JP3729390B2 - 全面ガラスを有するペリメータの暖房方式 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、全面ガラスを有するペリメータの暖房方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ロビーや事務所等の窓が天井より床までの全面ガラスの場合には、そのペリメータにおける冬期のコールドドラフトや冷輻射を防止するための暖房器具を設置するスペースが問題となる。
即ち、ローコストの方式として図5に示すように通常の金属製の放熱器を露出で窓際に設置する場合もあるが、この方式では、折角の全面ガラスの下部が放熱器で塞がれると共に、外部からは機器の裏側が見えることになり美観上好ましくない。
そこで従来は、図4に示すように床にピットを構成し、そこにヒーターを設置して自然対流又はファンによる強制対流でガラス面の負荷を処理していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ピットを構成するのは、スペース的及びコスト的に大変であり、またヒーターの位置が全面ガラスから少し離れるため、効果が低減してしまう場合もある。
本発明はこのような課題を解決することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明では、全面ガラスを有するペリメータにおいて、前記全面ガラスの下部の対向する位置に適宜距離を隔てて、且つ前記全面ガラスに並行して、その下部に開口を設けた透明板を設け、この透明板に電熱線を配し、透明板上部は室内に開放した構成とする全面ガラスを有するペリメータの暖房方式を提案する。
【0005】
そして本発明においては、上記の構成において、透明板は、全面ガラスを固定する隣接のスタッド間に固定して設置することを提案する。
【0006】また本発明では、以上の構成において、室内の適所、例えば天井に全面ガラスの温度を検出する放射センサーを設置し、全面ガラスの温度を設定温度とする電熱線の通電制御を行うことを提案する。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1はロビーや事務所等のペリメータの部分を示すもので、図2はその要部の拡大図、図3は斜視図である。
符号1は天井、2は床、3は天井1から床2に渡って設けられた全面ガラスであり、4は全面ガラス3を固定するスタッドである。
そして符号5は透明ガラス等の透明板であり、この透明板5には電熱線6を装置している。このような構成は、例えば自動車のリアウインドウ・デフォッガーのように透明ガラスの一面側に薄帯状等の電熱線を溶着や貼着等で固定する手法を適用することで容易に構成することができる。しかしながら透明板5における電熱線6の装置の方法は、電熱線6を2枚の透明ガラスで挟む手法等の適宜の方法を適用することができ、配線が外部から見えにくい配線方法を適用することもできる。
【0008】
このような構成において、本発明では、上記の透明板5を、全面ガラス3から適宜距離を隔てて、それと並行に設置し、この場合、透明板5の下部と上部には夫々開口7,8を設けるのである。
この場合、透明板5は全面ガラス3を固定するためのスタッド4を利用し、隣接するスタッド4間に固定することにより容易に設置することができる。しかしながら透明板5は、上述した要件を満たせば適宜の支持機構、例えば透明な支柱等を用いて設置することができる。
このように設置する際、電熱線6を透明板5の一面側に設けたものでは、電熱線6の面、即ち室内から見て後面を全面ガラス3に向けて設置する。
そして電熱線6に通電するための電線(図示省略)は、上記スタッド4や支持機構等を通して配線することができる。
【0009】
以上の構成において、電熱線6に通電すると、全面ガラス3と透明板5間の空間内の空気が暖められるため、透明板5の下部の開口7から上記空間に流入して上昇する室内空気のドラフトが生じる。
このドラフトが、全面ガラス3によって生じるコールドドラフトを打ち消すため、冷気が透明板5の下部の開口7から室内に流入して足元に至るのを防ぐことができる。
そして上記空間において暖められて上昇した室内空気は、コールドドラフトとしての室内空気を伴流して、透明板5の上部の開口8から室内側に流出するので、コールドドラフトの冷気がそのまま室内側に流入することがなく、また電熱線6により暖められた透明板5の前面側からの輻射と、対流する室内空気が暖められることにより、全面ガラス3からの冷輻射と対流による冷気を打ち消すことができる。
【0010】
電熱線6に対しての通電制御は、人の操作により行うようにしても良いが、適宜の温度センサーを利用して自動制御することができる。例えば、図示の実施の形態では、天井1に全面ガラス3の温度を検出する放射センサー9を設置し、この放射センサー9により全面ガラス3全体の平均温度を検出して、その温度が設定温度となるように電熱線6の通電制御を行う構成である。
この他、例えば全面ガラス3と透明板5間の空間内の適所に温度センサーを設け、その温度が設定温度となるように電熱線6を通電制御することもできる。
【0011】
次に本発明における透明板5を設置するための具体的寸法例は、次のとおりであるが、このような例に限らず透明板5は適宜に設置できるものである。
具体的寸法例
全面ガラス3と透明板5間の距離b≒100mm
透明板5の下部の開口幅a≒100mm
透明板の高さc≒800〜1,000mm
この例に示すように本発明では、コールドドラフトを打ち消すためのドラフトを発生させる電熱線6付き透明板5を全面ガラス3に近接させて設置することができるので、コールドドラフトの打消しを非常に効果的に行え、また設置スペースも小さい。
【0012】
またこのようにコールドドラフトを打ち消すためのドラフトを発生させる熱源は透明ガラス等の透明板5により構成したので、全面ガラスの下部を放熱器等の機器で塞ぐことがなく、また外部から見ても美観を損ねない。従って、全面ガラスの利点を損なうことがない。
【0013】
【発明の効果】
本発明は以上のとおりであるので、次のような効果がある。
a.全面ガラスを有するペリメータゾーンの暖房時の環境を効率的に向上することができる。
b.全面ガラスの利点である透明感を減殺することがなく、美観に優れる。
c.必要な設置スペースが小さく、また既存の全面ガラスにも容易に施工できると共に、安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ロビーや事務所等のペリメータの部分を示す説明図である。
【図2】 図1の要部の拡大図である。
【図3】 図1の要部の斜視図である。
【図4】 全面ガラスを有するペリメータの暖房方式の従来例を示す説明図である。
【図5】 全面ガラスを有するペリメータの暖房方式の他の従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 天井
2 床
3 全面ガラス
4 スタッド
5 透明板(透明ガラス)
6 電熱線
7 開口(上部)
8 開口(下部)
9 放射センサー
Claims (3)
- 全面ガラスを有するペリメータにおいて、前記全面ガラスの下部の対向する位置に適宜距離を隔てて、且つ前記全面ガラスに並行して、その下部に開口を設けた透明板を設け、この透明板に電熱線を配し、透明板上部は室内に開放した構成とすることを特徴とする全面ガラスを有するペリメータの暖房方式
- 透明板は、全面ガラスを固定する隣接のスタッド間に固定して設置することを特徴とする請求項1に記載の全面ガラスを有するペリメータの暖房方式
- 室内の適所に全面ガラスの温度を検出する放射センサーを設置し、全面ガスの温度を設定温度とする電熱線の通電制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の全面ガラスを有するペリメータの暖房方式
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1999
- 1999-08-19 JP JP23215499A patent/JP3729390B2/ja not_active Expired - Fee Related
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