体、
セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金等のセレンの合
金、As2Se3等のセレン化合物若しくはセレン含有組
成物、酸化亜鉛、硫化カドミウム、硫化アンチモン、硫
化亜鉛、CdS−Se等の合金、第12族及び第16族
元素からなる無機材料、酸化チタン等の酸化物系半導
体、アモルファスシリコンなどのシリコン系材料等の各
種の無機材料、τ型無金属フタロシアニン、χ型無金属
フタロシアニン等の無金属フタロシアニン顔料、α型銅
フタロシアニン、β型銅フタロシアニン、γ型銅フタロ
シアニン、ε型銅フタロシアニン、X型銅フタロシアニ
ン、A型チタニルフタロシアニン、B型チタニルフタロ
シアニン、C型チタニルフタロシアニン、D型チタニル
フタロシアニン、E型チタニルフタロシアニン、F型チ
タニルフタロシアニン、H型チタニルフタロシアニン、
G型チタニルフタロシアニン、K型チタニルフタロシア
ニン、L型チタニルフタロシアニン、M型チタニルフタ
ロシアニン、N型チタニルフタロシアニン、X線回折図
におけるブラック角2θが27.3±0.2度に強い回
折ピークを示すチタニルフタロシアニンなどの金属フタ
ロシアニン顔料、シアニン顔料、アントラセン顔料、ビ
スアゾ顔料、ビレン顔料、多環キノン顔料、キナクリド
ン顔料、インジゴ顔料、ベリレン顔料、ピリリウム塩、
チアピリリウム塩、ポリビニルカルバゾール、スクェア
リウム顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾー
ル顔料、アゾ顔料、チオインジゴ顔料、ビスベンゾイミ
ダゾール顔料、キノリン顔料、レーキ顔料、オキサジン
顔料、ジオキサジン顔料、トリフェニルメタン顔料、ア
ズレニウム染料、スクウェアリウム染料、トリアリール
メタン染料、キサンテン染料、チアジン染料などが挙げ
られる。
【0048】これらの顔料を単独または2種以上を混合
して用いることもできる。
【0049】電荷発生層の厚さは、0.01〜2.0μ
mが好ましく、0.1〜0.8μmがより好ましい。
0.01μm未満であると、電荷発生層を均一に形成す
ることが困難であり、2.0μmを超えると、電子写真
特性が低下する傾向がある。
【0050】前記電荷発生層に用いられるバインダー樹
脂としては、特に制限はなく、公知のものなど各種のも
のを使用できる。具体的には、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリビニルアセタール、アルキッド樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリアクリロニトリル、ボリカーボネート、ウ
レタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、
ポリケトン、ポリアクリルアミド、ブチラール樹脂、ポ
リエステル、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、メ
タクリル樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共
重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シ
リコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノー
ル−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹
脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイ
ン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロー
ス、ニトロセルロース、カルボキシ−メチルセルロー
ス、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体、ビニルトルエン−スチレ
ン共重合体、大豆油変性アルキッド樹脂、ニトロ化ポリ
スチレン、ポリメチルスチレン、ポリイソプレン、ポリ
チオカーボネート、ポリアリレート、ポリハロアリレー
ト、ポリアリルエーテル、ポリビニルアクリレート、メ
ラミン樹脂、ポリエーテル樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポ
リエステルアクリレート等の熱硬化性樹脂を使用するこ
とができる。
【0051】上記感光層におけるバインダー樹脂として
本発明のボリカーボネート樹脂を使用することもでき
る。
【0052】次に、電荷輸送層は、下地となる基体上
に、電荷輸送物質をバインダー樹脂で結着してなる層を
形成することによって得ることができる。
【0053】この電荷輸送層の形成方法としては、公知
の方法等の各種の方式を使用することができるが、通
常、上記電荷輸送物質を上記ポリカーボネートと共に適
当な溶媒に分散若しくは溶解した塗工液を、所定の下地
となる層上に塗布し、乾燥する方式などが使用される。
電荷輸送層中の電荷輸送物質とポリカーボネートとの配
合割合は、好ましくは重量で20:80〜80:20、
さらに好ましくは30:70〜70:30である。
【0054】この電荷輸送層において、本発明のポリカ
ーボネートは1種単独で用いることもできるし、また、
2種以上を混合して用いることもできる。また、本発明
の目的達成を阻害しない範囲で、前記の樹脂を本発明の
ポリカーボネートと併用することもできる。
【0055】電荷輸送物質としては、公知のものなど各
種のものを使用することができる。例えば、カルバゾー
ル化合物、インドール化合物、イミダゾール化合物、オ
キサゾール化合物、ピラゾール化合物、オキサジアゾー
ル化合物、ピラゾリン化合物、チアジアゾール化合物、
アニリン化合物、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン化合
物、脂肪族アミン化合物、スチルべン化合物、フルオレ
ノン化合物、キノン化合物、キノジメタン化合物、チア
ゾール化合物、トリアゾール化合物、イミダゾロン化合
物、イミダゾリジン化合物、ビスイミダゾリジン化合
物、オキサゾロン化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベ
ンズイミダゾール化合物、キナゾリン化合物、ベンゾフ
ラン化合物、アクリジン化合物、フェナジン化合物、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリ
ビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ−9
−ビニルフェニルアントラセン、ピレン−ホルムアルデ
ヒド樹脂、エチルカルバゾール樹脂、あるいはこれらを
主鎖、側鎖に有する重合体が用いられ、好ましくは下記
一般式で表されるような化合物が用いられる。
【0056】
【化7】 [式中、Ar1、Ar2及びAr3は各々独立に、炭素数
1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7
〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6
〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化
水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、
複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式
基を表し、Ar1とAr2、Ar2とAr3及びAr3とA
1で環を形成していてもよい。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0057】
【化8】
【0058】
【化9】 [式中、R1、R2、R3及びR4は各々独立に、シアノ
基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒドロ
キシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ア
リールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10
の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の
置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の
置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水素基、
置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式
基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表
し、a、b、c及びdは各々独立に、0〜5の整数であ
る。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0059】
【化10】
【0060】
【化11】 [式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水素原子、炭素
数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数
7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数
6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭
化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素
基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素
環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成してもよい。R
1はシアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル
基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素
数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数
7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数
6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭
化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素
基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素
環式基を表し、R5はエチレン基又はエテニレン基を表
し、eは0〜4の整数である。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0061】
【化12】
【0062】
【化13】 [式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水素原子、炭素
数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数
7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数
6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭
化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素
基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素
環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成してもよい。R
1はシアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル
基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素
数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数
7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数
6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭
化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素
基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素
環式基を表し、R6及びR7は各々独立に、水素原子、炭
素数1〜6のアルキル基又はハロゲン原子を表し、eは
0〜4の整数である。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0063】
【化14】
【0064】
【化15】 [式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は各々
独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置
換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換
のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換
のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換
の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式
基又は縮合多環系複素環式基を表し、Ar6とAr7は各
々独立に、炭素数1〜6の置換若しくは無置換のアルキ
レン基或は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリ
ール化合物、多環式炭化水素、置換若しくは無置換の縮
合多環式炭化水素、複素環化合物、多環系複素環化合物
又は縮合多環系複素環化合物の2価残基を表し、Ar1
とAr2及びAr3とAr4は環を形成してもよい。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0065】
【化16】
【0066】
【化17】 [式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4は各々独立に、
水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアル
キル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラル
キル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリー
ル基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多
環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮
合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2及びAr3
Ar4は環を形成してもよい。R8及びR9は各々独立
に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル
基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素
数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数
7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数
6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭
化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素
基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素
環式基を表し、e及びfは各々独立に0〜4の整数であ
る。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0067】
【化18】
【0068】
【化19】 [式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4は各々独立に、
水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアル
キル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラル
キル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリー
ル基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多
環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮
合多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2及びAr3
Ar4は環を形成してもよい。R1、R2及びR3は各々独
立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシ
ル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキル
アミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭
素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素
数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素
数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式
炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素
基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素
環式基を表し、e、f及びgは各々独立に0〜4の整数
である。X1は−O−、−S−、−Se−、−Te−、
−CR1011−、−SiR1011−、−NR10−又は−
PR10−(式中、R10及びR11は各々独立に、水素原
子、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アリールアミノ
基、アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しく
は無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは
無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは
無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは
無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複
素環式基又は縮合多環系複素環式基を表す。)を表
す。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0069】
【化20】
【0070】
【化21】
【0071】
【化22】 [式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水素原子、炭素
数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数
7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数
6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭
化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素
基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素
環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成してもよい。R
1はシアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル
基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素
数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数
7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数
6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭
化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素
基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素
環式基を表し、aは0〜5の整数である。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0072】
【化23】
【0073】
【化24】 [式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5は各々
独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置
換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換
のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換
のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換
の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式
基又は縮合多環系複素環式基を表し、R1及びR2は各々
独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ア
シル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキ
ルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、
炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭
素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭
素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環
式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水
素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複
素環式基を表し、Ar1とAr2及びAr3とAr4は環を
形成してもよい。f及びeは各々独立に0〜4の整数で
ある。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0074】
【化25】
【0075】
【化26】 [式中、Ar1は水素原子、炭素数1〜10の置換若し
くは無置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しく
は無置換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しく
は無置換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しく
は無置換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系
複素環式基又は縮合多環系複素環式基を表し、R1、R2
及びR3は各々独立に、シアノ基、ハロゲン原子、カル
ボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ア
ミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラル
キルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換の
アルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のア
ラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のア
リール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮
合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又
は縮合多環系複素環式基を表し、nは0又は1、a、b
及びcは各々独立に0〜5の整数である。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0076】
【化27】
【0077】
【化28】 [式中、Ar1、Ar2及びAr3は、各々独立に、水素
原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル
基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル
基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環
式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合
多環系複素環式基を表し、R1及びR3は各々独立に、シ
アノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル基、ヒ
ドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素数1
〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数7〜
13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数6〜
12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭化水
素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素基、複
素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素環式基
を表し、R2′は水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、
カルボキシル基、アシル基、ヒドロキシル基、ニトロ
基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、
アラルキルアミノ基、炭素数1〜10の置換若しくは無
置換のアルキル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置
換のアラルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置
換のアリール基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置
換の縮合多環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環
式基又は縮合多環系複素環式基を表し、nは0又は1、
eは0〜4の整数、hは0〜3の整数である。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0078】
【化29】
【0079】
【化30】 [式中、Ar1及びAr2は各々独立に、水素原子、水素
原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル
基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル
基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環
式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合
多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成して
もよい。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0080】
【化31】
【0081】
【化32】 [式中、Ar1、Ar2及びAr3は各々独立に、水素原
子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル
基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル
基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環
式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合
多環系複素環式基を表し、Ar1とAr2は環を形成して
もよい。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0082】
【化33】
【0083】
【化34】 [式中、R1、R2、R3、R4、R8及びR9は各々独立
に、シアノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アシル
基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、炭素
数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数
7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル基、炭素数
6〜12の置換若しくは無置換のアリール基、多環式炭
化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素
基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合多環系複素
環式基を表し、a、b、c、d、i及びjは各々独立に
0〜5の整数である。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0084】
【化35】
【0085】
【化36】 [式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4は各々独立に、
水素原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアル
キル基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラル
キル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリー
ル基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多
環式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮
合多環系複素環式基を表し、Ar6は炭素数1〜6の置
換若しくは無置換のアルキレン基或は炭素数6〜12の
置換若しくは無置換のアリール化合物、多環式炭化水
素、置換若しくは無置換の縮合多環式炭化水素、複素環
化合物、多環系複素環化合物又は縮合多環系複素環化合
物の2価残基を表し、Ar1とAr2及びAr3とAr4
環を形成してもよく、nは0又は1である。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0086】
【化37】
【0087】
【化38】 [式中、R12、R13、R14及びR15は各々独立に、水素
原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル
基、炭素数7〜13の置換若しくは無置換のアラルキル
基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基、多環式炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合多環
式炭化水素基、複素環式基、多環系複素環式基又は縮合
多環系複素環式基を表す。] 下記の構造式で表される化合物がより好ましい。
【0088】
【化39】 上記電荷輸送物質は単独で又は2種以上を混合して用い
ることができる。電荷輸送層の厚さは5〜100μmが
好ましく、10〜30μmがより好ましい。5μm未満
であると、初期電位が低くなり、100μmを超える
と、電子写真特性が低下する傾向がある。
【0089】導電性基体と感光層との間に通常使用され
るような公知の下引き層を設けることができる。下引き
層としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、ジルコニ
ア、チタン酸、ジルコン酸、ランタン鉛、チタンブラッ
ク、シリカ、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、酸化錫、
酸化インジウム、酸化珪素等の微粒子、ポリアミド樹
脂、フェノール樹脂、カゼイン、メラミン樹脂、ベンゾ
グアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、セ
ルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、
ポリビニルブチラール樹脂等の成分を使用することがで
きる。これらの微粒子や樹脂を単独で又は2種以上混合
して使用することができる。特に微粒子を用いると、微
粒子に樹脂が吸着され、平滑な皮膜を得ることができる
ため、微粒子と樹脂を併用することが望ましい。また、
下引き層には前記バインダー樹脂を用いることができ
る。また、本発明のポリカーボネート樹脂も用いること
もできる。
【0090】下引き層の厚さは、通常0.01〜10.
0μm、好ましくは0.01〜1.0μmである。この
厚さが0.01μm未満であると、下引き層を均一に形
成することが困難になり、10.0μmを超えると、電
子写真特性が低下することがある。
【0091】また、導電性基体と感光層との間に通常使
用されているような公知のブロッキング層を設けること
ができる。ブロッキング層には前記バインダー樹脂を用
いることができる。ブロッキング層の厚さは、通常0.
01〜20.0μm、好ましくは、0.1〜10.0μ
mである。この厚さが0.01μm未満であると、ブロ
ッキング層を均一に形成することが困難になり、20.
0μmを超えると、電子写真特性が低下することがあ
る。
【0092】本発明の電子写真感光体には、感光層の上
に保護層を積層してもよい。保護層の膜厚は0.01〜
20μmが可能であり、より好ましくは0.1〜10μ
mである。保護層には前記バインダー樹脂を用いること
ができる。保護層には、前記の電荷発生物質、電荷輸送
物質、添加剤、金属及びその酸化物、窒化物、塩、合
金、カーボンなどの導電材料を含有してもよい。
【0093】更に、本発明の電子写真感光体には、その
性能を向上させるために電荷発生層、電荷輸送層に他の
結合剤、可塑剤、硬化触媒、流動付与剤、ピンホール制
御剤、電子写真感度を改良するための分光感度増感剤
(増感染料)、分光感度増感剤とは別に、繰り返し使用
に対しての残留電位の増加、帯電電位の低下、感度の低
下を防止する目的の種々の化学物質、酸化防止剤、界面
活性剤、カール防止剤、レベリング剤等などの添加剤を
添加することができる。
【0094】他の結合剤の具体的な例としては、シリコ
ーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、上記ポリ
カーボネート以外のポリカーボネート樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアクリルアミド
樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂、メラ
ミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリクロロプレン樹
脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチルセルロース樹
脂、ニトロセルロース樹脂、尿素樹脂、フェノール樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ホル
マール樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/塩化ビニル
共重合体、ポリエステルカーボネート樹脂等が挙げられ
る。また、熱及び/又は光硬化性樹脂も使用できる。い
ずれにしても、電気絶縁性で通常の状態で皮膜を形成し
うる樹脂であれば、特に制限はない。
【0095】これら他の結合剤を用いる場合は電荷輸送
物質に対して、5〜200重量%添加することが好まし
く、10〜100重量%がより好ましい。5重量%未満
では感光層の皮膜が不均一となりやすく、画質が劣る傾
向がある。200重量%を超えると、感度が低下し、残
留電位が高くなる傾向がある。
【0096】可塑剤の具体的な例としては、ビフェニ
ル、塩化ビフェニル、o−ターフェニル、ハロゲン化パ
ラフィン、ジメチルナフタリン、ジメチルフタレート、
ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチレ
ングリコールフタレート、トリフェニルフォスフェー
ト、ジイソブチルアジペート、ジメチルセバケート、ジ
ブチルセバケート、ラウリル酸ブチル、メチルフタリー
ルエチルグリコレート、ジメチルグリコールフタレー
ト、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられ
る。
【0097】硬化触媒の具体的な例としては、メタンス
ルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフ
タレンジスルホン酸等が挙げられる。
【0098】流動付与剤としては、モダフロー、アクロ
ナール4F等が挙げられる。
【0099】ピンホール制御剤としては、ベンゾイン、
ジメチルフタレート等が挙げられる。
【0100】可塑剤、硬化触媒、流動付与剤、ピンホー
ル制御剤は、前記電荷輸送物質に対して、5重量%以下
で用いることが好ましい。
【0101】増感染料の具体的な例としては、メチルバ
イオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、
ビクトリアブルー等で代表されるトリフェニルメタン系
染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、
アクリジンオレンジ、フラペオシン等に代表されるアク
リジン染料、メチレンブルー、メチレングリーン等に代
表されるチアジン染料、カプリブルー、メルドラブルー
等に代表されるオキサジン染料、その他シアニン染料、
メロシアニン染料、スチリル染料、ピリリュウム塩染
料、チオピリリュウム塩染料等が挙げられる。
【0102】感光層には感度の向上、残留電位〜反復使
用時の疲労低減等を目的として、電子受容性物質を加え
ることができる。
【0103】電子受容性物質としては、無水コハク酸、
無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、無水フタル
酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタ
ル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル
酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラシア
ノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロ
ベンゼン、m−ジニトロベンゼン、1,3,5−トリニ
トロベンゼン、パラニトロベンゾニトリル、ピクリルク
ロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニ
ル、ベンゾキノン、2,3−ジクロロベンゾキノン、ジ
クロロジシアノパラベンゾキノン、ナフトキノン、ジフ
ェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロ
ロアントラキノン、ジニトロトロアントラキノン、4−
ニトロベンゾフェノン、4,4−ニトロベンゾフェノ
ン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ
−β−(p−シアノフェニル)アクリル酸エチル、9−
アントラセニルメチルマロンジニトリル、1−シアノ−
(p−ニトロフェニル)−2−(p−クロロフェニル)
エチレン、2,7−ジニトロフルオレノン、2,4,7
−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニ
トロフルオレノン、9−フルオレニリデン[ジシアノメ
チレンマロノニトリル]、ポリニトロ−9−フルオレニ
リデン−[ジシアノメチレンマロノジニトリル]、ピク
リン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、
3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、
5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、
フタル酸、メリット酸など、電子親和力が大きい化合物
がある。
【0104】この電子受容性物質は、電荷輸送層、電荷
発生層のいずれに加えてもよく、電荷輸送物質又は電荷
発生物質に対して通常0.01〜200重量%、より好
ましくは0.1〜50重量%配合される。
【0105】また、表面性の改良のために、四フッ化エ
チレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチ
レン六フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ
化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びそ
れらの共重合体、フッ素系グラフトポリマーを用いても
よい。
【0106】これらの表面改質剤は前記バインダー樹脂
に対して0.1〜60重量%、より好ましくは5〜40
重量%配合される。0.1重量%より少ないと耐摩耗
性、表面耐久性、表面エネルギー低下等の表面改質が十
分でなく、60重量%より多いと電子写真特性が悪くな
ることがある。
【0107】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダー
ドアミン系酸化防止剤、スルフィド系酸化防止剤、有機
リン酸系酸化防止剤などが挙げられる。
【0108】これらの酸化防止剤は電荷輸送物質に対し
て通常0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜
2重量%配合される。
【0109】これら添加剤は1種単独で用いてもよい
し、あるいは、2種類以上を混合するなどして併用して
もよい。これらの添加剤は保護層、下引き層、ブロッキ
ング層に添加してもよい。
【0110】前記電荷発生層、電荷輸送層の形成の際に
使用する前記溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系
溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール等のアルコール、酢酸エチル、エチルセロソルブ等
のエステル、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムア
ミド等を挙げることができる。
【0111】これらの溶媒は、1種単独で使用してもよ
く、或いは、2種以上を混合溶媒として用いてもよい。
【0112】感光体を形成する方法としては、前記電荷
発生物質、電荷輸送物質、添加剤及びバインダー樹脂を
溶剤に分散、又は溶解した溶液を所定の下地となる基
体、層上に浸漬塗工法、静電塗工法、粉体塗工法、スプ
レー塗工法、ロール塗工法、アプリケーター塗工法、ス
プレーコーター塗工法、バーコーター塗工法、ロールコ
ーター塗工法、ディップコーター塗工法、ドクターブレ
ード塗工法、ワイヤーバー塗工法、ナイフコーター塗工
法、アトライター塗工法、スピナー塗工法、ビード塗工
法、ブレード塗工法、カーテン塗工法などの塗工法を用
いて塗工し、乾燥して形成することができる。
【0113】その分散法としては、ボールミル、超音
波、ペイントシェーカー、レッドデビル、サンドミル、
ミキサー、アトライターなどを用いることができる。
【0114】単層型電子写真感光体においても感光層は
前記バインダー樹脂を用いることができる。また、単層
型感光体の感光層には、前記の電荷発生物質、電荷輸送
物質を用いることができる。また、感光層の電子写真特
性を向上させるために、前記の添加剤を用いてもよい。
また、保護層、下引き層、ブロッキング層を設けてもよ
い。
【0115】単層型感光体の膜厚は通常5〜100μm
が好ましく、8〜50μmがより好ましい。5μm未満
であると、初期電位が低くなりやすく、50μmを超え
ると電子写真特性が低下する傾向がある。
【0116】単層型電子写真感光体の感光層中の電荷発
生物質:ポリカーボネートの重量による割合は、好まし
くは20:80〜80:20、さらに好ましくは30:
70〜60:40である。また、電荷輸送物質:ポリカ
ーボネートの重量による割合は、好ましくは20:80
〜80:20、さらに好ましくは30:70〜70:3
0である。また、電荷発生物質:電荷輸送物質の重量に
よる割合は、好ましくは20:80〜70:30、さら
に好ましくは30:70〜60:40である。
【0117】また、本発明の目的達成を阻害しない範囲
で、他の樹脂を本発明のポリカーボネートと併用するこ
とも可能である。
【0118】なお、本発明の電子写真感光体の感光層の
層構成としては、本発明のポリカーボネートを含む層が
感光層の表面層となる構成とすることが好ましい。この
ようにして得られる本発明の電子写真感光体は高い表面
硬度を有し、長期間にわたって優れた耐刷性及び良好な
クリーニング性を維持する感光体であり、複写機(モノ
クロ、マルチカラー、フルカラー;アナログ、デジタ
ル)、プリンター(レーザー、LED、液晶シャッタ
ー)、FAX、製版機等の各種の電子写真分野に好適に
利用することができる。
【0119】本発明の電子写真感光体を使用するにあた
って、帯電器は、コロナ放電(コロトロン、スコトロ
ン)、接触帯電(帯電ロール、帯電ブラシ)などが用い
られる。露光は、ハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー
(半導体、He−Ne)、LED、感光体内部露光方式
で行われる。現像工程はカスケード現像、二成分磁気ブ
ラシ現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現
像などの乾式現像方式や湿式現像方式などが用いられ
る。転写工程はコロナ転写、ローラ転写、ベルト転写な
どの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法が用いられ
る。定着は、熱ローラ定着、ラジアント・フラッシュ定
着、オーブン定着、圧力定着などが用いられる。クリー
ニング・除電には、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリ
ーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナ
ー、ブレードクリーナーなどが用いられる。上記電荷輸
送物質は単独で又は2種以上を混合して用いることがで
きる。電荷輸送層の厚さは5〜100μmが好ましく、
10〜30μmがより好ましい。5μm未満であると、
初期電位が低くなり、100μmを超えると、電子写真
特性が低下する傾向がある。
【0120】導電性基体と感光層との間に通常使用され
るような公知の下引き層を設けることができる。下引き
層としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、ジルコニ
ア、チタン酸、ジルコン酸、ランタン鉛、チタンブラッ
ク、シリカ、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、酸化錫、
酸化インジウム、酸化珪素等の微粒子、ポリアミド樹
脂、フェノール樹脂、カゼイン、メラミン樹脂、ベンゾ
グアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、セ
ルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、
ポリビニルブチラール樹脂等の成分を使用することがで
きる。これらの微粒子や樹脂を単独で又は2種以上混合
して使用することができる。特に微粒子を用いると、微
粒子に樹脂が吸着され、平滑な皮膜を得ることができる
ため、微粒子と樹脂を併用することが望ましい。また、
下引き層には前記バインダー樹脂を用いることができ
る。また、本発明のポリカーボネート樹脂も用いること
もできる。
【0121】下引き層の厚さは、通常0.01〜10.
0μm、好ましくは0.01〜1.0μmである。この
厚さが0.01μm未満であると、下引き層を均一に形
成することが困難になり、10.0μmを超えると、電
子写真特性が低下することがある。
【0122】また、導電性基体と感光層との間に通常使
用されているような公知のブロッキング層を設けること
ができる。ブロッキング層には前記バインダー樹脂を用
いることができる。ブロッキング層の厚さは、通常0.
01〜20.0μm、好ましくは、0.1〜10.0μ
mである。この厚さが0.01μm未満であると、ブロ
ッキング層を均一に形成することが困難になり、20.
0μmを超えると、電子写真特性が低下することがあ
る。
【0123】本発明の電子写真感光体には、感光層の上
に保護層を積層してもよい。保護層の膜厚は0.01〜
20μmが可能であり、より好ましくは0.1〜10μ
mである。保護層には前記バインダー樹脂を用いること
ができる。保護層には、前記の電荷発生物質、電荷輸送
物質、添加剤、金属及びその酸化物、窒化物、塩、合
金、カーボンなどの導電材料を含有してもよい。
【0124】更に、本発明の電子写真感光体には、その
性能を向上させるために電荷発生層、電荷輸送層に他の
結合剤、可塑剤、硬化触媒、流動付与剤、ピンホール制
御剤、電子写真感度を改良するための分光感度増感剤
(増感染料)、分光感度増感剤とは別に、繰り返し使用
に対しての残留電位の増加、帯電電位の低下、感度の低
下を防止する目的の種々の化学物質、酸化防止剤、界面
活性剤、カール防止剤、レベリング剤等などの添加剤を
添加することができる。
【0125】他の結合剤の具体的な例としては、シリコ
ーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、上記のポ
リカーボネート以外のポリカーボネート樹脂、ポリスチ
レン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアクリルアミ
ド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂、メ
ラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリクロロプレン
樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチルセルロース樹
脂、ニトロセルロース樹脂、尿素樹脂、フェノール樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ホル
マール樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/塩化ビニル
共重合体、ポリエステルカーボネート樹脂等が挙げられ
る。また、熱及び/又は光硬化性樹脂も使用できる。い
ずれにしても、電気絶縁性で通常の状態で皮膜を形成し
うる樹脂であれば、特に制限はない。
【0126】これら他の結合剤を用いる場合には電荷輸
送物質に対して、5〜200重量%添加することが好ま
しく、10〜100重量%がより好ましい。5重量%未
満では感光層の皮膜が不均一となりやすく、画質が劣る
傾向がある。200重量%を超えると、感度が低下し、
残留電位が高くなる傾向がある。
【0127】可塑剤の具体的な例としては、ビフェニ
ル、塩化ビフェニル、o−ターフェニル、ハロゲン化パ
ラフィン、ジメチルナフタリン、ジメチルフタレート、
ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチレ
ングリコールフタレート、トリフェニルフォスフェー
ト、ジイソブチルアジペート、ジメチルセバケート、ジ
ブチルセバケート、ラウリル酸ブチル、メチルフタリー
ルエチルグリコレート、ジメチルグリコールフタレー
ト、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられ
る。
【0128】硬化触媒の具体的な例としては、メタンス
ルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフ
タレンジスルホン酸等が挙げられる。
【0129】流動付与剤としては、モダフロー、アクロ
ナール4F等が挙げられる。
【0130】ピンホール制御剤としては、ベンゾイン、
ジメチルフタレート等が挙げられる。
【0131】可塑剤、硬化触媒、流動付与剤、ピンホー
ル制御剤は、前記電荷輸送物質に対して、5重量%以下
で用いることが好ましい。
【0132】増感染料の具体的な例としては、メチルバ
イオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルー、
ビクトリアブルー等で代表されるトリフェニルメタン系
染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、
アクリジンオレンジ、フラペオシン等に代表されるアク
リジン染料、メチレンブルー、メチレングリーン等に代
表されるチアジン染料、カプリブルー、メルドラブルー
等に代表されるオキサジン染料、その他シアニン染料、
メロシアニン染料、スチリル染料、ピリリュウム塩染
料、チオピリリュウム塩染料等が挙げられる。
【0133】感光層には感度の向上、残留電位〜反復使
用時の疲労低減等を目的として、電子受容性物質を加え
ることができる。
【0134】電子受容性物質としては、無水コハク酸、
無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、無水フタル
酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタ
ル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル
酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラシア
ノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロ
ベンゼン、m−ジニトロベンゼン、1,3,5−トリニ
トロベンゼン、パラニトロベンゾニトリル、ピクリルク
ロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニ
ル、ベンゾキノン、2,3−ジクロロベンゾキノン、ジ
クロロジシアノパラベンゾキノン、ナフトキノン、ジフ
ェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロ
ロアントラキノン、ジニトロトロアントラキノン、4−
ニトロベンゾフェノン、4,4−ニトロベンゾフェノ
ン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ
−β−(p−シアノフェニル)アクリル酸エチル、9−
アントラセニルメチルマロンジニトリル、1−シアノ−
(p−ニトロフェニル)−2−(p−クロロフェニル)
エチレン、2,7−ジニトロフルオレノン、2,4,7
−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニ
トロフルオレノン、9−フルオレニリデン[ジシアノメ
チレンマロノニトリル]、ポリニトロ−9−フルオレニ
リデン−[ジシアノメチレンマロノジニトリル]、ピク
リン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、
3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、
5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、
フタル酸、メリット酸など、電子親和力が大きい化合物
がある。
【0135】この電子受容性物質は、電荷輸送層、電荷
発生層のいずれに加えてもよく、電荷輸送物質又は電荷
発生物質に対して通常0.01〜200重量%、より好
ましくは0.1〜50重量%配合される。
【0136】また、表面性の改良のために、四フッ化エ
チレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチ
レン六フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ
化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びそ
れらの共重合体、フッ素系グラフトポリマーを用いても
よい。
【0137】これらの表面改質剤は前記バインダー樹脂
に対して0.1〜60重量%、より好ましくは5〜40
重量%配合される。0.1重量%より少ないと耐摩耗
性、表面耐久性、表面エネルギー低下等の表面改質が十
分でなく、60重量%より多いと電子写真特性が悪くな
ることがある。
【0138】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダー
ドアミン系酸化防止剤、スルフィド系酸化防止剤、有機
リン酸系酸化防止剤などが挙げられる。
【0139】これらの酸化防止剤は電荷輸送物質に対し
て通常0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜
2重量%配合される。
【0140】これら添加剤は1種単独で用いてもよい
し、あるいは、2種類以上を混合するなどして併用して
もよい。これらの添加剤は保護層、下引き層、ブロッキ
ング層に添加してもよい。
【0141】前記電荷発生層、電荷輸送層の形成の際に
使用する前記溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系
溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール等のアルコール、酢酸エチル、エチルセロソルブ等
のエステル、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムア
ミド等を挙げることができる。
【0142】これらの溶媒は、1種単独で使用してもよ
く、或いは、2種以上を混合溶媒として用いてもよい。
【0143】感光体を形成する方法としては、前記電荷
発生物質、電荷輸送物質、添加剤及びバインダー樹脂を
溶剤に分散、又は溶解した溶液を所定の下地となる基
体、層上に浸漬塗工法、静電塗工法、粉体塗工法、スプ
レー塗工法、ロール塗工法、アプリケーター塗工法、ス
プレーコーター塗工法、バーコーター塗工法、ロールコ
ーター塗工法、ディップコーター塗工法、ドクターブレ
ード塗工法、ワイヤーバー塗工法、ナイフコーター塗工
法、アトライター塗工法、スピナー塗工法、ビード塗工
法、ブレード塗工法、カーテン塗工法などの塗工法を用
いて塗工し、乾燥して形成することができる。
【0144】その分散法としては、ボールミル、超音
波、ペイントシェーカー、レッドデビル、サンドミル、
ミキサー、アトライターなどを用いることができる。
【0145】単層型電子写真感光体においても感光層は
前記バインダー樹脂を用いることができる。また、単層
型感光体の感光層には、前記の電荷発生物質、電荷輸送
物質を用いることができる。また、感光層の電子写真特
性を向上させるために、前記の添加剤を用いてもよい。
また、保護層、下引き層、ブロッキング層を設けてもよ
い。
【0146】単層型感光体の膜厚は通常5〜100μm
が好ましく、8〜50μmがより好ましい。5μm未満
であると、初期電位が低くなりやすく、50μmを超え
ると電子写真特性が低下する傾向がある。
【0147】単層型電子写真感光体の感光層中の電荷発
生物質:ポリカーボネートの重量による割合は、好まし
くは20:80〜80:20、さらに好ましくは30:
70〜60:40である。また、電荷輸送物質:ポリカ
ーボネートの重量による割合は、好ましくは20:80
〜80:20、さらに好ましくは30:70〜70:3
0である。また、電荷発生物質:電荷輸送物質の重量に
よる割合は、好ましくは20:80〜70:30、さら
に好ましくは30:70〜60:40である。
【0148】また、本発明の目的達成を阻害しない範囲
で、他の樹脂を本発明のポリカーボネートと併用するこ
とも可能である。
【0149】なお、本発明の電子写真感光体の感光層の
層構成としては、本発明のポリカーボネートを含む層が
感光層の表面層となる構成とすることが好ましい。この
ようにして得られる本発明の電子写真感光体は高い表面
硬度を有し、長期間にわたって優れた耐刷性及び良好な
クリーニング性を維持する感光体であり、複写機(モノ
クロ、マルチカラー、フルカラー;アナログ、デジタ
ル)、プリンター(レーザー、LED、液晶シャッタ
ー)、FAX、製版機等の各種の電子写真分野に好適に
利用することができる。
【0150】本発明の電子写真感光体を使用するにあた
って、帯電器は、コロナ放電(コロトロン、スコトロ
ン)、接触帯電(帯電ロール、帯電ブラシ)などが用い
られる。露光は、ハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー
(半導体、He−Ne)、LED、感光体内部露光方式
で行われる。現像工程はカスケード現像、二成分磁気ブ
ラシ現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現
像などの乾式現像方式や湿式現像方式などが用いられ
る。転写工程はコロナ転写、ローラ転写、ベルト転写な
どの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法が用いられ
る。定着は、熱ローラ定着、ラジアント・フラッシュ定
着、オーブン定着、圧力定着などが用いられる。クリー
ニング・除電には、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリ
ーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナ
ー、ブレードクリーナーなどが用いられる。
【0151】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0152】実施例1 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(7
4g)を6重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液550
mlに溶解した溶液と塩化メチレン250mlとを混合
して攪拌しながら、冷却下、該溶液中にホスゲンガスを
950ml/分の割合で15分間吹き込んだ。次いで、
この反応液を静置して有機層を分離し、重合度が2〜4
であり、分子末端がクロロホルメート基であるオリゴマ
ーの塩化メチレン溶液を得た。得られたオリゴマーの塩
化メチレン溶液に塩化メチレンを加えて全量を450m
lとした後、B−1(35g)を8重量%濃度の水酸化
ナトリウム水溶液150mlに溶解した溶液と混合し、
これに分子量調節剤であるp−tert−ブチルフェノ
ール3.0gを加えた。次いで、この混合液を激しく攪
拌しながら、触媒として7重量%濃度のトリエチルアミ
ン水溶液を2ml加え、28℃において攪拌下で1.5
時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチ
レン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2
回、0.01規定塩酸1リットルで1回、水1リットル
で2回の順に洗浄し、有機層をメタノール中に投入し、
再沈精製した。
【0153】このようにして得られたポリマー(PC−
1)は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl
の溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.5
3dl/gであった。このポリマーの1H−NMR分析
より、下記の繰り返し単位からなるポリカーボネートで
あることが確認された。
【0154】
【化40】 電荷輸送物質として(C−1)を用いて、C−1:PC
−1:塩化メチレン=1:1:8(重量比)の溶液を調
製し、塗工液とした。この塗工液は1か月放置しても、
白濁、ゲルの発生などは見られなかった。アルミニウム
製導電性基板上にオキソチタニウムフタロシアニンの層
(約0.5μm)を電荷発生層として形成し、その電荷
発生層上に上記塗工液を浸漬塗工法により塗布し、乾燥
し、約20μmの電荷輸送層を形成し、積層型電子写真
感光体を作製した。塗布時に電荷輸送層が結晶化するこ
とはなかった。
【0155】得られた電子写真感光体の電子写真特性の
評価は、静電気帯電試験装置EPA−8100(株式会
社川口電気製作所製)を用い、−6kVのコロナ放電を
行い、初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5
秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)を測定し
た。結果を表1に示す。
【0156】更に、電荷輸送層の耐摩耗性をスガ摩耗試
験機NUS−ISO−3型(スガ試験機(株)製)を用
いて評価した。試験条件は200gの荷重をかけた摩耗
紙上でサンプルを1200回往復運動させ、その減少量
の変化を測定することにより評価した。結果を表2に示
す。
【0157】実施例2〜4 実施例1で用いた電荷輸送物質をそれぞれ(C−1)を
それぞれ、(C−2)、(C−3)、(C−4)に変え
た以外は実施例1と同様の方法で感光体を作製し、同様
の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10Lux)
5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩
耗による減少量を測定した。結果を表1及び表2に示
す。
【0158】実施例5 濃度3規定の水酸化ナトリウム水溶液(600ml)
に、B−1(42g)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(28.5g)を溶解させた溶液及
び、塩化メチレン(250ml)を1リットルのフラス
コに導入した。外部冷却により液温10℃付近に保持し
ながら反応液を激しく攪拌しホスゲンを340ml/分
の割合で30分間吹き込んだ。その後、1時間攪拌を続
け重合を完了させた。反応終了後、有機層に塩化メチレ
ン(500ml)を加えて希釈し、水、希塩酸、水の順
に洗浄した後、メタノール中に投入して、下記の繰り返
し単位からなる共重合体(PC−2、[ηsp/c]=
0.61dl/g)を得た。このポリマーの1H−NM
R分析より、下記の繰り返し単位からなるポリカーボネ
ートであることが確認された。
【0159】
【化41】 実施例1で用いたポリカーボネート(PC−1)を(P
C−2)に、電荷輸送物質(C−1)を(C−5)に変
えた以外は実施例1と同様の方法で感光体を作製し、実
施例1と同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射
(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量
(E1/2)及び摩耗による減少量を測定した。結果を表
1及び表2に示す。
【0160】実施例6〜8 実施例5で用いた電荷輸送物質(C−5)をそれぞれ
(C−6)、(C−7)、(C−8)に変えた以外は実
施例5と同様の方法で感光体を作製し、同様の方法で初
期表面電位(V0)、光照射(10Lux)5秒後の残
留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及び摩耗による減
少量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0161】実施例9 実施例1の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(74g)をB−1(109g)に、B−1(3
5g)を2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(24g)に変更した以外は実施例1と同様の操作
で、下記の繰り返し単位からなる共重合体(PC−3、
[ηsp/c]=0.54dl/g)を得た。このポリマ
ーの1H−NMR分析より、下記の繰り返し単位からな
るポリカーボネートであることが確認された。
【0162】
【化42】 実施例1で用いたポリカーボネート(PC−1)を(P
C−3)に、電荷輸送物質(C−1)を(C−4)に変
えた以外は実施例1と同様の方法で感光体を作製し、実
施例1と同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射
(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量
(E1/2)及び摩耗による減少量を測定した。結果を表
1及び表2に示す。
【0163】実施例10〜12 実施例9で用いた電荷輸送物質(C−4)をそれぞれ
(C−8)、(C−9)、(C−10)に変えた以外は
実施例9と同様の方法で感光体を作製し、実施例1と同
様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10Lu
x)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)及
び摩耗による減少量を測定した。結果を表1及び表2に
示す。
【0164】実施例13 実施例1の2,2,−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(74g)を1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン(87g)に変更した以外は実
施例1と同様の方法で感光体を作製し、実施例1と同様
の操作で、下記の繰り返し単位からなる共重合体(PC
−4、[ηsp/c]=0.65dl/g)を得た。この
ポリマーの1H−NMR分析より、下記の繰り返し単位
からなるポリカーボネートであることが確認された。
【0165】
【化43】 実施例1で用いたポリカーボネート(PC−1)を(P
C−4)に、電荷輸送物質(C−1)を(C−4)に変
えた以外は実施例1と同様の方法で感光体を作製し、実
施例1と同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射
(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量
(E1/2)及び摩耗による減少量を測定した。結果を表
1及び表2に示す。
【0166】実施例14〜16 実施例13で用いた電荷輸送物質(C−4)をそれぞれ
(C−11)、(C−12)、(C−13)に変えた以
外は実施例13と同様の方法で感光体を作製し、実施例
1と同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10
Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量
(E1/2)及び摩耗による減少量を測定した。結果を表
1及び表2に示す。
【0167】実施例17 実施例1の2,2,−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(74g)をB−2(118g)に、B−1
(35g)をB−2(38g)に変更した以外は実施例
1と同様な操作で、下記の繰り返し単位からなる共重合
体(PC−5、[ηsp/c]=0.60dl/g)を得
た。このポリマーの1H−NMR分析より、下記の繰り
返し単位からなるポリカーボネートであることが確認さ
れた。
【0168】
【化44】 実施例1で用いたポリカーボネート(PC−1)を(P
C−5)に、電荷輸送物質(C−1)を(C−14)に
変えた以外は実施例1と同様の方法で感光体を作製し、
実施例1と同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射
(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量
(E1/2)及び摩耗による減少量を測定した。結果を表
1及び表2に示す。
【0169】実施例18〜20 実施例17で用いた電荷輸送物質(C−14)をそれぞ
れ(C−15)、(C−16)、(C−17)に変えた
以外は実施例17と同様の方法で感光体を作製し、実施
例1と同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(1
0Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E
1/2)及び摩耗による減少量を測定した。結果を表1及
び表2に示す。
【0170】実施例21 実施例1のB−1(35g)をB−2(38g)に変更
した以外は実施例1と同様な操作で、下記の繰り返し単
位からなる共重合体(PC−6、[ηsp/c]=0.6
7dl/g)を得た。このポリマーの1H−NMR分析
より、下記の繰り返し単位からなるポリカーボネートで
あることが確認された。
【0171】
【化45】 実施例1で用いた電荷輸送物質(C−1)を(C−4)
に変えた以外は実施例1と同様の方法で感光体を作製
し、実施例1と同様の方法で初期表面電位(V0)、光
照射(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露
光量(E1/2)及び摩耗による減少量を測定した。結果
を表1及び表2に示す。
【0172】実施例22〜24 実施例21で用いた電荷輸送物質(C−4)をそれぞれ
(C−17)、(C−18)、(C−19)に変えた以
外は実施例21と同様の方法で感光体を作製し、実施例
1と同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10
Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量
(E1/2)及び摩耗による減少量を測定した。結果を表
1及び表2に示す。
【0173】実施例25 実施例1のB−1をB−10に変更した以外は実施例1
と同様の操作で、下記の繰り返し単位からなる共重合体
(PC−7、[ηsp/c]=0.56dl/g)を得
た。このポリマーの1H−NMR分析より、下記の繰り
返し単位からなるポリカーボネートであることが確認さ
れた。
【0174】
【化46】 実施例1で用いたポリカーボネート(PC−1)を(P
C−7)に、電荷輸送物質(C−1)を(C−4)に変
えた以外は実施例1と同様の方法で感光体を作製し、実
施例1と同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射
(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量
(E1/2)及び摩耗による減少量を測定した。結果を表
1及び表2に示す。
【0175】実施例26〜28 実施例21で用いた電荷輸送物質(C−4)をそれぞれ
(C−11)、(C−16)、(C−17)に変えた以
外は実施例21と同様の方法で感光体を作製し、実施例
1と同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10
Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量
(E1/2)及び摩耗による減少量を測定した。結果を表
1及び表2に示す。
【0176】実施例29 実施例1のB−1(35g)をB−8(68g)に変更
した以外は実施例1と同様の操作で、下記の繰り返し単
位からなる共重合体(PC−8、[ηsp/c]=0.6
7dl/g)を得た。このポリマーの1H−NMR分析
より、下記の繰り返し単位からなるポリカーボネートで
あることが確認された。
【0177】
【化47】 実施例1で用いたポリカーボネート(PC−1)を(P
C−8)に、電荷輸送物質(C−1)を(C−3)に変
えた以外は実施例1と同様の方法で感光体を作製し、実
施例1と同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射
(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量
(E1/2)及び摩耗による減少量を測定した。結果を表
1及び表2に示す。
【0178】実施例30〜32 実施例29で用いた電荷輸送物質(C−3)をそれぞれ
(C−4)、(C−11)、(C−17)に変えた以外
は実施例29と同様の方法で感光体を作製し、実施例1
と同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射(10L
ux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2
及び摩耗による減少量を測定した。結果を表1及び表2
に示す。
【0179】比較例1 ビスフェノールAを原料とし下記繰り返し単位からなる
ポリカーボネートをバインダー樹脂として用い、電荷輸
送物質として実施例1で用いた化合物(C−4)を用
い、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1と同様の方法で初期表面電位(V0)、光照射
(10Lux)5秒後の残留電位(VR)、半減露光量
(E1/2)及び摩耗による減少量を測定した。結果を表
1及び表2に示す。
【0180】
【化48】
【0181】比較例2 比較例1の電荷輸送物質(C−4)の代わりに(C−1
1)を用いた以外は比較例1と同様に行った。結果を表
1及び表2に示す。
【0182】比較例3 ビスフェノールZを原料とし下記繰り返し単位からなる
ポリカーボネートをバインダー樹脂として用い、電荷輸
送物質として(C−4)を用いて実施例1と同様にして
電子写真感光体を作製した。結果を表1及び表2に示
す。
【0183】
【化49】 比較例4 比較例3の電荷輸送物質(C−4)の代わりに(C−1
1)を用いた以外は比較例3と同様に行った。結果を表
1及び表2に示す。
【0184】
【化50】
【0185】
【化51】
【0186】
【化52】
【0187】
【表1】
【0188】
【表2】
【0189】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、結晶化やゲ
ル化を起こしにくく、機械的強度に優れるポリカーボネ
ートを感光層中のバインダー樹脂として用い、また感光
層中の電荷輸送物質として、上記バインダー樹脂との組
み合わせにより、半減露光量や残留電位などの電子写真
特性を向上させる化合物を用いて製造されるものであ
る。従って、本発明の電子写真感光体は、電子写真感光
体の作製時において塗工液が白化(ゲル化)したりする
ことがなく、導電性基板と感光層の接着性及び感光体表
面の耐摩耗性が向上し、電子写真感光体の長寿命化が図
れるとともに、繰り返し長時間使用しても優れた電子写
真特性を維持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−311191(JP,A) 特開 平8−234457(JP,A) 特開 平6−220181(JP,A) 特開 平2−254461(JP,A) 特開 平3−162413(JP,A) 米国特許3793249(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に電荷発生物質、電荷輸送
    物質及びバインダー樹脂を含有する感光層を設けた電子
    写真感光体において、該感光層中に下記一般式(1) 【化1】 (式中、R51及びR52は各々独立に、ハロゲン原子、炭
    素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキ
    ル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
    基を表し、A及びBは各々独立に0〜4の整数を表
    す。)で表される繰り返し単位を主成分とする重合体化
    合物をバインダー樹脂として含有することを特徴とする
    電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 導電性基体上に電荷発生物質、電荷輸送
    物質及びバインダー樹脂を含有する感光層を設けた電子
    写真感光体において、該感光層中に下記一般式(1)と
    下記一般式(2) 【化2】 [式中、R51及びR52は各々独立に、ハロゲン原
    子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜7のシクロ
    アルキル基、炭素数6〜12の置換若しくは無置換のア
    リール基を表し、A及びBは各々独立に0〜4の整数を
    表し、Wは、単結合、−O−、−CO−、−S−、−S
    O−、−SO−、−CR6566−(R65及びR
    66は各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、
    炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若
    しくは無置換のアリール基である。)、炭素数5〜11
    の1,1−シクロアルキリデン基又は炭素数2〜12の
    α,ω−アルキレン基であり、R53及びR54は各々
    独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭
    素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜12の置換
    若しくは無置換のアリール基を表し、C及びDは各々独
    立に、0〜4の整数である。] で表される繰り返し単位を主成分とする重合体化合物を
    バインダー樹脂として含有することを特徴とする電子写
    真感光体。
  3. 【請求項3】 重合体化合物の塩化メチレンを溶媒とす
    る濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度
    が0.2〜10.0dl/gである請求項1又は請求項
    2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 重合体化合物の一般式(1)で表される
    繰り返し単位が、一般式(1)で表される繰り返し単位
    と一般式(2)で表される繰り返し単位の合計モル数に
    対するモル比で0.1〜90モル%である請求項2に記
    載の電子写真感光体。
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