JPH047460Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、建屋の外壁と内壁との空間に設置さ
れる埋込型の空気調和機に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来の空気調和機は、建屋の天井側に近接した
内壁に室内ユニツトを複数の取付金具で固着し、
しかも、この室内ユニツトの運転操作部は、リー
ド線を介して柱や壁体に引掛けるようにして付設
されている。

しかしながら、上述した壁掛けタイプの空気調
和機は、この装置全体が室内にむき出しにして設
置されている関係上、部屋との調和を損うばかり
でなく、部屋の有効利用空間を制限されると共
に、天井の近傍に据付けるため、落下等の不安感
を与え、さらに、上記運転操作部は、リード線を
介して付設されているので、部屋の美観を損い、
さらに、室内ユニツトを据付ける際、内壁や柱を
損傷し、しかも、暖房時、温風を頭上から吹き出
すように構成されているから、不快感を与えるば
かりでなく、室内の温度分布を悪化して、暖房時
における熱の交換効率を低下するおそれがある。

〔考案の目的〕

本考案は、上述した事情に鑑みてなされたもの
であつて、建屋の外壁と内壁との空間に空気調和
機の室内ユニツトを埋設して、この室内ユニツト
を部屋に露出しないように収納し、併せて、部屋
の壁体や柱を損傷しないように設置すると共に、
暖房時の熱の交換効率の向上を図るようにしたこ
とを目的とする空気調和機を提供するものであ
る。

〔考案の概要〕

本考案は、建屋の外壁と内壁との空間に通気ダ
クトを区分して形成する支杆を立設し、この支杆
の上部に据付桟を設け、この据付桟に空気調和機
の室内ユニツトを設置し、この室内ユニツトの正
面の上記内壁に吸込口及び冷風吹出口を形成した
化粧枠体を付設し、上記冷風吹出口の近傍の上記
内壁に切換ダンパーを枢着し、上記建屋の床面に
近接した上記内壁に温風吹出口を上記通気ダクト
へ連通するように設けて構成したものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案を図示の一実施例について説明す
る。

第１図乃至第６図において、符号１は、建屋に
おける例えば、石膏ボードのような外壁であつ
て、この外壁１の内がわには、内壁２が一定の空
間３を形成して設けられており、上記内壁２の下
部には、床面４が敷設されている。又、上記外壁
１と内壁２との空間３には、通気ダクト５を区分
して形成する支杆６が上記床面４より立設されて
おり、この支杆６の上部には、第６図に示される
ように据付桟７が水平に架設されている。さら
に、この据付桟７の近傍の上記外壁１の内がわに
は、一対のフツク８を有する取付板９が、この取
付板９に穿設された長孔１０によつて上記外壁１
の内がわに対して上・下に調整し得るようにして
付設されている（第４図及び第６図参照）。さら
に又、上記据付桟７と上記取付板９の各フツク８
には、空気調和機の室内ユニツト１１が設置され
ており、この室内ユニツト１１の正面の上記内壁
２には、吸込口１２及び冷風吹出口１３を形成し
た化粧枠体（グリル）１４が付設されている。
又、上記冷風吹出口１３の近傍の上記内壁２に
は、切換ダンパ１５が回動自在に枢着されてお
り、この切換ダンパ１５は、冷房時には、第２図
の鎖線で示されるように傾斜した状態に保持さ
れ、上記室内ユニツト１１からの冷風を上記冷風
吹出口１３へ移送するようになつていおり、さら
に、暖房時には、第２図の実線で示されるように
垂直状態に保持して上記室内ユニツト１１からの
温風を上記通気ダクト５を通して後述する温風吹
出口２０へ送風し得るようになつている。

なお、上記切換ダンパ１５は、ガイド部材１６
内に設けられており、このガイド部材１６は、上
記通気ダクト５へ流体を案内し得るように形成さ
れると共に、上記取付板１０に設けられている。

一方、第１図及び第３図に示されるように、上
記化粧枠体１４の下部には、例えば、リモコンス
イツチ等を内蔵した操作パネル１７が貼設されて
おり、この操作パネル１７の前面には、上・下一
対の敷居１８が並設されており、この敷居１８に
は透明な引戸１９が開閉自在に付設されている。

他方、上記通気ダクト５の直下に位置する上記
建屋の床面４に近接した上記内壁２には、温風吹
出口２０が上記通気ダクト５へ連通するようにし
て設けられており、この温風吹出口２０の内がわ
の通気ダクト５には、案内板２１が斜設されてい
る。

なお、第５図に示されるように、上記室内ユニ
ツト１１には、給電回路の配管２２やドレン管２
３等が上記通気ダクト５内を引通して機外へ配管
されている。

従つて、本考案による室内ユニツト１１は、こ
れと一体をなす取付板９の位置を外壁１の内がわ
に対して上・下に調整して設けられ、しかる後、
上記室内ユニツト１１の正面の内壁２に吸込口１
２と冷風吹出口１３を形成した化粧枠体１４を取
付け、さらに上記通気ダクト５の下部に位置する
上記内壁２に温風吹出口２０を取付けることによ
り、上記室内ユニツト１１は、外壁１と内壁２と
の空間３に埋設するようにして設置され、上記室
内ユニツト１１を部屋内に露出しないように構成
されている。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、建屋の外壁
１と内壁２との空間３に通気ダクト５を区分して
形成する支杆６を立設し、この支杆６の上部に据
付桟７を設け、この据付桟７に空気調和機の室内
ユニツト１１を設置し、この室内ユニツト１１の
正面の上記内壁２に吸込口１２及び冷風吹出口１
３を形成した化粧枠体１４を付設し、上記冷風吹
出口１３の近傍の上記内壁２に切換ダンパー１５
を枢着し、上記建屋の床面４に近接した上記内壁
２に温風吹出口２０を上記通気ダクト５へ連通す
るようにして設けてあるので、部屋全体を調和し
て構成できるばかりでなく、壁体や柱等を損傷す
るおそれはなくなり、しかも、暖房時、熱の交換
効率を著しく向上できると共に、冷房時冷風は上
吹きに、他方、暖房時暖風は、床面近傍の下向き
吹きになるから、室内温度分布も良好となり、空
気調和機の機能を有効適切に発揮することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による空気調和機の正面図、
第２図は、同上縦断面図、第３図は、第１図中の
鎖線Ａ−Ａに沿う拡大断面図、第４図は、本考案
の空気調和機の室内ユニツトを取外した状態を示
すと共に、内壁の一部を破截して示す正面図、第
５図は、同上断面図、第６図は、本考案の分解斜
面図である。 １……外壁、２……内壁、３……空間、４……
床面、５……通気ダクト、６……支杆、７……据
付桟、９……取外板、１１……室内ユニツト、１
２……吸込口、１３……冷風吹出口、１４……化
粧枠体、１５……切換ダンパー、２０……温風吹
出口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 建屋の外壁と内壁との空間に通気ダクトを区
   分して形成する支杆を立設し、この支杆の上部
   に据付桟を設け、この据付桟に空気調和機の室
   内ユニツトを設置し、この室内ユニツトの正面
   の上記内壁に吸込口及び冷風吹出口を形成した
   化粧枠体を付設し、上記冷風吹出口の近傍の上
   記内壁に切換ダンパーを枢着し、上記建屋の床
   面に近接した上記内壁に温風吹出口を上記通気
   ダクトへ連通するようにして設けたことを特徴
   とする空気調和機。 ２ 空気調和機と一体をなす取付板の位置を外壁
   の内がわに対して上・下に調整し得るようにし
   たことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の空気調和機。