JP3567105B2 - ペリカウンター式空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内の側壁下部に沿って設けられ、内部に加熱器が設けられたペリカウンター式空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ビル等において使用される室内側空調設備機器として、図4に示すようなペリカウンター式空調装置21が知られている。このペリカウンター式空調装置21は、側壁下部たる、室内11の窓17下の腰壁13に沿って床面15a上に適宜間隔をあけて複数並設されたファンコイルユニット等でなる熱交換器31と、これら熱交換器31の前方と上方とを覆ってその外側を囲繞する、L字状に屈曲形成された板金等でなるペリカウンター23とを備えている。このペリカウンター23は、図示しない取り付けステー等の係止金具を介して床面15aおよび腰壁13とに固定される。そして、ペリカウンター23上面の天板後端部近傍には室内空気を内部に取り入れる空気導入口25eが設けられている。また、同上面の天板前端部には、前記空気導入口25eから内部に取り入れた室内空気を前記熱交換器31内を通過させて再び室内11に吹き出させるための空気吹出口25dが各熱交換器31の配設位置に対応されて開口形成されている。
【0003】
すなわち、このペリカウンター式空調装置21では、室内空気をペリカウンター23上面後端部に設けられた空気導入口25eから当該ペリカウンター内部に取り入れ、該ペリカウンター23と腰壁13との間に配設された熱交換器31によって熱交換した後、その各熱交換器31に対応させてペリカウンター23の上面の天板前端部に形成された空気吹出口25dから室内11に吹き出すようになっている。
【0004】
一方、このペリカウンター式空調装置21が近隣する前記腰壁13は窓17下であって、該窓17下は採光が良く物品が良く見える等の利点があり、収納部として使用したいという要望が多い。
【0005】
そして、この要望に答えるべく、ペリメーターの窓17下にペリカウンター式空調装置21を設けるとともに、収納部たるキャビネットをその室内側に隣接して併設する方法等が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ペリカウンターとキャビネットとが併設される方法では、このキャビネット分余分にフロアー面が占有されるので、執務スペースや賃貸対象面積が大幅に狭くなるという問題点がある。また、ペリカウンターとキャビネットとを併設するため重複部品が発生し費用が高くなるという問題点もある。
【0007】
本発明は、以上の課題を解決するものであり、その目的は、窓下に収納部を設けることができて、執務スペースを減じることなく執務スペースを広く維持でき、しかも収納部の構成部品とペリカウンターの構成部品を共用することで廉価に設置できるぺリカウンター式空調装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、室内の側壁下部に沿って設けられた加熱器と、該加熱器の上方と前方等の外側を囲繞して前記側壁に沿って設けられ、空気導入口から取り入れた室内空気を前記加熱器によって加熱して、空気吹出口から再び室内に吹き出すペリカウンターとを備えたペリカウンター式空調装置において、前記加熱器にはペリカウンターの前面パネル裏面に取り付けられる面状ヒータを用いて、該ペリカウンターと前記側壁との間に物品収納部を形成するとともに、該物品収納部用開閉扉を該ペリカウンターに設け、かつ該ペリカウンター天板の前端部近傍に前記空気吹出口を形成し、前記ペリカウンターに、前記物品収納部の背面を画成する背板と、底面を画成する底板とを設けたことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、加熱器に面状ヒータを用いて、該面状ヒータをペリカウンターの前面パネル裏面に取り付けて、ペリカウンターと側壁との間に空間を設けその空間を物品収納部にしたので、このペリカウンター空調装置によって占有されるフロアー面積を小さくすることができて、執務スペースを減らすことなく採光の良い窓下に収納スペースを設けることができる。
また、ペリカウンターに該物品収納部用開閉扉を設けて、ペリカウンターを加熱器の化粧板としてのみならず、物品収納部の天板および扉としても共用するようにしたので、構成部品の削減および占有スペースの削減を図ることができる。 更には、ペリカウンター天板の前端部近傍に空気吹出口を形成したので、面状ヒータに前記空気吹出口が近接しており、加熱した空気を即座に室内に供給することができて暖房効率が向上する。
さらに、上記構成によれば、ペリカウンターと背板および底板とにより前記物品収納部を略閉塞空間に画成したので、塵や埃が収納物品へ付着することを可及的に抑制できる。
【0010】
請求項2に示す発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記物品収納部用開閉扉を前記前面パネルで、若しくは前記天板で形成したことを特徴とする。上記構成によれば、前記物品収納部用開閉扉を前面パネルで形成したので、収納した物品を手前に引き出して容易に取り出すことができる。
また、前記物品収納部用開閉扉を天板で形成した場合には、天板を開いた際に収納部内の採光が良好なため、収納した物品の視認性が向上する。
【0012】
請求項3に示す発明は、前記請求項1または2に記載の発明において、前記背板と前記側壁との間、および前記底板と床面との間を離間させて空気流通路を形成し、前記側壁に近接する前記天板の端部を該側壁から離間させて該空気流通路への空気導入口を設けるとともに前記空気吹出口に対向させて該底板に前記面状ヒータに空気を送り込むための空気取入口を設けたことを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、空気導入口を冷気が生じやすい側壁に近接して設けて該冷気を空調装置内へ取込み易くするとともに、該冷気の比重が大きいことを利用して、側壁と背板との間に形成した空気流通路を介し、床面と底板との間に設けられた空気流通路へと誘導した後、底板に設けられた空気取入口より面状ヒータへ冷気は吸い込まれる。そして、面状ヒータにより加熱された空気たる暖気の比重が小さいことを利用して、天板に形成された空気吹出口より室内に暖気を上昇気流の如く吹き出すことができる。したがい、ファン等を用いずとも上記空気の循環を形成することができて、構成機器を減らすことができる。
また、空調装置に必要な空気流通路を、物品収納部の背板、底板を用いて形成し、該物品収納部と共用しているので、構成部品を減らすことができる。
【0014】
請求項4に示す発明は、前記請求項1〜3に記載の発明において、前記面状ヒータとその後方の前記物品収納部との間に、遮熱板を介在させたことを特徴とする。
上記構成によれば、遮熱板によって物品への輻射熱伝達が低減されるので物品の熱損傷を防止することができる。
また、面状ヒータの輻射熱伝達によって遮熱板は加熱されるとともに、面状ヒータと遮熱板との間を前記冷気が通過するため、面状ヒータと遮熱板の両者によって加熱されて加熱効率が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る第1実施形態のペリカウンター式空調装置を示す斜視断面図、図2は面状ヒータの発熱特性を示すその発熱面温度と電気抵抗の関係のグラフ、図3は本発明に係る第2実施形態のペリカウンター式空調装置を示す、空調装置の幅方向中央の断面図、図4は従来のペリカウンター式空調装置を示す斜視断面図である。
【0016】
図1に示すように、第1実施形態のペリカウンター式空調装置(以下空調装置と略記する)51は、室内11のペリメータゾーンに位置する側壁下部たる窓17下の腰壁13に沿って、この腰壁13の左右両脇に位置する図示しない側壁の間に隙間なく数台配置されて使用される。そして、その空調装置51一台当たりの概略構成は、矩形スリット状の空気吹出口55dが前端部に形成された矩形の天板56の前端部に前面パネル57の上端面が突き合わされて形成される略断面逆さまL字形状のペリカウンター53を、前記天板56の後端部が前記腰壁13に隙間をもって対向した状態で床面15a上に固定して、その腰壁13とペリカウンター53との間に物品収納部61を設けたものである。
【0017】
前記ペリカウンター53の前面パネル57の下端部は、図示しない取り付けステー等の係止金具を介して床面15a上に固定される。この前面パネル57は、その中央を境に観音開きとなる2枚の扉57dと、この扉57dを開閉自在に軸支するとともに閉状態でこの扉57dが内周にはまり込む矩形枠57fとで構成され、この扉57dの裏面には面状ヒータ57hが敷設されている。
【0018】
この扉57dは、矩形状に組まれた枠体の端面を覆って、この枠体の平面形状と同形同大の板が貼り付けられたパネルである。そして、その扉57dの内側、つまり前記板の裏面には全面に亘って薄板状の面状ヒータ57hが敷設されている。この面状ヒータ57hは半導体ヒータ(導電性抵抗体ヒータ)であり、通電すると電気抵抗によりジュール発熱を生じる。この発熱特性を図2に示すが、温度上昇につれて前記電気抵抗が増大して、発熱面の温度が一定温度以上に上昇しないという自己抑制特性を有する。このため、従来の電気ヒータのように加熱しすぎるという不具合がなく無駄運転を防止することができる。
【0019】
この面状ヒータ57hの敷設面積は、要求される暖房能力および半導体ヒータの発熱能力等を勘案して適宜設定される。尚、本第1実施形態の場合は、ほぼ前記板の裏面全面に亘って一枚物の面状ヒータ57hが敷設され、組立時のハンドリング性を良くしているが、複数の半導体ヒータが組み合わされて敷設されても構わない。
【0020】
また、前記扉57dの板は鉄板が用いられるが、近接する面状ヒータ57hからの熱伝達によってこの板も加熱されるため、その室内側の板面による輻射熱伝達によって室内11の暖房を行うことができる。特に、冬季における窓17面からの冷輻射を緩和でき、執務スペースの快適性を向上できる。ちなみに、この輻射熱伝達による暖房能力を向上するには、板面の輻射率を大きくすることや板に熱伝導率の高い素材を使用すること等が挙げられる。例えば、前者については、板面に黒色系の塗装をするか、塗装をしない場合には板面を酸化して酸化面を形成しても良い。後者については、銅やアルミニウム等の素材を用いることが挙げられる。
【0021】
前記扉57d閉状態での扉57dの裏面、すなわち面状ヒータ57hに対向している物品収納部61は、前記天板56の後端部に上端面が突き合わされて固定され垂下する矩形の背板61bと、この背板61bの下端部と前記前面パネル57の矩形枠57f下端部との間に水平に介装固定される底板61cと、隣接する空調装置51同士の境界に設けられる矩形の側板61dとによって構成され、該構成によりその内部に、前記扉57d以外には開口を有しない略閉塞空間を画成している。但し、室内11の左右両脇の図示しない側壁に隣接して各々配置される空調装置51にあっては、その各々左端面および右端面は、前記室内11の側壁が前記側板61dを代替するようになっており、前記側壁とで略閉塞空間を形成している。
【0022】
前記背板61bと前記腰壁13との間は離間されて鉛直な第1空気流通路55wを、また前記底板61cと床面15aとの間も離間されて水平な第2空気流通路55yを形成し、両空気流通路55w、55yは前記腰壁13下部近傍にて繋がっている。そして、前記第1空気流通路55wの上方部には、前記天板56端部を該腰壁13から離間させて形成された空気導入口55eが設けられる。また、前記第2空気流通口55yの前方部に繋げて、前記底板61cの前端部に矩形スリット状の空気取入口55iが、前記天板56の空気吹出口55dに対向して設けられる。そして、扉57dが閉じられた状態にあっては、図1に示す矢印のような空気の流れが形成されて空調装置として使用される。すなわち、比重の大きい冷気は窓17を伝って落下し、前記空気導入口55eより取り込まれ、前記第1空気流通口55wを落下、第2空気流通口55yを通過する。続いて、該冷気は、空気取入口55iから面状ヒータ57hへと送り込まれて、この面状ヒータ57h面に沿って上昇していく過程で、面状ヒータ57hの対流熱伝達によって加熱され、比重の小さい暖気となって上昇気流の如く空気吹出口55dから室内11へと吹き出される。但し、扉57dが開かれた状態にあっては空調装置としては使用できず、その際にはヒーター電源が自動的にOFFになり、扉57d閉にてONとなるのは言うまでもない。
【0023】
また、前記収納部61を構成する底板61c、天板56は、各々前述した空気の流れを阻害しないように位置する図示しない係止具を介して、床面15a、腰壁13に固定支持されている。
【0024】
前記空気吹出口55dは、前記天板56の前端部に形成された矩形スリット状の開口である。この開口は、天板56の幅方向にその開口の長辺側を対応させて形成されて、天板56の幅方向中央に線対称に2ヶ形成されている。そして、その各々の空気吹出口55dの内側面には、風向を調整する図示しない風向板が設けられている。この風向板は、空気吹出口55dの短辺側の対向する内側面間に介装軸支された矩形板であり、前記内側面に複数枚が取り付けられている。そして、この風向板の向きを回動して調整することにより所期の風向に調整できて様々な目的に対応することができる。例えば、実公平7−33085公報にて開示されているような、コールドドラフトが室内11中央部へ侵入するのを防止するコールドドラフト防止型にするには風向を室中央に向ければ良いし、通常のペリカウンターのように窓17際の冷気拡散防止目的で使用する場合には、風向を上方方向に向ければ良い。
【0025】
また、前記空気取入口55iには、図示しない網等からなるフィルタ部材が設けられており、塵や埃などが物品収納部61内に流入しないように濾過をしている。このフィルタ部材は、矩形枠とその枠の開口面全面を覆う網とからなり、前記空気取入口55iの開口面に着脱自在に嵌合固定される。したがい、適宜周期で取り外して交換または洗浄できて、上記濾過効果を持続することができるようになっている。このフィルター部材の取り付け位置は、前記空気流通路55w、55yでも良いが、取り付け位置等に応じて適宜、形状、大きさは変更される。
【0026】
また、扉57dの背面に位置させて、すなわち前記面状ヒータ57hと物品収納部61との間に、遮熱板を介装して、物品収納部61に対する輻射熱伝達の形態係数を小さくすることにより、その内部の収納物品への輻射を低減しその熱損傷を防止することができる。この場合、前記面状ヒータ57hと遮熱板との間に前記空気取入口55iから取り込まれた空気が通過できる空間が形成されていれば、前記遮熱板は扉57d若しくは物品収納部61のどちら側に設けても良い。例えば、面状ヒータ57hに対面して略同形同大のプレート状の遮熱板を設け、その対面間隔は、前記空気取入口55iおよび前記空気吹出口55dと一致させて設定し、適宜ピッチで連結ステー等で扉57d外縁と前記遮熱板とを連結してこの遮熱板を支持すれば良い。また、物品収納部61側に遮熱板を設ける場合には、前記扉57dと略同形同大のプレートを前記物品収納部61の開放前面を覆うように2枚敷設して、該両プレートは、前記開放前面の中央を境に観音開きとなるようにその上下端を天板56と底板61cとにより各々軸支される。すなわち、前面パネル57の扉57dと前記遮熱板の扉からなる2重扉構造とすれば良い。
【0027】
尚、前述した空気が流通する経路に関して、経路以外への空気漏れが生じる場合には、適宜、ゴム等の弾性材料や可撓性材料を使用したシール部材を漏れ部に設ければ良いが、漏れを完全に防止する必要はなく詳細な説明は省略する。
【0028】
図3は本発明に係る第2実施形態のペリカウンター式空調装置を示す、空調装置の幅方向中央の断面図である。ここで、本第2実施形態の全体的な概略構成は前述した第1実施形態とほぼ同じであり、よって同一の部材には同一の符号を付して、その相違点についてのみ説明する。
【0029】
図3に示すように、基本的に本第2実施形態のペリカウンター式空調装置51’は、前記物品収納部61内に、箱体状の物品収納用引き出し71を格納して、この引き出し71が、ペリカウンター53’の一部となる前面パネル57’と一体となって手前に引き出せるようになっている点で第1実施形態と相違する。
【0030】
同図のように、物品収納部61の底板61c上にレール等からなるガイド部材73が設けられて、このガイド部材73に案内されて手前に引き出し自在な、上方が開放された箱体状の引き出し71が前記物品収納部61内に格納される。
【0031】
この引き出し71は、矩形板を組み立てたもので、前面板71aと、これと間隔を持って対向する背板71bと、この背板71bと前記前面板71aの下端部に掛け渡され固定される底板71cと、同背板71bと同前面板71aの側端面に掛け渡され固定される2枚の側板71dとからなり、前記物品収納部61よりも若干小さい、上方が開放された箱体の外観を呈する。そして、前記前面板71aの外面には、前記前面パネル57’が隙間を持って対向した状態で、連結部材72により連結固定される。この前面パネル57’は、矩形状に組まれた枠体の端面を覆って、前記枠体の平面形状と同形同大の板が貼り付けられたパネルであり、引き出し71が格納された際には、この前面パネル57’の上端面が天板56の前端部下面と当接してペリカウンター53’の一部となり、化粧板として機能する。また、前記板の裏面、すなわち前記前面板71aと対向する面には全面に亘って前記面状ヒータ57hが敷設される。そして、この前面パネル57’と前面板71aとの間の前記隙間は、引き出し71格納状態にて、前記空気取入口55iと前記空気吹出口55dと一致して設定され、面状ヒータ57hで加熱される空気の流通路となる。尚、前記前面板71aは、前述した、物品収納部61への輻射熱伝達を抑止する遮熱板としても機能する。
【0032】
前記引き出し71の底板71cと、前記物品収納部61の底板61cとの間にはガイド部材73が介装される。このガイド部材73は、レール73aと、そのレール73aに係合してその軸方向に相対変位可能なベアリングブロック73bとで構成される。そして、このレール73aが前記物品収納部61の底板61c上面に固設されて、前記ベアリングブロック73bが引き出し71の底板71c下面に固設されて、前記引き出し71は、物品収納部61内より引き出したり内部に格納したりすることができるようになっている。
【0033】
また、天板56の前端部の下方に位置する床面15a上には、前記底板61cの前端面と固定されるシール部材75が設けられる。このシール部材75は、前面パネル57’と略同幅の角パイプの上面にゴム等のシール部材が敷設されてなる。そして、前記引き出し71が格納された状態で、前面パネル57’の下端面とシール部材75の上端面が当接して空気が流出しないようになっている。
【0034】
ここで、空気の流通経路を説明すると、引き出し71が格納された状態にあっては、図3に示す矢印のように、窓17を伝って落下してきた冷気は、第1実施形態と同様に前記空気導入口55eより取り込まれ、前記第1および第2空気流通口55w,55yを通過する。続いて、冷気は、空気取入口55iから、引き出し71の前面板71aと前面パネル57’との間にの隙間に送り込まれて、前面パネル57’裏面の面状ヒータ57h面に沿って上昇していく過程で、面状ヒータ57hの対流熱伝達によって加熱され、暖気となって空気吹出口55dから室内11へ吹き出される。尚、引き出し71が引き出された状態にあっては、空調装置51’としては使用できず、その際にはヒータ電源が自動的にOFFになり、格納されてONとなる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0036】
例えば、本実施形態では、空調装置51,51’を窓17下の腰壁13に沿って配置したが、冷気が発生するような室内壁であればこれに限るものではなく、外壁と面して室内空気が冷却される室内側壁にも適用できる。
【0037】
また、本第1実施形態では、前面パネル57に扉57dを形成したが、物品収納部61内の物品を容易に取り出すことができればこれに限るものではなく、天板56に扉を設けても良い。例えば、天板56全体を扉とする場合は、天板56の後端部と背板61cの上端面とをヒンジを介して接続し、このヒンジを支点として、前記天板56が上方方向に開くようにして扉とすること等が挙げられる。また、天板56の一部を扉とする場合には、この天板56の一部を矩形に切欠いて切欠部を形成し、この切欠部に嵌合する同形同大の板の後端面と前記天板56の切欠部の内側面後縁とをヒンジを介して接続し、この板を開閉できるようにすることが挙げられる。尚、前記第1実施形態と同様に天板56の開閉によって自動的にヒータ電源がOFF・ONされる。
【0038】
更に、本第1実施形態では、前面パネル57に設けた扉57dは観音開きになる開き戸としたが、物品収納部61内の物品を容易に取り出すことができればこれに限るものではなく、左右に引いて開閉する引き戸にしても良い。
【0039】
また、本第1実施形態では、空気への対流熱伝達効率を高めるために、扉57dの裏面に面状ヒータ57hを露出して敷設したが、見た目が問われる場合には熱伝導率の大きい銅板、アルミ板等を化粧板として面状ヒータ57hの露出面に敷設すれば、前記熱伝達効率をさほど落とさずに見た目にも好ましい外観にすることができる。
【0040】
本第1実施形態では、前記物品収納部61を底板61c、背板61bおよび側板61d等の板類で画成形成したが、本発明のペリカウンター式空調装置を構成するに際しては、これら板類は必ずしも必要ではない。すなわち、前記板類が無くとも、前記物品収納部61はペリカウンター53、腰壁13、床面15aおよび左右両側の側壁で形成することができ、同様に、天板56端面と腰壁13との間の空気導入口55eより取り込んだ冷気を前面パネル57の面状ヒータ57hによって加熱して、天板56に形成された空気吹出口55dより吹き出すこともできる。但し、この場合は、物品収納部61と空気の流通経路が隔離されていないため、塵、埃等が物品に付着し易い欠点があるが、最悪、物品上にビニル等の可撓性のあるカバーを被せる等して対処することはできる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に示す発明によれば、加熱器に面状ヒータを用いて、該面状ヒータをペリカウンターの前面パネル裏面に取り付けて、ペリカウンターと側壁との間に空間を設けその空間を物品収納部にしたので、採光の良い窓下に収納スペースを設けることができて捜し物がし易く仕事の能率が向上するとともに、執務スペースを広く使用することができて快適に仕事をすることができる。
また、ペリカウンターに該物品収納部用開閉扉を設けて、ペリカウンターを加熱器の化粧板としてのみならず、物品収納部の天板および扉としても共用するようにしたので、収納キャビネットを別途設ける必要がなく構成部品を削減できて、設置費用を低く、占有スペースを小さく抑えることが可能となる。
更には、ペリカウンター天板の前端部近傍に空気吹出口を形成したので、面状ヒータで加熱した空気を即座に室内に供給できて、暖房効率が向上しそのランニングコストを低く抑えることができる。
また、前記物品収納部を略閉塞空間に画成したので、塵や埃等の物品への付着を抑制できる。
【0042】
請求項2に示す発明によれば、前記物品収納部用開閉扉を前面パネルで形成したので、収納した物品を手前に引き出して容易に取り出すことができ、重い物品でも落としたりせず安全に取り出すことができる。
また、前記物品収納部用開閉扉を天板で形成した場合には、天板を開いた際に収納部内の採光が良好なため、収納した物品の視認性が向上して、捜し物がし易く仕事の能率が向上する。
【0044】
請求項3に示す発明によれば、空気導入口を冷気が生じやすい側壁に近接して設けて冷気を空調装置内へ取込み、該冷気の比重が大きいことを利用して、床面と底板との間に設けられた空気流通路へと誘導した後、底板に設けられた空気取入口より面状ヒータへ吸い込まれて、面状ヒータにより加熱された暖気の比重が小さいことを利用して、天板に形成された空気吹出口より室内に暖気を吹き出すことができる。したがい、ファン等を用いずとも上記空気の循環を形成することができて、構成機器を減らせるのでイニシャルコスト、ランニングコストおよびメンテナンスコストを低く抑えることができる。
また、空調装置に必要な空気流通路を、物品収納部の背板、底板を用いて形成し、該物品収納部と共用しているので、構成部品を減らせて設置費用を低く抑えることができる。
【0045】
請求項4に示す発明によれば、遮熱板によって物品への輻射熱伝達が低減されるので物品の熱損傷を防止することができる。
また、面状ヒータと遮熱板の間を前記冷気は通過し加熱されるため、面状ヒータの輻射熱伝達によって加熱された遮熱板によっても該冷気は加熱されるので加熱効率が向上して、暖房のランニングコストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のペリカウンター式空調装置を示す斜視断面図である。
【図2】面状ヒータの発熱面温度と電気抵抗の関係のグラフである。
【図3】本発明に係る第2実施形態のペリカウンター式空調装置を示す、空調装置の幅方向中央の断面図である。
【図4】従来のペリカウンター式空調装置を示す斜視断面図である。
【符号の説明】
11 室内
13 腰壁(側壁下部、側壁)
15 床 15a 床面
17 窓
21 ペリカウンター式空調装置
23 ペリカウンター
25e 空気導入口 25d 空気吹出口
51 ペリカウンター式空調装置
51’ ペリカウンター式空調装置
53 ペリカウンター 53’ ペリカウンター
55e 空気導入口 55d 空気吹出口
55i 空気取入口 55w 第1空気流通路
55y 第2空気流通路
56 天板
57 前面パネル 57’ 前面パネル
57d 扉(物品収納部用開閉扉)57f 矩形枠
57h 面状ヒータ(加熱器)
61 物品収納部
61b 背板 61c 底板
61d 側板 61f 棚板
71 物品収納用引き出し,引き出し
71a 前面板 71b 背板
71c 底板 71d 側板
72 連結部材
73 ガイド部材
73a レール 73b ベアリングブロック
75 シール部材
Claims (4)
- 室内の側壁下部に沿って設けられた加熱器と、該加熱器の上方と前方等の外側を囲繞して前記側壁に沿って設けられ、空気導入口から取り入れた室内空気を前記加熱器によって加熱して、空気吹出口から再び室内に吹き出すペリカウンターとを備えたペリカウンター式空調装置において、
前記加熱器にはペリカウンターの前面パネル裏面に取り付けられる面状ヒータを用いて、該ペリカウンターと前記側壁との間に物品収納部を形成するとともに、該物品収納部用開閉扉を該ペリカウンターに設け、かつ該ペリカウンター天板の前端部近傍に前記空気吹出口を形成し、
前記ペリカウンターに、前記物品収納部の背面を画成する背板と、底面を画成する底板とを設けたことを特徴とするペリカウンター式空調装置。 - 前記物品収納部用開閉扉を前記前面パネルで、若しくは前記天板で形成したことを特徴とする請求項1記載のペリカウンター式空調装置。
- 前記背板と前記側壁との間、および前記底板と床面との間を離間させて空気流通路を形成し、前記側壁に近接する前記天板の端部を該側壁から離間させて該空気流通路への空気導入口を設けるとともに前記空気吹出口に対向させて該底板に前記面状ヒータに空気を送り込むための空気取入口を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のペリカウンター式空調装置。
- 前記面状ヒータとその後方の前記物品収納部との間に、遮熱板を介在させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のペリカウター式空調装置。
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