JP3729643B2 - 火災報知設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、火災報知設備に関し、特に、火災受信機にそれぞれ異なるアドレスが与えられた火災感知器や中継器などの火災監視用の複数の端末機器が接続された火災報知設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、火災報知設備においては、火災受信機にそれぞれ異なるアドレスが与えられた火災感知器や中継器などの火災監視用の複数の端末機器が接続され、火災受信機が端末機器をアドレスによって呼び出し、この呼び出した端末機器から火災情報を収集したり、或いはその呼び出した端末機器に必要に応じて命令を送出するようにしている。
【0003】
また、火災受信機が火災感知器や中継器などの火災監視用の複数の端末機器から順次に火災情報を収集し、この収集した火災情報が火災と判断される情報であるときに当該端末機器から所定時間にわたって火災と判断される火災情報を収集したときに火災状態と判断する蓄積手段を有する火災報知設備等もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こような従来の火災報知設備の場合、火災監視用の複数の端末機器には、その監視領域に存在する全てのものに対してアドレスが与えられ、このアドレスの全てを呼び出して火災情報を収集するようにしているので、監視する端末機器が多い分だけ収集する情報が多くなり、その結果その情報を処理するMPUや表示手段等の規模が大きくなり、構成が複雑になるとともにコスト的にも高価になり、また、その監視領域に関する火災情報を処理するに当たり情報の収集だけでその収集した情報に基づいて火災情報の判断や警報発生の処理まで行うには困難であるという問題点があった。
【0005】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、監視領域の端末機器の数を特定し、その特定した数の端末機器に1対1で対応する複数の火災地区表示を設定することにより、構成の簡略化、コストの低廉化を図ることができる火災報知設備を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、火災受信機にそれぞれ異なるアドレスが与えられた火災監視用の複数の端末機器が接続され、前記火災受信機が前記端末機器をアドレスによって呼び出し、該呼び出された端末機器から火災情報を収集および呼び出した端末機器に命令を送出する少なくとも一方を行う火災報知設備において、前記複数の端末機器のそれぞれにアドレス設定手段を設け、前記火災受信機は、7セグメント表示器と、前記複数の端末機器に1対1で対応する複数の異常地区灯と、前記複数の異常地区灯に対応して前記火災受信機に接続される複数の端末機器に設定されるアドレスを記憶する記憶手段と、前記火災受信機に接続される複数の端末機器を順次呼び出し、該呼び出した端末機器から前記アドレス設定手段によって設定されたアドレスを収集するアドレス収集手段と、を備え、前記アドレス収集手段によって収集したアドレスが前記記憶手段に記憶されているアドレスの設定範囲外のときは、前記7セグメント表示器にアドレスオーバーの端末機器があることを表示し、また、前記記憶手段に記憶されているアドレスのうち、前記アドレス収集手段によって収集されないアドレスがあるときは、前記収集されないアドレスに対応した異常地区灯を点灯制御するとともに前記7セグメント表示器に無応答表示を行うことを特徴とする火災報知設備にある。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1における火災受信機の全体の構成を示す正面図である。
図において、101は火災受信機、102は表面扉、103は錠、111は火災地区窓、112は火災地区灯(例:LED)、113は異常地区灯(例:LED)、114は火災地区の番号あるいは火災地区の場所名が記載される地区表示板、121はいずれかの地区から火災発生と判断される火災情報を受信したときに点灯する火災灯(例:LED)、122は交流電源灯(例:LED)、123は予備電源灯(例:LED)、124は故障代表灯(例:LED)、125は蓄積中灯(例:LED)、126は時計手段としても機能する複数の7セグメント表示器(本例では4つ)でなる表示器、127は主音響装置の鳴動停止中に点灯する主音響鳴動停止中灯、128は地区音響装置の鳴動停止中に点灯する地区音響鳴動停止中灯、131は試験スイッチ、132は例えば種別表示スイッチとしても用いられる設定スイッチ、133は時分設定スイッチ、134は受信機内に設けられる主音響装置(例:圧電ブザー、電鈴等)の鳴動を停止する主音響停止スイッチ、135は火災警戒地区に設けられる地区音響装置(例:圧電ブザー、電鈴、スピーカー等)の鳴動を停止する地区音響停止スイッチ、136は火災復旧スイッチである。なお、構成要素111〜114は火災地区表示手段を構成する。
【0018】
図2はこの発明の実施の形態1を示す系統図である。
MPUはマイクロコンピュータ、ROM1はプログラムを格納したEPROMなどのROM、ROM2は端末機器のアドレスや種別を記憶した電気的に書き換え可能なEEPROMなどのROM、RAM1は作業用のRAM、RAM2は運用時にROM2の内容を読み出し格納するRAM、RAM3は蓄積用のタイマとして使用するRAMである。これらのROM1,2、およびRAM1〜3はデータ線および制御線をそれぞれ介してMPUに接続されている。
【0019】
211は火災地区窓111が設けられた地区表示部、212は火災灯121〜地区音響鳴動停止中灯128等の各種表示灯が設けられた各種表示部、213は試験スイッチ131〜火災復旧スイッチ136等が設けられた操作部、221〜226はMPUからのデータ線および制御線にそれぞれ接続されたインターフェース(IF1〜IF6)である。地区表示部211はインターフエース221に接続され、各種表示部212はインターフエース222に接続され、操作部213はインターフエース223に接続されている。
【0020】
251はインターフエース224に接続されたアナログ式の煙式や熱式等の火災感知器、252および253は同じくインターフエース224に接続された発信機および中継器、261は中継器253に接続され、火災と判断される火災現象(煙、熱、炎、ガス等)を検出したときに火災信号を出力する一般型(オンオフ式)の火災感知器、271はインターフエース225に接続された地区音響装置、281はインターフエース226に接続された予備電源である。
【0021】
なお、火災感知器251〜中継器253には、本実施の形態では例えば火災受信機101よりから順に例えば#1〜#32のアドレスが与えられている。また、アドレスを有する端末機器である火災感知器251〜中継器253には、自己アドレスと自己の属するグループアドレスとを設定するアドレス設定手段(例:ディップスイッチ、ロータリ式ディップスイッチ、EEPROM等)が設けられている。また、インターフエース224には並直列変換回路、送信回路、受信回路、直並列変換回路が設けられる。更に、インターフエース225には地区音響装置271に電源或いは音声信号を供給する制御回路が設けられている。
【0022】
また、本実施の形態では、火災受信機101の火災地区窓111には32台(32アドレス)の火災感知器251〜中継器253の(火災監視用)端末機器に対応して火災地区灯112、異常地区灯113、地区表示板114の組からなる窓部が32個設けられ、1番目の火災地区灯112、異常地区灯113、地区表示板114はアドレス#1の端末機器(例えばアナログ式光電式火災感知器)からの火災情報の表示に、32番目の火災地区灯112、異常地区灯113、地区表示板114はアドレス#32の端末機器(例えば中継器)からの火災情報の表示にそれぞれ対応するように、すなわちアドレスが与えられた端末機器と火災地区窓の各窓部が1対1で対応し、しかもその順番も対応するように構成されている。
【0023】
次に、図3〜図6を参照して、火災受信機101の動作を説明する。
先ず、図3を参照して初期動作について説明する。
電源を投入するとまず必要な初期化が行われ(ステップS1)、次に複数の端末機器を順次に呼び出し、呼び出した端末機器からそれぞれの端末機器のID(種別情報)とアドレスを収集してRAM1に格納する(ステップS2:アドレス収集手段)。
次にEEPROMであるROM2からアドレスデータと種別データ(ID)を読み出し、RAM2に格納する(ステップS3)。
【0024】
そして、収集した各端末機器のIDがRAM2のIDと一致するか否かを判別し(ステップS4)、一致していない場合はその端末機器のアドレス例えば#1に対応する第1地区の異常地区灯113を点灯制御(連続又は点滅)するとともに表示器126でID異常の表示(例えばコード表示)を行い、更に故障代表灯124を点灯制御(連続又は点滅)する(ステップS5)。これにより端末機器の接続間違い(種別間違い)を知ることができる。
【0025】
次に収集したアドレスから#32を越えるアドレスがあるか否かを判別し(ステップS6:アドレス判定手段)、あれば設定が許された範囲外のアドレスなので故障代表灯124を点灯制御するとともに表示器126でアドレスオーバーの端末機器があることを表示する。これにより端末機器のアドレス設定間違いを知ることができる。このとき、表示器126でアドレスオーバーした端末機器のアドレスを表示するようにしてもよい。
また、収集したアドレス中に飛び番があるか否かを判別し(ステップS8)、ある場合、例えば#2のアドレスがない場合には、故障代表灯124と第2地区の異常地区灯113を点灯制御すると共に、表示器126で無応答表示を行う (ステップS9)。これにより、そのアドレスの端末機器が接続されていないことがわかる。
【0026】
次に、収集したID中に非蓄積の端末機器、すなわち火災と判断される火災情報(例:火災と判断される火災現象の物理量信号、火災信号等)を受信したときに、その状態が所定時間継続したとき火災発生状態と判断する蓄積動作を行わないで、直ちに火災発生状態と判断すべき種別の端末機器があるか否かを判別し(ステップS10)、あればその端末機器のアドレスをRAM3に記憶する。なお、この非蓄積で火災と判断して良い端末機器としては、例えば差動式や定温式として動作する火災感知器が挙げられる。
【0027】
このような処理後、火災監視動作が行われる。
火災監視動作としては、火災受信機から複数の端末機器を1台1台アドレスで指定して呼び出し、呼び出した端末機器から火災信号あるいは火災現象の物理量信号等の火災情報を収集するようにしても良いが、本実施の形態では、一例として32台の端末機器を16台づつの2つのグループに分け、火災受信機は複数の端末機器をグループ単位で呼び出し、呼び出されたグループの16台の端末機器は、グループ呼出信号に続いて設定された16個の返送タイミングのうち、自己に割り当てられたタイミングで火災信号の有無(中継器、発信機、オンオフ式感知器でアドレスが付与されたものの場合)や火災現象の物理量信号(アナログ式感知器の場合)の火災情報を返送する。
【0028】
すなわち、例えば#2の端末機器の場合は第1グループの呼出信号に続く返送タイミングのうち2番目のタイミング時に火災情報を送出し、#18の端末機器は第2グループの呼出信号に続く返送タイミングのうち2番目のタイミング時に火災情報を送出する。
【0029】
次に、この動作を、図4および図5を参照して詳しく説明する。
先ず、ステップS21において、g番目のグループとして例えば第1番目のグループ1を特定し、第1番目のグループを呼び出し(ステップS22)、応答あるかどうかを確認し(ステップS23)、応答あれば応答した端末機器の番号kとデータDAをRAM1ヘ格納し(ステップS24)、ステップS25へ進む。また、ステップS23で応答がない場合もステップS25へ進む。
【0030】
ステップS25において、グループgの番号はグループの総数Gであるかどうか、即ち全てのグループに対して情報の取り込みが終わったか否かを判定し、終わっていなければ、ステップS26で次のグループに進み、ステップS22に戻って上述の動作を繰り返し、終わっておれば、例えば第1番目のそのグループの#1の端末機器を特定し(ステップS27)、RAM1からそのデータを読み出す(ステップS28)。
【0031】
そして、その読み出したデータが火災かどうかを判別し(ステップS29)、火災であれば、その対応する端末機器が非蓄積型か否かをRAM3からの情報に基づいて判別し(ステップS30)、非蓄積型であればその対応するk番地、この場合1番地の火災地区灯112を点灯させるともに、火災灯121を点灯させ、火災受信機内部の主音響装置や外部の地区音響装置271を鳴動させる(ステップS31)。なお、ステップS29およびS30の機能は、実質的に火災状態判断手段として働く。
【0032】
一方、ステップS30で非蓄積型でなければ、その端末機器が蓄積中か否かを判別し(ステップS32)、蓄積中でなければその端末機器の蓄積タイマ(RAM3使用)をオンし(ステップS33)、蓄積中であればその蓄積タイマがタイムアップかどうかを判別し(ステップS34)、タイムアップしていればステップS31で上述と同様に1番地の火災地区灯112を点灯させるともに、火災灯121を点灯させ、火災受信機内部の主音響装置や外部の地区音響装置271を鳴動させる。
【0033】
また、ステップS29で火災でなければ、k番端末機器の蓄積タイマをクリアした後、そのデータが異常かどうかを判別し(ステップS35)、例えば伝送エラー等でそのデータの内容が異常であれば、異常地区灯113を点灯してその異常を表示する(ステップS36)。このとき、表示器126で異常内容をコード表示してもよい。
そして、全ての端末機器即ちこの場合32個の端末機器に対して上述の動作が終えたかどうかを判別し(ステップS37)、終えてなければ、ステップS38で次の端末機器に進み、上述の動作を繰り返し、32個の全ての端末機器に対して上述の動作が終わった時点でステップS39に進む。
【0034】
ステップS39では、端末機器のID(種別情報)確認モードと時計表示設定モードを手動で行うもので、設定スイッチ132を押すと設定モードに入り、表示器126に選択されるモードが表示される。そして、ID確認モードを選択するときは、そのモードが表示器126に表示されるまで時分設定スイッチ133を押し、表示されたときに設定スイッチ132を押してモード決定を行う。時計表示設定モードを選択するときは、同様に設定スイッチ132、時分設定スイッチ133、設定スイッチ132の順で操作してモードを決定する。
そこで、ステップS39で端末機器のID確認モードでなければ、ステップS40で時計表示設定モードか否かを判別し、時計表示設定モードでなければ、ステップS21に戻って上述の動作を繰り返し、時計表示設定モードで、しかもそれが火災時が選択されれば火災時表示モードに入り(ステップS41)、常時が選択されれば常時表示モードに入る(ステップS42)。そして、いずれの場合もステップS21に戻って上述の動作を繰り返す。
【0035】
一方、ステップS39で端末機器のID確認モードであれば、#1の端末機器を特定し(ステップS43)、第1番目の火災地区灯112を点灯(点滅または連続)し、表示器126にそのIDを表示する(ステップS44)。次いで、次の端末機器のIDを確認すべくアップスイッチ例えば時分設定スイッチ133が押されたか否かを判別し(ステップS45)、押されていれば最後の端末機器即ちこの場合♯32の端末機器か否かを判別して(ステップS46)、最後でなければ次の端末機器に進み(ステップS47)、ステップS44に戻って上述の動作を繰り返し、最後であれば同じくステップS43に戻って上述の動作を繰り返す。
【0036】
また、ステップS45でアップスイッチが押されてなければ終了スイッチ例えば火災復旧スイッチ136が押されたか否かを確認し(ステップS46)、押されてなければステップS45に戻って押されるまで待機し、火災復旧スイッチ136が押されたらステップS21に戻って上述の動作を繰り返す。
【0037】
次に、図6を参照して時間表示の動作について更に詳しく説明する。
先ず、火災時表示モードか否かを判別し(ステップS51)、火災時表示モードであれば時刻を表示せず(ステップS52)、火災割り込みがあるまで待機し(ステップS53)、火災割り込みがあればその時刻を固定表示し、その時刻に火災第1報があったことを表示する。
【0038】
一方、ステップS51で火災表示モードでなければ現時刻を表示し(ステップS55)、火災割り込みがあるまで待機し(ステップS56)、火災割り込みがあればその時刻を固定表示し、その時刻に火災があったことを表示する(ステップS57)。
そして、ステップS54またはS57で、火災である時刻を固定表示したら、いずれもステップS58で復旧割り込みがあったか否か、即ち火災復旧スイッチ136が押されたか否かを判別し、押されていなければ押されるまで待機し、押された時点でステップS51に戻って上述の動作を繰り返す。
【0039】
図7は図2の予備電源281の具体的な回路構成の一例を示す構成図である。図において、301は充電回路、302は通常時オンとされるスイッチ、303はコネクタ、304は充電式バッテリ(例:ニカド電池、鉛電池)、305〜308は比較回路であって、バッテリ304の正極側がコネクタ303およびスイッチ302を介して充電回路301に接続されるとともに、コネクタ303を介して比較回路305および306の反転入力端子に接続されるとともに、比較回路307の非反転入力端子に接続される。またバッテリ304の負極側がコネクタ302を介して比較回路308の非反転入力端子に接続される。
【0040】
なお、比較回路305および306は、充電回路301等が故障してバッテリ304の電圧が基準電圧より高くなった場合を検出するものであり、比較回路307は、例えばコネクタ303の所で短絡が生じてバッテリ304の電圧が基準電圧より低くなった場合を検出するものであり、また、比較回路308は、例えばコネクタ303の所で外れてバッテリ304が脱落した場合を検出するものである。
【0041】
309〜311は電源電圧が例えばDC24Vの電源端子とグランド間に接続された分圧用抵抗器であって、抵抗器309および310の接続点が比較回路305および306の非反転入力端子に接続され、抵抗器310および311の接続点が比較回路307の反転入力端子に接続される。また、抵抗器309および310の接続点とグランド間にツエナーダイオード312が接続される。
313および314はダイオードであって、ダイオード313のカソードは接地され、アノードは抵抗器315を介して電源端子に接続されるとともに、比較回路308の反転入力端子に接続され、ダイオード314は比較回路308の非反転入力端子とグランド間に接続される。
そして、比較回路305と307および比較回路306と308の出力端子がそれぞれ共通接続されてインターフエース226(IF6)に接続される。
【0042】
比較回路305および306はその非反転入力端子に接続されているツエナーダイオード312のツエナー電圧を基準電圧とし、この基準電圧よりバッテリ304の電圧が低いとき正常状態として”H”レベルの出力信号を発生し、逆に基準電圧よりバッテリ304の電圧が高いとき高圧状態として”L”レベルの出力信号を発生する。
また、比較回路307はその反転入力端子に接続されている抵抗器311の端子電圧を基準電圧とし、この基準電圧よりバッテリ304の電圧が高いとき正常状態として”H”レベルの出力信号を発生し、逆に基準電圧よりバッテリ304の電圧が低いとき低圧状態として”L”レベルの出力信号を発生する。
【0043】
また、比較回路308はその反転入力端子に接続されているダイオード313と抵抗器315との分圧比でほぼ決まる電圧を基準電圧とし、この基準電圧よりダイオード314の順方向降下電圧が高いときバッテリ304の脱落はないとして”H”レベルの出力信号を発生し、逆に基準電圧よりダイオード314の順方向降下電圧が低いときバッテリ304が脱落状態として”L”レベルの出力信号を発生する。
【0044】
なお、上述の動作において、比較回路305と307および比較回路306と308の出力端子がそれぞれ共通接続されてインターフエース226(IF6)に接続されるので、バッテリ304の脱落時比較回路308の出力は”L”レベルになるので、強制的に比較回路306の出力も”L”レベルとなり、同様に、バッテリ304の短絡時比較回路307の出力は”L”レベルになるので、強制的に比較回路305の出力も”L”レベルとなり、また、充電回路301の故障時比較回路305および306の出力は”L”レベルになるので、強制的に比較回路307および308の出力も”L”レベルとなるようになされている。
【0045】
次に、火災受信機101における図7の予備電源に対する監視動作を図8を参照して説明する。
先ず、ポート状態を読み込み、即ちインターフエース226を介して予備電源281の状態を読み込み(ステップS61)、バッテリ304の脱落か否かを判別し(ステップS62)、脱落状態であれば、バッテリ304の脱落即ち予備電源281が脱落していることを予備電源灯123や故障代表灯124を点滅するなどして外部に知らせるとともに、表示器126で表示する。
【0046】
一方、ステップS62で脱落でなければ、バッテリの短絡か否かを判別し(ステップS64)、短絡状態であれば、バッテリ304の短絡即ち予備電源281が短絡していることを予備電源灯123や故障代表灯124を点滅するなどして外部に知らせるとともに、表示器126で表示する。
また、ステップS64で短絡でなければ、充電回路301の故障か否かを判別し(ステップS66)、故障状態であれば、充電回路301が故障していることを予備電源灯123や故障代表灯124を点滅するなどして外部に知らせるとともに、表示器126で表示する。
【0047】
このように本実施の形態では、火災受信機にそれぞれ異なるアドレスが与えられた火災監視用の複数の端末機器に1対1で対応する複数の火災地区表示手段としての地区灯を設けたので、構造を小型とすることができ、以って、構成の簡略化、火災警戒地区とアドレスとの対応の簡略化、施工の容易化、コストの低廉化を図ることができ、しかも火災情報の収集だけでなく、その収集した火災情報に基づいて火災の判断、警報発生の処理までも可能になる。
【0048】
また、本実施の形態では、複数の端末機器のそれぞれにアドレス設定手段(例:ディップスイッチ、ロータリ式ディップスイッチ、EEPROM等)を設け、火災受信機は、複数の端末機器に設定されるアドレスを記憶する記憶手段(例:プログラム、EEPROM等)と、複数の端末機器を順次呼び出し、該呼び出した端末機器からアドレス設定手段によって設定されたアドレスを収集するアドレス収集手段と、該アドレス収集手段によって収集されたアドレスが前記記憶手段に記憶されているアドレスであるか判別するアドレス判別手段と、該アドレス判別手段が収集したアドレスが記憶手段に記憶されているアドレスと異なるアドレスと判別したときにその旨を表示する表示手段とを備えたので、予め設定が許可された範囲外のアドレスの呼び出しがされてもこれを確実に捕らえて異常表示とすることができる。
【0049】
また、本実施の形態では、複数の端末機器には端末機器の種別によりそれぞれ異なったID(種別情報)が与えられ、火災受信機は、特定の種別の端末機器から収集した火災情報が火災と判断される火災情報を収集したときは、直ちに火災状態と判断する火災状態判断手段を備えたので、端末機器が蓄積機能を有する型のものかどうか等端末機器の種別に応じて即座に対応して警報を発生できる。
【0050】
また、本実施の形態では、複数の端末機器には端末機器の種別によってID(種別情報)が与えられ、火災受信機は、少なくとも複数の端末機器の種別を表示する表示器と、複数の端末機器に1対1で対応して当該端末機器の状態を表示する表示灯と、複数の端末機器を指定する例えば設定スイッチを用いた種別表示スイッチとを備え、種別表示スイッチが操作されたときに、指定された端末機器の種別を表示器に表示すると共に、当該端末機器に対応する表示灯を点灯制御するようにしたので、設備と端末機器との対応を確認でき、設備の信頼性を向上できる。
【0051】
また、本実施の形態では、火災受信機は、時計部およびこの時計部の時刻出力を表示する表示器を有する時計手段と、時計部の一時刻出力を前記表示器に表示させるに際して、表示器に時刻出力を常時表示させる常時表示モードおよび常時は時刻出力を表示器に表示させず収集した火災情報が火災発生有りと判断されたときに表示器に時刻出力を表示させる火災時表示モードの切り換えを行う時刻モード切換手段とを備え、収集した火災情報が火災発生有りと判断された時に表示器による時刻表示をその時点の時刻で固定表示するので、火災の発生した時刻を即座に確認できる。
【0052】
また、本実施の形態では、予備電源の脱落、短絡および充電回路の故障等、予備電源の中身まで細かく監視しているので、設備の信頼性を向上できる。
なお、上述した実施の形態では、火災受信機として、いわゆるR型の場合について説明したが、P型の場合にも同様に適用でき、同様の効果を奏する。
【0053】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、火災受信機にそれぞれ異なるアドレスが与えられた火災監視用の複数の端末機器に1対1で対応する複数の火災地区表示手段を設けたので、構造を小型とすることができ、以って、構成の簡略化、火災警戒地区とアドレスとの対応の簡略化、施工の容易化、コストの低廉化を図ることができ、しかも火災情報の収集だけでなく、その収集した火災情報に基づいて火災の判断、警報発生の処理までも可能になるという効果がある。
【0054】
また、この発明によれば、複数の端末機器のそれぞれにアドレス設定手段を設け、火災受信機は、複数の端末機器に設定されるアドレスを記憶する記憶手段と、複数の端末機器を順次呼び出し、該呼び出した端末機器からアドレス設定手段によって設定されたアドレスを収集するアドレス収集手段と、該アドレス収集手段によって収集されたアドレスが前記記憶手段に記憶されているアドレスであるか判別するアドレス判別手段と、該アドレス判別手段が収集したアドレスが記憶手段に記憶されているアドレスと異なるアドレスと判別したときにその旨を表示する表示手段とを備えたので、予め設定が許可された範囲外のアドレスの呼び出しがされてもこれを確実に捕らえて異常表示とすることができるという効果がある。
【0055】
また、この発明によれば、複数の端末機器には端末機器の種別によりそれぞれ異なった種別情報が与えられ、火災受信機は、特定の種別の端末機器から収集した火災情報が火災と判断される火災情報を収集したときは、直ちに火災状態と判断する火災状態判断手段を備えたので、端末機器が蓄積機能を有する型のものかどうか等端末機器の種別に応じて即座に対応して警報を発生できるという効果がある。
【0056】
また、この発明によれば、複数の端末機器には端末機器の種別によって種別情報が与えられ、火災受信機は、少なくとも複数の端末機器の種別を表示する表示器と、複数の端末機器に1対1で対応して当該端末機器の状態を表示する表示灯と、複数の端末機器を指定する種別表示スイッチとを備え、種別表示スイッチが操作されたときに、指定された端末機器の種別を表示器に表示すると共に、当該端末機器に対応する表示灯を点灯制御するようにしたので、設備と端末機器との対応を確認でき、設備の信頼性を向上できるという効果がある。
【0057】
また、この発明によれば、火災受信機は、時計部およびこの時計部の時刻出力を表示する表示器を有する時計手段と、時計部の一時刻出力を前記表示器に表示させるに際して、表示器に時刻出力を常時表示させる常時表示モードおよび常時は時刻出力を表示器に表示させず収集した火災情報が火災発生有りと判断されたときに表示器に時刻出力を表示させる火災時表示モードの切り換えを行う時刻モード切換手段とを備え、収集した火災情報が火災発生有りと判断された時に表示器による時刻表示をその時点の時刻で固定表示するので、火災の発生した時刻を即座に確認できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態による火災受信機の構造を概略的に示す前面図である。
【図2】この発明の一実施の形態を示す回路構成図である。
【図3】この発明の一実施の形態の動作説明に供するためのフローチャートである。
【図4】この発明の一実施の形態の動作説明に供するためのフローチャートである。
【図5】この発明の一実施の形態の動作説明に供するためのフローチャートである。
【図6】この発明の一実施の形態の動作説明に供するためのフローチャートである。
【図7】この発明の一実施の形態による予備電源を示す回路構成図である。
【図8】図7の動作説明に供するためのフローチャートである。
【符号の説明】
101 火災受信機、 112 火災地区灯、 113 異常地区灯、 121 火災灯、 123 予備電源灯、 124 故障代表灯、 126 表示器、 251 火災感知器、 271 地区音響装置、 281 予備電源。
Claims (1)
- 火災受信機にそれぞれ異なるアドレスが与えられた火災監視用の複数の端末機器が接続され、前記火災受信機が前記端末機器をアドレスによって呼び出し、該呼び出された端末機器から火災情報を収集および呼び出した端末機器に命令を送出する少なくとも一方を行う火災報知設備において、
前記複数の端末機器のそれぞれにアドレス設定手段を設け、
前記火災受信機は、
7セグメント表示器と、
前記複数の端末機器に1対1で対応する複数の異常地区灯と、
前記複数の異常地区灯に対応して前記火災受信機に接続される複数の端末機器に設定されるアドレスを記憶する記憶手段と、
前記火災受信機に接続される複数の端末機器を順次呼び出し、該呼び出した端末機器から前記アドレス設定手段によって設定されたアドレスを収集するアドレス収集手段と、
を備え、
前記アドレス収集手段によって収集したアドレスが前記記憶手段に記憶されているアドレスの設定範囲外のときは、前記7セグメント表示器にアドレスオーバーの端末機器があることを表示し、
また、前記記憶手段に記憶されているアドレスのうち、前記アドレス収集手段によって収集されないアドレスがあるときは、前記収集されないアドレスに対応した異常地区灯を点灯制御するとともに前記7セグメント表示器に無応答表示を行う
ことを特徴とする火災報知設備。
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