JP4033348B2 - 火災報知設備 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、火災報知設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、火災感知器、中継器、発信機または被制御機器等の複数の端末機器が火災受信機に接続される火災報知設備において、各端末機器にアドレスを割付け、火災受信機側から、そのアドレスに基づいて端末機器を順次呼出し、呼出された端末機器だけが、その端末機器に関する個別情報(火災信号等)を火災受信機へ送信するポーリング方式(サイクリックポーリング方式)が用いられている。そして、多数の端末機器を、火災受信機がデータ処理を行って、順次呼出して各端末機器から火災発生等の情報を収集する。
【0003】
このようなポーリング方式を用いると、各端末機器は、呼出を受けるまで、火災受信機に自己の情報を送信することはできない。この呼出を受ける周期は伝送線に接続されている端末機器数の増加に応じて長くなる。
【0004】
そのため、伝送線上の複数の端末機器が複数のグループに分けられ、火災受信機がグループごとにポーリングを行い、複数のグループのうちの所定のグループへのポーリング信号発信に基づきそのグループに属する端末機器からの情報を時分割で受信するポーリング方式(ポイントポーリングセレクティング方式)が用いられている。そして、必要に応じて、特定の端末機器に状態情報返送命令のような制御命令を送信するセレクティングの動作を行うことが示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、上記のポーリング方式とは異なる方式として、端末機器のうちで異常が生じた端末機器を火災受信機が確実に把握するための時間を短縮することを目的に、システムポーリングによってグループごとに状態変化を検出し、応答したグループに対してポイントポーリングによってグループ内の端末機器ごとに状態変化を検出して端末機器を特定し、セレクティングによって状態情報を収集するポーリング方式(システムポーリングセレクティング方式)も用いられているこの方式では、状態が変化しない端末機器を呼出す必要がないことから、状態変化の有る端末機器のみから状態情報を収集する(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−188186号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平2−201597号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の各ポーリング方式で用いられるセレクティングの動作によって、伝送線上に個々の端末機器に対する試験命令を送出することができ、この従来の試験制御では個々の端末機器に対して試験命令を送出して試験動作させることができるが、端末機器として、試験機能付き中継器が用いられ、そこからの感知器回線に複数の試験機能付き感知器が用いられるときには、火災受信機から感知器回線上の試験機能付き感知器を指定することができない。
【0009】
さらに、上記の各ポーリング方式では、システムポーリングによって復旧命令が送出されて、復旧動作が設備全体に及び、個別に端末機器を復旧させることができなかった。これは個別に復旧させると復旧忘れが発生することもあるが、一度に復旧させるとシステムとして負荷が大きい場合に、順次復旧させる要望がある。
【0010】
したがって、本発明は、火災受信機から中継器の感知器回線に接続されてい感知器の試験動作を行わせること、そして、火災受信機から各端末機器を個別に復旧制御させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、火災受信部からの1本の伝送線に複数の端末機器が接続されて該端末機器の一つとして試験機能付き中継器があって、該試験機能付き中継器からの感知器回線に1以上の自動試験機能付き感知器が接続されて、該火災受信部が各端末機器を個別に監視制御する火災報知設備において、前記火災受信部の表示操作部が火災試験の実行を入力されると、前記火災受信部は、前記伝送線上でのアドレスによって前記試験機能付き中継器を、前記感知器回線上での枝番によって前記自動試験機能付き感知器を指定する試験入力手段と、該試験入力手段への入力に基づいて、前記アドレスおよび前記枝番を指定する試験制御命令を、前記伝送線に送信する試験制御手段と、を動作させ、前記試験機能付き中継器は、前記試験制御命令を受信して指定された前記アドレスが自己のアドレスであるときに、前記枝番を指定する試験作動命令を、前記感知器回線に出力する試験中継手段を動作させ、 前記試験機能付き感知器は、前記試験作動命令を受信して指定された前記枝番が自己の枝番であるときに、作動状態となる試験作動手段を動作させるとともに、前記火災受信部は前記感知器回線に対して前記火災試験を実行し、前記火災受信部の表示操作部が前記火災試験の終了を入力されると、前記火災受信部は、伝送線上でのアドレスによって試験機能付き中継器を指定する復旧入力手段と、該復旧入力手段への入力に基づいて、前記アドレスを指定する復旧制御命令を、前記伝送線に送信する復旧制御手段と、を動作させ、前記試験機能付き中継器は、前記復旧制御命令を受信して指定された前記アドレスが自己のアドレスであるときに、前記感知器回線のみに復旧動作を行う復旧中継手段を動作させ、前記試験機能付き感知器は、前記感知器回線が復旧動作されることによって、復旧することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る火災報知設備の概略的なシステム構成図である。
【0018】
図1において、火災受信機10と、この火災受信機10に伝送線L1を通じて接続された試験機能付き中継器20と、この試験機能付き中継器20に感知器回線L2を通じて接続された複数の自動試験機能付き感知器(以下、AT感知器と略称)30とが示されている。この火災受信機10には、伝送線L1を通じて、AT感知器30とは異なる伝送線L1を介して状態情報を送信する火災感知器等のその他の端末機器が、図示しないが、必要に応じて複数接続されている。
【0019】
また、図1において、火災受信機10は、制御部11と、表示操作部12と、記憶部13と、送受信部14とから構成されている。それぞれ詳細に説明しないが、この制御部11は、CPUやタイマ等を含み、表示操作部12は、LCD等の表示装置および各種スイッチ類を含み、また、記憶部13は、接続される端末機器に関するデータベースDBを含む。
【0020】
さらに、図1において、中継器20は、制御部21と、送受信部22と、信号検出部23と、信号送出部24とから構成されている。それぞれ詳細に説明しないが、この制御部21は、CPUやタイマ等を含む。また、送受信部22は、伝送線L1を介して火災受信機10と接続され、さらに、信号検出部23および信号送出部24は、感知器回線L2を介して複数のAT感知器30に接続されている。
【0021】
そして、AT感知器30は、感知器回線L2に対して図示しない一般型感知器(オンオフ型)と混在して接続されており、AT感知器30は、試験情報送出のためパルスを利用したコード信号を用いる信号伝送を行う。なお、AT感知器30からの火災信号は、図示しない一般型感知器と同じようにオンオフ信号であり、試験機能付き中継器20の信号検出部23で検出される。つまり、AT感知器30からの火災信号は、信号伝送ではなく、いわゆるスイッチング動作を行い、感知器回線L2を低インピーダンス状態とする。
【0022】
図2は、火災受信機10内に設けられるデータベースDBの構成例を示す図である。
【0023】
図2において、データベースDBは、アドレス131と、端末名称132と、メッセージ133と枝番134とを備えて構成され、これらの項目以外に、連動設定、感度設定、蓄積有無など、個々の端末機器に必要なデータ設定が行える。アドレス131は、伝送線L1に接続される試験機能付き中継器20等の端末機器に個別に付与される001、002、…、などの番号である。端末名称132は、監視用機器および被制御機器の端末機器として用いられている機種を特定するため、実際には簡略的なコードが設定されている。メッセージ133は、「1階 1番 実験室」等の設置場所を表すために文字列が設定され、例えば最大16文字とされる。
【0024】
また、枝番134は、端末機器が試験機能付き中継器20の場合に、感知器回線L2に接続されているAT感知器30の有無を示しており、図1に示すシステム構成の起動時に、中継器20が各枝番ごとに応答の有無を検出し、その結果を火災受信機10が取り込んで、個々の枝番134に対するAT感知器30の有無がデータベースDBに設定される。
【0025】
このようなデータベースDBを用いて、一例として図3に示すような、表示操作部12への表示内容とすることができる。図3は、表示操作部12における表示画面の一例であり、最上段d1の左側において、アドレス131が「050」で、端末名称が中継器(試験機能付き中継器20は「感知器」と表示することとしている)で、メッセージ133として「1階 1番 実験室」が表示され、さらに、アドレス131への枝番134として「04」が表示されている。これによって、試験機能付き中継器20に接続されている感知器のうち、出力値異常の発生しているAT感知器30を特定することができる。
【0026】
なお、アドレス131の「050」の前にハイフンを介して示されている「1」は、伝送線L1の系統を区別しており、伝送線L1が複数設置されるときに、いずれの系統かを区別するものである。
【0027】
また、図3において、最上段d1は火災に関する情報(火災感知器に関する情報を含む)を表示する領域であり、第2段d2は火災以外の情報(防排煙機器や地区音響装置などに関する情報)を表示する領域であり、そして、第3段d3はガス漏れ警報に関する情報を表示する領域である。このように火災報知設備に関する端末機器の状態情報は、最上段d1、第2段d2または第3段d3のいずれかに区別されて表示される。
【0028】
また、図1の試験機能付き中継器20のように、伝送線L1に接続されている各端末機器は、図示しないが、端末機器ごとに順次2桁の16進数によって定められるアドレスが付与されている。すなわち、各端末機器には、00h、01h、02h、…、FEhのようなアドレスが付与されている。ただし、以下の説明では、便宜上アドレスを10進数で表すこともある。なお、このアドレスは、データベースDB上の項目、アドレス131に対応するものである。
【0029】
アドレス00h〜FEhが付与されている端末機器は、16個のグループG0〜G15に分けられ、また、各グループ内にはそれぞれ原則16個の端末機器が属することができる。すなわち、原則最大255個の端末機器が1本の伝送線L1に接続可能であり、伝送コードでは各アドレスは8ビットで表されることになる。
【0030】
図4は、上記実施形態における端末機器のアドレスを8ビット構成のコードで示す図であり、図4(1)、(2)は、それぞれ10進数の10番目、255番目のアドレスを示している。
【0031】
各端末機器の個々の2進数コードのアドレスは、図4に示されるように、上位4ビット(以下、上位桁という)と、下位4ビット(以下、下位桁という)とに分けられ、上位桁によって0からはじまるグループ番号を表し、下位桁によって0からはじまるグループ内の端末機器番号を表している。すなわち、図4(1)の10番目の端末機器に着目すると、アドレスコードは2進数で「00001001」であり(10進数の「9」)、そのアドレスコードの上位桁が「0000」であるので(0h)、10番目の端末機器は第0グループ(G0)に属し、その下位桁が「1001」であるので(9h)、そのグループ内における端末機器番号が9に対応することを示しており、これら上位桁と下位桁とを組み合わせた「0Ah」が、設備全体から見た端末機器の順番として、アドレス0からはじまり10番目であるアドレス9を示している。
【0032】
また、図4(2)によるアドレス254に対応する255番目の端末機器に着目すると、その2進数によるアドレスコードが「11111110」であり、その上位桁が「1111」であるので(Fh)、255番目の端末機器は第15グループ(G15)に属し、その下位桁が「1110」であるので(Eh)、そのグループ内における端末機器番号が15に対応することを示しており、これら上位桁と下位桁とを組み合わせた「FEh」が、設備全体から見た端末機器の順番として、255番目であるアドレス254(10進数)を示している。
【0033】
すなわち、各端末機器のアドレスは、8ビットのコード全体で、設備全体からみたアドレスを示し、同時に8ビットのコードの上位桁によってグループ番号を、8ビットのコードの下位桁によってグループ内の端末機器番号を示している。
【0034】
このように、複数の端末機器のそれぞれに、複数の桁数で表されるアドレスを付与し、アドレスの中の特定の桁によってグループ番号を表しているので、「ポイントポーリング」においてグループ番号が共通する複数の端末機器を同時に呼出すことができる。また、呼出されたグループ番号を有する複数の端末機器のそれぞれは、グループ内の端末機器番号が互いに異なるので、各端末機器ごとに応答タイミングを割り当てることができる。
【0035】
図5は、上記実施形態におけるポイントポーリングの動作を示すタイムチャートであり、ポイントポーリングは「グループ情報収集フレーム」と「発信機検出フレーム」とで構成されている。
【0036】
「グループ情報収集フレーム」は、各端末機器を個々にポーリングするのではなく、上記のようにグループ化したグループごとに火災受信機10が呼出すフレームである。呼出されたグループに属する各端末機器は、それぞれに割り当てられた応答タイミング時に、状態情報あるいは種別情報ID等のポイントポーリングによって要求されたデータを順次火災受信機10に返信する。
【0037】
つまり、上記ポイントポーリングによって、複数の端末機器が複数のグループに分けられ、火災受信機10がグループごとに呼出を行い、複数のグループのうちの所定のグループに属する複数の端末機器から状態情報を、時分割で火災受信機10が受信するものである。この方式によれば、1つのグループに属する端末機器が多数であるときに、状態変化の有る端末機器を迅速に検出することができる。
【0038】
ここで、「状態情報」とは、端末機器がアナログ式火災感知器である場合は、検出した火災現象の物理量データであり、通常の中継器である場合は、一般型感知器等の監視用機器が接続されているときに、火災信号等を示すデータであり、防排煙機器等の被制御機器が接続されているときに、これらの機器の作動状態を示すデータである。さらに、試験機能付き中継器20である場合は、感知器回線L2上の一般型感知器またはAT感知器30からの火災信号、あるいは、感知器回線L2上のAT感知器から情報収集した結果の異常信号の有無を示すデータである。
【0039】
ポイントポーリングを構成する「発信機検出フレーム」は、図示しない発信機が人為的に操作されるものであり、信頼性が高いので、速やかに作動情報を収集するために設けられたフレームである。したがって、発信機検出フレームは、図5に示すように、一つのグループに対してポイントポーリングが1回実行されるたびに、伝送線L1に接続されている全ての発信機が応答可能であり、発報中の発信機が存在すると、その発信機はポイントポーリングによる呼出に対して発信機に指定されているタイムスロットに自分のアドレスを火災受信機10に対して返信する。
【0040】
なお、図5における「システムポーリング」は、火災受信機10が全ての端末機器に対して所定の制御命令を送信し、全ての端末機器を制御するものである。ここで、システムポーリングを用いて、火災受信機10が全ての端末機器に対して行う制御命令は、例えば、火災復旧命令(全ての端末機器を正常な監視状態に復旧させる命令)、蓄積復旧命令(火災状態が継続しているかどうかを判別する蓄積動作を行うために、火災信号を送信した火災感知器や中継器等の端末機器を復旧させる命令)、地区音響停止命令(鳴動中の地区ベル等の音響装置を停止させる命令)などである。
【0041】
また、図5における「セレクティング」は、個別の端末機器に対してアドレスを指定して所定の制御命令を送信し、当該端末機器を制御したり、また、任意の端末機器に状態情報等の要求命令を特定の端末装置に送信して、個々に端末機器から状態情報等を収集する動作である。
【0042】
図5における伝送フレームのタイムチャートについて説明する。
【0043】
ポイントポーリングは「グループ情報収集フレーム」と「発信機検出フレーム」とで構成され、「グループ情報収集フレーム」は受信機10が端末機器の呼出しを行う「受信機フィールド」と、それに続けて伝送が行われない「第1ウェイティングフィールドWF1」と、呼出された端末機器が信号伝送を行う「端末機器フィールド」とで構成され、また、「発信機検出フレーム」は受信機10と図示しない発信機との間で信号伝送を行う「発信機フィールド」とそれに続けて伝送が行われない「第2ウェイティングフィールドWF2」とで構成される。
【0044】
ここで、端末機器フィールドにおいて、呼出しを受けたグループに属する16個の端末機器が、グループ内の端末機器番号に基づいた各端末機器ごとに割り当てられた応答タイミングに、順次データを返信する。
【0045】
そして、1回のポイントポーリングが終了すると、火災受信機10は次ぎのグループを指定するポイントポーリングを実行し、これを繰り返して全てのグループに対してポイントポーリングを行うことで、全ての端末機器から状態情報または種別情報IDを収集することができる。さらに、最終のグループに対するポイントポーリングが終了すると、原則的に再度最初のグループからポイントポーリングを実行し、状態情報等の収集を続ける。
【0046】
図5における横線の上の信号は、火災受信機10から送信される信号であり、その横線の下の信号は、端末機器から送信される信号である。そして、火災受信機10から送信されるアドレスAD、コマンドCM1、CM2、一次サムチェックコードPSの各コードと、端末機器から返信される返送データD1、二次サムチェックコードSS、自己のアドレスDA、返送データD1、D2の各コードとについて説明する。ここで、各コードはスタートビットおよびストップビットが追加された8ビットのデータ領域の10ビットでそれぞれ構成される。
【0047】
まず、アドレスADは、2桁の16進数で表す00hからFEhまでの端末機器のアドレスを指定するためのデータ領域であり、通常のアドレスが示される場合には、セレクティング動作であり、特定のアドレス、ここではFFhである場合に、ポイントポーリングまたはシステムポーリングであることを示している。
【0048】
コマンドCM1は、アドレスADがFFhである場合、コマンドCM1は行われているポーリングの種類を示している。例えば、コマンドCM1が0Xhである場合にはポイントポーリング動作であることを示し、FXhである場合にはシステムポーリング動作であることを示している。ここで、Xは0からFまでであり(16進数)、コマンドCM1が00hであれば、状態情報を返送させるポイントポーリングを示し、01hであれば、種別情報ID(端末機器の機種等を示すコード)を返送させるIDポイントポーリングであることを示している。また、コマンドCM1がF0hであれば、システムポーリングによる火災復旧命令を示しており、F1hであれば蓄積復旧命令、あるいは、F2hであれば地区音響停止命令を示している。
【0049】
また、セレクティングの場合にコマンドCM1はその内容を示し、例えば、01hであれば状態情報返送命令であることを示し、02hであれば火災試験命令、03hまたは04hであれば確認灯点灯命令または確認灯消灯制御命令等であることを示している。さらに、拡張セレクティングの場合は、セレクティングのコマンドCM1を、例えば71hとすることで、拡張セレクティングであることを示し、異常状態に関する状態情報返送命令であることを示している。
【0050】
コマンドCM2はポイントポーリングである場合に主に使用され、コマンドCM2の下位桁によって、所定の情報を返送すべきグループを示している。例えば、コマンドCM2は0Xhで表され、Xは上記と同様でグループ番号を示す。
【0051】
一次サムチェックコードPSは、火災受信機10からの伝送が正常に行われたかどうか端末機器が確認するためのコードであり、所定の演算によって得られる。
【0052】
他方、複数の端末機器から返信されるデータは、ポイントポーリングの場合、返送データD1が状態情報または種別情報IDであり、同時に二次サムチェックコードSSが所定の演算の結果として送信される。また、セレクティングの場合、アドレスDAは送信する端末機器の自己のアドレスであり、返送データD1、D2は状態情報、種別情報ID等である。
【0053】
次に、上記実施形態における伝送線L1上でのポーリングに関する動作について説明する。図6は、上記実施形態における火災受信機10の伝送動作を示すフローチャートである。
【0054】
まず、電源を投入することによって立ち上げが行われた後、初期設定を行い(S1)、例えば全てのアドレスについてデータベースDBとして登録されている機種が実際に設置されている機種と一致することを確認する状態合わせの動作、および、試験機能付き中継器20があるときにその感知器回線L2に接続されているAT感知器30の枝番を収集する拡張セレクティング動作など、実際の監視制御を行う前に設定、確認されるべき動作を行う。
【0055】
そして、表示操作部12からのオペレータの端末機器制御入力等によるセレクティング命令の有無を判断し(S2)、セレクティング命令がない場合、後述するように設定される拡張セレクティング命令の有無を判断し(S7)、拡張セレクティング命令がない場合、表示操作部12からの復旧入力等のシステムポーリング命令の有無を判断し(S3)、システムポーリング命令がない場合、呼出すグループを特定して、ポイントポーリングを行う(S4)。その後、ステップS2へ戻り、上記動作(S2〜S4)を繰り返して、順次グループを変えてポイントポーリング(S4)を行っていく。
【0056】
このポイントポーリングにおける各端末機器からの情報収集は(S4)、常時状態情報を収集しており、所定のタイミング、例えば5回に1回の頻度でIDポイントポーリングを行って、各端末機器の種別情報IDを返送させて端末機器の設置状態を確認する。
【0057】
そして、ポイントポーリングにおいて(S4)、状態情報の収集結果として、いずれかの端末機器に状態変化があると判別されるときに、その端末機器の状態に合わせて音声警報や情報表示のような報知動作を行う。ここで、ポイントポーリングによる状態変化の有無は、図5のタイムチャートに示されるような個々の端末機器から返送されてきた状態情報を示す返送データD1、D2を保存し、前回収集した状態情報との対比によって変化の有無が判別される。なお、端末機器がアナログ式火災感知器に場合には、返送データD1、D2は検出した煙や温度のレベルに関するアナログデータであり、火災判別処理の結果によって状態を判別する。
【0058】
また、このポイントポーリングにおいて(S4)、状態情報の収集結果として、状態変化がある端末機器が試験機能付き中継器20である場合、かつ、状態変化が異常と判別される場合に、その試験機能付き中継器20からAT感知器30が設定される全アドレスに関する状態情報を返送させるために、拡張セレクティング命令をセットする。
【0059】
その後、ステップS2へ戻るときに、セレクティング命令なしとなり(S2)、続けて、拡張セレクティング命令の有無の判断において、拡張セレクティング命令有りとなり(S7)、試験機能付き中継器20に対する異常状態に基づく拡張セレクティングを行う(S8)。
【0060】
ここで、拡張セレクティングとセレクティングとの違いについて、図7を用いて説明する。図7において、図7(a)は図5と同様のセレクティングのタイムチャートであり、図7(b)は拡張セレクティングのタイムチャートである。
【0061】
セレクティングにおける1伝送フレームの時間は、一例として図7(a)に示すように、受信機フィールドが約17ms、ウェイティングフィールドが約4ms、端末機器フィールドが約17ms、待機時間約13秒で、合計約50msである。
【0062】
これに対して、拡張セレクティングにおける1伝送フレームの時間は、一例として図7(b)に示すように、受信機フィールドが約17ms、ウェイティングフィールドが約4ms、端末機器フィールドが約75ms、待機時間約13秒で、合計約108msである。これらを対比すると明らかなように、端末機器フィールドのデータ領域だけが約8倍に拡張されており、火災受信機10は、拡張セレクティングの信号送信を行うと同時に、拡大されたデータ領域を受信するようにタイミングを取り、拡張セレクティングを用いることによって、通常のセレクティングでは一度に送れない多量のデータを送信することを可能とする。
【0063】
なお、セレクティングでは、データD1には受信機フィールドにおけるコマンドCM1を返し、データD2において端末機器の状態情報を返信する。これに対し、拡張セレクティングでは、データD1からD16までのデータ領域のうち、データD1には受信機フィールドにおけるコマンドCM1を返し、データD2からD6までにおいて、AT感知器30の状態として通番1から30までの出力異常の情報を、データD8からD12までにおいて、AT感知器30の状態として通番1から30までの無応答に関する情報を、それぞれ割り当て返送する。なお、データD7およびD13からD16まではここでは未使用である。このようなデータ構成については、情報に応じて任意に設定することができる。
【0064】
このように、試験機能付き中継器20が異常状態を示す場合のみ、拡張セレクティングを用いることで、通常のセレクティングによる個々の端末機器の制御動作の時間を短縮することができる。
【0065】
次ぎに、感知器回線L2を介する試験機能付き中継器20とAT感知器30との間の信号伝送について説明する。
【0066】
図8は、感知器回線L2上の信号伝送の一例を示す波形図である。
【0067】
図8において、「親」は図1における中継器20であり、「子」は図1におけるAT感知器30である。感知器回線L2ごとに一般型感知器と混在して設けられる複数のAT感知器30に個別のアドレスが付与されていて、中継器20は、そのアドレスに基づいてAT感知器30をグループ化して、15アドレス単位でAT感知器30のデータを収集するもので、起動パルス、基準パルス、コマンドCMを送出する。
【0068】
起動パルスは、AT感知器30に伝送開始を認識させるためのパルスであり、中継器20はパルス幅2msのローパルスを送出する。このパルスに基づき、AT感知器30の図示しないマイコンは、スリープモードから立ち上がる。この図示しないマイコンは、火災検出動作等の必要な動作後にスリープモードに入るものであり、スリープモードからスタートして安定に動作するには所定の時間が必要となる。
【0069】
基準パルスは、伝送上のパルス間隔の基本長となるパルスであり、図8に示されるように、立下りエッジ(レベルのハイからローへの変化タイミング)の間隔で、ここでは4msとなっている。
【0070】
コマンドCMは、AT感知器30への制御コマンドであり、8ビット(b7〜b0)のコードを4つのパルス間隔で示し、各パルスそれぞれについて間隔を判断して信号伝送のコードに置き換える。
【0071】
このように、1つの立下りエッジ間隔で2ビットのコードを示し、エッジ間隔が4msが00b、6msが01b、8msが10b、10msが11bであり、これらの組み合わせによって、アドレス1〜15のデータを収集するポーリング1と、アドレス16〜30のデータを収集するポーリング2等のコマンドCMを形成する。そして、AT感知器30はコマンドCMを解析して伝送内容を認識する。また、詳細に説明しないが、AT感知器30を指定して試験命令等の制御コマンドとしてのセレクティング、AT感知器30全てをスリープモードとするスリープ開始命令等に利用される。
【0072】
スロット0〜14は、AT感知器30から中継器20へ送信するタイミングを定めるものであり、AT感知器30は、ポーリング1またはポーリング2に合わせた自己のアドレスに基づくスロット位置(図9(a)参照)を判断し、該当するスロットに正常または異常を表すコードを示すパルス(図9(b)参照)を送信する。すなわち、各AT感知器30において、試験機能の結果として機能が正常であればパルス幅2ms、異常であればパルス幅4ms、いずれか一つのパルスが返送される。
【0073】
このような信号伝送を用い、中継器20は、制御コマンドCM内にポーリング1またはポーリング2の制御内容を含めて送信することで、感知器回線L2に接続された最大30個のAT感知器30の正常または異常の情報について個別に収集することができる。ここで、各スロット内のパルスの有無につき、図9(b)に示すようなパルスが返信されないときに、中継器20は、そのスロットのAT感知器30が無応答であると判断し、異常を示すパルス返送と区別して無応答と判別する。この無応答の状態は、AT感知器30の故障もあるが、感知器回線L2からの脱落(取外しを含む)の場合が多い。
【0074】
なお、ここでは1本の感知器回線L2にアドレス指定できるAT感知器30は30個までとなっているが、この個数に限定する必要はなく、スロットの数やポーリング1または2の個数によって任意に設定することができる。
【0075】
このようにして、試験機能付き中継器20がAT感知器30から火災信号を従来の中継器と同様にスイッチング動作によって、一般型感知器を含めて検出するものであって、そして、感知器回線L2における信号伝送によって各AT感知器30の自動試験結果および接続の有無を収集できるものであり、異常または無応答となったAT感知器30を中継器20が認識する。
【0076】
したがって、中継器20が受信する感知器回線L2におけるAT感知器30の情報は、火災検出時には検出と同時にスイッチング動作によって火災信号が中継器20に認識でき、また、AT感知器30の機能異常の検出時には、火災検出時に比較して急がないので、信号伝送は安定したものでよいことになる。例えば、試験機能付き中継器20による各AT感知器30の自動試験結果および接続の有無収集動作は、試験機能付き中継器20の動作に基づき所定時間、3分毎等で定期的に行えばよい。
【0077】
また、中継器20は、感知器回線L2が複数設置され、各感知器回線L2ごとにAT感知器30を含む火災感知器からの火災信号を認識するとともに、各AT感知器30の枝のアドレスも感知器回線L2ごとに認識する。なお、ここでいう一つの中継器20に複数の感知器回線L2が設けられる場合、火災受信機10とのポーリング動作に応答する端末機器としてのアドレスは感知器回線L2ごとに設定され、このことから、伝送線L1上において一つの中継器20は複数アドレスを有してそれぞれのアドレスに対して応答することとなる。
【0078】
つぎに、この実施形態におけるシステムでの各AT感知器を指定する火災試験の動作について説明する。
【0079】
まず、火災試験における試験制御動作について、図10の動作フローに基づき説明する。
【0080】
作業員は、火災受信機10の表示操作部12を用い、試験機能付き中継器20を特定するアドレスと、その中継器20の感知器回線L2に接続されたAT感知器30を特定する枝番を入力し、火災試験入力を行う(S21)。
【0081】
火災受信機10の制御部11は、表示操作部12からの入力情報から、送受信部14を介して火災試験セレクティングを伝送線L1に送信する(S22)。ここで、火災試験セレクティングは、図6のフローチャートにおいて上記火災試験入力によってステップS2におけるセレクティング命令ありとなり、ステップS6におけるセレクティングの動作を行うこととなる。そして、送信される受信機フィールドの信号内容は(図7(a)参照)、アドレスADが入力された試験機能付き中継器20のアドレス、コマンドCM1は火災試験命令を示す02h、コマンドCM2はAT感知器30の枝番、そしてそれらの一次サムチェックコードPSである。
【0082】
この火災試験セレクティングを、送受信部22を介して受信した試験機能付き中継器20は(S23)、制御部21が信号内容のアドレスADが予め設定されている自己のアドレスと一致するときに応答信号を返送する(S24)。この応答信号は、セレクティングにおける端末機器フィールドであり、その内容は、アドレスDAが自己アドレス、返送データD1、D2は受信機フィールドのコマンドCM1、CM2を返し、二次サムチェックコードSSを送信する。
【0083】
そして、試験機能付き中継器20の制御部21は、信号送出部24を介して受信した枝番を指定する火災試験命令を感知器回線L2に送出する(S25)。この火災試験命令は、感知器回線L2上の信号波形におけるコマンドCMにおいて(図8参照)、ここでは前の方のビット(b7からb3)により指定する枝番を表し、残りのビットにより火災試験命令の制御内容を表す。
【0084】
この感知器回線L2上の信号波形を検出したAT感知器30は、予め設定された自己の枝番と一致することを確認し、図示しないスイッチング回路を作動させて、感知器回線L2をスイッチング動作して低インピーダンス状態として火災信号を出力する。同時に、図示しない火災表示灯を点灯し、外観として火災信号を送出していることを表示する。
【0085】
試験機能付き中継器20の制御部21は、信号検出部23により感知器回線L2の低インピーダンス状態を検出するときに火災信号ありとして(S26)、火災信号を図示しない記憶部に格納して保持する(S27)。また、信号検出部23によって火災信号が検出できないときには(S26)、ステップS25に戻って火災試験命令の信号波形を再度送出し、このリトライを3回行っても火災信号が得られない場合には(S28)、制御部21は指定された枝番のAT感知器30が不良であるとして、図示しない記憶部に異常信号を格納して保持する(S29)。
【0086】
このように、火災受信機10の盤面において、表示操作部12を利用して作業者が試験機能付き中継器20のアドレスおよびAT感知器30の枝番を指定することによって、感知器回線L2に接続されているAT感知器30に対して試験動作を行わせることが可能であり、また、図示しない火災表示灯を点灯させることによって、枝番のAT感知器30がどこに設置されているか、現場で確認することができる。
【0087】
そして、火災信号または異常信号を保持している試験機能付き中継器20は、伝送線L1を介して、火災受信機10のポイントポーリングの動作による呼出命令に応答し、火災受信機10に火災信号または異常信号を送信する。すなわち、図6のフローチャートのステップS4におけるポイントポーリングの動作のうち、火災信号または異常信号を保持している試験機能付き中継器20が属するグループに対するポイントポーリングが火災受信機10から伝送線L1に送信されるときに、その試験機能付き中継器20はポイントポーリングのフレームの端末機器フィールドにおいて自己の応答タイミングに返送データD1として火災信号または異常信号を返信する。この応答信号を受信して火災受信機10の表示操作部12に表示されるときに、作業者は試験結果を確認することができる。
【0088】
このような火災試験を実行すると、指定された感知器回線L2上のAT感知器30は、火災信号を出力した状態が維持される。そして、感知器回線L2上に複数のAT感知器30が接続されていても、いずれかのAT感知器30が火災信号を出力していると、その他のAT感知器30は火災信号を送ることができず、それ以前に、感知器回線L2に信号波形を作ることさえできない。そのため、火災信号を出力しているAT感知器30を復旧させて通常に監視状態に戻さなければならない。
【0089】
つぎに、火災試験における試験終了動作について、図11の動作フローに基づき説明する。
【0090】
作業員は、火災受信機10の表示操作部12を用い、火災試験入力を行ってその結果を確認した後に火災信号を復旧させるための試験終了入力を行う(S41)。
【0091】
火災受信機10の制御部11は、表示操作部12からの試験終了入力によって火災試験入力時に保持しておいたアドレスおよび枝番を読出し、それに基づき、送受信部14を介して火災復旧セレクティングを伝送線L1に送信する(S42)。ここで、復旧セレクティングは、火災試験セレクティングと同様、図6のフローチャートにおいて上記火災試験入力によってステップS2におけるセレクティング命令ありとなり、ステップS6におけるセレクティングの動作を行うこととなる。そして、送信される受信機フィールドの信号内容は(図7(a)参照)、アドレスADが復旧させる試験機能付き中継器20のアドレス、コマンドCM1は火災復旧命令、コマンドCM2は使用せず、そしてそれらの一次サムチェックコードPSである。
【0092】
この火災復旧セレクティングを、送受信部22を介して受信した試験機能付き中継器20は(S43)、制御部21が信号内容のアドレスADが予め設定されている自己のアドレスと一致するときに応答信号を返送する(S44)。この応答信号は、火災試験セレクティングの場合と同様であるが、ここではアドレスDAが自己アドレス、返送データD1はIDコード、D2は未使用、そしてこれらの二次サムチェックコードSSを送信する。
【0093】
そして、試験機能付き中継器20の制御部21は、復旧動作を行う(S45)。この復旧動作は、制御部21が保持している火災信号または異常信号をクリアするとともに、信号送出部24を介して感知器回線L2に復旧命令として所定時間の電源断(ここではローの状態)を行う(S25)。
【0094】
この感知器回線L2上の電源断を検出したAT感知器30は、復旧動作として、通常の監視状態に戻るため、作動させている場合にはスイッチング回路を復旧する。同時に火災表示灯を消灯する。ここで、試験機能付き中継器20が出力する復旧命令について、個々のAT感知器30を指定する必要はないので、感知器回線L2ごとに復旧すればよく、このことから、火災受信機10が発信する火災復旧セレクティングにおいても枝番のデータは不要となっている。
【0095】
そして、AT感知器30を順次火災試験させるときに、作業員は、AT感知器30を指定する火災試験入力と試験終了入力を繰り返すことで、簡便に次々とAT感知器30に火災試験動作させることができる。
【0096】
また、この火災復旧セレクティングは火災信号を個別に復旧させることができるため、作業員による火災試験作業中に実火災が発生し、指定した試験機能付き中継器20以外の端末機器から火災信号が受信されるときに、火災試験作業に基づく火災信号のみを復旧させることができる。すなわち、図11において、火災受信機10がポイントポーリングによって火災信号を受信したときに(S51)、火災試験セレクティングが送出済みであると(S52)、試験終了入力があった場合と同様に(S41)、火災復旧セレクティングを送信を含め(S42)、火災表示や火災報知等を含めたいわゆる火災動作を行う(S53)。火災復旧セレクティングの送信後の試験機能付き中継器20等の動作は、試験終了入力の場合と同じであるため、省略する。
【0097】
ここで、火災復旧セレクティングでなく、従来の火災復旧システムポーリングを用いるとすると、試験発報しているAT感知器30のみでなく、実火災を検知してる火災感知器等の端末機器まで復旧してしまい、受信した実火災の火災信号がクリアされてしまう。これに対して、火災復旧セレクティングを用いるときに、試験発報の火災信号を特定して復旧させることができる。
【0098】
火災試験によるAT感知器30の火災信号は実火災の火災信号と区別することができず、いわゆるスイッチング動作による信号は有無しか分からないので、火災受信機10の方で火災試験の対象を保持し、保持した情報のAT感知器30に対して火災復旧セレクティングを送出することで、不要な火災情報をクリアすることができる。
【0099】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、火災受信部からの1本の伝送線に複数の端末機器が接続されて該端末機器の一つとして試験機能付き中継器があって、該試験機能付き中継器からの感知器回線に1以上の自動試験機能付き感知器が接続されて、該火災受信部が各端末機器を個別に監視制御する火災報知設備において、前記火災受信部の表示操作部が火災試験の実行を入力されると、前記火災受信部は、前記伝送線上でのアドレスによって前記試験機能付き中継器を、前記感知器回線上での枝番によって前記自動試験機能付き感知器を指定する試験入力手段と、該試験入力手段への入力に基づいて、前記アドレスおよび前記枝番を指定する試験制御命令を、前記伝送線に送信する試験制御手段と、を動作させ、前記試験機能付き中継器は、前記試験制御命令を受信して指定された前記アドレスが自己のアドレスであるときに、前記枝番を指定する試験作動命令を、前記感知器回線に出力する試験中継手段を動作させ、前記試験機能付き感知器は、前記試験作動命令を受信して指定された前記枝番が自己の枝番であるときに、作動状態となる試験作動手段を動作させることによって、作業員は火災受信部に対して感知器回線上の自動試験機能付き感知器を特定して試験入力を行うことが可能である。
【0101】
そして、火災受信部の表示操作部が前記火災試験の終了を入力されると、前記火災受信部は、伝送線上でのアドレスによって試験機能付き中継器を指定する復旧入力手段と、該復旧入力手段への入力に基づいて、前記アドレスを指定する復旧制御命令を、前記伝送線に送信する復旧制御手段と、を動作させ、前記試験機能付き中継器は、前記復旧制御命令を受信して指定された前記アドレスが自己のアドレスであるときに、前記感知器回線のみに復旧動作を行う復旧中継手段を動作させ、前記試験機能付き感知器は、前記感知器回線が復旧動作されることによって、復旧し、必要な範囲に復旧動作を行わせ、不要な火災情報、表示部への表示等の取扱いをクリアをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すシステム構成図。
【図2】図1の火災受信機内に設けられるデータベースの構成図。
【図3】図1の火災受信機における表示内容を示す画面構成図。
【図4】図1の中継器に設定されるアドレスの構成を示す説明図。
【図5】図1におけるポーリング動作を示すタイムチャート。
【図6】図1の火災受信機の伝送動作を示すフローチャート。
【図7】図1における拡張セレクティングを示すタイムチャート。
【図8】図1の感知器回線上の信号伝送を示すタイムチャート。
【図9】図8のタイミングおよびパルスの説明図。
【図10】図1のシステムにおける火災試験セレクティングに関する動作フロー図。
【図11】図1のシステムにおける火災復旧セレクティングに関する動作フロー図。
【符号の説明】
10 火災受信機
20 試験機能付き中継器
30 試験機能付き感知器
Claims (1)
- 火災受信部からの1本の伝送線に複数の端末機器が接続されて該端末機器の一つとして試験機能付き中継器があって、該試験機能付き中継器からの感知器回線に1以上の自動試験機能付き感知器が接続されて、該火災受信部が各端末機器を個別に監視制御する火災報知設備において、
前記火災受信部の表示操作部が火災試験の実行を入力されると、
前記火災受信部は、前記伝送線上でのアドレスによって前記試験機能付き中継器を、前記感知器回線上での枝番によって前記自動試験機能付き感知器を指定する試験入力手段と、該試験入力手段への入力に基づいて、前記アドレスおよび前記枝番を指定する試験制御命令を、前記伝送線に送信する試験制御手段と、を動作させ、
前記試験機能付き中継器は、前記試験制御命令を受信して指定された前記アドレスが自己のアドレスであるときに、前記枝番を指定する試験作動命令を、前記感知器回線に出力する試験中継手段を動作させ、
前記試験機能付き感知器は、前記試験作動命令を受信して指定された前記枝番が自己の枝番であるときに、作動状態となる試験作動手段を動作させるとともに、前記火災受信部は前記感知器回線に対して前記火災試験を実行し、
前記火災受信部の表示操作部が前記火災試験の終了を入力されると、
前記火災受信部は、伝送線上でのアドレスによって試験機能付き中継器を指定する復旧入力手段と、
該復旧入力手段への入力に基づいて、前記アドレスを指定する復旧制御命令を、前記伝送線に送信する復旧制御手段と、を動作させ、
前記試験機能付き中継器は、前記復旧制御命令を受信して指定された前記アドレスが自己のアドレスであるときに、前記感知器回線のみに復旧動作を行う復旧中継手段を動作させ、
前記試験機能付き感知器は、前記感知器回線が復旧動作されることによって、復旧することを特徴とする火災報知設備。
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